東京パラリンピック24日開幕 釜石の「ものづくりの灯(ひ)」も聖火に


2021/08/23
釜石新聞NewS #スポーツ #福祉

東京パラリンピック24日開幕 釜石の「ものづくりの灯(ひ)」も聖火に

 

 東京パラリンピックの聖火は、全国47都道府県約880市区町村から集められた火とパラ大会発祥の地・英ストーク・マンデビルの火を合わせ、いよいよ、あす24日、開会式が行われる国立競技場に運ばれる。本県の全33市町村で採火された火は16日、盛岡市で集火され、開催地東京に送り出された。釜石市では、釜石駅前広場の「鉄のモニュメント」から〝ものづくりの灯(ひ)〟を採火し届けた。

 

 近代製鉄発祥150周年を記念し、2007年に設置された同モニュメントには、新日鉄釜石製鉄所(現・日本製鉄)構内で保存される高炉の火が分灯され、「ものづくりの灯」として燃え続けている。

 

 釜石での採火は15日にセレモニーとして行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う県独自の緊急事態宣言発出を受け、翌16日午前に無観客で実施。関係者6人が立ち会った。野田武則市長は「釜石の大事な火が全国の火と1つになり、さらなる元気と勇気を日本、世界に発信してくれることを願う」とあいさつ。モニュメントからトーチに採火し、盛岡に運ぶためのランタンに移した。

 

鉄のモニュメントから野田市長が「ものづくりの灯」をトーチに採火

鉄のモニュメントから野田市長が「ものづくりの灯」をトーチに採火

 

東京パラリンピック24日開幕 釜石の「ものづくりの灯(ひ)」も聖火に

 

 釜石の火を届けるのは、甲子町在住の全盲の砲丸投げアスリート小笠原智さん(75)。野田市長からランタンを託され、「パラアスリートが力いっぱい競技できるよう(祈りながら)、私も頑張って運んできます」と宣言。夕方、盛岡で行われる集火・出立式に妻ノリ子さん(69)、市の担当職員と共に向かった。

 

パラリンピック聖火になる火を野田市長から託される小笠原智さん

パラリンピック聖火になる火を野田市長から託される小笠原智さん

 

大役への感謝と意気込みを示す小笠原智さん(左)と妻のノリ子さん

大役への感謝と意気込みを示す小笠原智さん(左)と妻のノリ子さん

 

 難病で視力を失った小笠原さん。今回の大役に「重大な役目をいただき感謝。パラリンピックは自分も出てみたいと思う憧れの舞台」と喜びを表現。「選手にいい試合をしてもらうことが一番の願い。私たちもそれによって力をもらえる。どれだけうれしいことか。障害を持つ人たちが少しでも前に、外に出て、元気になるきっかけになれば」と思いを込めた。

 

 小笠原さんは、10月に三重県で開催予定の全国障害者スポーツ大会に出場が決まっている。同大会は、一昨年は台風19号、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止されており、「何とか今年こそは」と2年越しの大会を目指し練習を重ねる。

 

 20日に東京都内で集火されたパラリンピック聖火は、都内各所での点火セレモニーを経て、あす24日、開会式会場の国立競技場に運ばれる。

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