高校時代の恩師のビデオメッセージに思わず顔をほころばせる新成人

感謝の思いを胸に 復興への貢献誓う〜釜石市成人式に257人出席、新時代「令和」に羽ばたく

高校時代の恩師のビデオメッセージに思わず顔をほころばせる新成人

高校時代の恩師のビデオメッセージに思わず顔をほころばせる新成人

 

 成人の日の13日を前に、釜石市では12日、市と市教委が主催する「成人のつどい」が釜石市民ホールTETTOで開かれた。小学校5年から6年に上がろうとしていた時期に東日本大震災を経験した、今年の新成人。家族や地域の住民に支えられて晴れの日を迎えた感謝の思いを胸に、復興から新たなまちづくりへと向かう古里釜石の力になろうと、それぞれの道での精進を誓った。

 

 今年の新成人は1999年4月2日から2000年4月1日までに生まれた人たち。式典には市内在住者を中心に男性131人、女性126人の計257人が出席。市内の水産加工場で技能実習生として働く12人のベトナム人女性も加わった。

 

 司会進行は、釜石東中出身で花巻東高から武蔵大に進んだ浦島春樹さん(20)=埼玉県在住=が担当。「感謝の気持ちと新たな決意を込め、式典を盛り上げよう」と呼び掛けた。

 

 震災の犠牲者に黙とうをささげて開式。野田武則市長は「まちが崩壊し、多くの市民が犠牲となった震災の教訓を忘れてはいけない」と戒めた上で、「幾多の困難を乗り越えてきた釜石人としての誇りを持ってほしい」と強調。昨年のラグビーワールドカップ(W杯)を「ワンチームのラグビー精神と復興まちづくりは同じと気付かされた」と振り返り、「知恵と力で新しいまちづくりに貢献していただきたい」と呼び掛けた。

 

 新成人を代表して抱負を述べた和野内遥さん(20)=東京都在住=は釜石中出身で盛岡一高から工学院大学に進んだ。高校時代に「世界津波の日高校生サミット」に参加した体験などに触れながら、「釜石がさらに活気のある素晴らしいまちになるよう頑張ります」と決意を述べた。

 

 新成人の有志18人が郷土芸能の「虎舞」を披露。釜石高音楽部の4人がリードし、「釜石市民歌」を斉唱した。

 

 式典が行われたホールAの外では、釜石市民吹奏楽団がブラスバンドの演奏で盛り上げ。釜石茶道協会は来場者にお茶を提供し、新成人の門出を祝った。会場には金屏風も用意され、晴れ着に身を包んだ新成人らが仲間と共に次々と記念撮影。あちこちで再会を喜び合う笑顔の花が咲いた。

 

二十歳の門出 トライで祝福

 

晴れ着姿で楕円のボールを抱え、夢や希望に向かって突進する新成人

晴れ着姿で楕円のボールを抱え、夢や希望に向かって突進する新成人

 

 釜石市成人のつどいの関連イベントとして12日、式典会場に隣接するイオンタウン釜石で「ストリートラグビー」の体験会が開かれた。晴れ着姿の女性も楕円(だえん)のボールを抱え、夢に向かってひたすら突進。サポートするスタッフらが「ナイストライ!」と二十歳の門出を祝福した。

 

 体験会は、釜石市ラグビーワールドカップ2019推進本部が昨年の成人のつどいに続いて企画。式典を終えた新成人が晴れ着姿のまま専用フィールドに足を運び、次々とトライした。

 

 甲子町出身で東北工業大(仙台市)2年の菊地伶奈さん(20)は中学時代の友人と仲良く挑戦。去年のラグビーワールドカップ(W杯)では残念ながら、釜石での試合を観戦することはできなかったが、「釜石に訪れた多くの人をテレビで見て驚いた。W杯をきっかけに、にぎわいのあるまちになってほしい」との願いを込め、フィールドを駆け抜けた。

 

(復興釜石新聞 2020年1月15日発行 第858号より)

 

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問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

思い思いに猫との触れ合いを楽しむ姿が見られる店内

猫と触れ合い「里親」探し、新たな飼い主との出会いの場に〜「保護猫アンドゥ」大渡町にオープン、運営ボランティア約30人登録

思い思いに猫との触れ合いを楽しむ姿が見られる店内

思い思いに猫との触れ合いを楽しむ姿が見られる店内

 

 行き場のない猫たちが新たな居場所を探す場、新たな飼い主との出会いの場に―。釜石市大渡町に「ふれあいと譲渡の猫家(にゃんち) 保護猫アンドゥ」の新店舗がオープンし、愛らしい猫たちが訪れる人たちに癒やしの時間を提供している。譲渡活動を主とし、保健所に引き取られた猫などとの触れ合いを楽しんでもらいながら「里親」探しを目的にしているのが特徴。責任者として同施設を運営する鈴子真佐美さん(55)は「なぜ保護猫がいるのか、施設が必要かを考えるきっかけにしてほしい」と願う。

 

 アンドゥは2018年9月に大渡町の大渡橋たもとの賃貸物件を利用し、県沿岸初の保護猫施設としてプレオープン。譲渡活動のほか、▽諸事情で飼うことが難しい人や猫好きな人と、里親との縁を待つ猫たちが触れ合える場▽運営に携わるボランティアの交流の場▽動物愛護の取り組みの発信―にも取り組んできた。

 

 もともと自宅そばでの施設運営を視野に入れていた鈴子さん。夫が町内で経営していた整骨院をたたみ、隣の私有地に一戸建て店舗を新築して活動を応援してくれたこともあり、昨年12月に新店舗に移り、グランドオープンした。

 

 新店舗は建物の2階(延べ約80平方メートル)を利用。猫と触れ合えるスペースには木材を組み合わせた遊具を設けた。人慣れしていない猫を保護するバックヤード、キッチンも備えた。

 

建物の2階フロアを利用してオープンした「保護猫 アンドゥ」

建物の2階フロアを利用してオープンした「保護猫 アンドゥ」

 

 1月のある日、店内では猫じゃらしのおもちゃを持った客が猫と遊ぶ。猫たちは皆、好奇心が旺盛で、座っている客の背中や脚にすり寄ったり、ひざの上に乗っかかったり。その愛くるしさに女性客らは「何時間でも居たい」と顔をほころばせる。

 

 現在、店舗にいる猫は30匹。釜石保健所から預かったり、個人的に引き取っている。運営ボランティアとして約30人が登録しており、掃除など日々の活動をサポート。鈴子さんは「保健所が引き取った猫の世話も行うという行政と連携した取り組みが画期的。実質殺処分ゼロにつながっている」と強調する。

 

 自宅で保護活動をしていた鈴子さんが3年ほど前に初めて世話した2匹の子猫が「アン」と「ドゥ」。18年に譲渡型保護猫施設を始める際、初心を忘れないようにと店名にした。

 

 それから1年3カ月の昨年12月現在で68匹が新しい家族の一員に。施設を利用し多様な個性を持った猫たちと触れ合って猫との生活の疑似体験をしてもらい、猫の性格を理解した上で里子に迎えてもらいたいとの思いが実りにつながっている。

 

 鈴子さんは「猫と触れ合い、のんびり過ごしてほしい。ここにいる猫の健康を守り、全員を送り出すことが目標」と目を細めた。

 

 営業は午前11時から午後4時(土日・祝日は同5時)で、水・木曜定休。入場料はフリータイムが1千円(中学生以下は500円)、30分が500円(同300円)。中学生以下だけでは入場できない。駐車場あり。

 

 問い合わせは鈴子さん(電話090・7525・0388)へ。

 

(復興釜石新聞 2020年1月11日発行 第857号より)

 

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小佐野保育園児は路線バスで参拝し、原副分団長の介添えで餅つきを楽しんだ

復興願い「どんと祭」、寒気の中で松明け行事〜燃える火囲み住民交流

大渡町で正月の風物詩

 

多くの市民の願いを集め、焚き上げの炎が穏やかにたなびいた

多くの市民の願いを集め、焚き上げの炎が穏やかにたなびいた

 

 松明けの7日、釜石市内の各地で正月飾りを焚(た)き上げる「どんと祭」が行われた。6日は1年で最も寒さが厳しくなる時期の到来を告げる「小寒」だった。7日は朝から冷え込んだものの天気は晴れて風も弱く、絶好の“焚き上げ日和”となった。集まった人たちは立ち上る炎に手を合わせ、新しい年の多幸や平穏を祈った。

 

八雲神社 かわいい園児が餅つき

 

小佐野保育園児は路線バスで参拝し、原副分団長の介添えで餅つきを楽しんだ

小佐野保育園児は路線バスで参拝し、原副分団長の介添えで餅つきを楽しんだ

 

松倉町内会 安全を祈る

 

伝統行事は、手慣れた役員が松飾りの分別をして順調に

伝統行事は、手慣れた役員が松飾りの分別をして順調に

 

(復興釜石新聞 2020年1月11日発行 第857号より)

 

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夢の聖火ランナーに、岩手県トライアスロン協会会長 三上さん〜五輪イヤーに大きな希望、6月18日 リレーでつなぐ

夢の聖火ランナーに、岩手県トライアスロン協会会長 三上さん〜五輪イヤーに大きな希望、6月18日 リレーでつなぐ

復興五輪”を盛り上げたいー。被災地での聖火リレーを楽しみに待つ三上雅弘さん

“復興五輪”を盛り上げたいー。被災地での聖火リレーを楽しみに待つ三上雅弘さん

 

 東京五輪・パラリンピックが開催される2020年が、いよいよ幕を開けた。「復興五輪」を掲げる同大会の注目の一つが、東日本大震災被災地での聖火リレー。公募で聖火ランナーに選ばれた釜石市大町の任期付き市職員三上雅弘さん(56)は「一生に一度のこと。夢のよう」と、幸運を手にした五輪イヤーに大きな希望を膨らませる。 

 

 全国47都道府県を巡る聖火リレーは3月26日の福島県を皮切りにスタート。岩手県は39番目の通過地で、6月17~19日までの3日間、28市町村の52・16キロ(264区間)で聖火がつながれる。三上さんは18日、岩泉町から陸前高田市まで沿岸8市町村で実施されるリレーで、いずれかの区間(1人約200メートル)を走ることが決まっている。

 

 一般公募ランナーの募集は昨夏行われ、5つの応募先(各都道府県実行委、リレー協賛4社)が設けられた。全てに応募した三上さんは、協賛の日本コカ・コーラ枠で当選を果たし、昨年12月25日に正式決定通知を受けた。

 

 応募フォームにはアピールポイントなどを書く作文欄がある。岩手県トライアスロン協会の会長を務める三上さんは、甚大な被害を受けた震災から立ち上がり、仲間と力を合わせ「釜石はまゆりトライアスロン国際大会」を復活させたことを書いた。

 

復活したはまゆりトライアスロンで笑顔満開の三上さん(前列左)=2015年

復活したはまゆりトライアスロンで笑顔満開の三上さん(前列左)=2015年

 

 釜石市内の走行コースは魚河岸から市民ホールTETTOまでの約1キロ。日本一7連覇の元新日鉄釜石ラグビー部で、現日本ラグビー協会会長の森重隆さん(68)ら2人が県推薦のランナーとして発表されており、「計算上、公募ランナーは3人走ることになるのではないか。できれば地元釜石のコースを走りたい」と三上さん。

 

 2011年の震災では、時計店を営んでいた只越町の店舗兼自宅が津波で全壊。定内町の仮設住宅で7年間暮らし、18年4月、大町に再建した自宅に移った。「被災後は多くの支援、応援を受け、ここまで来ることができた。1人ではなく、思いを寄せてくれた人たちみんなで走るというイメージで、聖火をつなげられたら」と願う。

 

 大会でのもう一つの楽しみは、2000年のシドニー五輪から採用されたトライアスロン競技。震災後の釜石大会には08年の北京五輪で歴代日本人最高の5位入賞を果たした井出樹里さん(36)が3年連続で出場し、最後のゴールまで選手を鼓舞する姿が選手、スタッフに勇気を与えた。「東京五輪から新たに男女のミックスリレーも行われる。いずれかで日本人がメダルに絡んでくれれば、競技の普及に弾みがつく」と期待を寄せる。

 

 釜石南高(現釜石高)時代はラグビー部に所属。ボランティアから始まった釜石のトライアスロンには選手、役員として長年携わり、ジョギングで鍛える健脚で仙人峠マラソン大会への出場も続ける三上さん。

 

 「スポーツは人の心を動かす大きな力がある。昨年のラグビーワールドカップ(W杯)同様、感動あふれる年になれば」

 

 ラグビーW杯から東京五輪へ―。世界的スポーツの祭典に心躍る1年が再び始まる。

 

(復興釜石新聞 2020年1月8日発行 第856号より)

 

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釜石中出身の菊池流帆選手、国内最高峰サッカーJ1へ〜天皇杯優勝の神戸に加入、J2山口から移籍

J1神戸に加入した菊池流帆選手はFC釜石の後輩とミニゲームを楽しむ=4日、釜石市球技場

J1神戸に加入した菊池流帆選手はFC釜石の後輩とミニゲームを楽しむ=4日、釜石市球技場

 

 サッカーJ2レノファ山口FC(山口県)からJ1ヴィッセル神戸(兵庫県)への加入が決まった釜石市出身の菊池流帆(りゅうほ)選手(23)は年末年始を故郷で過ごし、FC釜石の子どもたちと交流するなど新天地での活躍へ向けて英気を養った。釜石初のJ2リーガー菊池選手は、わずか1年で国内最高峰のJ1リーガーとなる。しかも神戸は、元日の第99回天皇杯サッカーで栄冠を手にしたチャンピオンチーム。「近い将来、日本代表やヨーロッパのチームに」という菊池選手の目標も現実味を帯びてきた。

 

 菊池選手は定内町の自営業菊池公威さん(49)、祐子さん(48)の長男。サッカーは幼児期から始め、小学校2年生でクラブチームに入団。優れた運動能力は、小佐野小6年の時にタグラグビー全国大会に出場するなどして証明した。釜石中1年からFC釜石(U―15)に入った時点で、プロになる決意を固めていた。

 

 高校サッカーの強豪・青森山田から大阪体育大へ進んだのは、目標に向けた選択。高校からDF(ディフェンス)プレーヤーとなり、大学では1メートル88センチ、体重80キロ前後の恵まれた体力を生かし、頭角を現した。3年生だった2017年夏、世界ユニバーシアード台北大会の優勝に貢献。4年生では関西大学リーグを制した。

 

 一昨年暮れ、J2レノファ山口と契約し、プロ入りの目標を達成した。山口では主としてリーグ後半から35試合に出場し、3得点を記録。1点は足技、2点は長身を生かしたヘディングで挙げた。

 

 その活躍に、J1神戸が獲得に乗り出した。菊池選手の移籍が発表されたのは昨年12月24日。年が明けた元日には、新国立競技場の「こけら落とし」ゲームとなった天皇杯で神戸は鹿島アントラーズを2―0で破り、初優勝した。

 

 神戸の中心選手には元スペイン代表で2010年のサッカーW杯優勝メンバー、アンドレス・イニエスタ、元ドイツ代表ルーカス・ポドルスキ、日本代表のMF山口蛍らがいる。

 

FC釜石の後輩と交流、正月休み 故郷で英気養う

 

 菊池選手は4日、FC釜石の後輩メンバーら50人とミニゲームを楽しみ、J1選手の強いボディーコンタクト、スピード、足技の片りんを示した。

 

 U―15のキャプテン佐守賢寿君(甲子中2年)は4歳からボールに触れ、小学生後半からGKに専念。「菊池さんのJ2での活躍はユーチューブで見ていた。フィジカルの強さが印象的で、J1に上がる可能性を思わせるプレーだった。もっと高いテクニック、強いフィジカル、スピードが求められる。神戸での活躍を見たい」と期待した。

 

 FC釜石で菊池さんを指導した小山善司さん(53)は「強い気持ちが、1年でJ1に押し上げた。すごいことだ。あのイニエスタとプレーするんだ」と、ため息交じりに語った。別の指導者は「J1、しかも天皇杯を獲得したばかりのヴィッセル神戸に入るなんて、流帆は“持っている”」と理想的なステップアップに驚いた。

 

 菊池選手は「子どもたちとゲームして楽しかった。(中学生は)ぼくのころより上手だ」と目を細めた。今後のJ1でのプレーには「すばらしいチームでプレーできる。臆せず、自分らしいプレーを貫き、日本代表に選ばれるようがんばる。(大震災を乗り越えた)子どもたちに勇気や希望を与えられる選手になりたい」と語った。

 

 サイン会には子どもや保護者が列をつくった。レノファ山口の公式サイトで、「神戸には成長するためではなく、成功しに行く」とファンとの別れの言葉をつづった菊池選手。色紙には、プロ選手としてのスタートを切った山口での背番号「49」を添え、新チームでの飛躍を期した。

 

 菊池選手は7日、家族と共に新天地の神戸へ向かった。

 

(復興釜石新聞 2020年1月8日発行 第856号より)

 

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広報かまいし2020年1月15日号(No.1728)

広報かまいし2020年1月15日号(No.1728)

広報かまいし2020年1月15日号(No.1728)

 

広報かまいし2020年1月15日号(No.1728)

広報かまいし2020年1月15日号(No.1728)

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【P1】表紙
【P2-3】会計年度任用職員の募集
【P4-5】税の申告について
【P6-7】危機対応研究センター事業/ごみ減量にトライなど
【P8-11】すこやかアイドル/コンサートの案内/インフォメーション
【P12-13】まちの話題
【P14-15】保健案内板
【P16】三陸ジオパーク

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電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1234692_2596.html
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釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

 

佐々木 和樹(ささき かずき)選手(所属先:産業振興(株))プロフィール
2008年加入/1989.12.27生(30歳)/181cm/110kg/岩手県紫波町出身/盛岡工業高校卒
 
●ラグビーを始めたきっかけ: きっかけは中学特設ラグビー部。始めたのは16歳から。
●ポジションの遍歴:LO(高1)、あとは3番(PR)だけ
●ニックネーム:ゴリラ
●趣味:農業?
●好きな食べ物:肉!
●釜石のオススメ:鬼灯
●出身地のオススメ:フルーツ、ワイン
●試合前のルーティンワーク:スパイクを拭く
●ストロングポイント:スクラム!
●サポーター、ファンへメッセージ:熱い声援をこれからもお願いします!

 

インタビュー日:2019年12月17日(釜石シーウェイブスRFCクラブハウス)
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文:市川 香織(釜石まちづくり株式会社)
写真:西条 佳泰(株式会社Grafica)

 

まさか自分がそのチームに…

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

 

ーー2008年加入。入団のきっかけは?

 

佐々木選手:

盛工(盛岡工業高校)の当時の監督の小笠原さんに、「高校卒業したら進路はどうしたい?」と聞かれまして、その時には就職しようと話が進んでいたので、「県内で仕事をしながら実家の仕事(農業)を手伝おうと思っています」という話をしたら、「そうか、じゃぁラグビーはどうする?」とさらに聞かれまして、「まぁ、出来れば・・・。出来ればやりたいです!」っていう感じで答えたんです。
 
そうしたら、小笠原さんがシーウェイブスに繋いで下さり、高橋善幸さんが盛工まで訪ねて来て下さって、「SWという道もあるがどうだろう?」というお話を頂きました。その時は正直、予想以上のガチな(レベルの高い)チームからのオファーが来たなぁ!と思ったんですが、仕事(産業振興(株))をしながらSWでラグビーをさせて頂く事になりました。

 

ーーチームについては入る前からご存知だったと思うんですが、どんな印象をお持ちでしたか?

 

佐々木選手:

高校の時から、IBC杯とか、盛岡での試合を観戦に行ったり、前座試合でプレーしていて、社会人ラグビーで県内を代表するチームという事で、「やっぱりすごいな、強いな!」という印象でしたね。
 
なので、さっきの話に戻りますけど「まさか自分がそのチームに入るのかぁ・・・」って言う、やる気というより自分がやっていけるのか?大丈夫なのか?という気持ちが大きかったですね。
 
実際、加入後にスクラム練習に入ったら、全然通用しなかったんですよ。組むと後ろのロックからの押しもすごいし、前からの押しもすごくて、1,2回組んだだけで腰を痛めてしまって・・・。それが一番の思い出というか、記憶に残っている事ですね。「スクラムがやばい!」という(笑)。

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2015.9.27 日本IBMビッグブルー戦 @釜石市球技場

 

ーー特にFWは、高卒で入ると体の大きさ、強さという部分ではやはりだいぶ差がありますよね。

 

佐々木選手:

全然違いましたね。僕が居た頃の盛工はまだ強い時期だったので、変な話、スクラムくらいはある程度出来るだろうと思っていたんですよね。でもやっぱり、そこは高卒なんで、上の世界を知らなかったからこその考えというか・・。本当にレベルが違い過ぎて、「ワォ!」っていう感じでしたね(笑)。

 

“誇り”と“意地”を持って

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦 @釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー在籍12年目。釜石ラグビーの伝統を受け継ぐ存在といいますか、高卒入団でポジションはFW。ご自身としては、そのあたりはどうでしょうか?

 

佐々木選手:

何て言うんですかね、SWに限らず、東北のチームというと“FW”というイメージがあるので、その辺りには“誇り”というか、“意地”を持ってやっているつもりではいます。
 
正直、たまに「だるいなぁ~」なんて言ったりもしていますけど、やっぱりやるからには勝ちたいっていうのがありますしね。そこらへんは、昔からFWしかしてきていないし、スクラムしかないしという感じですね。

 

ーーその姿をファンの方々もずっと見て来ているので、一番思い入れがある選手だと思うんです。だから、試合に出ていないと淋しいと言いますか。そういう言葉かけられませんか?

 

佐々木選手:

ありがたい事に、ファンの方や地域の皆さんによく声をかけて頂きます。ケガしていた時は、(試合会場の)受付テントにいると、「なんだ和樹、今日出ないのか?」「いやぁ、まだリハビリ中で・・・・」「なんだじゃぁ~!」「いや、すみません!」「はやく治してよ!頼むよ!」みたいなやり取りを良くさせて頂いています(笑)。

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2015.9.27 日本IBMビッグブルー戦 @釜石市球技場

 

ーーそういう事もあり、和樹さんが試合に出場すると、観客がひときわ盛り上がります!声援聴こえますか?

 

佐々木選手:

今シーズン、リザーブで途中から出る時に、「和樹~行け~!!」とかの声援はちゃんと聴こえています。
ほんとにそれで結構テンション上がるんですよね。「やべぇ、やるしかねぇ!」みたいな。
本当は後ろを振り向いて、手を振って声援に応えたいくらいなんですが、やると怒られると思うんで(笑)。

 

ーー余裕だな!みたいな(笑)。

 

佐々木選手:

そう見られちゃうんで(笑)。たぶん、コーチとかからもめっちゃ怒られると思うので(笑)。なので、心の中で「ありがとう!」って言いながら、ピッチに出て行っています!
釜石の声援は、昔からずっと変わらずにスゴイです。応援団、サポーター、ファンの皆さんには、感謝しかないです!
 
それから、応援歌の「♪おっお~」っていうフレーズが聞こえてくると、またテンション上がりますしね。アップ中に聞こえてくると一緒に口ずさんだりして。外国人選手もあの歌い出しの部分はすぐに覚えるみたいで、「♪おっお~」って歌ってますよ。

 

若手に教えて分かってくれた時が一番うれしい

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦 @釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー公式戦復帰。待っていました!という気持ちでした。

 

佐々木選手:

ようやく出られる様になって、「和樹が出るとやっぱり空気が変わる」「スクラムが安定するようになる」と言って頂いて・・・。そう言ってもらえるのはやっぱり嬉しいですね。

 

ーースクラムの安定の部分は本当にそうだと思います。和樹さんが復帰して、他のFWのケガをしていた選手も戻ってきて、練習から良いスクラムが組めている感じですか?

 

佐々木選手:

そうですね。正直、メンバーが変わるとなかなか上手く行かない時もまぁあるんですけど、今のメンバーだと、10年目の髙橋拓也とか戻って来た吉田竜二とか、昔から知っているメンバーで前列を組める事がチームにとってはプラスというか、ずっと組んで来たからこそ、すぐに言えたり共有できる部分があるので、それは大きいかなと思います。まずそこが固まって、そこから前列の若手に教えて、分かってくれた時がやっていて一番嬉しいですね。
 
モーガン(ミッチェル選手)も入ったばかりですけど、スクラムの癖は少しあるけどフィットして組めていますし、フィールドプレーも良いですよね。
 
グン(田嶋選手)は、もうちょっと頑張ってくれればいいかなぁ。今見ていると、グンは昔の俺みたいな感じですね。喋らないし、まだチームにちょっと慣れ切ってもいなくて。
 
でも、この間のFW合宿では、悔しい部分があったようで涙を流していたりとかして、熱い想いを持っているんですよね。あとは、何が悪いのかを自分で判断しながら成長して行ってもらえればいいと思いますね。
そうやってグンが育って来たら、「良くなったな!じゃぁな!後は頼むぞ!頑張れよ!」って後を託す。それが夢ですかね。

 

若手を育てていけたら

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2019.11.23 九州電力キューデンヴォルテクス戦 @釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー今シーズン、トップリーグカップ戦に出場が無かったのはケガのせいですか?

 

佐々木選手:

昨シーズン中にケガした時に、手術しないで何とかだましだまし乗り越えて、今年(2019年)の2月に手術したんです。前十字靭帯断裂、右は2回やっていますね。プロになってここ数年は、シーズンを通してしっかり出場したと言えないというか、ケガでちょくちょく抜けていましたね。

 

ーー今、プロになって・・・と出ましたが、プロになったのが・・・。

 

佐々木選手:

もう4年半前ですかね。まぁ、本当はそのタイミングで終わるはずだったんですけどね・・・。
実家の親父が亡くなって、それで、実家の仕事(農業)を継ぐ必要があって。なので、親父が亡くなった瞬間に、「釜石での生活(ラグビーと仕事)も終わったなぁ」と、すぐに思ったんですよね。SWでは終わりだなと。
 
でもその時に、坂下(功正)さん(現シニアアドバイザー)と産業振興の上司の熊谷さんが、親身になって相談に乗ってくれて、坂下さんが「こういう道もあるみたいだぞ」とチームとの橋渡し役になって下さって、チームからは桜庭さんや三浦(健博)さんが実家まで来て下さって、実家の仕事を継いでもチームに残れる道を提案して頂いたんです。
 
釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』
 
自分としては、実家の仕事をしながらそのままSWを続けると中途半端になるんじゃないかと思っていて、例えば、田植えの時期に田植えしてラグビーやって・・・と考えると、絶対に中途半端になるから、俺はちょっとそれは嫌なんですけど・・って、最初はそういう感じだったんです。
 
それでも、チームもそうした事情をちゃんと理解した上で、田植え休みを取れるようにするし、「その辺は調整して相談しながらやって行こう、どうだ?」と言って頂いて、それに乗っからせてもらって今があるという感じですね。今ではすっかりチームに甘えていますけど、ありがたかったですね。ほんとに。

 

ーー普通の社会人の世界なら30歳はまだまだこれからの年齢ですけれど、ここ最近SWは一気に若返って、和樹さんも上から数えた方が早くなりましたね。

 

佐々木選手:

いきなりっすもんね(笑)。ついこの間は、26、7歳くらいまではまだペーペーというか、伊藤剛臣さんとかがいて年上ばっかりだったんですけどね!若手、一気に増えすぎでしょう(笑)

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2015.9.27 日本IBMビッグブルー戦 @釜石市球技場

 

ーー今のチームの雰囲気はどうですか?

 

佐々木選手:

雰囲気的にはいいんじゃないですかね。若手もしゃべりたい事はしゃべっているし。小野・中野両キャプテンについても、小野はしゃべりやすい後輩ですし、中野はタメ(同い年)なんで、ふざけ合ったりする事もありますしね(笑)。
 
良く言えば、気軽に何でも言える空気の中でやれているのかなと思います。前は、厳しい先輩方がいっぱいいたので、ピリピリしながらやってましたけど(笑)。

 

ーーご自身のチームの中での役割については?

 

佐々木選手:

役割ってほど大した事はしてないと思うんですけど、セットプレーしか出来ないので。そこらへんは、自分だけではなくて、上手く若手を育てられればいいと思いますね。

 

このチームで、やっと出来る

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦 @釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー今シーズンここまで、感触的にはどうですか?

 

佐々木選手:

この間の豊田自動織機戦は、すっかりやられた・・・っていう感じですね。ラインアウトもだし、自分の持ち味のスクラムも。あの試合、後半残り20分くらいに“何とか空気を変えてやろう”と出たんですけど・・・最後まで修正出来ないで終わったので、本当に悔しかったです。なので、これからもうちょっと修正します。
 
試合に勝っても、スクラムで負けると気持ち悪いですからね(笑)。BKが上手くやって勝つ試合もあるんですけど、スクラムで負けているとやっぱ腹が立つんです(笑)。変な話、体を壊しても膝を壊しても、意地じゃないですけど負けたくないですね。スクラムだけは。

 

ーースクラムが勝つとチーム全体も盛り上がりますもんね。

 

佐々木選手:

そうなんですよね。今シーズンは最後の20分くらいから出る事の多い中で、何を求められているか?と言ったら、スクラムでペナルティを取り返すか、最低でもスクラムを安定させる事だというのは分かっているので、残りの試合もキツイ試合になると思うんですけど、やっぱりそれを出して行きたいです。

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2015.9.27 日本IBMビッグブルー戦 @釜石市球技場

 

ーーFWとして、もう少しここを積み上げたいという所は?

 

佐々木選手:

練習で出来ている事を、試合で出せるようにする事ですかね。HCのスコッティも言っているんですけど、スクラム練習の時は全員が集中して出来ていても、実際の試合になると、当たり前ですけど、スクラムだけ組んでいるわけではなく他のプレーもしているので、そういう試合の流れの中で、練習と同じ様に集中して100%出せているか?・・・というと、出せていないんです。ラインアウトもディフェンスも同じ事が言えると思うんですね。
 
それでも、せめてセットプレーは100%でやりたいので、それを毎回繰り返して行く中で「今の感覚良いな」というのを話し合い、確認し合いながら、試合で出せるようにしたい思っています。
細かく言うと、スクラムを組む前にもう少し良い準備を毎回していけば、もっと良いスクラムが組めるんじゃないかなと。そこを積み上げて行きたいですね。

 

ーー入替戦の無い今シーズンですが、どこにモチベーションを置いてこの後の試合を戦いますか?

 

佐々木選手:

やっぱり、チームが掲げている“ベスト4”以内というのが一つの目標ですね。
 
個人的には、これまで結構ケガが多かったですが、やっと復帰してようやく試合に出られるようになって、だけど毎年毎年出られるかというと、若手も育ってきていますし、そう考えるとこの先の選手生命もそんなに長くないと思っていて。
今まで貢献出来なかったので、このチームでやっと出来るというか。なのでそういう気持ちで、目標の“ベスト4”に入る為にチームに貢献して行きたい。それだけですね。

 
 
 

リーグベスト4を掛けた最終戦は、1月19日(日)、東京 秩父宮ラグビー場で行われます。
対戦相手は、清水建設。勝って有終の美を飾り、来シーズンに繋げて欲しいですね!頑張れ、釜石SW!

 

2019 ジャパンラグビートップチャレンジリーグ

第7節 01月19日(日) 11:30 秩父宮ラグビー場
対 清水建設ブルーシャークス
※今シーズンは、上下リーグとの入替戦は行われません。
 
詳細は、釜石SW公式サイトでご確認ください。
http://www.kamaishi-seawaves.com/

4色の光で浮かんだ「ONE TEAM]

4色で彩る「ONE TEAM」、W杯への感謝 光で発信〜うのスターライト2020

4色の光で浮かんだ「ONE TEAM]

4色の光で浮かんだ「ONE TEAM]

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催の感謝の気持ちを発信するライトアップイベントが12月31日夕から元日の朝にかけて釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。W杯で盛り上がった1年の最後を彩り、新しい年への期待を4色の光に込めた。

 

 市ラグビーW杯2019推進本部事務局が企画した「うのスターライト2020」。グラウンド中央にLEDのチューブライトで「ONE TEAM ONE KAMAISHI」(釜石はワンチーム)の文字が浮かんだ。

 

 残念ながら台風災害の影響で中止となったカナダ―ナミビア戦の実現へ期待を込め、「We Will Meet Again」(また会いましょう)のメッセージも添えた。

 

 メインスタンドではW杯の試合動画も上映され、日本代表の快進撃で沸いたW杯を振り返った。来場者には甘酒が振る舞われ、大会のロゴが入った手提げバッグなど非売品グッズも贈られた。

 

 スタジアムツアーも行われ、選手が使用するロッカールームなどを見学。昨年7月に同スタジアムで行われたパシフィックネーションズカップ(PNC)の際に日本代表メンバーが記念に残したサインなども公開された。

 

ロッカールームに残された日本代表メンバーのサインをバックに記念撮影

ロッカールームに残された日本代表メンバーのサインをバックに記念撮影

 

 釜石市甲子町から訪れた会社員、藤井輝彦さん(53)は「W杯効果は一過性のものと考え、初めは開催に反対だった」と思いを明かす。しかし、大会は予想以上に盛り上がり、「これから未来につながるものになってほしい」と気持ちを変えた。

 

(復興釜石新聞 2020年1月4日発行 第855号より)

 

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復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

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3年目となった元日の餅まきは今年も大にぎわい

新春ならでは 大盤振る舞い〜イオンタウン釜石、餅まきで大盛り上がり

3年目となった元日の餅まきは今年も大にぎわい

3年目となった元日の餅まきは今年も大にぎわい

 

 釜石市内の初売り商戦は元日からスタート。2014年3月にオープンした港町のイオンタウン釜石は6年目の初売りを迎えた。元日は通常より1時間早い午前8時の開店を前に、昨年を270人ほど上回る約830人が列を作り、期待の高さをうかがわせた。元日の入店客は約1万6800人に上った。

 

 初売りのお楽しみ「福袋」は専門店とスーパーセンター合わせ、5700個を用意した。今年は元日から売れ行きが好調で、昼ごろまでに完売した店も。昨年10月の消費増税の反動もあってか、金額以上の商品が入る福袋は人気を集めたようで、複数の福袋を手にする客も多く見られた。

 

 元日は2階のイベントスペースで、初売りを盛り上げる「紅白餅まき」を実施。開始時刻の午前11時には同スペースを埋め尽くすほどの大勢の人が集まった。客と新年のあいさつを交わした森信義モールマネジャーは、今年3月でオープンから丸6年となる同施設について「ここは出会いの場。展示、発表会などにも利用していただき、商業だけではない店づくりを目指したい」と意気込みを示した。まかれた餅は3千個。8割には「専門店賞」として、各店舗の割引券や体験券などが入れられており、新春ならではの大盤振る舞いに客が笑顔を広げた。

 

 東京都世田谷区の櫛引明佳さん(43)は家族4人で甲子町の実家に帰省中。元日、初売りに足を運んだ。「震災後、まだ店が少ない時にイオンが釜石に来てくれて、まちはだいぶ変わったと思う。(釜石復興に)果たしている役割は大きい」と実感。長女の桃佳さん(9)は両手に餅を広げ、「楽しかった」と満足げ。「学校の宿題で書き初めをするので、半紙と硯(すずり)を買おうかな。岩手にいる間にそり滑りや温泉にも行きたい」と目を輝かせた。

 

 イオン釜石は昨年、ラグビーW杯釜石開催を盛り上げようと、「食・観光・歴史」をキーワードに三陸をアピールする物販や展示企画を実施。集客策の長期開催イベント「チームラボ」には期間中、約1万8千人が来場した。「外国人を含め県外からのお客さまが増えた実感はある。飲食、食品関係(土産物など)は特に好調だった」と森マネジャー。今後の店舗展開について「ニーズの高い健康やカルチャー(趣味)に関する店、講習会など体験型の機会も増やしていければ」と話した。

 

(復興釜石新聞 2020年1月4日発行 第855号より)

 

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CINEPIT映画上映会「記憶にございません!」

CINEPIT映画上映会「記憶にございません!」

CINEPIT映画上映会「記憶にございません!」

 

三谷幸喜の長編映画監督8作目で、記憶をなくした総理大臣が主人公の政界コメディ。史上最低の支持率を叩き出した総理大臣を中井貴一が演じるほか、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市ら豪華キャストが顔を揃える話題の映画がCINEPITに登場です。255インチの大画面スクリーンと高音質サウンドで、話題の映画をぜひお楽しみください。

 

 

上映日時

2020年1月19日(日)
①13:30〜15:40
②16:20〜18:30

入場料金

一般1,000円
中学生以下無料

会場

チームスマイル・釜石PIT(釜石情報交流センター内)
全席自由 90席

主催

CINEPIT運営委員会
(釜石まちづくり株式会社、一般社団法人チームスマイル、釜石市、釜石シネクラブ、みやこ映画生協)

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社 TEL 0193-22-3607
作品に関して:シネマリーン TEL 0193-64-5588

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

JR釜石駅にお目見えしたラグビーボール形のモニュメント

ラグビーボール モニュメント、釜石駅に設置 W杯レガシー発信〜日本テレビ贈呈 東京・汐留から移設

JR釜石駅にお目見えしたラグビーボール形のモニュメント

JR釜石駅にお目見えしたラグビーボール形のモニュメント

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会のレガシー(遺産)を「ラグビーのまち釜石」に―。釜石市の玄関口、JR釜石駅(吉田正樹駅長)東側入り口付近にラグビーボールの形をしたモニュメントがお目見えした。W杯期間中に東京・汐留に設置されたモニュメントを譲り受け、移設。レガシーを発信し、地域振興につなげる。

 

 W杯公式球を模したモニュメントは高さ2・7メートル(台座含む)。大会中の試合中継に携わる日本テレビ放送(本社東京都港区、小杉善信社長)が機運醸成を図るため製作。今年3月末から11月3日まで日本テレビ広場に設置していた。

 

 同社では一つの役目を終えたモニュメントを、国際統括団体ワールドラグビー(WR)の年間表彰でキャラクター賞に選ばれ、W杯の価値を高めた「ラグビーのまち」に贈ることを発案。系列局のテレビ岩手(盛岡市、榧野信治社長)を通じ釜石市に受け入れを打診したところ、釜石市が快諾した。

 

 24日にJR釜石駅で贈呈式が行われ、野田武則市長や榧野社長、吉田駅長らの手で除幕。榧野社長は「日本全体で感動を分かち合った大会の思い出を遺産として釜石に残したい。記憶を長くとどめることにモニュメントが役立てばうれしい」と期待した。

 

 寄贈を受け、釜石市は大会レガシーの継承とラグビーのまちの推進を支援したとして、日テレに感謝状を贈呈。野田市長は「東日本大震災の被災地でのW杯開催は奇跡的なことで、全国からの支援のおかげ。ラグビーの素晴らしさ、課題を乗り越えながら前に進んでいく力強さ、チャレンジ精神を発信していく」と思いを強めた。

 

 設置場所を提供した吉田駅長は「大会レガシー、情報発信基地として活用し、地域を盛り上げていきたい」と今後の活用を見据えた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月28日発行 第854号より)

 

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問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

地域の廃食油を利用した魚河岸テラスのイルミネーション

「魚河岸テラス」エコ電飾〜廃食油を燃料に点灯

地域の廃食油を利用した魚河岸テラスのイルミネーション

地域の廃食油を利用した魚河岸テラスのイルミネーション

 

 釜石市魚河岸の「魚河岸テラス」で24日に始まったイルミネーションの点灯。釜石湾を一望できる2階テラスを発光ダイオード(LED)で彩り、市民や来館者を楽しませている。地域の廃食油(使用済み食用油)を電力の燃料として活用しているのが特徴。「エネルギーの地産地消」を体現した照明が夜のまちをあたたかく照らす。

 

 明かりをともす電力として使われたのは魚河岸テラスや鵜の郷交流館、市内の飲食店など協力施設から回収された廃食油で、サラダオイル、ごま油、オリーブオイルなど、あらゆる食用油をバイオディーゼル燃料にリサイクル。会場に設置した発電機でほぼ全ての電力をまかなっているという。

 

 同テラスを指定管理する「かまいしDMC」が一般社団法人ユナイテッドグリーン(橋野町、山田周生代表)の協力を得て実施。今年は地球温暖化が漁業に与える影響、厳しさを感じずにはいられない一年となり、イルミネーションには温暖化防止への願いを込めた。

 

 かまいしDMCでは「SDGs(持続可能な開発目標)」に合わせ、社用車をバイオ燃料に切り替えるといった取り組みも展開。同社の河東英宜事業部長は「海を眺めながら食事を楽しんでもらいつつ、揚げ物などで使われた油についても考えてもらう機会に。気候変動で海の環境が変わっていることに思いをはせてほしい。自然に対抗するのは難しいが、温暖化防止につながる工夫を各自が考えるきっかけになれば」と期待している。

 

 点灯時間は午後4時から11時頃まで。来年1月7日(飲食店が閉店する12月29日~1月2日は除く)まで見られる。

 

(復興釜石新聞 2019年12月28日発行 第854号より)

 

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