画面を見つめる釜石市民ら=釜石PIT
ラグビー・リーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは5日、相模原ギオンスタジアム(神奈川県)で三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦。地元釜石市ではファンらが集い、画面越しに声援を送った。試合はSWが14-68で敗れたが、最後まで挑み続ける姿に会場から、「次こそは」と期待する声が上がった。
チーム主催のパブリックビューイング(PV)は今回が2回目。大町の釜石PITで約30人が255インチの大画面で観戦した。SWは相手の守備を崩せず、トライは前半の1回にとどまった。開幕から3連敗となったが、試合が終わると見守ったファンたちは拍手で奮闘をたたえた。
大漁旗をモチーフにしたTシャツに身を包んで応援した鵜住居町の徳増初子さん(71)は「点は離れていたけど、選手たちは強くなっている。次こそは勝って」と願った。新型コロナウイルスの感染流行で現地に出向くのは控えたが、「みんなと一緒に応援できる場を設けてもらってありがたい」と感謝した。
■トンガ支援 チャリティーTシャツ販売
トンガ支援のチャリティーTシャツと募金箱=釜石PIT
PV会場の応援席では、赤色のTシャツを着たファンらの姿が目立った。海底火山の大規模噴火で津波や火山灰の被害を受けたトンガを支援しようと、SWが製作したチャリティーTシャツだ。トンガ国旗と赤地に白で「PRAY FOR TONGA」との文字をプリント。3000円で販売し、経費以外がトンガへの義援金として送られる。
SWにはこれまでトンガ出身の選手が何人も在籍していた。現在、チームで主務・通訳を務めるマヘ・トゥビさんも同国出身。そして、東日本大震災時には同国から支援を受けたこともある。桜庭吉彦ゼネラルマネジャーは「困っている人に手を差し伸べる、これがラグビー精神だと思う。できるわずかなことかもしれないが、少しでもトンガの復興が進めば」と祈った。
会場には募金箱も設置し、協力を呼び掛けた。この取り組みは今後も継続する予定だ。