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開講したボランティア通訳養成講座

ボランティア通訳養成講座開講、外国人観光客をサポート〜ワールドカップへ おもてなしの心も学ぶ

開講したボランティア通訳養成講座

開講したボランティア通訳養成講座

 

 1年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)に向け、釜石市国際交流協会(丸木久忠会長)が主催するボランティア通訳養成講座が5月27日から市民ホールで開講した。釜石を訪れる多くの外国人観光客をスムーズに受け入れるのが目的。中学生から一般まで約30人が受講。講座は11月まで5回にわたって開かれ、英会話の基礎や、おもてなしの心などを学ぶ。

 

 同講座は昨年から来年まで3年計画で進めており、2年目の今年は受講者のほぼ半分が昨年からの継続。本年度初回のこの日は、市ラグビーワールドカップ2019推進本部事務局の増田久士主幹が国際大会のボランティアガイドについて講義。高橋晃進副主幹はボランティア募集について説明した。

 

 増田主幹は、3年前のラグビーW杯英国大会を視察した経験をもとに「現地のボランティアが失敗を恐れずに学び、挑戦する姿勢が強く印象に残った。釜石には釜石らしいやり方がある。相手のことを知ってあげるのが一番のおもてなしになるのではないか」などとアドバイスした。

 

 続く英会話講座では市の国際交流員エミリー・ハラムズさん、アシュリン・バリーさんが講師となり、身ぶり手ぶりを交えながら分かりやすく指導した。

 

 W杯組織委員会は、観客席への誘導などを担当する大会公式ボランティア(開催12都市で約1万人)を7月18日まで募集している。開催都市で観光案内などを行う独自ボランティアの内容や実施方法については検討中。釜石市国際交流協会事務局の宮崎敏子さんは「釜石の力を生かし、スムーズなサポートをお手伝いしたい」と意気込む。

 

(復興釜石新聞 2018年6月2日発行 第694号より)

 

復興釜石新聞

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観光振興に向け意欲を高める「かまいしDMC」のメンバー(写真説明)

交流人口拡大へ、かまいしDMC設立〜観光地域づくりを推進、体験ツアー企画 イベント誘致

観光振興に向け意欲を高める「かまいしDMC」のメンバー(写真説明)

観光振興に向け意欲を高める「かまいしDMC」のメンバー(写真説明)

 

 観光を通じた震災復興を目指す釜石市は、観光地域づくりを推進する新会社「かまいしDMC」(社長・野田武則市長)を設立した。市が新たな観光振興ビジョンとして掲げる「釜石オープンフィールドミュージアム構想」の実現に向け、復興過程にある行政や企業の取り組みから学ぶ機会の提供や釜石の魅力を伝える体験プログラムの企画などに取り組む。7日には新会社の設立記念パーティーが大町の釜石ベイシティホテルで開かれ、関係者ら約70人が出席。釜石観光の振興を担う経営体の誕生に期待を寄せた。

 

 観光庁は地元に精通し、地域と協力して観光資源づくりを担う法人組織「観光地域づくり組織(DMO)」の普及を推進している。かまいしDMCは、この一環。総合的な観光事業を官民一体で進めるため、宿泊や飲食といった市内全域の観光関連業者の調整役を担う。

 

 同構想では市内全域を博物館とみなし、戦災や津波を乗り越えてきた歴史、浜と里山の生活が同居する文化・風土、多様な景観などを資源とする。かまいしDMCは、そうした資源を利用した体験ツアーの企画、釜石へのイベント誘致などに取り組み、市外からの交流人口の増加を図る。

 

 地域商社として特産品の開発、販路開拓といった事業も展開。観光、物産関連のデータ収集・分析、国内外に向けた観光誘致、マーケティング戦略の策定も行う。

 

 来年のラグビーワールドカップ(W杯)開催の好機を生かし、観光受け入れ態勢の整備などを側面からサポート。W杯後の観光産業の振興にもつなげていく。

 

 総合旅行業務取扱管理者の河東英宜(ひでたか)さん(50)が取締役事業部長に就任。若林正義さん(43)、久保竜太さん(34)、藤田沙彩さん(26)の4人体制で業務に当たる。

 

 設立記念パーティーで野田市長は「震災から7年。復興の形が見えてきた。その中で構築した地域資源を活用し、釜石を全国、世界に発信したい」とあいさつ。市議会、県関係者らが祝辞を述べ、地方創生につながる取り組みの推進に期待を寄せた。

 

 河東さんは「人口減少が進む中、観光を通じて交流人口を増やし、地域活性化につながる事業を展開したい」と意気込みを話した。

 

(復興釜石新聞 2018年5月12日発行 第687号より)

 

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会場には老若男女が集い、熱いライブに盛んな拍手を送った

復興応援、バンドで奏でる〜大町でミュージックフェスタ、イベントも多彩に

会場には老若男女が集い、熱いライブに盛んな拍手を送った

会場には老若男女が集い、熱いライブに盛んな拍手を送った

 

 釜石市東部地区の中心市街地再興を音楽で後押しする「Oh!マチミュージックフェスタ」(同実行委主催)が3日、大町の市民ホールTETTO屋根のある広場で開かれた。アマチュアバンドのライブに加え、周辺ではドローン体験、フォトラリーなど楽しいイベントが組まれ、復興8年目の同地区を活気づけた。

 

 2015年に始まった同フェスタは、昨年まで青葉通りをメイン会場に開催。4年目の今年は4月にグランドオープンした市民ホールを会場とした。広場に面するホールBを開け放ち、屋外とつなげた空間を創出。特設のメインステージと、雨のため、おおまち広場から同ホール玄関前に移したアコースティックステージで交互に演奏した。

 

 応募20組の中から選ばれた県内外のソロ、バンド14組が出演。ロック、ブルース、ジャズ、ポップスなど多彩なジャンルの演奏で観客を楽しませた。ゲストとして、国内外に活動の場を広げる広島出身のレゲエシンガーDRIBBLA(ドリブラ)が出演。大規模土砂災害で多数の犠牲者が出た広島と東日本大震災の被災地に思いを寄せた楽曲などを披露し、心を通わせた。

 

魂の歌で釜石にエールを送ったドリブラ

魂の歌で釜石にエールを送ったドリブラ

 

 県南部のメンバー4人で結成するSOULMATE(ソウルメイト)のドラム担当、多田俊輔さん(32)=釜石市=は「今回のフェスタが、まちのにぎわいの縮図になっているよう。市民ホールという拠点ができ、いろいろな面で再スタートが図られるのでは」と期待感を高めた。

 

ジャズ、昭和歌謡などを透き通る歌声に乗せて届けたソウルメイトのステージ

ジャズ、昭和歌謡などを透き通る歌声に乗せて届けたソウルメイトのステージ

 

 会場内には今年も「青葉マルシェ」を開設。地元商業者が各種飲食メニューを提供したほか、キッチンカーの出店、フリーマーケットもあった。トイドローンの映像で上空からの景色を楽しむコーナー、消防、警察車両の展示、写真を撮りながら同地区を歩き、完成させたビンゴで飲食メニュー引換券がもらえるフォトラリーも人気を集めた。

 

 毎年同フェスタに足を運ぶ甲子町の鈴木文乃さん(30)は「地元が盛り上がっている感じがいい。今年は会場もコンパクトで、より一体感がある」と新たな魅力が加わったイベントに笑顔を広げた。

 

 震災の津波で被害を受けた東部地区は被災事業者の再建、復興住宅の完成、市民ホールの開館などで、まちの姿を大きく変える。新里耕司実行委員長(大町商店街振興組合理事長)は「今後は市民ホールを中心に、どう周辺に人を呼び込めるかが課題。昨年11月に立ち上げた東部地区事業者協議会を基盤に、大渡町から浜町までの一体的な地域振興に取り組みたい」と話した。

 

新日鉄釜石ラグビー部OB 長山さん 音楽でエール

 

 今回の一般出演者の中で最も遠くから足を運んだのは埼玉県行田市の会社員、長山時盛さん(55)=岩崎電気=。茨城県出身で1981年から新日鉄釜石ラグビー部のFW(プロップ)として活躍し、88、89年には主将としてチームを率いた経歴を持つ異色のミュージシャンだ。

 

アコースティックサウンドで釜石への思いを歌う長山さん(右)

アコースティックサウンドで釜石への思いを歌う長山さん(右)

 

 「Yellow Blues Kenny(イエロー・ブルース・ケニー)」の名で音楽活動を続ける長山さんは現在、クラブチームの監督などを務めるかたわら、若いころから親しんできたギターの弾き語りで各地の音楽イベントに多数出演している。

 

 釜石時代の仲間とは今も親交が深く、根浜の友人宅でライブを開くなど、応援の気持ちを寄せ続ける。同フェスタには今回初めて応募。釜石在住の音楽仲間の賛助出演を得て、オリジナル曲「釜石イズオールライト」などを披露し、復興に向かう地元住民を励ました。

 

 「復興は道半ば。少しでも音楽で力になれれば」と長山さん。震災後、何度も釜石を訪れ、まちの様子を見守ってきた。完成した市民ホールを目の当たりにし、「このホールが釜石復興の象徴のように感じる。大町界隈(かいわい)に明るさが戻ってきた」と笑顔を輝かせた。

 

(復興釜石新聞 2018年5月9日発行 第687号より)

関連情報 by 縁とらんす
Oh!マチ Music Festa 2018 – 縁とらんす
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威厳を漂わせ、古来の所作で歩む侍役

さくら祭り、唐丹に春〜大名行列 華やかに、時代絵巻 勇壮に

威厳を漂わせ、古来の所作で歩む侍役

威厳を漂わせ、古来の所作で歩む侍役

 

 釜石市唐丹町で3年に一度行われる天照御祖神社(河東直江宮司)式年大祭「釜石さくら祭り」(川原清文大祭執行委員長、木村嘉人実行委員長)は4月29日、好天の下で華やかに繰り広げられた。すでに桜は散ってしまったものの、沿道には主催者発表で約1万6千人が詰めかけ、大名行列の時代絵巻と勇壮華麗な郷土芸能を楽しんだ。

 

 大名行列には7地域の住民ら約650人が参加。「金紋先箱」、ひげ奴(やっこ)の先導で悠然と進み、郷土芸能は太鼓や笛、衣装もあでやかに演じた。

 

 最高気温28・2度と真夏並みの暑さの中、観客は熱演する多くの子どもに拍手を送った。美声自慢のひげの先箱は「あれはどこへとなー」「唐丹いいとこなー」の決まり文句を唱えながら行進。本郷の並木では「葉桜もいいもんだなー」「あれは美人だなー」とアドリブを加え、沿道の観衆を沸かせた。

 

美声と言葉で行列の進行を周囲に知らせる「奴さん」も花形

美声と言葉で行列の進行を周囲に知らせる「奴さん」も花形

 

 折り返し点の「御旅所」は、新しい唐丹漁港(本郷)の広場に設けられた。岸壁には満艦飾の漁船が並び、華やぎを加えた。用意した弁当を広げ、久しぶりに会う知人とコップを傾ける家族もあった。

 

 津波で唐丹町荒川の家が流され、片岸に新築した小川原テルさん(91)は「きょうは子や孫の家族12人が集まった。秋田(県)から嫁に来て、宵宮で踊ったこともある。昔から比べると人は少ないが、子どもたちも一生懸命でかわいい」と目を細めた。

 

 荒川の熊野権現御神楽で小頭を振って喝采を浴びたのは盛岡市の黄川田宗幸ちゃん(4)。祖父雲南幹夫さん(66)、父泰幸さん(40)もあきれるほどの熱中ぶりだった。宗幸ちゃんは「神楽が大好き。楽しかった。また出たい」と、やる気満々だ。

 

3基のみこしは、時に猛然と駆け出した

3基のみこしは、時に猛然と駆け出した

 

 震災以降、初めてさくら祭りに登場した小白浜の伊勢太神楽と虎舞。太神楽のおかめ(女形)を“サブ”で演じた唐丹中1年の佐々木悠斗君(12)は「中腰での踊りは疲れた。着物は乱れるし、うまくいかない。でも、続けたい」と意欲を見せた。

 

 片岸の常龍山御神楽で子鶏を担った唐丹小6年の大坂凜さん(11)は「踊りは覚えていたけど、暑く、歩く距離も伸びたので疲れました。でもがんばりました」と汗をぬぐった。

 

子ども、若手のがんばりが祭りを支えた

子ども、若手のがんばりが祭りを支えた

 

 唐丹小、唐丹中の教職員も行列に加わった。中学校で理科を担当する鈴木健久教諭(46)は「朝4時半に起き、駆け付けた。生徒の表情も新鮮だ」と満足そうだった。

 

 行列とともに歩いた野田武則市長は「子どもたちのエネルギーを感じた。郷土芸能を伝承し、唐丹を元気にしてほしい」と激励した。

 

(復興釜石新聞 2018年5月2日発行 第686号より)

 

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SL乗車に期待を高める東京の子どもたち。釜石ではラグビー体験も楽しんだ

SL銀河 5年目運行開始〜復興発信、観光振興に膨らむ期待

SL乗車に期待を高める東京の子どもたち。釜石ではラグビー体験も楽しんだ

SL乗車に期待を高める東京の子どもたち。釜石ではラグビー体験も楽しんだ

 

 JR釜石線(花巻―釜石間、90・2キロ)を走る蒸気機関車「SL銀河」は、21日から今季の運行を開始した。初日の下り列車(釜石行き)は、客車4両がほぼ満席。乗客は、各駅や線路沿いで地元住民らの熱い歓迎を受けた。運行5年目の今年は9月30日まで、土日・祝日を中心に上下53本が運行される予定。SLシーズンと連動した観光振興に期待がかかる。

 

釜石駅では虎舞 ゆかた姿のもてなしも

 

 21日、午前10時37分花巻発の列車は、4時間半をかけ釜石に到着。線路をはさんだシープラザ釜石のデッキには、駅前で花植えのボランティア活動に取り組んだ拓殖大生や一般市民らが陣取り、約半年ぶりの雄姿を迎えた。

 

 駅のホームでは、釜石市のキャラクター「かまリン」、JR、観光関係者らが降り立った乗客を歓迎。ホテルフォルクローロ三陸釜石に勤務し、ラグビーの釜石シーウェイブス(SW)RFCに所属するダラス・タタナ選手(26)は今年もジャージー姿で出迎え、記念撮影で乗客と触れ合った。浴衣で釜石を盛り上げる活動を行う市民有志の「ゆかたおもてなし隊」は、女性2人が活躍。釜石商工高生は対面ホームで虎舞を披露し、乗客らが盛んにカメラを向けた。

 

釜石商工高生の虎舞に見入る乗客。郷土芸能のもてなしは運行初日ならでは

釜石商工高生の虎舞に見入る乗客。郷土芸能のもてなしは運行初日ならでは

 

 秋田県仙北市役所の仲間6人で乗車した加古信夫さん(59)は、宮沢賢治の世界観を演出した車内、主要駅で披露される郷土芸能など一番列車ならではのもてなしに感激。「岩手の歴史や文化も勉強でき、目に訴えるものが多い。石炭を燃やす匂いとか昔ながらの温かさが何ともいい感じ」とSL銀河の魅力に浸った。

 

 自らを“蒸気機関車好き”と称する北上市の佐藤和斗君(二子小3年)は、今まで外から追いかけて手を振るだけだったSL銀河に念願の初乗車。「窓からの景色が良かった。車体も迫力がある。また乗ってみたい」と目を輝かせた。母聖子さん(35)は「車内から見ると沿線に多くの人がいて、SLを見ることが元気につながっているんだと感じた。帰りは夫の車で釜石の復興状況を見ながら帰ります」と話した。

 

 釜石観光物産協会は今年も、乗客らにホタテの稚貝汁をお振る舞い。市内の観光、宿泊施設やレンタカー利用などに使える500円のお買い物券(1千円以上の買い物で利用可能)も配った。同券はSL運行期間中、計3千枚を配布予定で、乗客の釜石滞在を促し、観光リピーターにつなげることを狙う。
 SL銀河は昨年、上下51本運行し、延べ約7200人が乗車。平均乗車率は前年同様の8割を維持した。JR東日本盛岡支社では本年度も引き続き、SL運行を通じた復興支援と地域活性化に寄与したいとしている。

 

折り返しは吹奏楽でお見送り 釜石駅の工藤駅長「感動を届けたい」

 

 SL銀河運行2日目の22日は、釜石から花巻への上り運行。午前10時55分の出発を前に、乗客や見物客が機関車の車体や出発準備の様子を見学。釜石高吹奏楽部が演奏を披露し、旅立ち気分を高めた。

 

花巻行きSL銀河の出発合図をする工藤釜石駅長

花巻行きSL銀河の出発合図をする工藤釜石駅長

 

 東京から体験学習に訪れた子どもたち22人のグループは、乗車前にSLのスケッチも楽しんだ。慶應義塾幼稚舎2年の錦織賢史朗君(7)は「正面の車名が入った丸いヘッドマークがかっこいい。客車内がどうなっているのか楽しみ」と期待に胸を躍らせた。

 

 発車時刻には釜石駅の工藤冨士雄駅長(55)が右手を上げて出発合図。高らかに汽笛を鳴らし、走り出す車両を多くの人が手を振って見送った。

 

 「復興のためによみがえらせた機関車が故障もなく5年目を迎えられ、うれしい。乗務員、整備士、これまで乗ってくれたSL銀河ファンに心から感謝したい」と工藤駅長。最近はチケットも取りやすくなってきており、「ぜひ、地元の方にもどんどん乗ってほしい。沿線で手を振るなどの出迎えと合わせ、地元民による一層の盛り上げを図りたい」と希望を込めた。

 

 工藤駅長によると、SL銀河の乗客は釜石駅に最低でも約50人は降りるという。乗客に宿泊してもらうには、市内の観光関係者や有志と連携し、毎年乗ってくれるファンを引きつける工夫も必要。工藤駅長は「車内でも、お客さまに感動してもらえるようなものを届けたい」と意欲を示した。

 

(復興釜石新聞 2018年4月25日発行 第684号より)

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SL銀河 | 縁とらんす
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【インタビュー】Oh!マチ Music Festa 2018

【インタビュー】Oh!マチ Music Festa 2018

【インタビュー】Oh!マチ Music Festa 2018

 

近代製鉄業の隆盛期、企業城下町として釜石が賑わっていた頃、市内だけではなく近隣の市町村からもオシャレをした人々が訪れ、映画鑑賞やショッピングを楽しんだ場所が、釜石市大町を中心とするアーケード商店街。当時この場所は、通称“マチ”と呼ばれていました。

 

その“マチ”を舞台に、東日本大震災後から開催されている音楽イベントが「Oh!マチ Music Feata」。

 

Oh!マチ Music Festa 2018

 

今年で4回目を迎えるイベントについて、実行委員会委員長の新里耕司さん(大町商店街振興組合理事)にお話しを伺って来ました。

 

“マチ”に賑わいを取り戻そう!

 

ーー音楽イベント自体は、震災前から行われていたそうですね。

 

新里さん:

震災前には大町商店街振興組合のイベントとして「大町ミュージックフェスティバル」を実施していました。そして震災後、周辺の商店街振興組合や震災後に新規オープンした店舗など協力して実行委員会を結成し、規模を大きくして再開しました。

 

「大町」を「Oh!マチ」に変え、「大町」のみならず被災した中心商店街地区に“マチ”の顔を取り戻し、芸術・文化を求める人が集う場所の再建を目指し、新旧商店と市民が一体となって賑わいを作って行こうとの目的で開催しています。

 

Oh!マチ Music Festa

 

今年は、会場が青葉通りから、先月グランドオープンした市民ホール前の広場とタウンポート大町前の広場へ。

 

新里さん:

新たな“マチ”の顔となる場所が出来ましたので、折角だから、という事で会場を移しました。青葉通りよりも会場がコンパクトになり、その分ギュッと一体感のあるイベントに出来るのではないかという期待感もあります。

 

ただ、2つのステージが近くなりますので、同時に演奏して音が被ってしまうという事を避ける必要がある為、演奏時間が交互になるように調整しました。

 

ーー観客側としても、交互ならステージを行ったり来たりしてどちらのステージも堪能出来て良いですね。そして、イベントの内容は音楽ステージ以外の部分も盛りだくさんですね。

 

新里さん:

会場を変更したことにより、これまでは交通整理に充てていた人員の削減が出来て、イベントの内容を充実させる為に人手をかけられるようになった事もありますが、実行委員会や運営スタッフに新しいメンバーが増え、皆で出したアイデアを形に出来るようになった事が大きいです。

 

今年はプロの指導のもと、トイドローンを実際に自分で操縦する事が出来る「ドローン体験講座」と「東部地区フォトラリー」を行います。「東部地区フォトラリー」は、指定されたフォトスポットで自撮り写真を撮影しながら“マチ”を巡ってもらう企画です。地元の方でも、案外知らない名所が“マチ”にはあるので、この機会に街歩きも楽しんで頂きたいです。

 

それから、やはり力を入れているのは「マルシェ」です。地元の美味しいものや、イベントを楽しみながら食べられるものなどたくさんご用意しています。また、今年のフリーマーケットには“占い”や“動物保護活動団体PR”などの出店もあります。ぜひ、音楽を聴きながらこちらもお楽しみください。

 

Oh!マチ Music Festa

 

Oh!マチ Music Festa

 

そして、イベントの軸となる音楽ステージには、スペシャルゲストの「DRIBBLA」さんはじめ全15組が登場し、メインステージのオープニング&フィナーレは、地元釜石のミュージシャンがステージを彩ります。

 

毎年5月3日はイベントに関わる全ての人にとって“特別な日”に

 

ーーOh!マチ Music Feataは、新里さんにとってどのような存在、位置づけでしょうか?

 

新里さん:

GWの中でも比較的晴れの日が多いという理由もあり、毎年5月3日に開催するというのを提案したのは私で、やはり“特別な日”です。他の予定は絶対入れたくない!と、この日のスケジュールは死守しています(笑)

 

Oh!マチ Music Festa 2018

 

参加者交流会を開く中で、その場に残ってくれた出演者の皆さんが「人を呼び込んで、イベントを盛り上げたい!」という気持ちで参加してくれている事を直接聞くことが出来て、それがとても嬉しかったです。

 

運営側もその想いに応えられるように、もっと盛り上げて行きたい、気持ちよく演奏できる環境を整えて素晴らしいイベントにして行きたいと強く思っています。スタッフの中にも音楽が好きで自分で演奏する人もおり、出演者の気持ちになって各ステージでフォローに回っています。

 

また、現状ではステージの都合により、応募してくれた皆さん全員をお受け出来ない事を申し訳なく思っています。なので、いずれはステージの数を増やしたいと考えていて、その為にも若手スタッフを育成して行きたいです。そして、“マチ”の色々な場所で音楽が聞こえ、“マチ”自体も楽しむことが出来る。そんなイベントを目指しています。

 

五月晴れの釜石ブルーの空の下(きっと晴れる!)、みんなで音楽を聴きながら“マチ”を楽しみましょう♪

 

Oh!マチ Music Feata2018」

 

Oh!マチ Music Festa 2018

 

日時: 平成30年5月3日(木曜・祝日)10:20~17:25
場所: 釜石市大町<釜石市民ホールTETTO前広場、タウンポート大町前(大町広場)>
駐車場: お近くの有料駐車場(大町商店街駐車場・釜石市営大町駐車場など)をご利用下さい。

 

当日、会場周辺では交通規制が行われます。
市道大渡只越2号線の<NTTビル前~タウンポート大町前>の区間が、10時~18時まで通行止めとなります。ご注意下さい。

 

各ステージのスケジュール、盛りだくさんのイベント内容はこちらからご確認ください。
Oh!マチ Music Festa 2018 – 縁とらんす イベント情報

 

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

「橋野鉄鉱山」とともに幾千年も受け継がれることを願い、希望の「宇宙滝桜」を植樹

被災地にエールの「宇宙桜」、橋野鉄鉱山に希望の植樹〜「三春滝桜」の種 若田さんと地球を回る、栗林小児童らも夢ふくらませ

「橋野鉄鉱山」とともに幾千年も受け継がれることを願い、希望の「宇宙滝桜」を植樹

「橋野鉄鉱山」とともに幾千年も受け継がれることを願い、希望の「宇宙滝桜」を植樹

 

 宇宙を旅した日本の名桜(14種類)の種から発芽した希少な「宇宙桜」の一本が、釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」内の憩いの広場に植えられた。茨城県龍ヶ崎市の一般財団法人ワンアース(長谷川洋一代表理事)が行う東日本大震災復興支援「きぼうの桜事業」の一環。植えられたのは、日本三大桜の一つ、福島県三春町(鈴木義孝町長)の「三春滝桜」の子孫木で、14日、関係者によって植樹祭が行われた。

 

 同鉄鉱山インフォメーションセンターで、長谷川代表がプロジェクトの概要を説明。同法人名誉顧問の山崎直子宇宙飛行士のビデオレターが上映され、長谷川代表から野田武則市長に桜の根元に埋設する「紲(きずな)石」と宇宙フライト証明書が贈呈された。栗林小(佐藤勉校長、児童43人)の全校児童が、各地の植樹祭で歌い継がれるテーマソング「きぼうの桜」を合唱した。

 

「宇宙滝桜」に夢を託し、万歳三唱で植樹祭を締めくくる参加者

「宇宙滝桜」に夢を託し、万歳三唱で植樹祭を締めくくる参加者

 

 植樹場所の広場には、ドウダンツツジ190本をハート形に配した植え込みを用意。中心に発芽から8年が経過し樹高約3メートルに育った「宇宙滝桜」を据えた。ハートの先端は苗の故郷、三春町の方角を向く。鈴木町長、橋野町振興協議会の和田松男会長、栗林小児童会の佐々木健心会長、野田市長が桜の根元に土をかけ、児童らが代わる代わる水をやった。

 

 佐々木会長(6年)は「来てくれたお客さんに囲まれ、きれいに育ってほしい。ずっと成長を見守っていきたい」、岩﨑涼風さん(6年)は「元気に大きく育つよう願いを込めた。みんなに『見に来てね』と自慢できるような桜になれば」と夢を膨らませた。

 

 母樹の三春滝桜は樹齢1千年を超える枝垂れ桜の巨木で、毎年何十万人もの見物客が訪れる。2008年に地元小学生が拾った種(約200粒)はスペースシャトル・エンデバー号で国際宇宙ステーションに届けられ、日本のモジュール「きぼう」船内で、若田光一宇宙飛行士とともに4100回地球を回る8カ月半(08年11月~09年7月)の旅を行った。

 

 同町に帰還した種は再び小学生がまいて育て、関係者が特別に手入れを行ってきた。釜石市に贈られたのは、順調に育った約10本のうちの1本。鈴木町長は「震災や原発事故でわが町も大変だが、力を合わせ復興していきたい。宇宙桜を両市町の復興、絆のシンボルに」と願った。

 

宮沢賢治も大好きだったというラピスラズリでできた「紲石」

宮沢賢治も大好きだったというラピスラズリでできた「紲石」

 

 宇宙桜は、有人宇宙システムの社会貢献事業で誕生。同事業発案者で、15年に財団法人を設立した長谷川代表は、被災した東北3県の沿岸全市町村に宇宙桜を植える構想を継続中。「いずれ巨木となるであろう宇宙桜でつなぐ景観は、震災の記憶を後世に伝えるものとなる。100年後、世界遺産になる可能性は十分にある」とし、21年までに桜ラインをつなげたい意向を示した。

 

 今回植樹された広場沿いには、八重桜など数種の桜の木が連なり、これから順次開花する。同協議会が主催する今年の「八重桜まつり」は5月13日に開催される予定。

 

(復興釜石新聞 2018年4月18日発行 第682号より)

 

復興釜石新聞

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橋野鉄鉱山 現地ガイド付きバスツアー

橋野鉄鉱山 現地ガイド付きバスツアー

橋野鉄鉱山 現地ガイド付きバスツアー

 

平成30年度 釜石駅~橋野鉄鉱山直通シャトルバス(現地ガイド付バスツアー)

 

4月21日から、釜石駅前と橋野鉄鉱山を結ぶシャトルバスの運行をします。

内容

ベテラン現地ガイドの説明を聞きながら、橋野鉄鉱山をめぐります。

運行予定日

土・日・祝日
(※悪天候の場合などは、運行を中止することがあります。)

集合時刻及び場所

午前10時50分 集合
釜石観光総合案内所前(釜石駅前「ホテルフォルクローロ三陸釜石」1階)

バス行程

釜石駅前 11時出発→
橋野鉄鉱山インフォメーションセンター及び国史跡橋野高炉跡でのガイド(約60分)→
橋野どんぐり広場(休憩13時15分頃)→
釜石駅前 14時到着

利用料金

大人(高校生以上) 2,000円
子供(小中学生) 1,000円

 

■予約申込み
(株)岩手旅行社 TEL 0193-31-1300
■問い合わせ
一般社団法人釜石観光物産協会 TEL 0193-22-5835

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 世界遺産課
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8846 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/kanko/detail/1201042_2430.html
釜石市

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上栗林の桜 ライトアップ〜夜空に巨木映える、地域住民バックアップ

上栗林の桜 ライトアップ〜夜空に巨木映える、地域住民バックアップ

上栗林の桜

巨大な花姿が照明に浮かび立つ「上栗林の桜」=10日夜

 

 釜石市指定文化財(天然記念物)の「上栗林の桜」が10日から夜間のライトアップを始めた。咲き始めの花のかたまりは、遠目に白煙のように盛り上がる。午後6時半から9時半まで照明を当て、終了は22日を見込む。

 

 「上栗林の桜」はエドヒガン系で、樹齢約400年の古木。2007年に文化財指定を受けた。高さ17メートル、根元周りは8メートルもある巨木は、春耕を促す「種蒔(まき)桜」とも呼ばれてきた。

 

 ライトアップは今年で6年目。地元町内会の上栗林振興会(三浦栄太郎会長、32世帯)を中心に、全町の連合組織・栗林共栄会が協力する。

 

 照明の準備には2日間をかけ、LEDの昼光色と電光色の13基を組み合わせた。以前より光を強くし、巨木の全体像を浮かび上がらせ、微妙な色合いの違いを演出した。

 

 上栗林集会所の広場に“花冷え対策”で、まきストーブも用意した。初日の10日は空気が澄み渡り、星空が広がって、午後8時には8度台に下がった。三浦会長ら世話人たちはストーブを囲み、ライトアップで浮かぶ花姿を楽しんだ。

 

 「上栗林の桜」は鵜住居町の国道45号から県道釜石遠野線を遠野方向に約8キロ、車で10分ほど。道路から集会所前の広場に上がると、数台の駐車スペースがある。

 

 三浦会長らは「見ごろは14、15日あたり。天気が荒れないといいが」と願う。

 

(復興釜石新聞 2018年4月14日発行 第681号より)

 

復興釜石新聞

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問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

SL銀河

SL銀河運行情報

SL銀河

 

平成30年も4月21日(土)からSL銀河の運行が開始されます。

 

SL銀河が市内を通過するときは手を振って笑顔で歓迎・見送りましょう!今年も元気を運んでくれるSL銀河を地域一丸となって応援しましょう。

 

平成30年運行開始イベント

4月21日(土)15:07到着
釜石商工高校虎舞委員会によるお出迎え、お客さまへホタテの稚貝汁お振る舞い

 

4月22日(日)10:55出発
釜石高校吹奏楽部の演奏によるお見送り

平成30年運行開始イベント

SL銀河の運行日程や詳細については下記のリンク先をご覧ください。(他サイトに移動)
JR東日本旅客鉄道株式会社盛岡支社 SL銀河情報

関連情報 by 縁とらんす
観光情報 – SL銀河 | 縁とらんす

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商業観光課 観光おもてなし係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8421 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:hhttps://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/kanko/detail/1192591_2430.html
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インフォメーションセンターが開館し、見学者が訪れている世界遺産「橋野鉄鉱山」高炉場跡

世界遺産「橋野鉄鉱山」公開再開〜見学環境の充実図る 台風被災の県道開通を追い風に、旧釜石鉱山事務所も再開

インフォメーションセンターが開館し、見学者が訪れている世界遺産「橋野鉄鉱山」高炉場跡

インフォメーションセンターが開館し、見学者が訪れている世界遺産「橋野鉄鉱山」高炉場跡

 

 釜石市橋野町青ノ木の「橋野鉄鉱山インフォメーションセンター」は冬期休館を終え、4月1日から見学者の受け入れを再開した。世界遺産登録から4年目を迎える「橋野鉄鉱山」。市世界遺産課は、一昨年8月の台風10号による豪雨被害からの復旧を継続するとともに、デジタルコンテンツの制作など見学環境充実を図り、さらなる誘客につなげたいとしている。

 

 橋野鉄鉱山の一般公開エリア「高炉場跡」は、台風被害を受けた見学路の仮復旧などを終え、歩行環境が改善。隣接する二又沢川の護岸復旧工事のため、三番高炉北側の種焼場周辺は立ち入り禁止区域が設定されているが、通常見学にはほぼ支障がない状態となっている。

 

 センターの開館に合わせ、1日からさっそく見学者が訪問。寒さもあり、来訪者はまだ少なめだが、台風被害で全面通行止めが続いていた県道釜石遠野線笛吹峠が昨年12月に開通したことで、同道路を利用して訪れる人も見られる。

 

 7日に訪れた遠野市青笹町の菊池信也さん(49)、久美子さん(50)夫妻は「笛吹峠も開通したので、一度は来てみたいと思って」と初めて見学。高炉の石組みを眺め、「すごいよね。人の手で造られたんだもんね」と感心。「世界遺産になったことで遠野も釜石も(観光客増加など)互いに良い効果が生まれれば」と願った。

 

 同センターの昨年(4月1日~12月8日)の入館者数は9865人。前年に比べ約7300人減少しており、内陸からのアクセス路となる笛吹峠の通行止めが大きく影響したものと見られる。今年は峠開通による見学者数の回復に期待が寄せられる。

 

 同課によると本年度は、護岸工事のほか見学路の本格復旧を進める。遺跡関連では二番高炉周辺の試掘調査、同高炉の絵巻を基にした上部構造を含むAR(拡張現実)映像の制作などを計画する。映像は来年公開予定で、スマートフォンやタブレットで見ることができる。釜石で開かれるラグビーワールドカップ(W杯)を見据え、外国人観光客に対応する英語版パンフレットも作成する。

 

 同センターの今年の開館は12月9日まで(午前9時半~午後4時半)。期間中は無休で、入館料は無料。

 

 また、同じく冬期休館していた甲子町大橋の「旧釜石鉱山事務所」も1日から開館した。鉱山関連の資料に、今年は東北最古の地質図とされる「ナウマンの地質図」が常設展示に加わった。開館期間は12月9日まで(午前9時半~午後4時半、最終入館は午後4時)。火・水曜日は休館。入館料は大人300円、小・中学生100円。

 

(復興釜石新聞 2018年4月11日発行 第680号より)

 

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問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

2階展示をリニューアル。世界遺産関連の解説を充実させた

鉄の歴史館、展示をリニューアル〜「橋野鉄鉱山」世界遺産登録にちなみ、総合資料館へ魅力高める

2階展示をリニューアル。世界遺産関連の解説を充実させた

2階展示をリニューアル。世界遺産関連の解説を充実させた

 

 釜石市は、大平町の市立鉄の歴史館の展示をリニューアルした。「橋野鉄鉱山」の世界遺産登録にちなんだ展示を充実させ、総合演出シアターを一部改修。「鉄の総合的な資料館」としての魅力を高め、市全体の観光促進につなげる。

 

 リニューアルしたのは、官営から民営へと移り、やがて隆盛を極めた釜石の鉄鋼産業の近現代と、そこに登場する先駆的人物を取り上げている2階の展示で、パネルを全て作り変えた。時代解説22枚、人物解説6枚、年表が4枚の計32枚。市世界遺産室の森一欽係長は「釜石から八幡製鉄所につながる部分の解説を充実させた。流れが分かりやすくなったと思う。写真も以前より多く使うことができた」と話す。

 

 橋野高炉跡三番高炉の原寸大模型を中心に、音と光と映像によって釜石の鉄の歴史を幻想的に展開させるシアター(1階)も改修。模型はこれまで上映中のみの稼働となっていたが、上映していない時でも同館職員らが動かして鉄づくりの流れを解説できるよう操作装置を設置した。

 

 同館は1985年に開館し、2017年度で33年目を迎えた。同室によると、1994年に大規模な改修工事を行って再オープンし、近代製鉄発祥150周年に合わせ2007年に1階展示コーナーの展示パネルをリニューアル。世界遺産登録を機に16年4月にはシアターで流す映像を新たにした。

 

 ここ数年の来館者は1万2千人前後で推移し、世界遺産に登録された15年度は1万8千人余りと伸びた。今年度は1月30日現在で1万949人。1、2階の展示方法の整合性と内容の充実などと合わせて新たな魅力発信を図るため、改修を決めた。

 

 事業費は約1300万円で、国の地方創生拠点整備交付金を充てた。

 

(復興釜石新聞 2018年2月3日発行 第661号より)

 

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