ラグビーW杯 開幕まで1年、大会運営をリハーサル〜人気芸人、日本代表選手も登壇、盛り上げへスクラム
中川家のラグビーおもしろトークに観客は大喜び
ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会の開幕1年前イベントが6、7の両日、釜石市大町の市民ホールTETTOなどで開かれた。岩手県、釜石市、県内関係機関、団体で組織する釜石開催実行委員会が、機運醸成や観戦チケットの販売促進を目的に開催。各種ステージやラグビー体験、出場国の紹介など豊富な企画が用意され、いよいよ来年に迫ったW杯に来場者が期待感を高めた。
6日のステージで最も盛り上がったのは、人気兄弟漫才コンビ「中川家」のトークショー。テレビ番組を機に“ラグビー芸人”として注目を集める兄剛さん、弟礼二さんは大阪府出身で、中学・高校時代、ラグビー部に所属。強豪校で経験した厳しい練習を笑いに変え、楽しいトークを展開したほか、礼二さん得意の“マニアックものまね”でラグビー審判員などを演じ、会場の大爆笑を誘った。
2人はW杯会場となる釜石鵜住居復興スタジアムに触れ、「オープンな感じがいいよね。W杯前に日本代表の試合もやってほしい。復興の象徴を見せなあかん」と熱望。釜石で試合を行うフィジーの選手を「体はでかいが、めちゃくちゃ走る。パス回しもうまいしね。7人制ラグビーでは世界一とってるし」と絶賛し、会場での観戦を勧めた。
女子ラグビー日本代表選手のトークショーには、15人制の平野恵里子さん(横浜TKM)、7人制の谷口令子さん(アルカスクイーン熊谷)、桑井亜乃さん(同)が出演。話題はラグビーを始めたきっかけから日本代表に選ばれた時のこと、けがの話まで及び、それぞれの人柄がにじみ出るトークに来場者が聞き入った。
大槌町出身で釜石高卒の平野さんは、高校卒業時に震災を経験。昨年、アイルランドで行われた女子ラグビーW杯の日本代表に選ばれている。来年の大会について「釜石に世界のラグビーが来てくれるのは本当にうれしい。復興段階を見てもらい、元気でやっているという感謝の気持ちを込めたおもてなしができれば」とサポートを誓った。
女子ラグビー日本代表の平野恵里子さん(左)らのトークは笑顔満開
会場には体験、飲食、展示のブースが並んだ。イオンタウン釜石大町側入り口近くでは、ニュースポーツとして広がりを見せる「ストリートラグビー」体験コーナーを開設。老若男女が簡単なルールで安全に楽しめる競技に挑戦した。
中妻町の大槻瑛汰君(6)は「(ボールを持って)走るのが楽しかった。トライもできた」と初ラグビーにご機嫌の表情。父親の転勤で昨年、釜石に移住。母望美さん(34)は「いいタイミングで来られた。W杯を迎える側の一員になれて楽しい。いろいろなイベントに参加し、子どもたちにも良い刺激になれば。できれば会場で試合も見てみたい」と目を輝かせた。
軽快なステップでトライ!人気のストリートラグビー体験
「ラグビー共和国」と題したコーナーは、仮想通貨とパスポートで世界の文化を味わえるワールドカフェ。釜石の歴史が分かる写真展示、釜石での試合が決まっているフィジー、ウルグアイ、ナミビアの国紹介、世界各国の菓子や飲み物の試食などで来場者を楽しませた。
外国の菓子に子どもたちも興味津々。国際色豊かな「ラグビー共和国」は大盛況
同コーナーを担当した翻訳、通訳、インバウンド・コンサルティングの任意団体ノース・リンク(盛岡市)の中村祐美子さん(43)は「釜石在住の外国人も一緒に盛り上げてくれている」と感謝。1年後の大会に向け、「来訪者も迎える側も互いの思い出に残るような大会になれば。あと1年、W杯を身近に感じてもらいながら、出場国を迎え入れる準備を少しずつ進めていきたい」と意を新たにした。
7日は、鵜住居のスタジアムで行われたジャパンラグビートップチャレンジリーグ公式戦、釜石シーウェイブスRFC対NTTドコモレッドハリケーンズのパブリックビューイングも行われた。イベント会場からはスタジアムまでの無料シャトルバスを運行。主催者側にとっては、大会期間中のファンゾーン運営や交通輸送のテストも兼ねたイベントで、来年に向けた課題も探った。
(復興釜石新聞 2018年10月10日発行 第730号より)
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