優良表彰を受けた会社の代表者、南三陸沿岸国道事務所の関係者ら
国土交通省東北地方整備局が本年度、釜石市鵜住居町に新設した「南三陸沿岸国道事務所」(五十嵐俊一所長)で3日、優良業務・優良工事等表彰式が行われた。昨年度まで三陸沿岸道路などの整備や管理業務を担った南三陸国道事務所が発注し、同年度内に完了した業務や工事が対象。技術力が優秀で創意工夫があった優良業務施工会社2社、工事成績が優秀で卓越した技術や創意工夫があった優良工事施工会社3社、品質確保・向上に貢献した下請け会社1社の功績をたたえた。事故防止対策協議会の設立総会も開催。関係者が労働災害などの事故発生の未然防止につなげる取り組みを確認した。
表彰式で五十嵐所長は「災害対策を含めた地域の安全安心の提供、アフターコロナの地域振興の推進には建設業界の生産性向上、働き方改革、担い手育成・確保が必要。改革プロジェクトへの取り組みに理解と支援を」とあいさつ。各社の代表に表彰状を手渡した。
優良工事事務所長表彰を受けた小澤組(釜石市)の本間康幸さんが、受賞者を代表し謝辞。「地域の安全に寄与し社会資本の整備に貢献することが使命。技術力を高め、一層精進していく」と誓った。
事故防止対策協の設立総会には同事務所の職員、発注工事や業務関係者ら約40人が出席。規約、事業計画、事故防止対策方針を決めた。「死亡災害ゼロ、公衆災害ゼロ」を重点目標とし、▽物損公衆災害の事故防止対策▽安全規制訓練▽新型コロナウイルス感染症拡大防止対策―を徹底する。
労働災害・事故防止に向けた対策を確認する協議会の設立総会
具体的な活動としては、無事故達成日数の表示や安全旗の掲揚など事故防止意識の高揚のほか、安全管理講習会の開催など啓発活動、安全パトロールの実施、安全管理に優れた工事や円滑な工事などを実施した企業や個人の表彰も行う。
南三陸地域の道路管理新拠点で業務推進
道路管理拠点として釜石市鵜住居町に開設された南三陸沿岸国道事務所
三陸沿岸国道事務所は、東日本大震災からの早期復興リーディングプロジェクトとして整備を進めてきた三陸沿岸道路の管理をより集中して適切に行える体制の構築を目指し新設された。管理区間は三陸沿岸道の山田南IC-鳴瀬奥松島IC間(延長約175キロ)、国道45号の大槌町―陸前高田市間(同約81キロ)、東北横断自動車道釜石秋田線の釜石JCT-東和IC間(同67キロ)の総延長約323キロ。同事務所の開設に合わせ、花巻市に花巻維持出張所、大船渡市に大船渡維持出張所、宮城県石巻市に三陸道維持出張所も設け、管理業務に当たる。
新事務所の業務は道路の維持・防災工事、舗装修繕、安全対策工事など路上作業が多く、利用者や周辺の配慮が求められる。災害対応や除雪など一般交通の安全確保に向けた適切な稼働体制の整備も必要で、重点目標における取り組み方針の徹底に努める。
表彰を受けた会社は次の通り。
【優良業務事務所長表彰】
▽大槌山田地区道路台帳整備業務国際航業・北栄調査設計設計共同体(盛岡市)=大槌山田地区道路台帳整備業務(主任技術者・花田睦実)▽日本工営北東北事務所(同)=南三陸水文調査(同・高橋昌弘)
【優良工事事務所長表彰】
▽テラ(遠野市)=南三陸国道災害復旧工事(監理技術者兼現場代理人・昆雅也)▽小田島組(北上市)=同国道管内防災施設他工事(同・及川裕明)▽小澤組(釜石市)=同国道維持補修工事(同・本間康幸)
【下請企業事務所長表彰】
▽長屋産業(仙台市)=同国道災害復旧工事(主任技術者・進藤繁勝)