山林火災の跡をたどり、植生や森林の再生について理解を深めた参加者(左端は鈴木会長)

山火事跡に新たな芽吹き、自然の生命力を再確認〜尾崎半島で植物観測会

山林火災の跡をたどり、植生や森林の再生について理解を深めた参加者(左端は鈴木会長)

山林火災の跡をたどり、植生や森林の再生について理解を深めた参加者(左端は鈴木会長)

 

 昨年5月に大規模な林野火災が発生した釜石市の尾崎半島で22日、釜石植物の会(鈴木弘文会長)が主催する植物観察会が開かれた。市内外から9人が参加。鈴木会長(73)の案内で尾崎白浜から青出し浜までを歩いて往復し、焼け跡から新たな芽吹きが見られることを確認した。

 

 鈴木会長は6月3日と7月11日、半島の南北2ルートで焼け跡を踏査した。約413ヘクタールを焼損した大規模林野火災。今回の植物観察会は、半島の植生、延焼拡大の要因、森林の再生を考えることなどを狙いに企画した。

 

 尾崎白浜地区の集落から林道に入り、環境省と岩手県が選定した「新・奥の細道~リアス海岸尾崎半島のみち」(6・1キロ)の約2・7キロ地点にある青出し浜の尾崎神社奥宮を目指した。最高気温が35・6度まで上がる猛暑日の中、休息をとりながら、起伏のある道を進んだ。

 

 鈴木会長は足元に残るタチハコベ、ミズタマソウ、イガホウズキなどの野草や、穂状の花を咲かせたリョウブなど希少な木を示し、食生活との関わりなどを伝えた。

 

 林野火災の焼け跡では、地肌まで焦げたスギ林と接する広葉樹林帯の被害が少なく、「新しい芽吹き(ひこばえ)が見られる」と再生力の強さを指摘した。

 

 鈴木会長の友人で釜石市出身の陶芸家伊藤正さん(65)=花巻市東和町=は妻信子さん(65)と参加。「すごい(山火事の)被害だ。雑木林が延焼を防ぐ働きをするのが如実に現れている光景だった」と驚きを語った。

 

 登山歴が50年近くになる釜石市平田の佐々木和子さん(78)は、猛暑の中、トレッキングに不慣れな参加者を気遣いながら往復。「最近は膝を痛めて本格的な登山はしないけど、ここは見たかった。植物や山林のことを教えられ、参加してよかった」と喜んだ。

 

 鈴木会長は「尾崎半島は元々、広葉樹林の自然林だった。山火事を契機に、火災など災害に強い、弾力ある森林づくりを考える必要がある」と提言する。

 

(復興釜石新聞 2018年7月25日発行 第709号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

震災の教訓を後世に伝える慰霊碑

「悲劇を繰り返さない」誓いを胸に〜両石で慰霊碑除幕、120世帯が戻る意向

海に向かって献花し、犠牲者を思い祈りをささげる参列者

海に向かって献花し、犠牲者を思い祈りをささげる参列者

 

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受け、町民46人(関連死含む)が犠牲となった釜石市両石町に、犠牲者を悼み、震災の教訓を後世に伝える慰霊碑が建立された。この碑は、両石湾を望む海抜20メートルの高台に位置。22日、建立した両石町内会と両石財産区が碑の前で慰霊祭を開き、町民や関係者約150人が犠牲者の鎮魂とまちの再生を願い、祈りをささげた。

 

 佐藤実・町内会長代行(62)が、町民や法人などの寄付で実現した建立の経緯を説明。「皆で心を一つに、哀悼の祈りを込めたい。平成30年は両石にとってまちづくりスタートの大きな区切りの年」とし、古里再興へ思いを強くした。町内の子ども3人が碑を除幕。協力した14法人・団体に感謝状が贈られた。常楽寺(鵜住居町)の藤原育夫住職が開眼供養を行い、参列者が焼香、献花。犠牲者の冥福を祈り、悲劇を繰り返さないことを誓った。

 

 同碑建立は2016年6月の町内会総会で決議。役員が市内十数カ所に散らばる町民を一軒一軒訪ねて寄付を募った。同町出身者や復興工事関係者、各種団体も協力。11法人、6団体、180個人から寄付が寄せられた。不足分は要望を受けた同財産区が支援。仲野石材店(大町)が施工し、今月14日に完成した。事業費は約235万円。

 

 建立場所は、桑の浜地区に通じる新市道(未開通)沿い市有地の一角。花こう岩の碑は高さ約2・5メートル(台座含む)で、題字は野田武則市長が揮毫(きごう)した。台座に刻まれた碑文には、大地震発生から津波の襲来、町内の被災状況、復興の道のりが記され、明治、昭和の大津波にも言及。「教訓はひとつ。徒に津波の規模を想定せず、津波警報が出たら自らの命を守るべく、高台目指しとにかく避難すること」と、未来を生きる人々へ訴えかけている。

 

46人の御霊を慰め、津波の教訓を末永く伝え続ける慰霊碑

46人の御霊を慰め、津波の教訓を末永く伝え続ける慰霊碑

 

 遺族代表であいさつした渡辺裕子さん(76)は、夫の正さんを亡くした。「毎日、泣いて過ごした」と当時の絶望感を吐露。平田の仮設住宅に暮らし、今年中に両石に、息子夫婦と住む自宅を再建する予定だという。「くよくよしてはいられない。両石に帰らねばという思いはずっと持ち続けてきた。残りの人生を再び、地域の皆さんと仲良く暮らせたら」と願った。

 

 慰霊碑の隣には今後、津波で流され、がれきの中から見つかった地元消防団の半鐘を設置し、慰霊や記憶の伝承に役立てる方針。

 

 同町を襲った津波は最大で海抜24メートル地点にまで達した。当時、260戸あった住宅は、高台の13戸を残して全て流失。一夜にしてまちが姿を消した。

 

 復興のため、市内最大規模の盛り土造成が行われた。今年、県営両石アパート(24戸)と市が整備する戸建て復興住宅13戸が完成し、入居している。戸建て住宅は残り12戸が建築中で、65区画整備された自力再建用地では、新たに家を建てるつち音があちこちで響いている。

 

 町内会によると約120世帯が同町に戻る意向を示しており、最終的な町内会規模は震災前の半分程度になる見通し。

 

(復興釜石新聞 2018年7月25日発行 第709号より)

 

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2つの門のふたを除き、表土の砂利を取り除く作業を住民も見守った

地中から尾崎公園の記録〜地元住民 40年前に思いはせ、二つの碑掘り出す

2つの門のふたを除き、表土の砂利を取り除く作業を住民も見守った

2つの門のふたを除き、表土の砂利を取り除く作業を住民も見守った

 

 釜石市浜町の高台にある尾崎近隣公園で18日、40年前に同公園の完成を記念して埋められたタイムカプセルの掘り起こしが行われた。工事関係者の名前が記された二つの碑が掘り出され、作業に立ち会った約20人の地元住民らは「こんな碑が埋められていたのを初めて知った」と驚き、当時のにぎわいに思いをはせた。震災の津波で浸水した埋設場所は今後、市道として整備される。

 

 尾崎公園は1977~78年度の2カ年事業で建設された。公園の上り口には大きな門柱(幅1・7メートル、奥行き4・5メートル、下段の最大高2・5メートル)が対となって設置され、左に「尾崎公園」、右には「おさきこうえん 昭和54年3月竣工」と記した金属製の銘板がはめられている。

 

 地元住民で組織する尾崎公園愛護会の高橋松一会長(76)が、当時の工事関係者から「タイムカプセルのような物を埋めた」と聞き、復興工事を担当する熊谷組・小澤組特定建設工事共同企業体(JV)が住民の要望に応じ協力した。

 

 この日は、公園建設工事の現場主任だった鎌田紀男(ゆきお)さん(70)=山長建設取締役=も立ち会い、「何かを埋めたのは覚えているが、中身は定かではない」と作業の様子に目を凝らした。

 

 門柱の分厚いふたの下には、玉砂利が敷かれ、中からチェーンで結ばれた碑が現れた。いずれも黒みかげ石で、縦70センチ、横80センチ、厚さは最大25センチ、重さは300キロ近いと推定。碑に刻まれた記録には「市民の健康増進と避難広場とするため、事業費9千万円を投じて昭和54年3月に完成した」とある。

 

出土した碑を囲み、40年前の一帯のにぎわいを語る住民ら

出土した碑を囲み、40年前の一帯のにぎわいを語る住民ら

 

 掘り起こしに立ち会った地元の萬キヨさん(83)は「陣屋まつりなど広場に大勢が集まってにぎわった。震災後から寂しくなったが、また、にぎわいが戻るといい」と大掛かりな作業を見守った。

 

 高橋会長は「いつ掘り出す計画だったのかも分からないが、千年に一度という震災で碑を取り出すことになった。ほかの埋蔵品も期待したが、碑は文化財として保存してほしい」と願う。今後、碑をどのように保存するかは、市と協議するという。

 

 震災の津波で周辺の建物は流失し、現在は住宅再建用地などの造成工事が進む。盛り土の高さは最大7メートルに達し、公園も門柱の上まで土に覆われる計画だ。土盛り工事を前に門柱は撤去する。

 

(復興釜石新聞 2018年7月21日発行 第708号より)

 

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完成間近のスタジアム内にある花壇にドウダンツツジを植える釜石東中の1年生と釜石SW選手ら

鵜住居復興スタジアムに植樹、ラグビーW杯へ機運高め〜釜石東中生ら「緑のバトン」、横浜市老松中 東京都環境衛生協会も協力

完成間近のスタジアム内にある花壇にドウダンツツジを植える釜石東中の1年生と釜石SW選手ら

完成間近のスタジアム内にある花壇にドウダンツツジを植える釜石東中の1年生と釜石SW選手ら

 

 来年のラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場として釜石市鵜住居町に整備中の釜石鵜住居復興スタジアムで18日、今月末の完成を前に大会に向けた機運を高めようと植樹会が開かれた。釜石東中(佐々木賢治校長、生徒117人)の1年生39人のほか、釜石シーウェイブス(SW)RFCの選手、地域住民ら約90人が参加。同スタジアム敷地内にあるサブグラウンド周辺の花壇に、ドウダンツツジ約140本を植えた。

 

 苗木は岩手県産で、群馬、東京、神奈川、静岡、愛知の5都県、8つの小・中学校、高校の児童生徒が釜石の復興を願って、学校で1年間育てた。この取り組みは、子どもたちが学校で育てた苗木を被災地に植樹する「緑のバトン運動」の一環。参加者は、思いが込められた苗を丁寧に植え付けた。

 

釜石の復興を願い、協力し合って作業に励んだ参加者

釜石の復興を願い、協力し合って作業に励んだ参加者

 

 90本の苗木を提供した横浜市立老松中(生徒413人)の谷博章校長が代表して来釜。創立70周年を記念し社会貢献できるものをと、生徒会を中心に取り組んだ。植樹を見守り、「これも何かの縁。元気よく育ってほしい」と願った。

 

 釜石東中の佐々木太一君は「育ててくれた人たちの思いを引き継いで立派な木にしたい。大きくなるのが楽しみ」と話した。

 

 植樹には東京都環境衛生協会の会員20人も協力。理容・美容、公衆浴場、ホテル・旅館などで構成する同協会は震災後に支援で釜石を訪れており、W杯釜石開催の決定後にはスタジアム周辺の植栽活動のため、募金活動で集めた1100万円を市に寄付している。森本善三理事長は「釜石がさらに発展するよう願う。未来に向け頑張りましょう」とエールを送った。

 

 同スタジアム周辺では9月末にも植樹を予定している。

 

(復興釜石新聞 2018年7月21日発行 第708号より)

 

復興釜石新聞

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第30回釜石よいさ

第30回 釜石よいさ

第30回 釜石よいさ

 

30回の節目を迎える今年の釜石よいさでは、釜石が誇る“あんべ光俊さん”と“佐野よりこさん”のミニライブや30回記念グッズの販売、来年釜石でも開催されるラグビーワールドカップ2019に向けたPRも行われます。

 

今年も釜石の夏を熱く!熱く!盛り上げてまいりましょう!!8月4日は釜石におでんせ〜

 

日時

2018年8月4日(土)15:45〜19:20
雨天決行・荒天中止

場所

岩手県釜石市大町〜只越町 特設会場

タイムテーブル

15:45 オープニングセレモニー
16:00 あんべ光俊&佐野よりこミニライブ
16:20 虎舞
16:35 子供よいさ
16:55 お囃子隊&よいさ小町お披露目(前囃子)
17:00 よいさ 第一部
17:45 ラグビープロモーション
17:55 桜舞太鼓
18:15 釜石小唄(佐野よりこ)~スタコラ音頭
18:25 よいさ 第二部
19:10 フィナーレ 〜あんべ光俊「ロングラン」〜

主催

釜石よいさ実行委員会
後援:釜石市、釜石商工会議所

 

釜石よいさ公式サイト
https://www.yoisa.jp/

釜石よいさ実行委員会

釜石よいさ実行委員会

釜石よいさは釜石の夏の風物詩として市民から親しまれているお祭りです。第28回目となる2016年度は、8月6日(土)に開催します。

問い合わせ:080-8218-0098 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

「東北希望コンサート」で歌を楽しんだ唐丹小・中の児童生徒ら

たて琴で奏でる弾き語り、唐丹小・中で希望コンサート〜木村弓さん「いつも何度でも」

「東北希望コンサート」で歌を楽しんだ唐丹小・中の児童生徒ら

「東北希望コンサート」で歌を楽しんだ唐丹小・中の児童生徒ら

 

 音楽の力で被災地の子どもたちの心の復興を応援する「歌を絆に~東北希望コンサート」(同実行委主催)が13日、唐丹小(佐々木康人校長、児童46人)、唐丹中(菊地正道校長、生徒35人)体育館で開かれた。児童・生徒のほか、地域住民ら約30人も招待。作曲家で歌手の木村弓さんが、たて琴ライアーの弾き語りで歌声を届けた。

 

 木村さんはドイツで生まれた楽器と言われているライアーを奏で、自身が作曲した映画「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」を披露。作曲家でピアニストの中川俊郎さんの伴奏に合わせ、映画「ハウルの動く城」の主題歌「世界の約束」や「花は咲く」などで美しい歌声を響かせた。

 

 知っている曲では手拍子で盛り上げ、一緒に口ずさんだりしてコンサートを楽しんだ児童、生徒たち。全員で両校の校歌を歌って締めくくった。

 

たて琴の弾き語りで歌声を届けた木村弓さん

たて琴の弾き語りで歌声を届けた木村弓さん

 

 5、6年生13人はお礼にトーンチャイムで「いつも何度でも」を合奏。演奏を聴いた木村さんは「一つ一つの音を大切に奏でていると感じた。味わいのある演奏で、ぐっときた」と目を潤ませ、心に残る時間を過ごせたと優しい笑顔を残した。

 

 唐丹中の生徒会長、鈴木萌々夏さん(3年)は「感動。音楽は楽しいだけじゃなく、励ましや喜びなどさまざまな感情を感じることができるものだと思った。素晴らしい時間を届けてもらった」と感謝。唐丹小の大坂凛さん(6年)は「大好きな曲を生で聴くことができ、演奏もミスをしないでできたので良かった。ピアノをやっていて、2人のように思いを伝えられるような演奏ができるように頑張りたい」と目を輝かせた。

 

 同コンサートは東日本大震災の被災3県のラジオ局などが中心となって2012年5月から被災地の小中学校で開いている。このコンサートの模様はIBC岩手放送で8月18、25、9月1日の3週にわたって放送する予定。

 

(復興釜石新聞 2018年7月18日発行 第707号より)

 

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「SL銀河」に目を輝かせる〜JR釜石駅で一般公開

岩手の希望の星に、「SL銀河」に目を輝かせる〜JR釜石駅で一般公開

気分は鉄道マン!レールスターの乗車体験

気分は鉄道マン!レールスターの乗車体験

 

 JR釜石線(花巻―釜石間、90・2キロ)で運行5年目を迎える蒸気機関車「SL銀河」が15日、釜石駅構内で一般公開された。機関車を間近で見学でき、楽しい企画が毎回好評のイベント。今回は、クイズ大会や作業車両の走行体験が人気を集め、約450人がSLや鉄道の魅力を存分に味わった。

 

 機関車の前では恒例の記念撮影が行われ、乗務員などの制服や制帽を身に着けた来場者がとびきりの笑顔でフレームに収まった。小・中学生が抽選で、運転台での記念撮影ができるサービスも。石炭を燃やす匂い、汽笛や噴き出す蒸気などさまざまな感覚に訴えるSLの姿に来場者は目を輝かせた。

 

機関車をバックに写真を撮ってもらう家族連れ

機関車をバックに写真を撮ってもらう家族連れ

 

 新メニューとして用意されたのは、線路の点検時に作業員が山中などへの移動に使う「レールスター」の乗車体験。昔は自転車のように人力でこぐタイプだったというが、今は4駆のエンジン車両。約100メートル区間を2往復し、普段は味わえない高さの視点とスピードを体感した。

 

 東京都墨田区の中学1年生、鈴木花恋さん(12)は同車両の意外な速さに驚きながら、「レール点検など陰で頑張っている人たちのおかげで、私たちが安心して乗れているんだと思った」と作業員の苦労を想像。前日、両親とSL銀河に乗って釜石入りし、同イベントも楽しんだ。鉄道マニアの父克史さん(47)は「煙を吐く力強さとか、蒸気機関車って、まさに生きている感じ。SL銀河は沿線の人が手を振ってくれるなど地元の応援、もてなしの心が伝わり、こちらも温かい気持ちになる」と、妻雅美さんと声を弾ませた。

 

 最も盛り上がったのは「SL王」の座をかけたクイズ大会。問題は現役の検修員が知恵を絞って作成した○×式で、幅広い年代が挑んだ。予選で正解数の多い人が決勝に進出。SL銀河の全長、石炭を入れる火室の最高温度、花巻―釜石駅間のトンネルの数など、車両や路線に関する難問が出題され、参加者の頭を悩ませた。

 

 優勝したのは盛岡市の会社員、関場正浩さん(35)。趣味で毎週SL銀河を追っかけ、写真撮影などを楽しんでいるというが、「全然分からない問題もあり、予選では1問間違えた」と苦戦した様子。「問題にもあったが、JR東日本でも4つしかないSLが岩手にあるのは県民としては誇り。震災復興の力にと始まった運行だが、今でも全国からいろいろな方が乗りに来てくれる。できれば長く運行し、岩手の希望の星になってくれれば」と願った。

 

「クイズSL王はオレだ!」正解に思わずガッツボーズ

「クイズSL王はオレだ!」正解に思わずガッツボーズ

 

 4月21日から今年度の運行が始まったSL銀河は、一般公開前日の7月14日までで上下合わせて27本運行。約3500人が乗車し、平均乗車率は75%。今のところ、9月末まで土・日・祝日を中心とした運行が予定されている。

 

 JR東日本盛岡支社の中原俊直販売促進課長は「震災から年数を重ねる中で、遠野―釜石間の利用が落ちている傾向がある。沿岸まで乗ってもらえるような鉄道の魅力づくりに地元の皆さんと一緒に取り組みたい」と運行5年目の課題を見据えた。

 

(復興釜石新聞 2018年7月18日発行 第707号より)

 

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茂木健一郎さんと柳家花緑さんのトークショー「そのとき、落語は、脳内で」

茂木健一郎さんと柳家花緑さんのトークショー「そのとき、落語は、脳内で」

茂木健一郎さんと柳家花緑さんのトークショー「そのとき、落語は、脳内で」

 

チームスマイルpresents “わたしの夢”応援プロジェクトvol.18 脳科学者・茂木健一郎さんと落語家・柳家花緑さんのトークショー「そのとき、落語は、脳内で」

落語を聴いているときの、人間の脳の中。落語を演じているときの、落語家の頭の中。いったいどうなっているのだろう?落語好きの脳科学者と人気落語家が、「笑うことの豊かさ」をじっくり語ります。柳家花緑さんの落語口演も、もちろんあり!!

 

茂木健一郎さんと柳家花緑さんのトークショー「そのとき、落語は、脳内で」

茂木健一郎さんと柳家花緑さんのトークショー「そのとき、落語は、脳内で」

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日時

2018年8月18日(土) 13:30〜開場、14:00〜開演

会場

チームスマイル・釜石PIT
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10(釜石情報交流センター内)
TEL 0193-27-8751

チケットについて

事前申込制・自由席
以下、いずれかの申込方法にてお申し込みください。

申込方法・記載事項

●メールで
kamaishi-pit@team-smile.org
※メールの件名は「茂木花緑申込」としてください。
●往復ハガキで
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター
「茂木花緑申込」係
 
記載事項
1)代表者のお名前
2)来場者数(ひと組2名様まで)
3)住所
4)代表者のお電話番号

主催

一般社団法人チームスマイル
共催:釜石市、釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

【インタビュー】2018夏 根浜海岸 海あそび〜7/28(土)、29(日)開催

【インタビュー】2018夏 根浜海岸 海あそび〜7/28(土)、29(日)開催

【インタビュー】2018夏 根浜海岸 海あそび〜7/28(土)、29(日)開催

 

東日本大震災から8度目の夏を迎えた三陸沿岸各地から、「震災後初の海開き」という嬉しい便りが届き始めています。

 

釜石ではまだ正式に“海開き”と言える状況ではありませんが、安全に海あそびが出来る環境が整った根浜海岸で、7月28日・29日の2日間、海で泳ぎ、海を身近に楽しめるイベントが開催されます。

 

イベントの主催団体(一社)根浜MINDは、ふるさとの風景を守り、未来につなげる活動を行っています。事務局の廣田一樹さん(宝来館)に、これまでの活動や今回のイベントについて伺って来ました。

 

ふるさとの海辺の風景を守り、未来へつなげたい

 

根浜海岸

 

ーー根浜MINDはどのような経緯で発足したのでしょうか?

 

廣田さん:

きっかけは、この地域に欠かせない「観光」でした。
震災後、それまではどちらかと言うと、誰かが何かやってくれるのを待っていた状態だったのですが、お隣大槌町の浪板海岸では住民主導での海岸復活の動きがあり、観光施設などが出来上がっていく過程を見て、「このまま待っていては行けない。自分たちで何とかして行かなくては。」という気持ちが、住民やこの地域に関わる人たちの中で大きくなりました。
 
そして、「海辺の暮らし、風景を守って行こう」と、2016年7月に地域住民が中心となって団体を立ち上げ、代表の岩崎昭子(宝来館)を含めた6名と事務局2名で活動しています。

 

廣田さん

 

ーーどのような活動をされていますか?

 

廣田さん:

防災、減災活動として宝来館の裏山に避難経路を整備したほか、震災後に出来たご縁により英国ロンドン芸術大学からご支援を頂き、英国式レスキューボートによる住民主体の水難救助システム構築を目指し活動を進めています。
 
また、震災によって三陸沿岸各地では、砂浜とともにそこで見られた海浜植物なども消えてしまった地域が多いですが、根浜海岸には奇跡的に植物が残りました。岩手ではここだけだそうです。
その、ハマナス(バラ科のピンク色の花)やハマボウフウ(薬草で絶滅危惧種に指定されている)を増やして根浜海岸の原風景を取り戻し、それを守り続けて行く為に、特産品として活用して行こうという活動もしています。
 
これら海浜植物を増やす活動については、今年から地元の東中学校の全校生徒も一緒に取り組んでいて、種から苗を育て、海辺の清掃活動をし、秋には海岸での植栽を予定しています。

 

ハマナスの花

 

子ども達に海での楽しい思い出を

 

ーーイベントのチラシですが、子ども達の笑顔の写真が印象的ですね。

 

廣田さん:

震災から丸7年が経った今でも、“海はこわいもの”という認識を持った子ども達がまだ多いと思うのですが、子ども達にはやはり海の楽しさも知って欲しいです。

 

この地域の子どもは、どの世代も海と密接な関わりがあったそうですが、今はそういう機会が少なくなってしまいましたし、通学路も海を通らず山側を通るようになり、海との物理的な距離も出来ています。

 

先ほどの中学生の海浜植物再生の取り組みも、海岸清掃から始めて、まずは海を眺めてもらう機会を作る所からと、いきなり「海で泳ごう」ではなくて、段階を踏みながら海との距離を縮めてもらおうという側面も持ち合わせながら行っている部分もあるんです。

 

廣田さん

 

ーー廣田さんは関東のご出身ですが、ご自身も根浜海岸での思い出があるそうですね。

 

廣田さん:

母の実家が山田町で、夏休みに帰省した時には必ず一度は根浜海岸で遊びました。
その頃、この海には滑り台などの遊具が浮かんでいて、すごく特別な海水浴場だったんです。

 

遊具は子供では足がつかないちょっと深い所にあって、小さい頃はそこまで行くことが出来なくて、年上の子たちが遊んでいる姿を羨ましく見ながら、「早くあそこまで行けるようになりたい!」と思っていました。そして、そこで遊べるようになった時、「少し大人になったな!」と誇らしい気持ちになった事を覚えています。

 

今になって知ったのですが、実はその遊具は、根浜MINDのメンバーでもある前川民宿さんが毎年浮かべてくれていたものだったんです。
自分自身の楽しい思い出と、地元の方々の想いがつながった瞬間でした。

 

ここが好き~いつかまた地元の人たちでにぎわう海辺の景色が戻るまで

 

ーープログラムを提供するメンバーも多彩ですね!

 

廣田さん:

どちらかと言えば、外から来た人たちが多いのですが、「海が好き」という共通の想いがあるメンバーが集まっています。
それだけ、根浜の人や場所に魅力があるという事だと思います。
今回も“皆さんに楽しんでもらえる空間を”と、海で思いっきり遊ぶのはもちろん、海に入らなくても周辺で楽しめるプログラムもご用意しています!

 

養浜終了後には本格的な海開きが行われる予定ですが、震災から8度目の夏にこのような海を楽しむイベントを開催出来るまでになり、ようやく第一歩を踏み出せたという感じがします。

 

今でも海に向き合えないという想いを抱えている方も多くいらっしゃると思いますが、そこは私たちの力ではどうにもできない、踏み込めない領域です。
今はまだ海と向き合えなくても、地元の人たちが「海にふれる」という気持ちになった時に変わらない三陸の風景をみんなで作り守ってつなげていきたい、そう思っています。

 
 

2018夏 根浜海岸 海あそび 祈り、そして未来を願って

 

018夏 根浜海岸 海あそび

 

2018夏 根浜海岸 海あそび チラシ表(JPGファイル/260KB)
2018夏 根浜海岸 海あそび チラシ裏(JPGファイル/226KB)

 

開催日時

2018年7月28日(土)29日(日) 午前9時~午後4時
28日 9時30分~オープニングセレモニーで虎舞披露!!

場所

釜石市根浜海岸、根浜緑地公園

海あそびプログラム

陸の思い出ワークショップ/SUP体験/シュノーケル/ねばだるま絵付け体験/レスキューボート体験等
同時開催:根浜写真展~根浜地区の震災前~現在の写真展示

 

イベントのちらしは、7月15日発行の広報かまいしと一緒に配布されています。
また、詳細は以下のSNSサイトなどもご覧ください。

 

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古里で初めての個展を実現した藤枝新悦さん

震災後の古里の風景描く、甲子町洞泉「こすもす」で油彩展〜「海が好き」「釜石が好き」定年退職 Uターンの藤枝新悦さん

古里で初めての個展を実現した藤枝新悦さん

古里で初めての個展を実現した藤枝新悦さん

 

 釜石市甲子町砂子で「アトリエ陽炎(かげろう)」を主宰する画家、藤枝新悦さん(66)の油彩展が甲子町洞泉の「創作農家こすもす」で開かれている。神奈川県から古里にUターンして4カ月。地元では初めての個展で、震災後に描いた釜石港周辺の油彩画を中心に11点が展示されている。

 

 藤枝さんは大町出身。もともと絵を描くのが好きだったが、高校時代に出会ったゴッホの作品に衝撃を受け、独学で油彩を始めた。画家を目指し美術大学を受けたものの入り口は狭く、親の反対もあったことから就職を選択。神奈川県川崎市の大手電機メーカーで材料開発に携わった。

 

 絵を描くことを諦め切れず、川崎の美術協会に所属。どんなに仕事が忙しくても毎日協会のアトリエに通い、描き続けた。20代前半に仲間とともに絵画グループ「陽炎会」を結成。神奈川県内でグループ展や個展などを毎年開催するなど精力的に活動した。

 

 定年退職後、化学製品の製造販売会社に再就職したが、2年前、妻の介護に専念するため退職。以前から「釜石にアトリエを作り、古里の自然を描きたい」との思いがあり、昨年3月に妻を亡くすと、そうした思いが一層強まった。今年3月に地元釜石へ。当初、実家のあった大町周辺での暮らしを考えていたが断念し、現在の場所で中古物件をリフォーム、自宅兼アトリエを構えた。

 

 実家が海に近いこともあり、「海を描いた絵が多い」と藤枝さん。今回の展示も、新浜町の魚市場や浜町の高台、港町、嬉石町などから眺める海の風景画が中心だ。ほとんどが震災後に描かれたもので、現場に行って感動した風景をキャンバスに残している。

 

 藤枝さんは10年ほど前から毎年里帰りした際、古里の風景を描いてきたが、震災で実家が被災。保管していた10点を超える作品も失った。「それでもやっぱり海が好き。釜石が好き。生まれたところだから」。見慣れた風景が変わってしまったことに寂しさを感じつつ、海に足を運び続ける。

 

 古里に戻り、一つの夢をかなえた藤枝さん。次なる目標は「甲子地区の冬の風景を描くこと」。現在の住まい周辺でも知り合いが増え、「記録として人物画も描きたい。自分なりに表現し、残したいもの、やりたいことはいっぱいある」と意欲は衰えない。

 

 藤枝さんにとって、絵は「表現するための手段で、生きがい」。今回の展示は8月上旬までを予定している。その後も作品を変えながら継続したい考え。「釜石の自然の良さを見て感じてもらえたら」と来場を呼び掛ける。

 

 創作農家こすもすの営業時間は午前11時から午後4時。火・水曜日は定休日。

 

(復興釜石新聞 2018年7月14日発行 第706号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

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