甲子、鵜住居両河川でアユ釣り解禁 愛好者 待望のシーズン到来に心躍る 天然魚増え楽しみ倍に


2026/07/09
釜石新聞NewS #地域

愛好者待望のアユ釣り解禁日。楽しみなシーズンが始まった=5日、鵜住居川

愛好者待望のアユ釣り解禁日。楽しみなシーズンが始まった=5日、鵜住居川

 
 釜石市の2大河川、甲子川と鵜住居川で5日、今季のアユ釣りが解禁された。早朝は水温が低く、アユの活性が低調だったものの、時間の経過とともに復調傾向に。大きいものでは20センチほどに成長したものも釣れ、市内外から訪れた釣り客らは待望のシーズン到来に顔をほころばせた。梅雨で曇りの天気が続く市内だが、「太陽が顔を出し気温、水温が上がっていけば、例年並みの釣果が期待できるのでは」と釣り人ら。
 
 5日は沿岸南部4河川の解禁が重なったこともあってか、早朝の甲子川の人出は例年より少なめ。それでも人気エリアの一つ、甲子町松倉の県立釜石病院裏では、水面の上にアユ釣り特有の長竿(さお)が並ぶ初夏の風景が広がった。釜石地方は6月下旬にまとまった降雨があり川の水量は十分ながら、解禁日前は曇り空が続き、水温が上がりにくい状態。アユ釣りはアユの縄張り特性を利用した「友釣り」が多く、おとりアユを追う野アユの動きが活発化するには適度な水温が必要。釣り人らは「まだ水温が低く、動きが鈍いようだ」と話し、気長に構えた。
 
甲子町松倉、県立釜石病院裏では早朝から太公望が繰り出した=5日、甲子川
写真② 甲子町松倉、県立釜石病院裏では早朝から太公望が繰り出した=5日、甲子川
 
1年ぶりのアユ釣りにこの笑顔!友釣りの“引き”の感触は最大の魅力

1年ぶりのアユ釣りにこの笑顔!友釣りの“引き”の感触は最大の魅力

 
 「毎年解禁日はここで」と、釜石の釣り仲間と竿を繰り出した宮古市の小川司さん(61)。「昨年より出だしは低調」としつつ、午前6時前には2ケタに突入。「結構いい型が釣れている」と1年ぶりの“引き”の感触を楽しんだ。シーズン中は沿岸河川を中心に足を運ぶといい、「土日は家にいないで川にいる。甲子川は水がきれいでアユの味もいい。今年も何回か来たい」と笑顔を見せた。
 
開始2時間で10匹以上。解禁日としては大きめサイズのアユが釣れた

開始2時間で10匹以上。解禁日としては大きめサイズのアユが釣れた

 
 野田橋近くで楽しんだのは大槌町の芳賀浩亨さん(63)。前日は気仙川で今季の“初日”を迎えた。「まだ(午前)5時。今は慣らしの状態」と、あえて流れが緩やかな“トロ場”に糸を垂れ、活性前の群れを狙った。「季節、天候、時間を見極めながら竿を出す。そこがアユ(釣り)の難しさ」。昨年の解禁日は午前7時から午後2時ごろまでに68匹を釣り上げたという。「8時、9時ごろになれば活性が良くなり、釣れてくるだろう」と見通した。4月の大規模山林火災では、震災で高台移転した自宅の裏山50メートルまで火の手が迫った。やっと落ち着きを取り戻しつつあり、釣った魚は「楽しみに待っている親戚に配りたい」と腕をまくった。
 
早朝は水温が低く苦戦したが、時間の経過とともにアタリの頻度もアップ

早朝は水温が低く苦戦したが、時間の経過とともにアタリの頻度もアップ

 
 河川漁協のない甲子川では遊漁料の徴収は行っておらず、自主的に資源保護活動を展開する甲子川鮎釣協力会(安久津吉延会長)に寄せられる協力金や市、企業などの助成金で稚魚の放流を維持している。協力金は甲子町の釣り具店「釣具オヤマ」などで受け付けている。
 
 同じく解禁日を迎えた鵜住居川。こちらもシーズンを待ちわびた人たちが各ポイントで釣り糸を垂れた。鵜住居川漁業協同組合(川崎公夫代表理事組合長)の組合員のほか遊漁券を購入した市内外の愛好者が足を運んだ。同河川も渇水状態から一変。6月に2日間降り続いた雨のおかげで水量が回復した。「久しぶりの大雨で川底の石が洗われ、今がちょうど(アユの餌となる)いいコケが生えてきている時期。新鮮な餌を食べているので、(アユの)香りもいいと思う」と地元組合員。
 
巡回中の漁協監視員と情報交換。今年の解禁日の状況は? =鵜住居川、5日午前8時前

巡回中の漁協監視員と情報交換。今年の解禁日の状況は? =鵜住居川、5日午前8時前L

 
 鵜住居町の長持橋上流で弟と釣りを楽しんだのは地元の澤本幸夫さん(80)。午前7時前の水温は15度。「どんなに寒くても17~18度は欲しいところ。水温が上がれば背がかりも増えてくるが…。動きが鈍い」と、おとりを替えて再チャレンジ。それでも午前5時の解禁から2時間で約10匹を釣り上げた。アユ釣り歴は51年。組合にも長く加入してきたが、人口減や高齢化で組合員数は減少傾向にある。「組合維持のためにも釣り人を育てていかないと。子どもたちの体験会とかでアユ釣りの面白さを知ってもらい、将来につなげていければ。この鵜住居川を守っていくためにも」と新たな取り組みの必要性を示した。
 
長持橋上流、板割バス停付近も人気の釣り場。水流の幅が広い

長持橋上流、板割バス停付近も人気の釣り場。水流の幅が広い

 
 解禁から約3時間。たも網に釣果を見せてくれたのは甲子町から足を運んだ吉田光夫さん(64)。数えてみると35匹に達していた。「解禁日としてはいい方かな」。体長は平均18センチで、“おとり”に適した天然(遡上)アユも。「きれいでしょ。(背)ヒレが違う。これがかかった時の引きがたまらない」と心を躍らせた。栗林町に知り合いがいる縁で解禁日には毎年、道々橋下流で釣りを楽しむ。周辺に木々がなく、釣りやすいという。「鵜住居川にはシーズン中、10回は来るかな。8月になると(アユが)また大きくなって面白い」。釣ったアユは経営する居酒屋でも振る舞い、甲子川協力金への募金も呼びかけているそう。
 
道々橋下流で竿を出した人たちはかなりの釣果。型のいいアユがかかった

道々橋下流で竿を出した人たちはかなりの釣果。型のいいアユがかかった

 
“ザ・天然”アユ! 大きくて張りのある背びれにスマートな体型が特徴

“ザ・天然”アユ! 大きくて張りのある背びれにスマートな体型が特徴

 
 「天然アユが3割ぐらいかな」と同漁協の藤原信孝事務局長。昨年は特に、産卵時期の9月半ばから10月にかけて魚影が多く見られ、産卵場所には異常なくらい(産卵後のアユを狙う)シロサギが群がっていたという。「産卵アユの多さは翌年の天然アユ遡上につながる。今日、釣れている魚を見ると例年より天然ものが多い。泳ぎのスピードが速い天然アユは釣りの醍醐味(だいごみ)になるので、うれしい傾向」と喜びを表す。これから夏本番を迎え、気温、水温がさらに上がればアユも成長。「8月には24~25センチぐらいになる。ぜひ、多くの皆さんに足を運んでほしい」と期待を寄せる。
 
道々橋(右写真)から下流域は木々などの障害物が少なく、川の近くまで車が乗り入れ可能な場所が多い

道々橋(右写真)から下流域は木々などの障害物が少なく、川の近くまで車が乗り入れ可能な場所が多い

 
立派に成長したアユがいっぱい!今年も夏の食卓を彩る

立派に成長したアユがいっぱい!今年も夏の食卓を彩る

 
 鵜住居川での釣りには組合員証か遊漁券の携帯を。同漁協の遊漁券は年券7000円、日券1500円。遊漁券は市内釣具店や流域の赤いのぼり旗を掲げた販売所、スマホアプリ「フィッシュパス」で購入できる。

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