希望の未来へ第一歩、成人式に295人出席〜釜石復興への思い新たに、小学校卒業時に震災を経験


2019/01/21
復興釜石新聞アーカイブ #地域

出席者は二十歳の門出にそれぞれの決意を新たにした

出席者は二十歳の門出にそれぞれの決意を新たにした

 

 14日の「成人の日」を前に釜石市では13日、市と市教育委員会が主催する「成人のつどい」が大町の市民ホールTETTOで開かれた。小学校卒業時に東日本大震災を経験し、家族や地域住民に支えられながら成長してきた若人は、復興から新たなまちづくりに向かう古里釜石の力となるべく、それぞれの道での精進を誓った。
 
 

今年の新成人は1998年4月2日から99年4月1日までに生まれた人たち。式典には釜石出身者を中心に、男性154人、女性141人の計295人が出席した。

 

 震災犠牲者に黙とうをささげて開式。野田武則市長はあいさつの中で、震災経験者としての教訓発信、釜石人の誇り「不撓(ふとう)不屈の精神」継承―を新成人に期待。ラグビーW杯開催、高速道路網完成、鉄道復旧など同市を取り巻く環境が大きく変わる本年を〝新時代釜石の幕開けの年〟と位置付け、「これからのまちづくりには皆さんの若い力が必要。1人でも多く釜石に戻り、協力してくれることを切に願う」と呼び掛けた。

 

 中学、高校の多感な時期を震災復興とともに歩み、たくましく生き抜いてきた新成人。多くの苦難を乗り越え迎えた大人としての第一歩は、復興の進展と時を同じくし、未来への希望に満ちたスタートとなった。

 

 新成人代表で抱負を述べた慶應義塾大総合政策学部2年の寺崎幸季さん(19)=釜石中、釜石高出身=は東京で、首都圏在住の釜石出身者やゆかりの人々でつくる「はまゆり会」に参加したことを紹介。「年齢が離れていても共通の話題で盛り上がり、心の故郷は釜石であると実感した。地元に誇りを持つ釜石人が今年のラグビーW杯で大勢の人を迎えられたら最高」と深い地元愛を示した。

 

二十歳の喜びに笑顔を輝かせる釜石中野球部出身者

二十歳の喜びに笑顔を輝かせる釜石中野球部出身者

 

 新成人有志20人は虎舞を披露。市民歌斉唱では、釜石高音楽部出身の新成人6人に在校生部員4人が加わり、リード斉唱を担当した。

 

 式典の前後には館内で、釜石市民吹奏楽団の演奏、釜石茶道協会による呈茶があり、新成人の門出を華やかに祝った。晴れ着に身を包んだ新成人は仲間との記念撮影や会話に心を躍らせ、あちこちで笑顔の花が咲いた。

 

(復興釜石新聞 2019年1月16日発行 第757号より)

 

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