夜を彩る「七夕あかり」 ココイロこすもすファーム(釜石・甲子) 幻想的な雰囲気に

竹灯籠やイルミネーションの明かりを楽しむ「七夕あかり」
釜石市甲子町洞泉のココイロこすもすファーム(石塚佳那子代表)で4日、竹灯籠のライトアップや音楽、食を楽しむ「七夕あかり」と題したイベントがあった。東日本大震災後に同じ場所で行われていた「キャンドルナイト」を新たな形で復活。鎮魂、未来への希望を込めた明かりに包まれた幻想的な光景は訪れた幅広い世代の心を癒やした。
イベントは午後5時に始まった。流しそうめんのお振る舞いがあり、近くの山から切り出した竹を割って作った流し台の脇に子どもたちが整列。流れてくる麺を箸やフォークで上手にすくい上げ、ひんやりとした味わいを堪能した。おにぎり、かき氷、から揚げ、玉こんにゃくなどの軽食も販売。緑豊かな敷地内で家族連れらはピクニック気分も満喫した。

流しそうめんに夢中になる子どもたち。ウキウキ顔で待ち構える

シャボン玉をつくって遊ぶ子どもたち。大人にも笑顔が連鎖

七夕にちなんだ飾り付けも。願い事が書き込まれた短冊が揺れる
「3、2、1」。カウントダウンの後に、敷地内に設置された約60本の竹灯籠や天の川をイメージして飾り付けられたイルミネーションがともると、「わー」と歓声が上がった。ハンドベル演奏、ダンスとピアノ演奏を組み合わせたミニコンサートもあり、来場者はやわらかい光と音の中でゆるやかな時間を過ごした。

竹灯籠が点灯。光で彩られた遊具で遊ぶ子どもたち

光で彩られた園内でダンスやピアノ演奏を楽しむ

七夕にちなんだ曲をハンドベルで奏でた子どもたち

来場者は光に包まれた園内で思い思いの時間を過ごした
大槌町の加賀心湊さん(7)は「キラキラしていて面白い。ダンスもよかった。新しい友達もできた。楽しすぎる」と大はしゃぎ。母親の典子さん(41)は「以前の公園のように自然に触れながら楽しく遊べる場所なので、わざわざ来たくなる。優しい心を育み、自分らしいペースで伸び伸びと成長してほしい」と見守った。
このファームの前身は、地域内外の人に親しまれた「こすもす公園」。藤井了さん(80)、サヱ子さん(81)夫妻が、震災で遊び場をなくした子どもたちが自由に遊べる空間にしようと2012年に整備した。夏至(6月)と冬至(12月)の時期に世界中で展開される「電気を消して、ろうそくの明かりで思い思いの夜を過ごす」スローライフ運動にちなみ、キャンドルナイトを毎年実施。復興や犠牲者の安寧を祈り、地域の交流を促す機会にもなっていたが、22年に閉園し、明かりも消えた。
石塚代表(38)が跡地を受け継ぎ、25年にファームを開業。多世代の笑顔をつなぐ遊べる空間をつくる中で、「またキャンドルナイトやりたいね」「明かりや音楽をゆったり楽しめたらいいよね」というスタッフの声もあり、イベントを企画した。

あたたかな光に包まれるココイロこすもすファーム
実施に当たり、これまでとは違った形を検討。公園の時はろうそくに火をともしていたが、山火事の懸念もあることから代わりにイルミネーションを選んだ。「イルミネーションでまちを明るく、人を笑顔に」と光を使った活動を展開する「かまいし灯り実行委員会」とコラボレーションすることに。竹灯籠も半数は自前で手作りしたほか、震災犠牲者の追悼や命を守る活動の意識啓発のために鵜住居町根浜地区で使われたものを一部借り受けた。
日が落ちるにつれて、やわらかい明かりが園内を照らした。次々と人が訪れ、その数約150人。そのにぎわいに、石塚代表は「子どもたちの笑い声が響くと大人も元気になる。それが『こすもす』の原点」と感慨深げに話した。「久しぶり」という顔や声に出合ったのも感激。「やり方は変わっても、鎮魂、祈り、地域交流、癒やしを願う思いは受け継いでいきたい」と力強くうなずいた。

七夕あかりを企画した石塚佳那子代表(左)、活動を見守る藤井了さん(右から3人目)とサヱ子さん(右)夫妻ら

これからも…思いをつなぐ明かりがともり続きますように
会場には、藤井さん夫妻の姿も。元気に駆け回る子どもたち、幅広い年代の人たちの笑顔が広がる様子を見つめ、「やっぱり子どもたちがたくさんいるのはいいね。若い人に引き継いで、雰囲気が違っているのもまたいい。素朴であたたかい空間がずっと続きますよに」と笑顔を重ねていた。
七夕あかりのライトアップは3日から7日まで行われた。

釜石新聞NewS
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