旧釜石二中跡地に「大天場運動広場」完成 1日から供用開始


2021/06/04
釜石新聞NewS #スポーツ

旧釜石二中跡地に整備された「大天場運動広場」

旧釜石二中跡地に整備された「大天場運動広場」

 

 釜石市は、中妻町の旧昭和園グラウンドに替わる運動施設として、八雲町の旧釜石第二中跡地に「大天場運動広場」を整備。1日から供用を開始した。防球ネットや夜間照明を備えた多目的グラウンドは無料開放され、市民の体力・健康維持や競技団体の練習場など有効活用に期待が寄せられる。

 

 同広場は、市の都市公園「大天場公園」の一部だった旧昭和園グラウンドの機能復旧を目的に、旧釜石二中跡地を代替用地として整備された。面積約5500平方メートルの多目的グラウンドには、コの字型に防球ネット(高さ8~10メートル、延長208メートル)を設置。午後9時まで使用可能な照明13基も備えた(照明使用は市への申請が必要)。グラウンド北側にはトイレ棟、地域の集会所としても利用される詰所、駐車場(23台)を配置した。工期は2020年4月~21年5月。事業費は約2億1700万円。山長建設(山﨑寛代表取締役)が施工した。

 

かけっこ、ウオーキング、球技など多目的に利用できるグラウンド。水はけも良好

かけっこ、ウオーキング、球技など多目的に利用できるグラウンド。水はけも良好

 

グラウンドの周りには防球ネット、夜間照明、ベンチなどが設置された

グラウンドの周りには防球ネット、夜間照明、ベンチなどが設置された

 

運動広場の完成を喜ぶ供用開始式典の出席者=1日

運動広場の完成を喜ぶ供用開始式典の出席者=1日

 

 1日に行われた供用開始式典には、市や地元町内会の代表ら約20人が出席。野田武則市長は「市民に広く周知し、多くの人に親しまれ、活用される場所にしていきたい」とあいさつ。八雲睦会、大天場公園愛護会の木下義男会長に詰所の鍵が、市体育協会の下村恵壽事務局長にグラウンド入り口の鍵が引き渡された。

 

 旧昭和園グラウンドは、製鉄所従業員の労働環境整備の一環で1930年に開場。地域に開かれた運動場として多くの歴史を刻んできた。2011年の東日本大震災後は仮設住宅用地(118戸)となり、現在は釜石警察署が立地する。一方、06年に閉校した旧釜石二中は震災後、体育館が遺体安置所になった。校舎・体育館は13年に解体。校庭には11年に同警察署の仮設庁舎が建設され、現庁舎に移転する19年まで業務を続けた。

 

旧釜石二中の校舎。2013年に解体された

旧釜石二中の校舎。2013年に解体された

 

 八雲地区親交会の西村晴夫会長(79)は「子どものころから親しんできた昭和園グラウンドがなくなるのは寂しかった。家族全員の母校である二中跡地も思い出の場所。高齢化が進む地域にとって、グラウンドは住民の健康増進に役立つ。ここは海抜19メートルあり、津波避難場所としても活用できる」と喜んだ。

 

 グラウンドは誰でも自由に利用できるが、スポーツ大会など独占使用を希望する場合は市都市計画課に問い合わせてほしいとのこと(市都市公園条例に基づき、使用料が発生する場合あり)。詰所は地元町内会が管理する。問い合わせは市都市計画課管理係(電話0193・27・8435)へ。

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