釜石まつり華やかに、復興進む市街を神輿渡御〜「曳き船」「チャグチャグ馬コ」も、大学生らが担ぎ手に

復興釜石新聞2018/10/30

神輿を迎え、郷土芸能が威勢よくはやし立てた=21日午前10時43分、鈴子町の釜石製鉄所正門

神輿を迎え、郷土芸能が威勢よくはやし立てた=21日午前10時43分、鈴子町の釜石製鉄所正門

 

 釜石市の尾崎神社と新日鉄住金釜石製鉄所山神社合同の「釜石まつり」は19日から3日間にわたって行われた。20日は尾崎神社の神輿(みこし)を乗せた漁船がパレードする「曳(ひ)き船まつり」が釜石湾内で華やかに繰り広げられ、最終21日は秋晴れの下、復興が進む市街地を背景に両神輿が渡御。沿道は多くの見物人でにぎわった。市役所商業観光課によると、まつりの人出は2日間で約1万8千人に上った。  
 
 

釜石魚市場の岸壁から多くの見物客がカメラを向けた「曳き船まつり」

釜石魚市場の岸壁から多くの見物客がカメラを向けた「曳き船まつり」

 

 神輿の合同渡御は21日昼過ぎに鈴子町を出発。市内9団体、約1050人の行列は魚河岸の釜石魚市場を目指した。 寿松院年行司支配太神楽、小川鹿踊りなどの団体が大渡町、大町の青葉通り、只越町など4カ所の「御旅所」周辺と目抜き通りで舞を披露した。

 

 行列の先頭に立つ大太鼓の運搬を手伝った及川弘倫(ひろとも)君(釜石中3年)は「少し疲れるけど、楽しい」と言いながら、仲間と大切な役目を果たした。

 

 最も人出の多い青葉通りには出店が並び、家族連れなどが行き交った。行列が到着する前の午前11時過ぎから、市郷土芸能連合会の手踊り、北上市から招かれた黒岩鬼剣舞、滝沢市のチャグチャグ馬コが披露され、祭り気分を高めた。

 

「チャグチャグ馬コ」と愛らしい騎手に、沿道は笑顔

「チャグチャグ馬コ」と愛らしい騎手に、沿道は笑顔

 

 神輿に従う郷土芸能団体は、観客の声援が増すと一段と興が乗り、演技にも力が入った。八雲神楽保存会の佐々木清海会長(71)は「被災した町並みが徐々に復興し、景色が新しくなった。震災前とは比べものにならないが、にぎわいも増してきた。祭りでは若者ががんばってくれた。着実に復興していると感じさせる」と確かな手応えを強調した。

 

 両神輿が魚市場前の広場に到着すると、ここで最後の神事。尾崎神社の神輿を乗せたお召し船の「第十八宝生丸」がゆっくり岸を離れると、一斉に手を振って見送った。

 

 一般社団法人マツリズム(東京都、大原学代表理事)が「海の祭りから地域のルーツを探ろう」と呼び掛けた企画には、大学生12人を含む19人が参加。神輿の担ぎ手として力を貸した。

 

神輿担ぎの大役を果たした大学生ら

神輿担ぎの大役を果たした大学生ら

 

 栃木県鹿沼市出身で、岩手大学農学部水産システム学コース・釜石キャンパス(三陸水産研究センター)1期生の星野恭佑さん(3年)は「神輿を担ぐのは初めて。予想以上に大変だった」と汗を拭いた。魚が好きで、岩手大に水産学系コースが新設されることを知り入学。「来年も(神輿を)担ぎたい」と意欲を見せた。

 

 聖学院大(本部・埼玉県上尾市)の菅原幸秀さん(人文学部児童学科4年)は13回目の釜石訪問。夏のイベント「釜石よいさ」も経験しているが、釜石まつりは初参加。「復興が進み、まちの変わり方の早さを感じる。神輿を担ぐのは初めてで、肩にタオルのパッドを入れたけど、少し疲れました。この祭りはいい。一体感のある雰囲気が好き」と笑顔で語った。

 

 マツリズムは「祭りの力で人と町を元気に!」と、祭りを通じて地方と都市部の若者や外国人をつなげ、祭り文化の次世代への継承と地域の活性化を目指す。大原代表によると、全国10都県12地域で活動。釜石まつりでは3年目の活動で、日本財団の「海と日本プロジェクト」に位置づけられ、最多の参加者を受け入れた。

 

 大原代表は「釜石は身近に自然(海、山、川)があり、住民の信仰や感謝の気持ちが感じられる。人口減にも工夫してがんばっている」と感心していた。

 

(復興釜石新聞 2018年10月24日発行 第734号より)

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