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ラグビーのまち構想実現に向け、釜石と東京をオンラインでつないで実施された協定締結式

「ラグビーのまち」創造へ〜釜石市、コンサルティング会社と連携協定 復興スタジアム

ラグビーのまち構想実現に向け、釜石と東京をオンラインでつないで実施された協定締結式

ラグビーのまち構想実現に向け、釜石と東京をオンラインでつないで実施された協定締結式

 

 釜石市は1月28日、コンサルティング会社フューチャーセッションズ(東京都渋谷区、有福英幸社長)とスポーツを生かしたまちづくりの実施に関する包括連携協定を結んだ。両者はラグビーワールドカップ(W杯)の会場となった釜石鵜住居復興スタジアムの運営、活用方法を検討する委員会の事務局業務を協働で進めており、連携を強化。「ラグビーのまち釜石」の多様な新価値の創造に挑戦する。

 

 フューチャーセッションは、多様な人をつなぎ共創的な対話や協業で新たな関係性やアイデアを生み出す場。同社は、この手法を用いた企画・運営、共創型の事業開発・組織開発支援などを展開している。釜石市との関わりは2014年からで、最近ではスタジアム運営委の事務局業務をサポートしてきた。

  

 協定締結は、双方が持つ資源を有効に活用した協働による活動を推進し、地域の活性化やラグビーのまちとしての振興を図るのが狙い。▽ラグビーW杯の成果を生かしたまちづくり▽スポーツを基軸とした地域産業の振興▽スポーツによる青少年の健全育成・人材育成―など7項目に取り組む。

 

 締結式は都内の同社と釜石市鈴子町のシープラザ釜石内のラグビーカフェをつなぎ、モニター越しで実施。野田武則市長は「力と知恵を借り、『ラグビーのまち釜石』構想の実現に向け一歩を進めたい」と期待を込めた。

 

 両者は取り組みを効果的に遂行するため、定期的に協議の場を設ける。有福社長は「パートナーとして、新たな価値の創造や地域課題の解決をサポートしたい」と強調した。

「素晴らしい環境に感謝」と秋田工の選手ら=釜石鵜住居復興スタジアム

花園での躍進誓う、合宿の成果を勝利に〜釜石市の補助金活用、盛岡工・秋田工

花園での勝利を目指し練習する盛岡工の選手ら=根浜多目的広場

花園での勝利を目指し練習する盛岡工の選手ら=根浜多目的広場

 

 第100回全国高校ラグビー大会に出場する盛岡工高と秋田工高のラグビー部が、27日から東大阪市の花園ラグビー場で開幕する大会に向け、釜石市でそれぞれ合宿を行った。市が11月に創設したスポーツ合宿推進事業補助金制度を活用した第1号で、釜石で昨年開催されたラグビーワールドカップ(W杯)のレガシー(遺産)を花園での躍進につなげる。両校の監督と主将が11日、釜石市役所を訪れ、野田武則市長に感謝と決意を述べた。

 

 優勝2回の盛岡工は12大会ぶり35回目の出場。初戦は28日に関西学院高(兵庫)と対戦する。小原義巧監督(38)は2007年から11年まで釜石シーウェイブス(SW)RFCのSOとして活躍。現役引退後、母校の実習教諭となり、16年からラグビー部の監督を務める。久しぶりに臨む花園へ向け、「合宿の成果を全国大会につなげ、岩手に明るいニュースを」と意気込む。兼平歩雅主将(3年)は「感謝の思いを忘れず、ベスト16に食い込めるよう頑張りたい」と決意を述べた。

 

「素晴らしい環境に感謝」と秋田工の選手ら=釜石鵜住居復興スタジアム

「素晴らしい環境に感謝」と秋田工の選手ら=釜石鵜住居復興スタジアム

 

 一方、全国最多15回の優勝を誇る秋田工は3大会ぶり68回目の出場。28日の初戦で東海大静岡翔洋高(静岡)と対戦する。淡路直明監督(56)は「釜石の素晴らしい環境で準備できることに感謝」、川瀬翔太主将(3年)は「合宿の成果を生かし、いい形で花園に臨みたい」と決意を述べた。

 

 秋田工出身で釜石シーウェイブス(SW)RFCの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(54)も駆け付け、「花園で東北旋風を」とエールを送った。野田市長は「目標を達成してほしい」と激励した上で、「復興スタジアムを多くの方に使ってもらうことで歴史が積み重ねられる」と合宿推進事業の意義を強調した。

 

野田市長を表敬訪問した盛岡工、秋田工の監督や主将ら

野田市長を表敬訪問した盛岡工、秋田工の監督や主将ら

 

 補助制度はW杯の会場となったスタジアムなど施設を活用し、交流人口の拡大を促すなどが狙い。対象は東北6県と新潟県の団体で、交通費と宿泊費(上限35万円)を補助する。

 

 盛岡工が11~13日、秋田工は11~14日に釜石で合宿。12日は盛岡工が鵜住居町の根浜海岸観光施設多目的広場で、秋田工は鵜住居復興スタジアムでそれぞれ練習を重ねた。

パスをつないでラグビーの楽しさに触れる児童

ラグビーで学ぶ「思いやり」、鵜住居小で体験授業

パスをつないでラグビーの楽しさに触れる児童

パスをつないでラグビーの楽しさに触れる児童

 

 鵜住居小(堀村克利校長、児童144人)は、ラグビーワールドカップ(W杯)の成果を生かしたまちづくりの推進に向け、釜石市が企画する「ラグビーのまち釜石」教室を体育の授業に取り入れている。12日は3、4年生が参加。地元のラグビー選手も実践する少しきつめのトレーニングメニューで競技を体験し、仲間を思いやる気持ちや協力することの大切さを体感した。

 

 講師は市スポーツ推進課ラグビーのまち推進係の長田剛主任。元ラグビー選手で、所属していた釜石シーウェイブス(SW)RFCの河野良太選手、吹越大清選手、吉田竜二選手兼コーチがサポートした。

 

 3年生27人の授業では「みんなで協力して目標を達成する」をテーマに、5チームに分かれて腕立て伏せや腹筋など10種類のトレーニングに挑んだ。走りながらパスをつなぐチャレンジでは、ボールを落として初めから何度もやり直しするチームも。「頑張れ」「もう少しだよ」と互いに声を掛け、励まし合ってメニューを達成した。

 

 小林大空(かなた)君は「みんなと力を合わせるのが楽しかった。ラグビーに親しみを持てた」と笑顔を見せた。

 

 品位、情熱、結束、規律、尊重という「ラグビー憲章」を紹介した長田主任。「ひとりでは難しいことも、みんなでやればできる。それぞれ得意、不得意なことがあり、できることで力を出し合うことが大事。普段の生活でも仲間と協力し合うことを忘れないで」と呼び掛けた。

 

 この教室は、ラグビーの魅力や楽しさに触れながら心身の健康増進、体力向上を図り、ラグビー精神を身に付ける機会にしてもらうのが狙い。実技・座学を選択でき、これまでに市内4小中学校で実施された。5校目の同校では6~13日に行い、全学年が取り組んだ。

「天童よしみ絆旗」をオール豊間根に贈る下村五五男会長(右)

「天童よしみ絆旗」15チームが争奪〜学童野球大会、釜石東ジュニアは準優勝

「天童よしみ絆旗」をオール豊間根に贈る下村五五男会長(右)

「天童よしみ絆旗」をオール豊間根に贈る下村五五男会長(右)

 
 大阪出身の演歌歌手天童よしみさんの東日本大震災被災地支援で釜石市を主会場に開かれる学童野球大会「三陸復興交流天童よしみ絆旗大会」(下村五五男実行委員長)は10月31日から11月3日まで釜石市の平田公園野球場と唐丹グラウンド、大船渡市の大船渡三陸総合運動公園で行われた。9回目の今回は県内の強豪15チームが参加し、トーナメントで対戦。決勝ではオール豊間根(山田町)が釜石東ジュニア(釜石)を4―0で下して優勝した。

 

 「打倒コロナ!祈念大会」と掲げた今回、釜石市代表の釜石ファイターズは1回戦で野田フェニックス(野田村)に敗れたが、釜石東ジュニアは米崎リトル(陸前高田市)、いちのへ(一戸町)、玉山(盛岡市)を退け決勝に進出した。

 

準々決勝で「いちのへ」(守備)に快勝した釜石東ジュニア=1日、唐丹グラウンド

準々決勝で「いちのへ」(守備)に快勝した釜石東ジュニア=1日、唐丹グラウンド

 

 釜石東を率いて2年目の三浦成人監督(43)は「コロナで大変だったが、野球を楽しませたい」と見守った。投打に活躍したエースで主将の久保朱璃君(鵜住居小6年)は「球速も上がり、コントロールも安定してきた」と成長を実感。攻守に好プレーを続けた遊撃手の小笠原颯真君(栗林小6年)は「春に比べ一人一人の力が高まった。自分も送球が確実になり、脚力も上がった」と自信を見せ、決勝に臨んだ。

 

 決勝では、捕手に楽天ジュニアのレギュラー佐々木想弥君(豊間根小6年)を擁するなど堅い守りの豊間根が勝った。大会MVPを獲得したエース堀合拓斗君(豊間根小6年)の祖父堀合徳治さん(72)は「きょうは拓斗のコントロールが良かった。体は小さいが、力がついている。最後まで投げ切った。大きな大会での優勝は初めてではないか」と目を細めた。

 

 敢闘賞に釜石東の田中柊羽君(栗林小5年)、実行委員長賞は野田フェニックスの小野寺涼哉君(野田小6年)、特別賞は豊間根の女子選手佐々木美優さん(豊間根小6年)が選ばれた。それぞれプロ野球選手の色紙、サインボール、ユニホームが贈られた。

 

 中学生時代から天童さんと親交を結ぶ唐丹町花露辺出身の下村実行委員長(65)は閉会式で、「来年は10回。天童さんが来てくれるといい」と期待しつつ、「みんなを見守っている多くの人たちに感謝し、これからも野球に親しんでほしい」と呼び掛けた。

 

 アトラクションでマウンドに上がり、両チームの打者と勝負を楽しんだ下村さんは「コロナ問題で実施を心配したが、各チームの熱意で予定より遅れながらも開催できた。震災は想像できない出来事だったが、コロナも深刻な問題。子どもは大変な状況にある。それでも野球への熱量は高い。その姿を今年も見られたことがうれしい」と感慨深そうに語った。

 

▽決勝
釜石東ジュニア
0000000 0
013000× 4
オール豊間根
(釜)久保―栗澤
(豊)堀合―佐々木
▽二塁打=田中輝(豊)、田中柊、久保朱(釜)

少年、ベテランが入り乱れて3・2キロのスタート

老いも若きも健康謳歌、W杯レガシー胸に ひた走る〜鵜住居復興スタジアム会場に、第46回釜石健康マラソン大会

少年、ベテランが入り乱れて3・2キロのスタート

少年、ベテランが入り乱れて3・2キロのスタート

 

 第46回釜石健康マラソン大会(釜石市体育協会、市陸上競技協会、釜石市主催)は10日、鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムと周辺で行われた。大会が行われた午前中はあいにくの曇り空となったものの、幼児から80代まで173人のランナーと家族ら約500人が子どもの成長と健康を喜び合った。

 

 これまで会場としてきた甲子町松倉の市球技場から、今回初めて鵜住居復興スタジアムに移して行われた。この日午後に行われるラグビーワールドカップ(W杯)日本大会開催1周年記念試合を前に、スポーツと健康を謳歌(おうか)する舞台となった。参加者は市内、周辺の沿岸地域、県内外から集まった。

 

スタート直後の緩い上り坂では余裕いっぱい

スタート直後の緩い上り坂では余裕いっぱい

 

 開会式で市体育協会の菊池達男理事長が「ここで昨年、W杯が開かれた。レガシー(遺産)の場で元気に走った喜びの記憶が残るよう願う」とあいさつ。審判長の菊池信男市陸協理事長が新型コロナウイルス対策を呼び掛け、コースや注意事項を伝えた。市スポーツ推進委員の蓮見純子さんがストレッチなど準備運動を指導し、午前9時15分から順次スタートした。

 

 すべてのコースがスタジアムを1周し、鵜住居川河口と長内川南側の市道で折り返した。スポーツクラブの少年らはそろいのユニホームで出場。沿道では家族や仲間が声援を送った。幼児の部と対抗リレーはスタジアムの芝のグラウンドで行われた。キャラクターの着ぐるみ、仮装のランナーは観客の笑顔を誘った。

 

 沿道で妻勝子さん(79)=と共に孫の大里直輝君(鵜住居小3年)を応援したのは鵜住居町日向の大里利男さん(82)。「元気に育ってくれた。コロナ(問題)で、気軽に人と行ったり来たりできない。きょうは外の行事だから大丈夫だろう」と心置きなく声援を送った。

 

 小学校5・6年男子の部で1位となったFC釜石の山口悠貴君(甲子小6年)は「サッカーを始めて4年目。走るのは得意。きょうは調子が良かった」と、仲間と健闘をたたえ合った。

 

宮城県の高橋さん(右)はトレードマークのハワイアンスタイルで完走した

宮城県の高橋さん(右)はトレードマークのハワイアンスタイルで完走した

 

 ハワイアン・スタイルで出場したのは宮城県柴田町の高橋光春さん(67)。車で3時間半かけて駆け付け、3・2キロを23分20秒で完走した。20年前、生活習慣病(コレステロール値や脂肪肝)の診断に走り始めた。減量に成功し、体も引き締まった。東北各地のレースに出場し、ハワイでも走った。「初めての場所なので、ゆっくり景色を見ながら走った。福島県浪江町に復興支援で行ったこともあるが、胸が痛む状況だ。同じ大震災の被災地でも、鵜住居の方が穏やかに感じる」と印象を語った。

後半3分、サム・ヘンウッドが強烈なタックルを見舞い、菅原祐貴(左)のトライにつなげる

ラグビーW杯1周年記念、釜石シーウェイブス―クボタスピアーズ〜1年前の熱狂 興奮よみがえる、W杯のレガシー継承へ思い新た

後半3分、サム・ヘンウッドが強烈なタックルを見舞い、菅原祐貴(左)のトライにつなげる

後半3分、サム・ヘンウッドが強烈なタックルを見舞い、菅原祐貴(左)のトライにつなげる

 

 東日本大震災の復興支援に感謝を伝えたラグビーワールドカップ(W杯)から約1年。W杯釜石開催を記念し、釜石シーウェイブス(SW)RFCとトップリーグのクボタが10日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで対戦した。後半から雨脚が強まる、あいにくの空模様。試合も釜石が大差で敗れたものの、スタンドでは多くの大漁旗が揺れるなど1年前の熱狂、興奮がよみがえった。スタンドを埋めた釜石ファンや関係者は、W杯のレガシー(遺産)継承へ思いを新たにした。

 

 格上のクボタは前半、6トライを奪うなど圧倒し、40―0で折り返す。釜石SWは後半、新戦力のFWサム・ヘンウッドらが2トライを奪って意地を見せたが、12―73の大差で敗れた。

 

ラグビーW杯1周年記念試合で対戦し、友情を深めた釜石SWとクボタの選手ら

ラグビーW杯1周年記念試合で対戦し、友情を深めた釜石SWとクボタの選手らz

 

 釜石SWは開始1分で先制点を献上。直後にゴールラインに迫る場面もあったが、最後はパスをカットされ、前半唯一の好機を逃した。

 

 雨脚が強まった後半3分、フランカーのヘンウッドが強烈なタックルで突破口を開くと、途中出場のWTB菅原祐貴がこぼれ球を拾い、体をひねりながらインゴールにねじ込んだ。18分にはラインアウトのサインプレーからヘンウッドが右隅に飛び込んだ。

 

 集散の遅れ、ハンドリングミスやパスミスが目立つなど、新型コロナウイルスの影響による調整の遅れが浮き彫りとなった釜石SW。共同主将のCTB小野航大、ナンバー8中野裕太は「反則が多く、相手に支配される時間が長くなってしまった。ミスを減らし、しっかり修正して次の試合に臨みたい」とコメントした。

 

 トップチャレンジ(TC)リーグはコロナの影響で来年1月に開幕。釜石SWは17日に東京・秩父宮ラグビー場で行われる初戦で栗田工業と対戦する。

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

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問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

勝利で今季を締めくくった日鉄釜石イレブン

日鉄釜石 勝利で今季を締めくくる、東北社会人サッカー1部〜東海林“技あり”決勝ゴール

勝利で今季を締めくくった日鉄釜石イレブン

勝利で今季を締めくくった日鉄釜石イレブン

 

 東北社会人サッカーリーグ1部の最終節が4日行われ、日本製鉄釜石は福島県鏡石町の鳥見山公園多目的広場でFCプリメーロ(福島)と対戦し、1―0(前半1―0)の勝利で今季を締めくくった。新型コロナの影響により変則日程で行われた今季リーグの日鉄釜石は3勝3分け3敗(勝ち点12)で10チーム中5位に付け、昨季より順位を2つ上げる形でシーズンを終えた。石黒忠利監督に代わって最終戦の指揮を執った飛内サムエルコーチは「戦術は浸透している。決して悪いシーズンではなかった」と総括し、来季に期待をつないだ。

 

 前半30分に釜石のDF東海林隼が決めた一発。結局これが決勝点となった。自陣深くからドリブルで敵陣に持ち込み、やや浮かせる形で浴びせたロングシュートがGKの手を弾き、そのままゴールに吸い込まれた。

 

前半30分、釜石のDF東海林が決勝点となるゴールを決める

前半30分、釜石のDF東海林が決勝点となるゴールを決める

 

 前半はやや引き気味でスタートした釜石。FCプリメーロに6本のシュートを受けながらも、GK大江北斗の好守備もあり、よくしのいだ。釜石は、東海林の先制点で勢いづく。後半は決め手を欠いたが、そのまま逃げ切る形となった。サムエルコーチは「相手はサイドの対応が弱いチーム。いい判断だった」と試合運びを評価した。

 

 今季のリーグ戦はコロナの影響で7月に開幕。試合数は従来の半分に減った。釜石は白星でスタートしたものの、その後はもたつき、2勝目を手にしたのは7戦目。天皇杯サッカー県予選では決勝まで駒を進めたものの、20年ぶりの出場はならなかった。千田裕部長は「なかなか選手がそろわない試合も多かったが、サブのメンバーで乗り切ることができた。この経験値が来季に生きる」と期待する。

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ソフトテニス県予選で準優勝〜小学生ペア全国大会進出は釜石初

ソフトテニス県予選で準優勝〜小学生ペア全国大会進出は釜石初

全国大会出場を決め、笑顔を輝かせる白石恋菜さん(左)と佐野琴美さん

全国大会出場を決め、笑顔を輝かせる白石恋菜さん(左)と佐野琴美さん

 

 釜石市の甲子ソフトテニスクラブ(STC、吉田智代表)に所属する白石恋菜さん(甲子小4年)、佐野琴美さん(同)ペアが、第20回全日本小学生ソフトテニス大会県予選で準優勝し、全国大会出場を決めた。市内の小学生ペアの全国大会進出は初の快挙。練習場所や時間に制約がある中で手にした全国への切符に、本人、関係者の喜びもひとしお。来年3月に予定される全国大会に向け、さらなるレベルアップを目指す。

 

 県大会は9月12日に北上市で開かれ、白石・佐野ペアはダブルス女子4年生以下の部に出場。25組による予選リーグを突破し、16組で競う決勝トーナメントに進んだ。初めて挑む同トーナメントを持ち前の強い精神力と冷静なプレーで勝ち上がった2人。決勝では強豪・こずかたSTCの4年生ペアに1―4(7ゲームマッチ)で敗れはしたが、上位4組に与えられる全国大会への出場資格を得た。

 

 県大会を振り返り、「サーブミスが少なく、(的確なショットで)相手を走らせられたのが良かった」と2人。吉田代表(52)も「競った試合でも気持ちをしっかり持って、丁寧に相手の弱点を突いていったのが勝因」と明かす。

 

 白石さんは「力強いストロークで、どんどん打ち込むタイプ」、佐野さんは「相手の弱点を見極め、コースを狙って打つのが得意」と、バランスのいいペア(吉田代表)。

 

 2人とも、ソフトテニスをやっている姉(現在、甲子中生)の影響で競技を始めて3年目。毎週土・日の練習日が待ち遠しい様子で、練習への取り組み姿勢、プレー中の声の出し方からも、競技に対する意欲の高まりが感じられるという。

 

半年後の全国大会までに、さらに力をつけたいと練習に打ち込む=9月20日

半年後の全国大会までに、さらに力をつけたいと練習に打ち込む=9月20日

 

 全国大会は来年3月29日から3日間、千葉県白子町で開催。白石さんは「もうちょっと技を覚えて、自分の弱い部分を強化したい」、佐野さんは「苦手なバックやサーブを克服し、ラリーが続くようにしたい」と意気込みを示し、まずは「初戦突破」を目標に掲げる。

 

 甲子STCは約8年前に始動。震災の影響で練習の場を失った子どもたちのためにと、新たなクラブを結成した。甲子中の厚意で学校のコート2面を使わせてもらい、原則、土・日曜の中学の部活動がない時間帯に練習。競技経験のある指導者がいない中、団員の父親らが練習を全面的にバックアップしている。現在、団員は甲子小・中の女子児童・生徒25人。

 

 市内では震災後、一般利用が可能なソフトテニスコートが無く、競技愛好者らは練習場所の確保に苦慮している。吉田代表は「甲子以外の子どもたちも受け入れたいが、今の環境では不可能。クラブからは中・高で活躍する選手も出ており、競技人口の底辺拡大のためにも、公共のコートが欲しい」と新施設整備に期待。平日夜も練習を重ねる県内の他チームに追いつきたいと、当面の措置として照明の設置を熱望する。

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日鉄釜石、富士大に競り負け 20年ぶりの“全国切符”逸す〜天皇杯サッカー県予選決勝

日鉄釜石、富士大に競り負け 20年ぶりの“全国切符”逸す〜天皇杯サッカー県予選決勝

シュートを放つ日本製鉄釜石のMF浅沼海斗。学生チームの富士大に惜しくも競り負けた

シュートを放つ日本製鉄釜石のMF浅沼海斗。学生チームの富士大に惜しくも競り負けた

 

 サッカーの第70回県選手権兼第100回天皇杯全日本選手権県予選(県サッカー協会主催)決勝は2日、紫波町の県フットボールセンターで行われ、日本製鉄釜石は富士大に0―1(前半0―0)で惜しくも競り負け、20年ぶりの天皇杯出場はならなかった。あと一歩のところまで来て逸した“全国切符”。日鉄釜石の石黒忠利監督は「社会人サッカーを盛り上げるためにも勝ちたかった」としながらも、「選手はここまでよく頑張った。この勢いを今後のリーグ戦につなげたい」と前を向いた。

 

 日鉄釜石は風上に立った前半、サイドを有効に使って攻め込むプランで臨んだ。MF太田代飛鳥主将を中心に左サイドから攻撃を重ねたが、2本のシュートは実らず、無得点のまま折り返した。

 

 後半は富士大が豊富な運動量を発揮し、攻勢に出る。19分、左CKからのこぼれ球をFW阿部が決めて先制した。その後も粘り強くゴールを守り抜き、反撃の芽を摘んだ。

 

 日鉄釜石は前線でキープしきれず、攻めあぐねた。「あわてず、我慢して」というコーチ陣の指示も、球際で粘れず守勢に回り、ノーゴールに終わった。

 

奮闘実らず、悔しさをにじませる太田代飛鳥主将

奮闘実らず、悔しさをにじませる太田代飛鳥主将

 

 大会方式の変更に伴い、例年は決勝から登場するいわてグルージャ盛岡は「Jクラブは出場できない」という条件のため出場できなくなり、4月に行う予定だった準決勝を決勝として実施。しかし、8月30日に組まれた決勝も雷雨のため、この日に順延された。

 

 日鉄釜石は日程変更の影響で、攻撃の軸となっているFW本間達耶、泉沢秀の主力2人を仕事で欠いた。太田代主将は「それでも戦えるチームをつくってきたが、思ったより相手のプレッシャーがきつかった」と悔しさをにじませた。

 

 石黒監督は「残念な結果とはなったが、崩された形の失点ではなかった」と社会人チームとしての意地をのぞかせた。

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元日本代表、ヤマハの五郎丸歩に釜石SWの選手が食らいつく

コロナ下 友情温める交流試合、釜石シーウェイブス、ヤマハの胸借りる〜久しぶりの「ラグビー」満喫

元日本代表、ヤマハの五郎丸歩に釜石SWの選手が食らいつく

元日本代表、ヤマハの五郎丸歩に釜石SWの選手が食らいつく

 

 ラグビー・トップチャレンジリーグの釜石シーウェイブス(SW)RFCとトップリーグのヤマハ発動機による交流試合は5日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。新型コロナウイルスの影響で、今季の対外試合は両チームとも初めて。ヤマハが前半3トライ、後半にも6トライを重ね、61―5で圧勝した。小雨模様の中、マスク姿で駆け付けた900人余りの観客は、コロナ対策のため禁止されたコールや応援歌の代わりに拍手で選手にエール。久しぶりのゲームの雰囲気を満喫した。

 

 釜石SWはプロップ杣沢誠、束田涼太、フランカーのサム・ヘンウッド、WTB吹越大清の新加入4選手が先発した。しかし、1週間前からコンタクトプレーの練習を始めたばかりという調整不足もあり、前半から大差をつけられる。後半2分にCTBヘルダス・ファンデンボルトが1トライを返すのがやっとだった。

 

 2011年の東日本大震災以降、両チームは毎年のように練習試合を重ね、交流を深めている。

 

交流戦で友情を確かめ合った釜石SW(右側)とヤマハ発動機

交流戦で友情を確かめ合った釜石SW(右側)とヤマハ発動機

 

 昨年9月のラグビーW杯「フィジー対ウルグアイ」で約1万4千人が送った大歓声とは対照的に、この日のスタジアムには、選手の声と体がぶつかる音だけが響いた。スクラムの際には拍手が送られ、SWが後半2分にトライを返すと、大漁旗を振って喜ぶ観客の姿もあった。後半からは元日本代表の人気選手、ヤマハの五郎丸歩が登場し、スタンドのラグビーファンを沸かせた。

 

 ヤマハに圧勝を許した釜石SWの小野航大主将は「クオリティーの低いゲームにしてしまった」と反省しながらも、「コロナ禍の中にあって観客も入り、臨場感のある試合ができた。会場の雰囲気が後押ししてくれた」と感謝した。

 

 ヤマハの桑野詠真主将は「歓声はなかったが、拍手は大きく聞こえた。新鮮な感じだった」と喜ぶ。五郎丸選手は「トップリーグを含め、この試合が今季のキックオフになる」。堀川隆延監督は「震災後、前に進む釜石の姿に接することでわれわれも力をもらえる」と交流戦の持つ意味を強調した。

 

 ラグビーシーズンの日程はコロナの影響で例年より大幅に遅れ、トップリーグ、トップチャレンジリーグともに開幕が来年1月にずれ込む。釜石SWのスコット・ピアースヘッドコーチは「きょうはシンプルなミスも目立ったが、ここから少しずつレベルアップを」、桜庭吉彦ゼネラルマネジャーは「来年1月の開幕へ向け、いい準備をしていきたい」と気を引き締めた。

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実行委設立総会で抱負を述べる野田市長(右)

10月10日、釜石シーウェイブスとクボタ対戦〜ラグビーW杯1周年記念事業へ実行委設立

実行委設立総会で抱負を述べる野田市長(右)

実行委設立総会で抱負を述べる野田市長(右)

 

 昨年、釜石市で開催されたラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の1周年を記念したイベント開催へ向けて県と釜石市が7月27日に実行委員会(会長・野田武則市長)を設立した。W杯開催の経験を今後のまちづくりに生かすのが狙い。釜石シーウェイブスRFC(トップチャレンジリーグ)とクボタ(トップリーグ)による記念試合を柱にさまざまなイベントを繰り広げ、W杯のレガシー(遺産)継承につなげる。

 

 実行委は県、市、競技団体などの関係者18人で構成する。設立総会は鈴子町の市教育センターで開かれ、野田市長ら委員16人が出席。野田市長は「ラグビーの素晴らしさを全国に発信し、期待に応え喜んでもらえるよう取り組んでいく」と抱負を述べた。県文化スポーツ部の石川義晃部長は「W杯のレガシーを継承し、釜石をラグビーの聖地としたい」と期待を述べた。

 

 事業計画によると、釜石SWとクボタが対戦する記念試合は10月10日に組まれ、釜石鵜住居復興スタジアムで午後1時半キックオフを予定する。スタジアム常設スタンドは約6千人を収容できるが、新型コロナウイルス感染症の予防策として来場者は約3千人を想定。観戦は無料とするが、来場者を把握するため、9月上旬に予定する次回の実行委でチケットの発券方法などを示すことにしている。

 

 クボタはW杯日本代表のピーター・ラブスカフニ選手や外国の代表選手が所属。東日本大震災直後の2011年7月に復興支援で釜石を訪れ、釜石SWと試合を行っている。

 

 このほか1周年の関連事業では、W杯時にファンゾーンとなった大町の市民ホールTETTOで10月9、10日に、W杯に出場した選手によるトークイベントなどを予定。岩手、宮城、福島3県の子どもたちによるラグビー交流や県内各地で日本代表選手によるラグビークリニックなどを検討している。

 

 予算は活動費と事業費約2400万円で、県と市が2分の1ずつ負担する。

 

(復興釜石新聞 2020年8月1日発行 第897号より)

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W杯の遺産継承へ設立された「釜石ラグビー応援団」

「釜石ラグビー応援団」結成、交流事業や情報発信へ〜W杯の遺産継承目指す

W杯の遺産継承へ設立された「釜石ラグビー応援団」

W杯の遺産継承へ設立された「釜石ラグビー応援団」

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催のレガシー(遺産)を継承しようと、釜石市の官民ラグビー関係者が7月29日、「釜石ラグビー応援団」を結成した。W杯開催で培われた地域間の交流、全国のボランティア参加者との連携などを民間レベルで継続的に推進。10月に行われるW杯1周年記念事業のボランティ運営や「ラグビーのまち釜石」についての情報発信などに取り組む。

 

 大町の情報交流センター釜石PITで行われた結団式には関係者約40人が出席。18年8月に釜石鵜住居復興スタジアムのオープン行事でキックオフ宣言をした洞口留伊さん(18)=慶応大1年=も駆け付け、進行役を務めた。

 

 設立趣旨や活動方針などを確認。団長にW杯2019釜石開催支援連絡会の副会長を務めた中田義仁さん(51)、副団長には釜石シーウェイブスRFC理事の浜登寿雄さん(51)を選出した。

 

 ラグビーW杯開催の実現に向けて誘致活動を進めてきた中田団長は「W杯では世界から釜石が評価され、市民が自信と誇りを持つことができた。W杯は終わりではなく、これからが重要。市民みんなで作り上げてきた釜石のラグビーの盛り上がりを生かし、これからの釜石のまちづくりを未来につなげていきたい」とあいさつした。

 

 結団式には市内の男子高校生らが参加。「今後イベントなどで釜石を訪れる外国人に英語で地元の魅力を伝えるボランティアをしたい」などと思いを膨らませた。

 

 同応援団はW杯釜石開催支援連絡会のプロモーション部会メンバーを中心に、W杯に携わった県内外のボランティアら有志約300人で構成する。W杯釜石開催の機運醸成を担った同連絡会の後継組織として活動。ラグビーを活用したまちづくり交流事業、W杯日本大会で培われた各開催都市や友好都市との交流事業、ラグビーカフェ釜石(シープラザ釜石2階)での情報発信、W杯の公式・独自ボランティア参加者への各種サポートなどを展開する。

 

釜石ラグビー応援団

 【団員】中田義仁(中田薬局)、浜登寿雄(浜登医院)、松田宇善(グループホームやかた)、上田康広(釜石青年会議所)、下村達志(釜石まちづくり会社)、市川香織(同)、川崎杏樹(釜石DMC)、久保知久(釜石地方森林組合)、篠原洋介(釜石市ラグビーフットボール協会)、梅澤義明(釜石シーウェイブスRFC)
 【アドバイザー】エミリー・ハラムズ(オーストラリア・ニュージーランド商工会議所事務局長)アシュリン・バリー(釜石市文化スポーツ部国際交流課国際交流員)

 

(復興釜石新聞 2020年8月1日発行 第897号より)

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