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震災後、関係者の努力で復活させ、回を重ねてきた釜石はまゆりトライアスロン国際大会(2019年、第25回大会)

「はまゆりトライアスロン」2年連続で中止 新型コロナ感染拡大を考慮

震災後、関係者の努力で復活させ、回を重ねてきた釜石はまゆりトライアスロン国際大会(2019年、第25回大会)

震災後、関係者の努力で復活させ、回を重ねてきた釜石はまゆりトライアスロン国際大会(2019年、第25回大会)

 

 9月5日に予定されていた「第26回釜石はまゆりトライアスロン国際大会」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に続き、中止されることが決まった。同実行委(小泉嘉明実行委員長)が発表した。

 

 5月9日に、大会を主管する釜石トライアスロン協会(小林格也会長)の定例総会、同大会実行委の会合が開かれ、今年の大会開催の可否を協議。全国的に感染拡大が続き、本県でも感染者が増えていることから、「安全を優先させることが最善」と判断し、中止を決めた。

 

 同大会は釜石市鵜住居町根浜海岸を主会場に1990年にスタート。参加者は最大で約400人に上った年もあり、東日本大震災前の2010年までに21回の開催を数えた。震災の津波で同海岸やコースとなっている周辺地域が甚大な被害を受け、11年の大会を中止。16年の岩手国体でトライアスロンが正式競技となり、同市が開催地となることが決まっていたこともあり、復活を望む地元の声に後押しされ、12年から大会復活への取り組みを開始。14年にはスイム、バイク、ランの全3種目による大会を実現させ、16年の国体につないだ。

 

早くコロナが収束して、全国のトライアスリートの笑顔が戻ることを願う

早くコロナが収束して、全国のトライアスリートの笑顔が戻ることを願う

 

 昨年は大会開始から30周年の記念大会を予定していたが、新型コロナの収束が見込めず、やむなく中止。「今年こそは」と開催の道を探っていたが、全国の感染状況を考慮し断念した。同協会の小林会長(82)は「この厳しい状況では仕方がない。やはり健康な状態で開催できるのがベスト。コロナが収束したら、みんなで楽しめるような大会をしたい」と望んだ。

聖火リレーを盛り上げようと、市中心部の目抜き通りで植栽活動に取り組む大町町内会の会員ら=3日

東京五輪聖火リレー 17日に釜石で 公道実施に向け準備着々

聖火リレーに合わせて行われる交通規制を伝える看板

聖火リレーに合わせて行われる交通規制を伝える看板

 

 東京五輪の聖火が、いよいよ岩手県にやってくる。北海道から届く聖火を宮城県につなぐ本県の聖火リレーは16~18日に行われ、県内28市町村の約46キロを巡る。新型コロナウイルスの感染拡大で公道での聖火リレーを中止する道府県が相次ぐ中、県は予定通り実施する方針(盛岡市を除く)で、釜石市内では17日に行われる。コース沿いにはすでに交通規制などを伝える看板が設置され、きれいな街並みで聖火を迎える準備も進められている。

 

 市内のリレーは、17日午後5時23分に魚河岸の魚市場西側駐車場をスタートし、同5時40分に大町の市民ホールTETTOに到着してゴールとなる。1・22キロの道のりを、日本ラグビーフットボール協会長の森重隆さん(釜石応援ふるさと大使)ら8人でつなぐ。

 

「気持ちよく走って」 地域住民ら聖火リレーコースを花で彩る

 

聖火リレーを盛り上げようと、市中心部の目抜き通りで植栽活動に取り組む大町町内会の会員ら=3日

聖火リレーを盛り上げようと、市中心部の目抜き通りで植栽活動に取り組む大町町内会の会員ら=3日

 

 3日には、ランナーに気持ち良く走ってもらおうと、沿道を花で彩る活動が行われた。東日本大震災の被災地と東京都を花苗の育成、植栽活動でつなぐ「岩手×東京 花のみちプロジェクト」の一環で、今年で8年目。大町町内会(奥村忠雄会長、105世帯)、青葉花っこ会(山﨑太季子代表、約20人)、只越町町内会(長柴政義会長、約60世帯)、周辺の復興住宅住民ら約50人が力を合わせた。

 

青葉花っこ会は東京五輪の競技会場を彩るオレンジ色のマリーゴールドの植え付け作業に協力した=3日

青葉花っこ会は東京五輪の競技会場を彩るオレンジ色のマリーゴールドの植え付け作業に協力した=3日

 

 大町から只越町までの目抜き通りや青葉通りの花壇にベゴニア、マリーゴールドの花苗450株を植栽。奥村会長は、孫晄矢さん(釜石中3年)が聖火ランナーとして走る予定で、「聖火ロードに花を飾り盛り上げたい。8人のランナーの応援になれば」と待ち望んでいる。

 

 同プロジェクトは、「被災地を花のあるまちに」と願う公益財団法人東京都道路整備保全公社が県と連携し進める活動で、東京から培養土や肥料などの提供を受け、県が花苗を用意。今年は花苗計4150株を植える計画で、13日は大渡町内会が大渡橋周辺、19日に鈴子町内会が釜石駅前周辺で活動する。

 

 花苗の一部300株を住民らが育成する取り組みも。東京五輪で野球・ソフトボールの競技会場となる福島県のあづま球場に送る予定で、大会成功に向けたエールや復興支援への感謝の気持ちを発信する。

 

きれいな環境で聖火を迎えよう 市職員らリレールートを清掃

 

きれいな環境で聖火を迎えようと、中心市街地で清掃活動に取り組む市職員ら=10日

きれいな環境で聖火を迎えようと、中心市街地で清掃活動に取り組む市職員ら=10日

 

 10日には市職員がリレールートを中心に市街地の清掃活動を行った。業務終了後の午後5時20分頃から行われ、約360人が参加。道路や駐車場に落ちているプラスチック製の食品容器や空き缶、たばこの吸い殻などを回収。道端に伸びた雑草も抜き取った。活動は6時過ぎまで行われ、2トントラックと軽トラック計1・5台分のごみや草が集まった。

 

青葉通りの草取りに汗を流す市職員。気持ちよい環境で観覧してもらおうと取り組んだ=10日

青葉通りの草取りに汗を流す市職員。気持ちよい環境で観覧してもらおうと取り組んだ=10日

 

 市生活環境課の和賀利典課長は「6月は環境月間でもあり、市街地のきれいな街づくりに市職員も協力したい。楽しみにしている聖火リレーが無事できれば。ランナーの皆さんに公道を走る気分を楽しんでほしい」と期待した。

 

交通規制に協力を 観覧は「密集避けて」

 

 聖火リレー当日は午後4時40分~同6時10分に、ルートとなる県道4号線(釜石港線)の大町~浜町周辺で交通規制が行われる。う回路を設定しているが、道路混雑が予想され、市では夕方の自家用車利用の自粛、交通量や路上駐車の抑制に協力を求めている。

 

 沿道での応援は制限されていないが、市は「密」を避けるよう呼び掛け。リレーの様子はNHKのホームページで配信されるライブストリーミングで見られるほか、TETTOでは大画面で視聴可能。午前9時半~午後8時まで無料で利用できる。

旧釜石二中跡地に整備された「大天場運動広場」

旧釜石二中跡地に「大天場運動広場」完成 1日から供用開始

旧釜石二中跡地に整備された「大天場運動広場」

旧釜石二中跡地に整備された「大天場運動広場」

 

 釜石市は、中妻町の旧昭和園グラウンドに替わる運動施設として、八雲町の旧釜石第二中跡地に「大天場運動広場」を整備。1日から供用を開始した。防球ネットや夜間照明を備えた多目的グラウンドは無料開放され、市民の体力・健康維持や競技団体の練習場など有効活用に期待が寄せられる。

 

 同広場は、市の都市公園「大天場公園」の一部だった旧昭和園グラウンドの機能復旧を目的に、旧釜石二中跡地を代替用地として整備された。面積約5500平方メートルの多目的グラウンドには、コの字型に防球ネット(高さ8~10メートル、延長208メートル)を設置。午後9時まで使用可能な照明13基も備えた(照明使用は市への申請が必要)。グラウンド北側にはトイレ棟、地域の集会所としても利用される詰所、駐車場(23台)を配置した。工期は2020年4月~21年5月。事業費は約2億1700万円。山長建設(山﨑寛代表取締役)が施工した。

 

かけっこ、ウオーキング、球技など多目的に利用できるグラウンド。水はけも良好

かけっこ、ウオーキング、球技など多目的に利用できるグラウンド。水はけも良好

 

グラウンドの周りには防球ネット、夜間照明、ベンチなどが設置された

グラウンドの周りには防球ネット、夜間照明、ベンチなどが設置された

 

運動広場の完成を喜ぶ供用開始式典の出席者=1日

運動広場の完成を喜ぶ供用開始式典の出席者=1日

 

 1日に行われた供用開始式典には、市や地元町内会の代表ら約20人が出席。野田武則市長は「市民に広く周知し、多くの人に親しまれ、活用される場所にしていきたい」とあいさつ。八雲睦会、大天場公園愛護会の木下義男会長に詰所の鍵が、市体育協会の下村恵壽事務局長にグラウンド入り口の鍵が引き渡された。

 

 旧昭和園グラウンドは、製鉄所従業員の労働環境整備の一環で1930年に開場。地域に開かれた運動場として多くの歴史を刻んできた。2011年の東日本大震災後は仮設住宅用地(118戸)となり、現在は釜石警察署が立地する。一方、06年に閉校した旧釜石二中は震災後、体育館が遺体安置所になった。校舎・体育館は13年に解体。校庭には11年に同警察署の仮設庁舎が建設され、現庁舎に移転する19年まで業務を続けた。

 

旧釜石二中の校舎。2013年に解体された

旧釜石二中の校舎。2013年に解体された

 

 八雲地区親交会の西村晴夫会長(79)は「子どものころから親しんできた昭和園グラウンドがなくなるのは寂しかった。家族全員の母校である二中跡地も思い出の場所。高齢化が進む地域にとって、グラウンドは住民の健康増進に役立つ。ここは海抜19メートルあり、津波避難場所としても活用できる」と喜んだ。

 

 グラウンドは誰でも自由に利用できるが、スポーツ大会など独占使用を希望する場合は市都市計画課に問い合わせてほしいとのこと(市都市公園条例に基づき、使用料が発生する場合あり)。詰所は地元町内会が管理する。問い合わせは市都市計画課管理係(電話0193・27・8435)へ。

5人で戦う男子の団体試合。一人一人が持てる力を発揮し、チーム一丸となって優勝を目指す

2年ぶりの晴れ舞台で躍動~県高総体開幕~釜石では柔道とボクシング

コロナ対策で選手らは2階観客席で開会式に臨んだ

コロナ対策で選手らは2階観客席で開会式に臨んだ

 

 第73回岩手県高等学校総合体育大会(県高総体)は20日に開幕した。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年度の大会は中止されたため、2年ぶりの開催。釜石市は柔道とボクシングの競技会場となり、柔道は21日から23日まで、鵜住居町の釜石市民体育館で行われた。ボクシングは27日から30日まで、甲子町の釜石高体育館で行われる。

 

 本年度の県高総体は、例年各校が集まり、にぎやかな応援合戦を繰り広げる総合開会式を中止。競技は無観客で行い、各会場とも手指消毒や競技時以外のマスク着用、声を出しての応援禁止などコロナ対策を徹底し、感染防止に努めた。

 

声援の代わりに拍手で仲間を鼓舞する。コロナ禍ならではの大会風景

声援の代わりに拍手で仲間を鼓舞する。コロナ禍ならではの大会風景

 

 柔道競技には県内各校から約500人が参加。開会式は、選手が地区ごとに指定された2階観客席に座ったまま行われ、一斉移動などによる感染リスクを避けた。県高等学校体育連盟柔道専門部の齋藤哲裕部長があいさつ。「健康や安全のありがたさ、試合ができる喜びをこれほどにかみしめる高総体は今までなかったかもしれない。稽古、実践不足もあろうが、今できる最大限の力を発揮してほしい」と述べた。

 

 開催市から晴山真澄副市長が出席し、野田武則市長の祝辞を代読。「今後の沿岸地区での各種スポーツ大会開催へ大きなはずみとなる。昨年10月には、当館で県高校柔道新人大会も開かれた。選手には慣れた環境でもある。緊張せず、悔いの残らないよう精いっぱい頑張ってほしい」と激励した。

 

 館内には4つの試合場が設けられた。初日は団体試合が行われ、男子31校、女子19校がそれぞれトーナメントで優勝を競い合った。声援は送れなかったものの、各チームは味方の技が決まると拍手でたたえ、静かに勝利への闘志を燃やした。館内は常時換気され、数試合ごとに畳の消毒も行われた。2日目、3日目は階級別の個人試合で、釜石・大槌地区からは大槌高の2選手が出場した。

 

大会は女子団体試合からスタート。これまで培った技と力で勝利への執念を燃やす

大会は女子団体試合からスタート。これまで培った技と力で勝利への執念を燃やす

 

5人で戦う男子の団体試合。一人一人が持てる力を発揮し、チーム一丸となって優勝を目指す

5人で戦う男子の団体試合。一人一人が持てる力を発揮し、チーム一丸となって優勝を目指す

 

 盛岡北高の水沼勝生主将(3年)は「今年も大会が出来ないかもと思っていたので、試合ができるのは本当にうれしい。この1年はマスクをつけて練習するなど大変だった。家族が見に来られないのは残念だが、いい報告ができるよう頑張りたい」と意気込んだ。

 

 高総体柔道競技の東北大会は6月26日から山形県酒田市で、全国大会(インターハイ)は8月8日から長野県長野市で開催される予定。

選手宣誓をする釜石ファイターズの金野悠人主将

球春到来!釜石の少年野球チームが結団式~県大会での健闘誓い合う

今季初の大会となる会長旗杯争奪春季大会=8日

今季初の大会となる会長旗杯争奪春季大会=8日

 

 釜石市野球スポーツ少年団協会(菅原章会長、2チーム)の本年度の結団式は8日、平田公園野球場で行われ、少年野球シーズンが幕を開けた。協会加盟の釜石ファイターズ(31人)と釜石東ジュニア(18人)のメンバーが参加。式の後、7月までに開催される3大会の釜石予選を兼ねた第46回会長旗杯争奪春季大会が開かれ、両チームが新体制でのチーム力を確認。県大会に向けた課題を探った。

 

市野球スポ少協会の結団式に臨む2チームの選手ら

市野球スポ少協会の結団式に臨む2チームの選手ら

 

 昨シーズンの大会優勝旗が返還された後、菅原会長があいさつ。「日ごろの練習の成果を白球に込め、思い切り野球を楽しんでください。新型コロナウイルスの感染拡大が続く。体調管理には十分注意し、1年間頑張ってほしい」と激励した。市体育協会の河東眞澄副会長は「グラウンド整備など陰で支えてくれる多くの方々に感謝の気持ちを持ち、プレーしてほしい」と望んだ。釜石ファイターズの金野悠人主将(6年)が選手宣誓。「大好きな野球ができることに感謝し、仲間と力を合わせて白球に食らいつき、一球一球全力でプレーすることを誓う」と高らかな声を響かせた。

 

選手宣誓をする釜石ファイターズの金野悠人主将

選手宣誓をする釜石ファイターズの金野悠人主将

 

 開幕試合は4つの大会を兼ねた。会長旗杯のほか、高円宮賜杯第41回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント、第43回全国スポーツ少年団軟式野球交流大会(県予選=いわての牛乳杯)、第39回岩手日報杯三陸海岸学童軟式野球大会(第27回マクドナルド・カップ)の各釜石予選。試合は釜石ファイターズが7対5で釜石東ジュニアを下し、29日に開幕する2大会県予選の出場選択権を得た。これにより、ファイターズは全国スポ少交流大会県予選(岩泉町)へ、釜石東は全日本学童大会県予選(大船渡市)へ出場することになった。7月17日からの三陸海岸学童大会(釜石市)にはファイターズが第1代表、釜石東が第2代表で出場する。

 

試合前練習で入念にウオーミングアップ

試合前練習で入念にウオーミングアップ

 

 この日は試合終了後、大会中の地震発生を想定した避難訓練も行われた。災害発生時に選手、観客をどう避難させるか、対応を学ぶためのもので、同協会としては初の試み。1日に同球場で高校野球の試合中に地震があったこと、沿岸部には海岸近くのグラウンドも多いことから、県野球協会の要請を受けて実施した。高台に位置する同球場は津波の危険性は低いものの、揺れが大きかった場合には施設の倒壊も心配される。訓練は事前に監督だけに知らせ、子どもたちには知らされない形で行われた。

 

 少年から壮年まで各大会の運営に関わる市野球協会は、コロナ禍2年目の今シーズンも参加チームや会場の感染症対策を徹底し、安全な大会運営を目指す。

輝き増す〝優勝杯〟獲得へ中学生が熱戦~釜石リアスLC杯バスケ第30回大会

輝き増す〝優勝杯〟獲得へ中学生が熱戦~釜石リアスLC杯バスケ第30回大会

輝き増す〝優勝杯〟獲得へ中学生が熱戦~釜石リアスLC杯バスケ第30回大会

 

 釜石リアスライオンズクラブ(永澤光雄会長、会員39人)が主催する同クラブ杯釜石地域中学校バスケットボール大会は4月29日、釜石市鵜住居町の市民体育館で開かれた。30回目を迎えた今年は、男女の優勝杯をメンテナンス。輝きを増したカップが1位チームの栄誉をたたえた。

 

大会30周年にあたりメンテナンスされた優勝杯

大会30周年にあたりメンテナンスされた優勝杯

 

 同大会は青少年の健全育成を願う同クラブが1992年に開始。例年、冬季に行われ、30回大会は昨年11月に予定されていたが、新型コロナウイルス感染症患者が市内で初めて確認されたことを受け、延期となっていた。年度をまたぎ、春に設定された大会には、釜石・大槌地区の中学校から男子4チーム、女子3チームが参加。男子はトーナメント戦、女子は総当たりのリーグ戦で優勝を競い合った。

 

釜石―甲子の1回戦。白熱したゲームが繰り広げられた

釜石―甲子の1回戦。白熱したゲームが繰り広げられた

 

 2011年の震災以降、大会は市内の中学校体育館などを借りて行ってきたが、19年に新市民体育館が完成したことで、前回大会から同館が会場に。コロナ禍の今大会は、応援に訪れる保護者は事前に学校に届けを出してもらい、入場時に本人確認。関係者以外が立ち入らないようにし、会場内での手指消毒、マスク着用、換気などと共に感染防止策を徹底した。

 

会場ではコロナ感染防止のための各種対策がとられた

会場ではコロナ感染防止のための各種対策がとられた

 

 運営に協力する市バスケットボール協会の菊地秀明会長(62)は、コロナの影響が続く本年度を見据え、「様子を見ながらだが、地元参加だけの大会はできれば開催したい。どうやったらできるかという方向で考えていく」と話した。

 

ゴール前で激しい攻防を見せる大平と大槌の選手

ゴール前で激しい攻防を見せる大平と大槌の選手

 

 同クラブの永澤会長(73)は大会30周年にあたり、「先輩会員の功績が今に残っているのはうれしい限り。学校統合で参加チームは少なくなっているが、試合の機会を欲する中学生のためにも、大会を長く続けていきたい」と望んだ。

 

試合を見守る釜石リアスライオンズクラブの永澤光雄会長

試合を見守る釜石リアスライオンズクラブの永澤光雄会長(左)

 

 今大会の結果は次の通り。
【男子(トーナメント)】
<1回戦>釜石 109-45 甲子/大平 72-28 大槌
<3位決定戦>甲子 52-31 大槌
<決勝戦>釜石 94-37 大平  
最終順位 ①釜石 ②大平 ③甲子
 
【女子(リーグ戦)】
大平 41-33 大槌/大平 43-29 釜石/大槌 50-49釜石
最終順位 ①大平 ②大槌 ③釜石

体験会でパス練習に挑む中学生=4日、市球技場

シーウェイブスアカデミー体験会開催~競技人口の底辺拡大やトップ選手輩出を目指し、4月17日開校へ

体験会でパス練習に挑む中学生=4日、市球技場

体験会でパス練習に挑む中学生=4日、市球技場

 

 ラグビーの地域型クラブチーム、釜石シーウェイブスRFC(SW)は、ジュニア部門強化に向けた指導体制として、本年度から中学生対象のSWアカデミーを開校する。
 小学生から活動する団員や中学から新たにラグビーを始めたいという生徒の練習・試合環境を整え、競技人口の底辺拡大や将来のトップ選手輩出につなげる取り組み。17日に開校し、週3回の練習や交流戦などを重ねながら、1年後の大会出場を目指す。

 

 釜石SWではこれまで、幼児から中学生が所属するSWジュニアが活動。小学生は単独チームで各種大会に出場してきたが、中学生は人数が少なく、チームを結成しての大会出場は難しい状況にあった。このため、中学生団員は試合や実践練習の場を求めて、内陸部で行われる県内合同の練習会に出向くことが多く、保護者の負担も大きかった。
 2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を機に、小学生団員はこの3年で1・5倍増の70人余りに拡大。アカデミー創設は、意欲ある子どもたちの成長を中学で途切れさせることなく、効果的なトレーニングで基本技術や体力の向上を図る狙いがある。

 

 開校に先立ち、3月14日と4月4日に、興味のある生徒向けに体験会を実施。4日は市内外から25人が参加し、パスやキックなど4つの練習メニューを体験した。

 

 小丸嘉斗君(釜石中3年)は小学5、6年時にSWジュニアで活動。中学ではテニス部に所属し、2年時からは校内に季節限定で設置される特設ラグビー部でも活動する。アカデミーで通年練習が可能になったことを喜び、「高校でもラグビーを続けたい。コロナ(の心配)もあるが、周りへの感謝を忘れず1年頑張りたい」と気を引き締めた。

 

アカデミーについて会見した坂下功正総監督、桜庭吉彦GM、鈴木亮大郎HC、細川進コーチ(右から)

アカデミーについて会見した坂下功正総監督、桜庭吉彦GM、鈴木亮大郎HC、細川進コーチ(右から)

 

 4日は体験会終了後、アカデミー開設に係る記者会見も開かれ、スタッフや今後の活動について説明があった。
 アカデミーのヘッドコーチには高校、U20日本代表を経験し、仙台育英高、関西学院大ラグビー部コーチを務めてきた鈴木亮大郎(りょうたろう)さん(31)=滝沢市出身=が就任。元釜石SW選手の細川進さん(42)ら10人のコーチ陣が指導にあたる予定。チームスローガン「Challenge(チャレンジ)」のもと、自ら考え行動できるプレーヤーを育成する。
 鈴木ヘッドコーチは「岩手から日本代表選手に育っていけるよう日々の練習をサポートしていく」、桜庭吉彦ゼネラルマネジャーは「ラグビーを通じた地域活性化にも貢献できれば」と意気込む。

 

 アカデミーの練習は月・水曜日が午後6時から、土曜日は午前10時から甲子町の市球技場で行う。入会は随時受け付ける。問い合わせは釜石SW事務局(電話0193・22・1173)へ。

釜石シーウェイブス ホーム戦飾れず、近鉄に15―36〜熱い声援に意地の2トライ

釜石シーウェイブス ホーム戦飾れず、近鉄に15―36〜熱い声援に意地の2トライ

近鉄を相手に奮闘する釜石SWフィフティーン=13日、釜石鵜住居復興スタジアム

近鉄を相手に奮闘する釜石SWフィフティーン=13日、釜石鵜住居復興スタジアム

 

 ラグビー・トップチャレンジ(TC)リーグの釜石シーウェイブス(SW)RFCは13日、ホームの釜石鵜住居復興スタジアムで近鉄と対戦し、15―36(前半3―17)で敗れた。後半にWTB氏家柊太、試合終了間際にフランカーのサム・ヘンウッドがトライを挙げたが、追撃も遠く及ばなかった。釜石SWは1勝2敗の勝ち点5でA組の3位となり、トップリーグ(TL)のプレーオフトーナメントには進めなかった。TCリーグは20日から順位決定戦を行い、釜石SWは5~8位決定戦に臨む。21日にBグループ4位のマツダと調布市で対戦する。

 

震災10年を迎え黙とうするスタンドのラグビーファン

震災10年を迎え黙とうするスタンドのラグビーファン

 

 コロナ禍の影響でTCリーグ開幕が遅れ、今季の釜石SWの最初で最後となるホーム公式戦。降りしきる冷たい雨の中、釜石フィフティーンはスタンドを埋めた熱心なファンの声援に背中を押され、格上の近鉄に最後まで食い下がった。

  

 前半に3トライを許し14点差で折り返した釜石SWは後半9分、交代で出たSO中村良真のキックを氏家が追い、インゴールで押さえてトライ。その後3トライを奪われるも、終了間際にヘンウッドがダイビングトライを決めて意地を見せた。

 

 震災10年を迎えた最初の週末に、今季初めて観客を入れて行われた意義深い一戦。奮闘むなしく敗れはしたものの、CTB小野航大主将は「特別な意味のある試合で、全員がプライドを持って80分間戦えた」と手応えを語る。共同主将として支えるFW中野裕太は「釜石でラグビーができることに感謝し、東北のチームとして盛り上げていきたい」と前を向いた。

  

復興五輪へ関心喚起、聖火リレートーチ展示

復興五輪へ関心喚起、聖火リレートーチ展示

五輪(左)とパラリンピックの聖火トーチを見学する親子

五輪(左)とパラリンピックの聖火トーチを見学する親子

 

 新型コロナウイルス感染拡大で1年延期された東京2020五輪、パラリンピック競技大会の聖火リレートーチの巡回展示が2月27、28の両日、釜石市のイオンタウン釜石で行われた。「復興五輪」への関心喚起を目的に聖火事業等県実行委が主催。県内の五輪聖火リレーは6月16日から3日間予定され、同市では17日に実施される。

 

 県内33市町村で行うトーチの展示は、昨年9月の雫石町を皮切りに始まり、釜石市は22カ所目。両大会のトーチは長さ71センチ、重さ1・2キロのアルミ製。桜をモチーフにしたデザインで、花びらを模した上部から立ち上る5つの炎が中央で一つになる構造。素材の一部に東日本大震災の仮設住宅に使われたアルミ建築廃材を再利用する。色は五輪用が桜ゴールド、パラ用が桜ピンク。パラのトーチには大会の精神を表す4つの言葉が点字で入れられている。

  

 五輪聖火リレーは3月25日、福島県からスタートする。岩手県では6月16日から18日までの日程で、約64キロの道のりを約280人のランナーがつなぐ。2日目の沿岸8市町村を回るコースで釜石市は6番目。魚河岸から市民ホールTETTOまで約1・2キロを8人のランナーがつなぐ。

 

 トーチの展示と合わせ会場では、東京大会で日本代表選手が着用予定のユニホームや過去の五輪、世界選手権で着用したユニホームも公開。本県出身選手が出場した過去の大会の歴史がパネルで紹介されたほか、三ヶ田礼一さん(スキーノルディック複合)、大井利江さん(パラ円盤投げ)ら本県出身4選手が大会で使用した競技用具も展示された。走り幅跳び、高跳びの選手が出した世界、日本記録を実感できる模擬セットもあり、来場者の注目を集めた。

  

 コロナの収束が見通せない中、開催への不安の声もある東京大会。見学に訪れた市内の会社役員男性(44)は「選手のことを考えると、無観客など何らかの方法で開催への道を探ってほしい。予算もかけて準備してきたものが全部ゼロになるのはもったいない」と話し、今後の動向を注視した。

釜石トライアスロン30周年記念誌発刊〜「継続は力」熱い思いを一冊に、震災からの復活 全国から支援

釜石トライアスロン30周年記念誌発刊〜「継続は力」熱い思いを一冊に、震災からの復活 全国から支援

震災から立ち上がってきた大会の軌跡が掲載された記念誌

震災から立ち上がってきた大会の軌跡が掲載された記念誌

 

 釜石市を代表する一大スポーツイベントに成長した「釜石はまゆりトライアスロン国際大会」は、1990年の開始から昨年で30周年を迎えた。大会を主管する釜石トライアスロン協会(小林格也会長)は、これまでの歩みを記録した30周年記念誌を先月発刊。東日本大震災からの大会復活、正式種目となった国体トライアスロンの釜石開催成功など、同市復興のシンボルとして走り続けた軌跡が関係者の熱い思いとともにつづられる。

 

 記念誌はA4判カラーで全50ページ。大会を支えてきた関係自治体や競技団体の代表、本県出身のトライアスリート、コース沿線の町内会長ら28人が寄稿。釜石大会の魅力や価値、地元にもたらした効果、懐かしい思い出などが、それぞれの視点で記されている。

  

 大会の歩みは、震災前の2010年までの20年間(通算21回開催)と、震災後の復活劇を1年ごとに追ったページで構成。豊富な写真を掲載し、多くの人々が関わってきた同大会を印象づける。

 

 11年の震災では大会メイン会場の根浜海岸と、コースとなっていた鵜住居、箱崎地区が津波で甚大な被害を受けた。協会員も被災し、大会存続が危ぶまれる中、復活の決断を後押ししたのが「復興の一助となってほしい」という地元の声。16年の岩手国体からトライアスロンが正式種目になり、釜石が開催地となることが決まっていたことも原動力となった。

 

完成した記念誌を手に関係者に感謝の気持ちを表す小林会長

完成した記念誌を手に関係者に感謝の気持ちを表す小林会長

 

 震災の翌12年にはオープンウォータースイム(水泳)、13年にはアクアスロン(水泳、長距離走)、14年にはトライアスロン(水泳、自転車、長距離走)の大会を実現させ、16年の国体開催につないだ。

  

 「震災直後は正直もうだめかと思ったが、市民や釜石を愛する全国の皆さんに支えられ、ここまでこられた。感謝しかない」と小林会長(82)。第1回大会から無事故できたことも大きな成果に挙げる。

 

 昨年は津波で流失した根浜海岸の砂浜再生工事が完了。30周年の記念大会を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、中止を余儀なくされた。震災、コロナと2度の危機に直面するが、「継続は力。今年こそ大会ができるようになることを祈る」。

 

 30周年記念誌は250部作成。大会関係者や支援者、協会員などに配られる。

県レベルのバレーボール大会で初めての優勝を飾った栗林ラビ—の主力選手と指導者

栗林ラビー(小学生バレー)県大会で快挙〜めんこいテレビ杯で初優勝、攻撃 守備のバランス良く

県レベルのバレーボール大会で初めての優勝を飾った栗林ラビ—の主力選手と指導者

県レベルのバレーボール大会で初めての優勝を飾った栗林ラビ—の主力選手と指導者

 

 第30回岩手めんこいテレビ杯県小学生バレーボール新人大会(県バレーボール協会、県小学生バレーボール連盟主催)は13、14の2日間にわたり、陸前高田市など気仙地域の5会場で開かれ、釜石市代表の栗林ラビーが優勝した。新人大会(5年生以下)とはいえ、1984年から活動するラビーはチーム史上初の県チャンピオンに輝いた。選手2人が有望選手賞、藤原明広監督兼代表が優秀監督賞を受けた。

  

 大会は男女と混合の計3部門あり、ラビーなど女子部門には38チームが出場した。ラビーは釜石・花巻地区(東和を含む)予選を勝ち抜き、本大会に進んだ。順調に勝ち進み、準々決勝では強豪の軽米にセットカウント2―1の逆転勝利。準決勝も一関を2―1で逆転して粘り強さを見せた。決勝は田頭(八幡平市)に2―0で圧倒した。

 

 全試合を通じて活躍した選手10人を選ぶ有望選手賞を山崎新菜さん(釜石5年)と小笠原早紀さん(栗林5年)が受けた。

 

 主将の金野涼葉さん(鵜住居5年)は1年生から入団し、ポジションは守備力を問われるバックセンター。「手応えは感じていたけど、本当に優勝してビックリした。全員サーブが良く、攻撃と守備のバランスもいい。6年生になったら、もう一度、県で優勝したい」と意欲を高めた。

 

 小林夏穂さん(栗林6年)は「今のメンバーは早くから試合に出ている。監督さんも、だんだん強くなっていると話していた。みんな元気がいい。優勝できて、私もうれしい。中学校でもバレーボールをします」と、〝後輩〟の活躍に励まされたよう。

  

 ラビーは創設から約36年のチーム歴を重ねる。これまで県内大会で何度か準優勝があり、2005年には全国大会に初出場した。数年前には選手が4人と存続の危機もあったが、栗林小児童主体の選手編成から広域化を進め、現在は1年生以上20人が登録する。選手が在籍する学校は市内6校、大槌町1校に広がる。

 

 保護者コーチ3人とチームを指導する藤原監督(62)は「新人大会とはいえ、県大会での初優勝はすごい。来年の活躍が楽しみだが、主力がごっそり抜けるその後が心配」と悩みは尽きない。

 

 チームの本拠地は栗林小体育館。練習は火・木曜日の午後6時半から約2時間。土・日曜日は午前9時から昼まで行う。加入、見学の問い合わせ、申し込みの連絡は、副会長の菊池健さん(電話090・8924・2221)へ午後6時以降に。

岩手ビッグブルズ(Bリーグ3部)、釜石でホーム2連勝 被災地を勇気づける〜特別ユニホームで躍動、釜石出身アーティスト 小林覚さんデザイン

岩手ビッグブルズ(Bリーグ3部)、釜石でホーム2連勝 被災地を勇気づける〜特別ユニホームで躍動、釜石出身アーティスト 小林覚さんデザイン

第4Q終盤、連続得点で勢いづく岩手ビッグブルズ(紺)=13日

第4Q終盤、連続得点で勢いづく岩手ビッグブルズ(紺)=13日

 

 日本プロバスケットボール男子Bリーグ3部(B3)の岩手ビッグブルズは13、14の両日、釜石市鵜住居町の市民体育館で開かれた第5節のホーム戦で、岐阜スゥープスと対戦。2試合とも勝利し、通算9勝1敗で単独首位をキープした。東日本大震災復興祈念試合と位置づけられた本戦。「絶対負けられない」とチーム一丸となってもぎとった勝利は、地元の観客らに大きな感動を与え、震災から間もなく10年となる被災地を活気づけた。

 

 ブルズの釜石での試合は、2019年12月の同体育館こけら落とし以来2回目。13日午後6時からの試合には、452人が来場した。

  

 第1クオーター(Q)を21―12、上々の立ち上がりを見せたブルズだったが、その後、岐阜にじわじわと追い上げられ苦しい展開に。第3Q終了時点で60―57とリードを奪われた。最終第4Qも一進一退の攻防。地元応援団の力強い後押しを受け、勝利への執念を燃やすブルスは終盤の連続得点で必死の追い上げ。試合終了1分20秒前に79―79の同点に持ち込んだ。ドラマはまだまだ続く。残り9・9秒。岐阜のファウルでフリースローを得たブルズは、奥州市出身、在籍10年目の千葉慎也選手が2本とも確実に決め、逆転に成功。激しいディフェンスで最後まで守り切り、81―79で接戦を制した。

 

試合終了間際、ブルズの逆転に沸きたつブースターら

試合終了間際、ブルズの逆転に沸きたつブースターら

 

 大槌町の会社員田中吉子さん(56)は「最後まで諦めない姿に感動した。最後の2点はみんなの気持ちが伝わったのかな。震災10年にあたり、(意義ある)大きなプレゼントになった」とチームをたたえた。

 

 釜石市の双葉ミニバス少年団に所属する川村惺雅君(双葉小6年)は「接戦試合でめっちゃ面白かった。ブルズのプレーは自分たちのお手本。ドリブルの強さとかまねできるようになりたい」と憧れのまなざし。この日は前座のU―12の試合に釜石選抜メンバーの一人として出場した。

  

 勝敗を左右するフリースローを決めた千葉選手(33)は、現選手の中で唯一の岩手県出身者。「この場面で自分かと運命的なものを感じた。この地の力も宿ったのかな。(ボールがゴールに)吸い込まれていった」。我慢強くプレーし、メンバー全員で被災地に届けられた価値ある勝利に喜びをにじませた。千葉選手はこの日、MVP賞も受賞した。

 

 14日は109―57、今シーズン最多得点で快勝。連勝を6に伸ばした。第6、7節は3位につける東京エクセレンスとの4連戦に挑む。

 

小林覚さんによる特別ユニホームで躍動

 

復興祈念ユニホームについて紹介する小林覚さん(右)と松田文登副社長

復興祈念ユニホームについて紹介する小林覚さん(右)と松田文登副社長

 

 今回の復興祈念試合で岩手ビッグブルズの選手を鼓舞したのが、釜石市出身のアーティスト小林覚さん(31)のアート作品をデザインした特別ユニホームの着用。被災地復興の力となるべく活動してきたクラブが、震災10年にあたり作成した。4月に宮古市で開催されるベルテックス静岡戦でも身に着ける。

 

 釜石の試合で着用したのは、2色(紺・白)のうち紺色のユニホーム。一部に小林さんが描いたアートがあしらわれる。原画は小林さんが大好きなビリー・ジョエルの名曲「マイ・ライフ」(1978年)をイメージした作品。歌詞を自分の耳に聞こえたとおりに文字化し、小林さんならではの表現でつづっている。同曲は自分らしい生き方や心の豊かさが歌われている。

 

ユニホームにデザインされた小林さんの作品

ユニホームにデザインされた小林さんの作品

 

 復興祈念ユニホームの作成は、知的障害のあるアーティストの作品をさまざまな形で世に送り出している福祉企画会社、ヘラルボニー(松田崇弥社長、盛岡市)との共同企画。復興にかけるブルズの強い思いに共感した同社がデザインを担当した。

 

 13日は小林さんと同社の松田文登副社長が試合を観戦。松田副社長は「障害のあるアーティストの作品をプロスポーツチームが取り入れるのは全国初。障害のイメージを変えていく一歩を岩手から踏み出せたのは大きい」と強調。

 

 今回のタイアップを提案した伊藤良太主将(28)は「おしゃれでかっこいいユニホーム」と気持ちを高ぶらせ、「スポーツとのコラボで発信できる社会的メッセージは多い。この実現が力になり、次の10年につながっていけば」と願った。

 

 被災地岩手でバスケットボールをする意義を選手全員で共有し、体現するブルズ。13日は試合前に岐阜の選手と釜石祈りのパークを訪れ献花、震災犠牲者の冥福を祈った。伊藤主将は「自分たちがバスケをする意味をあらためて考えさせられたと思う。つらい思いをしている方々に元気や明日への活力を与えられるようプレーしていきたい」と誓った。