釜石大観音仲見世通り、シャッター商店街再生へ〜クラウドファンディングで資金募る、プロジェクト実現へ新会社設立

復興釜石新聞2019/02/01

リノベーションによる再生へ動き出した仲見世通り

リノベーションによる再生へ動き出した仲見世通り

 

 釜石大観音仲見世通りに再び商店街のにぎわいを―。釜石市大平町の観光名所「釜石大観音」につながる同通りをリノベーションまちづくりで再生させる合同会社sofo(ソホ)が始動。事業の第1弾となる直営カフェ開業に向け、20日からクラウドファンディングで資金を募り始めた。代表社員の神脇隼人さん(30)、宮崎達也さん(47)は「シャッター商店街を全て開け、人が行き交う場所に」と最終目標を掲げ、エリアマネジメントに意欲を見せる。

 

 同社は昨年12月11日に設立。前職が不動産業で、釜石ローカルベンチャーコミュニティ事業(起業型地域おこし協力隊)に応募し、7月に来釜した神脇さん(千葉県出身)、建築士として震災復興に携わるため2012年に移住し、15年に立ち上げた市民団体「釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト」で各種イベントを手がけてきた宮崎さん(三重県出身)、福島県南相馬市、東京都豊島区池袋本町でリノベーションまちづくりに取り組んできた堀越圭介さん(38、東京都出身)が設立メンバーとなった。

 

神脇さん(前列左)、宮崎さん(同右)と支援者ら

神脇さん(前列左)、宮崎さん(同右)と支援者ら

 

 社名は、通りの景観を象徴する建物屋根の赤色「赭(そほ)色」と、リノベーションなどで倉庫街から文化発信地に変貌した米国ニューヨークの「SoHo」に由来。主な事業として仲見世物件の企画、提案、テナントマッチングなどを行う。

 

 リノベーションまちづくりは、遊休不動産を活用しまちおこしをする手法。半径200メートル以内(徒歩5分圏)をエリア設定し、その土地の強みを生かしたコンセプトのもと、テナント誘致や空き家所有者とのマッチングを実施、エリア価値を高めていく(エリアマネジメント)。

 

 同仲見世商店街は1977年ごろ形成され、二十数店が軒を連ねたが、経済低迷や後継者不在など時代の流れとともに閉店が相次いだ。長年、空き家や2階の住居利用のみとなっていた通りに注目した宮崎さんは、同プロジェクトでにぎわいイベントを企画。昨年5月には建物改修でシェアオフィスもオープンさせた。

 

 昨年3月に仲見世を訪れ、独特の雰囲気に引かれていた神脇さんは、一足早く再生への取り組みを始めていた宮崎さんにカフェの開店を相談。同所の再興に夢を描く2人は今後を見据え、会社を立ち上げることを決めた。

 

 カフェは以前、そば店として営業していた旧味奈登庵の建物1階を活用し、6月を目標に開業予定。上下水道、換気、消防設備などの工事と厨房(ちゅうぼう)機器購入に必要な資金をネット上で募るため、クラウドファンディングに着手した。目標額は400万円。

 

 20日は午後8時からサイトが公開されるのに合わせ、支援者ら約20人が同店舗に集まりカウントダウン。会場の模様を1時間にわたりライブ配信し、代表社員2人の思いや支援者の応援メッセージを熱く発信した。結果、1時間で40万円が集まり、上々の滑り出しとなった。同サイトによる寄付の受け付けは3月5日まで行われる。

 

 「これまでリニューアルなどもされず、エリアの価値が下がる一方だったこの場所に、新しい店で風を吹き込みたい。ここでの商売の可能性を示し、興味を持った事業者の出店を促せれば」と宮崎さん。

 

 「お金を生み出す場所として、しっかり旗を立てたい」と会社化の意義を話す神脇さんは「歴史が育んだ通りの雰囲気を壊さず、住民の暮らしにも配慮したまちづくりを目指す。もう一度ここでビジネスをやりたいという人が戻ってきてくれたら」と期待。居心地良く長く滞在できる空間形成で、市内外から人を呼び込みたいと意気込む。

 

(復興釜石新聞 2019年1月26日発行 第760号より)

 

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