新造マグロ船出漁、「浜幸水産」10年ぶり〜豊漁祈り北大西洋へ、「浜を元気に」と船出


2018/07/12
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

浜幸水産の新造マグロ船。市民らに見送られ、大西洋に向け出港した

浜幸水産の新造マグロ船。市民らに見送られ、大西洋に向け出港した

 

 遠洋マグロ漁を主力とする釜石市の漁業会社、浜幸水産(浜川幸雄社長)が遠洋マグロはえ縄漁船「第151欣栄丸」(幸栄漁業所属、486トン)を新たに建造し、2日、お披露目と出発式が釜石港で行われた。同社がマグロ漁船を新造するのは10年ぶり。新浜町の魚市場には市民や漁業関係者ら約150人が駆け付け、新しい船の航行と操業の安全、豊漁を祈った。

 

 同社は遠洋マグロ船10隻のほか、近海でタラ漁などを行うトロール船、サンマ船の計16隻を所有。マグロ船は老朽化のほか、資源管理などのため厳しさを増すマグロ漁の今後を見据え、収益基盤の強化や漁獲量の高付加価値化につなげようと新造することにした。

 

 新造船は1日に釜石港に入り、新浜町魚市場に着岸した。同社が所有する漁船の中で最大規模。約9億円をかけて静岡県で建造した。捕獲したマグロを電動で引き上げることができるリフターや冷凍室など最新の設備を備える。

 

 2日は神事を行った後、餅まきをして船出を景気づけた。晴れ渡る空に大漁旗がはためく威勢のいい姿に、集まった人らは「元気もらう」と感激。浜川社長(73)は総力を結集させた船の完成、たくさんの笑顔が広がる浜の様子に喜びをかみしめつつ、「漁業を取り巻く環境はますます厳しくなるが、子々孫々まで漁業中心に操業していく。大漁旗をなびかせ笑顔で帰ってきてほしい」と願った。

 

船出を景気づける餅まきに歓声を上げる市民ら

船出を景気づける餅まきに歓声を上げる市民ら

 

 新造船には24人が乗り込み、北大西洋の漁場に向けて出漁。8月上旬から1年間の操業を予定し、年間水揚げ高は5億円を見込む。上平清一漁労長(67)は「今日はいい日。皆さんのおかげでにぎやかに出航できる。いい船だから水揚げもついてくる。笑顔で会いましょう」と、見送りに集まった人たちに呼び掛けた。

 

(復興釜石新聞 2018年7月7日発行 第704号より)

 

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