釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

選手紹介2020/01/15


釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

 

佐々木 和樹(ささき かずき)選手(所属先:産業振興(株))プロフィール
2008年加入/1989.12.27生(30歳)/181cm/110kg/岩手県紫波町出身/盛岡工業高校卒
 
●ラグビーを始めたきっかけ: きっかけは中学特設ラグビー部。始めたのは16歳から。
●ポジションの遍歴:LO(高1)、あとは3番(PR)だけ
●ニックネーム:ゴリラ
●趣味:農業?
●好きな食べ物:肉!
●釜石のオススメ:鬼灯
●出身地のオススメ:フルーツ、ワイン
●試合前のルーティンワーク:スパイクを拭く
●ストロングポイント:スクラム!
●サポーター、ファンへメッセージ:熱い声援をこれからもお願いします!

 

インタビュー日:2019年12月17日(釜石シーウェイブスRFCクラブハウス)
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文:市川 香織(釜石まちづくり株式会社)
写真:西条 佳泰(株式会社Grafica)

 

まさか自分がそのチームに…

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

 

ーー2008年加入。入団のきっかけは?

 

佐々木選手:

盛工(盛岡工業高校)の当時の監督の小笠原さんに、「高校卒業したら進路はどうしたい?」と聞かれまして、その時には就職しようと話が進んでいたので、「県内で仕事をしながら実家の仕事(農業)を手伝おうと思っています」という話をしたら、「そうか、じゃぁラグビーはどうする?」とさらに聞かれまして、「まぁ、出来れば・・・。出来ればやりたいです!」っていう感じで答えたんです。
 
そうしたら、小笠原さんがシーウェイブスに繋いで下さり、高橋善幸さんが盛工まで訪ねて来て下さって、「SWという道もあるがどうだろう?」というお話を頂きました。その時は正直、予想以上のガチな(レベルの高い)チームからのオファーが来たなぁ!と思ったんですが、仕事(産業振興(株))をしながらSWでラグビーをさせて頂く事になりました。

 

ーーチームについては入る前からご存知だったと思うんですが、どんな印象をお持ちでしたか?

 

佐々木選手:

高校の時から、IBC杯とか、盛岡での試合を観戦に行ったり、前座試合でプレーしていて、社会人ラグビーで県内を代表するチームという事で、「やっぱりすごいな、強いな!」という印象でしたね。
 
なので、さっきの話に戻りますけど「まさか自分がそのチームに入るのかぁ・・・」って言う、やる気というより自分がやっていけるのか?大丈夫なのか?という気持ちが大きかったですね。
 
実際、加入後にスクラム練習に入ったら、全然通用しなかったんですよ。組むと後ろのロックからの押しもすごいし、前からの押しもすごくて、1,2回組んだだけで腰を痛めてしまって・・・。それが一番の思い出というか、記憶に残っている事ですね。「スクラムがやばい!」という(笑)。

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2015.9.27 日本IBMビッグブルー戦 @釜石市球技場

 

ーー特にFWは、高卒で入ると体の大きさ、強さという部分ではやはりだいぶ差がありますよね。

 

佐々木選手:

全然違いましたね。僕が居た頃の盛工はまだ強い時期だったので、変な話、スクラムくらいはある程度出来るだろうと思っていたんですよね。でもやっぱり、そこは高卒なんで、上の世界を知らなかったからこその考えというか・・。本当にレベルが違い過ぎて、「ワォ!」っていう感じでしたね(笑)。

 

“誇り”と“意地”を持って

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦 @釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー在籍12年目。釜石ラグビーの伝統を受け継ぐ存在といいますか、高卒入団でポジションはFW。ご自身としては、そのあたりはどうでしょうか?

 

佐々木選手:

何て言うんですかね、SWに限らず、東北のチームというと“FW”というイメージがあるので、その辺りには“誇り”というか、“意地”を持ってやっているつもりではいます。
 
正直、たまに「だるいなぁ~」なんて言ったりもしていますけど、やっぱりやるからには勝ちたいっていうのがありますしね。そこらへんは、昔からFWしかしてきていないし、スクラムしかないしという感じですね。

 

ーーその姿をファンの方々もずっと見て来ているので、一番思い入れがある選手だと思うんです。だから、試合に出ていないと淋しいと言いますか。そういう言葉かけられませんか?

 

佐々木選手:

ありがたい事に、ファンの方や地域の皆さんによく声をかけて頂きます。ケガしていた時は、(試合会場の)受付テントにいると、「なんだ和樹、今日出ないのか?」「いやぁ、まだリハビリ中で・・・・」「なんだじゃぁ~!」「いや、すみません!」「はやく治してよ!頼むよ!」みたいなやり取りを良くさせて頂いています(笑)。

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2015.9.27 日本IBMビッグブルー戦 @釜石市球技場

 

ーーそういう事もあり、和樹さんが試合に出場すると、観客がひときわ盛り上がります!声援聴こえますか?

 

佐々木選手:

今シーズン、リザーブで途中から出る時に、「和樹~行け~!!」とかの声援はちゃんと聴こえています。
ほんとにそれで結構テンション上がるんですよね。「やべぇ、やるしかねぇ!」みたいな。
本当は後ろを振り向いて、手を振って声援に応えたいくらいなんですが、やると怒られると思うんで(笑)。

 

ーー余裕だな!みたいな(笑)。

 

佐々木選手:

そう見られちゃうんで(笑)。たぶん、コーチとかからもめっちゃ怒られると思うので(笑)。なので、心の中で「ありがとう!」って言いながら、ピッチに出て行っています!
釜石の声援は、昔からずっと変わらずにスゴイです。応援団、サポーター、ファンの皆さんには、感謝しかないです!
 
それから、応援歌の「♪おっお~」っていうフレーズが聞こえてくると、またテンション上がりますしね。アップ中に聞こえてくると一緒に口ずさんだりして。外国人選手もあの歌い出しの部分はすぐに覚えるみたいで、「♪おっお~」って歌ってますよ。

 

若手に教えて分かってくれた時が一番うれしい

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦 @釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー公式戦復帰。待っていました!という気持ちでした。

 

佐々木選手:

ようやく出られる様になって、「和樹が出るとやっぱり空気が変わる」「スクラムが安定するようになる」と言って頂いて・・・。そう言ってもらえるのはやっぱり嬉しいですね。

 

ーースクラムの安定の部分は本当にそうだと思います。和樹さんが復帰して、他のFWのケガをしていた選手も戻ってきて、練習から良いスクラムが組めている感じですか?

 

佐々木選手:

そうですね。正直、メンバーが変わるとなかなか上手く行かない時もまぁあるんですけど、今のメンバーだと、10年目の髙橋拓也とか戻って来た吉田竜二とか、昔から知っているメンバーで前列を組める事がチームにとってはプラスというか、ずっと組んで来たからこそ、すぐに言えたり共有できる部分があるので、それは大きいかなと思います。まずそこが固まって、そこから前列の若手に教えて、分かってくれた時がやっていて一番嬉しいですね。
 
モーガン(ミッチェル選手)も入ったばかりですけど、スクラムの癖は少しあるけどフィットして組めていますし、フィールドプレーも良いですよね。
 
グン(田嶋選手)は、もうちょっと頑張ってくれればいいかなぁ。今見ていると、グンは昔の俺みたいな感じですね。喋らないし、まだチームにちょっと慣れ切ってもいなくて。
 
でも、この間のFW合宿では、悔しい部分があったようで涙を流していたりとかして、熱い想いを持っているんですよね。あとは、何が悪いのかを自分で判断しながら成長して行ってもらえればいいと思いますね。
そうやってグンが育って来たら、「良くなったな!じゃぁな!後は頼むぞ!頑張れよ!」って後を託す。それが夢ですかね。

 

若手を育てていけたら

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2019.11.23 九州電力キューデンヴォルテクス戦 @釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー今シーズン、トップリーグカップ戦に出場が無かったのはケガのせいですか?

 

佐々木選手:

昨シーズン中にケガした時に、手術しないで何とかだましだまし乗り越えて、今年(2019年)の2月に手術したんです。前十字靭帯断裂、右は2回やっていますね。プロになってここ数年は、シーズンを通してしっかり出場したと言えないというか、ケガでちょくちょく抜けていましたね。

 

ーー今、プロになって・・・と出ましたが、プロになったのが・・・。

 

佐々木選手:

もう4年半前ですかね。まぁ、本当はそのタイミングで終わるはずだったんですけどね・・・。
実家の親父が亡くなって、それで、実家の仕事(農業)を継ぐ必要があって。なので、親父が亡くなった瞬間に、「釜石での生活(ラグビーと仕事)も終わったなぁ」と、すぐに思ったんですよね。SWでは終わりだなと。
 
でもその時に、坂下(功正)さん(現シニアアドバイザー)と産業振興の上司の熊谷さんが、親身になって相談に乗ってくれて、坂下さんが「こういう道もあるみたいだぞ」とチームとの橋渡し役になって下さって、チームからは桜庭さんや三浦(健博)さんが実家まで来て下さって、実家の仕事を継いでもチームに残れる道を提案して頂いたんです。
 
釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』
 
自分としては、実家の仕事をしながらそのままSWを続けると中途半端になるんじゃないかと思っていて、例えば、田植えの時期に田植えしてラグビーやって・・・と考えると、絶対に中途半端になるから、俺はちょっとそれは嫌なんですけど・・って、最初はそういう感じだったんです。
 
それでも、チームもそうした事情をちゃんと理解した上で、田植え休みを取れるようにするし、「その辺は調整して相談しながらやって行こう、どうだ?」と言って頂いて、それに乗っからせてもらって今があるという感じですね。今ではすっかりチームに甘えていますけど、ありがたかったですね。ほんとに。

 

ーー普通の社会人の世界なら30歳はまだまだこれからの年齢ですけれど、ここ最近SWは一気に若返って、和樹さんも上から数えた方が早くなりましたね。

 

佐々木選手:

いきなりっすもんね(笑)。ついこの間は、26、7歳くらいまではまだペーペーというか、伊藤剛臣さんとかがいて年上ばっかりだったんですけどね!若手、一気に増えすぎでしょう(笑)

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2015.9.27 日本IBMビッグブルー戦 @釜石市球技場

 

ーー今のチームの雰囲気はどうですか?

 

佐々木選手:

雰囲気的にはいいんじゃないですかね。若手もしゃべりたい事はしゃべっているし。小野・中野両キャプテンについても、小野はしゃべりやすい後輩ですし、中野はタメ(同い年)なんで、ふざけ合ったりする事もありますしね(笑)。
 
良く言えば、気軽に何でも言える空気の中でやれているのかなと思います。前は、厳しい先輩方がいっぱいいたので、ピリピリしながらやってましたけど(笑)。

 

ーーご自身のチームの中での役割については?

 

佐々木選手:

役割ってほど大した事はしてないと思うんですけど、セットプレーしか出来ないので。そこらへんは、自分だけではなくて、上手く若手を育てられればいいと思いますね。

 

このチームで、やっと出来る

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦 @釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー今シーズンここまで、感触的にはどうですか?

 

佐々木選手:

この間の豊田自動織機戦は、すっかりやられた・・・っていう感じですね。ラインアウトもだし、自分の持ち味のスクラムも。あの試合、後半残り20分くらいに“何とか空気を変えてやろう”と出たんですけど・・・最後まで修正出来ないで終わったので、本当に悔しかったです。なので、これからもうちょっと修正します。
 
試合に勝っても、スクラムで負けると気持ち悪いですからね(笑)。BKが上手くやって勝つ試合もあるんですけど、スクラムで負けているとやっぱ腹が立つんです(笑)。変な話、体を壊しても膝を壊しても、意地じゃないですけど負けたくないですね。スクラムだけは。

 

ーースクラムが勝つとチーム全体も盛り上がりますもんね。

 

佐々木選手:

そうなんですよね。今シーズンは最後の20分くらいから出る事の多い中で、何を求められているか?と言ったら、スクラムでペナルティを取り返すか、最低でもスクラムを安定させる事だというのは分かっているので、残りの試合もキツイ試合になると思うんですけど、やっぱりそれを出して行きたいです。

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第14弾『佐々木和樹選手』

2015.9.27 日本IBMビッグブルー戦 @釜石市球技場

 

ーーFWとして、もう少しここを積み上げたいという所は?

 

佐々木選手:

練習で出来ている事を、試合で出せるようにする事ですかね。HCのスコッティも言っているんですけど、スクラム練習の時は全員が集中して出来ていても、実際の試合になると、当たり前ですけど、スクラムだけ組んでいるわけではなく他のプレーもしているので、そういう試合の流れの中で、練習と同じ様に集中して100%出せているか?・・・というと、出せていないんです。ラインアウトもディフェンスも同じ事が言えると思うんですね。
 
それでも、せめてセットプレーは100%でやりたいので、それを毎回繰り返して行く中で「今の感覚良いな」というのを話し合い、確認し合いながら、試合で出せるようにしたい思っています。
細かく言うと、スクラムを組む前にもう少し良い準備を毎回していけば、もっと良いスクラムが組めるんじゃないかなと。そこを積み上げて行きたいですね。

 

ーー入替戦の無い今シーズンですが、どこにモチベーションを置いてこの後の試合を戦いますか?

 

佐々木選手:

やっぱり、チームが掲げている“ベスト4”以内というのが一つの目標ですね。
 
個人的には、これまで結構ケガが多かったですが、やっと復帰してようやく試合に出られるようになって、だけど毎年毎年出られるかというと、若手も育ってきていますし、そう考えるとこの先の選手生命もそんなに長くないと思っていて。
今まで貢献出来なかったので、このチームでやっと出来るというか。なのでそういう気持ちで、目標の“ベスト4”に入る為にチームに貢献して行きたい。それだけですね。

 
 
 

リーグベスト4を掛けた最終戦は、1月19日(日)、東京 秩父宮ラグビー場で行われます。
対戦相手は、清水建設。勝って有終の美を飾り、来シーズンに繋げて欲しいですね!頑張れ、釜石SW!

 

2019 ジャパンラグビートップチャレンジリーグ

第7節 01月19日(日) 11:30 秩父宮ラグビー場
対 清水建設ブルーシャークス
※今シーズンは、上下リーグとの入替戦は行われません。
 
詳細は、釜石SW公式サイトでご確認ください。
http://www.kamaishi-seawaves.com/

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