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山林火災の跡をたどり、植生や森林の再生について理解を深めた参加者(左端は鈴木会長)

山火事跡に新たな芽吹き、自然の生命力を再確認〜尾崎半島で植物観測会

山林火災の跡をたどり、植生や森林の再生について理解を深めた参加者(左端は鈴木会長)

山林火災の跡をたどり、植生や森林の再生について理解を深めた参加者(左端は鈴木会長)

 

 昨年5月に大規模な林野火災が発生した釜石市の尾崎半島で22日、釜石植物の会(鈴木弘文会長)が主催する植物観察会が開かれた。市内外から9人が参加。鈴木会長(73)の案内で尾崎白浜から青出し浜までを歩いて往復し、焼け跡から新たな芽吹きが見られることを確認した。

 

 鈴木会長は6月3日と7月11日、半島の南北2ルートで焼け跡を踏査した。約413ヘクタールを焼損した大規模林野火災。今回の植物観察会は、半島の植生、延焼拡大の要因、森林の再生を考えることなどを狙いに企画した。

 

 尾崎白浜地区の集落から林道に入り、環境省と岩手県が選定した「新・奥の細道~リアス海岸尾崎半島のみち」(6・1キロ)の約2・7キロ地点にある青出し浜の尾崎神社奥宮を目指した。最高気温が35・6度まで上がる猛暑日の中、休息をとりながら、起伏のある道を進んだ。

 

 鈴木会長は足元に残るタチハコベ、ミズタマソウ、イガホウズキなどの野草や、穂状の花を咲かせたリョウブなど希少な木を示し、食生活との関わりなどを伝えた。

 

 林野火災の焼け跡では、地肌まで焦げたスギ林と接する広葉樹林帯の被害が少なく、「新しい芽吹き(ひこばえ)が見られる」と再生力の強さを指摘した。

 

 鈴木会長の友人で釜石市出身の陶芸家伊藤正さん(65)=花巻市東和町=は妻信子さん(65)と参加。「すごい(山火事の)被害だ。雑木林が延焼を防ぐ働きをするのが如実に現れている光景だった」と驚きを語った。

 

 登山歴が50年近くになる釜石市平田の佐々木和子さん(78)は、猛暑の中、トレッキングに不慣れな参加者を気遣いながら往復。「最近は膝を痛めて本格的な登山はしないけど、ここは見たかった。植物や山林のことを教えられ、参加してよかった」と喜んだ。

 

 鈴木会長は「尾崎半島は元々、広葉樹林の自然林だった。山火事を契機に、火災など災害に強い、弾力ある森林づくりを考える必要がある」と提言する。

 

(復興釜石新聞 2018年7月25日発行 第709号より)

 

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震災の教訓を後世に伝える慰霊碑

「悲劇を繰り返さない」誓いを胸に〜両石で慰霊碑除幕、120世帯が戻る意向

海に向かって献花し、犠牲者を思い祈りをささげる参列者

海に向かって献花し、犠牲者を思い祈りをささげる参列者

 

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受け、町民46人(関連死含む)が犠牲となった釜石市両石町に、犠牲者を悼み、震災の教訓を後世に伝える慰霊碑が建立された。この碑は、両石湾を望む海抜20メートルの高台に位置。22日、建立した両石町内会と両石財産区が碑の前で慰霊祭を開き、町民や関係者約150人が犠牲者の鎮魂とまちの再生を願い、祈りをささげた。

 

 佐藤実・町内会長代行(62)が、町民や法人などの寄付で実現した建立の経緯を説明。「皆で心を一つに、哀悼の祈りを込めたい。平成30年は両石にとってまちづくりスタートの大きな区切りの年」とし、古里再興へ思いを強くした。町内の子ども3人が碑を除幕。協力した14法人・団体に感謝状が贈られた。常楽寺(鵜住居町)の藤原育夫住職が開眼供養を行い、参列者が焼香、献花。犠牲者の冥福を祈り、悲劇を繰り返さないことを誓った。

 

 同碑建立は2016年6月の町内会総会で決議。役員が市内十数カ所に散らばる町民を一軒一軒訪ねて寄付を募った。同町出身者や復興工事関係者、各種団体も協力。11法人、6団体、180個人から寄付が寄せられた。不足分は要望を受けた同財産区が支援。仲野石材店(大町)が施工し、今月14日に完成した。事業費は約235万円。

 

 建立場所は、桑の浜地区に通じる新市道(未開通)沿い市有地の一角。花こう岩の碑は高さ約2・5メートル(台座含む)で、題字は野田武則市長が揮毫(きごう)した。台座に刻まれた碑文には、大地震発生から津波の襲来、町内の被災状況、復興の道のりが記され、明治、昭和の大津波にも言及。「教訓はひとつ。徒に津波の規模を想定せず、津波警報が出たら自らの命を守るべく、高台目指しとにかく避難すること」と、未来を生きる人々へ訴えかけている。

 

46人の御霊を慰め、津波の教訓を末永く伝え続ける慰霊碑

46人の御霊を慰め、津波の教訓を末永く伝え続ける慰霊碑

 

 遺族代表であいさつした渡辺裕子さん(76)は、夫の正さんを亡くした。「毎日、泣いて過ごした」と当時の絶望感を吐露。平田の仮設住宅に暮らし、今年中に両石に、息子夫婦と住む自宅を再建する予定だという。「くよくよしてはいられない。両石に帰らねばという思いはずっと持ち続けてきた。残りの人生を再び、地域の皆さんと仲良く暮らせたら」と願った。

 

 慰霊碑の隣には今後、津波で流され、がれきの中から見つかった地元消防団の半鐘を設置し、慰霊や記憶の伝承に役立てる方針。

 

 同町を襲った津波は最大で海抜24メートル地点にまで達した。当時、260戸あった住宅は、高台の13戸を残して全て流失。一夜にしてまちが姿を消した。

 

 復興のため、市内最大規模の盛り土造成が行われた。今年、県営両石アパート(24戸)と市が整備する戸建て復興住宅13戸が完成し、入居している。戸建て住宅は残り12戸が建築中で、65区画整備された自力再建用地では、新たに家を建てるつち音があちこちで響いている。

 

 町内会によると約120世帯が同町に戻る意向を示しており、最終的な町内会規模は震災前の半分程度になる見通し。

 

(復興釜石新聞 2018年7月25日発行 第709号より)

 

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2つの門のふたを除き、表土の砂利を取り除く作業を住民も見守った

地中から尾崎公園の記録〜地元住民 40年前に思いはせ、二つの碑掘り出す

2つの門のふたを除き、表土の砂利を取り除く作業を住民も見守った

2つの門のふたを除き、表土の砂利を取り除く作業を住民も見守った

 

 釜石市浜町の高台にある尾崎近隣公園で18日、40年前に同公園の完成を記念して埋められたタイムカプセルの掘り起こしが行われた。工事関係者の名前が記された二つの碑が掘り出され、作業に立ち会った約20人の地元住民らは「こんな碑が埋められていたのを初めて知った」と驚き、当時のにぎわいに思いをはせた。震災の津波で浸水した埋設場所は今後、市道として整備される。

 

 尾崎公園は1977~78年度の2カ年事業で建設された。公園の上り口には大きな門柱(幅1・7メートル、奥行き4・5メートル、下段の最大高2・5メートル)が対となって設置され、左に「尾崎公園」、右には「おさきこうえん 昭和54年3月竣工」と記した金属製の銘板がはめられている。

 

 地元住民で組織する尾崎公園愛護会の高橋松一会長(76)が、当時の工事関係者から「タイムカプセルのような物を埋めた」と聞き、復興工事を担当する熊谷組・小澤組特定建設工事共同企業体(JV)が住民の要望に応じ協力した。

 

 この日は、公園建設工事の現場主任だった鎌田紀男(ゆきお)さん(70)=山長建設取締役=も立ち会い、「何かを埋めたのは覚えているが、中身は定かではない」と作業の様子に目を凝らした。

 

 門柱の分厚いふたの下には、玉砂利が敷かれ、中からチェーンで結ばれた碑が現れた。いずれも黒みかげ石で、縦70センチ、横80センチ、厚さは最大25センチ、重さは300キロ近いと推定。碑に刻まれた記録には「市民の健康増進と避難広場とするため、事業費9千万円を投じて昭和54年3月に完成した」とある。

 

出土した碑を囲み、40年前の一帯のにぎわいを語る住民ら

出土した碑を囲み、40年前の一帯のにぎわいを語る住民ら

 

 掘り起こしに立ち会った地元の萬キヨさん(83)は「陣屋まつりなど広場に大勢が集まってにぎわった。震災後から寂しくなったが、また、にぎわいが戻るといい」と大掛かりな作業を見守った。

 

 高橋会長は「いつ掘り出す計画だったのかも分からないが、千年に一度という震災で碑を取り出すことになった。ほかの埋蔵品も期待したが、碑は文化財として保存してほしい」と願う。今後、碑をどのように保存するかは、市と協議するという。

 

 震災の津波で周辺の建物は流失し、現在は住宅再建用地などの造成工事が進む。盛り土の高さは最大7メートルに達し、公園も門柱の上まで土に覆われる計画だ。土盛り工事を前に門柱は撤去する。

 

(復興釜石新聞 2018年7月21日発行 第708号より)

 

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【インタビュー】2018夏 根浜海岸 海あそび〜7/28(土)、29(日)開催

【インタビュー】2018夏 根浜海岸 海あそび〜7/28(土)、29(日)開催

【インタビュー】2018夏 根浜海岸 海あそび〜7/28(土)、29(日)開催

 

東日本大震災から8度目の夏を迎えた三陸沿岸各地から、「震災後初の海開き」という嬉しい便りが届き始めています。

 

釜石ではまだ正式に“海開き”と言える状況ではありませんが、安全に海あそびが出来る環境が整った根浜海岸で、7月28日・29日の2日間、海で泳ぎ、海を身近に楽しめるイベントが開催されます。

 

イベントの主催団体(一社)根浜MINDは、ふるさとの風景を守り、未来につなげる活動を行っています。事務局の廣田一樹さん(宝来館)に、これまでの活動や今回のイベントについて伺って来ました。

 

ふるさとの海辺の風景を守り、未来へつなげたい

 

根浜海岸

 

ーー根浜MINDはどのような経緯で発足したのでしょうか?

 

廣田さん:

きっかけは、この地域に欠かせない「観光」でした。
震災後、それまではどちらかと言うと、誰かが何かやってくれるのを待っていた状態だったのですが、お隣大槌町の浪板海岸では住民主導での海岸復活の動きがあり、観光施設などが出来上がっていく過程を見て、「このまま待っていては行けない。自分たちで何とかして行かなくては。」という気持ちが、住民やこの地域に関わる人たちの中で大きくなりました。
 
そして、「海辺の暮らし、風景を守って行こう」と、2016年7月に地域住民が中心となって団体を立ち上げ、代表の岩崎昭子(宝来館)を含めた6名と事務局2名で活動しています。

 

廣田さん

 

ーーどのような活動をされていますか?

 

廣田さん:

防災、減災活動として宝来館の裏山に避難経路を整備したほか、震災後に出来たご縁により英国ロンドン芸術大学からご支援を頂き、英国式レスキューボートによる住民主体の水難救助システム構築を目指し活動を進めています。
 
また、震災によって三陸沿岸各地では、砂浜とともにそこで見られた海浜植物なども消えてしまった地域が多いですが、根浜海岸には奇跡的に植物が残りました。岩手ではここだけだそうです。
その、ハマナス(バラ科のピンク色の花)やハマボウフウ(薬草で絶滅危惧種に指定されている)を増やして根浜海岸の原風景を取り戻し、それを守り続けて行く為に、特産品として活用して行こうという活動もしています。
 
これら海浜植物を増やす活動については、今年から地元の東中学校の全校生徒も一緒に取り組んでいて、種から苗を育て、海辺の清掃活動をし、秋には海岸での植栽を予定しています。

 

ハマナスの花

 

子ども達に海での楽しい思い出を

 

ーーイベントのチラシですが、子ども達の笑顔の写真が印象的ですね。

 

廣田さん:

震災から丸7年が経った今でも、“海はこわいもの”という認識を持った子ども達がまだ多いと思うのですが、子ども達にはやはり海の楽しさも知って欲しいです。

 

この地域の子どもは、どの世代も海と密接な関わりがあったそうですが、今はそういう機会が少なくなってしまいましたし、通学路も海を通らず山側を通るようになり、海との物理的な距離も出来ています。

 

先ほどの中学生の海浜植物再生の取り組みも、海岸清掃から始めて、まずは海を眺めてもらう機会を作る所からと、いきなり「海で泳ごう」ではなくて、段階を踏みながら海との距離を縮めてもらおうという側面も持ち合わせながら行っている部分もあるんです。

 

廣田さん

 

ーー廣田さんは関東のご出身ですが、ご自身も根浜海岸での思い出があるそうですね。

 

廣田さん:

母の実家が山田町で、夏休みに帰省した時には必ず一度は根浜海岸で遊びました。
その頃、この海には滑り台などの遊具が浮かんでいて、すごく特別な海水浴場だったんです。

 

遊具は子供では足がつかないちょっと深い所にあって、小さい頃はそこまで行くことが出来なくて、年上の子たちが遊んでいる姿を羨ましく見ながら、「早くあそこまで行けるようになりたい!」と思っていました。そして、そこで遊べるようになった時、「少し大人になったな!」と誇らしい気持ちになった事を覚えています。

 

今になって知ったのですが、実はその遊具は、根浜MINDのメンバーでもある前川民宿さんが毎年浮かべてくれていたものだったんです。
自分自身の楽しい思い出と、地元の方々の想いがつながった瞬間でした。

 

ここが好き~いつかまた地元の人たちでにぎわう海辺の景色が戻るまで

 

ーープログラムを提供するメンバーも多彩ですね!

 

廣田さん:

どちらかと言えば、外から来た人たちが多いのですが、「海が好き」という共通の想いがあるメンバーが集まっています。
それだけ、根浜の人や場所に魅力があるという事だと思います。
今回も“皆さんに楽しんでもらえる空間を”と、海で思いっきり遊ぶのはもちろん、海に入らなくても周辺で楽しめるプログラムもご用意しています!

 

養浜終了後には本格的な海開きが行われる予定ですが、震災から8度目の夏にこのような海を楽しむイベントを開催出来るまでになり、ようやく第一歩を踏み出せたという感じがします。

 

今でも海に向き合えないという想いを抱えている方も多くいらっしゃると思いますが、そこは私たちの力ではどうにもできない、踏み込めない領域です。
今はまだ海と向き合えなくても、地元の人たちが「海にふれる」という気持ちになった時に変わらない三陸の風景をみんなで作り守ってつなげていきたい、そう思っています。

 
 

2018夏 根浜海岸 海あそび 祈り、そして未来を願って

 

018夏 根浜海岸 海あそび

 

2018夏 根浜海岸 海あそび チラシ表(JPGファイル/260KB)
2018夏 根浜海岸 海あそび チラシ裏(JPGファイル/226KB)

 

開催日時

2018年7月28日(土)29日(日) 午前9時~午後4時
28日 9時30分~オープニングセレモニーで虎舞披露!!

場所

釜石市根浜海岸、根浜緑地公園

海あそびプログラム

陸の思い出ワークショップ/SUP体験/シュノーケル/ねばだるま絵付け体験/レスキューボート体験等
同時開催:根浜写真展~根浜地区の震災前~現在の写真展示

 

イベントのちらしは、7月15日発行の広報かまいしと一緒に配布されています。
また、詳細は以下のSNSサイトなどもご覧ください。

 

釜石の観光のFacebookはこちら
https://www.facebook.com/kamaishikankou
根浜MINDのFacebookはこちら
https://www.facebook.com/nebamamind/

 

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

今年も祭りを盛り上げた地元の「小川鹿踊り保存会」

「ホタルの里」を大切に、小佐野地域会議 まつりでアピール〜環境保護へ意識高める、小佐野小児童は作文に思い込め

来場者はステージ上からまかれる餅に懸命に手を伸ばした

来場者はステージ上からまかれる餅に懸命に手を伸ばした

 

 ゲンジボタルが生息する釜石市の小川川流域の発信と環境保全を目的とした「ほたるの里まつり」が8日、中小川集会所前広場で開かれた。小佐野地域会議(黒田至議長)が行うほたるの里推進事業の一環で、流域の4町内会などで組織する実行委が主催。6回目の今年は、新たに企画されたホタルに関する作文コンクールの表彰式や恒例の地元芸能の披露などがあり、約200人が楽しんだ。

 

 祭り会場は、昨年解体された仮設団地の跡地の一角。ホタルの観察場所として長年親しまれる“ワッカラ淵”にほど近い場所に特設ステージが組まれ、歌や踊りが披露された。

 

 注目を集めたのは、同祭り初の作文コンクール。小佐野小の全校児童を対象に、ホタルに関する作文(400字詰め原稿用紙2枚)を募集したところ、37点が寄せられた。学校審査で9点に絞られ、同地域会議役員らの採点で表彰する3点が決まった。

 

 最優秀賞は川端心さん(6年)、優秀賞は小澤詩乃さん(3年)、特別賞は大久保利空君(同)の作品が受賞。祭り会場で表彰式が行われ、出席した小澤さん、大久保君に賞状と賞品、ホタルの捕獲観察許可証が贈られた。

 

優秀賞を受賞した小澤詩乃さん(左)と特別賞を受賞した大久保利空君

優秀賞を受賞した小澤詩乃さん(左)と特別賞を受賞した大久保利空君

 

 代表して小澤さんが作文を発表。道徳の本で、人間が流した水が原因でホタルや魚が別の川に引っ越してしまった話を読み、心を痛めた小澤さん。「川にごみを捨てたり悪い水を流さないように、しっかり気を付けないと。ホタルやその他の生き物も人間と同じ命があるから、大切にしなきゃいけない」と思いをつづった。

 

 小澤さんは桜木町の仮設団地に暮らしていた時、小川川にホタルを見に来たが、数匹しか見つけることができなかったという。「今度はもっといっぱい飛んでいるのを見てみたい」と期待を膨らませた。

 

 大久保君は、学校の中でホタルを見つけた経験を明かし、「ここにもいるんだとびっくりした。きれいな川を守るため自分たちもできることをやって、ホタルがもっと増えるようにしたい」と環境保護への意識を高めていた。

 

 祭りは小川鹿踊り保存会の演舞、餅まきでフィナーレを迎えた。黒田議長は「子どもたちの作文を通して大人たちもホタルの勉強をさせてもらった。作文に書いたことを次のアクションにつなげてほしい」とコンクールの手応えを実感。「(ホタルが見られる)この場所を知らない人も多い。中小川のワッカラ淵を機会あるごとにPRし、沿岸のホタルの里として市内外に発信していければ」と願った。

今年も祭りを盛り上げた地元の「小川鹿踊り保存会」

今年も祭りを盛り上げた地元の「小川鹿踊り保存会」

 

 地元住民によると、小川川のホタルは6月中旬ごろから発光が見られ、今年は昨年より下流域でも確認されているという。13日には市の観察会が予定される。発光時期は終盤で、早めの観察がお勧め。最もよく見られる時間帯は午後7時半~8時半ごろ。

 

(復興釜石新聞 2018年7月11日発行 第705号より)

 

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広報かまいし2018年7月15日号(No.1692)

広報かまいし2018年7月15日号(No.1692)

 

広報かまいし2018年7月15日号(No.1692)

広報かまいし2018年7月15日号(No.1692)

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【表紙】 野鳥観察会
【P2~3】 鵜住居地区防災センター訴訟和解/市民体育館などの建設に着工
【P4~7】 釜石鵜住居復興スタジアム関連
【P8~9】 ブロック塀の点検/国民健康保険など
【P10~11】 釜石はまゆりトライアスロン国際大会/地域おこし研究員など
【P12~15】 市職員採用試験/まちのお知らせ
【P16~17】 まちの話題
【P18~19】 保健案内板
【P20】 定住支援など

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1220193_2596.html
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急斜面の植栽地で高橋参事(左)から植樹の方法を聞く参加者

被災林再生へ植樹、尾崎半島にコナラなど200本〜苗木に未来託す、尾崎100年学舎 釜石森林組合

急斜面の植栽地で高橋参事(左)から植樹の方法を聞く参加者

急斜面の植栽地で高橋参事(左)から植樹の方法を聞く参加者

 

 昨年5月に約413ヘクタールの山林を焼失した釜石市の尾崎半島で6月30日、地元の魅力を再発見し、発信する活動を推進する任意団体尾崎100年学舎(久保晨也代表)と釜石地方森林組合(久保知久組合長)が共催で植樹祭を行った。真夏日となる暑さの中、スタッフを含め18人がカラマツ、コナラ、ミズナラ、オオヤマザクラなど約200本の苗木を植えた。

 

 現場は、森林組合がボランティア植林地とする市有林1・93ヘクタール。北東方向に小松湾、尾崎半島の先端を見下ろし、北に三貫島や御箱崎半島を遠望する斜面で、被災木の伐採、地ごしらえが施されている。植樹会は昨年から約1年の間に10回を予定し、今回は9回目となった。春と秋に集中して行い、約5千本の植樹を見込む。500本以上が残され、最終回は今月中に行う予定。

 

 今回の植樹祭には、県内、近隣の学生や社会人が参加。尾崎白浜のJF釜石湾尾崎白浜コミュニティ番屋で開会式を行った。100年学舎の活動と森林再生への取り組みが報告された。昨年は半島トレッキングを5回実施、参加費を植樹事業に充て、被災木を原料に木製グッズを販売した益金も加えた。

 

 森林組合の高橋幸男参事が大火被害と森林再生への経過を説明。山林経営の継続に苦慮する個人所有者の意識が前向きに変わり、行政、組合、ボランティアの応援が続く状況を伝えた。

 

 久保組合長は「苗木にみなさんの未来を託す気持ちで植えてほしい。暑さに注意しながら、いい汗を流してほしい」と激励した。

 

 現地で植樹の要点を聞き、2人1組で急斜面の植樹に取り組んだ。広大な焼け跡を見回し、汗をぬぐっては晴天に青く輝く海、三陸海岸、水平線などの遠望も満喫した。高橋参事が「火災直後には生命の音が一切ない怖さを実感した」という一帯には、小鳥のさえずりが聞こえ、ムラサキツユクサの花、チョウも姿を見せた。

 

 東日本大震災の支援を契機に大船渡市で起業した大関輝一さん(48)は「友人の関係で参加した。被災した山林はすごい広さ。それを伐採し、整備する労力は大変だと思う。植樹は大船渡市の(市の花)ツバキで経験している。きょうは20本ほど植えた。ひどい暑さで、作業時間(約2時間)はぎりぎりだった」と汗をぬぐった。

 

 昼は番屋で会食。共催する釜石湾漁協・白浜浦女性部が準備したウニご飯、カキの吸い物など海の幸を味わいながら奮闘を振り返り、森林再生への道筋を語り合った。

 

(復興釜石新聞 2018年7月7日発行 第704号より)

 

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釜石市民体育館の完成イメージ図

新たなスポーツ拠点に〜釜石市民体育館、鵜住居で着工

釜石市民体育館の完成イメージ図

釜石市民体育館の完成イメージ図

 

 東日本大震災で被災し、釜石市が再整備を進める市民体育館の建設工事安全祈願祭が6月29日、鵜住居町の現地で行われた。鵜住居地区のまちなか再生に向けた中核施設の一つ。来年のラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場として同地区に建設が進むスタジアムとともに、新たなスポーツ拠点となる。来年7月末の完成を目指し、使用開始はW杯終了後の12月ごろを見込む。

 

 桜木町にあった同体育館は震災の地震で天井を支える鉄骨部分が壊れるなど被害を受けたのに加え、旧耐震基準で建てられていたこともあり、2013年に解体され、鵜住居地区での再整備に向けた準備が進められていた。

 

 新しい体育館はJRから三陸鉄道に移管される鵜住居駅西側の敷地約6700平方メートルに建設される。鉄骨一部鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約3510平方メートル。観客席は車いす用6席を含む776席を設ける。多機能トイレやエレベーター、赤ちゃん休憩室を備えるなどバリアフリーに配慮。タカヤ・山長建設特定共同企業体が施工する。

 

 事業費は約21億円。災害復旧費補助金や震災特別交付税でほぼ賄う。

 

建設予定地の全景

建設予定地の全景

 

 安全祈願祭には関係者約40人が出席。神事を行った後、野田武則市長が「鵜住居駅周辺は大きく様変わりする。スポーツの拠点として、市民の期待に応えられる場所にしたい」とあいさつした。

 

 同駅周辺には震災犠牲者の慰霊・追悼の場となる「祈りのパーク」や津波伝承施設などが整備中。商業施設の建設も計画されており、中心市街地の再生が進められている。

 

(復興釜石新聞 2018年7月4日発行 第703号より)

 

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客席にも降りて観客を楽しませた「舞扇毬菊一座」の踊り手。あでやかな着物の“おいらん”に盛んな拍手が送られた

新ホールで念願のカラオケ大会〜舞踊も華やか、にぎやかに

客席にも降りて観客を楽しませた「舞扇毬菊一座」の踊り手。あでやかな着物の“おいらん”に盛んな拍手が送られた

客席にも降りて観客を楽しませた「舞扇毬菊一座」の踊り手。あでやかな着物の“おいらん”に盛んな拍手が送られた

 

 震災で被災した釜石市民文化会館に代わる施設の建設を願い、2013年から続けられてきた「釜石市長杯カラオケ大会」(同実行委主催=小笠原誠委員長)が、念願の新ホールで大会を実現。24日、釜石市民ホールTETTOで6回目の大会が開かれ、舞踊を交えたにぎやかなステージで観客を楽しませた。

 

 同大会はこれまで中妻体育館で開催。県内各地のほか青森県むつ市、大間町、宮城県気仙沼市などの歌謡愛好者が趣旨に賛同して集まり、60~80人規模の大会を継続してきた。実行委は新ホール建設を後押ししようと、入場料を毎回、市に寄付。早期完成を祈念してきた。

 

 祝いムードに包まれた今大会には、青森、岩手、宮城の3県から77人がエントリー。音響、照明など最高の環境が整った舞台で、日ごろの練習で培った自慢ののどを響かせた。

 

 市内唐丹町の佐野利夫さん(77)は「音の響きが心地良くて、ちょっと力みすぎたかな」と照れ笑い。「震災後7年間、市民は(ホールが無い状態を)我慢してきたからね。これを機に一流歌手もどんどん来てくれるようになれば」と期待に胸を躍らせた。

 

 出場者の歌声は県歌謡連合会の浦田昭男会長、ほたる歌謡クラブ(むつ市)の須藤秀正会長ら5人が審査、各賞が決まった。新ホールでの初栄冠(釜石市長賞)を手にしたのは、「会津山の神」を歌った青森県八戸市の円山典子さん。

 

 出場者の歌唱の合間には、特別ゲストや友情出演のステージも。釜石民謡クラブは、観客と一緒に体を動かしながら民謡を楽しむ人気のスタイルで花を添えた。青森県十和田市を拠点に全国で公演する「舞扇毬菊一座」は、約15年ぶりの釜石訪問で、多彩な曲に乗せた華やかな踊りを披露。歌では、「孫」の全国ヒットで知られる山形県の歌手、大泉逸郎さんが招かれ、大会を大いに盛り上げた。

 

 小笠原委員長(はまゆり歌謡クラブ会長)は「青森からの出場者の中には建築関係者もいて、素晴らしいホールだとベタ褒めだった。大会を続けてきた私たちの気持ちも柱の1本ぐらいには役に立っているのでは」と、協力してくれた市内外の歌仲間に感謝。「みんなが楽しめる憩いの場として、さらに利用が進めば」と文化拠点の誕生を喜んだ。

 

 今大会の入場料は、来年に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催への支援に役立ててもらうため、引き続き市に寄付する。なお、小笠原委員長らは、恒例の歳末たすけあいチャリティーショーを10月28日に同ホールで開催する予定。

 

 市長賞以外の主な受賞者は次の通り。

 

 ▽最優秀賞=髙橋興眞(花巻市)▽優秀賞=佐々木クリスティン(陸前高田市)、傳法清人(青森県大間町)▽歌唱賞=工藤静子(青森県むつ市)

 

(復興釜石新聞 2018年6月27日発行 第701号より)

 

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広報かまいし2018年7月1日号(No.1691)

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【目次】
【表紙】 釜石よいさ/根浜海岸を楽しもう/市長のつぶや記
【P2~3】 「釜石市防災市民憲章」(案)についての意見募集
【P4】 大規模災害時のタイムライン
【P5】 消防職員採用/市営住宅など入居者募集/やっぺし!RWC2019TMミニ通信
【P6~7】 健康診査/大腸がん検診
【P8~9】 主なイベント情報
【P10~11】 今月のインフォメーション
【P12】 郷土資料館からのお知らせ

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仮設住宅で暮らす人、住まいを再建した元住民が集まって交流を楽しむサロン

仮設住宅で「お茶っこ」、自宅を再建した被災者も交流〜いわて生協ふれあいサロン「おしゃべりでストレス発散」

仮設住宅で暮らす人、住まいを再建した元住民が集まって交流を楽しむサロン

仮設住宅で暮らす人、住まいを再建した元住民が集まって交流を楽しむサロン

 

 いわて生活協同組合(本部・滝沢市、飯塚明彦理事長)の震災復興支援活動「ふれあいサロン」が19日、釜石市野田町の西公園にある仮設住宅の談話室で開かれた。仮設住宅で暮らす住民のほか、復興住宅に入居、あるいは自宅を再建した元住民らも集まり、ボランティアとして参加する生協の組合員と交流。“お茶っこ”をしながら、手芸などを楽しんだ。

 

 このサロンは、2011年6月から仮設住宅の住民を対象に行っていて、この日、通算3500回を迎えた。沿岸部を中心に開催し、県内外の組合員がボランティアとして参加。全国の支え合いの心が人々をつなぎ、震災から7年がたった今も続けられている。

 

 釜石市内では仮設住宅の集約が進む中で会場を変更しながら、現在4カ所で継続。野田町のこの仮設住宅では1年ほど前から月1回、開催している。

 

 この日は、住民やボランティアら10人が参加。紙製のクラフトテープを使った小物入れづくりに取り組んだ。長野医療生協のボランティア2人は健康チェックや健康体操を紹介するなどして住民との触れ合いも楽しんだ。

 

 佐々木ユツさん(78)は「住民が少なくなっているが、続けてくれてありがたい。物を作ったり、おしゃべりできる機会があって楽しく生活できている」と感謝。只越町の復興住宅に移ってからもサロンに足を運ぶ前川幸子さん(76)は「昔の仲間とのおしゃべりがストレス発散。月1回、みんなに会えるのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 

 いわて生協復興支援活動担当(釜石地域)の福士久美子さん(68)は「仮設住宅の集約化により、復興住宅など新たな環境、地域での居場所づくりの支援などに活動がシフトする傾向もみられる」と指摘。このサロン活動については「人をつなぐ場になれば。必要とされる限り続けたい」と、今後も被災地に笑顔と元気を届けていく考えだ。

 

(復興釜石新聞 2018年6月23日発行 第700号より)

 

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早坂三鈴さん宅の階段に手すりを取り付ける三浦祐悦さん

お年寄りの暮らし支える、住宅修繕ボランティア〜釜石建設組合「住宅デー」

早坂三鈴さん宅の階段に手すりを取り付ける三浦祐悦さん

早坂三鈴さん宅の階段に手すりを取り付ける三浦祐悦さん

 

 高齢者に安全・安心な住環境を――。釜石建設組合(藤井泰男組合長、267人)は17日、市内の高齢者世帯(65歳以上)を対象に、住宅の不具合を改善するボランティア活動を行った。全国建設労働組合総連合(全建総連)が推進する「住宅デー」の活動の一環。事前に申し込みのあった15軒を組合員6人で回り、要望箇所の修繕や必要とする設備の取り付けに汗を流した。

 

 野田町の早坂三鈴さん(78)は、2階に上がる階段への手すり設置と浴室のシャワーヘッドフックの修繕を依頼。この日は三浦建工(源太沢町)の三浦祐悦さん(66)が同宅を訪問し、作業にあたった。

 

 早坂さんは一人暮らし。今年に入り、急な階段の昇り降りに不安を覚えるようになり、同組合のボランティア活動を知らせる新聞記事を見て、いち早く申し込んだ。「年齢を重ねるにつれ、身体機能の低下を感じることが多くなってきた」と早坂さん。長時間歩くと、坐骨神経痛や股関節の痛みが出ることも。「ちょっとした住宅の補修は、どこに頼めばいいか分からなかった。組合の活動は高齢者には非常に助かる。ありがたい」と喜んだ。

 

 41回目となる住宅デーは、地域に奉仕して組合員の存在感を高め、組織拡大にもつなげようと展開。釜石では前身の「大工組合」時代から奉仕活動を継続し、近年は高齢者の暮らしを支える軽微な住宅修繕に取り組んでいる。震災後は、仮設住宅住民の依頼にも対応した。

 

 今年は先着10人の受け付けに20人が応募。下見の結果、同活動で対応不能なケースを除く15軒での活動となった。テラス(ビニール)トタンの張り替え、戸やふすまの取っ手、流し台扉のちょうつがい交換―などを工賃無料、材料費のみ実費負担で行った。

 

 「震災後、住宅再建などで組合員も仕事量が増加。多忙な中での奉仕に感謝したい」と協力者の労をねぎらう藤井組合長(70)=建築藤泰(ふじやす)=。同活動は地元の職人を市民に知ってもらう機会にもなる。「訪問セールスで住宅リフォームなどを頼み、後でトラブルになるケースも聞く。地元職人ならアフターケアも安心。こういう機会に顔見知りになり、何かの時にはぜひ使ってほしい」と期待を込めた。

 

 同組合は大工のほか、内装、タイル、サッシ、配管など住まいに関わるあらゆる業種の職人で組織する。

 

(復興釜石新聞 2018年6月20日発行 第699号より)

 

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