市民ホール屋根のある広場で開かれた今年度初の「かまいし軽トラ市」
釜石市内の農産物や水産加工品などを生産者が直売する「かまいし軽トラ市」(市水産農林課主催)が20日、大町の市民ホールTETTO屋根のある広場で開かれた。昨年度初めて開催され、好評を得た企画。本年度1回目のこの日は釜石観光物産協会との共催で行われ、新たに水産加工業者が出店するなど、販売品目が拡大。この後11月まで毎月1回、会場を変えながら開催される。
中心市街地に立地する市民ホールが会場となるのは初めて。午前9時の開店前から買い物客が列を作るなど期待の高さをうかがわせた。昨年度も出店した農業者、産直、障害者就労支援施設のほか、水産加工品や菓子の製造業者が集まり、計13店が販売ブースを構えた。
野菜、切り花や花苗、海藻や鶏肉の加工品、弁当、菓子、ワイン、工芸品など多彩な商品が並び、買い物客は購買意欲をかき立てられた。人気の新鮮野菜は早々に完売する店も。交通の利便が良く、足を運びやすい環境も集客力を高めた。
地元の新鮮野菜を買い求めようと多くの客が集まった「産直ミッキーファーム」の販売ブース
大只越町の女性(81)はイオンタウン釜石で行われている新型コロナワクチン接種の帰りに立ち寄り、野菜や花、弁当などを購入。「街なかでやってくれるのはうれしい。野菜も新鮮で安く買える。またここでやる時は絶対に来たい」と声を弾ませた。
初出店のNPOおはこざき市民会議(箱崎町)は、ホタテの甘辛煮や塩蔵ワカメを販売。佐藤啓太理事長(39)は「常設店舗がなく、普段はイベントやインターネット販売が中心。こういう機会に商品を知ってもらえるのはありがたい。市内の海産物は意外と地元流通していないので、仕組み作りへの働きかけもしていければ」と望んだ。
NPOおはこざき市民会議の商品に興味を示す親子
鵜住居町でリンゴ栽培などを手がける傍ら、県鳥獣保護管理員としても活動する二本松誠さん(57)は、狩猟で出たシカの角やイノシシの爪を加工したキーホルダー、工芸品を販売。橋野町の産直どんぐり広場で販売しているが、軽トラ市では初出品。「これまで廃棄されていた角などを有効活用できればと考えた」と、オリジナルデザインの作品を並べ、買い物客の注目を集めた。
二本松誠さん(中)が初出品したシカ角の工芸品は来場者の注目を集めた
生産者の所得向上、地産地消の推進などを目的に始まった軽トラ市。昨年度は10、11月にうのすまい・トモス、市役所前駐車スペースを会場に計3回開かれ、延べ877人が来場した。本年度は6回の開催を計画。次回は7月25日、うのすまい・トモス朝市と同時開催で、午前9時から11時までトモス広場(三陸鉄道鵜住居駅前)で開かれる。