釜石シーウェイブスRFC選手紹介 特別編 第3弾『2019年シーズン~新コーチングスタッフ インタビュー』

選手紹介2019/05/09


釜石シーウェイブスRFC選手紹介 特別編 第3弾『2019年シーズン~新コーチングスタッフ インタビュー』

 

インタビュー:2019年4月10日 / 釜石情報交流センター ラウンジ
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文:市川香織(釜石まちづくり株式会社)
写真:西条佳泰(Grafica/LiFESTYLE Lab.)

 

釜石シーウェイブスRFCは今シーズン、コーチ陣を一新してスタートを切りました。3月下旬に行われた新体制発表では、「単年計画のチーム作りはしない。長期展望で」「毎年変わるスローガンは必要ない」という内容のコメントがありました。果たして、どんなチームを目指し動き出しているのか、ピアースヘッドコーチ(HC)、デイビスコーチ(C)、佐伯コーチ(C)の3名にお聞きしました。

 

スコット・ピアース(Scott Pierce)ヘッドコーチ プロフィール
2018年加入 1965.2.13生(54歳)
<主なコーチング歴(近年)>
2003~2008年 三菱重工相模原ダイナボアーズ ヘッドコーチ
2015~2017年 栗田工業ウォーターガッシュ ヘッドコーチ
●出身地:ニュージランド
●日本で住んだことがある場所:山口、静岡、神奈川、釜石
●ニックネーム:BASIL
●趣味:ゴルフ
●好きな食べ物:鍋
●釜石の好きなところ:いなかっぺ(居酒屋):毎週行く
●出身地のオススメ:オークランド:ビーチスポーツ(セーリングなど)
●サポーター、ファンへメッセージ:災害にあっても釜石の人たちは力強い。サポーター、ファンの皆さんは、チームの“16人目”のメンバーです。皆さんのサポートが私達の力になります。

 

キース・デイビス(Keith Davies)コーチ プロフィール
2019年加入 1960.2.11生(59歳)
<主なコーチング歴(近年)>
2006~2008年 三菱重工相模原ダイナボアーズ FWコーチ
2011年 クイーンズランドレッズ テクニカルコーチ兼アナリスト
2011~2012年 京都産業大学ラグビー部 ヘッドコーチ
2013~2015年 関西大学ラグビー部 ヘッドコーチ
2016年 栗田工業ウォーターガッシュ FWコーチ
●出身地:オーストラリア
●日本で住んだことがある場所:熊本、大阪、香川、京都、東京、茨城、神奈川
●ニックネーム:ハンサム ガイ
●趣味:サーフィン+ビキニガール(ワイフには内緒!)
●好きな食べ物:つぼ八の“ホッケ”と“マグロ納豆”
●釜石の好きなところ:つぼ八、波板、イオン
●出身地のオススメ:サーフィン+ビーチ&ビキニガール
●サポーター、ファンへメッセージ:いつもサポートいただきありがとうございます。私たちは釜石の為に勝利します。

 

佐伯悠(さえき ゆう)コーチ (所属先:(株)エヌエスオカムラ 社員)プロフィール 
2007年加入 1985.3.30生(34歳) 183㎝ 93㎏
●神奈川県横浜市出身
●東京農業大学第一高校→関東学院大学卒 
2018年シーズンを持って現役引退し、今シーズンよりコーチに就任。
現役時のインタビュー記事(2018年11月取材)

 

一番必要なことは“信頼”

 

スコット・ピアース ヘッドコーチ

スコット・ピアース ヘッドコーチ

 

ーーまずは、ピアースHCにお聞きします。昨シーズンは、アナリスト(分析)としてチームを支えていらっしゃった。どんな1年でしたか?

 

Scott Pierce

ピアースHC:昨年は選手が20数人と大幅に入れ替わり、新しいシステムを作っていく必要がありました。
チームのバランスなど難しい面があり、(昨年のコーチ陣の)松原さんと池田さんには、新しい選手とシステムをフィットさせていくという大きな課題があったと思います。
 
私自身が釜石で生活する事へのチャレンジが、選手のパフォーマンスに直接影響したかどうかは分からないけど、釜石で暮らしていると、イベントが他の地域より少ないかなと思う。チームイベントも少なかったしね。
今年はもうちょっとそういう事を増やして行き、チームに一体感をつくっていきたい。

 

ーーそして、今シーズンヘッドコーチ(HC)に就任されました。

 

Scott Pierce
ピアースHC:私がHCをするにあたり、キース(デイビスC)の力が必要だと桜庭GMに言いました。
というのも、チームの特徴として、高卒からベテランまで幅広い世代の選手がいるという事が挙げられるからです。今の社会人チーム、特にトップリーグやトップチャレンジリーグの他チームには、こういうチームは無いです。単純に考えると、チームバランスを取る事が難しい。考え方、生活など全てにおいて、幅広い選手が居るわけですからね。
その特徴をきちんとリンク&フォロー出来るコーチはそうそう居ないですが、キースなら任せられます。彼の今までの経験を見れば明らかですね。
 
釜石に来る前は、すごくファイティングスピリッツに溢れたチームとのイメージがあったけど、昨年は少し違うと感じました。なので、今年はこの3人はもちろんの事、スタッフ全員でもうちょっとタイトになりたい、昔のようなファイティングスピリッツに溢れたチームになりたいと思っています。

 

ーー新体制発表の時に、「選手の良さを引き出し、成長させ、常にベストパフォーマンスを出させる事が、自分の役目」とコメントされました。常にベストパフォーマンスを出す為に、何が一番必要とお考えですか?

 

Scott Pierce
ピアースHC:「信頼」・・・ですね。ラグビーはチームスポーツだから、チームに1人でもシステムを信頼していない選手が居ると、それが残りの選手全員に影響を与えます。だから、キーポイントは、どうやって選手全員が同じ考え方をし、同じ方向を見るかという事。個人のスキルを上げて行く事はもちろんだけど、そこを大事に取り組んでいけば結果もついてくるし、メンタル的にも良い。自分達に自信がつくから。
 
今はまだ、“出来る”と言葉で口にしているだけで、心の底から信じて言っているわけではないと思う。一昨年、昨年のシーズンを引きずって、ネガティブなイメージがまだあると思う。

 

目指すのは“ポジティブラグビー”

 

キース・デイビス コーチ

キース・デイビス コーチ

 

ーー今年は春シーズンから、いつもとは違うシーズンですね。6月下旬からは、トップリーグ(TL)とトップチャレンジリーグ(TCL)のチームが対戦する『ジャパントップリーグカップ2019(仮称)』(カップ戦)も入って来ます。

 

Scott Pierce
ピアースHC:昨シーズン、TL16チーム中15位の豊田自動織機に、SWは昨年の夏に対戦して大敗しています。これを1つの基準として考えると、SWにとってこのカップ戦はとても大きなチャレンジです。
そして、カップ戦で対戦するトヨタ自動車は昨年TL4位のチームで、本当にビックチャレンジです。でも、そのゲームで負けても、そこから学んで行けばいいと思う。
皆、試合の結果、点数だけ見るでしょ?でも、負けた試合の中にも良いプレーはある。大切なのは“内容”で、これもチームを作っていく上でのキーポイントです。
良いプレーは伸ばして行って、マイナスポイントは変えて行けばいい。そこは集中してやりたい。
 
それから、昨年のトップチャレンジリーグ(TCL)の時は、ケガ人が多く、同じポジションの選手を十分に揃える事が出来なかった。出来れば、同ポジションに3人いれば、毎試合スターティングメンバーを組むのに苦労しないし、メンバー同士の競争による選手のレベルアップも望めると思う。

 

Keith Davies
デイビスC:ラグビーにケガは付きものですけど、できるだけケガをさせないようにするのもコーチングの一つ、マネジメントの部分ですね。公式戦が始まるまでの春シーズン、それから日々の練習でも、正しい練習の仕方をすればケガのリスクを下げる事は出来ます。
練習時の選手のメンタリティーにも、自信を持って臨む事が必要です。メディカル面に対してもそうですね。ケガしてもいつまでには戻るとか、ラグビーというスポーツは全体的に選手を色々とマネジメントしないと良い結果にはつながらないから。

 

Scott Pierce
ピアースHC:マネジメントという事で言うと、仕事についてもそうですね。現在プロ契約選手は14人だけで、他の選手はそれぞれ仕事をしています。クラブチームですから当然の事なんですが。

 

ーー佐伯コーチも、SWに入団されてからずっと仕事との両立をされて来ました。

 

佐伯コーチ

佐伯コーチ

 

佐伯コーチ
佐伯C:選手には、それを言い訳にはしないで欲しいというのがまずあります。やっぱり、釜石にラグビーをプレーする為に来た、という事が一番になってくれればいいって思いますね。
 
メンタルの部分では、まだプロフェッショナルではない選手が多い。特に社員選手に多いかなと感じます。
やっぱり、そもそもアスリートなので、結果を出す為にはどうしたら良いのか、ケガをしない為、身体を作る為にどういう取り組みが必要なのかを考えなければなりませんが、まだ理解が低い面があります。

 

Keith Davies
デイビスC:普通の仕事と両立している選手の場合、それぞれが所属している会社の理解も頂かなければいけません。時々、練習の為に早く仕事を終えるとか、合宿の為に休みをもらうとかが必要ですから。そこは、私達がもっともっとサポートをしていかなければならないと思っています。

 

ーー佐伯C、こういうコーチの発言は、社員選手には心強いのでは?

 

佐伯コーチ
佐伯C:もちろんです!やっぱり理解が大事なので。そこを大切にしてもらえていないと、スケジュールもすごくタイトに組まれてしまったりしますし、チームの理解が無いと、逃げ場がなくなったりしてメンタル的にも良くなくて、それがパフォーマンス低下に繋がってしまうんですよね。そういう面でもすごく助かっています。

 

Scott Pierce
ピアースHC:特に、今シーズンはハイレベルの公式戦が続くカップ戦があるから、SWにとって経験を積む為には良い事だけど、すごく大きなチャレンジなので、このカップ戦の後は休息も必要です。

 

Keith Davies
デイビスC:一つの試合が終わったら、まず次の試合に向けたリカバリーが必要です。毎週試合が続く時もあるから、しっかりリカバリーして、そして練習という流れですね。
しっかりとした休息は、プレーヤーのモチベーションアップにも繋がります。そこも大事です。

 

ーーHCから見て、昨シーズンのチームの良かった所で今シーズンも引き続き繋げて行きたい点はどこになりますか?

 

Scott Pierce
ピアースHC:“雰囲気”ですね。“雰囲気“はとても良い。そこは今年のチームづくりでもキーポイントになります。
2月からスタートして、ここまで僕たちが言っていることのほとんどは、選手に“ポジティブ”なイメージを持ってもらう為の事。ネガティブな事はいつでも言えるから、あまり言ってないです(笑)。
 
昨シーズン、チームはすごく頑張っていたけど、ケガが多かったりギリギリの所で負けたりして、なかなか結果に繋がらなかった。シーズンが深まるにつれプレッシャーが重くなっていたと思う。
それが今でも頭の中にあると思うから、まずはそのネガティブなイメージを無くさないと。
新体制発表でも言ったけど、“ポジティブラグビー”をするためには、チームの雰囲気がとても大事です。

 

“釜石”のチームではなくて、“東北”のチームになりたい

 

scott02

 

ーー新体制発表記者会見でも、単年毎にチームスローガンを立てて、結果ばかりを求めるのではなく、3年~5年の長期スパンで選手を育成してチームを作って行かなければ、本当に強いチーム、チーム文化は出来ない、というお話がありました。それをお聞きしてチームの未来を考えると、これからが楽しみだと感じました。その為に、コーチ陣がやるべき事はたくさんありますね。

 

ピアースHC、デイビスC:もちろん、もう・・・たくさんありますね(笑)。

 

Keith Davies
デイビスC:まずは、やはりチームの“雰囲気”ですよね。これを言うのは良くないのかもしれないけど・・・やっぱり、釜石に人(選手・スタッフ)を引っ張って来るのは簡単ではないです。大学を卒業したトップレベルの選手は、みんな東京などに住みたい、戻りたいとかあるから。ラグビー選手としてトップのチームでプレーしたいという気持ちや、子供の学校などの家族の事などもあります。
 
だから、こちらに引っ張って来るのはけっこう大変なこと。だけど、良い文化や良い雰囲気を作れば、逆に釜石に行きたいという選手が出てくると思います。チームビルディングではこれが重要。どんなに頑張って結果を出しても、チームの雰囲気が悪いと釜石に行きたいという気持ちにはならないと思います。

 

佐伯コーチ
佐伯C:もしかすると、この2年はそこを大事にする面が薄かったと思います。「まずは勝つ・・・」という事を見過ぎて、釜石の歴史とか良い所とかを少し置き去りにしてしまった感じがあったのかなと思いますね。

 

Scott Pierce
ピアースHC:釜石の大事な所はその歴史や文化でしょ?だって、「釜石」と聞くと、今でも多くの人が「ラグビーですか?」って言うでしょ?
釜石=ラグビーのイメージは今もあって、小さな町だけど“ラグビータウン”。歴史がある、パワー、文化がある。そこに、新しい歴史を積み上げていきたい。
 
それから僕の中では、東北のラグビー選手は“タフ”というイメージがあります。高校生を見ていると特にそう感じます。このチームは高卒の東北出身選手が多いですし、“釜石だけのチーム”では無くて、東北全体のサポートや応援をもらって、“東北のチーム”になりたいですね。

 

ーー佐伯コーチ、この経験豊富で釜石ラグビーに対する熱い思い、リスペクトの気持ちを持つお2人のそばで、コーチとしての1歩踏み出すという事についてはいかがですか?

 

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佐伯コーチ
佐伯C:僕自身、コーチとしてのスキルはまだまだで、勉強中です。ただ、自分の強みは、釜石で過ごした12年間の経験だと思います。
自分が入団した当時に色々と苦労した思いがあったので、同じような環境に身を置いていたり、悩んだりしている選手の背中を押す手伝いも出来ますし、相談も聞く事ができますから。
あとは、この2人のコーチが考えている事をしっかりと理解して、それを上手くチームに溶け込ませて行く事が大切だと思っています。
 
それからチーム文化という点で、鵜住居に出来た『いのちをつなぐ未来館』(うのすまい・トモス:津波伝承施設)を先日チームで訪問し、施設の方の説明を聞いてきました。
押し付けるわけではないけれど、やっぱり“釜石でこういう事があった”という事を知っていて欲しい、理解してくれれば嬉しいと伝えました。
これまでのきちんとした文化・歴史があって、そしてあの震災を乗り越えて来たというバックボーンがあるチームだし、サポーターの皆さんが支えてくれているチームだから、みんなで頑張っていこう!・・・という感じですね。そこをしっかり理解してくれていれば、自然に良いチームになっていくと僕は思っています。

 

ーー現役引退についてもそうだったとお聞きしましたが、コーチに就任する事もだいぶ迷われたのでは?

 

佐伯コーチ
佐伯C:そうですね。迷いました。でも、スコッティが本当に熱心に誘ってくれて・・・。ニュージランドから電話をもらった時もありました。一番の決め手は「僕のチャレンジを佐伯のサポートで“NO1”にしてくれ!」っていう言葉ですね!

 

Scott Pierce
ピアースHC:(頷いて)僕のチャレンジにはどうしても佐伯が必要だったから。社員選手、プロ選手関係なしにどの選手とでもリンク出来るでしょ。こういう選手は少ないです。佐伯はキーメンバーです!

 

Keith Davies
デイビスC:日本のラグビー選手は、現役を終えてすぐにそのチームのコーチになったりとかするケースが多いけど、それはすごく重いプレッシャーだと思うし、上手くいかないコーチもたくさんいます。
だけど佐伯さんの場合は、私やスコッティのやり方を見ながら勉強すればいいし、そこに自分のやり方とか新しいシステムとかを足して行けばいい。

 

Scott Pierce
ピアースHC:僕も、釜石の将来は佐伯に任せたいと思う。僕たちも、今までの釜石のラグビーや文化の良い所を受け継いでまた作るので、それを受け継ぎながら自分のカラーも上手く混ぜていけばいいから。

 

釜石に住む人たちに、前を向いて進む強さを感じます

 

キース・デイビス コーチ

キース・デイビス コーチ

 

ーー少し、ラグビーと離れた質問も・・・。釜石での暮らしはどうですか?(ピアースHCとデイビスCへ)

 

Scott Pierce
ピアースHC:(すぐに笑って)最初の1ヶ月は色々あったけどね(笑)。でも、ラグビーだけではなくて色々とアクティビティが出来るから、それはすごく良いポイント!
外国人選手は、来たばかりの頃は「遊ぶところが無い」と言っていたけど、まぁ情報も無いし、言葉の壁もあるからね。だけど今は、日本語が出来る海外出身選手が言葉の面をカバーして、ミニグループがたくさん出来て、ゴルフをしたり、海に行ったり、山に登ったりしています。
 
それから、僕は松倉グランドの近くのアパートに住んでいるんだけど、去年の10月くらいかな?ベランダの方から「ギギギギーッ」って音が聞こえて来て、誰?と思って窓を開けたら、シカがいた(笑)。こういう事は、釜石だけでしょ?こういう問題(笑)。東京では無い事だよね(笑)。
でも、こういう話を海外の人に話すと「うそ!?本当に?」って信じてくれない(笑)。本当なんだって!

 

Keith Davies
デイビスC:この間、スコッティ(ピアースHC)とサーフィンに行ったり、山を自転車でトレイルしたり、ハイキングしたりしました。
それから、私は波板のサーフショップでライセンスの申請をして、ずっとサーフィンが出来るようにしました。
他の大きな街までは遠いけど、釜石でもたくさん出来る事はあるし、僕は田舎が大好きだし、どの場所に住んでも楽しめる気持ちが大切ですね。

 

ーー昨年はチームイベントが少なかった、というお話がありましたが、今年はどんな事をしようと考えていますか?

 

Scott Pierce
ピアースHC:秋田の試合(4/27)が終わってから、チームでバーベキューをすぐやります。
それから、今までチームはGWに休みが無かったでしょ?ミニ合宿などがあって。でも、今年のリーグ戦は秋からスタートだし、すごくシーズンが長いから、今年のGWは休みにしました。来年も同じように出来れば、選手は生活と仕事のバランスが取りやすくなると思います。

 

Keith Davies
デイビスC:一緒に何かをする事だけが、良いチームを作る為に必要なわけではなくて。例えば、今回のGWは7日間完全にオフにしたから、家族といる時間に使えるとメンタルをリフレッシュする事になると思うし、そうすると休みの後のやる気も上がるし。チームでイベントをするのと同じくらいに、チームから離れる時間も必要だという事です。

 

Scott Pierce
ピアースHC:でも・・・何も出来ないね。GWは全部すごく高い!飛行機もホテルも(笑)。

 

佐伯コーチ
佐伯C:GWがオフになる事がみんな初めてなんですよ。それで、休みだからどこか行こう!ってなっても、どこに行っていいかわからないとか、行こうとして調べると何もかも高い(笑)。そして、混んでいる(笑)。だからもう、家族とゆっくり過ごして、しっかりリフレッシュするのも良いかな!という感じですね。

 

Scott Pierce
ピアースHC:でも、東北出身の選手が多いから、故郷に帰りたいと思ったら帰る事も出来るでしょ?
 
それから、佐伯が話した、チームで鵜住居に行ったことはすごく大事な事だった。外国人選手達は、釜石が津波が来た場所だという事は聞いていても実感は無かったと思うし、釜石に暮らす人たちやチームにどういう影響があったのかを知る機会になりました。この地域にどんな影響があったのか、勉強する事は大事です。
 
それから、新体制発表会見の時に記者の皆さんに「書きとめて」って言ったけど、「悪い事があっても、そこから立ち上がって強くなれる」っていう言葉と、“釜石の人は強い!というイメージは、私の中でリンクします。
 
実際にその記者会見の後、会場に来ていた女性がキース(デイビスC)に、「今度、鵜住居に家を建てるから!」と話していたんだけど、その様子を見ていたら、もう、ものすごく元気!パワーがある!

 

Keith Davies
デイビスC:私は今、鵜住居に住んでいるんだけど、その女性の津波で無くなった家が私が住んでいる場所の近くだったから、「キースの家もわかるよ!」って言っていました。
 
釜石の町の中には、今でも色々な所に、「ここまで津波が来ました」という目印がたくさんありますよね。
私も1メートル30センチくらいの津波を経験した事はあるけど、この高さは想像がつかない、考えられないと見る度に思います。
 
それから、車のナビを信じて行ったら目指す建物が無かったりとか・・・。たぶん、その車のナビは2011年より前のものだから。津波の被害に遭って違う場所に建て直ししたという事なんだ・・・とか。暮らしていると日常の中で津波があった事を感じる事はたくさんありますね。

 

Scott Pierce
ピアースHC:でも、釜石で震災に遭った人たちは、前を見ている人が多いと感じます!僕の中ではそういうイメージが強いです。もちろん、まだまだ大変な事はあるけど、それでも“前を向かなきゃ!”という気持ちが釜石の人たちから伝わって来ます。
 
そして、この釜石の人たちの前向きなイメージは、ラグビーに取り入れる事が出来ると考えます。
釜石の人たちがこうして前を向いているんだから、“あなたたちもやらなきゃ!”って、チームには伝えたい。
歴史から学ぶのも大切、でも毎日前を見なきゃ。前を見ると、次のチャレンジが出来ます。
釜石でラグビーをする事は特別です。ラグビーをするのにここより良い場所はない・・・というくらい特別な場所です。

 

「釜石SWのラグビースタイルが好き」というファンを全国に

 

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ーーGWの休暇後、5月12日にはIBC杯がありますね。今年は、台湾代表チームとの対戦です。

 

Keith Davies
デイビスC:シーズンの良いスタートを切る為に、練習のイメージ通りにしっかりプレー出来れば良いと思います

 

Scott Pierce
ピアースHC:この試合だけの準備ではなく、その後の秋田での試合などにも繋げたい。IBC杯からその試合に向けた準備の方が少し大変かもしれない。もしかしたら、その間にもう一つ練習試合が入るかもしれない・・・。結構、スケジュールがタイトです。

 

ーーSWへの試合のオファーは多いでしょうね?

 

Scott Pierce
ピアースHC:多いね!TOPチームからもあるから。色々なチームがサポートしてくれています。

 

佐伯コーチ
佐伯C:社会人チーム以外にも、大学チームとか、釜石が好きって言って下さるチームが本当に多いです。ありがたいことですよね。
 
それから、さっき出たGW完全オフは、社員選手にとっては本当にありがたいです。今までは、チームは休みでも仕事はあるというパターンが多くて、完全オフではないことが多かったんですね。社員選手は2月18日から始動していて、秋田の試合が(4/27)11週目なんです。

 

Scott Pierce
ピアースHC:ここまで、ずっと頑張って来た!だから、ここで完全オフしてリフレッシュしてもらいたい。

 

佐伯コーチ
佐伯C:そういう意味でいうと、ここまでずっと頑張って来た社員選手がIBC杯でメンバーに入って、良いパフォーマンスを出してくれると良いなって思いますね。
シーズン開始の時に、スコッティが社員選手の前で「頑張っている選手をどんどん使っていきたい」という話をしてくれたので、それに応えてチャンスをものにして欲しいです。

 

Scott Pierce
ピアースHC:僕は、若い選手にも平等にチャンスをあげたいと考えているからね。

 

ーーピアースHCとデイビスCにお聞きします。これから、どんなチームを作って、どんなラグビーをみせてくれますか?

 

新体制発表会見時の様子

3月20日に行われた新体制発表会見での1枚

 

Scott Pierce
ピアースHC:僕とキースが持っているイメージはだいたい一緒だと思う。同じ方向を見ているという事はすごく大事。少し違う所はもちろんあるけど、二人とも“ポジティブラグビー”が好き。
ハイテンポ、高いスキルレベル、規律。そして、そういうラグビーを日本人は得意だと思う。

 
キーポイントは、1人1人のスキルレベルを上げていく事。そうすれば、面白いラグビーが出来ると思う。
ファンもそういうラグビーが観たいでしょ?
そうすると、ファンのサポートも増える。面白いラグビーをしていれば、釜石でプレーしたいという選手もどんどん出てくる。対戦したチームとかからね。
 
だから今年は、もう少しサポーターと選手とのリンクが欲しい。勝ち負けだけではなくて、ゲームの内容の充実。いつもベストパフォーマンスを出していれば、きっとそれは伝わると思う。もっとサポートしたいと思われるチームになれる。

 

Keith Davies
デイビスC:基本的にスコッティと一緒です。負けはイヤだけど、負ける事に対して怖さは無い。負けたゲームでも、そこから勉強する事が出来るし、次のゲームに繋げていけばいいから。
勝つ為のプロセスやスキルを得るために、将来を見て前向きに取り組んで行けば、最後はしっかり勝つ事が出来ます。だから、負ける事を恐れないプレーヤーを育てたいです。今のSWにとても大切な事だと思います。
 
それから釜石の場合、ラグビーを全然わからないけどSWのファン、SWを応援してくれるという人も多いと思います。「釜石」の為にチームをサポートします!という人達もいる事を、私達も理解しています。
 
でも、コーチとして一つのチャレンジは、SWがやっている“ラグビー”の応援をしてもらえるチームを作るという事です。釜石のチームだから応援するという事もとても素晴らしい事だけど、SWのラグビーそのものを好きになってもらう、“釜石SWがやっているラグビーは素晴らしい!”と感じてファンになってくれる人が全国にどんどん出てくるような、そういうラグビーをするチームにしたい。

 

Scott Pierce
ピアースHC:キーポイントは、“ポジティブ”ね!

 
 
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ピアースHCは新体制発表の際、シーズンスローガンは特に設けないが、「今日の自分は昨日より良く 明日の自分は今日よりも良くなる」というポジティブな姿勢がチーム作りには大切だとコメントしました。
困難の中にあっても前を向いて進む釜石市民の様に、大きなチャレンジに向かって力強く進む釜石SWを、“かまいし情報ポータルサイト~縁とらんす”は今年も応援します!
 
最後に今現在、発表されている春シーズンの試合日程は以下の通りです。
最新情報、詳細は釜石SW公式サイトでご確認ください。
 
【IBC杯】5月12日(日) 13:05 対 台湾代表 いわぎんスタジアム
【秋田招待】5月19日(日) 13:00 対 秋田ノーザンブレッツRFC あきぎんスタジアム
【北上招待】6月08日(土) 14:00 対 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 北上総合運動公園
【練習試合】6月09日(日) 調整中 対 香港ユニバーシティクラブ&北海道バーバリアンズ 釜石市球技場
【練習試合】7月07日(日) 調整中 対 岩手ブレイズラガー 釜石市球技場
 
釜石SW公式サイト
http://www.kamaishi-seawaves.com/

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