親子の交流、馬がアシスト〜こどもの相談室、初の野外イベント


2017/06/22
復興釜石新聞アーカイブ #地域

三陸駒舎の黍原豊さん(右)に教わりながら馬との触れ合いを楽しむ親子ら

三陸駒舎の黍原豊さん(右)に教わりながら馬との触れ合いを楽しむ親子ら

 

 釜石市大町の青葉通りこどもの相談室(青葉ビル1階)は10日、馬との出会い・コミュニケーションをテーマとした親子交流会を橋野町の一般社団法人三陸駒舎(寄田勝彦代表理事)で開いた。市内の小学生以下の子どもと保護者22人が参加し、馬との触れ合いを通して心豊かな時間を共有した。

 

 同相談室は震災後の心のケアを目的に、市が昨年11月に開設。事業を委託されたNPO法人日本リザルツ(東京都千代田区)が相談業務のほか、研修、交流会などを行い、子どもの健やかな成長を後押ししている。この日は本年度の親子交流会第1弾。ホースセラピーの体験プログラムを提供する三陸駒舎の協力で、心身を癒やし、思いやりの気持ちを育む時間が設けられた。

 

 改修した築90年の古民家に家族3人で住み、道産子馬2頭の世話をする同駒舎理事の黍原豊さん(40)が、馬の体の特徴や生態をレクチャー。馬と仲良くなってもらおうと餌やり、ブラッシング、引き馬・乗馬の仕方を教えた。「馬毛のブラッシングは人の血圧を安定させる効果も。馬とのコミュニケーションは人との付き合いにもつながる」と黍原さん。子どもたちは代わる代わる雌馬アサツキ(7歳)と親しみ、乗馬では満面の笑顔を輝かせた。

 

 両親、妹と参加した甲子町の水野朱莉(あかり)ちゃん(6)は「お馬さんは温かかった。また乗ってみたい」と大喜び。母智美さん(37)は「馬と身近で触れ合えるのは貴重。お馬さんにちゃんと『ありがとう』って言えたかな。子どもたちにはいろいろな経験をしていってほしい」と愛娘を見守った。

 

 同相談室の相談員を務める鈴木裕子さん(日本リザルツ)は今回の交流会について、「初めての野外イベント。親子が馬を介し、普段しない会話ができたり、注意や禁止が多くなりがちな子育ての中で上手に褒める、成長を見てあげられるきっかけになれば」と期待した。会では古民家で昼食後、クラフトワークとして写真立て作りも行われた。

 

 親子交流会は本年度中にあと2回実施予定で、秋のそば打ちなどを検討している。

 

(復興釜石新聞 2017年6月17日発行 第597号より)

 

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