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「おもてなしを支えたい」大会ボランティア、釜石に200人集結〜W杯成功へ思いを一つに

「おもてなしを支えたい」大会ボランティア、釜石に200人集結〜W杯成功へ思いを一つに

ラグビーW杯成功へ思いを一つにした大会ボランティア

ラグビーW杯成功へ思いを一つにした大会ボランティア

 

 9月に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会のボランティア向けのオリエンテーションが16日、釜石市民ホールで開かれた。釜石で行われる2試合で観客の案内などに当たるボランティアが集結し、初顔合わせ。交流を深めながら、W杯の成功に向けて思いを一つにした。

 

 オリエンテーションはラグビーワールドカップ組織委員会が2月から3月にかけて全国12会場で開催しており、釜石は6カ所目。

 

 大会ボランティアには全国で約3万8千人が応募し、約1万3千人が採用された。釜石市では19歳から78歳までの約700人が来場者の案内や関係者の輸送補助などを担う。

 

 オリエンテーションには約200人が参加。釜石市ラグビーワールドカップ推進本部事務局の正木隆司総括部長は「みんなでスクラムを組み、一生に一度のW杯を成功に導こう」と呼び掛けた。

 

 組織委のスタッフはボランティアの心得として「笑顔が大事」「まずは自分が楽しむこと」などとアドバイス。前回W杯でボランティアが観客を案内する様子も映像で紹介された。最後に全員で拳を突き上げ、本番に向けて士気を高めた。

 

交流を深め、本番へ気持ちを高めるボランティアら

交流を深め、本番へ気持ちを高めるボランティアら

 

 釜石市大平町の市非常勤職員、山崎達美さん(69)は「みんなで熱い思いを語り合い、力を合わせて大会を成功させようと意気投合した」と高ぶる気持ちを表した。米軍三沢基地や1993年のアルペンスキー世界選手権盛岡雫石大会でボランティアを経験し、簡単な英会話もできる。関係者の輸送に当たるボランティアが少ないと聞き、運転手として大会を支えたいという。

 

 釜石シーウェイブス(SW)RFCでWTBなどとして10年間プレーした新日鉄住金釜石の菅野朋幸さん(34)は「現役時代は地域のみなさんに支えられた。今度はボランティアとして、その恩返しを」と思いを込める。

 

ストリートラグビーを体験するボランティア

ストリートラグビーを体験するボランティア

 

 この日は、イオンタウン釜石に設けられた専用フィールドでストリートラグビーの体験会も開かれ、オリエンテーションを終えたボランティアらも参加。盛岡市の会社員、高田昭子さん(49)も楕円(だえん)のボールを抱えて走り、「英語ができるので、世界中からやって来る人たちを心からもてなし、W杯の盛り上げにつなげたい」と息を弾ませた。

 

(復興釜石新聞 2019年2月20日発行 第767号より)

 

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釜石シーウェイブス、退団・引退選手にエール〜「来季こそ目標達成を」納会・感謝会で誓う

釜石シーウェイブス、退団・引退選手にエール〜「来季こそ目標達成を」納会・感謝会で誓う

「来季こそ昇格を」と誓い合った釜石SWの納会・感謝会

「来季こそ昇格を」と誓い合った釜石SWの納会・感謝会

 

 釜石シーウェイブス(SW)RFCの2018年度納会・感謝会は6日、釜石市大町のホテルサンルート釜石で開かれた。選手やサポーターのほか、支援する企業などの関係者ら約150人が参加。本年度限りで退団・引退する11人の前途にエールを送った。

 

 今季のSWはトップチャレンジ(TC)リーグで7位に終わり、下部リーグとの入れ替え戦で中部電力を下して残留を決めた。

 

 納会で小泉嘉明理事長は「実力はあったが、昇格には届かなかった。今後もSWの伝統を守りつつ、諦めずに前進してほしい」と激励した。

 

 桜庭吉彦ゼネラルマネジャー兼監督は「目標は達成できなかったが、大きなプレッシャーの中でチームは成長することができた。強く、地域に愛されるチームとして来季こそ目標を達成したい」と誓った。

 

 今季限りで井上益基也選手(32)=日鉄物流釜石=ら10人が退団、元主将の佐伯悠選手(33)=エヌエスオカムラ=は引退する。

 

 納会で井上選手は「釜石で出会った人たちとは今後も付き合っていきたい。これからはグラウンドの外から応援する」とあいさつ。チームに籍は残しつつ、現役引退という形を選んだ佐伯選手は「今季は目標に届かなかったが、SWは本当にいいチーム。もっと強く、勝てるチームになってほしい」とチームメートに熱いエールを送った。

 

 選手、コーチとして4年間SWに貢献した松原裕司FWコーチ(39)は「こんな未熟なコーチに、選手はよくついてきてくれた…」と声を詰まらせながらも、「険しい道のりかもしれないが、来季こそいい結果を出してほしい」と託した。

 

「釜石大好き、後悔はない」佐伯選手 10日前に引退決断

 

 

12年間の現役生活に「悔いはない」と佐伯選手

12年間の現役生活に「悔いはない」と佐伯選手

 

 関東学院大の4年生だった2007年、釜石で行われたセブンス(7人制ラグビー)の大会に参加。バネのように躍動する柔軟なプレースタイルに目をつけた大学の先輩、当時の池村章宏ヘッドコーチ(HC)に誘われてSWの門をたたいた。「釜石がトップリーグ(TL)に上がれば、日本のラグビーは変わる」。池村HCの熱弁に圧倒されたという。

 

 あれから12年。入部当初からレギュラーとして定着し、震災後の3季は主将としてチームを引っ張った。チームの再生と復興に取り組んだ3年だったが、宿願のTL昇格は果たせず、3年前から左膝の痛みが出て出場機会もめっきり減った。今季は結局、公式戦出場ゼロに終わった。

 

 悩みに悩んだ末、桜庭GM兼監督に引退を申し出たのは10日ほど前。「コーチに」と引き留める話もあったが、あえて引退という形を選択した。今後は当面、会社員として生活しながらSWを外から見守り続けていくという。

 

 がむしゃらに走り続けてきた12年。「釜石が大好き。釜石でやって来たことを一度も後悔したことがない」。現役生活の中で最も印象に残っているのは、震災の年のリーグ戦初戦、主将として初めて公式戦に臨んだ日野自動車との試合という。

 

 10年前に結婚。6歳と2歳の男の子は現在、いずれもSWジュニアで楕円(だえん)のボールを追いかけている。

 

「震災で意識が変わった」井上選手 今後も復興をともに

 

「これからも釜石で生きていく」と井上選手

「これからも釜石で生きていく」と井上選手

 

「うまくできるか、何年できるか、不安があった」。釜石にやってきた9年前を、そう振り返る。

 

 京都の伏見工高から明治大に進んだが、けがに苦しみ、ラグビーを続けるか悩んだという。大学の先輩で現釜石SW最高顧問の高橋善幸さんに声をかけられ、結局釜石へ。

 

 スタンドオフ、スクラムハーフと、チーム事情に応じてポジションを替えながら、しぶとく生き残ってきた。

 

 14年度はバックスリーダーを務め、トップチャレンジ出場とトップリーグ入れ替え戦出場に貢献。15年度は副将も務めた。

 

 ラグビーと仕事の両立も初めはつらかったというが、震災を経験して意識が変わった。「物流の仕事とSW。どちらも、まちと一緒に成長してきた」と、復興への思いを新たにした。

 

 4年前に結婚し、女の子の父親ともなった。「これからは、お世話になった方々に仕事で恩返しを」。ずっと釜石で生きていくつもりだ。

 

(復興釜石新聞 2019年2月9日発行 第764号より)

 

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釜石市内の野球スポ少団員を指導するソフトバンクの工藤公康監督

工藤監督(ソフトバンクホークス)熱血指導、鵜住居復興スタジアムで野球教室〜釜石シーウェイブスとも交流

釜石市内の野球スポ少団員を指導するソフトバンクの工藤公康監督

釜石市内の野球スポ少団員を指導するソフトバンクの工藤公康監督

 

 プロ野球福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督(55)が19、20の両日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで野球教室を開いた。初日は、市内の野球スポーツ少年団で活動する児童ら51人を熱血指導。「ここから夢を膨らませ、立派な大人になるきっかけにしてほしい」とエールを送った。

 

 この教室は工藤監督の個人事務所が主催し、ソフトバンクの関川浩一・一軍打撃コーチらが同行。釜石市野球スポーツ少年団本部5チームの団員が参加した。

 

 工藤監督は「必ずグローブを差し出し、目標に向かってしっかりと投げる」などとキャッチボールの基本を指導したほか、マンツーマンで投球フォームをチェック。「大きく手を広げて円を描くように回せば簡単に腕は振れる」と、自らやって見せた。

 

投球フォームをチェックする工藤監督

投球フォームをチェックする工藤監督

 

 「まず、見る。そして、まねる」と工藤監督。「注意深く観察し、自分なりにどのようにやっているのかを分析、近づける努力をすることで上達する」と強調した。

 

 野球スポ少のコーチらには「常に子どもたちを見てあげる。いつも見ているよ、と意識させることが大切」と育成術をアドバイスした。

 

 浜っ子スポ少の教え子5人とともに教室に参加した佐々木一哉さん(39)は「工藤監督の野球の考え方はとても柔軟で、子どもたちにも分かりやすい。今後の参考にしたい」と感謝していた。

 

 工藤監督による野球教室は一昨年、昨年と中学生硬式野球チーム釜石ボーイズを中心に行われた。鵜住居復興スタジアムが完成したことを受け、「今年はここで教室を開き、ラグビーワールドカップ(W杯)も盛り上げたい」と工藤監督が希望。釜石シーウェイブスRFCのメンバーも駆け付け、昼食会で工藤監督らと交流したほか、野球少年らと一緒にタグラグビーを楽しんだ。

 

 2日目は釜石大槌地区の中学生67人が工藤監督の指導を受けた。

 

「スポーツの持つ力」で意見交わす

 

 初日の野球教室を終えた工藤監督を迎え、「野球×ラグビー」と題した座談会が大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。釜石シーウェイブスRFCの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー兼監督らと「スポーツの持つ力と可能性」などをめぐって語り合い、今秋に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)の成功を願った。

 

釜石SWの桜庭GM兼監督らと意見を交換する工藤監督

釜石SWの桜庭GM兼監督らと意見を交換する工藤監督

 

 「ファンあってのプロ野球―を肝に銘じて接している。熊本地震をきっかけに、選手の間に『九州は一つ』という思いが強まった。ファンのみなさんに勇気と笑顔を―と常に意識しながらやっている」と工藤監督。桜庭GM兼監督は「釜石SWもスポーツで地域を勇気づけるチームであり続けたい」と応えた。

 

 この日、子どもらとタグラグビーに接した工藤監督は「一つの動きしかしないと体が壊れてしまう。ボールコントロールは難しいが、冬場の体力づくりにいいかもしれない」と前向き。

 

 桜庭GM兼監督はW杯を念頭に「ビッグイベントは地域が一つにまとまるチャンス。選手も積極的にお手伝いしたい」と意欲を示した。

 

(復興釜石新聞 2019年1月19日発行 第758号より)

 

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釜石初 Jリーガーに、菊池流帆さん J2山口へ〜ユニバーシアード世界大会 DFで活躍、「いずれは日本代表に」と飛躍誓う

釜石初 Jリーガーに、菊池流帆さん J2山口へ〜ユニバーシアード世界大会 DFで活躍、「いずれは日本代表に」と飛躍誓う

学生日本代表のデビューを果たしJリーガーとなった菊池さん

学生日本代表のデビューを果たしJリーガーとなった菊池さん

 

 釜石市出身の大阪体育大学4年、菊池流帆(りゅうほ)さん(22)は昨年12月、日本サッカー連盟のJ2「レノファ山口FC」(山口県)と選手契約した。国内最高峰のJ1をうかがうプロチームへ入団を決めたのは、釜石出身者では初めて。まずは山口での開幕戦スターティング・メンバーを目指す。菊池さんは正月に釜石へ帰り、Jリーガーとしてのスタートへ英気を養った。「いずれはヨーロッパのトップリーグ入り、日本代表へ」と、さらなる飛躍を誓う。

 

 菊池さんは定内町の自営業菊池公威さん(48)、祐子さん(47)の長男。サッカーは幼児期から始め、小佐野小から釜石中に進み、FC釜石(U―15)に入団。すでにプロ選手の道を決意していた。

 

 当時のコーチだった地方公務員小山善司さん(52)は「菊池君は“点取り屋”としてよく知られていた。性格は負けず嫌い。成長期で筋力のバランスが崩れ、本人は思うようなプレーができずに悩んだようだ。当時はフォワード(FW)だったが、監督は守備(DF)の練習も体験させた」と振り返る。

 

 菊池さんはサッカーの強豪、青森山田高に進学した。部員は約130人。同じ夢を抱いて全国から集まった、高い能力を秘めた集団に飛び込んだ。

 

 2年までは下部グループだったが、FWからDFにコンバートされて頭角を現し、3年でトップチーム、レギュラーに抜てきされた。全国選手権では1回戦敗退も、大会優秀選手に選ばれた。日本高校選抜チームの一員として初の海外遠征(ドイツ、オランダ、セルビア)を体験、「プロへの目標が現実味を帯びてきた」と菊池さん。

 

 さらにステップアップを目指し、大阪体育大に進学した。現在の身長は1メートル88センチ、体重83キロで、世界的にもDFとして遜色ないサイズだ。大学では順調にキャリアを積み、3年の2017年夏、ユニバーシアード世界大会台北大会に学生日本代表のDF(背番号3)で出場。守備の要として初めて日の丸を胸に公式戦のピッチに立った。結果は6戦全勝。総得点19、失点2の圧倒的な優勝に貢献した。本年度の関西大学リーグでも優勝を手にした。

 

2017ユニバーシアード大会では守備の要で優勝に貢献した

2017ユニバーシアード大会では守備の要で優勝に貢献した

 

 菊池さんは「プロは何よりメンタルの強さが求められる。今は競り合いにも、走っても負けない自信がある。元々負けず嫌い。そのためには練習だけでなく、日々の生活でも意識している。ストレスをためないよう、トレーニングも(当然のこととして)自分なりに楽しく取り組む。酒は飲まない。大学の食事は寮で自炊だった。難しかったけど、仲間同士で学び合った」と、プロの自覚を語った。

 

 足の爪は変形し、うっ血も見られる。「練習や試合で踏まれたり、ぶつけたり」と菊池さん。高いレベルでしのぎを削るトップ選手の証しでもある。

 

 後輩の釜石FC・U―15メンバーも菊池さんの躍進に期待する。釜石中2年のFW須知麗歩(れある)君は「(4年前の)高校選手権の試合をテレビで見た。J1は大変だが、J2も同じ。すごい」と驚く。同2年、ボランチの八幡晴翔(はると)君は「J2に行くのは相当難しい。すごく努力したと思う」と夢舞台に立つ価値を認めた。

 

菊池さんのJ2入りを喜ぶFC釜石U-15選手

菊池さんのJ2入りを喜ぶFC釜石U-15選手

 

 菊池さんは「好きなようにサッカーをさせてくれた両親、家族に感謝している」。後輩には、「自分の可能性を信じ、苦しくても自分の夢を語り、思い続けることが大事」とエールを送った。

 

 実家の家族と正月を迎えた菊池さんは「めっちゃボールを蹴りたい。サッカーの練習をしたい」と、2日に釜石から山口に旅立った。

 

(復興釜石新聞 2019年1月12日発行 第756号より)

関連情報 by 縁とらんす
レノファ山口FC公式ホームページ
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ボールを持ち果敢に突進する小野航大主将。勝利につながるトライも挙げた

釜石猛攻 残留決定、中部電力に41ー7〜小野主将 トライでチームけん引、来季のTL昇格挑戦確保

ボールを持ち果敢に突進する小野航大主将。勝利につながるトライも挙げた

ボールを持ち果敢に突進する小野航大主将。勝利につながるトライも挙げた

 

 ラグビーのトップチャレンジ(TC)リーグと下部地域リーグとの入れ替え戦が4日、釜石市の鵜住居復興スタジアムで行われ、釜石シーウェイブス(SW)は中部電力に41―7(前半15―7)で大勝し、リーグ残留を決めた。入れ替え戦まで追い込まれた釜石SWの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー兼監督は「来季もTCリーグで戦える」とホッとした表情。ラグビーW杯イヤーの来季に持ち越されたトップリーグ(TL)昇格へ「格上のチームにも結果を残せるよう強化していきたい」と前を向いた。

 

 冷たい浜風が吹き荒れる復興スタジアム。スタンドで打ち振られる大漁旗に向かい釜石フィフティーンが勝利の雄たけびを上げた。

 

 「絶対負けられない試合。いい集中力で、いい試合をしてくれた」。来季のTL昇格挑戦権を確保した桜庭監督の顔は思わずほころんだ。

 

 TCリーグ7位の釜石と3地域チャレンジマッチ2位の中部電力。入れ替え戦は独特の緊張感が漂った。結果的には大きな点差となったが、決して楽な試合展開ではなかった。

 

 前半、風下に回った釜石は手堅くボールをつなぎ、パワープレーで前進。ゴール前のスクラムからプロップのホラニ龍シオアペラトゥーが先制トライを奪う。さらにFW陣がモールを押し込み、2トライを加えた。

 

前半、先制トライを決めるホラ二

前半、先制トライを決めるホラ二

 

 後半はバックス陣が奮闘。WTB小野航大主将がタッチライン沿いを粘ってトライを決めると、CTB菅原祐輝、SH南篤志が同じような展開から連続トライ。ロックのコーリー・トーマスが今季チーム最多タイとなる7トライ目を挙げ、突き放した。

 

 「我慢の前半が後半につながった」と桜庭監督。「前半はコイントスであえて風下を選んだ」と小野主将。「自陣からでも腹をくくって攻めるぞ」という積極果敢な思いを共有し、選手が一つになって前へ進んだ。自らのトライで勝利への流れを引き寄せ、主将としての意地を示した。

 

 小野主将は「シンプルに力が足りていなかった」と今季を振り返り、「来季こそTL昇格を」と誓った。

 

大一番で躍動 SH 南篤志

 

相手の隙を突いて突進するSH南篤志

相手の隙を突いて突進するSH南篤志

 

 リーグ残留が懸る大一番で、SH南篤志が躍動した。風下に立った前半から隙を突いて再三敵陣に攻め込み、相手をほんろう。FW陣の推進力を引き出した。

 

 風上に回った後半15分には、敵陣10メートルで得た反則からそのままボールを持って走り出し、一気にゴールラインを駆け抜けた。ゴールも決まって34―7。残留を決定付けるトライとなった。

 

 年末年始も練習を休まず、入れ替え戦に備えて臨んだ。「(中部電力に)下から上がる勢いを感じ、メンタル的に厳しいものがあったが、やるべきことはできた」と胸を張った。

 

(復興釜石新聞 2019年1月9日発行 第755号より)

 

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 デービスHCはこのあと、公認キャンプ地に決まっている宮古市を視察。翌17日は盛岡市のキャンプ地を訪れた。

ナミビア代表 デービスHC、釜石鵜住居復興スタジアム視察〜日本大会で初勝利を

報道陣に決意を伝えるナミビア代表のデービスHC

報道陣に決意を伝えるナミビア代表のデービスHC

 

 来年秋に日本で行われるラグビーワールドカップ(W杯)で、釜石鵜住居復興スタジアムでカナダと対戦するナミビアのデービス・フィリップ・トーマスヘッドコーチ(HC)が16日、試合会場を視察し、スタジアムの状況などを確認した。アフリカ南部に位置するナミビアは6大会連続出場となるが、まだ白星がなく、「日本大会で初勝利を」と意気込みを示した。

 

 ナミビアは平均年齢24歳の若いチームで、世界ランキングは22位。1次リーグではニュージーランド、南アフリカ、イタリア、カナダと同じプールBに入り、釜石での対カナダ戦は来年10月13日に行われる。

 

 この日は野田武則市長が出迎え、ラグビーワールドカップ2019釜石開催実行委の担当者がデービスHCを案内。グラウンドの芝生の状況、コーチボックス、ロッカールーム、スタンドなどスタジアムの環境を入念に確認した。

 

 視察を終えたデービスHCは取材に応じ、「美しい海が見えるなどきれいな景色に囲まれ、すばらしいスタジアムだと思った」とコメント。「東日本大震災の被災地ということで、みなさんはつらい思いをたくさんしてきたと思う。面白い試合をし、良い思い出をつくってもらいたい」と願った。

 

 釜石で対戦するカナダは世界ランキング20位と、実力は拮抗(きっこう)している。デービスHCは「ウイングが強い。カウンターアタックに気を付けないといけない。勇気を持って走り勝つ」と来年秋の本番へ向けゲームプランを描く。

 

 視察に立ち会った野田市長は「本番が近いと実感した。すばらしいスタジアムと評価していただき、安心した。市民ぐるみで各国代表チームを迎えることができるよう万全の態勢を整えたい」と気を引き締めた。

 

デービスHCはこのあと、公認キャンプ地に決まっている宮古市を視察。翌17日は盛岡市のキャンプ地を訪れた。

 

(復興釜石新聞 2018年12月19日発行 第750号より)

 

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のぼり旗を贈った県内ライオンズクラブの会員ら

ラグビーW杯、ライオンズクラブ岩手が盛り上げ〜のぼり旗を釜石に贈る、釜石駅周辺で設置作業

のぼり旗を贈った県内ライオンズクラブの会員ら

のぼり旗を贈った県内ライオンズクラブの会員ら

 

 1年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を民間サイドから盛り上げようと、ライオンズクラブ(LC)国際協会332―B地区(岩手、51クラブ)がのぼり旗400本を制作。5日、猿舘伸俊地区ガバナー(盛岡南LC)らが釜石市を訪れ、市ラグビーワールドカップ推進本部と共同でのぼり旗を設置した。

 

 青地ののぼり旗(縦150センチ、幅45センチ)には「JAPAN2019」「釜石には、ラグビーの力がある」とキャッチコピーが記されている。

 

 今年8月に猿舘ガバナーが釜石・遠野・大槌・山田地区の5クラブ(5リジョン2ゾーン)を公式訪問した際、地元クラブから要望があり、のぼり旗の寄贈を決めたという。事業費の約50万円は、東日本大震災の復興支援金として寄せられた義援金の中から捻出した。

 

 設置作業には猿舘ガバナーのほか、舘澤繁信キャビネット幹事、石田英人ゾーンチェアマン、釜石LCの大和田助康会長、釜石リアスLCの鈴木久会長らが参加。これを前に鈴子町のシープラザ釜石で贈呈式が行われ、猿舘ガバナーから市ラグビーワールドカップ2019推進本部の正木隆司総括部長にのぼり旗が手渡された。

 

 正木総括部長は「ラグビーW杯釜石開催まで294日。機運醸成に向け、のぼり旗は大きな力になる」と感謝。猿舘ガバナーは「歴史に名を残すラグビーW杯釜石開催を少しでも盛り上げ、LC会員の拡大にもつなげたい」と応えた。

 

釜石駅前にのぼり旗を設置する猿舘ガバナーや地元クラブの会員ら

釜石駅前にのぼり旗を設置する猿舘ガバナーや地元クラブの会員ら

 

 この後、釜石駅前周辺にのぼり旗30本を設置。地元クラブの会員や市ラグビーワールドカップ推進本部の職員らと力を合わせて設置作業に取り組んだ猿舘ガバナーは「世界が注目している。大会を成功に導き、釜石を大いにアピールしたい」と期待を膨らませていた。

 

 残りののぼり旗は各町内会や市生活応援センターなどを通じて市内全域に設置する。

 

(復興釜石新聞 2018年12月8日発行 第747号より)

 

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ストリートラグビー 国内初の専用フィールド、誰もが気軽に楽しく〜W杯機運醸成を後押し、イオンタウン釜石に開設

ストリートラグビー 国内初の専用フィールド、誰もが気軽に楽しく〜W杯機運醸成を後押し、イオンタウン釜石に開設

イオンタウン釜石に開設されたストリートラグビーの専用フィールド

イオンタウン釜石に開設されたストリートラグビーの専用フィールド

 

 誰もが気軽にラグビーの基本プレーに親しむことができる「ストリートラグビー」専用の国内初の人工芝フィールドが、釜石市のイオンタウン釜石に開設された。ラグビーの普及に取り組む一般社団法人ストリートラグビーアライアンス(東京都、鈴木寛代表理事)が同店の協力を得て常設。1年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催に向け、ラグビーの面白さ、楽しさに市民が触れる機会を増やし、機運醸成を図る。

 

 ストリートラグビーは2015年に誕生したニュースポーツ。ラグビーのルールを簡素化し、初心者でも安全にプレーを楽しむことができる。フィールドは街なかにも設置が可能で、1チーム3人で対戦する。

 

 タックルの代わりに相手の攻撃を止めるのは、片手タッチ。子どもでも扱いやすい4号球を使用し、低めに設定した空気圧で指のけが防止にも配慮する。競技時間は前後半、各1分以内とし、体力に自信のない高齢者も気軽に楽しめる。

 

ストリートラグビーを楽しむ参加者

ストリートラグビーを楽しむ参加者

 

 フィールドは大町広場入り口付近のスペースを利用して開設された。横8メートル、縦20メートルで、人工芝はヤフオクドーム(福岡市)などと同じ仕様の本格的なものを使用。震災復興支援を目的に、同法人が市街地専用フィールドとして整備した。来年11月のW杯終了まで開設する予定で、関連イベントや一般開放の日に利用できる。

 

 この日は、新設のフィールドで体験会が開かれた。県内外のボランティアやメディア関係者、市民ら約30人が参加。パスなどでディフェンスをかわし、トライの醍醐味(だいご)を味わった。北上市から参加したボランティアの男性は「トライを決めたときの、子どもの笑顔がストリートラグビーの一番の魅力。勇気も育むことができる」と期待する。

 

 インストラクターは現在、県内に約50人、釜石には約20人。釜石シーウェイブス(SW)RFCのOBでインストラクターとして活動する森闘志也さん(42)は「110キロを超えていた体重を、この1年間で5キロも落とすことができた。体を動かすことは健康にもつながる」と、さらなる普及拡大に意気込む。

 

 ルール作りを担当し、普及の陣頭指揮を執る同法人副代表理事の大西一平さん(54)は「国内初の専用フィールドができて感無量。35歳以上のラグビー経験者はおよそ100万人いるといわれているが、競技を終えるとボールにまったく触らなくなってしまう人がとても多い。彼らが“伝道師”になってくれれば」と期待する。

 

(復興釜石新聞 2018年11月28日発行 第744号より)

 

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午前10時、峠コースの参加者が一斉にスタート。まずは下りへダッシュ

紅葉の坂道を駆け上がる〜仙人峠マラソンに653人、復興途上の釜石に勇気

午前10時、峠コースの参加者が一斉にスタート。まずは下りへダッシュ

午前10時、峠コースの参加者が一斉にスタート。まずは下りへダッシュ

 

 第9回かまいし仙人峠マラソン大会(同実行委主催)は28日、釜石市甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所を発着点に2コースで行われた。全国から18~90歳の男女653人が集結。美しく色づいた山々の紅葉、市民ボランティアや沿道の温かい応援に後押しされたランナーが、名物の難コースに果敢に挑み、復興途中の釜石に勇気と感動をもたらした。

 

 開会式で小泉嘉明実行委会長が参加者を歓迎。最も遠くから参加した兵庫県姫路市の佐藤恒義さん(62)が「それぞれの目標に向かって最後まであきらめず、全力で仙人峠を駆け上る」と選手宣誓した。

 

 大松で折り返す10キロコース(標高差約160メートル)に246人、遠野市との境、仙人トンネルまでを往復する峠(17・2キロ)コース(同約400メートル)に407人が出場。午前10時に峠、10分遅れで10キロがスタートした。

 

 両コースとも大松までの下りを快走後、一転して上りへ。峠コースは大橋トンネルを抜けた10キロ地点付近から一層険しい急坂となり、参加者は体力と精神力を振り絞り、頂上への道のりをひた走った。ゴール後は完走した充実感に浸り、仲間と喜びを分かち合った。

 

急坂を懸命に駆け上がる参加者

急坂を懸命に駆け上がる参加者

 

 静岡県磐田市の三好將之さん(42)は、地元サッカーチーム「ジュビロ磐田」のユニホームとラグビーの「ヤマハ発動機ジュビロ」の旗、オリジナルデザインのマスクを身に着け注目の的。「いっぱい応援してもらい、すごく楽しかった。しんどい時は紅葉を見ながらね」と3年目の完走にうれしさ爆発。震災後、ボランティアで釜石・大槌に何度も足を運んでおり、「地元の皆さんと一緒に笑ってマラソンを楽しめるようになれたのが何より」と心の復興へも実感を込めた。

 

 両コースを男女、年齢で区分した11部門で上位6人を表彰した。峠コースの頂点を制したのは、男子39歳以下で1位となった盛岡市の岩手大生吉田拓郎さん(18)で、記録は1時間。今大会参加者中最年少で、好タイムをたたき出した。大会新記録は、峠コース男子40歳以上59歳以下の部で、盛岡市の長澤晃也さん(40)が1時間18秒、10キロコース女子40歳以上59歳以下の部で、滝沢市の柴田真由美さん(42)が41分をマークした。

 

 第2回大会のゲストランナー瀬古利彦さんと国近友昭さんからの寄付金で創設された「瀬古杯」「国近杯」は、釜石大槌地区の参加者の中から両コースの男女1位に贈られる。峠コース女子1位で瀬古杯を獲得した県職員の伊藤章代さん(釜石市)は、一昨年に続き2回目の受賞。「大雨だった昨年よりタイムが振るわなかったので(受賞に)驚いた。また、頑張りたい」と今後へ意欲を見せた。

 

 その他の両杯受賞者は次の通り。
 【瀬古杯】高橋祐輝(釜石市)=峠コース男子1位【国近杯】藤田洸(釜石市)=10キロコース男子1位、太田裕美(釜石市)=同女子1位

 

(復興釜石新聞 2018年10月31日発行 第736号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石シーウェイブスとのコラボ企画「選手紹介インタビュー」のパンフレットが完成しました

釜石シーウェイブスとのコラボ企画「選手紹介インタビュー」のパンフレットが完成しました

釜石シーウェイブスとのコラボ企画「選手紹介インタビュー」のパンフレットが完成しました

 

「かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす」と「釜石シーウェイブスRFC」とのコラボ企画として、今年5月からスタートした選手紹介インタビューは、ラグビーのことはもちろん、選手のプライベートの様子などもインタビュー形式でご紹介する人気のコンテンツで、先日公開した上田宥人選手の記事で11回目となりました。

 

釜石シーウェイブス 選手紹介 | 縁とらんす

 

先日、初めて釜石鵜住居復興スタジアムで開催された釜石シーウェイブスの公式戦(トップチャレンジリーグ第4節 NTTドコモ戦)に合わせて、インターネット上だけではなく、より多くの方々にインタビューをご覧になって頂きたく、ピックアップした記事をまとめたパンフレットを制作し、スタジアムで配布しました。

 

釜石シーウェイブスとのコラボ企画「選手紹介インタビュー」のパンフレットが完成しました

 

こちらのパンフレットは、「釜石情報交流センター」のラウンジとシープラザ釜石内にある「ラグビーカフェ釜石」に設置しているほか、これから開催される釜石シーウェイブスの公式戦でも配布される予定です。数に限りがございますので、ぜひお手にとってご覧ください。

 

釜石シーウェイブス  パンフレット

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

釜石鵜住居復興スタジアム、釜石シーウェイブス 試合観戦バスツアー 第2弾

釜石鵜住居復興スタジアム、釜石シーウェイブス 試合観戦バスツアー 第2弾

釜石鵜住居復興スタジアム、釜石シーウェイブス 試合観戦バスツアー  第2弾

 

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ(釜石SW対栗田工業) – 縁とらんす

 

観戦チケット&特製「ラグビー弁当」付き 釜石まちづくり(株) 釜石シーウェイブス 応援企画 第2弾

 

釜石シーウェイブスの応援にスタジアムへ行こう!

 

完成したばかりの「釜石鵜住居復興スタジアム」で、トップリーグ昇格を目指す釜石シーウェイブスRFCの試合(vs 栗田工業ウォーターガッシュ)を応援を楽しみませんか?

 

釜石鵜住居復興スタジアム試合観戦バスツアー第2弾 チラシ表(1.4MB/PDF)
釜石鵜住居復興スタジアム試合観戦バスツアー第2弾 チラシ表(945KB/PDF)

 

旅行期日

2018年11月4日(日)
午前11:45 釜石情報交流センター集合

住所:岩手県釜石市大町1-1-10
※釜石市外在住の方も含めどなたでもご参加頂けますが、集合場所までの交通費はお客様のご負担となります。

募集人員

50名(最小催行20名)
定員になり次第締め切ります。

申込方法

お電話またはFAXにて
詳しくは こちら をご覧ください。

旅行代金

大人・・・4,000円
小中高生・・・2,000円
<代金は当日支払>
 
未就学児・・・無料
※ただし、お弁当(昼食)及び各種特典はつきません

交通手段

株式会社 岩手旅行社 大型バス(正席45)
または中型バス(正席28)貸切

申込締切

10月30日(火)

お問い合わせ・申し込み

株式会社 岩手旅行社
TEL 0193-31-1300 / FAX 0193-31-1301

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

中川家のラグビーおもしろトークに観客は大喜び

ラグビーW杯 開幕まで1年、大会運営をリハーサル〜人気芸人、日本代表選手も登壇、盛り上げへスクラム

中川家のラグビーおもしろトークに観客は大喜び

中川家のラグビーおもしろトークに観客は大喜び

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会の開幕1年前イベントが6、7の両日、釜石市大町の市民ホールTETTOなどで開かれた。岩手県、釜石市、県内関係機関、団体で組織する釜石開催実行委員会が、機運醸成や観戦チケットの販売促進を目的に開催。各種ステージやラグビー体験、出場国の紹介など豊富な企画が用意され、いよいよ来年に迫ったW杯に来場者が期待感を高めた。

 

 6日のステージで最も盛り上がったのは、人気兄弟漫才コンビ「中川家」のトークショー。テレビ番組を機に“ラグビー芸人”として注目を集める兄剛さん、弟礼二さんは大阪府出身で、中学・高校時代、ラグビー部に所属。強豪校で経験した厳しい練習を笑いに変え、楽しいトークを展開したほか、礼二さん得意の“マニアックものまね”でラグビー審判員などを演じ、会場の大爆笑を誘った。

 

 2人はW杯会場となる釜石鵜住居復興スタジアムに触れ、「オープンな感じがいいよね。W杯前に日本代表の試合もやってほしい。復興の象徴を見せなあかん」と熱望。釜石で試合を行うフィジーの選手を「体はでかいが、めちゃくちゃ走る。パス回しもうまいしね。7人制ラグビーでは世界一とってるし」と絶賛し、会場での観戦を勧めた。

 

 女子ラグビー日本代表選手のトークショーには、15人制の平野恵里子さん(横浜TKM)、7人制の谷口令子さん(アルカスクイーン熊谷)、桑井亜乃さん(同)が出演。話題はラグビーを始めたきっかけから日本代表に選ばれた時のこと、けがの話まで及び、それぞれの人柄がにじみ出るトークに来場者が聞き入った。

 

 大槌町出身で釜石高卒の平野さんは、高校卒業時に震災を経験。昨年、アイルランドで行われた女子ラグビーW杯の日本代表に選ばれている。来年の大会について「釜石に世界のラグビーが来てくれるのは本当にうれしい。復興段階を見てもらい、元気でやっているという感謝の気持ちを込めたおもてなしができれば」とサポートを誓った。

 

女子ラグビー日本代表の平野恵里子さん(左)らのトークは笑顔満開

女子ラグビー日本代表の平野恵里子さん(左)らのトークは笑顔満開

 

 会場には体験、飲食、展示のブースが並んだ。イオンタウン釜石大町側入り口近くでは、ニュースポーツとして広がりを見せる「ストリートラグビー」体験コーナーを開設。老若男女が簡単なルールで安全に楽しめる競技に挑戦した。

 

 中妻町の大槻瑛汰君(6)は「(ボールを持って)走るのが楽しかった。トライもできた」と初ラグビーにご機嫌の表情。父親の転勤で昨年、釜石に移住。母望美さん(34)は「いいタイミングで来られた。W杯を迎える側の一員になれて楽しい。いろいろなイベントに参加し、子どもたちにも良い刺激になれば。できれば会場で試合も見てみたい」と目を輝かせた。

 

軽快なステップでトライ!人気のストリートラグビー体験

軽快なステップでトライ!人気のストリートラグビー体験

 

 「ラグビー共和国」と題したコーナーは、仮想通貨とパスポートで世界の文化を味わえるワールドカフェ。釜石の歴史が分かる写真展示、釜石での試合が決まっているフィジー、ウルグアイ、ナミビアの国紹介、世界各国の菓子や飲み物の試食などで来場者を楽しませた。

 

外国の菓子に子どもたちも興味津々。国際色豊かな「ラグビー共和国」は大盛況

外国の菓子に子どもたちも興味津々。国際色豊かな「ラグビー共和国」は大盛況

 

 同コーナーを担当した翻訳、通訳、インバウンド・コンサルティングの任意団体ノース・リンク(盛岡市)の中村祐美子さん(43)は「釜石在住の外国人も一緒に盛り上げてくれている」と感謝。1年後の大会に向け、「来訪者も迎える側も互いの思い出に残るような大会になれば。あと1年、W杯を身近に感じてもらいながら、出場国を迎え入れる準備を少しずつ進めていきたい」と意を新たにした。

 

 7日は、鵜住居のスタジアムで行われたジャパンラグビートップチャレンジリーグ公式戦、釜石シーウェイブスRFC対NTTドコモレッドハリケーンズのパブリックビューイングも行われた。イベント会場からはスタジアムまでの無料シャトルバスを運行。主催者側にとっては、大会期間中のファンゾーン運営や交通輸送のテストも兼ねたイベントで、来年に向けた課題も探った。

 

(復興釜石新聞 2018年10月10日発行 第730号より)

 

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

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