ラグビーW杯、絵でエール〜石丸さん(新日鉄釜石OB)岩銀釜石に展示
ラグビーW杯を盛り上げようと、「ラグビー応援画」を描いた石丸昌宏さん。絵画展は今月末まで開かれている
新日鉄釜石ラグビー部OBで、趣味で風景画を描き続けてきた石丸昌宏さん(61)が、2年後に釜石市で行われるラグビーワールドカップ(W杯)を応援する絵画展を鈴子町の岩手銀行釜石支店(千葉健司支店長)ロビーで開いている。
いずれもアクリル画で、F2~F10号までの15点。JR釜石線沿線などを描いた風景画を中心に、3点を「ラグビー応援画」とした。
V7時代の名キッカー金野年明選手がゴールを狙ってキックする場面を、洞口孝治選手など故人となったOB6人が天から見守る形をイメージ。鵜住居の復興スタジアムで日本代表やオールブラックス(ニュージーランド代表)が戦う姿も想像。「鉄のスクラム」と呼ばれた釜石V7時代のFWの雄姿も重ねた。
30年余りもキャンバスに向かい続けてきたが、人物を描くのは今回が初めて。「W杯で世界中から多くのラグビーファンや名選手が釜石にやって来る。2年後に向け、何とか盛り上げたい」との思いを込め、絵筆を動かした。「タックルのシーンを抽象的にアレンジした、もっと大きな作品を」と早くも次回の作品展に向け構想を練る。
新日鉄釜石ラグビー部OBとは言え、籍を置いたのは入部した1974年の1年間だけ。「同期入社の森重隆さん(後に同部監督を務め、日本代表としても活躍)と寮が同じで誘われ、イヤイヤ入部。高校(大船渡工)からラグビーを始め、足は速かったが、ともかく下手だった」と苦笑いしながら当時を振り返る。
「現役時代は全然だめだったので、こういう形で貢献できれば」。とは言いながら、1年で退部した後は地元釜石クラブのバックスとして活躍し、県大会で見事9連覇。60歳を過ぎた今も不惑クラブでプレーを続け、「去年もトライを挙げた」と自慢する。
ラグビー仲間が自宅を新築する際には、祝いに自作の絵を贈るなど、楕円(だえん)のボールで培った絆は深い。
大船渡市三陸町の実家が東日本大震災の津波で流され、4年前に遠野市上郷町に両親と隣同士で自宅を新築した。
(復興釜石新聞 2017年7月8日発行 第603号より)
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