yunagikai01

郷土芸能の担い手確保へ 高校生が魅力伝える新団体「結凪會(ゆうなぎかい)」結成  虎舞体験軸に発信

有志団体「結凪會~人と人を繋ぐ郷土芸能~」を設立した沿岸部の高校生ら

有志団体「結凪會~人と人を繋ぐ郷土芸能~」を設立した沿岸部の高校生ら

 
 虎舞、神楽、鹿踊り…など郷土芸能の宝庫である三陸沿岸地域。郷土に根付く貴重な伝統文化を次世代につなぐには担い手の育成が必須だが、人口減、少子高齢化の影響もあり、各団体は人員確保に苦慮している。そうした課題解決に地元高校生が立ち上がった。釜石高を中心に沿岸4校の生徒有志29人で結成したのが「結凪會(ゆうなぎかい)~人と人を繋(つな)ぐ郷土芸能~」。共同代表を務める釜石高3年の玉木里空さん、三浦海斗さんら5人が昨年度取り組んだ“郷土芸能ゼミ”の活動を深化させ、後輩たちにつないでいこうと新団体発足に至った。今月15、19の両日には会結成後初となる虎舞披露&体験の交流活動を展開。郷土芸能の魅力発信へ弾みをつけた。
 
yunagikai01

米国から訪れた高校生9人に虎舞を披露する結凪會のメンバー=15日、釜石PIT

 
 15日は、日本の文化や音楽に興味がある米国の高校生9人を迎えての交流会。東日本大震災後、日本各地を回り太鼓をツールとした文化や平和の学び活動を行う国際交流プログラム「Taiko for Peace(たいこフォーピース)」の参加者だ。結凪會の14人は英語で自己紹介し、三陸を代表する郷土芸能「虎舞」を紹介。矢車、跳ね虎、笹ばみの3演目を威勢のいいお囃子(はやし)で舞って見せた。演舞の後には会のメンバーが教えながら、米国の高校生が踊りやお囃子を体験。同世代で交流の輪を広げた。
 
yunagikai01

初めて見る虎舞に笑顔を広げる米国の高校生(15~18歳)

 
yunagikai01

踊りの解説はメンバーが英語で行った(左上)。黄、白の2頭の虎で「笹ばみ」を披露

 
 マックス・サントスさん(15)は「伝統的な太鼓と虎の動きがシンクロナイズしていて、とても力強い」と感激。虎頭を動かす体験では「実際に自分でやってみるとうまくいかないところも。スクワットもして、後ろの人と動きを合わせる一連の動作は彼らが練習を重ねてきた成果の表れ」と感じ入った様子。アリーナ・オルティーズ・レイモンドさん(16)は「太鼓の演奏と踊りのハーモニーがすごくいい。高校生たちが地元の文化を自分たちの力で次の世代に受け継ごうとしているのはとても大事なこと」と称賛した。
 
yunagikai01

演舞の後は太鼓や踊りの体験。会のメンバーが教えた。会話を弾ませる高校生も

 
 釜石高の2年生が取り組む探究活動で昨年度、地域課題に目を向けたグループの一つが郷土芸能ゼミ。玉木さんらメンバー5人は各地の芸能団体で活動する中で、「年々、郷土芸能に参加する若者が少なくなっている」と実感。小中高生へのアンケートを実施し、担い手を増やすための方策を考えてきた。参加への敷居の高さの払拭、効果的な魅力発信などの必要性を感じたメンバーは、趣旨に賛同する仲間を募って、虎舞の演舞披露と体験を組み合わせた交流活動を展開。市郷土芸能祭では、出演団体のポスターを作成して会場に掲示し、興味のある人と団体をつなぐ橋渡し的役割を担った。釜石を会場に開かれた三陸国際芸術祭では、若手芸能者の公開ディスカッションに参加して継承へのヒントを得たほか、自分たちの活動も発信した。
 
yunagikai01

昨年10月の三陸国際芸術祭で郷土芸能ゼミの活動を紹介する玉木さん、三浦さんら。左下白枠は今年2月の市郷土芸能祭で掲示した出演団体を紹介するポスター

 
 1年間のゼミ活動で担い手不足問題の深刻さを再認識し、活動継続の必要性を感じた5人。3年生になった本年4月、さらに活動を広げ、後輩たちに引き継いでいってもらおうと団体の設立を決意した。祭りや郷土芸能が盛んな大槌、山田両町の高校生にも声がけ。4校(釜石、釜石商工、大槌、宮古)から計29人が集まった。会の名称は人と団体を結ぶ“結”、水平線から顔を出す太陽が広く海面“凪”を照らす光景に自分たちの活動姿勢を重ね、「結凪會」とした。
 
 基本とするのは上下関係や参集の強制をなくした風通しのよい組織。既存団体への所属の有無、学校も関係なく、やってみたい人なら誰でも歓迎する。「メンバーには全くの未経験者もいるし、団体所属者も虎舞、神楽、鹿踊り、手踊りとさまざま。他校の人たちと触れ合うことで新たな面白さも生まれている」と玉木さん。担い手を増やすには、団体の垣根を越え、互いを尊重し協力し合える関係の構築も必要とし、自分たちでその一歩を踏み出したい考え。「目標はメンバー100人超え!」と活動の広がりを願う。
 
yunagikai01

釜石応援ツアーの参加者に虎舞を披露するため、お囃子や踊りの最終確認=19日、宝来館

 
yunagikai01

いいパフォーマンスを見せるため、本番直前までしっかりと練習

 
 山田町の伝承団体「山田八幡大神楽」で活動する宮古高定時制3年の佐々木晃耀さんは、同団体に所属する釜石高生に誘われて会に加入した。地元の各郷土芸能団体も担い手不足は共通の課題で、「全く郷土芸能に関わったことがない人、身近になかった人たちにこそ、体験を通して『楽しい』とか『かっこいい』と感じてもらえたら」と、体験活動を積極的にサポート。「参加をためらう要因の一つである昔からの敷居の高さを少しでもなくしていきたい」と意気込む。
 
 19日は、一般社団法人Blue Compass(ブルーコンパス)がラグビーワールドカップ2019釜石開催を機に継続する釜石応援ツアーの参加者に、虎舞演舞と体験の場を提供した。約50人の参加者は国内外から集まっていて、この日も英語での説明を交えて会の活動や虎舞の紹介を行った。
 
yunagikai01

子どもたちは迫力の舞におっかなびっくり。外国人客は笑顔で楽しむ=宝来館ロビー

 
yunagikai01

虎の生態を表現したさまざまな動きに目がくぎ付け。足さばきにも注目

 
 会のメンバーは1年生が全体の半数以上を占める。幼い頃から地元団体で虎舞に親しむ釜石高1年の及川椿姫さんはこの日、女子メンバー4人でお囃子の笛を担当した。高校入学のタイミングで会が発足。学校での郷土芸能活動にも意義を感じ、加入を決めた。沿岸地域には虎舞団体が複数あり、お囃子や踊りもそれぞれ異なるが、会の演舞では、それらを調和させてリズムを刻む。「お囃子の似ている団体もあり、いろいろな発見がある」と及川さん。演舞の披露で興味を持ってくれる人が多いことにも喜びを感じ、「今後は小学生とか小さい子たちにも体験の場を設けられれば」と願った。
 
yunagikai01

腰を低くして虎頭を操る虎舞独特の姿勢を教える会のメンバー

 
yunagikai01

お囃子の太鼓に挑戦する女の子。コツをつかむと上手にリズムを刻んだ

 
 副代表の山陰宗真さん(釜石高2年)は現3年生の活動を見てきた一人。若者を中心とした発信活動のきっかけを作ってくれた先輩たちに感謝し、自分たちもさらに活動を発展させていきたいと意を強くする。「若い世代の強みであるSNS発信を充実させ、もっと人を呼び込めるような活動ができれば。地元での体験会を増やすことはもちろん、県内外への遠征でその魅力を発信できたら」と今後を見据える。結凪會の活動は公式インスタグラムで発信していく予定。
 
yunagikai01

結凪會の今後の活動に期待! 高校生パワーで郷土芸能の魅力を発信していく

100yen12ththum

「第12回かまいし百円市」の出店者を募集します

100yen12th

釜石まちづくり(株)では、2026年9月5日(土)「第12回かまいし百円市」 (以下、百円市) を開催します。販売商品をすべて100円とするフリーマーケットやバザーのような“100円均一フリマ”といったイメージです。
 

【例えばこのような商品の出品を想定しています!】
リユース可能な子供用品、持て余してしまったお歳暮や引き出物の中身、まだまだ使えるおもちゃ、ダブったガチャガチャ、ちょっとしたコレクションアイテム、端数が残ってしまったパック商品、かつての趣味の名残、ハンドメイド商品、お菓子などの食品・・・などなど、価格を100円として頂ければ、一部の取扱い禁止商品以外は何でもOKです。

 
均一価格のため販売益は限定されるかもしれませんが、以下のような点に意義を見出してくださるご出店者様を募集いたします。
・リユースの促進による社会活動的意義
・みんなで出店する楽しさ
・街の賑わいの場づくり
・ハンドメイド作品などの販売機会 など

 
各種サークル活動などのグループをはじめ、社会福祉法人やNPO等の社会活動団体、町内会やクラブ・少年団活動等の地域活動の一環として、学校や幼稚園・PTAや保護者会の催しとしてなど、皆様のご出店をお待ちしております(個人での出店も可能です)。

開催概要

日時:2026年9月5日(日) 10:00~14:00
場所:釜石市民ホールTETTO・ホール前広場
主催:釜石まちづくり(株)
キャッチコピー:「100円握ってお宝探し!」

出店の基本情報

◎すべての商品を以下の価格で販売すること
・100円(税込)
◎下記の品数をご用意頂けること(多い分には大歓迎!)
 ・50個以上
◎「出店について」の要件を遵守頂けること
 ・参加可能枠を超えるご応募があった際は抽選とさせて頂きます
 ・チャリティ活動(売上は○○へ寄付、○○を支援、教育や社会福祉活動資金に充当) が伴う場合は、条件により別枠での出店が可能ですのでご相談下さい

出店について

◆物品の販売以外のサービスを商品として提供することはできません
(マッサージ、ヘアカット、診断、占いなど ※縁日等に類するものや主催者が要請したものは除く)
◆出店料は以下となります
・500円(税込)
◆出店スペースの広さは、幅2~2.5m×奥行1.5~2mを目安に調整させて頂きます
 また、販売台、シート、釣銭等は各自でご準備下さい(主催者による両替には限りがあります)
◆会場は屋外となりますので、各自で出店時の気候対策等をお願いします
◆駐車場は釜石大町駐車場をご利用ください
◆ペット等を同伴しての出店は禁止です(介助犬等を除く)
◆火器の使用や発電機の持込みは禁止です

取扱い禁止商品

《以下の商品の取扱い及び取引は禁止といたします》
生鮮食品など衛生管理上好ましくない物、その場で調理提供する飲食品(キッチンカーを除く)、ペット等の生き物、偽造品や盗品など法律に抵触する商品、受発注や目録を介しての後日取引を前提とした商品、取扱い資格の必要な危険物や薬品(有資格者でも不可)、公序良俗に反する物、大量の火薬類、再販売やオークション等への出品を前提とした取引

 
※大量の酒類を取り扱う場合は事前にご相談ください
※この他、主催者が不適切と判断した商品については取扱いを中止頂く場合があります

出店の申し込み方法

出店に関しての各種事項(開催概要、基本条件、出店について、取扱い禁止商品)を必ずご確認・ご理解のうえ、下記の出店申込書を記入して釜石まちづくり(株)までお申込み下さい。
 
●釜石まちづくり(株)の社員によるご紹介やご案内をご希望の場合は、直接担当社員(菅原)まで
●それ以外の場合は、下記のいずれかの方法でご送付ください
・釜石まちづくり(株) FAX:<0193-27-8331>
・担当者メールアドレス:s-sugawara@kamaishi.co.jp

※FAXやメールでのお申込みが難しい場合は「釜石情報交流センター(釜石市大町1丁目1-10)」の受付にお越しいただき、出店申込希望の旨をお伝えください。

 
申し込み締切:2026年8月16日(日)
 
問合せ等については、釜石まちづくり(株) TEL<0193-22-3607>までお願いします。

出店概要&申込書

PDF版(1.1MB)
「第12回 かまいし百円市」の出店概要&申込書
 
Word版(272KB)
「第12回 かまいし百円市」の出店概要&申込書

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

sakuramasu01

手軽においしく!釜石はまゆりサクラマス 料理教室で普及へ、地元食材の良さ再認識

釜石はまゆりサクラマスを使った巻きずしを作る参加者

釜石はまゆりサクラマスを使った巻きずしを作る参加者

 
 釜石市が力を入れている養殖サーモンのブランド魚種「釜石はまゆりサクラマス」を使った料理を学ぶ体験教室が14日、同市鵜住居町の根浜シーサイドレストハウスで開かれた。市の委託で、地元の観光地域づくり法人かまいしDMCが主催。市民8人が参加し、地元の食材の良さを確かめながら旬の味わいを楽しんだ。
 
 釜石湾で養殖されているサクラマスは6~7月が水揚げシーズン。市内飲食店が限定メニューを提供するフェアを行っているが、どちらかと言えば観光やビジネスなど市外来訪者が食す機会が多くなっている。そんな旬の食材を市民にこそ知ってもらい、「家庭の食卓で手軽に味わってもらおう」と企画。講師として、家庭料理の魅力を広める「母めし研究所」代表の大久保久江さん(71)と、巻きずしの普及に取り組む民間団体の「巻寿司特任大使」を務めるやはためいこさん(50)を東京から招いた。
 
「母めし研究所」代表の大久保久江さん(右)の話に参加者は興味津々

「母めし研究所」代表の大久保久江さん(右)の話に参加者は興味津々

 
 この日のメニューは塩こうじ焼き、みそと混ぜ合わせた「なめろう」、蒸したサクラマスを混ぜ込んだ酢飯を使ったのり巻きなど。大久保さんは「日々の料理は『手間なし』が楽しく続く秘訣(ひけつ)」と話し、せいろを使った調理法を紹介した。「食材をポンポン入れて蒸しただけ。そのまま出せて、おしゃれじゃないですか、せいろって。華やかで、おもてなし料理にもなる」と手軽さをアピール。市販の調味料に「漬けて焼くだけ」、薬味と「混ぜるだけ」といった「頑張りすぎない」けど、おいしく調理できるアイデアも実演した。
 
料理の楽しさを伝える大久保さんが提案するサクラマス料理

料理の楽しさを伝える大久保さんが提案するサクラマス料理

 
 やはたさんは「のり巻きは巻くのではなく『合わせる』のがポイント。ごはんで具材を巻き込んだら、最後はご飯とご飯をくっ付ける感じで」などと作り方を教えた。今回、サクラマスと合わせる具材として選んだのは蒸したキャベツとニンジン、すき昆布。「具材は何でも入れちゃえばいい。恐れずにいろいろ入れて巻いてみて」と助言した。サクラマスのなめろうを使い、すしの断面が花柄になるような巻き方も紹介。切り方のコツも伝え、「巻きずしは断面が醍醐味(だいごみ)」と魅力を語った。
 
のり巻きの作り方を丁寧に教える「巻寿司特任大使」のやはためいこさん

のり巻きの作り方を丁寧に教える「巻寿司特任大使」のやはためいこさん

 
 参加者は、のり巻き作りに挑戦。普段から料理を作る人たちがほとんどで、「なるほど」と感覚をつかんで手際よく調理した。同市甲子町のパート福士明美さん(64)は食べることが大好きで、魚食に関心があり参加。最近店頭で生のサクラマスを見かけ、料理したいと思っていたタイミングだったこともあり、「どれも簡単にできそう。家族に振る舞うのが楽しみ。機会があったら、また参加したい」と笑顔で話した。
 
サクラマスの飾り巻きを作る参加者。目指す図案は花柄

サクラマスの飾り巻きを作る参加者。目指す図案は花柄

 
のり巻きが完成し笑顔を見せる参加者。きれいな断面に「おいしそう」

のり巻きが完成し笑顔を見せる参加者。きれいな断面に「おいしそう」

 
のり巻きの出来栄えに満足げな参加者。うれしさは周りに伝わる

のり巻きの出来栄えに満足げな参加者。うれしさは周りに伝わる

 
 市水産農林課地域プロジェクトマネジャーの齋藤孝信さん(64)は、はまゆりサクラマスの特徴や味力を説明。市内スーパーの店頭にも並んでいるはずだが、「見かけない」「買えない」といった声も聞かれているとし、「市民にどう届けるかが課題」と認識する。
 
 市は認知度を高めるため、さまざまな施策を主導している。2022年度からは市内の全小中学校の給食で食材として使用。23年からは市内飲食店での「釜石はまゆりサクラマスフェア」を行っている。飲食店以外での普及活動として今年6月に開催された、みちのく潮風トレイルを舞台に市内を巡るグルメウォークでも振る舞った。
 
サクラマスを刺し身にして教室の参加者に振る舞った齋藤孝信さん

サクラマスを刺し身にして教室の参加者に振る舞った齋藤孝信さん

 
 このほか、24年度から同市平田にある岩手大学釜石キャンパスの学生が地元の漁協女性部の力を借りてフライや照り焼きなどのメニューを開発し、盛岡市上田のキャンパスにある学生食堂で期間を限定し提供。県庁の食堂、さらに今年度は岩手県立大学でも提供される予定だ。
 
 通年で養殖サクラマスを楽しんでもらおうと、今年度から「釜石はまゆりサクラマス認定店舗」という取り組みがスタート。市内の鮮魚店や飲食店、スーパーなど、現在約20店舗が参加する。
 
教室参加者をサポートした母めし研究所のメンバーらと料理談義!?

教室参加者をサポートした母めし研究所のメンバーらと料理談義!?

 
 普及という面では「やはり家庭」と考える齋藤さん。「はまゆりサクラマスを市民の魚として身近な食卓で食べてもらえるようにしたい。きょうのように家庭、仲間で料理してもらえたら」と期待しながら、さらに知恵を絞る。

umibiraki01

夏だ!海だ! 1年ぶりの水の感触に歓声 根浜海岸海開き 初日は各種アクティビティも

18日に海開きした根浜海岸海水浴場。事故防止を呼びかける啓発活動も行われた

18日に海開きした根浜海岸海水浴場。事故防止を呼びかける啓発活動も行われた

 
 釜石市の海水浴場、根浜海岸は18日に海開きした。午前中は小雨がぱらつく曇り空だったが、午後からは晴れ間ものぞき、夏を待ちわびた家族連れらが次々に来場。海で泳いだり、海遊びイベントとして用意された体験無料の各種アクティビティを楽しんだりした。海水浴場は8月23日まで開設。遊泳時間は午前10時から午後4時まで。
 
 今季の海水浴場開設にあたり、午前9時から一般社団法人釜石観光物産協会主催の安全祈願式が行われた。関係者約40人が出席。鵜住神社の花輪宗嗣宮司が祝詞をささげ、出席者の代表が玉串を供えてシーズン中の無事故を祈った。協会の新里進会長は同海岸について、「近年では三陸ジオパークとしての魅力が加わり、みちのく潮風トレイルのゲートウェイの役割も担っている。シーカヤックやサップなどの各種体験も可能。ぜひ、多くの皆さんに来ていただきたい」と話した。
 
海水浴シーズン中の無事故を祈る安全祈願式

海水浴シーズン中の無事故を祈る安全祈願式

 
遊泳開始時刻を前に監視体制などを確認する地元ライフセーバーら

遊泳開始時刻を前に監視体制などを確認する地元ライフセーバーら

 
午前10時すぎ、さっそく海に入り遊ぶ子どもら

午前10時すぎ、さっそく海に入り遊ぶ子どもら

 
 午前10時の時点で気温30.4度、水温21度。海に入った子どもたちは「水、ちょっと冷たーい」と言いながらも、浮き輪などで波に揺られる心地良さを楽しんだ。市内の小学生木村渚彩さん(8)は大きなイルカの浮き輪に乗ってぷかぷか。「海は広いところで泳げるのがいい。気持ちいいし、嫌なことも全部海が吹き飛ばしてくれる感じ。根浜にはあと3回ぐらい来たい」とにっこり。母裕美さん(47)は「根浜海岸は小さい子から大人まで幅広く楽しめる。海のあるまちで育っているので海のリスクも知りながら、遊びも楽しんでくれれば」と子どもたちを見守った。
 
 海に関わる団体でつくる実行委は海開きのイベントとして、各種無料体験を用意。シーカヤック、サップ、シュノーケリングのほか、海の安全を守る水上オートバイやレスキューボートの乗船体験もあり、多くの人が根浜の魅力を体感した。緑地帯では岩手大の海の生き物タッチプール、文京学院大のシャボン玉ワークショップなどもあり、学生らが海開きを盛り上げた。
 
海開きを記念し、サップやシーカヤックなどの体験メニューは無料で提供

海開きを記念し、サップやシーカヤックなどの体験メニューは無料で提供

 
水の出るエアー遊具は大人気。震災復興支援を機に釜石とつながる文京学院大生はシャボン玉で楽しませた

水の出るエアー遊具は大人気。震災復興支援を機に釜石とつながる文京学院大生はシャボン玉で楽しませた

 
 海水浴場開設期間中は一般社団法人根浜MIND、釜石ライフセービングクラブが監視業務で協力する。同クラブの佐々木良衡副代表(45)によると、昨年の期間中は救助に至るような事案はなく、海水浴客のマナーも良かったという。ただ、海のレジャーは危険と隣り合わせ。「海中は急に深くなる場所もあるので、水の深さを確認しながら入っていってほしい。コンクリート部分や岩場には貝殻が張り付いているため、厚いマリンシューズを履くなどしてけがの防止を」と呼びかける。また、近年は夏の気温が非常に高いため、熱中症への警戒も必要。「こまめに水分を取り、塩分補給も忘れずに。適度に水の中に入って体を冷やすことも大事」と佐々木副代表。この日は安全祈願式の後に、同クラブによる救助のデモンストレーションや釜石海上保安部による海水浴の安全啓発活動も行われた。
 
救助のデモンストレーションを行った釜石ライフセービングクラブ。遊泳中に危険を感じたら早めに助けを求めるよう呼びかける

救助のデモンストレーションを行った釜石ライフセービングクラブ。遊泳中に危険を感じたら早めに助けを求めるよう呼びかける

 
釜石海上保安部職員はチラシやキャラクター入りカードを配り、海のレジャーの安全対策を呼びかけた

釜石海上保安部職員はチラシやキャラクター入りカードを配り、海のレジャーの安全対策を呼びかけた

 
 根浜海岸の昨年度の入り込み客数は約6700人。今年は8月2日に10回目を迎える長距離泳の大会「釜石オープンウオータースイミング2026根浜」、8月8日には昨年に続き2回目となる障害者対象の「ユニバーサルビーチ」が開催される予定。

bousaimap01

歩いて確認!地域の危険箇所 命を守る手作り防災マップで共有 釜石小で発表会

釜石小で開かれた「ぼうさい安全マップ」発表会

釜石小で開かれた「ぼうさい安全マップ」発表会

 
 釜石市大渡町の釜石小(五安城正敏校長、児童62人)で10日、地震や大雨、台風などの災害ごとの危険場所をまとめた「ぼく・わたしのぼうさい安全マップ」の発表会が開かれた。通学路、遊び場など自分たちが住む地域で見つけた気になるポイントを児童同士で共有。自分の命を守る意識を高め合った。
 
 全校児童が参加。発表は6年生(11人)が中心となり、中高学年も加わった。学区内の5地区(浜町、天神・只越、大只越、大町、大渡)の子ども会ごとに発表。マップには「土砂崩れの可能性」「クマが出る」「排水が大雨であふれるかも」などと危険内容を記した付箋が貼られ、発表者は写真も示しながら津波の指定緊急避難場所と併せて説明した。
 
マップに示した危険箇所について発表する児童

マップに示した危険箇所について発表する児童

 
危険な点を書いた付箋や写真が貼られた手作りマップ

危険な点を書いた付箋や写真が貼られた手作りマップ

 
注意が必要な場所をスライドで示しながら説明した

注意が必要な場所をスライドで示しながら説明した

 
 東日本大震災について、家族らから聞いたことも紹介した。釜石を襲った津波の高さは9.3メートル。襲来時に家屋などを巻き込みバキバキという音が響き渡り、ものすごい勢いだった。2波、3波と繰り返し押し寄せると伝え聞いた天神・只越地区の児童は「絶対に戻らないということを大切にしなければいけません」と強調。大只越地区の児童も「地震が来たら逃げ道を作ることも大事。大津波がくる前に逃げ、絶対に引き返さないこと」と重ねて訴えた。
 
児童は家族らから聞いた東日本大震災のことも伝えた

児童は家族らから聞いた東日本大震災のことも伝えた

 
東日本大震災の津波浸水区域を知ってもらう工夫も

東日本大震災の津波浸水区域を知ってもらう工夫も

 
 マップには、震災の津波浸水区域がひと目で分かるような工夫も。山と川に挟まれた大渡地区は震災時、津波が川をさかのぼり、あふれる水が逆流して大きな被害を受けた。説明した児童は災害発生時、さまざまな危険が重なることに触れながら、「大渡地区にいたら釜石小に避難して命を守ってください」と呼びかけた。
 
 浸水区域の表示は今回初めての試み。マップをまとめた5、6年生が「次に大きな災害、津波がきた時、『ここまでだったから大丈夫』ではなく、より高く、もっと上、もっと上の方へ逃げてほしい」と願いを込めたのだという。
 
東日本大震災の津波浸水区域を示して注意を促す

東日本大震災の津波浸水区域を示して注意を促す

 
 発表を聞いた1年生は「津波が怖い」と感想を話した。そのほかの学年の児童は「川が近く心配なので、早く避難したい」「5地区の避難場所や危険な箇所が分かった。遊びに行ったり、一人の時には気をつけて行動したい」などと受け止めた。菊池浩央さん(3年)は「自分の家が震災の時に流されたところに入っていた。より早く避難場所に着けるようにしたい」と学びを深めた。
 
発表を聞いて学んだことや感想を話す児童

発表を聞いて学んだことや感想を話す児童

 
 釜小ぼうさい安全少年団長の山﨑良菜さん(6年)は「きょうの発表を通して、自分の命は自分で守るということを意識し、本当の災害が起きた時に生かしてほしい。登下校の時、危険な場所を確認しながら歩いて、日ごろから気をつけて生活してもらえたら」と願いつつ、自身も行動への心構えを新たにする機会にした。
 
 マップ作りは震災前から続けられている活動。今年も全児童が取り組み、6月上旬から中旬に自宅周辺の危険な場所を地図に記入。その後、持ち寄った情報を5、6年生が大きな地図にまとめた。避難場所や危険箇所、震災の津波の高さを示す看板などの写真も撮ったり、「みんなに分かりやすく伝わるよう」にした。昇降口に掲示する。
 
月に1回取り組む「釜小ぼうさいの日」。防災に関するメッセージを発信する

月に1回取り組む「釜小ぼうさいの日」。防災に関するメッセージを発信する

 
 震災発生日の3月11日にちなみ、同校では毎月11日を「釜小ぼうさいの日」として総合的な学習に取り組む。五安城校長は「命を守るため、きょうの勉強を大事にした上で、いざという時には自分の目で見て、音を聞いて判断できるようになってほしい」と期待。発表を聞いて「危険」「怖さ」を感じる子もいたようだが、「どこにいても危険はある。自分が住むまちのいろんな面を知ることで、いいところ、危ないところが見えてくると思う。だけど、みんなには今いる場所を好きになってほしい」と見守る。

tenmon01

先人に鉄 宇宙とつながる釜石 天文学者2人が講演 唐丹「星座石、測量之碑」日本天文遺産認定記念で

「星座石と陸奥州気仙郡唐丹村測量之碑」日本天文遺産認定記念講演会=11日、TETTO

「星座石と陸奥州気仙郡唐丹村測量之碑」日本天文遺産認定記念講演会=11日、TETTO

 
 釜石市唐丹町に受け継がれる石碑「星座石」と「陸奥州気仙郡唐丹村測量之碑」の日本天文遺産認定を記念した講演会が11日、市民ホールTETTOで開かれた。同遺産認定に係る現地調査を担当したNPO法人イーハトーブ宇宙実践センター理事の亀谷收さん(同遺産選考委員)、釜石南高(現釜石高)出身で広島大宇宙科学センター長の川端弘治さんが講演。釜石と宇宙をつなぐロマンあふれる話に約150人が聞き入った。
 
 「星座石」と「陸奥州気仙郡唐丹村測量之碑」は江戸時代に全国を歩いて測量し、初の実測日本地図作成に至った伊能忠敬(1745-1818)が唐丹村(当時)で天体測量したことを示す遺産。両石碑は天文学を学んでいた地元唐丹の知識人、葛西昌丕(1765-1836)が建立した。伊能の業績を存命中に顕彰し、現存するものとしては全国唯一とされる。本年3月、公益社団法人日本天文学会が選ぶ「日本天文遺産」に認定された。認定は歴史的に貴重な天文学、暦学関連遺産の価値を広め、保全、活用を図るのが目的。
 
 亀谷さんは認定の理由として、▽江戸時代末期(1800年代前半)、最先端の西洋天文学の知識が文化的中心地(江戸、仙台)から離れた唐丹にまで伝播していたことを明確に示す資料▽測量之碑の中に「地球の微動あらざらんか」という、西洋の学説を後世の人々に確かめてほしいとの記述がある▽伊能の存命中に作られた石碑が地域住民の保存活動により残っている―ことを挙げた。
 
星座石と測量之碑が日本天文遺産に認定された理由などを話した亀谷收さん

星座石と測量之碑が日本天文遺産に認定された理由などを話した亀谷收さん

 
 星座石に刻まれている緯度「北緯39度12分」は、伊能が1801(享和元)年9月24日に唐丹村で天体測量を行い、求めた値とされる。これは現在の地図と合致するが、葛西は「この緯度が不変なのか、あるいは西洋の学説にあるように地球の微動により変動するのかを後世の人々に解明してほしい」とのメッセージを石碑に残している。
 
 亀谷さんは葛西の地球微動の問いかけに答える形で、緯度変化の要因として考えられる4つの可能性「歳差」「光行差」「章動」「極運動」について、自作の模型を示しながら考察した。自身の見解として示したのは、「1803年以降に存在が分かってきた章動と光行差が(葛西の言う)地球の微動に該当するのではないか」ということ。測量之碑は1814(文化11)年に建立されていて、「葛西が天文学を学んだ仙台でそうした知識を得ていた可能性は十分ある。緯度自体を変化させる極運動が発見されたのは1888年なので、こちらは想定していないと思われる」とした。
 
葛西昌丕が後世に解明を託した「地球の微動」について自身の見解を示す亀谷さん

葛西昌丕が後世に解明を託した「地球の微動」について自身の見解を示す亀谷さん

 
 同遺産認定は全国20例目、本県では3例目となる。亀谷さんは「岩手は星がきれいな“銀河県”。今回の認定で、多くの人にその重要性を知ってもらえれば」と願った。
 
 超新星の研究をしている川端さんは、“近代製鉄発祥の地”釜石と深く関わる鉄を、宇宙に存在する元素からひも解いた。宇宙は138億年前にビッグバンで誕生したとされる。これで生まれたのが水素とヘリウムで、水素は現在、宇宙に存在する全元素の9割を占める。その他の元素は、水素のような軽い原子核どうしがくっついて重い原子核をつくる「核融合」という現象によって生まれた。重い原子核をつくるにはプラスどうしの電気の反発力に打ち勝って原子核を融合させる必要があるため、星の内部のような高温、高圧状態が必要。「炭素、酸素から鉄までの元素は星の中での核融合反応でつくられてきた。鉄は原子核の中で最も安定な元素で、核融合の終着点」と川端さん。炭素や酸素などの重元素ができたからこそ、惑星や生命の誕生につながったことを明かした。
 
「ビッグバンから<鉄>へ:宇宙と釜石のつながり」と題した川端弘治さんの講演

「ビッグバンから<鉄>へ:宇宙と釜石のつながり」と題した川端弘治さんの講演

 
 一方、地球に限って見ると一番多い元素は鉄。地球を形作った物質の3分の1は鉄で、その多くは地球の中心部に存在する。地表付近にある鉄は太古の海が酸化して析出した鉄鉱床。これが隆起した地層があるのが釜石で、「鉄鉱石が採れる所は、ほとんどが海の底だった所。釜石鉱山もそう。宇宙から巡り巡ってきている」と話した。
 
tenmon01

釜石の鉄鉱石の大元は宇宙でできた鉄元素。宇宙の進化とのつながりに驚き

 
 川端さんは講演の中で、国立天文台のプロジェクトが開発した4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka(みたか)」の映像も上映。地球から観測可能な太陽系、天の川銀河、宇宙の大規模構造をリアルタイムに可視化するソフトで、広大な宇宙を紹介した。人間が肉眼で見えている星は1000光年ぐらいまで。10億光年スケールで見た銀河の分布は銀河どうしが連なり、網の目状の姿を見せている。
 
4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」の映像も上映。地球から観測されている星や宇宙の構造を知ることができる

4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」の映像も上映。地球から観測されている星や宇宙の構造を知ることができる

 
興味深い講演に拍手を送る来場者

興味深い講演に拍手を送る来場者

 
 来場者は普段じっくり触れることのない宇宙の世界に興味をそそられながら、講師2人の話に耳を傾けた。講演後は星座石と測量之碑の管理者、本郷文化財愛護少年団育成会の小池直太郎会長がこれまでの保全活動や今回の遺産認定の住民の受け止めを紹介。認定以降、現地への来訪者が増えていることも話し、さらなる知名度アップに期待を寄せた。
 
本郷文化財愛護少年団育成会の活動などについて紹介した小池直太郎会長(写真左上)。市文化財保護審議会の藤原信孝会長は講演への感謝の気持ちを伝えた(同下)

本郷文化財愛護少年団育成会の活動などについて紹介した小池直太郎会長(写真左上)。市文化財保護審議会の藤原信孝会長は講演への感謝の気持ちを伝えた(同下)

 
ホール前のロビーでは関連資料の展示も行われた

ホール前のロビーでは関連資料の展示も行われた

koryu01

「よろしくね!」 来年度統合の栗林小と鵜住居小 学年交流スタート 5年生は宿泊体験学習を合同で

宿泊体験学習を一緒に行い、交流を深める栗林小と鵜住居小の5年生=7月7日、陸中海岸青少年の家

宿泊体験学習を一緒に行い、交流を深める栗林小と鵜住居小の5年生=7月7日、陸中海岸青少年の家

 
 2027年度に統合する釜石市の栗林小(高橋昭英校長、児童25人)と鵜住居小(高橋美友紀校長、児童130人)は、新年度からのスムーズな学校生活につなげようと、同学年児童の交流をスタートさせた。5年生(栗小4人、鵜小21人)は1泊2日の宿泊体験学習を同日程で実施し、自然体験活動やキャンプファイヤーで楽しい時間を共有。児童らは教職員も驚くほど互いに打ち解け、“新生”鵜住居小での学校生活に期待を膨らませた。
 
 両校の5年生は宿泊体験学習に先立ち、6月23日、鵜住居小の校舎で初の顔合わせ。互いに自己紹介した後、同学習で一緒に行うキャンプファイヤーに向け、フォークダンスの「マイムマイム」を練習した。手を取り合って体を動かした後は校内を“探検”。鵜小生が栗小生に教えながら、教室の一部を見て回った。
 
キャンプファイヤーで踊る「マイムマイム」を練習。本番を前にすでに大盛り上がり!=6月23日

キャンプファイヤーで踊る「マイムマイム」を練習。本番を前にすでに大盛り上がり!=6月23日

 
7月の本番を楽しみにフォークダンス練習。たくさんの笑顔が弾ける

7月の本番を楽しみにフォークダンス練習。たくさんの笑顔が弾ける

 
 この日は6年生(栗小5人、鵜小28人)も外国語の授業を一緒に受けた。5年生はその様子も見学。校内には鵜小の5、6年生が栗小生を歓迎しようと黒板に書いたウェルカムボードが置かれていて、心温まる雰囲気の中での交流となった。鵜小の藤原桔平さんは「栗小には保育園の時の友達もいたし、初めて会う人もいて楽しかった。来年、栗小のみんなが来たら笑顔で迎えたい」と心待ちに。栗小の三浦彩南さんは校舎探検で「栗小にはない教室があって驚いた。分からないことも新しい(鵜小の)友達に聞けたので良かった。キャンプファイヤーもみんなと仲良くやりたい」と目を輝かせた。
 
鵜住居小の校内を“探検”。各学年の教室や特別教室などを見て回った

鵜住居小の校内を“探検”。各学年の教室や特別教室などを見て回った

 
外国語の授業を一緒に受けている6年生の教室も見学(写真上)。栗小生は初めて見る校内に興味津々。鵜小の活動を示すものも(同下)

外国語の授業を一緒に受けている6年生の教室も見学(写真上)。栗小生は初めて見る校内に興味津々。鵜小の活動を示すものも(同下)

 
 両校の宿泊体験学習は7月7、8の両日、山田町の県立陸中海岸青少年の家で行われた。7日の日中は同施設の裏山でウオークラリーや沢登りなどの自然体験活動を満喫。夕食後はキャンプファイヤーで交流を深めた。
 
 栗小の高橋校長が扮(ふん)した“火の神”が登場。「友情」「奉仕」「希望」の3つの火を児童の代表に分け与えた。全員で「仲間と助け合う」「世のため人のために尽くす」「明るく素直に生きる」という3つの誓いを唱和。木材を積み上げた井桁に点火すると、勢いよく炎が立ち上った。
 
栗小の高橋校長が扮する「火の神」から3つの誓いが込められた火を分けてもらう

栗小の高橋校長が扮する「火の神」から3つの誓いが込められた火を分けてもらう

 
分火してもらった火を井桁に点火(写真上)。炎を囲みフォークダンス「ジェンカ」を楽しむ(同下)

分火してもらった火を井桁に点火(写真上)。炎を囲みフォークダンス「ジェンカ」を楽しむ(同下)

 
 児童らはたき火を囲んで歌を歌ったほか、5つのグループごとに“出し物”を披露。ダンスやクイズで盛り上がった。栗小の4人は自分たちの紹介を兼ねたクイズを出題。それぞれの好きな漫画、キャラクター、食べ物、色のほか、栗小の全校児童数を3択で答えてもらった。
 
グループの出し物でダンスを披露する鵜小生(写真上)。栗小生も一緒に手を動かし、この笑顔(同下)

グループの出し物でダンスを披露する鵜小生(写真上)。栗小生も一緒に手を動かし、この笑顔(同下)

 
栗小の4人は自分たちの好きなものをクイズで出題。絵を添えた問題を見せながら答えてもらった

栗小の4人は自分たちの好きなものをクイズで出題。絵を添えた問題を見せながら答えてもらった

 
 最後は前回の交流で一緒に練習したマイムマイムの時間。元気な掛け声を響かせながら踊り、一体感を高めた。“火の神”からは「分け与えた3つの火をこれからもそれぞれの心の中で大切に燃やし続けてほしい。楽しかった思い出、みんなで協力したことを忘れずに、明日からまた一歩一歩前進することを誓い、大きく成長していこう」とのお言葉が…。「今日の日はさようなら」を歌って会を締めくくった。
 
辺りが暗くなり始めると、キャンプファイヤーも大詰め。事前に練習してきた「マイムマイム」を踊る

辺りが暗くなり始めると、キャンプファイヤーも大詰め。事前に練習してきた「マイムマイム」を踊る

 
みんなで楽しい時間を共有し、かけがえのない思い出を作った両校の児童

みんなで楽しい時間を共有し、かけがえのない思い出を作った両校の児童

 
 鵜小の藤原奏多さんは「前回の交流会よりも仲が深まった感じ。来年度から一緒に学習するのに向けても一歩進んだのかなって思う。栗小のみんなと一緒になるのが楽しみ」と胸を躍らせた。栗小の栗澤学美さんは「ちょっと不安だったけど、今回のキャンプファイヤーとかで(鵜小の)友達と仲良くなれた。来年、統合しても大丈夫だと思った」と安心できた様子。栗小最後の1年に「もっともっと思い出をたくさん作って、鵜小に行きたい」と思いを込めた。
 
 児童らの活動を見守った鵜小の桜庭大輔副校長は「沢登りとかでも互いに声をかけ合って楽しむ自然な姿が見られ、普段の延長で交流できたのが一番良かった」と実感。スポ少など各種活動ですでに顔見知りという児童もいて、「私たちが思っているより、子どもたちは統合に対する敷居が高くないようだ。鵜小の子たちは一緒になるのをとても楽しみにしている」と話した。
 
夏本番の暑さとなる中、沢登りを楽しんだ児童=写真提供:栗林小

夏本番の暑さとなる中、沢登りを楽しんだ児童=写真提供:栗林小

 
 栗小の高橋校長は「両校の先生方が子どもたちの気持ちづくりを後押ししてくれている。鵜小の子どもたちにも栗小を受け入れてもらっているのがすごく伝わってくる」と感謝。来年4月に顔を合わせる時には「“新生”鵜住居小として、いいスタートを切ってくれると思う」と期待した。両校の来年度統合により、栗小は本年度で閉校する。「まずは各学年の1年をしっかり過ごし、新年度につなげてほしい。“子どもファースト”で負担をかけることなく、やれることは全部やっていきたい」と高橋校長。
 
ウオークラリーはなかなかのアップダウンコース。仲間と力を合わせ10個のチェックポイントを巡る

ウオークラリーはなかなかのアップダウンコース。仲間と力を合わせ10個のチェックポイントを巡る

 
 両校の同学年交流はこの後、鵜小3年生と栗小3、4年生による鵜住居川の水生生物調査を実施。2学期には1、2年生の交流も行っていく予定だ。この他、全校児童の交流も考えているという。

shieipool01

梅雨の晴れ間に水しぶき!釜石市営プール 屋外プールが夏季利用スタート

今季オープン初日の屋外プールで水の感触を楽しむ子どもたち

今季オープン初日の屋外プールで水の感触を楽しむ子どもたち

 
 釜石市営プール(同市大平町)の屋外50メートルプールが11日、今季の利用をスタートさせた。水泳に親しむ子どもたちが“泳ぎ初め”。中総体など大会を控えた子らは練習に熱を入れた。小中学校の夏休み期間に合わせ、8月16日まで開放する予定だ。
 
 プール開きに合わせ安全祈願の神事が行われ、指定管理者の協立管理工業(小笠原拓生社長)や釜石水泳協会(山崎達会長)の関係者ら約20人が出席。代表者が玉串をささげ、シーズン中の無事故を祈願した。市文化スポーツ課の清藤美穂係長は「関係者と連携を密にし、快適で安心して利用できる施設運営、維持管理に努めていく」とあいさつした。
 
屋外プールの利用開始に合わせ行われた安全祈願の神事

屋外プールの利用開始に合わせ行われた安全祈願の神事

 
快適で安全な利用環境を整える気持ちを一つにする関係者

快適で安全な利用環境を整える気持ちを一つにする関係者

 
 泳ぎ初めは、同プールで練習する「かまいしスイミングクラブ」の小中学生11人。平泳ぎやクロールなど模範泳法をリレー形式で披露した。この時のプールサイドの気温は30度、水温は27度。熊谷凜音さん(14)は「水が少し冷たかったけど、外が暑いから気持ちよかった。水がきれいで泳ぎやすい」と涼しげな水の感触を楽しんだ。
 
 中学生は1週間後に岩手県中総体(水泳競技は18~20日)を控え、「ベストを尽くせるように」と練習に集中。熊谷さんは個人、リレーを合わせて計4種目に出場予定で、「リレーでは優勝し東北大会へ、個人では8位入賞を」と目標を定め、仲間とともに挑む意欲を見せた。
 
泳ぎ初めに笑顔を見せるスイミングクラブの子どもたち

泳ぎ初めに笑顔を見せるスイミングクラブの子どもたち

 
「50メートル、長い!つらかった」と小学生。でも楽しそう

「50メートル、長い!つらかった」と小学生。でも楽しそう

 
「レベルアップを」「ベストを出すぞ」と熱心に練習に励む

「レベルアップを」「ベストを出すぞ」と熱心に練習に励む

 
 屋外プールの利用に当たり、協立管理工業の藤澤正明総務主任は「水分補給をしっかりと。ドリンク持参で」と呼びかける。プールサイドは高気温になりうるが、日陰になる場所が少ないため。暑さ軽減にと、通路となる場所には水を流すなどの対策をとる。施設内外の掃除、救助法の訓練にも取り組み、環境を清潔に保ち、安全な利用を支えられるよう態勢を整える。市営プールには通年で利用できる屋内25メートル、幼児用プールもあり、昨年度の施設全体の利用者数は約1万5000人だった。
 
開放された屋外50メートルプール。水温、気温などチェックもしっかり

開放された屋外50メートルプール。水温、気温などチェックもしっかり

 
 営業は火曜日から金曜日が正午~午後8時、土・日・祝日は午前10時半~午後6時。通常、月曜日は休館だが、市内小中学校の夏休み期間は無休(開場は正午)。期間中は市内中学校の生徒は生徒手帳の提示で無料となり、学校プールの開放がない市内小学校の児童も無料で利用できる。

【入居者募集】鵜住居地区商業施設「うのポート」テナント募集のお知らせ

【入居者募集】鵜住居地区商業施設「うのポート」テナント募集のお知らせ

【入居者募集】鵜住居地区商業施設「うのポート」テナント募集のお知らせ

 

釜石まちづくり株式会社が整備・運営を行う鵜住居地区商業施設『うのポート』では、共同店舗テナント(区画C)に入居を希望する事業者を募集しております。

 

【募集要項】うのポートテナントC区画(PDF:150KB)
【位置図・平面図】うのポートテナントC区画(PDF:604KB)
【エントリーシート】うのポートテナントC区画(PDF:81KB)
【エントリーシート】うのポートテナントC区画(Word:19KB)

 

施設(うのポート)の概要

①施設の所在 釜石市鵜住居町4丁目109番地
②施設構造 地上1階建
③面積等 延床面積1506.67㎡、駐車場普通車42台
④事業運営主体 釜石まちづくり株式会社(Ferias釜石)
位置図

募集物件概要

①店舗場所 釜石市鵜住居町4丁目109番地
②店舗数 1店舗
③区画テナント 区画C
④店舗面積 33.99㎡(壁芯)
⑤対象業種 小売業、サービス業、飲食業のうち軽飲食(取扱内容によっては該当とならない場合もあります。事前にご相談下さい)
⑥家賃(賃料) 月額41,000円(税込)(賃料:35,900円、共益費5,100円)
⑦管理費 月額5,700円(税込)
⑧敷金 71,800円(月額賃料の2ヶ月分)
⑨その他 うのポートテナント会 会費2,000円/月額
区画C

入居時期

相談に応じます

応募方法

①申込期間 令和8年7月15日より 随時募集
②応募 応募用紙(エントリーシート)に必要事項を記載の上、提出してください。
 1.応募用紙(エントリーシート)
 2.罹災証明書(該当する場合のみ)
③提出部数 1部
④提出先 釜石まちづくり株式会社
 〒026-0024 釜石市大町1-1-10 情報交流センター
 ※メール、郵送、FAX、持参のいずれかの方法で提出
⑤審査 申込書類による審査を実施し事業者を決定します。

応募条件

①東日本大震災で被災された事業者を優先と致します。(被災されていない方も入居可能です)
②うのポートの整備・運営目的を理解し、管理運営に協力的であること。(テナント会に入会いただきます)
③入居テナントの営業形態において製造や販売、サービスに必要な許可・免許等を有していること。
④過去の営業において法令に違反し、罰則等を受けたことがない者であること。
⑤暴力団体関係組織または、その他反社会的暴力活動を行う団体の関係組織及びその組織構成員等ではないこと。

その他

①提出書類の作成及び提出に係る費用は、申請者の負担となります。
②提出された提出書類は、返却いたしません。

問合せ・提出先

〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 情報交流センター
釜石まちづくり株式会社 事業部まちづくり事業課
電話:0193-22-3607
FAX:0193-27-8331
Mail:
k-iwaki@kamaishi.co.jp (担当:岩城)
m-haga@kamaishi.co.jp (担当:芳賀)
 
応募用紙(エントリーシート)の提出後、担当よりご連絡をいたします。
また、応募前に内覧等をご希望される際には事前にご連絡頂ければ対応可能です。

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

hashinorenew01

展示室一新! 橋野鉄鉱山インフォセンター 世界遺産価値より分かりやすく 大型スクリーンで遺産巡りも

展示を更新した橋野鉄鉱山インフォメーションセンター。「明治日本の産業革命遺産」の理解が深まる=8日

展示を更新した橋野鉄鉱山インフォメーションセンター。「明治日本の産業革命遺産」の理解が深まる=8日

 
 釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」のインフォメーションセンターが、新たな展示で生まれ変わった。「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」(8県11市23資産)の構成資産の一つとして、2015年に世界文化遺産登録されている同鉄鉱山。リニューアルした展示室には遺産全体への理解が深まる共通展示(パネル、映像)を導入。橋野鉄鉱山の解説パネルも内容がより分かりやすく整理され、登録後の発掘調査の成果なども盛り込まれた。映像は従来の5倍の大きさの大型スクリーンで見ることができる。世界遺産登録日の7月8日から公開している。
 
 8日は関係者約20人が出席して、リニューアルオープンのセレモニーが行われた。髙橋勝教育長が小野共市長のあいさつを代読。「これを機に橋野鉄鉱山の世界遺産価値の理解増進を図れれば。観光、生涯学習、学校教育とも連携し、鉄の歴史と文化を生かしたまちづくりに一層取り組む」と決意を述べた。代表者のテープカットで新展示室の完成を祝った。
 
セレモニーに出席した市の教育関係者、工事監理・施工業者ら

セレモニーに出席した市の教育関係者、工事監理・施工業者ら

 
 約80平方メートルの展示室は視覚的に大きく変わった。入ってすぐ左側には「明治日本の産業革命遺産」の共通パネルが並ぶ。全構成資産が一貫した説明で全体の世界遺産価値を示すもので、同遺産の中の橋野鉄鉱山の位置付けも分かる。
 
明治日本の産業革命遺産の共通展示。23資産で構成する遺産の全体像が分かる

明治日本の産業革命遺産の共通展示。23資産で構成する遺産の全体像が分かる
 
日本の近代化を推し進めた3つの産業分野を説明するパネル

日本の近代化を推し進めた3つの産業分野を説明するパネル

 
 対面には、共通パネルとデザインを合わせた橋野鉄鉱山のパネルを配置。三陸ジオパークのジオサイトでもあることから地質の説明も入れ、同鉄鉱山の歴史、資産を構成する「採掘場、運搬路、高炉場」跡、高炉のしくみ・特徴、製品の輸送経路まで、写真と説明文で分かりやすく解説する。高炉場跡で計画的に進められている発掘調査の成果など、登録後の10年間で得られた知見も盛り込む。パネルの下には専門用語の解説も。
 
橋野鉄鉱山を解説するパネルも充実。山の緑を基調としたデザイン

橋野鉄鉱山を解説するパネルも充実。山の緑を基調としたデザイン

 
高炉場跡の発掘調査の成果(写真右下)も盛り込んだ展示。パネルの下には専門用語の解説が添えられる(同左下)

高炉場跡の発掘調査の成果(写真右下)も盛り込んだ展示。パネルの下には専門用語の解説が添えられる(同左下)

 
 パネルは日本語と英語で表記され、中国語、韓国語はQRコードで説明文を読み取れるよう準備中(8月末までに導入)。多言語表示で外国人客の見学をサポートする。
 
 映像は展示室左奥に設置された縦約1.2メートル、横約3メートルの大型スクリーンで見ることができる。明治日本の産業革命遺産世界遺産協議会(事務局:鹿児島県)が作成した共通映像システムで、23構成資産の解説を視聴可能。釜石独自のものとして、待機画面に市郷土資料館(鈴子町)で展示される同鉄鉱山高炉場跡のジオラマを採用したほか、鉄鉱山操業時(1860年代前半)に描かれた絵巻「紙本両鉄鉱山御山内並高炉之図(しほんりょうてっこうざんおやまうちならびにこうろのず)」(市立鉄の歴史館所蔵)のスクロール画像、岩手県の3世界遺産の紹介画像も盛り込む。タッチパネル操作で見学者が見たいものを選択できる。
 
従来の5倍の画面サイズで映像が見られる大型スクリーン。写真画像は待機画面の「橋野鉄鉱山高炉場跡のジオラマ」

従来の5倍の画面サイズで映像が見られる大型スクリーン。写真画像は待機画面の「橋野鉄鉱山高炉場跡のジオラマ」

 
鉄鉱山稼働時の様子が描かれた絵巻はスクロール画像で。本物は12月1日の「鉄の記念日」に合わせ鉄の歴史館で毎年公開

鉄鉱山稼働時の様子が描かれた絵巻はスクロール画像で。本物は12月1日の「鉄の記念日」に合わせ鉄の歴史館で毎年公開

 
タッチパネル操作で全23資産の紹介映像を見ることができる。産業革命遺産巡りをお気軽に!

タッチパネル操作で全23資産の紹介映像を見ることができる。産業革命遺産巡りをお気軽に!

 
 同センターは2013年にオープン。2年後の15年、世界遺産登録決定に伴う展示リニューアルはあったが、今回のような大規模更新は初めて。センター施設や史跡周辺の維持、管理業務を担う橋野町振興協議会の菊池郁夫会長は「オープンから13年が経過し、従来の展示では飽きがきている状況もあった。今回のリニューアルでまた多くのお客さまが来てくれることを願う。市とともに各種イベントも開催しながら誘客に努めていきたい」と話した。
 
 「明治日本の産業革命遺産」の共通展示整備は世界遺産登録時に勧告され、内閣官房の整備計画により2020年度以降、8つのエリアごとに順次導入されてきた。釜石では24年度に設計業務を行い、本年2月から工事が進められてきた。総事業費は約4千万円。
 
橋野鉄鉱山の紹介映像。普段は非公開の「採掘場跡」も映像で(写真下)

橋野鉄鉱山の紹介映像。普段は非公開の「採掘場跡」も映像で(写真下)

 
セレモニー終了後、世界遺産室の森一欽室長が新たな展示について出席者に説明した

セレモニー終了後、世界遺産室の森一欽室長が新たな展示について出席者に説明した

 
 市教委文化財課世界遺産室の森一欽室長は「(共通展示の導入で)世界遺産全体の中での橋野鉄鉱山の位置付けが明確になった。大画面のスクリーンで各地の資産も見られる。他エリアと連携しながら明治日本の産業革命遺産の価値を発信していければ」と話す。

yomikikase01

「釜石艦砲」学ぶ 紙芝居、体験者の生の声に 戦後生まれ「平和」「思い」語り継ぐ

釜石小学校で行われた釜石艦砲射撃や戦争の歴史を学ぶ授業=7月3日

釜石小学校で行われた釜石艦砲射撃や戦争の歴史を学ぶ授業=7月3日

 
 太平洋戦争終戦直前、釜石市が連合軍艦隊による艦砲射撃を受けてから、7月14日で81年を迎えた。8月にも砲撃があり、その2度の「釜石艦砲射撃」の記憶と向き合う取り組みが市内で進められている。記憶のかけらを残す人、経験した親世代から伝え聞いた人たちが、戦争を知らない子どもたちに伝え継ぐ活動をこつこつと継続。その活動に今年は釜石高校の生徒が加わった。同市大渡町の釜石小学校(五安城正敏校長、児童62人)で7月3日に行われた戦禍を語り継ぎ、次世代に平和のバトンを託す授業を紹介する。
 
 釜石小では、市教委が推進する「いのちの教育」の一環で戦災という地元の歴史を学び、命を尊重する心を育む。今年も、市内の小学校などで活動する読書サポーター「颯(かぜ)・2000」(千田雅恵代表)による紙芝居や絵本の読み聞かせがあり、6年生11人が耳を傾けた。
 
 釜石への艦砲射撃は1945(昭和20)年7月14日と8月9日の2度あり、計5300発以上の砲弾が撃ち込まれ、少なくとも782人が亡くなった。「なぜ、釜石は狙われたのか」。概要を説明したメンバーの中嶋るみさん(67)が問いかけた。児童の答えは「鉄を作っていたから」。製鉄所があり、工業都市だった街。「武器をつくらせず、戦えないようにするため」に標的にされたことを改めて理解した。
 
釜石が受けた艦砲射撃の被害状況などを教える中嶋るみさん

釜石が受けた艦砲射撃の被害状況などを教える中嶋るみさん

 
 砲弾の大きさを実感してもらうため、中嶋さんは紙の模型を用意した。最も大きな直径40センチの16インチ砲は重さ約1トン。その重さを想像してもらおうと、メジャーリーガー大谷翔平選手の名を挙げ、「体重はほぼ100キロ。何人分かな?」と質問。艦船の全長については同校の校舎(横幅約80メートル)の2.5倍もあったことを説明に加えた。
 
 攻撃は海上からだけではなかった。艦載機が飛来、機銃掃射を繰り返した。「布団をかぶって逃げた。逃げる人を空から狙い撃ちする機銃掃射も怖かった。弾から逃れるために布団を持って逃げた」。中嶋さんは、かつて父から聞いたことを話した。「両親が亡くなっていたら、私は生まれていない。子ども、孫にも会えなかった。おじいちゃん、そのずっと前の代からつないできた大事な命、そして未来の命も奪うようなひどいことは絶対にしてはいけない」。強い気持ちを込めて訴えた。
 
颯・2000代表の千田雅恵さんの語りに聞き入る釜石小児童

颯・2000代表の千田雅恵さんの語りに聞き入る釜石小児童

 
 読み聞かせで取り上げた紙芝居「私の昭和20年7月14日」は、艦砲射撃で教え子を失った石橋巌さん(故人)が制作したもの。代表の千田さん(63)は「石橋さんが18歳の時に経験したこと、逃げ惑う人、防空壕(ごう)での様子が描かれている。凄惨(せいさん)な表現…怖かったり、気持ちの悪い表現があるかも。気分が悪くなったら耳をふさいでもいいから。無理のないように」と児童に寄り添いながら、ゆっくりと感情の込もった声で朗読した。
 
 「怖い、怖いと言って防空壕に向かって走りました。死ぬ、死ぬと言って逃げた記憶があります」。そう切り出したのは元メンバーで、4歳の時に艦砲射撃を体験した浅沼和子さん(85)。最近、退会したが「じかに経験したことを話すことで伝わることがあると思うから」と語り部は続けることにし、この日も同行した。
 
釜石艦砲射撃から逃れた記憶を伝える浅沼和子さん

釜石艦砲射撃から逃れた記憶を伝える浅沼和子さん

 
体験談に聞き入る児童。地元の歴史や平和に思いを巡らせた

体験談に聞き入る児童。地元の歴史や平和に思いを巡らせた

 
 「4歳の記憶って、特別なことがないと覚えていられないと思う。私は、これ(戦争)で本当に死ぬんじゃないかという思いをしました」
 「夏には花火がありますよね。ヒュー、ヒューと上がる花火。弾が飛んでくると、似たような音がするの。そして短時間でガラスが壊れて、いろんなものが倒れてきて…」
  
 脳裏に焼きついて離れることはない当時の記憶をたどった浅沼さん。太平洋戦争時の南の海の小さな島を舞台に特攻隊の若い兵士と小学生の交流を描いた絵本「すみれ島」の読み聞かせもした。「若い人たちには夢があったはず。かなえられず命を散らせる。戦争はむごい。絶対にしてはダメ。願い、希望がかなう世の中であってほしい」。口調は穏やかながらも、言葉には切なる思い、力が込もっていた。
 
yomikikase01

紙芝居を通して平和の尊さを伝えた(左から)古川明弥さん、川崎夏織さん、川崎由花梨さん

 
 釜石高3年の川崎夏織さん、古川明弥さん、川崎由花梨さんは、釜石艦砲をテーマにした探究活動の学びの成果を発表した。さまざまな文献を調べる中で、戦時中に釜石の捕虜収容所の所長を務めた故稲木誠さんの手記「降伏の時」を知り、「次世代につなぐ必要がある」と実感。手記を元にデジタル紙芝居を制作した。
 
 収容所の管理、捕虜の扱いに最善を尽くしたと考えていた稲木さんだが、終戦後、戦犯とされた。葛藤、苦悩し続けたというが、戦後30年がたったある日、元捕虜のオランダ人から1通の手紙が届いた。その手紙は稲木さんにとって“光”となり、その後、2人は文通を通じて友情を育んだ。
 
 「どんな時でも、人を人として扱うこと。それが戦争をなくす一歩なんだ」
 「戦争は人の心を曇らせ、人を傷つける」
 「だから、あなたたちは戦争を繰り返してはいけない。相手を思いやり、話し合うことを忘れないでほしい」
 
 戦時中、敵国の捕虜であっても大切に扱おうとできる限りのことをした。終生「人を守る心」を語り続けたという稲木さんが残した言葉を「平和のメッセージ」として子どもたちに届けた。
 
yomikikase01

戦時中の写真や戦争を題材にした本などに関心を示す児童

 
 さまざまな視点から戦争の歴史に触れた及川義規さんは「(戦争が)実際に起こったら怖い。『なんで戦争をする必要があるんだろう』ってなる。争いのない世界になってほしい」と強く願った。佐々木結音さんは「教科書だけでは分からないことをたくさん知れた。これからの勉強に生かしたい」と刺激を受け、感謝を口にした。
 
 颯・2000の協力もあって小学生に伝承する機会を得た高校生3人は「戦争の事実を情報として知るだけでなく、そこには人々の生活や気持ちがあったことが伝わればいい」「悲惨な証言もあったが、子どもが負担にならないような言葉を選んだ。前向きになるような表現を」「児童が真剣に受け止めてくれて、頑張ったかいがあった」と感想を話した。今回の学びを高校の後輩にも伝えたいと思っているようで、「さらに深めてもらえたら」と期待していた。
 
yomikikase01

歴史を語り継ぐ思いを強めた颯・2000のメンバー、釜石高の生徒

 
 釜石小では「戦争を身近に考えてもらう機会」として、颯・2000を招いた授業を継続したい考えだ。6年生は今年の市戦没者追悼・平和祈念式(8月9日)で献唱する予定。高校生3人も式の中で、今回の活動を踏まえ成果を発表する。

rikai01

地域産業の理解へ 釜石商工高2年生 水産加工の津田商店を見学 地域経済支える企業姿勢学ぶ

水産加工品製造の工場を見学する釜石商工高の2年生=3日、津田商店(鵜住居町)

水産加工品製造の工場を見学する釜石商工高の2年生=3日、津田商店(鵜住居町)

 
 釜石市大平町の県立釜石商工高(小松了校長、生徒160人)の2年生50人は3日、県の「いわて高校魅力化推進事業(探究共創事業)」の一環で、地元水産業への理解を深める学習を行った。研究施設や水産加工品製造の工場を見学。地域の魅力や可能性を知り、古里の将来を支える一員として考えを巡らせた。
 
 地元就職を希望する生徒が多い同校では、地域に貢献できる人材育成を目指し、地場産業への理解や地域課題に目を向ける探究学習の機会を設けている。本年度、2年生は平田の三陸水産研究センター(岩手大釜石キャンパス内)と鵜住居町の津田商店を訪れ、地域と関わりの深い水産業への学びを深めた。
 
 午後に訪問した津田商店(小笠原正勝代表取締役社長、従業員190人)では、同社の歴史や事業の説明を聞き、工場内を見学した。水産加工品の製造販売を行う同社は1933(昭和8)年創業。2011年の東日本大震災津波で大槌町安渡にあった工場が被災し、翌12年、釜石市浜町にあった本社事務所と共に同市鵜住居町に移転再建した。主に学校給食で提供される業務用冷凍食品(調理済み煮魚)と、大手ブランドの缶詰(サンマ、サバ、サケの中骨など)を製造。自衛隊員が災害派遣や訓練時に食するレトルト食品の製造も手がける。3年前には個食用に開発した自社ブランド「子どもようおさかなさん」(冷凍煮魚)のオンライン販売も開始した。
 
津田商店の会社概要や製品について学ぶ。学校給食用の魚は45都道府県に供給しているという

津田商店の会社概要や製品について学ぶ。学校給食用の魚は45都道府県に供給しているという

 
メモを取りながら担当者の話を聞く機械科の生徒ら

メモを取りながら担当者の話を聞く機械科の生徒ら

 
 担当者からは、衛生管理を徹底し安全安心な食品を提供していること、残物(魚の頭や尾など)の飼料加工や微生物による水浄化処理で環境負荷軽減を図っていることも説明された。近年は海水温の変化などで三陸産魚の水揚げが減少。原料確保のため、全国に足を運んでいる現状も伝えられた。同社は「地域共存」を理念とし、釜石湾で養殖されるサクラマスや地元酒造会社の梅酒製造過程で出る漬梅を活用した商品開発にも取り組んできた。
 
 全国に販路を持つ同社。得られた利益は従業員や外部の委託業者の収入となり、さらには地域内消費を生む。「地域内でお金が回る。地域経済を支えることが自社の目的の一つ」と担当者。10~70代の幅広い年代の雇用、外国人技能実習生の受け入れでも貢献する。
 
工場内の各部屋を回り、製品ができるまでの工程に理解を深める

工場内の各部屋を回り、製品ができるまでの工程に理解を深める

 
初めて見る工場内の作業に目がくぎ付け(写真下)。身近な魚の缶詰が地元釜石で作られていることを知り興味津々(同上)

初めて見る工場内の作業に目がくぎ付け(写真下)。身近な魚の缶詰が地元釜石で作られていることを知り興味津々(同上)

 
 電気電子科の岩﨑春燈さんは、同社の見学は小学校時代に続き2回目。高校生になり新たな視点での見学となったようで、「金属探知機やX線検査機などの設置が多い印象。それだけ消費者の食の安全に対し徹底しているのが伝わる」と感心。同社製造の缶詰を目にする機会も多く、「それが地元で作られているのはすごい」と郷土の誇りも実感。地元就職を考える上での判断材料にした。
 
「魚が大好き。ずっと(工場見学を)楽しみにしてきた」と目を輝かせたのは総合情報科の門﨑愛生さん。「気軽に食べている缶詰がこのような多くの工程を経て私たちの食卓に届いていると知って驚いた。多くの人の努力が詰まっていることを思いながら大切に食べたい」と感謝の気持ちも芽生えた様子。高校卒業後は県外就職を考えているが、「地元も大好きなので、いずれは戻ってくることも」とUターンも選択肢の一つに考えた。
 
地元企業の素晴らしさを実感する生徒。今後の進路の参考に…

地元企業の素晴らしさを実感する生徒。今後の進路の参考に…

 
 生徒たちの見学をサポートした同社管理部総務経理課の小倉敦美主任(30)は「地元の企業を知ってもらえるいい機会。地域への理解が進むのは大変ありがたい」と感謝。生徒たちが説明にうなずいたり、真剣なまなざしで話に聞き入る姿を頼もしく感じ、「若い方々の今後の力に期待したい。地元の魅力を感じてもらい、将来の就職の選択肢の一つに考えてもらえれば」と話した。