お盆野球 世代を超え熱戦、雨模様の中 6チーム奮闘〜震災乗り越え 鵜住居に元気、水野旗争奪 66回目

復興釜石新聞2019/08/26

接戦となった鵜住居─両石の試合

接戦となった鵜住居─両石の試合

 

 釜石市鵜住居地域のお盆恒例行事「水野旗争奪お盆野球大会」が14日、釜石東中グラウンドで開かれた。震災による中断を経て一昨年復活した大会は今年で66回目。弱雨が降り続く中での試合となったが、なじみの顔触れとの野球の楽しさは悪天候の憂鬱(ゆううつ)を吹き飛ばし、幅広い世代が古里の良さを実感した。

 

 開会式で大里芳章実行委員長は「若い人たちにも“お盆野球”が印象に残りつつある。令和の時代も長く続けていきたい」とあいさつ。釜石東中野球部の佐々木大地(りく)前主将(3年)が「地域の方々と協力し、精いっぱいプレーする」と選手宣誓した。

 

 鵜住居、箱崎、両石の3町から6チーム約100人が参加。7回(コールドなし、80分制限)のトーナメント戦で優勝を競い合った。地区単位のチームは中学生以上の選手で構成。東中野球部も参加チームに名を連ねた。

 

 待望の追加点に大喜びの鵜住居チーム

待望の追加点に大喜びの鵜住居チーム

 

 年に1度の即席チームながら、現役中・高野球部員、元球児、社会人野球経験者ら“野球好き”が集う同大会は、なかなかのレベル。今年は特にも1、2点差の好ゲームが続き、応援に駆け付けた地域住民も見応え十分だった。

 

 両石チームの松本克治さん(43)は高校生のころから参加。「年代関係なく和気あいあい。チーム同士も顔が知れた仲なので冗談も飛び交う。震災後、復活が決まった時はうれしかった」と回顧。震災の津波で母を亡くし、仮設暮らしなどを経て、つい最近、リフォームした両石の自宅に戻った。「海がある地元がやっぱり好き。(8年も)待ったかいがあるぐらいのまちになってきた」と復興の進展を喜ぶ。

 

 戦後の青少年の健全育成を目的に、地元の開業医・水野勇さん(故人)の提案で始まった同大会。過去にはプロ野球選手も輩出している。両石の瀬戸和則さん(故人)は国鉄盛岡からプロの世界へ。ヤクルトや広島で投手として活躍した。瀬戸さんと家が隣で、お盆野球にも一緒に出ていたという久保典男さん(67)は「当時は参加チームも多く、優勝すればパレードをするような盛り上がり。瀬戸さんを筆頭に、この地域からは高校野球で活躍するような実力ある選手が多数出ている」と話す。現在は監督として両石チームを率いる久保さん。「少年野球で指導した子どもたちが今では30~40代に。その子どもたちも中高生になり参加している。大会は地元を離れた子どもたちの成長ぶりを目にする機会でもある」とし、自身も息子、孫との家族3世代での参加を楽しんだ。

 

 熱戦を制したのは鵜住居。3年連続の優勝に輝いた。
大会結果は次の通り。
▽1回戦
両石2―1東中
箱崎2―0日向
▽2回戦
鵜住居4―3両石
箱崎5―3白浜
▽決勝
鵜住居6―5箱崎
最優秀選手賞=菊池健太(鵜住居)
優秀選手賞=萬慎吾(箱崎)

 

(復興釜石新聞 2019年8月21日発行 第817号より)

 

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