3年間の精進たたえるボクシング「小泉賞」 釜石高の部員2人に授与


2022/02/22
釜石新聞NewS #スポーツ #文化・教育

小泉賞を受けた菊池梢衣さん(左)、白川愛子さん(右)と釜石市ボクシング協会の小泉嘉明会長

小泉賞を受けた菊池梢衣さん(左)、白川愛子さん(右)と釜石市ボクシング協会の小泉嘉明会長

 

 釜石市ボクシング協会(小泉嘉明会長)は17日、高校3年間の部活動で競技に真摯(しんし)に向き合った釜石高の3年生部員2人に「小泉賞」を贈った。中妻町の昭和園クラブハウスで行われた贈呈式には、協会と同校ボクシング部から20人が出席。女子フライ級選手として活躍した菊池梢衣さん(3年)、マネジャーとして選手を支えた白川愛子さん(同)の努力をたたえた。

 

 「小泉賞」は、肉体、精神ともに過酷なスポーツであるボクシング競技に挑み、たゆまぬ精進と学業との両立を成し遂げた高校3年生に贈るもので、1999年に創設。卒業間近の毎年この時期に贈呈式を行っている。

 

 小泉会長は「3年間ごくろうさま。これからも未来を切り開きながら進んでいって」などと声をかけ、菊池さん、白川さんに記念のトロフィーを手渡した。また、「ボクシングは自身を鍛える意味ですごく神聖なスポーツ。個人競技だが、人との結びつきが強い」とし、後輩を含め部員らに人とのつながりの大切さを伝えた。

 

釜石高ボクシング部の後輩らが見守る中、行われた「小泉賞」贈呈式

釜石高ボクシング部の後輩らが見守る中、行われた「小泉賞」贈呈式

 

トロフィーを贈り高校3年間の頑張りをたたえた

トロフィーを贈り高校3年間の頑張りをたたえた

 

 同校ボクシング部は市内唯一の高校ボクシング部で、本年度は1~3年生13人(選手9、マネジャー4)で活動。5月には同校体育館を会場に県高総体が開かれ、菊池さんは女子フライ級で3位入賞を果たした。菊池さん、白川さんは3年生として部をまとめ、後輩らの良き手本となった。

 

 菊池さんは「練習はつらかったが、コーチやOB、顧問の先生の熱心な指導のおかげで続けてこられた。18年間生きてきて一番成長できた3年間だったと思う」と感謝。個人競技から「自分に勝つということを学べた」と実感する。卒業後は東京の国際系専門学校へ進学。将来は人道支援に携わりたいと夢を描く。「これからは自立していかなければならない。いろいろな壁にぶつかると思うが、『自分ならできる』と信じて頑張っていきたい」と前を見据える。

 

厳しい練習を重ね、大きく成長した菊池梢衣さん

厳しい練習を重ね、大きく成長した菊池梢衣さん

 

練習環境を整え、選手を支えてきた白川愛子さん

練習環境を整え、選手を支えてきた白川愛子さん

 

 白川さんは「選手の役に立っているか不安に思うこともあったが、『いつもありがとう』という言葉に自分も助けられた。裏方の大変さも知ることができた」と貴重な経験を心に刻む。部活以外では表に立って活動することも多かった。「サポートしてくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れず、これからも歩んでいきたい」。支える、支えられる双方の立場を経験し、大事な人生訓を得た。春からは横浜の大学に進学する。「ジェンダー問題や教育格差について学び、目指す教員の仕事に生かせれば」と白川さん。

 

 2人は先輩や後輩、指導者らに恵まれた3年間を「幸せだった」と振り返り、後輩部員らの今後の活躍に期待。伝統ある同部のさらなる発展を願った。

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