釜石を舞台にした3冊目の絵本「ぼんやきゅう」を手にする指田和さん

鵜住居「お盆野球」復活を絵本に、浜のたくましさを生き生きと〜大人の姿を子どもの視点で、児童文学作家の指田和さん

釜石を舞台にした3冊目の絵本「ぼんやきゅう」を手にする指田和さん

釜石を舞台にした3冊目の絵本「ぼんやきゅう」を手にする指田和さん

 

 東日本大震災で被災した釜石市鵜住居町で昨夏、7年ぶりに復活した「お盆野球」を題材にした絵本「ぼんやきゅう」(ポプラ社)が出版された。制作を企画し、文も担当した児童文学作家の指田和さん(50)=埼玉県鴻巣市=は「被災して大変な中でも日常には笑いがあり、浜のたくましさを表現したかった。野球に一生懸命で子どものように無邪気なおじちゃんたちの奮闘記です」と話す。

 

 指田さんは6日、市教育委員会を訪れ、絵本の出版を報告。20冊を寄贈することにしており、「たくさんの人に見てほしい」と思いを託した。

 

 鵜住居地区では戦後、地域のお盆恒例行事として「水野旗争奪お盆野球大会」が続いてきた。同大会は地元の開業医、水野勇さんが、戦後の荒廃した若者の生活態度に心を痛め、地区対抗の野球大会を提案したのが始まり。1948年に第1回大会が開かれ、55年に水野さんが寄贈した優勝旗が今に受け継がれる。

 

 お盆中に行われることで帰省者らも多く参加し、旧交を深め合う場になっていたが、震災の影響で大会休止を余儀なくされた。「伝統ある大会をなくしてはならない」「地域コミュニティー再生にも大会は必要」。地元への愛着と復興への思いから、大人たちが大会復活に向け動き出した。

 

 2017年8月15日、高台に再建された釜石東中グラウンドで、震災後初の大会が実現した。64回目となった大会には中学生チームを含め6チームが参加。復興に向かう地域に野球仲間の歓声が7年ぶりに響き渡った。

 

 絵本は、震災後途絶えていた盆野球の復活に情熱を燃やす大人たちの姿を子どもの視点で描いた。指田さんは市内の地域おこし活動を通じて親交のあった鵜住居地区主任児童委員の市川淳子さん(54)=箱崎町=から盆野球の存在を教えられ、「おもしろい」と絵本作りを企画。2016年夏から約1年半かけて取材し、大会の歴史や住民の思い、7年ぶりに開かれた大会の盛り上がりを伝える絵本に仕上げた。絵は絵本作家の長谷川義史さんがユーモアあふれる独特のタッチで描いた。

 

 これまでにも震災後の釜石を舞台に絵本2冊を出版している指田さん。「絵本を通じて釜石の文化の発信ができたらいいな。地域の一員として、一緒に笑って泣きながらこれからも本を作りたい」と話した。

 

 絵本はB4変形判、40ページ。全国の書店で販売(1404円、税込み)している。

 

(復興釜石新聞 2018年7月11日発行 第705号より)

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今年も祭りを盛り上げた地元の「小川鹿踊り保存会」

「ホタルの里」を大切に、小佐野地域会議 まつりでアピール〜環境保護へ意識高める、小佐野小児童は作文に思い込め

来場者はステージ上からまかれる餅に懸命に手を伸ばした

来場者はステージ上からまかれる餅に懸命に手を伸ばした

 

 ゲンジボタルが生息する釜石市の小川川流域の発信と環境保全を目的とした「ほたるの里まつり」が8日、中小川集会所前広場で開かれた。小佐野地域会議(黒田至議長)が行うほたるの里推進事業の一環で、流域の4町内会などで組織する実行委が主催。6回目の今年は、新たに企画されたホタルに関する作文コンクールの表彰式や恒例の地元芸能の披露などがあり、約200人が楽しんだ。

 

 祭り会場は、昨年解体された仮設団地の跡地の一角。ホタルの観察場所として長年親しまれる“ワッカラ淵”にほど近い場所に特設ステージが組まれ、歌や踊りが披露された。

 

 注目を集めたのは、同祭り初の作文コンクール。小佐野小の全校児童を対象に、ホタルに関する作文(400字詰め原稿用紙2枚)を募集したところ、37点が寄せられた。学校審査で9点に絞られ、同地域会議役員らの採点で表彰する3点が決まった。

 

 最優秀賞は川端心さん(6年)、優秀賞は小澤詩乃さん(3年)、特別賞は大久保利空君(同)の作品が受賞。祭り会場で表彰式が行われ、出席した小澤さん、大久保君に賞状と賞品、ホタルの捕獲観察許可証が贈られた。

 

優秀賞を受賞した小澤詩乃さん(左)と特別賞を受賞した大久保利空君

優秀賞を受賞した小澤詩乃さん(左)と特別賞を受賞した大久保利空君

 

 代表して小澤さんが作文を発表。道徳の本で、人間が流した水が原因でホタルや魚が別の川に引っ越してしまった話を読み、心を痛めた小澤さん。「川にごみを捨てたり悪い水を流さないように、しっかり気を付けないと。ホタルやその他の生き物も人間と同じ命があるから、大切にしなきゃいけない」と思いをつづった。

 

 小澤さんは桜木町の仮設団地に暮らしていた時、小川川にホタルを見に来たが、数匹しか見つけることができなかったという。「今度はもっといっぱい飛んでいるのを見てみたい」と期待を膨らませた。

 

 大久保君は、学校の中でホタルを見つけた経験を明かし、「ここにもいるんだとびっくりした。きれいな川を守るため自分たちもできることをやって、ホタルがもっと増えるようにしたい」と環境保護への意識を高めていた。

 

 祭りは小川鹿踊り保存会の演舞、餅まきでフィナーレを迎えた。黒田議長は「子どもたちの作文を通して大人たちもホタルの勉強をさせてもらった。作文に書いたことを次のアクションにつなげてほしい」とコンクールの手応えを実感。「(ホタルが見られる)この場所を知らない人も多い。中小川のワッカラ淵を機会あるごとにPRし、沿岸のホタルの里として市内外に発信していければ」と願った。

今年も祭りを盛り上げた地元の「小川鹿踊り保存会」

今年も祭りを盛り上げた地元の「小川鹿踊り保存会」

 

 地元住民によると、小川川のホタルは6月中旬ごろから発光が見られ、今年は昨年より下流域でも確認されているという。13日には市の観察会が予定される。発光時期は終盤で、早めの観察がお勧め。最もよく見られる時間帯は午後7時半~8時半ごろ。

 

(復興釜石新聞 2018年7月11日発行 第705号より)

 

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釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第6弾『高橋 聡太郎選手』2018年シーズン FWリーダー

釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第6弾『高橋 聡太郎選手』2018年シーズン FWリーダー

釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第6弾『高橋 聡太郎選手』2018年シーズン FWリーダー

高橋 聡太郎(たかはし そうたろう)選手(所属先:新日鐵住金(株)釜石製鐵所 社員)プロフィール 
2017年加入/1994.7.30生(23歳)/186㎝/95㎏/岩手県釜石市出身/明治大学卒
 
●ラグビーを始めたきっかけ:小学2年生の時、父にラグビースクール(釜石SWJr)の練習に連れて行かれて 
●ポジションの遍歴:CTB→WTB→FL→LO
●ニックネーム:ソウピー
●趣味:マンガを読む、コンビニの新商品チェック
●好きな食べ物:寿司、刺身
●釜石のオススメ:『もりのや』のカツ丼
●試合前のルーティン:試合2日前から炭水化物と水を多くとる
●ストロングポイント:ひたむきさ
●サポーター、ファンへメッセージ:日頃からご支援、ご声援いただきありがとうございます。皆様の期待に応えられるよう、チームとして結果を出せるよう頑張ります。
(取材日:2018年6月13日)

 

ルーキーからリーダーへ~自分も成長しながらチームを盛り上げていく

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第6弾『高橋 聡太郎選手』2018年シーズン FWリーダー

 

ーールーキーイヤーの昨年を振り返って。

 

高橋選手:

会社の新人社員研修が終わった6月にチームに合流したんですが、すぐに試合に出るチャンスを頂き幸運でした(デビュー戦は2017年6月10日 秋田ノーザンブレッツ戦)。また、リーグ公式戦でも試合経験を積む事が出来ました。

 

日々の練習は厳しかったですけど、昨シーズン、チームを率いた小村ヘッドコーチには明治で4年間教えて頂き、同じ様な練習をずっとやってきましたので、自分的には例年通りという感じもありました(笑)。
確かに、仕事との両立は大変だと感じる時もありましたが、やった分だけ身になる事がありますし、特にFWは“しんどい事”を選んでプレーするポジションなので、昨年の経験はとてもプラスになっています。

 

ーー昨シーズンは経験豊富な選手がチームに多く在籍していました。そういった選手とプレーしていかがでしたか?

 

高橋選手:

技術からメンタルの部分まで、たくさんの事を教えて頂きました。
先輩方の存在は僕の中でとても大きくて、まだチームに慣れない時期からよくして頂いて、感謝しかありません。

 

特に、昨シーズン引退された伊藤剛臣さんとは年齢が倍離れていたんですけど(高橋選手23歳の時伊藤さんが46歳)、年齢に関係なく気持ちでプレーされる方だったので、その背中を見てたくさん学ばせて頂きました。ポジションも同じでしたし、剛臣さんと一緒にプレー出来た事は自分のラグビー人生にとってすごく大きな経験でした。

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第6弾『高橋 聡太郎選手』2018年シーズン FWリーダー

 

ーー今年のチームについては?

 

高橋選手:

今年は若い選手が多くなって、チーム内でのコミュニケーションも増えましたし、練習中のアグレッシブさも昨年より格段に上がっていて、チ-ムに新しい良い風が吹いていると感じます。

 

お互いに切磋琢磨しながら、チームを少しでも良くして行こうという意識の高い選手がすごく多くて、それが良いコミュニケーションに繋がっているんだと思います。

 

ーー選手間のコミュニケーションの良し悪しは、プレーにどのような影響を与えますか?

 

高橋選手:

そうですね、グラウンドに立ったら基本的には選手たちでプレーしていくしかないので、ミスが起きた時とかやりたい事ができないという時間帯には「どこが悪いのか」とか「どこを変えればいいのか」などを共有しながらゲームを進めて行かなくてはならいんですが、そこで上手くコミュニケーションが取れないと修正するのが難しくなってしまいます。

 

その点は昨年に比べると今年のチームは出来ているかなと僕は思うんですけど、それでも、この企画の裕雅さん(高田選手)のインタビューを読んだら、「まだ足りない!」という事なので(笑)、そこは“伸びしろ”と捉えて更にコミュニケーションがとれるチームにして行きたいと思います!

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第6弾『高橋 聡太郎選手』2018年シーズン FWリーダー

 

ーー今年のFWメンバーの中では、セットプレーの“ラインアウト”で中心的な役割を担うのが聡太郎選手ですか?

 

高橋選手:

はい。細かい部分とか日々一つ一つ勉強中で・・・松原コーチに怒られながらやっています!(笑)。
先ほど言ったコミュニケーションについても、FW選手内でさらに密に交わして行く必要があります。新しい選手が多くてゼロベースからのスタートなんですけど、ベーシックな部分を徹底し、自分自身でも再確認しながら、このチームの形を構築している最中です。
難しい事ではあるんですけど、“勝つ文化”を築いて行くためにも重要な事なので、力を入れて取り組んでいます。

 

さらに、今年のFWには外国人選手が多いので、“言葉の壁”もあります。
セットプレーのコールなどでも、「“イエス”なのか“セット”なのか?発音が悪い!」と外国人選手に突っ込まれながらやっています(笑)。さすがに耳はたいぶ英語になれてきたようで、言われている文句はわかるようになってきました(笑)。
外国人選手たちも、チームが開催している日本語講座で勉強していて、どんどん上手になって来ています。簡単な会話なら出来るようなので、ぜひ、日本語で話しかけてみて下さい!

 

ーー同期、中村良真選手と共にリーダーに(中村選手はBKリーダー)任命されましたね。

 

高橋選手:

結構、びっくりしました!
でも言われたからにはそこに意味があると考えていて、僕らがリーダーに選ばれたのは「若手をもっと盛り上げて欲しい」という理由が一つかなと思います。加えて、僕ら自身の成長にも期待して頂いていると思っています。

 

良真は帝京大学での実績がありますけど、僕の場合はプレーもまだまだだと思うので、“がむしゃら”にやることプラス“リーダーシップ”を期待されて、「この1年間で鍛えろ!」という桜庭さんからのサインだと捉えています。

 

釜石ラグビーの伝統と偉大な父の存在

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第6弾『高橋 聡太郎選手』2018年シーズン FWリーダー

 

ーー釜石南高校から明治大学へ進学。お父さん(高橋善幸さん:釜石SW 最高顧問)の存在について。

 

高橋選手:

ラグビーを始めた頃からずっと父とは比べられて来ましたし、僕にとっては言われるのは当たり前という感じです。
そこでネガティブに感じていたら、今はラグビーを続けていなかったと思います。

 

また、明治大学への進学については、父と同じ大学にチャレンジ出来ることは、比べられる分、追いつくチャンスがあるとモチベーションを上げる事に繋がりました。

 

ーーラグビーについてお父さんと話した中で印象的な言葉などありますか?

 

高橋選手:

ラグビーの話を深くするようになったのは僕が大学に入ってからで、それまではあまり父からは言われずに来ました。
たぶん今思うと、高校までは、父からアドバイスがあったら“コーチ陣がやりづらいだろう”とか、色々な配慮があっての事だったんだと思います。

 

大学に入ってからは、頻繁に試合を観にきてくれて、試合後はよく父と二人でレビューミーティングをしました!
そうした時間を過ごして僕もだんだん年を重ねる毎に、小さい頃はわからなかった父親の偉大さがわかるようになってきて、改めて目標となりましたし、父の様にラグビーに貢献して行きたいと思うようになりました。

 

ーーそして、新日鉄住金では、どんなお仕事を担当されていますか?

 

高橋選手:

総務部総務室に所属し、主に工場見学やマスコミの対応など対外的な仕事をしています。おのずと自分自身も会社全体について勉強が出来るポジションです。地域と共にある製鐵所と言う意味では、SWも一緒ですね。
職場の皆さんも父と昔からの知り合いの方も多いですし、僕が小さい頃から知っているという方も多くいらっしゃって、恵まれた環境で働いています。

 

自分がここに居させて頂いている事の意味は、育ってきた場所、地域、人に自分で恩返しして来いと言う事でもあると思うので、その感謝を忘れずに大切にして行きたいと思います。

 

小さな頃からの夢~地元、釜石でラグビー選手に

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第6弾『高橋 聡太郎選手』2018年シーズン FWリーダー

 

ーーSWジュニア出身の聡太郎選手には、ぜひ、子供達の憧れの選手になって欲しいです!

 

高橋選手:

ジュニアの練習にはよくお邪魔しているんですけど。子ども達は元気ですね!
僕も小さい頃から新日鐵釜石やSWの選手達に憧れて「ラグビー選手になりたい!」という夢を持ち、それを叶えることが出来ました。本当に恵まれていたと思います。

 

子供の頃に釜石でラグビーをした経験は、きっと大人になった時に「あの町でラグビーをしていたんだ」と噛みしめる瞬間が来るような特別な思い出になると思うし、競技人口が増えれば“ラグビーのまち釜石”を盛り上げる事にも繋がると思うので、少しでもそのお手伝いをしたいという気持ちがあります。

 

釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第6弾『高橋 聡太郎選手』2018年シーズン FWリーダー

 

ーー今シーズンの抱負を教えて下さい。

 

高橋選手:

個人的には数多く試合に出てチームに貢献したいです。
その為に自分のプレーを磨きつつ、今の“がむしゃらさ”にプラスして、チーム全体を見る視野を広げてゲーム展開を考えながらプレーする事が、これからの僕に求められている所だと思うので、そこは経験を積んでいくしかありません。
とにかく一つ一つ修正しながら、シーズンまでにレベルアップしていければと思います。

 

また、リーダーとしての目標は、試合に出る出ないに関わらず、全員がチームに貢献できる環境づくりが重要だと思うので、僕たち若手の世代からそれをやっていければと思います。

 
 

次の試合日程は・・・
7月28日(土)には、TLチーム、豊田自動織機シャトルズとの練習試合が行われます。会場は、豊田自動織機刈谷グラウンド(愛知県刈谷市)、16時キックオフです!詳細は、釜石SWの公式サイトでご確認下さい。
http://www.kamaishi-seawaves.com/

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

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広報かまいし2018年7月15日号(No.1692)

広報かまいし2018年7月15日号(No.1692)

 

広報かまいし2018年7月15日号(No.1692)

広報かまいし2018年7月15日号(No.1692)

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【表紙】 野鳥観察会
【P2~3】 鵜住居地区防災センター訴訟和解/市民体育館などの建設に着工
【P4~7】 釜石鵜住居復興スタジアム関連
【P8~9】 ブロック塀の点検/国民健康保険など
【P10~11】 釜石はまゆりトライアスロン国際大会/地域おこし研究員など
【P12~15】 市職員採用試験/まちのお知らせ
【P16~17】 まちの話題
【P18~19】 保健案内板
【P20】 定住支援など

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
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急斜面の植栽地で高橋参事(左)から植樹の方法を聞く参加者

被災林再生へ植樹、尾崎半島にコナラなど200本〜苗木に未来託す、尾崎100年学舎 釜石森林組合

急斜面の植栽地で高橋参事(左)から植樹の方法を聞く参加者

急斜面の植栽地で高橋参事(左)から植樹の方法を聞く参加者

 

 昨年5月に約413ヘクタールの山林を焼失した釜石市の尾崎半島で6月30日、地元の魅力を再発見し、発信する活動を推進する任意団体尾崎100年学舎(久保晨也代表)と釜石地方森林組合(久保知久組合長)が共催で植樹祭を行った。真夏日となる暑さの中、スタッフを含め18人がカラマツ、コナラ、ミズナラ、オオヤマザクラなど約200本の苗木を植えた。

 

 現場は、森林組合がボランティア植林地とする市有林1・93ヘクタール。北東方向に小松湾、尾崎半島の先端を見下ろし、北に三貫島や御箱崎半島を遠望する斜面で、被災木の伐採、地ごしらえが施されている。植樹会は昨年から約1年の間に10回を予定し、今回は9回目となった。春と秋に集中して行い、約5千本の植樹を見込む。500本以上が残され、最終回は今月中に行う予定。

 

 今回の植樹祭には、県内、近隣の学生や社会人が参加。尾崎白浜のJF釜石湾尾崎白浜コミュニティ番屋で開会式を行った。100年学舎の活動と森林再生への取り組みが報告された。昨年は半島トレッキングを5回実施、参加費を植樹事業に充て、被災木を原料に木製グッズを販売した益金も加えた。

 

 森林組合の高橋幸男参事が大火被害と森林再生への経過を説明。山林経営の継続に苦慮する個人所有者の意識が前向きに変わり、行政、組合、ボランティアの応援が続く状況を伝えた。

 

 久保組合長は「苗木にみなさんの未来を託す気持ちで植えてほしい。暑さに注意しながら、いい汗を流してほしい」と激励した。

 

 現地で植樹の要点を聞き、2人1組で急斜面の植樹に取り組んだ。広大な焼け跡を見回し、汗をぬぐっては晴天に青く輝く海、三陸海岸、水平線などの遠望も満喫した。高橋参事が「火災直後には生命の音が一切ない怖さを実感した」という一帯には、小鳥のさえずりが聞こえ、ムラサキツユクサの花、チョウも姿を見せた。

 

 東日本大震災の支援を契機に大船渡市で起業した大関輝一さん(48)は「友人の関係で参加した。被災した山林はすごい広さ。それを伐採し、整備する労力は大変だと思う。植樹は大船渡市の(市の花)ツバキで経験している。きょうは20本ほど植えた。ひどい暑さで、作業時間(約2時間)はぎりぎりだった」と汗をぬぐった。

 

 昼は番屋で会食。共催する釜石湾漁協・白浜浦女性部が準備したウニご飯、カキの吸い物など海の幸を味わいながら奮闘を振り返り、森林再生への道筋を語り合った。

 

(復興釜石新聞 2018年7月7日発行 第704号より)

 

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浜幸水産の新造マグロ船。市民らに見送られ、大西洋に向け出港した

新造マグロ船出漁、「浜幸水産」10年ぶり〜豊漁祈り北大西洋へ、「浜を元気に」と船出

浜幸水産の新造マグロ船。市民らに見送られ、大西洋に向け出港した

浜幸水産の新造マグロ船。市民らに見送られ、大西洋に向け出港した

 

 遠洋マグロ漁を主力とする釜石市の漁業会社、浜幸水産(浜川幸雄社長)が遠洋マグロはえ縄漁船「第151欣栄丸」(幸栄漁業所属、486トン)を新たに建造し、2日、お披露目と出発式が釜石港で行われた。同社がマグロ漁船を新造するのは10年ぶり。新浜町の魚市場には市民や漁業関係者ら約150人が駆け付け、新しい船の航行と操業の安全、豊漁を祈った。

 

 同社は遠洋マグロ船10隻のほか、近海でタラ漁などを行うトロール船、サンマ船の計16隻を所有。マグロ船は老朽化のほか、資源管理などのため厳しさを増すマグロ漁の今後を見据え、収益基盤の強化や漁獲量の高付加価値化につなげようと新造することにした。

 

 新造船は1日に釜石港に入り、新浜町魚市場に着岸した。同社が所有する漁船の中で最大規模。約9億円をかけて静岡県で建造した。捕獲したマグロを電動で引き上げることができるリフターや冷凍室など最新の設備を備える。

 

 2日は神事を行った後、餅まきをして船出を景気づけた。晴れ渡る空に大漁旗がはためく威勢のいい姿に、集まった人らは「元気もらう」と感激。浜川社長(73)は総力を結集させた船の完成、たくさんの笑顔が広がる浜の様子に喜びをかみしめつつ、「漁業を取り巻く環境はますます厳しくなるが、子々孫々まで漁業中心に操業していく。大漁旗をなびかせ笑顔で帰ってきてほしい」と願った。

 

船出を景気づける餅まきに歓声を上げる市民ら

船出を景気づける餅まきに歓声を上げる市民ら

 

 新造船には24人が乗り込み、北大西洋の漁場に向けて出漁。8月上旬から1年間の操業を予定し、年間水揚げ高は5億円を見込む。上平清一漁労長(67)は「今日はいい日。皆さんのおかげでにぎやかに出航できる。いい船だから水揚げもついてくる。笑顔で会いましょう」と、見送りに集まった人たちに呼び掛けた。

 

(復興釜石新聞 2018年7月7日発行 第704号より)

 

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釜石市民体育館の完成イメージ図

新たなスポーツ拠点に〜釜石市民体育館、鵜住居で着工

釜石市民体育館の完成イメージ図

釜石市民体育館の完成イメージ図

 

 東日本大震災で被災し、釜石市が再整備を進める市民体育館の建設工事安全祈願祭が6月29日、鵜住居町の現地で行われた。鵜住居地区のまちなか再生に向けた中核施設の一つ。来年のラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場として同地区に建設が進むスタジアムとともに、新たなスポーツ拠点となる。来年7月末の完成を目指し、使用開始はW杯終了後の12月ごろを見込む。

 

 桜木町にあった同体育館は震災の地震で天井を支える鉄骨部分が壊れるなど被害を受けたのに加え、旧耐震基準で建てられていたこともあり、2013年に解体され、鵜住居地区での再整備に向けた準備が進められていた。

 

 新しい体育館はJRから三陸鉄道に移管される鵜住居駅西側の敷地約6700平方メートルに建設される。鉄骨一部鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約3510平方メートル。観客席は車いす用6席を含む776席を設ける。多機能トイレやエレベーター、赤ちゃん休憩室を備えるなどバリアフリーに配慮。タカヤ・山長建設特定共同企業体が施工する。

 

 事業費は約21億円。災害復旧費補助金や震災特別交付税でほぼ賄う。

 

建設予定地の全景

建設予定地の全景

 

 安全祈願祭には関係者約40人が出席。神事を行った後、野田武則市長が「鵜住居駅周辺は大きく様変わりする。スポーツの拠点として、市民の期待に応えられる場所にしたい」とあいさつした。

 

 同駅周辺には震災犠牲者の慰霊・追悼の場となる「祈りのパーク」や津波伝承施設などが整備中。商業施設の建設も計画されており、中心市街地の再生が進められている。

 

(復興釜石新聞 2018年7月4日発行 第703号より)

 

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釜石納涼花火2018

釜石納涼花火2018

釜石納涼花火2018

 

今年も納涼花火を開催いたします。
お盆に帰省される方もご一緒にお楽しみください。

 

日時

平成30年8月12日(日)19時~20時半予定
※荒天の場合は13日(月)に順延

観覧場所及び駐車場

観覧場所は、魚市場・グリーンベルト・港町の3か所です。
危険な個所もありますので、係員の指示に従ってご観覧ください。

 

観覧場所及び駐車場マップ

 

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商業観光課
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話 0193-27-8421 / FAX 0193-22-2762 / メール
元記事:
http://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/kanko/matsuri_event/detail/1220141_2438.html
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「魚のまち」釜石を発信〜魚河岸にぎわい施設着工、レストラン、広場を整備

「魚のまち」釜石を発信〜魚河岸にぎわい施設着工、レストラン、広場を整備

魚河岸にぎわい創出施設の完成イメージ図

魚河岸にぎわい創出施設の完成イメージ図

 

 釜石市が進める魚河岸にぎわい創出施設建設工事の地鎮祭が6月29日、釜石港に面する魚河岸地区の現地で行われた。海に関する展示スペースやレストラン、広場などを整備し、来年2月末の完成、4月の本格オープンを予定。昨年5月に復旧した新魚市場と隣接しており、連動して「魚のまち釜石」を発信する拠点としての活用が期待され、関係者は工事の安全と地域のさらなる発展を祈った。

 

 敷地面積3432平方メートルの市有地に鉄骨造り2階建て、延べ床面積1273平方メートルの施設を建てる。地元の海産物などを使った飲食店(4店舗)、銀行(1店舗)が入居し、海に関する展示スペースを設ける予定。花火や曳(ひ)き船まつりを観覧できる展望デッキ、朝市や季節の味覚まつりなどで活用を見込む広場も整備する。

 

施設の建設予定地

施設の建設予定地

 

 建設費は約5億円で、復興交付金や過疎債を活用する。

 

 地鎮祭は設計・施工者の日鉄住金テックスエンジ・山下設計企業連合が主催し、関係者約40人が出席した。くわ入れなどの神事を行った後、発注者の野田武則市長が「にぎわいの拠点として活用できれば、まちは大きく発展する。釜石の海のすばらしさを発信していきたい」とあいさつ。復活に向けて協議が進められている観光船の発着所をつくりたいとの考えも示した。

 

くわ入れする野田市長

くわ入れする野田市長

 

(復興釜石新聞 2018年7月4日発行 第703号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

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元気なお年寄り90人が、はつらつと100歳体操し健康長寿をアピール

「いきいき100歳」へ体操交流、健康で自立した高齢者に〜釜石市地域包括支援センター

元気なお年寄り90人が、はつらつと100歳体操し健康長寿をアピール

元気なお年寄り90人が、はつらつと100歳体操し健康長寿をアピール

 

 釜石市地域包括支援センターは26日、介護予防に効果のある「いきいき100歳体操」に取り組む市民を対象にした交流会を釜石情報交流センター釜石PITで開いた。参加した約90人全員で体操を実践したほか、市内各地で行われている工夫を凝らした体操の取り組みについて情報交換。効果を認識し、取り組みへの意欲を一層高めた。

 

 いすに座ってできる体操は2002年に高知市が開発。重りを着けてゆっくりと手足を動かす運動などで筋力をつけ、介護予防につなげる。市内では同センターが昨年度から鵜住居、小佐野、甲子地区の町内会などに呼び掛け、同体操を取り入れた事業を開始。現在、10団体約150人が体操に取り組んでいる。

 

 交流会は体操に参加する人同士の相互交流や、他地区の活動内容を知ることで今後の活動に生かしてもらうのを狙いに初めて開催。同センター保健師の佐々木みゆきさんが「健康で自立した高齢者」をキーワードにした介護予防について説明。釜石リハビリテーション療法士会の千葉悟副会長が体操のポイントについて、実践を交えて解説した。

 

 団体紹介では、それぞれの取り組み、体操の効果などを発表。▽重りなどの道具を手作り▽活動を知らせるためのカラフルなチラシ作りと町内の掲示板の活用▽体操のためだけに集まるのはもったいないと、頭の体操や卓球、お茶飲みなどと組み合わせている―といった工夫が紹介された。

 

 体操を3カ月続けた後の感想では「楽に、長く歩けるようになった」「腰痛があるので無理はできないと思いつつ参加したが、腰痛が気にならなくなった」「つまずかずスムーズに行動できるようになった」などの声があった。「話をする機会、笑う回数が増えた」との利点も挙げられた。

 

 定内町の「ニコニコ会」で活動する小国チヨ子さん(81)、高堰ミツさん(82)は「週1回、みんなの顔を見るのが楽しみ。体操で体が軽くなるのもいいが、お茶飲みのおしゃべりが楽しい。元気じゃなくても元気な気分になる。体と相談しながら、ゆっくり長く続けたい」と笑顔を重ねた。

 

 同センターの三浦功喜所長は「楽しい時間を過ごすよう各団体で工夫が見られる。元気な体を維持したいとの思いも感じる」と総評。市内全域に取り組みの輪を広げたい考えで、「筋力アップ、体力向上につながる体操を続け、いきいき、はつらつ、元気に年を重ねてほしい」と呼び掛けた。

 

(復興釜石新聞 2018年6月30日発行 第702号より)

 

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ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座開催のお知らせ

ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座

 

ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座開催!

この夏、「ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座」を開催いたします。
このイベントは、来年に迫ったラグビーワールドカップが開催される12都市が会場となり、ここ釜石市は8月1日(水)開催となります。

 

主催は全国外大連合(関西外国語大学、神田外語大学、京都外国語大学、神戸市外国語大学、東京外国語大学、長崎外国語大学、名古屋外国語大学)、共催は公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会。

 

この講座の特徴は、二つの柱を持っていることです。
その一つが、「ラグビーの楽しみ方」「ラグビーワールドカップ理解」「ラグビー基礎知識講座」といったラグビーを一層身近なものに感じられるような講座です。

 

そして二つ目が、【おもてなし】をキーワードにした講座です。
おもてなし?なぜ、おもてなし?

 

答えはこうです。 来日する海外選手や観光客との異文化交流、国際交流を図るには、英語などの外国語でのコミュニケーションが求められます。そのような光景には、きっと真心が添えられます。真心で対応する、もてなしの心を忘れない。「おもてなし」の心は欠かせないということなのです。

 

そこで、「おもてなしの英語」「緊急時の英語対応」「世界の英語」「ネイティブから学ぶ英会話のコツ」といった講座も設けます。それだけではなく、ラグビーワールドカップ出場チームにちなんだ「ゼロから学ぶ人のためのフランス語入門」という英語以外の言語も学べるようになっています。

 

ラグビーと外国語、ぜひこの二つを体感しに来てください。

 

ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座チラシ

ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座チラシ

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 2MB
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日時

2018年8月1日(水) 9:30〜17:00

会場

釜石市民ホールTETTO

入場料

無料

対象

中学生・高校生・一般の方

プログラム

9:30〜9:45 オープニング挨拶
9:45〜10:45 ラグビー基礎知識講座
10:45〜11:15 英語でのアイスブレイキング・アクティビティ
11:30〜12:20 コース別講義(1)
12:20〜13:10 ランチタイム
13:10〜14:00 コース別講義(2)
14:10〜15:00 コース別講義(3)
15:10〜16:00 コース別講義(4)
16:10〜16:25 クロージング
16:25〜17:00 懇親会・修了証発行

お問い合わせ先

講座事務局(神田外語大学)
〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉1-4-1
TEL. 090-1126-5324 (10時~17時 ※土・日・祝・休校日を除く)
MAIL. event@kandagaigo.ac.jp
URL. https://www.kandagaigo.ac.jp/s_summer/

主催

全国外大連合(関西外国語大学、神田外語大学、京都外国語大学、神戸市外国語大学、東京外国語大学、長崎外国語大学、名古屋外国語大学)
 
共催:公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会、釜石市、釜石市教育委員会
後援:岩手県、岩手県教育委員会、スポーツ庁、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会

 

全国外大連合

全国外大連合(講座事務局:神田外語大学)

問い合わせ: TEL 090-1126-5324 (10時~17時 ※土・日・祝・休校日を除く) / Mail event@kandagaigo.ac.jp / 公式サイト

平原さんが釜石東中生と声を合わせた

平原綾香さんと歌声重ねる、復興スタジアム 8月19日に共演へ〜釜石東中をサプライズ訪問

平原さんが釜石東中生と声を合わせた

平原さんが釜石東中生と声を合わせた

 

 代表曲「ジュピター」などで知られる歌手の平原綾香さん(34)が27日、釜石東中(佐々木賢治校長、生徒117人)を訪れ、生徒らと交流。同校で歌い継いでいる合唱曲「いつかこの海をこえて」などで歌声を重ねた。平原さんは、来年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催の会場となる「釜石鵜住居復興スタジアム」で8月19日に行われるオープニングイベントに応援ゲストとして出演。「ジュピター」を披露するのに加え、同校生徒たちと一緒に「いつか~」を合唱することが決まった。

 

 震災後、コンサートなどで復興支援を続けてきた平原さん。日本代表戦で国歌斉唱を務めるなどラグビーとの縁もあり、8月の同スタジアムオープニングイベントへの出演が決まっている。そんな中、W杯釜石開催のPR映像の中で流れる「いつか~」を耳にし、歌に込められた思いやの曲づくりの背景を知り、「一緒に歌いたい」と希望。「復興に向けて歩む姿や音楽のすばらしさを届けるステージを一緒に作ろう」と思いを伝えるため、来釜した。

 

 期末テスト期間中だったが、体育館に全校生徒が集合。3年生(47人)が練習を重ねてきた「ジュピター」を歌い始めると、平原さんがサプライズで登場した。平原さんが生「ジュピター」を披露すると、生徒らは表現力や声量、歌唱力に感激。少し緊張気味に「いつか~」で声を合わせた。

 

 生徒たちの歌声を聴いた平原さんは「まっすぐ素直なきれいな歌声。天使に見えた」と評価。互いに練習を重ねることを約束し、「みんなの十八番(おはこ)、自信を持って。本番、お願いします」と呼び掛けた。

 

 小笠原羽美佳(うみか)さん(3年)は「(平原さんは)空気が振動するような、響き渡る歌声だった。本番は合唱の完成度を高めて歌いたい」と気合十分。高清水享妥(きょうた)君(同)は「いつか~」を校歌と同じくらい大切にしているといい、「震災があった時に先輩が思いを伝えようと作った曲。思いを受け継いで歌わなければ。平原さんとしっかり合わせられるよう練習したい。8・19が楽しみ」と声を弾ませた。

 

 「いつか~」は、震災を経験した同校生徒が考えた復興への思いをもとに作られた曲。歌詞の歌い出しをつなげると「鵜住居で生きる、夢抱いて生きる」とのメッセージが浮かび上がる。

 

 平原さんは2番の歌詞にある「いつの日もそばにいる/たとえ離れていても」が心に強く響いているという。「生きている人が天に向かい亡くなった人を思う、天国からは亡くなった人が見守っているよと呼び掛けているように感じ、胸が熱くなる」。震災被災地で活動を続ける中で出会った人たちの思いに寄り添えるようなこの歌詞に、「思いをのせたい」と本番へ気持ちを高める。

 

 津波で破壊された同校旧校舎の跡地に建設されるスタジアムについて「地域の希望の光で夢の集まる場所だが、夢をかなえる場所であってほしい。震災を忘れない場所にもなると思う。いろんな思いが世界中に届くようお手伝いしたい」と話した。

 

 同スタジアムのイベントには平原さんのほか、ダンス・ボーカルグループEXILE(エグザイル)のUSAさん、TETSUYAさんも応援ゲストとして出演することになっており、同校生徒と一緒にダンスを披露する。

 

(復興釜石新聞 2018年6月30日発行 第702号より)

関連情報 by 縁とらんす

 

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