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「橋野鉄鉱山」とともに幾千年も受け継がれることを願い、希望の「宇宙滝桜」を植樹

被災地にエールの「宇宙桜」、橋野鉄鉱山に希望の植樹〜「三春滝桜」の種 若田さんと地球を回る、栗林小児童らも夢ふくらませ

「橋野鉄鉱山」とともに幾千年も受け継がれることを願い、希望の「宇宙滝桜」を植樹

「橋野鉄鉱山」とともに幾千年も受け継がれることを願い、希望の「宇宙滝桜」を植樹

 

 宇宙を旅した日本の名桜(14種類)の種から発芽した希少な「宇宙桜」の一本が、釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」内の憩いの広場に植えられた。茨城県龍ヶ崎市の一般財団法人ワンアース(長谷川洋一代表理事)が行う東日本大震災復興支援「きぼうの桜事業」の一環。植えられたのは、日本三大桜の一つ、福島県三春町(鈴木義孝町長)の「三春滝桜」の子孫木で、14日、関係者によって植樹祭が行われた。

 

 同鉄鉱山インフォメーションセンターで、長谷川代表がプロジェクトの概要を説明。同法人名誉顧問の山崎直子宇宙飛行士のビデオレターが上映され、長谷川代表から野田武則市長に桜の根元に埋設する「紲(きずな)石」と宇宙フライト証明書が贈呈された。栗林小(佐藤勉校長、児童43人)の全校児童が、各地の植樹祭で歌い継がれるテーマソング「きぼうの桜」を合唱した。

 

「宇宙滝桜」に夢を託し、万歳三唱で植樹祭を締めくくる参加者

「宇宙滝桜」に夢を託し、万歳三唱で植樹祭を締めくくる参加者

 

 植樹場所の広場には、ドウダンツツジ190本をハート形に配した植え込みを用意。中心に発芽から8年が経過し樹高約3メートルに育った「宇宙滝桜」を据えた。ハートの先端は苗の故郷、三春町の方角を向く。鈴木町長、橋野町振興協議会の和田松男会長、栗林小児童会の佐々木健心会長、野田市長が桜の根元に土をかけ、児童らが代わる代わる水をやった。

 

 佐々木会長(6年)は「来てくれたお客さんに囲まれ、きれいに育ってほしい。ずっと成長を見守っていきたい」、岩﨑涼風さん(6年)は「元気に大きく育つよう願いを込めた。みんなに『見に来てね』と自慢できるような桜になれば」と夢を膨らませた。

 

 母樹の三春滝桜は樹齢1千年を超える枝垂れ桜の巨木で、毎年何十万人もの見物客が訪れる。2008年に地元小学生が拾った種(約200粒)はスペースシャトル・エンデバー号で国際宇宙ステーションに届けられ、日本のモジュール「きぼう」船内で、若田光一宇宙飛行士とともに4100回地球を回る8カ月半(08年11月~09年7月)の旅を行った。

 

 同町に帰還した種は再び小学生がまいて育て、関係者が特別に手入れを行ってきた。釜石市に贈られたのは、順調に育った約10本のうちの1本。鈴木町長は「震災や原発事故でわが町も大変だが、力を合わせ復興していきたい。宇宙桜を両市町の復興、絆のシンボルに」と願った。

 

宮沢賢治も大好きだったというラピスラズリでできた「紲石」

宮沢賢治も大好きだったというラピスラズリでできた「紲石」

 

 宇宙桜は、有人宇宙システムの社会貢献事業で誕生。同事業発案者で、15年に財団法人を設立した長谷川代表は、被災した東北3県の沿岸全市町村に宇宙桜を植える構想を継続中。「いずれ巨木となるであろう宇宙桜でつなぐ景観は、震災の記憶を後世に伝えるものとなる。100年後、世界遺産になる可能性は十分にある」とし、21年までに桜ラインをつなげたい意向を示した。

 

 今回植樹された広場沿いには、八重桜など数種の桜の木が連なり、これから順次開花する。同協議会が主催する今年の「八重桜まつり」は5月13日に開催される予定。

 

(復興釜石新聞 2018年4月18日発行 第682号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

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問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

上栗林の桜 ライトアップ〜夜空に巨木映える、地域住民バックアップ

上栗林の桜 ライトアップ〜夜空に巨木映える、地域住民バックアップ

上栗林の桜

巨大な花姿が照明に浮かび立つ「上栗林の桜」=10日夜

 

 釜石市指定文化財(天然記念物)の「上栗林の桜」が10日から夜間のライトアップを始めた。咲き始めの花のかたまりは、遠目に白煙のように盛り上がる。午後6時半から9時半まで照明を当て、終了は22日を見込む。

 

 「上栗林の桜」はエドヒガン系で、樹齢約400年の古木。2007年に文化財指定を受けた。高さ17メートル、根元周りは8メートルもある巨木は、春耕を促す「種蒔(まき)桜」とも呼ばれてきた。

 

 ライトアップは今年で6年目。地元町内会の上栗林振興会(三浦栄太郎会長、32世帯)を中心に、全町の連合組織・栗林共栄会が協力する。

 

 照明の準備には2日間をかけ、LEDの昼光色と電光色の13基を組み合わせた。以前より光を強くし、巨木の全体像を浮かび上がらせ、微妙な色合いの違いを演出した。

 

 上栗林集会所の広場に“花冷え対策”で、まきストーブも用意した。初日の10日は空気が澄み渡り、星空が広がって、午後8時には8度台に下がった。三浦会長ら世話人たちはストーブを囲み、ライトアップで浮かぶ花姿を楽しんだ。

 

 「上栗林の桜」は鵜住居町の国道45号から県道釜石遠野線を遠野方向に約8キロ、車で10分ほど。道路から集会所前の広場に上がると、数台の駐車スペースがある。

 

 三浦会長らは「見ごろは14、15日あたり。天気が荒れないといいが」と願う。

 

(復興釜石新聞 2018年4月14日発行 第681号より)

 

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満開となった小川川河畔の桜並木=11日、小川町の小川橋から撮影

釜石の桜、早くも満開に〜待ちに待った花の季節を満喫

満開となった小川川河畔の桜並木=11日、小川町の小川橋から撮影

満開となった小川川河畔の桜並木=11日、小川町の小川橋から撮影

 

 釜石市内の桜は平年より1週間ほど早く、満開を迎えた。公園や広場、学校など桜並木のある場所では、大きな枝が花で覆われた。家族連れ、放課後の子どもたちが花の中で本格的な春の到来を満喫している。

 

 先週末の冷え込みは、今週半ばに緩んだ。晴れ間が広がった12日の釜石は、最高気温20・3度と5月中旬並みの陽気となった。

 

 桜木町の小川川沿いなど一帯の桜並木は花に包まれた。近所の男性は愛用のカメラを持ち、「近くに住んでいるのに、サクラを楽しまないわけにはいかない」とアングルを変えながらシャッターを切った。

 

満開の桜の下を散策=11日、桜木町仮設住宅

満開の桜の下を散策=11日、桜木町仮設住宅

 

 家族を“お供”にした、つえを持つ高齢の女性は「きょうが満開でしょう。暖かく、風もないので見にきました」と山神社方向まで足を延ばした。

 

 上中島町の公園では歩き始めの幼児とお母さんが、滑り台など遊具で遊んでいた。強い日差しは帽子と花の影でしのぎ、しばらく散策を楽しんだ。

 

花の下でくつろぐ母子。元気な子どもも駆け回る=12日、上中島町

花の下でくつろぐ母子。元気な子どもも駆け回る=12日、上中島町

 

 中心街を見下ろす大町の薬師公園は、花見客のために、入り口に特設ゲートを設置。階段には電球の提灯(ちょうちん)を並べている。花冷えとなった10日夜、軽食を入れたらしい紙包みを持った若者やカップルが階段を上った。

 

 12日午後から、気圧の谷の接近で西寄りの風が強まり、一部の花は散り始めた。盛岡地方気象台の予報では、寒気も加わり、週末は風を伴った不安定な天気になる。休日の花見を邪魔する「花に嵐」となりそうだ。

 

(復興釜石新聞 2018年4月14日発行 第681号より)

 

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広報かまいし2018年4月15日号(No.1686)

広報かまいし2018年4月15日号(No.1686)

広報かまいし2018年4月15日号(No.1686)

 

広報かまいし2018年4月15日号(No.1686)

広報かまいし2018年4月15日号(No.1686)

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【目次】
表紙:東京2020 オリンピック・パラリンピック「復興『ありがとう』ホストタウン」
P02:平成30年度施政方針
P03:平成30年度当初予算・主要事業など
P07:意見募集(オープンシティ戦略改訂版)
P08:ゆうちょ銀行で市税納付、イクボス宣言
P09:まちのお知らせ
P12:まちの話題
P14:保健案内版
P16:復興情報(進捗状況、住宅再建補助金、市道鵜住居2号線通行止めなど)
P20:RWC2019TMミニ通信

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1217892_2596.html
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合同事務所の開設で連携推進を宣言する3機関の関係者ら

ラグビーW杯へ合同事務所開設、シープラザ釜石に「スクラムセンター」〜市、県、組織委、準備に本腰

合同事務所の開設で連携推進を宣言する3機関の関係者ら

合同事務所の開設で連携推進を宣言する3機関の関係者ら

 

 2019ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催に向け、釜石市、県、組織委員会の3機関は2日、合同で事業の推進を図る拠点事務所を鈴子町のシープラザ釜石に開設。これを記念し、関係者約50人が出席してキックオフセレモニーが行われた。3機関が入る2階フロアは「スクラム・センター」と命名。来年に迫った大会へ向け、さまざまな情報発信に本腰を入れるなど本格的な準備に移る。

 

 3機関合同の事務所開設は、開催12都市で初めて。シープラザ釜石2階フロアの約300平方㍍を事務所に充て、W杯組織委員会岩手・釜石地域支部(菊池学支部長、9人)、県W杯推進室釜石市駐在(代表・小田島弘特命課長、4人)、市W杯推進本部事務局(正木隆司総括部長、13人)の計26人が駐在する。

 

 この場所にあったラグビーカフェは施設の中央へ移し、2階全体をW杯の情報発信拠点とする。

 

 セレモニーの冒頭であいさつした野田武則市長は「震災があった7年前は、ここに災害対策本部を置いた」と感慨深げ。「3機関が一体で効率的な取り組みを進め、情報発信拠点として大いに活用していきたい。ここに多くの人が足を運んでいただき、釜石発展の糸口としたい」と期待を述べた。

 

 本年度から新設された県文化スポーツ部の菊池哲部長は「今年夏には鵜住居復興スタジアムも完成する。県民一人一人が連携してボールを前に進めたい」とエール。W杯アンバサダーとして活動する釜石シーウェイブス(SW)RFCの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー兼監督は「一生に一度の“お祭り”に向け、大いに盛り上げていきたい」と決意を新たにした。

 

キックオフで合同事務所の開所を祝う野田市長ら

キックオフで合同事務所の開所を祝う野田市長ら

 

 このあと3機関の代表が桜庭GM兼監督の笛を合図にボールをキックオフ、事務所の開所を祝った。

 

 2階フロアには釜石ラグビーに関するパネルなども展示。合同事務所はチケット購入の相談窓口も担う。

 

(復興釜石新聞 2018年4月7日発行 第679号より)

 

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伝統の舞で平田集会所の完成を祝う「平田神楽」(

平田地区に新集会所完成、神楽や虎舞でオープン祝う〜生活応援センター併設、利便性向上 地域住民の融合支援

安全安心な地域づくりの拠点となる新しい「平田集会所」

安全安心な地域づくりの拠点となる新しい「平田集会所」

 

 震災復興で土地区画整理事業が導入された釜石市平田地区に、生活応援センターを併設した新しい集会所が完成。1日、地域住民や市の関係者約50人が出席し、現地で開所式が行われた。待望のコミュニティー拠点施設の完成に住民らは笑顔を広げ、今後のまちづくりへ意欲を高めた。

 

 野田武則市長、平田地域会議の前川輝夫議長(平田町内会長)があいさつ。前川議長は「行政手続きが地元でできるようになったのが何より。課題を克服しながら、みんなでより良い平田地域をつくっていきたい」と協力を呼び掛けた。各町内会長など出席者の代表9人がテープカットを行い、開所を祝った。平田神楽と平田虎舞は真新しい施設内で舞を披露。新集会所のスタートを華やかに彩った。

 

伝統の舞で平田集会所の完成を祝う「平田神楽」(

伝統の舞で平田集会所の完成を祝う「平田神楽」

 

 同集会所は、平田第6地割内の新たに整備された市道沿いの敷地(588平方メートル)に建設された。昨年8月に着工。鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は329平方メートル。総事業費は1億5600万円。

 

 1階は生活応援センターの事務室、調理室、小会議室、2階に大会議室、和室、給湯室を配した。和室には郷土芸能の道具類を収納できるスペースも。1階には町内会用の倉庫も完備した。両階にトイレを設置。太陽光発電の設備も導入した。駐車場は建物入り口側に5台分を確保。隣り合う市消防団第3分団第3部屯所の駐車スペース(10台)も併用する。

 

 平田集会所は旧市立平田幼稚園の2階に併設されていたが、2015年の同園の移転新築に伴い解体された。08年に設置された平田地区生活応援センターは震災の津波で流失。センター業務は、旧釜石商業高グラウンドに整備された仮設団地内にプレハブの建物を設け、継続してきた。震災後、町内会や地域会議の活動は、同校体育館や仮設団地の談話室、災害公営住宅の集会所などを借りて実施。新施設の早期完成が待たれていた。

 

 独居老人の食事会を毎月開催する支え合いサロン「平田はまなす」の庄司嘉市代表(79)は「設備の整った集会所ができたことで、活動の充実も図られる。みんなで力を合わせ、楽しく暮らせるまちをつくっていければ」と期待を込めた。

 

 同センターは市職員と釜援隊員5人で運営。仮設では行っていなかった証明書発行や税金収納など市の出張所業務が可能となり、住民の利便性が向上した。

 

 千葉裕美子所長は「被災した地元住民が自宅再建で戻ってきているほか、災害公営住宅入居や上平田ニュータウンへの転入など他地域から移住する人も増えている。地域住民が融合できるよう支援していきたい」と話した。

 

(復興釜石新聞 2018年4月4日発行 第678号より)

 

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さまざまな思いを胸に最後ののれんを掲げる菊池悠子さん

60年の歴史に幕、呑ん兵衛横丁「泣きたくなるよね」〜仮設店舗 はまゆり飲食店街、退去期限迎えるも移転先見つからず

さまざまな思いを胸に最後ののれんを掲げる菊池悠子さん

さまざまな思いを胸に最後ののれんを掲げる菊池悠子さん

 

 東日本大震災の被災飲食店が入居した釜石市鈴子町の仮設店舗「釜石はまゆり飲食店街」(18店)は、年度末の退去期限を迎え、3月31日で営業を終了した。同所で再起をかけ、本設営業に望みをつないできた「呑ん兵衛横丁」(6店)は移転先を見い出せず、看板を下ろすことに…。釜石製鉄所全盛時代に飲食業発展の礎を築き、60年の歴史を紡いできた名物横丁の閉店に、客からは「寂しい」「何とか続けられないものか」と惜しむ声が上がった。

 

 同横丁で55年にわたり居酒屋「お恵」を営んできた菊池悠子さん(79)。最後の営業を前に、長年支えてくれた客や震災後、多くの支援を寄せてくれた全国の人たちに「とにかく感謝、感謝だよね」と言い尽くせぬ思いを吐露。「メソメソしててもだめ。いつもの自分でいないと」と奮い立った。

 

 横丁の店主らは「本設移転するならみんな一緒に」と願い、同飲食店街の他店主らと集団再建の道を模索。昨年7月には市に対し、駅前商業ビル建設構想を提案し市有地の提供を要望したがかなわず、仮設営業の期限延長も認められなかった。

 

 “釜石の顔”と言われた横丁を閉じることに、「泣きたくなるよね」と菊池さん。やりきれない思いをにじませながら「やめるんじゃなく、休むことにする。多分、みんな気持ちは同じだろうから」と前を向いた。

 

 1957年ごろ、路地で営業していた店が集まり、大町の長屋に軒を連ねた同横丁。最大で36店が営業し、製鉄業で活気づくまちに憩いの場を提供してきた。2011年の震災時には26店が営業していたが、津波で建物は全壊。同年12月、鈴子町に整備された仮設店舗で15店が営業を再開した。市が大町に整備した本設の飲食店街への移転(3店)、自立再建、店主の死去などで最後に残ったのは6店。5店は本設再建へ意欲はあるものの、期限までに道筋をつけることができなかった。

 

 同飲食店街(48区画)にはオープン時、44店が入居。安くておいしい多様な店が集まり、市民だけでなく市外からの復興支援者、観光客にも人気だった。転勤で釜石を離れる常連客(39)は「いちげんさんでも温かく迎えてくれる。さまざまな人たちと交流でき、貴重な情報交換の場でもあった。また来たいと思っていたのに」と残念そう。

 

 店主らでつくる「釜石はまゆり飲食店会」(山崎健会長)は、14年ごろから本設再建に向けた調査を開始。復興住宅の配置や自宅再建の動向、津波や大雨による浸水状況などを踏まえ、鈴子町が適地として挙がった。釜石駅前のホテル建設計画、ラグビーワールドカップ釜石誘致、橋野鉄鉱山の世界遺産登録の動きも集客要素として期待された。

 

バーを営み、仮設飲食店街のまとめ役として尽力した山崎会長

バーを営み、仮設飲食店街のまとめ役として尽力した山崎会長

 

 「いろいろ考えると鈴子町が最適だったが、(構想が)実現できず非常に残念」と山崎会長(49)。釜石の飲食文化を発信してきた“呑ん兵衛横丁”を「やっぱり残したかった。横丁抜きにして釜石の飲食店再興は厳しいと思う。60年の老舗看板は何ものにも代えがたい」と今後を憂えた。

 

 山崎会長によると、18店のうち本設営業のめどが立っているのは3月30日現在、4店だけだという。

 

(復興釜石新聞 2018年4月4日発行 第678号より)

 

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芝の補強材移送作業

国内初導入、鵜住居復興スタジアム ハイブリッド芝生〜エアファイバー釜石へ、国際貿易港化が輸入後押し フランスから1350トン

芝の補強材移送作業

芝の補強材移送作業

 

 釜石市がラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場として建設を進めている釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)で来月、補強型天然芝(ハイブリッド芝生)を使ったグラウンド整備が始まる。天然芝の補強材となる化学繊維「エアファイバー」が今月初めに釜石港に到着、26日にコンテナからの荷下ろし作業が行われた。

 

 市はグラウンド整備に関し、補強型天然芝の導入を昨年6月に決定した。人工繊維と天然コルク、砂を混ぜた特殊な床土を敷き、寒冷地の芝草種子を組み合わせたハイブリッド仕様で、土に繊維を混ぜてクッション性を高め、そこに芝の根を絡ませて生育を促す仕組み。導入にあたり試験栽培をしたところ、従来の芝生グラウンドに比べて芝の耐久性や衝撃吸収性、保水性などが高まった。建設費は高くなるが、10年間の維持管理費は軽減され、2倍の稼働率が見込まれるといったメリットも。床土改良型としては日本で初めての導入になるという。

 

人口繊維、天然コルク、砂を混ぜた「エアファイバー」

人口繊維、天然コルク、砂を混ぜた「エアファイバー」

 

 エアファイバーは、フランスの「ナチュラルグラス社」が開発。同スタジアムのメイングラウンドに使うため、約1350トンが5便に分けてフランスから輸入される。

 

 26日は、すでに荷揚げされていた114トン分がコンテナから運び出された。この日は第3便、長さ20フィート(約6メートル)のコンテナ21個分も到着した。

 

芝の種をまく補強材はコンテナで運ばれた

芝の種をまく補強材はコンテナで運ばれた

 

 グラウンドの整備は4月9日から始め、5月上旬までに芝の種まきをする予定。施工を担当する日本フィールドシステム東北支店の平舘優支店長は「芝床改良型のハイブリッド芝は国内初。世界レベルの選手が安全でクオリティーの高い試合ができるよう、しっかり整備したい。釜石の皆さんに愛されるグラウンドになってほしい」と話した。

 

 釜石港の国際貿易港化が急速に進展する中で、今回の輸入が実現した。市ラグビーワールドカップ2019推進室によると、釜石港まで運び込むことで輸送経費が軽減できたと強調。市では引き続き、国際コンテナ物流を通じた産業経済活動をけん引していきたい考えだ。

 

 スタジアムは7月下旬に完成する予定だ。

 

(復興釜石新聞 2018年3月31日発行 第677号より)

 

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スーパーが核店舗となった複合型商業施設の外観イメージ

鵜住居商業施設 建設へ前進、各店舗のスーパー内定〜まちなか再生の起爆剤に 年内にも着工 来年夏のオープン目指す

「まちの起爆剤に」と期待の声が上がった鵜住居再生計画策定委

「まちの起爆剤に」と期待の声が上がった鵜住居再生計画策定委

 

 第3回釜石市鵜住居地区まちなか再生計画策定委員会(佐々木憲一郎委員長)は27日、鵜住居町の長内集会所で開かれ、市が建設を計画する複合型商業施設の核店舗として盛岡市に本社があるスーパーの入居が内定したことが報告された。スーパーの売り場も当初の想定を大きく上回り、ほぼ2倍の広さとなる。このほかリフォームショップなど5店舗の入居も決まった。委員からは「間違いなく、この町の起爆剤になる」と期待の声が広がった。4月中にも正式に契約を交わし、年内に着工、来年夏のオープンを目指す。

 

 商業施設は鵜住居小・釜石東中に近い、国道45号沿いに建設される。建築面積は1489平方メートル。鮮魚、野菜、酒類などを販売するスーパー(964平方メートル)のほか、リフォームショップ、婦人衣料店、保険代理店、美容室、食堂の5店舗が入る。

 

スーパーが核店舗となった複合型商業施設の外観イメージ

スーパーが核店舗となった複合型商業施設の外観イメージ

 

 核店舗の誘致については当初、津波被災地区の住宅再建が思うように進まず、人が戻っていない状況などから厳しいと見込まれていた。自ら誘致に動いた佐々木委員長は「中途半端な規模では勝負にならない、という会社の熱意が地域の将来を見いだしてくれた。地権者も快諾してくれた」と感謝の思いを口にする。

 

 入居を決めた委員は「遠野に行こうか迷っていた。これでやっと踏み出せる」と前向き。「ここから人の流れができる。商業施設を側面から支えたい」という委員もあった。

 

 鉄骨造り平屋建ての商業施設は、釜石まちづくり会社が整備した上でテナントに貸し付け運営する。整備費は約3億9千万円を見込み、国の津波立地補助金を活用する。

 

 まちづくり会社の谷澤栄一事業部長は「ギリギリの収支が見込まれるが、みんなで支え、長く継続してほしい」と期待する。

 

(復興釜石新聞 2018年3月31日発行 第677号より)

 

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被災した根浜海岸の松林や植生の再生を願い、イベントに参加した地元住民ら

海岸林の再生願い根浜でイベント〜地元住民ら定植で苗作り、ハマヒルガオ、ハマエンドウの種をまく

被災した根浜海岸の松林や植生の再生を願い、イベントに参加した地元住民ら

被災した根浜海岸の松林や植生の再生を願い、イベントに参加した地元住民ら

 

 釜石市鵜住居町の根浜海岸に広がっていた海岸林の再生を目指した植栽イベントが21日、同海岸の旅館・宝来館で開かれ、40人が育苗ポッド400個にハマヒルガオとハマエンドウの種をまいた。苗は参加者らが育て、秋に海岸の砂地に移植する。

 

 地元住民などで組織する根浜海岸林再生実行委員会(前川昭七会長)が主催。震災犠牲者に黙とうしたあと、前川会長は「根浜にマツが植えられて87年ほど。苗を育て植林しようとしているが、立派になるには80年かかる。長い時間をかけてもマツや植物を育てていこう」と呼び掛けた。

 

 防潮堤がなかった時代の片岸町まで延長2キロにわたった広い砂浜、大勢の海水浴客など「根浜の今昔」が映像で紹介され、宝来館女将の岩崎昭子さん(61)、前川会長ら4人がコメントを添えた。

 

 ドローンで撮影した現在の根浜の姿も動画で紹介された。根浜ハマボウフウ研究会の佐々木虎男会長(79)は、防潮林として人工的に造られた松林の歴史を語った。

 

 松原と海浜植物の復活に取り組む陸前高田市のNPO高田松原を守る会の4人も参加。千田勝治副理事長(69)は「住田町に残された高田松原のマツボックリから採取した種子から育てた苗木を3年計画で移植し、2年目の今年も3800本を植える予定。砂が少なくなり、養浜、海浜植物の復活には課題が残る」と報告した。

 

 海浜植物の復活を支援している県立大総合政策学部の島田直明准教授(植生学、環境生態学)は、根浜海岸の植生再生ついて「根浜の堤防を震災前と同じ高さの5・6メートルで復旧し、自分たちの住居は高台(標高20メートル)に移した住民には、根浜の景観を将来に残そうという強い思い入れがある」などと語った。

 

 種まき作業に取り組んだ参加者はそれぞれ2種、数個のポッドを持ち帰った。高台に造成された新しい住宅地から参加した3人の女性はそれぞれ6個以上を受け持った。佐々木虎男会長の妻絹子さん(73)は、「どちらも震災以前から海岸で見慣れていたが、苗を作るのは初めて。心配はある。大切な預かりものだから気を付けて育てたい」と大事そうにポッドを抱えた。

 

 「日本の白砂青松100選」にも選ばれた根浜海岸には、震災からマツ233本や、ケヤキ、ニセアカシアなど250本が免れた。その復興へ、住民や県は「根浜由来」のマツを育てている。島田准教授によると、根浜周辺の海浜植物は13種が確認されている。

 

(復興釜石新聞 2018年3月28日発行 第676号より)

 

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園児の元気な呼び掛けと歌で愛着ある幼稚園に別れを告げた式典(

平田幼稚園が閉園、65年の歴史に別れ〜4月から民間運営のこども園に、地元住民支援継続

4月から「平田こども園」となる平田幼稚園の園舎

4月から「平田こども園」となる平田幼稚園の園舎

 

 釜石市平田の市立平田幼稚園(藤原安園長)は31日で閉園する。24日、同園で閉園記念式典が開かれ、園児や保護者、地域住民らが65年の歴史を刻んだ幼稚園に別れを告げた。新年度4月からは、民間事業者が運営する「平田こども園」に生まれ変わる。

 

 式典には約80人が出席。野田武則市長が「保護者の就労環境の変化に対応可能なこども園として、新たなスタートを切ることになった。子どもたちに培われた郷土愛が、輝かしい未来の礎となるものと信じる」と式辞を述べた。

 

 藤原園長は「平田幼稚園の思い出がいつまでも残りますように。子どもたちの旅立ちにエールを送りたい。平田の皆さんの明るさ、たくましさ、やさしさが次世代へ引き継がれることを願う」とあいさつした。

 

 同園に特に貢献したとして、佐々木静男さん(畑、樹木整備など)、平田地域会議(交通指導、雪かきなど)、平田青虎会(虎舞指導)に市教委から感謝状が贈られた。園児らが「へいたっこ虎舞」を演舞。「大きくなってもずっと忘れません。たくさんの思い出をありがとうございました。さようなら」と声を合わせ、歌で気持ちを表した。

 

 同園は1953年10月、旧平田小校舎を利用し、運営協議会による私立幼稚園として開設。78年4月に〝市立〟となり、81年に新園舎が整備された。恵まれた自然環境の中、地域に開かれた幼児教育を実践。東日本大震災では津波は免れたが、ライフラインの寸断で1カ月間の休園を余儀なくされた。復興に向けた土地区画整理事業に伴い、2015年10月、平田小近くに現園舎が移転新築された。市立幼稚園の40年間で輩出した卒園児は1183人。

 

 式典には歴代教職員の姿も。公立移管時に主任として勤務した千葉県船橋市の佐々木寿美子さん(82)は「新園舎の建設を進めながらの保育で苦労したが、人懐っこい子どもたちに支えられた」と当時を懐かしみ、「地域との関わりが強かった分、自分の中でも一番の記憶に残る場所。自身も成長させられた」と尽きない思い出を口にした。

 

園児の元気な呼び掛けと歌で愛着ある幼稚園に別れを告げた式典(

園児の元気な呼び掛けと歌で愛着ある幼稚園に別れを告げた式典

 

 平田町内会の前川輝夫会長(同地域会議長)は「高齢化が進む地域で、子どもの明るい声が響く幼稚園は住民に元気をもたらしてきた。こども園になっても応援し、成長を見守っていきたい」と、新園との連携にも意欲を見せた。

 

 平田幼稚園では通常保育と預かり保育を実施。地元平田だけでなく、遠くは甲子町大畑や小川町、唐丹町まで市内各地から園児が通った。最終の17年度は3歳児11人、4、5歳児各16人の計43人が在籍した。

 

 子ども3人が同園に通った山崎幸恵PTA会長は「園の雰囲気と先生たちの温かい指導に何度励まされたか。安心して子どもを預けられた」と感謝。「こども園も地域に根付いた園であってほしい」と願った。次男の俊君(平田小2年)は新旧の園舎を経験。「サッカーをしたり、みんなで仲良く遊んだ。閉園は少し寂しい」と話し、今年度で卒園する弟の健太君と大切な思い出を胸にしまい込んだ。

 

 市は16年に策定した幼児教育振興プランに基づき、市内幼・保施設の再編を推進。平田幼稚園は保育所型認定こども園(定員90人)に移行することになり、公募・審査の結果、「ぴっころきっず平田」を運営するプライムツーワン(本社・札幌市)が運営事業者に決まった。

 

(復興釜石新聞 2018年3月28日発行 第676号より)

 

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広報かまいし2018年4月1日号(No.1685)

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広報かまいし2018年3月15日号(No.1684)

広報かまいし2018年3月15日号(No.1684)

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【目次】
表紙:釜石市民ホールTETTOグランドオープン・フェスタ
P02:忘れない震災×伝える教訓
P04:運転免許証の自主返納を考えてみませんか、福祉タクシー助成券を交付します
P05:平成30年度住宅用新エネルギー導入支援事業費補助金、被災地通学支援事業が始まります、災害援護資金貸付制度の申込期限が延長されました
P06:今月のインフォメーション
P08:外国人観光客へのおもてなし力を付けてみませんか、釜石地区被災者相談支援センターをご利用ください

この記事に関するお問い合わせ
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元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1217504_2596.html
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