タグ別アーカイブ: 地域

釜石市民ホール外観予想図

「建設現場を絵で囲みませんか。」を開催します。【雨天順延します】

 「建設現場を絵で囲みませんか。」案内チラシ

 

釜石市民ホールプレイベント「建設現場を絵で囲みませんか。」を開催します。

建設現場の県道側仮囲いに「あすの釜石」や「釜石市民ホール」をテーマに自由に絵を描いてみませんか。参加費無料でどなたでも参加できます。

 
※雨天のため、5月21日(日)に順延します。
 

■開催日時 平成29年5月14日(日)10時から15時
■当日10時に釜石市大町広場集合(大町1丁目28番タウンポート釜石前)
■当日8時の時点で荒天の場合は、5月21日(日)に順延します。
■ペンキや刷毛は主催者が用意します。汚れてもよい服装と軍手持参でおこしください。
■↓クリックするとチラシをご覧になれます。

「建設現場を絵で囲みませんか。」を開催します。

「建設現場を絵で囲みませんか。」案内チラシ

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 472 KB
ダウンロード


 
 

 釜石市民ホール外観予想図

釜石市民ホール外観予想図(CG画像提供 有限会社aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所)

 

主催 釜石市/釜石まちづくり株式会社/戸田建設・山崎建設 特定共同企業体(釜石市民ホール建設工事)

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 市民生活部 生涯学習文化スポーツ課 芸術・文化係
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話:0193-22-8835 / Fax 0193-22-3633 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/shisetsu/shimin_hall/detail/1209442_2466.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
いつかこの海をこえて」など2曲を合唱した釜石東中生

待望の新校舎完成、記念式典 地域挙げて祝う〜鵜住居小と釜石東中、唐丹小と唐丹中

新校舎での生活に期待を膨らませ校歌を斉唱する鵜住居小生

新校舎での生活に期待を膨らませ校歌を斉唱する鵜住居小生

 

 東日本大震災の津波被害から6年を経て、高台に併設新築された釜石市鵜住居町の鵜住居小と釜石東中、唐丹町の唐丹小、中の校舎完成記念式典が22、23の両日、それぞれの体育館で開かれた。仮設校舎から移り、新年度の学校生活を始めている児童生徒らは、待望の本設校舎の完成を地域住民らと喜び合い、学習や各種活動により一層励んでいくことを誓った。

 

鵜住居小・釜石東中、防災教育のモデル示す

 

 22日に行われた鵜住居小(中軽米利夫校長、児童141人)と釜石東中(佐々木賢治校長、生徒117人)の校舎完成式には約400人が出席。野田武則市長は「鵜住居復興のシンボルとしても大きな期待が寄せられる。この学校を愛し、のびのびと学び、新たな歴史と伝統を刻んでいってほしい」と式辞を述べた。

 

 来賓で招かれた文科省文教施設企画部の深堀直人防災推進室長は震災の教訓を生かした施設整備をたたえ、「学校と地域が一体となった防災教育の範を全国に示してほしい」と期待を込めた。

 

 津波で全壊した両校の復旧事業は、地域の防災拠点としても機能する複合教育施設を目指し、被災した鵜住居幼稚園、同児童館と一体的に整備。同町中心部の山を切り崩し、海抜15~26メートルの高さに造成した約7万7千平方メートルの敷地に、鉄骨4階建ての校舎と体育館、グラウンド、プール、木造平屋の園舎を配置(児童館は小学校棟1階)。校内に防災備蓄倉庫を備えた。

 

 設計施工管理はシーラカンスアンドアソシエイツ、敷地造成は都市再生機構、建物の施工は大林組、熊谷組、東洋建設、元持による特定共同企業体が担い、2013~16年度に造成工事、15年6月~17年3月に建物の建設工事が行われた。総事業費は約92億1300万円。

 

 震災後、鵜住居小は双葉小と小佐野小を、東中は釜石中を間借りして学校を再開。12年2月から鵜住居の内陸部に建設された仮設校舎に移り、本設校舎の完成を待ちながら約5年間を過ごしてきた。式典では鵜小の5、6年生が虎舞と甚句、東中生が合唱を披露。両校の校歌を斉唱し、新校舎の完成を華やかに祝った。

 

いつかこの海をこえて」など2曲を合唱した釜石東中生

いつかこの海をこえて」など2曲を合唱した釜石東中生

 

 川口颯斗君(鵜小5年)は「虎舞に、これから頑張るぞという決意と地域の人たちへの感謝の気持ちを込めた。新校舎は窓が多く海も見えて、すごく気持ちいい」と目を輝かせ、三浦花音さん(同6年)は「広くてきれい。階段もたくさんあって、毎日がうきうき気分。明るく元気な学校にしていきたい」と気持ちを新たにした。沼﨑壱君(東中3年)は「自分たちの校舎が持てるうれしさでいっぱい。これから下の学年に引き継いでいくものなので清掃とかをしっかり行い、大切に使いたい」と話し、新しいグラウンドでの運動会を心待ちにした。

 

唐丹小中、復興発信 高らかに宣言

 

 23日に行われた唐丹小(一條直人校長、児童45人)と唐丹中(千葉伸一校長、生徒35人)の校舎完成式には、約240人が出席した。野田武則市長の式辞に続き、両校を代表し千葉校長があいさつ。「新校舎は唐丹地区にとって復興の大きな象徴。支えてくれた人たちへの感謝を表し、震災の教訓を忘れず語り継ぐなど、新校舎にふさわしい活動に小、中が力を合わせて取り組もう」と児童生徒に呼び掛けた。

 
完成した校舎と引き続き工事が進む唐丹小、中の学校敷地

完成した校舎と引き続き工事が進む唐丹小、中の学校敷地

 

 津波や地震被害を受けた両校の復旧は、被災した唐丹児童館も集約する形で実施。従来の唐丹中の敷地(海抜26メートル)と背後の斜面を造成し、約2万平方メートルの敷地に校舎と体育館、グラウンドなどを配置する。木造の校舎は高さをずらした5棟の建物で構成。外部空間を利用した経路で地域の避難ネットワークも強化している。

 

 校舎4棟と体育館は完成したが、児童館などが入る1棟、グラウンド、プールの整備が引き続き進められており、全ての工事が完了するのは来年2月の予定。

 

 設計施工管理は乾久美子建築設計事務所、東京建設コンサルタントによる特定共同企業体、施工は前田建設工業、新光建設による特定共同企業体が行う。総事業費は約46億円。

 

 津波で全壊した唐丹小は震災後、平田小を間借りして学校を再開。唐丹中は地震の大きな揺れで校舎が半壊し、体育館を仕切った仮教室で授業を続けた。2012年1月、中学校のグラウンドに建設された仮設校舎に移り、約5年にわたり小、中が共に学校生活を送ってきた。新校舎には今年2月に入った。

 

「校歌を斉唱し地域住民らと新校舎完成を祝う唐丹小、中生

「校歌を斉唱し地域住民らと新校舎完成を祝う唐丹小、中生

 

 式典では全校児童生徒がステージに並び、震災からこれまでを振り返りながら、支援への感謝の気持ちや新しい学校生活への決意を発表。木のぬくもりあふれる新校舎で、仲間と協力し合い勉強や各種行事に取り組むこと、唐丹の復興を発信していくことなどを声高らかに宣言した。

 

 唐丹町川目地区に住む鈴木富美子さん(75)は「海のまちを一望できるすてきな校舎。子どもたちも喜んでいると思う。地域の皆さんに見守られながら、優しい心を持つ子に育ってほしい。私たちも少しでもお手伝いできたら」と唐丹の明るい未来に希望を託した。

 

(復興釜石新聞 2017年4月26日発行 第583号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

お話し会の参加者に提供するスイーツを盛り付ける山崎鮎子さん

「まちづくり」を女性目線で、起業促すワークショップ 市内外から30人が参加〜小堀さん「怖がらないで」とエール

女性が身近なまちづくりに関わる一歩にしてもらおうと開かれたワークショップ

女性が身近なまちづくりに関わる一歩にしてもらおうと開かれたワークショップ

 

 新しい何かに挑戦したい──との思いを持つ女性らを対象に、「あたしのリノベーション」をテーマにしたお話し会が23日、釜石市内で開かれた。会場となったのは、5月にオープンを控えた上中島町のカフェ。商売経験のないカフェの女性オーナーが開店を決めた思いを語った。空き店舗などの再生(リノベーション)に関わることで身近なまちづくりに興味を持ち、活動している女性は経験談を紹介。自身を見つめ直すワークショップもあった。

 

 お話し会は、より良い釜石実現を目指す「釜石○○(まるまる)会議」から生まれた市民グループ「釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト」(宮崎達也代表)が主催。市内外から約30人が参加した。

 

 これまでは空き店舗が目立つ仲見世通りを再生させ、にぎわいや交流の場をつくるイベントを企画、実施してきたが、同通りに新しい事業を生み出すための活動に方向転換。近く、空き店舗を活用した女性限定のリノベプロジェクトを始める計画で、そのプレイベントとして行われた。

 

 講師には、盛岡市を中心にリノベーションを手掛ける祥薫(じょうくん)カンパニー代表取締役の小堀薫子さん(54)を招いた。本業はキャリアコンサルタントだが、建物の再生、まちづくりに関わることになった経緯などを紹介。「女性は普段から買い物などで街を使っているのに、まちづくりの多くは男性が行っている」と指摘した上で、女性目線のまちづくりへの強い思いを語った。

 

 普段の相談業務などから「何かをしなければと思いながら生活をしている人が多い」と小堀さん。「誰かがやってくれると思わないこと。きっかけは勢い。怖がらないで。あれやこれや考えず、どんどん進め」と激励した。

 

 参加者は5グループに分かれ「世界が狭い。外部の人の考え方を取り入れたい」「仕事を辞めた。次の仕事、何をやるか決める機会にしたい」「やりたいことに挑戦するきっかけに」などリノベーションへの思いを交換。「自分を再認識できた」「とりあえず動く、思いを口に出してみることが大事」「釜石にはすてきな人がいると分かった」などと前向きな声が聞かれた。

 

 山田町の荒川奈津美さん(23)は起業を視野に入れており、「本業にかまけて難しいことだと思っていたが、大事なのは勢いだと学んだ。自分を考え、人と出会うすてきな機会になった」と満足そうだった。

 

 女性の目線で仲見世のリノベーションに挑戦したい宮崎代表は、参加者に積極的な関わりを呼び掛け、「取り組みの延長上に、お店を開く人が出てくれば」と期待。お話し会の開催に協力した市総合政策課の千田典信さん(34)は「まちづくりの方向性に迷いがあり、新しい人たちと新しいことを始めたいと考えた。それが女性目線。まちに新しいものを一緒に生み出したい」と思いを話した。

 

山崎さん準備着々、5月にカフェオープン、震災で上中島へ

 

 会場を提供したカフェ「ブルーア・シエーロ」は、卸売業の山崎清三商店内にある。同商店は只越町にあったが、震災で被災。現在の場所に移る際、カフェのオーナー山崎鮎子さん(39)の義母が「天然酵母を使ったパンの店をやりたい」と提案し、それに合った建物を2年ほど前に新築した。

 

お話し会の参加者に提供するスイーツを盛り付ける山崎鮎子さん

お話し会の参加者に提供するスイーツを盛り付ける山崎鮎子さん

 

 しかし、事業を始めようとした矢先、義母が病気になり、昨年1月に他界。山崎さんは卸売業を引き継いだが、義母のもう一つの願いが込められた建物の一部は、使われないままになった。

 

 転機となったのは昨年夏の人材育成塾への参加。中学校教員だったが出産を機に退職した山崎さんにとって、塾は自身を見つめ直す機会になり、さまざまな人との出会いに刺激を受け、以前から興味があったカフェの運営を決意。自家焙煎(ばいせん)コーヒー、天然酵母パンなどを提供する店として、5月21日のオープンに向け準備を進めている。

 
5月にオープンするカフェ「ブルーア・シエーロ」

5月にオープンするカフェ「ブルーア・シエーロ」

 

 「人との縁、つながりが背中を押してくれて、こうして前に進める。経験が増えることは大きな後押しになり、ステップアップになった」と振り返る山崎さん。経営の経験がなく、「本当にできるか不安、怖さもあるが、できるところからやる」と力を込めた。

 

(復興釜石新聞 2017年4月26日発行 第583号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

広報かまいし2017年4月15日号(No.1662)

広報かまいし2017年4月15日号(No.1662)

広報かまいし2017年4月15日号(No.1662)

 

広報かまいし2017年4月15日号(No.1662)

広報かまいし2017年4月15日号(No.1662)

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 4,436 KB
ダウンロード


 

【目次】
表紙:灯籠に あなたを想い 手を合わせ
P02:平成29年度施政方針
P03:平成29年度当初予算、主要事業など
P07:災害時の避難場所・避難所を変更
P08:市税等口座振替領収済通知書の一部廃止など
P09:Meetup Kamaishi 2017を開催しました
P10:まちの話題
P12:保健案内板
P14:まちのお知らせ
P16:かまいし健康チャレンジポイント

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1209099_2596.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
昨年7月に宅地が完成し、住宅の建築が進む高台の「根浜復興団地」

高台移転で集落再建、鵜住居「根浜復興団地」完成〜教訓つなぎ 新しいまちづくりへ、住民ら6年ぶりの帰還を喜び合う

昨年7月に宅地が完成し、住宅の建築が進む高台の「根浜復興団地」

昨年7月に宅地が完成し、住宅の建築が進む高台の「根浜復興団地」

 

 東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受け、高台移転による集落再建を目指してきた釜石市鵜住居町根浜地区に海抜約20メートルの「根浜復興団地」が完成。9日、市による完成報告会と、地元町内会「根浜親交会」(前川昭七会長)が建立した津波記念碑の除幕式が団地内の公園で行われた。親交会は記念祝賀会も開催。住宅再建や復興住宅入居で根浜に戻り始めた住民らは、6年ぶりの帰還を喜び合い、震災の教訓をつなぐ新たなまちづくりと暮らしを支えるコミュニティー強化に意を強くした。

 

 同団地は防災集団移転促進事業と漁業集落防災機能強化事業により、市から委託された県土地開発公社が整備。戸田建設・青紀土木特定共同企業体が施工し、2014年4月に着工した。34万立方メートルの盛り土で海抜約20メートル(現地盤から約15メートル)の高さに2万7218平方メートルの土地を造成。宅地は自力再建31、戸建て復興住宅13(最終建設10戸)の計44区画を整備し、集会所や公園用地も確保した。震災前、根浜地区には67世帯が暮らしており、このうち56・7%に当たる38世帯が新しい団地への居住(自力再建28、復興住宅10)を決めている。

 

 同地区では最大18メートルの津波が襲ったが、「海の見えない生活は不安」だとして防潮堤は震災前と同じ高さ(5・6メートル)にし、高台造成地に集団移転することを希望した。住民主体の復興を成し遂げるべく、毎月1回のお茶会で各地の仮設住宅などで散り散りに暮らす住民らの結束力を維持。行政とも積極的に意見交換し、当初示された時期より1年半遅れとなったが、地元の要望が反映された団地が出来上がった。

 

 報告会で野田武則市長は「以前よりは安全性が確保されたが、安全安心の気持ちを忘れず、根浜のこれからの発展に力を入れていただきたい」とあいさつ。同除幕式の後、復興推進本部職員の案内で、出席者が団地内を見学した。

 

nebamafukkou_02

鏡開きをして根浜の新たな出発に弾みをつける前川会長(中央)ら

 

 同団地に自宅を再建し夫婦で暮らす佐々木ひろ子さん(64)は昨年11月、甲子町の仮設住宅から新居に移った。「やっと根浜に戻ってこられた。景色は変わったが海の匂いがすると古里に帰って来た感じがする。当初は落ち着かなかったけど何とか自分の家になってきた」と実感を込め、「高齢者が多いので互いに声を掛け合い助け合って暮らしていきたい」と願う。

 

 先月、桜木町の仮設住宅から復興住宅に移ったばかりの佐々木朝子さん(75)は「この6年は長かった。地元での暮らしが待ち遠しかった」と振り返り、「一人暮らしなので交通の便など心配はあるが、元の根浜の人たちと暮らせるのはありがたい。前を向き、末永くみんなと元気に楽しい生活を送ることが一番の望み」と明日への一歩を踏み出した。

 

根浜復興団地の公園内で市の担当者の説明を聞く出席者

根浜復興団地の公園内で市の担当者の説明を聞く出席者

 

 同団地の隣接地に13年、夫婦で民宿を再建し、住民の帰還を待ち望んできた前川会長は「辺りに明かりがともり、気持ち的に楽になった。お客さんが帰って母ちゃんと2人きりになると、やっぱり寂しい感じだったんでね。子どもたちの声も聞こえるようになった」と喜び、「これから地域活動も始まる。昔以上にコミュニケーションがとれれば。顔なじみの人たちなので戻ってくれば、すぐ打ち解けられるだろう」と地域再生に思いを新たにした。

 

(復興釜石新聞 2017年4月12日発行 第579号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

鵜住居町根浜地区で「淡墨桜」の苗木を植える3市長

復興見守る「淡墨桜」、友好都市が釜石に〜愛知県東海市・岐阜県本巣市、首長ら根浜に植樹

鵜住居町根浜地区で「淡墨桜」の苗木を植える3市長

鵜住居町根浜地区で「淡墨桜」の苗木を植える3市長

 

 東日本大震災復興応援として、釜石市と姉妹都市を結ぶ愛知県東海市、岐阜県本巣市から桜の苗木計25本が贈られ、3月29日、鵜住居町根浜地区に植えられた。贈られたのは本巣市の根尾谷にある国の天然記念物「淡墨(うすずみ)桜」の苗木。樹齢1500年を超えるとされ、「釜石の復興、発展するまちを末永く見守ってほしい」との願いが込められている。今回は仮植えで将来的には、釜石市が2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会開催に備えて建設する「釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)」周辺に植える予定だ。

 

 東海市と釜石市は、1960年代に釜石製鉄所から約700人が家族を伴って東海製鉄所に移ったことをきっかけに交流を開始。2007年に姉妹都市となり、スポーツを通じた交流事業などで絆を深めてきた。震災後は物資支援、職員の派遣、ラグビーW杯に向けた多額の寄付など支援を重ねている。

 

 本巣市は釜石市に対し、岐阜県市長会として震災発生直後から職員の派遣や被災地復興支援金を寄付するなどの支援活動を行っている。

 

 日本三大桜にも数えられる淡墨桜は高さ約16メートル、幹周り約10メートルのエドヒガンザクラの巨木。つぼみはピンク、満開時に白となり、散り際はその名の通り淡い墨色になるという。

 

 東海市と本巣市は淡墨桜の寄贈、植樹でつながりがある。今回の仮植えは、東海市がその桜を「復旧復興の励ましになれば」と贈ることを考え、呼び掛けに応えた本巣市の協力で実現。東海市は20本、本巣市からは5本が贈られた。

 

 この日は、鈴木淳雄東海市長、藤原勉本巣市長が釜石を訪れ、野田武則釜石市長とともに桜を仮植え。東海、本巣市それぞれで種から育てられた高さ1~2メートルの苗木の根元に土をかぶせ、成長を祈った。

 

桜の成長と釜石市の復興を重ね合わせ、植樹を終えた3市長ら

桜の成長と釜石市の復興を重ね合わせ、植樹を終えた3市長ら

 

 藤原市長は「1500年の命を持った歴史ある桜が釜石の復興、発展、子どもたちの成長を見守り、地域の人が頑張る力になれば。つながった縁と桜を大事にしながら、共に頑張っていきたい」と願い、鈴木市長は「W杯は地域や子どもに夢と希望を与える事業。釜石を訪れた世界中の人に復興と合わせて桜を見てもらいたい」と期待を込めた。

 

 野田市長は「温かい絆、応援に感謝。長い命をつないだ桜に、命の大切さと生きる力強さを感じる。復興、子どもたちへの強いメッセージになる。『見守り桜』を大切にしていく」と力をもらった。

 

 このあと3市長は、根浜地区の高台移転先として整備が進んでいる団地、鵜住居地区小中学校新校舎などを視察し、復興状況を確認。スタジアムは4月から建設工事に着手する予定で、完成後、仮植えされた苗木を周辺に植え替える。

 

(復興釜石新聞 2017年4月1日発行 第576号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

thum_koho1661

広報かまいし2017年4月1日号(No.1661)

広報かまいし2017年4月1日号(No.1661)

 

広報かまいし2017年4月1日号(No.1661)

広報かまいし2017年3月15日号(No.1660)

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 3,348 KB
ダウンロード


 

【目次】
表紙:JR山田線(宮古・釜石間)の復興状況をお知らせします
P02:東北未来創造イニシアティブの活動が終了します
P03:第2期釜石○○(まるまる)会議 発表会を開催しました
P04:住宅用新エネルギー導入支援事業費補助金について、老齢年金の受給資格期間短縮のお知らせ、子育て世代包括支援センター設置のお知らせなど
P06:今月のインフォメーション、Let’s do it!やっぺし!
P08:身近な防災知識、釜石地区被災者相談支援センターをご利用ください、市長のつぶや記

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1208794_2596.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
4月から入居が始まる予定の「県営松原アパート」

県営松原アパート、入居を前に内覧会、新生活にイメージ膨らませる

4月から入居が始まる予定の「県営松原アパート」

4月から入居が始まる予定の「県営松原アパート」

 

 釜石市松原町3丁目に建設が進められてきた災害公営住宅「県営松原アパート」(2棟、60戸)が完成し、26日、入居予定者らを対象に内覧会が開かれた。県が市内に整備する災害公営住宅としては5カ所目、管理も行う県営住宅としては3カ所目の完成。松原町の被災者を中心に釜石・大槌地区の52世帯が入居を申し込んでおり、来月中旬に鍵が引き渡される。

 

 松原町では初めてとなる災害公営住宅は国道283号沿い、市の土地区画整理事業で2~3メートル盛り土した土地に建設された。三陸鉄道の高架橋をはさむ形で鉄筋コンクリート造り6階建ての2棟を配置した。敷地面積は約3872平方メートル。

 

 部屋は1DK(約45平方メートル)、2DK(約54平方メートル)、3DK(約65平方メートル)の3タイプで、2階以上が居住エリア。1号棟(42戸)は1DK10戸、2DK27戸、3DK5戸。ペット飼育が可能な2号棟(18戸)は2DK12戸、3DK6戸。団地用の集会所と備蓄倉庫を1号棟2階に設け、駐車場は64台分を整備した。

 

 渡辺設計事務所(盛岡市)が設計、八幡建設(釜石市)・小松組(紫波町)復旧・復興建設工事共同企業体が施工し、昨年1月から工事が進められてきた。

 

 内覧会には入居予定の41世帯、77人のほか、今後完成する県営住宅への入居を検討する被災者や一般住民らが訪れ、合わせて111人が見学。入居予定者は部屋の寸法や設備などを確認しながら、新生活へのイメージを膨らませた。

 

1DKの室内を見学する内覧会の参加者

1DKの室内を見学する内覧会の参加者

 

 松原で被災し大畑の仮設住宅で暮らしてきた大久保静雄さん(67)は妻と2DKに入居予定。窓の外の景色に目をやり、「まちの様子は変わってしまったが、やっぱり生まれた所はいいよね。(仮設の)6年は長かった」としみじみ。妻朋子さん(54)は「今まで物音など周りに非常に気を使う生活だった。これからは静かな環境で暮らせる」とほっとした様子を見せた。

 

 一人暮らしの佐藤キクさん(78)は松倉の仮設住宅から同アパートに移る予定。体が小柄で、仮設では浴槽や換気扇の高さに難儀していたといい、「心配していた風呂もまずまず。何かの時に子どもたち家族が集まれる広さもある」と一安心。一方で買い物や通院が遠くなることや生活環境が大きく変わることへの不安も感じ、「慣れるまでは大変かな。ヘルパーさんにも助けてもらい、何とか暮らしていければ」と願った。

 

 現段階で空き室になっている8戸(2DK)は再募集する予定。県が市内に整備する災害公営住宅はこの後、現在工事中の嬉石第1、同第2アパートが今年7月に完成する見込みとなっている。

 

(復興釜石新聞 2017年3月29日発行 第575号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

食事や歓談、歌やダンスを楽しみ、最後の思い出を作る住民ら

強い絆を心にお別れ会〜甲子第6仮設団地、苦楽を共に6年

食事や歓談、歌やダンスを楽しみ、最後の思い出を作る住民ら

食事や歓談、歌やダンスを楽しみ、最後の思い出を作る住民ら

 

 釜石市甲子町松倉の新日鉄住金釜石サッカー場にある「甲子町第6仮設団地」(138戸)が仮設住宅の集約に伴い来月末で閉鎖されるのを前に、25日、住民や元住民らによるお別れ会が中妻公民館で開かれた。震災後の避難生活で苦楽を共にしてきた住民らは、団地で育んだ強い絆を心に刻み別れを惜しんだ。

 

 お別れ会は同団地自治会(佐々木忠会長)が企画し、約60人が出席。佐々木会長は「自宅再建や復興住宅への入居で空き室が目立つようになり、心寂しい思いがする。思い出を語り合い、楽しく過ごしてほしい」とあいさつした。

 

 同団地自治会は盆踊りやクリスマス会、温泉バスツアーなど各種交流活動で住民同士が顔を合わせる機会を増やし、日常の支え合いや孤立防止につなげてきた。会に出席した支援団体の代表からは積極的な住民活動をたたえる声が多く聞かれ、「団地で培った経験を新たな環境でも生かしてほしい」と激励の言葉が送られた。

 

 2011年7月に完成した同団地は全戸入居した時期もあるが、現在は30世帯ほどに減少。集約後は、近く完成する復興住宅に入居する人、土地造成を待って他の仮設住宅に移る人などそれぞれの一歩を踏み出す。

 

 地元浜町での自宅再建を目指す女性(80)は天神町仮設に移ることになり、「みんなと仲良く暮らしてきたので離れがたい。慣れない所に行くのもあって…」と寂しさをにじませた。昨年5月に集約で松倉の別の仮設から第6仮設に移った片倉賢佐さん(69)は「気さくに受け入れてもらい、ありがたかった。知り合った方々とは今後も交流を続けたい」とし、大町の復興住宅への入居に「新たな気持ちで第2の人生を歩む」と力を込めた。

 

 この日は自宅再建ですでに同団地を”卒業”した人たちも顔をそろえ、同窓会的な雰囲気も。野田町で暮らす佐々木健二さん(69)は「津波で妻を亡くし煮炊きするのも大変だったが、ご近所さんに助けられた。行事にも声がけをいただき、1人でいる時間が少なくて済んだ」と深く感謝。鵜住居町に暮らす前自治会長の幸﨑幸太郎さん(80)も「本当に住みやすい環境だった。皆さんが永住できる場所に早く移れるよう願う。ここでの出会いを忘れず長生きしよう」と仲間の幸せを祈った。

 

(復興釜石新聞 2017年3月29日発行 第575号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

最後の放送まで楽しみながら情報を伝えようと意気込むスタッフ

命の大切さ 伝え続けて6年、さいがいエフエム放送終了〜4月から「はまっこラジオ」へ

最後の放送まで楽しみながら情報を伝えようと意気込むスタッフ

最後の放送まで楽しみながら情報を伝えようと意気込むスタッフ

 

 釜石市が開設するFMの臨時災害放送局「かまいしさいがいエフエム」が今月31日で放送を終了する。東日本大震災の1カ月後、2011年4月11日から放送を開始し6年。市からの復旧・復興に関するお知らせや生活情報などを伝えながら地域の復興を支えてきたが、市内では住まいの再建が進み始め、個別に情報を届けることができるようになったことなどから、市は年度末での終了を決めた。「伝えたい。身の安全、命を守るよう、避難の大切さを」。最後の3日間、4人のスタッフは震災や復興をめぐる思いを、役目を終えるその時まで発信する。

 

 同局は、11年1月に釜石支局を開設していたエフエム岩手(盛岡市)の協力を得て誕生した。市が運営し、復旧復興関連情報などを届けてきたが、14年4月から同社に運営を委託。「釜石やっぺしFM」「はまっこラジオ」の2番組を放送し、復興情報に加え、取材力を生かして地域情報も充実させた。16年4月からは「はまっこ~」のみを放送。生活再建に関する情報、イベント情報などを紹介している。

 

 スタッフは大坂美和支局長(45)、パーソナリティー兼音響担当の及川隆太郎さん(31)ら4人。13年4月からパーソナリティーを務める市川香織さん(45)は「情報を得る方法はさまざまあるが、ラジオを頼りにしてくれる人もいる。取り残される人がいないよう、身近に感じてもらえるように情報を伝えようと頑張ってきた。全くの素人だったがリスナー、仲間のおかげでここまで来られた」と振り返る。

 

 音響調整機材(ミキサー)を担当する野﨑広美さん(38)は鵜住居町出身。震災で実母、義父母、友人…大切な人を亡くした。気持ちが沈む中、夢中になれるものを探して見つけたのが、同局での仕事。11年11月にパーソナリティーとして採用されたが、伝える情報の多さにのどを痛めてしまい、音響担当に転向した。全くの素人だったが、「母の代わりに父を見守りたい」「そばにいる大事な人を守りたい」「命の大切さを伝えたい」との思いが力となり、声を電波に乗せるスタッフの1人として放送を続けた。

 

 最後の放送となる31日の午後4時からは、4人全員が参加する予定。「いつも通りにやっていこう」の合言葉のもと、これまでを振り返るほか、防災についての思い、緊急時の連絡先や情報入手に関するアドバイスなどを発信する。

 

 放送は、鈴子町のシープラザ釜石内のスタジオから午前11時~午後1時、午後4~5時の2回。周波数は86・0メガヘルツ(甲子、鵜住居、唐丹地区の一部は80・1メガヘルツ)。

 

 4月からは同社の周波数(79・2メガヘルツ)で、市が提供する新番組「釜石はまっこラジオ」がスタートする。放送時間は火曜日の正午から25分間。19年ラグビーワールドカップに向けた機運醸成を図るもので、市の臨時職員として番組作りに関わることを決めた野﨑さんは「釜石のおいしいところ、イベントをどんどん紹介し、人を呼びたい」と意気込んでいる。

 

(復興釜石新聞 2017年3月29日発行 第575号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

thum_airkamaishi

“釜石の音”映像に重ねる 「エア・カマイシ」最優秀賞〜いわて動画コンテスト2016

受賞作「エア・カマイシ」の1シーン=平田漁港でピアノのエア演奏

受賞作「エア・カマイシ」の1シーン=平田漁港でピアノのエア演奏

 

「光陽写真」の菊池賢一さん初出品

 

 県主催の「いわて動画コンテスト2016」で、釜石市天神町で写真店「光陽写真」を経営する菊池賢一さん(46)が出品した「エア・カマイシ」が最優秀賞を受賞した。スチール写真が本業の菊池さんが動画撮影に挑戦したのは初めて。「楽しかった。受賞は思いがけなかったが、出演者の協力のおかげ」と菊池さんは喜ぶ。受賞作品はユーチューブの県公式サイト「いわて希望チャンネル」で公開されている。

 

 同コンテストは昨年に続いて2回目。岩手の魅力を発信する機運の醸成、情報発信力の向上を目的に、オリジナル動画作品を県民から募集した。今回は37編の応募があり、審査で「菊池監督」の作品が年度代表作と認められた。表彰式は2月25日に滝沢市で行われた。

 

 作品の制限時間は5分以内。「エア・カマイシ」は、4人の男女が太鼓で「釜石虎舞」、チェロで「釜石浜唄」、ピアノで「釜石小唄」、エレキベースで「釜石市民歌」を、文字通り楽器を持たずに演奏しているシーンを演じ、バックにそれぞれの音をかぶせた。

 

 背景には、建物がない只越町の造成地、根浜、平田漁港、駐車場の屋上などを用い、タイトルバックは港町の岸壁から望む晴れた日の釜石港とした。

 

 菊池さんは「誰でもふるさとの特別な場所はあるだろう。釜石の魅力を表現する手段に悩んだ。動画なら、音、音楽を入れることができることに思い至った。イメージができた。ただ、実際に楽器を運ぶことは難しい。とくにピアノ。それなら、と”エア演奏”に決めた」と制作過程の苦心をたどった。

 

いわて動画コンテストで最優秀賞を獲得した菊池賢一さん

いわて動画コンテストで最優秀賞を獲得した菊池賢一さん

 

 出演した4人のうち太鼓は菊池さんの長男賢介君(15)=釜石中3年=が担当した。

 

 「みんなの協力で作品ができた。何か創作するなら、ユーモアがあって楽しいほうがいい。編集の難しさとともに、映画監督気分を味わいました」と菊池さん。

 

 菊池さんは震災で只越町の店舗を流失。仮設住宅を経て復興公営住宅に住み、大只越町仮設商店街で写真店を続けている。

 

(復興釜石新聞 2017年3月25日発行 第574号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

大勢の力で取り組んできた地域活性化の活動が評価され、笑顔を見せる藤井サヱ子さん

農家レストラン・こすもす公園、藤井さん 農水大臣賞を受賞〜農山漁村女性・シニア活動表彰

大勢の力で取り組んできた地域活性化の活動が評価され、笑顔を見せる藤井サヱ子さん

大勢の力で取り組んできた地域活性化の活動が評価され、笑顔を見せる藤井サヱ子さん

 

 釜石市甲子町の農家、藤井サヱ子さん(72)が、2016年度農山漁村女性・シニア活動表彰のシニア起業・地域活性化部門で最優秀賞の農林水産大臣賞を受け、17日、野田武則市長に受賞を報告した。

 

 同表彰は農山漁村男女共同参画推進協議会(事務局・東京都)が主催。農山漁村の活性化に優れた活動実績を持ち、積極的に活動する経験豊富な女性や高齢者の個人・団体をたたえるもの。藤井さんは甲子地区を元気にしようと産直や農家レストランの開設、休耕農地を利用した公園づくりなど地域活性化の取り組みが高く評価された。表彰式は7日に東京で行われた。

 

 藤井さんは2000年に両親の介護のため、盛岡市から実家のある釜石にUターン。実家の農地は遊休化していたが、田畑を荒らしたままにはできないと考え、地域の人を楽しませようとコスモス畑にして開放した。01年に近所の農業者と産直を創設。07年には「農家レストラン」を開設した。

 

 震災後には、遊び場を失った子どもたちが自由に遊べる空間にしてもらおうと、地域やボランティアの協力でレストラン前に「こすもす公園」を整備。遊具を設置するほか、周りには野菜や果樹なども植え、食育や知育、農業体験などもできるようにした。音楽コンサートなど各種イベントも開かれ、今では県内外から年間4万人が訪れているという。

 

 さらに、甲子地区を盛り上げようと15年に発足した同地区活性化協議会の会長として、地域の魅力満載のマップづくりや地域めぐりツアーを企画するなど積極的に活動。釜石の特産品「甲子柿」を使ったドレッシングやスイーツなどの商品開発も進めている。

 

 受賞報告で、藤井さんは「思いがけない賞。主人、地域の人、全国から来て交流してくれた人たちの協力で得たもので、無駄にしないよう活動していきたい。やりたいことはいろいろあるが、個人ではなく市全体で取り組めることを見つけたい。普段通りの生活を見て、釜石の良さを知ってもらう活動も続けたい」と意欲を伝えた。

 

 野田市長は「今後も地域の人に親しまれる場、全国から人が集う交流の拠点として大きく成長してほしい」と期待を述べた。

 

(復興釜石新聞 2017年3月22日発行 第573号より)

関連情報 by 縁とらんす
創作農家こすもす
復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3