釜石市ラグビー人財育成専門員・佐伯悠さん 市内の高校生に指導開始


2021/07/24
釜石新聞NewS #スポーツ #文化・教育

ラグビー人財育成専門員として高校生への指導を始めた佐伯悠さん(後列右)

ラグビー人財育成専門員として高校生への指導を始めた佐伯悠さん(後列右)

 

 釜石市のラグビー人財育成専門員として1日付けで着任した元釜石シーウェイブス(SW)RFC選手の佐伯悠さん(36)が、10日から市内2高校のラグビー部の指導を開始した。佐伯さんは「スポーツをやるからには絶対勝ってほしい。自分が培ってきた技術や経験をしっかりと伝え、試合に勝つための準備に全力を尽くしたい」と意気込む。

 

 釜石高ラグビー部(9人)と釜石商工高同(10人)は本年度、試合に必要な選手数を確保できないため、合同チームとして大会に出場する。佐伯さんは、毎週土・日曜日に両校部員が集まる合同練習で指導にあたることになり、10、11の両日、商工高グラウンドで行われた練習から専門員としての指導を開始した。

 

 11日は両校から14人が指導を受けた。佐伯さんはプレーの基本となるパスやキック、タックルに加え、フォワードの選手らにスクラムやラインアウトのリフティングを指導。約2時間半の練習後、「試合の相手を意識して練習することが大切。その先には勝つこと。釜石でラグビーをやる誇りを持ち、頑張っていこう」と呼び掛けた。

 

佐伯悠さんの指導が行われた釜石高、釜石商工高ラグビー部の合同練習=11日

佐伯悠さんの指導が行われた釜石高、釜石商工高ラグビー部の合同練習=11日

 

タックルの基本を実践する部員ら

タックルの基本を実践する部員ら

 

平日練習のキーポイントなどを伝える佐伯さん

平日練習のキーポイントなどを伝える佐伯さん

 

 釜石高の川﨑瞭主将(3年)は「1つ1つのプレーが実際の試合でどんな意味を持つのかなど、より深く教えてもらえるので勉強になる。勝たなきゃという気持ちが生まれる」と刺激を受けた様子。合同チームのゲームキャプテンを務める商工高の三浦一真主将(3年)は「(2日間で)みんなうまくなってきている。パスをつなげたいので、効果的な練習法を教えてほしい」と意欲的。8月27日に開幕する全国高校ラグビー選手権県予選に向け、「個々が実力を発揮し、みんなで支え合えるチームに」と力を込めた。

 

 商工高同部顧問の稲生太貴教諭は佐伯さんの指導を「本当に心強い。足りない所、基本的な部分で最初から教えてもらえるのはありがたい。部員たちも言われたことを考えながら実践している」と歓迎。今後の実力向上に期待を寄せた。

 

ラインアウトのジャンパーの姿勢を佐伯さん自ら手本を示す 

ラインアウトのジャンパーの姿勢を佐伯さん自ら手本を示す 

 

フォワード陣によるラインアウト練習

フォワード陣によるラインアウト練習

 

 佐伯さんは関東学院大卒業後の2007年に釜石SWに加入。11年に主将となり、3年間チームをけん引した。20年に退団し、出身地神奈川県に戻ったが、釜石市が始めた「ラグビー人財育成プロジェクト」を知り、同専門員に応募。指導者として再び釜石で手腕を発揮することになった。日本ラグビー協会やワールドラグビーが認定するコーチ資格を持つ。

 

 「部員たちはすごく真っすぐ。成長が楽しみ」と佐伯さん。ラグビーが土壌としてある釜石で、小・中・高と続けられる環境の必要性を強く感じてきた。「一貫性を作れる機会が得られてうれしい。子どもたちの特性を伸ばしていきたい」と今後を見据える。小・中学生への指導も順次、行っていきたい考えだ。

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