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緑生い茂る空間で野鳥観察を楽しむ参加者。自然の中は新鮮な発見もいっぱい=17日、福祉の森

野鳥の鳴き声に耳澄ます、震災後初の観察会〜甲子町福祉の森、釜石野鳥の会がサポート

緑生い茂る空間で野鳥観察を楽しむ参加者。自然の中は新鮮な発見もいっぱい=17日、福祉の森

緑生い茂る空間で野鳥観察を楽しむ参加者。自然の中は新鮮な発見もいっぱい=17日、福祉の森

 

 釜石市主催の自然に親しむ市民の集い「山野の鳥観察会」が17日、甲子町大畑の福祉の森で開かれた。6月の環境月間にちなんだ行事で、震災後は初めての開催。子どもから大人まで25人が参加し、釜石野鳥の会(臼澤良一会長)のレクチャーで、野鳥観察やネイチャーゲームを楽しんだ。

 

 参加者は同会会員の案内で、新緑がまぶしい散策路を進み、野鳥の鳴き声に耳を澄ませた。声がする方向に目を凝らし、双眼鏡をのぞき込むと、森に暮らす鳥の姿が…。図鑑と照らし合わせ、名前や特徴を学んだ。

 

 午前10時すぎから約1時間の観察で、13種類の野鳥を確認。愛らしい顔で愛好家に人気のエナガは複数の個体が見られたほか、巣づくりをしていると思われるヤマガラ、同会が以前、設置した巣箱を出入りするシジュウカラも見ることができた。

 

 姿は確認できなかったが、特徴的な鳴き声のサンコウチョウのさえずりも耳にした。尾が長く優雅に飛ぶ姿が魅力的な鳥だが、なかなか見ることができないという。臼澤会長も「観察会の下見の際に10年ぶりぐらいに目にした」と話す。

 

 確認した鳥の種類を全員で共有した後は、ゲームに挑戦。自然の産物を探して完成させる「フィールドビンゴ」、植え込みに置いた人工物の数を見極める「カムフラージュ」を行い、自然観察の目を養った。ビンゴでは鳥の卵殻や上空から落ちてきた、鳥が食べた松の実の破片を発見した人もいた。

 

 小笠原皐さん(甲子小4年)は「名前を知らなかった鳥も図鑑で調べられたし、きれいな鳴き声も聞けて楽しかった。また参加してみたい」と初めての観察会を満喫。

 

 臼澤会長(69)は「種類は少なめだったが、鳥の生活の一端をのぞき見ることができ、子どもたちも喜んでくれた。鳥も人も地球の仲間。みんな生かされていることを再認識する場にもなった」と会の復活を歓迎。確認できる種類は時期や時間帯、天候によっても異なるといい、「5月のバードウイークごろだと20種類ぐらいは見られるのでは」と予想した。

 

 自然に親しむ市民の集い事業では震災前、野鳥、ホタル、星空の3観察会を実施。野鳥は、春の「山野の鳥観察会」(楢ノ木平)、冬の「水辺の鳥観察会」(鵜住居川河口域)を開催。釜石の豊かな自然を体感できる機会として市民から好評を得てきた。震災後は事業を見送ってきたが、昨年からホタル観察会を再開。今年は7月にホタル、8月に星空の観察会を予定する。

 

(復興釜石新聞 2018年6月20日発行 第699号より)

 

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

「釜石鵜住居復興スタジアム」公式サイトオープン

「釜石鵜住居復興スタジアム」公式サイトオープン

「釜石鵜住居復興スタジアム」の公式サイトが、本日6月20日に公開となりました。
 

釜石鵜住居復興スタジアム | Kamaishi Unosumai Memorial Stadium

釜石鵜住居復興スタジアム | Kamaishi Unosumai Memorial Stadium

釜石鵜住居復興スタジアムの公式ページです。Official Page of Kamaishi Unosumai Memorial Stadium.
https://kamaishi-stadium.jp/


 

2018年8月19日(日)に開催されるオープニングイベントの詳細など、今後どんどん情報を追加・更新して参りますので、皆様ぜひチェックをお願いします。

 

※Facebookページでも情報発信をしていますのでこちらもよろしくお願いします。

釜石市 ラグビーワールドカップ2019推進本部
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22-1(シープラザ釜石内)
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縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

助け合い、元気に暮らそうと住民同士の交流を促したバーベキュー。たくさんの笑顔が光る

復興住宅でバーベキュー、花木の植栽作業も楽しく〜大町5号棟で住民交流会

助け合い、元気に暮らそうと住民同士の交流を促したバーベキュー。たくさんの笑顔が光る

助け合い、元気に暮らそうと住民同士の交流を促したバーベキュー。たくさんの笑顔が光る

 

 釜石市大町1丁目の大町復興住宅5号棟(24世帯)で10日、自治会(伊藤清会長)主催の環境美化活動とバーベキュー交流会が開かれた。隣接する同住宅4号棟の住民も参加し、約40人が敷地内への花木植栽や昼食を共にした。

 

 午前中は住宅周辺の草取りと敷地内の植栽スペースに花や木を植える作業を実施。釜石園芸の指導で、住宅入り口付近の緑化に取り組んだ。土の感触や植物を育てる楽しみを味わいながら仲良く作業。今後の成長に期待を寄せた。

 

植物を植え、潤いのある住宅環境に…

植物を植え、潤いのある住宅環境に…

 

 バーベキュー会場は1階の屋根のある通路。昼時間が近くなると、女性陣が下ごしらえした食材が運ばれた。炭火焼きやガスコンロで焼きそばや焼き鳥、フランクフルトなどを調理し、参加者に振る舞ったほか、テーブルに置かれたホットプレートを囲み、焼きたての肉や野菜を味わった。市内で活動する音楽ユニットMiA&YKのミニコンサートもあり、にぎやかな交流が繰り広げられた。

 

 5号棟に暮らす新沼与志彦さん(73)は「一人住まいなので、大人数のバーベキューは最高。大満足です。皆さんとお話もできてうれしい。月に1回ぐらいやってほしい」と喜びの笑顔。被災前に暮らした大町の住民とは離れ離れになってしまったが、「ここで新しい人と顔見知りになり、少しでも交流を図れれば」と願う。

 

 4号棟で夫婦2人暮らしという赤﨑静枝さん(88)は「こんなに住民が集まる場は普段なく、初めて顔を合わせる人も。楽しませてもらっています」と声を弾ませた。浜町で被災。買い物など利便を考え、同住宅に入居した。「イオンは散歩がてら歩いても、まずまずの距離。体の自由も利かなくなってはいるが、生協の宅配も利用しながら、何とか暮らしています」と近況を語った。

 

 大町5号棟は昨年3月末から入居を開始。11月1日に自治会を設立した。住民は1人または2人世帯で、1人世帯が半数を超える。高齢者が多く、障害を持つ人も。5号棟は入居から1年、4号棟は1年半を経過したが、各棟とも「隣近所の住民を知らない」「扉を閉めてしまうと会話する機会もない」といった現状があるという。

 

 伊藤自治会長(71)は「5号棟は男性が多く、隣の4号棟(約40世帯入居)は女性が多い。住民交流や防災の面で互いの弱い部分を補い合うため、両棟の連携を進めている。昨年11月には交流餅つき大会を行った」とこれまでの経緯を説明。「災害などいざという時は、住民同士のつながりがものをいう。こういう行事を機に互いの顔を知り、日ごろから行き来したり、集会所でお茶飲みをする関係を築ければ」と期待を込めた。

 

(復興釜石新聞 2018年6月13日発行 第697号より)

 

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木製座席の製作について説明する釜石地方森林組合の関係者

復興スタジアムに木のぬくもり、被災のスギ材を座席に〜釜石森林組合「山林所有者の励みに」

鵜住居町に建設中のスタジアムで進められている木製座席の取り付け作業の様子

鵜住居町に建設中のスタジアムで進められている木製座席の取り付け作業の様子

 

 来年のラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場として釜石市鵜住居町に整備中の釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)で、地場産木材と地元企業の技術を結集した木製座席の取り付け作業が進められている。常設スタンド全6千席中4990席に導入。木のぬくもりあふれるスタジアムで岩手・釜石の特色を打ち出し、世界からの来場者をもてなす。5月下旬から設置を始めており、8日に作業の様子を公開した。

 

 木製座席は昨年5月に尾崎半島で発生した山林火災で被災したスギを100%使用。釜石地方森林組合が伐採し、大槌町で製材、塗装などの加工も県内企業が担当した。骨組みは市内のスチール製事務用家具製造、エヌエスオカムラが製作。自然に優しい塗料を使い、座面に角度をつけて座りやすくしているのが特徴だ。

 

 このほか、被害木を使って公衆トイレ2棟、ベンチ108基、日よけのためのルーバーも整備。使われたスギは約800本になる。

 

 同組合の久保知久組合長は「焼けた木を生かせたことは、山林所有者の励みになる。地元の山の資源を活用していることを多くの人に知ってほしい」と期待を込める。

 

木製座席の製作について説明する釜石地方森林組合の関係者

木製座席の製作について説明する釜石地方森林組合の関係者

 

 同スタジアムは、常設スタンド部分が7月に完成する見込み。市は仮設席にも被害木の活用を検討している。整備方針の一つに、「自然環境や歴史文化を野外活動として学習できる場所」があり、木製座席の設置はそのコンセプトとも合致する。

 

 野田武則市長は「地元産材の活用はスタジアムの魅力の一つ。世界中の来訪者を木のぬくもりでもてなしたい。市民にも有効に使ってもらえるよう、しっかり整備する」と話した。

 

(復興釜石新聞 2018年6月13日発行 第697号より)

 

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広報かまいし2018年6月15日号(No.1690)

広報かまいし2018年6月15日号(No.1690)

 

広報かまいし2018年5月15日号(No.1688)

広報かまいし2018年6月15日号(No.1690)

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【目次】
表紙:RWC2019TM開幕500日前 PRキャラバン隊結成‼
P2~3:鵜住居駅前公共施設の愛称募集/市政懇談会開催/地域会議開催
P4~5:釜援隊の今とこれから
P6~7:防災行政無線/TETTOイベント情報/育成センター情報便
P8~11:市民のひろば/まちのお知らせ
P12~13:まちの話題
P14~15:健康案内板
P16~19:復興情報
P20:やっぺし!RWC2019TMミニ通信

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1219397_2596.html
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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

復興推進へ前向き提言、達増知事と県政懇談会〜地域づくりの課題共有、交流人口拡大へ地域間連携を

達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

 

 「復興の先を見据えた豊かな三陸の振興に向けて」をテーマに、達増拓也知事が地域で活動する市民の声を聞き、意見を交わす県政懇談会「がんばろう岩手!」は4日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。震災からの復興を目指し、釜石市や大槌町で産業や地域づくりに取り組む5人が活動内容を紹介し、知事と意見を交わした。

 

 出席したのは、釜石で活動する熊谷友行さん(新日鉄住金釜石製鉄所総務部)、小山明日奈さん(藤勇醸造広報・商品企画開発担当)、遠藤ゆりえさん(NPO法人かまいしリンク代表)のほか、大槌町の松橋康弘さん(城山観光常務)、岩間妙子さん(アトリエ・イスト)。

 

 冒頭、達増知事は「元に戻す復旧ではなく、より安全、より暮らしやすく、地域経済や産業も新しい時代へと進んだ復興にしなければ。地元の底力、外部とのつながりを生かし力強く復興に取り組んでいる地域の声を聞き、県政で役立てたい」とあいさつ。5人が取り組みの課題や地域の未来について語った。

 

 共通の話題として挙がったのは、来年に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催。関心の低さを心配する声も聞かれた。インバウンドの推進やW杯のプロモーション事業を手掛ける遠藤さんは▽民間人の活用▽女性と若者の巻き込み▽スタジアムの活用―が課題と指摘。「大会は岩手の復興、釜石ラグビーの再興につながる」と信じ、活動推進に意欲を見せた。

 

 熊谷さんは、仮設住宅や復興住宅の整備などに必要な土地を提供するといった会社の不動産管理を担当し、「生まれ育ったまちの復興に携わることができ、やりがいを感じる」と充実した表情。高校生のキャリア教育にも関わっており、進路選択の幅を広げる機会となる取り組みの継続に向けた意気込みも語った。

 

 小山さんは震災後の商品開発、食育などの取り組みを説明し、つながりの大切さを強調。「地元企業や団体とコラボして売り出すことで既存のものも新しいものに変わる。可能性は無限大」と、ものづくりの楽しさを話した。

 

 交流人口拡大に関し、地域間連携、広域での取り組みを求める人や、県内陸部から沿岸部につながる誘客方法の検討を望む声もあった。

 

(復興釜石新聞 2018年6月9日発行 第696号より)

 

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こつこつと手作りした庭を開放している菊池夫妻

和洋の草花咲き誇る「陽子ガーデン」解放〜甲子町洞泉菊池さん宅

こつこつと手作りした庭を開放している菊池夫妻

こつこつと手作りした庭を開放している菊池夫妻

 

 季節の花や緑を楽しんでもらおうと、釜石市甲子町洞泉の菊池秀明さん(70)、陽子さん(71)夫妻が自宅の庭を開放し、鑑賞を呼び掛けている。華やかなバラが咲き誇るイングリッシュガーデン風の庭もあれば、枯れ山水の日本庭園もあり、それぞれの雰囲気を楽しめる。10日まで。

 

 夫婦でこつこつ手作りした庭は、約1600平方メートルの広さになる。公開するのは3年目。今年も、花びらがレースのような「クチュール・ローズ・チリア」、真っ赤な大輪花が目を引く「アンクルウオルター」、とげのないしなやかな枝に小花を多数咲かせる「春風」など、今では約60種類にもなるバラのきれいな姿、心地よい香りを楽しめる時期に合わせた。

 

 花の手入れを担当するのは陽子さん。「花と触れ合っていると気持ちが和らぎ、癒やされる。花それぞれの個性を楽しみ、喜んでもらえたらうれしい」と願う。

 

 庭造りは、秀明さんが退職した10年前に本格的に始まった。サツキなどで彩った日本庭園づくりを楽しんできた秀明さんが庭を拡張。陽子さんも気に入った草花をどんどん育てるようになり、花壇や小径などが次々と設けられた。

 

 年々、庭を見に来る人が増えていることから、今回の公開に合わせ歩道を整備し、駐車場も用意。「陽子ガーデン」の愛称も付けた。

 

 庭では、例年より遅れ気味のサツキがバラを追いかけるように少しずつ開花。さらにアジサイ、ヤマユリと続き、秋にはまた四季咲きのバラが楽しめる。冬期は庭をイルミネーションで飾り付け。秀明さんは「さまざまな花が咲き誇る今が一番幸せだけど、一年中楽しみがある庭にしたい。和洋の組み合わせも楽しみつつ、石造りの日本風の庭の良さも感じてもらえたら」と、庭造りの意欲は衰えない。

 

(復興釜石新聞 2018年6月6日発行 第695号より)

 

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60人が真剣に耳を傾けた終活講演会

「終活」講演会スタート、7月まで市内6地区で開講〜相続が争族にならないために

60人が真剣に耳を傾けた終活講演会

60人が真剣に耳を傾けた終活講演会

 

 元気なうちに人生の最後に向けた準備をする「終活(しゅうかつ)」をテーマにした講演会が5月31日、釜石市甲子町の甲子地区生活応援センターを皮切りに始まった。高齢化が加速し、終活の注目度が高まる中、残される家族の負担を軽減し、前向きに人生の締めくくり方を考える機会にしてもらおうと、市地域包括ケア推進室が昨年度に続いて企画。本年度は7月まで市内6地区の生活応援センター単位で順次開催する。

 

 甲子地区での講演会には約60人が参加した。釜石ひまわり基金法律事務所長の多田創一弁護士が「人生100年時代の終活~相続が争族にならないために」と題して講演。万一の時に自分の意思を残しておく準備の必要性、遺言の重要性、今すぐ始める終活などをアドバイスした。

 

 多田弁護士は相続問題を例えに挙げながら、「もっと早く対応していれば争うことなく済んだと思えるケースが多くある。残された家族、親族が仲たがいせず関係を継続していけるよう配慮するのが終活。始めの一歩を踏み出してほしい」と訴えた。

 

 財産、医療・介護と葬儀・お墓についての希望、親戚・友人の連絡先など、自分の身の回りのものを記録しておく終活ノートを配布。「残された人たちに決断させるのは酷。自分はどうしたいか、どうしてほしいか思いを残してほしい。意思表示があると家族が動きやすくなる。記録したノートのことを教えておくことも必要」と強調した。

 

 成年後見人制度、死後事務委任契約についても紹介。「悩み事の交通整理が弁護士の役割。必要なところにつないだり、アドバイスもできる。相談場所として選択肢に加えてほしい」と呼び掛けた。

 

 平田から足を運んだ60代の女性は「相続問題を抱え、すごく大変な思いをしている。子どもたちに同じ思いをさせたくない。迷惑をかけないよう、終活をきちんとしていかなければ」と話した。

 

 昨年度は、中妻と小佐野地区で実施。この日は甲子のほか、唐丹地区でも開催した。

 

 今後の開催予定は次の通り(かっこ内は開始時刻)。
 ▽6月19日=平田集会所(午後1時半)▽29日=栗橋地区基幹集落センター(午前10時)▽30日=青葉ビル(同)▽7月2日=鵜住居地区生活応援センター(午後2時)

 

(復興釜石新聞 2018年6月2日発行 第694号より)

 

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開講したボランティア通訳養成講座

ボランティア通訳養成講座開講、外国人観光客をサポート〜ワールドカップへ おもてなしの心も学ぶ

開講したボランティア通訳養成講座

開講したボランティア通訳養成講座

 

 1年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)に向け、釜石市国際交流協会(丸木久忠会長)が主催するボランティア通訳養成講座が5月27日から市民ホールで開講した。釜石を訪れる多くの外国人観光客をスムーズに受け入れるのが目的。中学生から一般まで約30人が受講。講座は11月まで5回にわたって開かれ、英会話の基礎や、おもてなしの心などを学ぶ。

 

 同講座は昨年から来年まで3年計画で進めており、2年目の今年は受講者のほぼ半分が昨年からの継続。本年度初回のこの日は、市ラグビーワールドカップ2019推進本部事務局の増田久士主幹が国際大会のボランティアガイドについて講義。高橋晃進副主幹はボランティア募集について説明した。

 

 増田主幹は、3年前のラグビーW杯英国大会を視察した経験をもとに「現地のボランティアが失敗を恐れずに学び、挑戦する姿勢が強く印象に残った。釜石には釜石らしいやり方がある。相手のことを知ってあげるのが一番のおもてなしになるのではないか」などとアドバイスした。

 

 続く英会話講座では市の国際交流員エミリー・ハラムズさん、アシュリン・バリーさんが講師となり、身ぶり手ぶりを交えながら分かりやすく指導した。

 

 W杯組織委員会は、観客席への誘導などを担当する大会公式ボランティア(開催12都市で約1万人)を7月18日まで募集している。開催都市で観光案内などを行う独自ボランティアの内容や実施方法については検討中。釜石市国際交流協会事務局の宮崎敏子さんは「釜石の力を生かし、スムーズなサポートをお手伝いしたい」と意気込む。

 

(復興釜石新聞 2018年6月2日発行 第694号より)

 

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実りに期待を込めながらカボチャの苗を植え付けた

形はラグビーボール、カボチャでワールドカップ盛り上げ〜鵜住居町田郷の遊休農地に植え付け、釜石市農業委員会「特産品に」

「農地の日」にちなんだ活動を展開した農業委員ら

「農地の日」にちなんだ活動を展開した農業委員ら

 

 釜石市農業委員会(二本松誠会長)は21日、鵜住居町田郷の遊休農地でカボチャの苗の植え付けを行った。今回植え付けたのは「ロロン」「白栗(しろぐり)」という品種で、どちらもラグビーボールのような形をしたカボチャ。来年に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催の機運醸成を農業面からも後押しする。

 

 県農業会議が2013年に設定した「農地の日」(7月15日)にちなんだ取り組み。釜石市では農地の有効活用、景観保全を狙いに、市内各地にある遊休農地でソバ栽培などを試みてきた。16年から今回と同じ農地(約10アール)で品種の異なるカボチャを栽培。昨年は夏にロロンを植え付け、晩秋に収穫したが、台風の影響やシカによる被害があり、収量は目標の8割程度だった。

 

 今回はW杯開催時に活用できるよう、植え付けを春、収穫を夏と作業の時期を変えて再挑戦。上品な甘さと滑らかな舌触りが特徴のロロンのほか、ほくほくした食感と甘い味わいで日持ち性の高い白栗の2種類を植え、一定の収量確保や品質などを調査する。

 

 この日の作業には委員ら15人が参加。甲子町の農業、佐々木四郎さん(72)が育てた2種の苗計80株を植え付けた。

 

実りに期待を込めながらカボチャの苗を植え付けた

実りに期待を込めながらカボチャの苗を植え付けた

 

 佐々木さんは自身のビニールハウスにも2種を植え付けており、水やりなど管理されたハウスと露地栽培での収量、品質の違いを確認するのを楽しみにする。マスクメロン、イチゴ、トマト、ホワイトアスパラなども育てていて、「農業は、ぼけ防止にいい。普通にやるより、いろいろ試して面白おかしく楽しみたい」と笑った。

 

 二本松会長(54)によると、ロロンは昨年の特産品販売イベントなどで試食してもらい、味の評価は上々。今年も生産を楽しみにする声もあり、「ユニークな形のカボチャを飾ってもらえれば、いい宣伝になる。ラグビーの盛り上げ、釜石の特産品につなげたい」と協力者の増加を期待した。

 

 今後は協力して間引き作業などを行い、7月下旬から8月に収穫する予定だ。

 

(復興釜石新聞 2018年5月23日発行 第691号より)

 

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震災前以来の根浜での楽しむ会に地元住民も喜びの笑顔

釜石・大槌郷土料理研究会、海の幸 山の幸 ふんだんに〜「根浜の復活」もちつきで実感

美しい海の景色と絶好の晴天の中、餅つきを楽しんだ

美しい海の景色と絶好の晴天の中、餅つきを楽しんだ

 

 釜石・大槌郷土料理研究会(前川良子会長、11人)主催の「新緑まつり~もちつき体験と郷土料理バイキングを楽しむ会~」は20日、釜石市鵜住居町根浜の民宿前川で開かれた。2011年の震災で甚大な被害を受けた同地区で、郷土料理を楽しむ会が行われるのは震災後初めて。高台移転で新たな集落が形成された復興団地の一角で、会員が腕によりをかけた海と山の幸を振る舞い、参加者とともに最高の笑顔を広げた。

 

 活動15年目を迎える同研究会は、釜石・大槌地区の農漁家の女性らで結成。海岸部の会員の中には震災の津波で家や家族を失った会員もいるが、山間部の会員や支援団体の尽力で活動を存続させ、翌12年には被災前に開いていた郷土料理を楽しむ会を再開。13年からは春に、橋野町青ノ木の八重桜の下で餅つきと料理を楽しむ会を継続し、市内外の参加者から好評を博してきた。

 

 震災から7年を経た今年は、昨春に高台移転のまち開きを果たした根浜地区が会場となった。研究会は震災前、根浜海岸レストハウスを活動拠点としていたが、津波で建物が全壊。今回は実に8年ぶりの根浜での催しとなった。

 

 前川会長が夫婦で経営する民宿の厨房(ちゅうぼう)に会員が朝早くから集まり、参加者を迎えるための料理作りに励んだ。会には市内外から20人が参加。眼下に海を臨む駐車場で餅つきを楽しんだ後、会員が調理した13品のメニューをバイキングで食した。海の食材はアメマス、イカ、ワカメなど。アメマスはみそ煮、焼き魚、汁物に姿を変え、参加者の舌をうならせた。一方、山の代表格は春の山菜。タラの芽、ウド、ワラビ、コゴミなど多彩な種類を用い、天ぷら、和え物、漬物風と地元ならではの家庭の味が並んだ。

 

震災前以来の根浜での楽しむ会に地元住民も喜びの笑顔

震災前以来の根浜での楽しむ会に地元住民も喜びの笑顔

 

 盛岡市から訪れた飲食店勤務の石田学さん(36)は「既製品を使わず素材を生かしているのがいい。自分でついた餅と山菜の味は格別。郷土食を次世代につなげようという会員の意欲を感じる。また勉強しに来たい」と笑顔で箸を進めた。

 

 昨年3月から同団地に暮らす佐々木虎男さん(80)は、レストハウスで開かれていた会を懐かしみ、「海と山の新鮮なものが食べられるのはやっぱりいいね。根浜や箱崎の会員がみんなの協力を得て、ここまで復活できたのは夢みたいだ。うれしいね」と声を弾ませた。

 

 13年に被災した民宿を自力で高台再建し、根浜復興をけん引してきた前川会長(66)は地元での楽しむ会実現に「本当に感無量。やっと海のお母さんたちが活躍できる場ができた。支えてくれた山のお母さんたちに感謝の気持ちでいっぱい」と目頭を熱くした。研究会では一昨年から食育活動にも取り組み、学校に出向いて団子作り体験なども行っている。「食への関心とともに、子どもたちには海や山など自然の中で楽しむことも伝えていきたい。会員同士、手を携え、今できることに力を尽くしていく」と、たゆまぬ前進を誓った。

 

(復興釜石新聞 2018年5月23日発行 第691号より)

 

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釜石山火事復旧植樹活動~みんなで尾崎半島の緑を再生しよう!

【インタビュー】釜石山火事復旧植樹活動~みんなで尾崎半島の緑を再生しよう!

釜石山火事復旧植樹活動~みんなで尾崎半島の緑を再生しよう!

 

昨年の5月8日に発災した釜石市尾崎半島の林野火災は、当時の天候や消火活動が難航する環境なども関係し、被害面積413haと言う全国的に見ても大規模な火災となり、被害総額は7億4千万円にも及びました。

 

1年が経過し現場では復旧作業が進められていますが、現状について気になっている方も多いのはないでしょうか?

 

そんな想いに応えてくれる「釜石山火事復旧植樹活動~みんなで尾崎半島の緑を再生しよう!」が、6月17日(日)に開催されます。主催の釜石地方森林組合・高橋幸男 参事に、山林再生の取り組みについて伺って来ました。

 

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長年掛けて育てた木が被害に遭った山主さん達の想いとたくさんの支援

 

釜石地方森林組合・高橋幸男 参事

 

ーーまずは、これまでの取り組みについて教えて下さい。

 

高橋さん:

5月15日に鎮圧の発表を受け直後から関係各所と共に現地調査を開始し、6月初旬に岩手県、釜石市と「釜石市尾崎白浜・佐須地区林地再生対策協議会」をつくり、6月下旬には山林を所有する方々への説明会を行いました。

 

当初は復旧出来るかどうかについては大きな不安を感じていました。というのも、被害に遭った山林は組合員である山主さんが個人所有されており、復旧に取り組むには山主さんの意向や同意を頂く事が第一で、私たちだけでは動けないというのが実情でした。

 

ーー山主さんの気持ちを思うと、失意は如何ばかりか・・・と報道を見て心を痛めていた方も多かったですね。

 

高橋さん:

そうですね、ここまで60年程の時間を掛けて、今まさに販売できるという所まで育て上げた木がことごとく被害に遭い、その想いをぶつける相手もいないという現状で、山主さんの気持ちは汲んでも汲みきれない程でした。

 

でも、そんな中いち早く地元有志の皆さんが募金活動を行って下さり、その後も市内、県外のたくさんの個人、団体の皆さんから多くの支援を頂きました。そうした方々の存在や想いが、山主さん達の「よし!またやろう!」という気持ちに繋がったと言える程、その力は大きかったと思います。

 

風評被害~被害木の活用~

 

被害木伐採の様子

被害木伐採の様子(画像提供:釜石地方森林組合)

 

ーー被害に遭った木の取り扱いについてはどうだったのでしょうか?

 

高橋さん:

はい、その部分も山主さん達が復旧しようと決断する為には重要な点でした。
これまでの経験で、火災に遭った木でも樹皮をむけば使えることは分かっていましたが、それでもやはり被害木を販売する事は難しいかもしれないと危惧していました。

 

というのも、火災後の風評被害と言いますか、「被害に遭った木は通常の材木より安くなりますか?」というような内容の問い合わせが多くあったのです。ですから復旧に向かうためには、まず材木として使用できるかどうかを確認することが先決でした。

 

そこで、地元の製材所にご協力頂きサンプルとして製材した所、通常と遜色なく利用可能な事が確認出来ました。その結果を受け、8月中旬には所有者の方の一部自己負担により、先行して伐採が行われました。

 

その後、各種補助金などを利用して、平成32年度までは所有者の負担なしで再生に向けた復旧作業が行えることが決まり、それを受けて山主の皆さんの同意を頂き、本格的に動き出す事が出来ました。

 

被害木伐採の様子

被害木伐採の様子(画像提供:釜石地方森林組合)

 

ーー実際にどのように利用されているのでしょうか?

 

高橋さん:

初めに地元の製材所に製材を引き受けて頂き、個人の方が積極的に建築資材として使用して下さった事が、「被災木も通常の木材と変わらずに使えます」という事を広めて頂くモデルケースになったと思います。その後、大量の木を扱える集成材工場が東北地方に見つかり、さらなる利用促進につながりました。

 

釜石市に現在建設中の『鵜住居復興スタジアム』の一部分にもこの被害木が利用されていて、この夏の完成が待ち遠しい所です。また、催事の記念品などにもご利用頂き、予想を超えるご購入を頂いています。

 

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山林再生までの道のり~被害の大きさを思い知らされる日々~

 

釜石地方森林組合・高橋幸男 参事

 

ーー被害木の活用も広がり、復旧作業にも力が入る所だと思いますが、復旧の進捗具合についてはいかがでしょうか?

 

高橋さん:

被害面積のうち、植樹する総面積は260haで、これを3年で行う計画です。平成29年度中に植樹前の下準備が済んだ面積は40ha、実際に植樹が完了したのは14~15haとなっています。

 

何しろ現場は急傾斜地が多く、作業は困難を極めています。職員は毎日懸命に現場で作業をやってくれていていますが、数字だけ見るとまだまだで、私も改めて被害の大きさを思い知らされています。

 

でも、これまで植樹活動やボランティアで参加した方々から、「毎日こんな大変な場所で作業されているのですね!」と苦労を垣間見て声を掛けて頂ける事が、現場で作業するメンバーの励みや力になっています。そういう点でも一般参加型の植樹活動を行う意味は大きいと思っています。

 

山についての正しい知識を伝えたい~参加型の植樹活動~

 

ーー実際に現地に行くことで初めて分かる、知る事がある。そして、何より自分が参加出来る事が嬉しいと感じる方も多いのではないでしょうか?

 

高橋さん:

そうですね。「山林復旧の為に使って下さい」「ぜひ苗木の購入費に充てて下さい」というお声と共に、これまでたくさんの寄付金を頂いています。
“寄付金をどう活用するか”という話し合いで、やはり頂いた言葉や想いを大切にしたいという気持ちがありました。そこで、一緒に山を再生するために植樹に参加して頂く形も良いのではないかとの意見があり、企画に至りました。

 

ーー一般の方と一緒に植樹活動をされる時、どんな事を大事にされていらっしゃいますか?

 

高橋さん:

まずは参加する皆さんの“安全を確保する”こと、これが第一ですので、その部分に細心の注意を払っています。それから、“山について知ってもらう”この点も大切にしています。これは今回だけに限らず、当組合の事業など外部の方にお話しする機会にも同じように考えてお伝えしています。

 

ーーその場所の“ストーリー”を知る事は、その場所に愛着を持つ、大切にするという想いにも繋がりますね。

 

高橋さん:

植えた苗木にはご自分の名前が入ったマーカーを取り付けるのですが、このマーカーは記念品ともなっていて、一部分をお持ち帰り頂けます。帰った後も、ぜひ山との繋がりを感じて頂きたいと思っています。

 

植樹活動

一般参加による植樹活動の様子、右下:植樹活動参加記念品 マーカーとコースター(画像提供:釜石地方森林組合)

 

釜石山火事復旧植樹活動~みんなで尾崎半島の緑を再生しよう!

 
釜石市の8割を占める森林について知る事は、きっと故郷に誇りを持つことにつながるのではないかと思います。今回のインタビューではお届けしきれませんでしたが、山を適切に管理保全することが、災害に備える事になるなど、私たちの生活環境を守る事に繋がるという興味深いお話も教えて頂きました。

 

あなたも植樹会に参加して高橋さんのお話しを聞きながら、故郷の山について考えてみませんか?

 

6月17日に開催される「釜石山火事復旧植樹活動~みんなで尾崎半島の緑を再生しよう!」開催内容の詳細は以下のサイトなどからご覧ください。

 

6.17「釜石山火事復旧植樹活動~みんなで尾崎半島の緑を再生しよう!」参加者募集! – 釜石地方森林組合公式サイト
http://blog.kamamorikumi.jp/?eid=220

釜石地方森林組合Facebook
https://www.facebook.com/kamamorikumi/

 

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縁とらんす編集部による記事です。

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