手軽においしく!釜石はまゆりサクラマス 料理教室で普及へ、地元食材の良さ再認識


2026/07/23
釜石新聞NewS #地域

釜石はまゆりサクラマスを使った巻きずしを作る参加者

釜石はまゆりサクラマスを使った巻きずしを作る参加者

 
 釜石市が力を入れている養殖サーモンのブランド魚種「釜石はまゆりサクラマス」を使った料理を学ぶ体験教室が14日、同市鵜住居町の根浜シーサイドレストハウスで開かれた。市の委託で、地元の観光地域づくり法人かまいしDMCが主催。市民8人が参加し、地元の食材の良さを確かめながら旬の味わいを楽しんだ。
 
 釜石湾で養殖されているサクラマスは6~7月が水揚げシーズン。市内飲食店が限定メニューを提供するフェアを行っているが、どちらかと言えば観光やビジネスなど市外来訪者が食す機会が多くなっている。そんな旬の食材を市民にこそ知ってもらい、「家庭の食卓で手軽に味わってもらおう」と企画。講師として、家庭料理の魅力を広める「母めし研究所」代表の大久保久江さん(71)と、巻きずしの普及に取り組む民間団体の「巻寿司特任大使」を務めるやはためいこさん(50)を東京から招いた。
 
「母めし研究所」代表の大久保久江さん(右)の話に参加者は興味津々

「母めし研究所」代表の大久保久江さん(右)の話に参加者は興味津々

 
 この日のメニューは塩こうじ焼き、みそと混ぜ合わせた「なめろう」、蒸したサクラマスを混ぜ込んだ酢飯を使ったのり巻きなど。大久保さんは「日々の料理は『手間なし』が楽しく続く秘訣(ひけつ)」と話し、せいろを使った調理法を紹介した。「食材をポンポン入れて蒸しただけ。そのまま出せて、おしゃれじゃないですか、せいろって。華やかで、おもてなし料理にもなる」と手軽さをアピール。市販の調味料に「漬けて焼くだけ」、薬味と「混ぜるだけ」といった「頑張りすぎない」けど、おいしく調理できるアイデアも実演した。
 
料理の楽しさを伝える大久保さんが提案するサクラマス料理

料理の楽しさを伝える大久保さんが提案するサクラマス料理

 
 やはたさんは「のり巻きは巻くのではなく『合わせる』のがポイント。ごはんで具材を巻き込んだら、最後はご飯とご飯をくっ付ける感じで」などと作り方を教えた。今回、サクラマスと合わせる具材として選んだのは蒸したキャベツとニンジン、すき昆布。「具材は何でも入れちゃえばいい。恐れずにいろいろ入れて巻いてみて」と助言した。サクラマスのなめろうを使い、すしの断面が花柄になるような巻き方も紹介。切り方のコツも伝え、「巻きずしは断面が醍醐味(だいごみ)」と魅力を語った。
 
のり巻きの作り方を丁寧に教える「巻寿司特任大使」のやはためいこさん

のり巻きの作り方を丁寧に教える「巻寿司特任大使」のやはためいこさん

 
 参加者は、のり巻き作りに挑戦。普段から料理を作る人たちがほとんどで、「なるほど」と感覚をつかんで手際よく調理した。同市甲子町のパート福士明美さん(64)は食べることが大好きで、魚食に関心があり参加。最近店頭で生のサクラマスを見かけ、料理したいと思っていたタイミングだったこともあり、「どれも簡単にできそう。家族に振る舞うのが楽しみ。機会があったら、また参加したい」と笑顔で話した。
 
サクラマスの飾り巻きを作る参加者。目指す図案は花柄

サクラマスの飾り巻きを作る参加者。目指す図案は花柄

 
のり巻きが完成し笑顔を見せる参加者。きれいな断面に「おいしそう」

のり巻きが完成し笑顔を見せる参加者。きれいな断面に「おいしそう」

 
のり巻きの出来栄えに満足げな参加者。うれしさは周りに伝わる

のり巻きの出来栄えに満足げな参加者。うれしさは周りに伝わる

 
 市水産農林課地域プロジェクトマネジャーの齋藤孝信さん(64)は、はまゆりサクラマスの特徴や味力を説明。市内スーパーの店頭にも並んでいるはずだが、「見かけない」「買えない」といった声も聞かれているとし、「市民にどう届けるかが課題」と認識する。
 
 市は認知度を高めるため、さまざまな施策を主導している。2022年度からは市内の全小中学校の給食で食材として使用。23年からは市内飲食店での「釜石はまゆりサクラマスフェア」を行っている。飲食店以外での普及活動として今年6月に開催された、みちのく潮風トレイルを舞台に市内を巡るグルメウォークでも振る舞った。
 
サクラマスを刺し身にして教室の参加者に振る舞った齋藤孝信さん

サクラマスを刺し身にして教室の参加者に振る舞った齋藤孝信さん

 
 このほか、24年度から同市平田にある岩手大学釜石キャンパスの学生が地元の漁協女性部の力を借りてフライや照り焼きなどのメニューを開発し、盛岡市上田のキャンパスにある学生食堂で期間を限定し提供。県庁の食堂、さらに今年度は岩手県立大学でも提供される予定だ。
 
 通年で養殖サクラマスを楽しんでもらおうと、今年度から「釜石はまゆりサクラマス認定店舗」という取り組みがスタート。市内の鮮魚店や飲食店、スーパーなど、現在約20店舗が参加する。
 
教室参加者をサポートした母めし研究所のメンバーらと料理談義!?

教室参加者をサポートした母めし研究所のメンバーらと料理談義!?

 
 普及という面では「やはり家庭」と考える齋藤さん。「はまゆりサクラマスを市民の魚として身近な食卓で食べてもらえるようにしたい。きょうのように家庭、仲間で料理してもらえたら」と期待しながら、さらに知恵を絞る。

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