釜石中出身の菊池流帆選手、国内最高峰サッカーJ1へ〜天皇杯優勝の神戸に加入、J2山口から移籍

復興釜石新聞2020/01/15

J1神戸に加入した菊池流帆選手はFC釜石の後輩とミニゲームを楽しむ=4日、釜石市球技場

J1神戸に加入した菊池流帆選手はFC釜石の後輩とミニゲームを楽しむ=4日、釜石市球技場

 

 サッカーJ2レノファ山口FC(山口県)からJ1ヴィッセル神戸(兵庫県)への加入が決まった釜石市出身の菊池流帆(りゅうほ)選手(23)は年末年始を故郷で過ごし、FC釜石の子どもたちと交流するなど新天地での活躍へ向けて英気を養った。釜石初のJ2リーガー菊池選手は、わずか1年で国内最高峰のJ1リーガーとなる。しかも神戸は、元日の第99回天皇杯サッカーで栄冠を手にしたチャンピオンチーム。「近い将来、日本代表やヨーロッパのチームに」という菊池選手の目標も現実味を帯びてきた。

 

 菊池選手は定内町の自営業菊池公威さん(49)、祐子さん(48)の長男。サッカーは幼児期から始め、小学校2年生でクラブチームに入団。優れた運動能力は、小佐野小6年の時にタグラグビー全国大会に出場するなどして証明した。釜石中1年からFC釜石(U―15)に入った時点で、プロになる決意を固めていた。

 

 高校サッカーの強豪・青森山田から大阪体育大へ進んだのは、目標に向けた選択。高校からDF(ディフェンス)プレーヤーとなり、大学では1メートル88センチ、体重80キロ前後の恵まれた体力を生かし、頭角を現した。3年生だった2017年夏、世界ユニバーシアード台北大会の優勝に貢献。4年生では関西大学リーグを制した。

 

 一昨年暮れ、J2レノファ山口と契約し、プロ入りの目標を達成した。山口では主としてリーグ後半から35試合に出場し、3得点を記録。1点は足技、2点は長身を生かしたヘディングで挙げた。

 

 その活躍に、J1神戸が獲得に乗り出した。菊池選手の移籍が発表されたのは昨年12月24日。年が明けた元日には、新国立競技場の「こけら落とし」ゲームとなった天皇杯で神戸は鹿島アントラーズを2―0で破り、初優勝した。

 

 神戸の中心選手には元スペイン代表で2010年のサッカーW杯優勝メンバー、アンドレス・イニエスタ、元ドイツ代表ルーカス・ポドルスキ、日本代表のMF山口蛍らがいる。

 

FC釜石の後輩と交流、正月休み 故郷で英気養う

 

 菊池選手は4日、FC釜石の後輩メンバーら50人とミニゲームを楽しみ、J1選手の強いボディーコンタクト、スピード、足技の片りんを示した。

 

 U―15のキャプテン佐守賢寿君(甲子中2年)は4歳からボールに触れ、小学生後半からGKに専念。「菊池さんのJ2での活躍はユーチューブで見ていた。フィジカルの強さが印象的で、J1に上がる可能性を思わせるプレーだった。もっと高いテクニック、強いフィジカル、スピードが求められる。神戸での活躍を見たい」と期待した。

 

 FC釜石で菊池さんを指導した小山善司さん(53)は「強い気持ちが、1年でJ1に押し上げた。すごいことだ。あのイニエスタとプレーするんだ」と、ため息交じりに語った。別の指導者は「J1、しかも天皇杯を獲得したばかりのヴィッセル神戸に入るなんて、流帆は“持っている”」と理想的なステップアップに驚いた。

 

 菊池選手は「子どもたちとゲームして楽しかった。(中学生は)ぼくのころより上手だ」と目を細めた。今後のJ1でのプレーには「すばらしいチームでプレーできる。臆せず、自分らしいプレーを貫き、日本代表に選ばれるようがんばる。(大震災を乗り越えた)子どもたちに勇気や希望を与えられる選手になりたい」と語った。

 

 サイン会には子どもや保護者が列をつくった。レノファ山口の公式サイトで、「神戸には成長するためではなく、成功しに行く」とファンとの別れの言葉をつづった菊池選手。色紙には、プロ選手としてのスタートを切った山口での背番号「49」を添え、新チームでの飛躍を期した。

 

 菊池選手は7日、家族と共に新天地の神戸へ向かった。

 

(復興釜石新聞 2020年1月8日発行 第856号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石の注目トピックス