三陸鉄道 全線開通へ〜釜石駅にカウントダウンボード、林野火災の被災木を活用


2018/10/24
復興釜石新聞アーカイブ #地域 #観光

 三鉄釜石駅前に設置されたカウントダウンボード。念願の鉄路復活に期待を高める関係者ら

三鉄釜石駅前に設置されたカウントダウンボード。念願の鉄路復活に期待を高める関係者ら

 

 東日本大震災で被災し不通になっているJR山田線宮古―釜石間(55・4キロ)は今年度中に復旧し、三陸鉄道(中村一郎社長)に移管され、来年3月23日から「リアス線」として運行を再開する。念願の鉄路復活を盛り上げようと、三鉄と釜石地方森林組合(久保知久代表理事組合長)は、リアス線スタートまでの残り日数を表示する木製のカウントダウンボードを製作。16日に三鉄釜石駅前に設置され、お披露目のセレモニーが開かれた。

 

 ボードは幅1メートル、高さ2メートル。昨年5月に発生した尾崎半島の林野火災で被災した木材を活用した。残り日数の数字は手で入れ替える仕組み。震災で被災した盛―陸前赤崎駅間のレール(重さ約80キロ)を重しとして設置した。

 

 三鉄への移管後は、不通区間を挟んで、既に運行再開している北リアス線(久慈―宮古間)と南リアス線(釜石―盛間)が一本のレールで結ばれ、リアス線(久慈―盛間163キロ)と名前を変えて運行される。第三セクターが運営する路線としては国内最長となる全線を紹介する図、車両写真なども描かれている。

 

 セレモニーで関係者ら5人が除幕し、披露した。中村社長は「立派なボードを作っていただいた。たくさんの方に乗ってもらえる鉄道を目指す」とあいさつ。野田武則市長は「マイレールとして沿線の皆さんに愛される鉄道に」と期待した。

 

 ボードは森林復旧の願いも込め、4基作られた。製作費は1基約20万円。三鉄釜石駅のほか、19日までに大槌町役場、山田町役場、三鉄宮古駅にも設置された。

 

(復興釜石新聞 2018年10月20日発行 第733号より)

 

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