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市勢功労者表彰の受賞者ら。市の発展に貢献する気持ちを新たにした

市勢功労者を表彰 釜石市、9人2団体 福祉や防災などで尽力

市勢功労者表彰の受賞者ら。市の発展に貢献する気持ちを新たにした

市勢功労者表彰の受賞者ら。市の発展に貢献する気持ちを新たにした

 

 釜石市の2021年度市勢功労者表彰式は1日、大町のホテルサンルート釜石で行われた。社会福祉や消防防災、環境保護、医療などで市の発展、市民生活の向上に貢献した市勢功労者として6人2団体、特別功労者として2人を表彰。市役所庁舎建設に向け多額の寄付をした1人の「篤行」をたたえた。

 

受賞者を代表し三浦達夫さんが謝辞を述べた

受賞者を代表し三浦達夫さんが謝辞を述べた

 

 野田武則市長は「行政の力の及ばない課題も数多く、市民の協力がなければ、まちの発展もあり得ない。培ってきた豊かな識見と経験のもと、なお一層の尽力を」と式辞。受賞者を代表して三浦達夫さん(86)が「周囲の力もあっていただいた栄誉。受賞を契機に市民が安心して暮らし、より魅力的なまちとなるよう、さらに努力していきたい」と謝辞で応えた。

 

 功労者と功績は次の通り。

 

【自治功労表彰】
▽阿部進さん(74)=甲子町 消防団員として通算32年間、地域防災の任に当たるとともに、消防団分団長の要職を務め、民生の安定に貢献
▽加藤直子さん(75)=甲子町 環境教育や保護活動に取り組み、市民の意識啓発と環境の発展に貢献
▽工藤英明さん(60)=大町 歯科医師として市民の健康増進と地域医療の発展に貢献
▽多田慶三さん(85)=小佐野町 スポーツ推進委員として通算33年間、市民の健康増進とスポーツ振興に貢献
▽濱淺松さん(73)=大渡町 消防団員として通算54年間、地域防災の任に当たるとともに、市消防団副団長の要職を務め、民生の安定に貢献
▽三浦達夫さん(86)=甲子町 釜石観光ガイド会員として通算15年間活動するとともに、会長としてリーダーシップを発揮し、交流人口の増加と観光振興に貢献
▽甲子柿の里生産組合(1988年設立、藤井修一組合長)=甲子町 地域特産品・甲子柿の生産技術と品質の向上、販路開拓に取り組み、農業振興に貢献
▽読書サポーター颯(かぜ)・2000の会(2000年発足、佐野順子代表)=小佐野町 発足以来21年にわたり絵本の読み聞かせ活動を継続し、子どもたちの健全育成に貢献

 

【篤行表彰】
▽佐々木貞雄さん(96)=甲子町 市役所庁舎建設基金に多額の寄付をし、市勢の発展に貢献

 

【特別功労表彰】
▽川原愛子さん(77)=平田 民生委員・児童委員として通算32年間、社会福祉の進展に貢献
▽山﨑長榮さん(74)=片岸町 消防団員として通算48年間、地域防災の任に当たるとともに、市消防団長の要職を務め、民生の安定に貢献

釜石鵜住居復興スタジアムの木製座席塗装作業

きれいなシートで観戦を! うのスタで木製座席の塗装ボランティア活動

釜石鵜住居復興スタジアムの木製座席塗装作業

釜石鵜住居復興スタジアムの木製座席塗装作業

 

 釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで10月30日、バックスタンド(約3千席)の木製座席の塗装をし直すボランティア活動が行われた。施設を運営する市と地元ラグビーチーム釜石シーウェイブス(SW)RFCが共催。市内外から集まった一般参加者とSWの選手、スタッフら約80人が作業に精を出した。同所では11月14日に、釜石SWとコベルコ神戸スティーラーズのメモリアルマッチが行われる。

 

 同スタジアムは2018年に竣工、19年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の会場となった。常設6千席のうち約5千は木製座席。17年に発生した同市尾崎半島林野火災の被災木(スギ)が使われている。バックスタンドの木製座席には、昨年、「KAMAISHI UNOSUMAI」の文字を浮かび上がらせる茶と青色の塗装が施された。

 

 塗装から1年が経過した座席は、風雨や日差しの影響で所々、塗料が剥がれていた。ボランティア参加者は二手に分かれ、撥水(はっすい)効果のある2色の塗料をスポンジやはけを使って丁寧に塗り直した。約2時間の作業で、座席は鮮やかな色彩に生まれ変わり、観戦客を迎える準備が整った。

 

塗料が剥げた部分を中心に塗り直し。子どもたちも大人と一緒に頑張った

塗料が剥げた部分を中心に塗り直し。子どもたちも大人と一緒に頑張った

 

秋の日差しを受けながら作業に励む参加者

秋の日差しを受けながら作業に励む参加者

 

 盛岡市の浅沼美香さん(自営業)はW杯を機にラグビーファンとなり、地元チームを応援したいと釜石SWのサポーターに加入。今回初めて、同スタジアムの環境美化活動にも参加した。「(塗装作業は)意外と大変。でも、お客さんにはきれいな環境で試合を見てもらいたいと思って」と熱心に作業。メモリアルマッチの観戦チケット当選を願いながら、「強い相手に果敢に立ち向かっていく姿が格好良くて大好き。試合で見たい」とSWに熱いエールを送った。

 

 SWからは約60人が作業に協力した。小野航大主将(29)は「ホームスタジアムでもあり、快適に観戦してもらうために自分たちができることは手伝いたい」と精力的に活動。約半月後のメモリアルマッチを控え、「外国人選手も合流して1カ月。先週、試合(IBC杯)もして今年のチームのイメージも見えてきた」と実戦を心待ちにする。「W杯やラグビーの感動を伝えていくのも僕らの使命。また(試合を)見にきたくなるようなゲームをしたい」と意気込みを示した。

 

釜石SWの選手らも心を込めてボランティア活動

釜石SWの選手らも心を込めてボランティア活動

 

美しく生まれ変わった座席で観戦客を迎えるスタジアム。釜石SWとコベルコ神戸の熱戦に期待!

美しく生まれ変わった座席で観戦客を迎えるスタジアム。釜石SWとコベルコ神戸の熱戦に期待!

 

 この日は塗装作業に先立ち、地震、津波発生時を想定した避難誘導訓練も実施。車いす利用者も想定し、スタジアムから高台2カ所に安全、迅速に避難するための経路や方法を確認した。

釜石市中心部にオープンしたワーケーション施設「ねまるポート」。カフェのような落ち着いた空間が広がる

新しい働き方、休み方提案~釜石にワーケーション施設オープン

釜石市中心部にオープンしたワーケーション施設「ねまるポート」。カフェのような落ち着いた空間が広がる

釜石市中心部にオープンしたワーケーション施設「ねまるポート」。カフェのような落ち着いた空間が広がる

 

 仕事と余暇を組み合わせる「ワーケーション」向けの施設が10月28日、釜石市只越町にオープンした。市が民間企業と連携し整備、観光地域づくり法人かまいしDMC(河東英宜社長)が運営する。新型コロナウイルス禍を機にテレワーク導入企業が増えていることに着目し、働き方の受け皿を用意。自然や食文化など地域資源を生かした釜石ならではの体験も提供するほか、市内企業が首都圏などの企業と連携を深めることで地域活性化にもつなげていく。

 

 市とDMC、日鉄興和不動産(本社・東京都港区、今泉泰彦社長)が結ぶ包括連携協定にオカムラ(本社・神奈川県横浜市、中村雅行社長)が加わり、4者でワーケーション事業を進める。地方創生とこれからのワークスタイルの研究・提案を行うための拠点となる施設の整備にあたり、日鉄興和が市中心部にある2階建ての空き店舗を取得して改修。オカムラがオフィス家具を提供している。

 

作業に集中できるブースも用意。利用者は「業務効率が上がる」と好感触を示した

作業に集中できるブースも用意。利用者は「業務効率が上がる」と好感触を示した

 

 施設名は「Nemaru Port(ねまるポート)」。「ゆっくりしていく」「家に寄っていく」という釜石地方の方言「ねまる」にちなむ。JR釜石駅から徒歩16分に立地する元和菓子店を改装。近くには復興住宅やドラッグストアが建つ。1階(延べ床面積36・3平方メートル)にソファ席、防音の個室型ブース、打ち合わせスペース、リラックスできるテラス席などを用意。無線LAN完備で、5~10人程度の小規模団体の受け入れを想定する。2階にはDMCが入居する。

 

ウッドデッキのテラス席でリラックスしながら仕事をする利用者

ウッドデッキのテラス席でリラックスしながら仕事をする利用者

 

 当面は完全予約制とし、4者による実証実験の利用を優先して活用する。ドリンクサービス、自動販売機型無人コンビニ「600」での軽食販売などはあるが宿泊設備はないため、市内宿泊施設への波及効果が期待できる。DMCは余暇に漁船クルーズやマリンスポーツなど自然を体感するプログラム、東日本大震災の教訓を踏まえた防災研修などを提供する。営業時間は午前9時~午後5時。問い合わせは公式HP(https://kamaishi-nemaruport.com/)へ。

 

テープカットし、施設の開業を祝う関係者ら
 

テープカットし、施設の開業を祝う関係者ら

 

 この日、大町の市民ホールで4者による記者発表があり、新たに協定を締結。「ねまるポート」に移動し、内覧会も行われた。首都圏に勤務する日鉄興和の社員らがすでに施設を利用しており、思い思いの場所でパソコンに向かう姿があった。マンション開発の企画、デザインを手掛ける大塚真之さん(33)は在宅ワークなど出社しない形の働き方が2年半ほど続く。「都会とは違った自然豊かな場所で気分を変えられる。業務効率が上がり、発想も広がる」と感想。余暇には震災の話を聞く時間があり、自分を見つめ直す機会になっているという。

 

 市は震災後、外部との交流で新たな活力を育む「オープンシティ戦略」を掲げ、復興後の持続的成長を導く試みを進めてきた。野田武則市長は「新たな一歩を踏み出すことができる。全国や世界からたくさんの方に来ていただきたい。交流の中で市民も活力を生み出してほしい」と期待。河東社長は「利用者と地元企業の双方にプラスとなるつながりが生まれ、移住につながればいい」と展望した。

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100年後の広葉樹の森を目指して― 橋野鉄鉱山で5年目の育樹祭

橋野鉄鉱山稼働時代の森づくり育樹祭=23日

橋野鉄鉱山稼働時代の森づくり育樹祭=10月23日

 

 釜石市の世界遺産「橋野鉄鉱山」周辺の国有林を高炉稼働時代の広葉樹の森に再生させる取り組みの一環で、10月23日、スギ林の枝打ち作業が行われた。市と林野庁東北森林管理局三陸中部森林管理署(大船渡市)が共催する5年目の事業。市内外の関係機関、団体などから35人が参加し、作業に汗を流した。

 

 「橋野鉄鉱山稼働時代の森づくり育樹祭」と銘打った同事業は、約160年前、高炉の燃料となる木炭の供給源だった森林の価値を再認識し、当時の植生回復に関心を高める狙いで毎年秋に実施。参加者は一番高炉跡の南側に広がる人工林で、植樹から15年前後経過したスギの枝打ちを行った。林業関係者は一部、間伐も実施。森林管理に必要な手入れを施した。

 

スギ林の枝打ち作業に取り組む参加者

スギ林の枝打ち作業に取り組む参加者

 

林業のプロは急斜面の間伐も行った。森林を守る大切な作業

林業のプロは急斜面の間伐も行った。森林を守る大切な作業

 

ロープを使って切り倒した木を安全な位置に誘導

ロープを使って切り倒した木を安全な位置に誘導

 

 釜石観光ガイド会の川崎孝生さん(80、栗林町)は連続5回目の参加。「ここで鉄づくりができたのは、鉄鉱石はもちろん豊かな森林があったからこそ。(遺産として)大事にしなければ。85歳までは頑張って10年選手になれたら」と笑った。

 

 橋野鉄鉱山の構成資産エリアと緩衝地帯は大部分が国有林地。市と管理局は世界遺産登録前の2012年、森林を適正に管理するため、「橋野鉄鉱山郷土の森協定」を締結(17年、同保護協定に改称)。資産範囲と緩衝地帯約500ヘクタールを保護対象としている。

 

 一帯は戦後の高度経済成長に伴う木材需要に対応するため、スギやマツの人工造林が進み、広葉樹から針葉樹林に姿を変えた。世界遺産登録を機に、元の林相に戻していく取り組みが本格化。針葉樹は間伐を繰り返しながら伐採時期まで育て、木材資源として有効活用。間伐で空いた場所に広葉樹の侵入を促し、鉄鉱山稼働時代の森に徐々に復元していくことにしている。広葉樹林の再生には100~200年かかるとみられる。

 

約1時間半の作業で林はすっきりとした空間に

約1時間半の作業で林はすっきりとした空間に

 

 同管理署の菊地孝和署長は「枝打ちなどで地面に日光が届くようになれば、草が生え地盤もある程度強化される。これは近年増え続ける集中豪雨による災害を防ぐことにもつながる」と作業の重要性を強調。「昔の森に戻すには最低でも100年はかかるだろうが、地域の皆さんの協力を得て地道に取り組んでいけたら。年に1回でも足を運び、山の手入れと共に遺産見学の機会にしてもらえれば」と願った。   

 

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育樹祭参加者の皆さん、おつかれさまでした!

広報かまいし2021年11月1日号(No.1771)

広報かまいし2021年11月1日号(No.1771)

広報かまいし2021年11月1日号(No.1771)

 

広報かまいし2021年11月1日号(No.1771)

広報かまいし2021年11月1日号(No.1771)

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【P1】
保育所の入所

【P2-3】
ぼうさいこくたい ほか

【P4-5】
岩大イベント
釜石市民芸術文化祭 ほか

【P6-7】
まちのお知らせ

【P8】
ラグビーメモリアルイベント

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釜石市

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定内公園に設置されたベンチ。木と鉄で釜石らしさを発信する

デザインで釜石発信、「木と鉄」活用ベンチ 定内公園にお目見え

定内公園に設置されたベンチ。木と鉄で釜石らしさを発信する

定内公園に設置されたベンチ。木と鉄で釜石らしさを発信する

 

 「とんがり公園」との愛称で幅広い年代に親しまれる釜石市定内町の定内公園に、地域資源の木と鉄を組み合わせたベンチ2基がお目見えした。地元企業の力も結集し、金属を用いて強度を保ちつつ、木のぬくもりを感じてもらえるよう、機能とデザイン性を重視。公園利用者の反応も上々で、地元産品のPRに一役買っている。

 

ベンチを贈った中妻岩友会、市関係者ら

ベンチを贈った中妻岩友会、市関係者ら

 

 岩手銀行中妻支店の取引先でつくる親睦団体「中妻岩友会」(小泉嘉明会長、会員63事業者)が市に寄贈する形で、同公園に設置された。座面となる木材は2017年に尾崎半島で発生した大規模林野火災の焼損木(スギ)を活用。屋外利用となるため防腐加工を施した。黒の塗装が施された手すりの機能もある脚部のステンレスフレームは石村工業(大平町、石村真一社長)が加工。高齢者が立ち上がる際の手や手首への負担を考慮し、フレームの角は丸く設計した。

 

 3人掛け用で、幅180センチ、高さ63センチ、奥行き40センチ。デザインは平田のデザイン業「FROM NIPPON(フロム・ニッポン)」代表の境悠作さん(32)が手掛ける。本来は屋内での利用を想定したベンチで、「FROM KAMAISHI(フロム・カマイシ)」と名付けて製作していた。

 

寄贈書を手にする小泉会長(右)と野田市長

寄贈書を手にする小泉会長(右)と野田市長

 

 寄贈式は9日に同公園で行われ、小泉会長は「高齢者、子どもたちが集い、笑いあふれる場になってもらえれば幸い」とあいさつ。野田武則市長は「釜石の特産をコラボしたベンチで、良さを広く市民に伝えることができる。憩いの場として大いに活用してもらいたい」と期待した。

 

 公園には子どもたちが楽しめる大きな滑り台やブランコなど遊具があり、広々とした空間では高齢者らがグラウンドゴルフなどを楽しんでいるという。近くに住む濱中トシさん(82)は「座る場所が増えたのがいいね。来る回数が増えそう」と歓迎。早速座り、子どもたちが遊ぶ姿を見て目を細めていた。

 

「デザインで釜石、日本を発信したい」と意欲を見せる境さん

「デザインで釜石、日本を発信したい」と意欲を見せる境さん

 

 境さんは「柔らかくあたたかい木調と黒く硬い鉄製の対比をスタイリッシュに見せることができる。長く愛用いただくことで次のスタンダードにつながる」と強調。ものづくり技術が蓄積されている「デザインのまち釜石」を視点に、地域産材を活用した製品開発やブランディング、他地域とつなぐ仕組みづくりを進めようと意気込む。

 

 ベンチは2人掛け用や家庭での利用を想定した製品もあり、受注生産する。問い合わせはフロム・ニッポン(電話0193・27・7502)へ。

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

コロナ禍でみこし渡御中止も神事で平穏祈る~尾崎神社例祭~

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

尾崎神社社殿で行われた例祭の神事=16日

 

 釜石市の尾崎神社と日本製鉄釜石製鉄所山神社の合同祭「釜石まつり」は、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年に続き、みこし渡御が中止された。両神社は16日、それぞれに例祭の神事を実施。「来年こそは」と願いを込めながら、コロナの完全終息、景気回復、住民の無事などを切に祈った。

 

 浜町の尾崎神社(佐々木裕基宮司)では15日に宵宮祭、16日に例祭神事を行った。神事には関係者22人が参列。宮司、献幣使が神前に祝詞を奏上し、参列者が玉串をささげた。終了後、あいさつした佐々木宮司は「来年こそは、みこしに神様の御霊を乗せて釜石のまちを歩き、多くの方々に拝んでいただきたい。より豊かな秋をみんなで迎えられたら」と願った。

 

参列者は玉串をささげ、神前に手を合わせた

参列者は玉串をささげ、神前に手を合わせた

 

新型コロナ感染症の収束などを祈る参列者

新型コロナ感染症の収束などを祈る参列者

 

 尾崎神社の渡御行列は300年の歴史を誇る。釜石製鉄所山神社との合同渡御は、釜石市制施行30周年の1967(昭和42)年から行われ、市内最大規模の秋祭りとして定着。市内外から見物客を集めるが、新型コロナ感染症の収束が見込めず、今年も合同みこし渡御、曳き船まつり(尾崎神社海上渡御)共に開催を断念した。

 

 尾崎神社の責任役員で祭典委員長の浜川幸雄さん(76)は「(2年連続の渡御中止は)非常に残念だが、致し方ない。何とかコロナも収束に向かっているよう。人類はこれまでもさまざまな細菌と戦ってきた。いかに知恵を振り絞って戦うかだ。来年は、状況が良くなっていることを期待したい」と話した。

 

2019年の釜石まつりで中心市街地を練り歩く尾崎神社の六角大みこし。70年ぶりに修復され、この年に初お披露目された

2019年の釜石まつりで中心市街地を練り歩く尾崎神社の六角大みこし。70年ぶりに修復され、この年に初お披露目された

 

 同神社のみこし担ぎ手団体「輿衆(よしゅう)会」の川畑裕也会長(59)は「みこしはどうしても密になってしまうのでやむを得ない。早く平常に戻って、みんなでにぎやかに祭りができるよう祈るばかり。間が空くと会員離れにもつながる。尾崎神社は大みこしなので、担ぐにはそれなりの人数が必要」と担ぎ手不足も心配した。

 

釜石LC会員が境内をきれいに 尾崎神社例祭前に恒例の清掃活動

 

尾崎神社の参道を清掃する釜石ライオンズクラブの会員=9日

尾崎神社の参道を清掃する釜石ライオンズクラブの会員=9日

 

 釜石ライオンズクラブ(蓙谷兼明会長、会員40人)は9日、例祭を控えた尾崎神社で清掃奉仕活動を行った。10月8日の「世界ライオンズ奉仕デー」にちなんだ毎年恒例の活動。会員9人が境内と周辺の道路で、ごみや落ち葉を回収した。

 

 神社境内や参道の木々は紅葉が始まり、各所に落ち葉が散らばっていた。会員らはほうきや熊手で丁寧に葉をかき集め、参拝者の歩行や車両の通行に支障が出ないようにした。約1時間半の清掃で、周辺はすっきりとした景観を取り戻し、例祭を迎える準備が整った。

 

境内にたまった落ち葉を丁寧に掃き掃除

境内にたまった落ち葉を丁寧に掃き掃除

 

参拝者が安全に歩行できるよう階段もきれいに

参拝者が安全に歩行できるよう階段もきれいに

 

 蓙谷会長(55)は「由緒正しいこの神社を清めるのは、私たち会員にとってもありがたいこと。世界のライオンズクラブは『奉仕の精神』を掲げ、地域に貢献する活動を行っている。コロナ禍で活動の自粛が続いていたので、今日は会員同士が顔を合わせる機会にもなりうれしい」と喜んだ。

 

会員らは「奉仕の精神」で清掃活動に励んだ

会員らは「奉仕の精神」で清掃活動に励んだ

 

 結成56周年を迎える同クラブは、年内に市立図書館への本の寄贈、地元サッカースポーツ少年団の大会への協賛、クリスマス献血キャンペーンへの協力などを予定する。

市関係者と懇談する山口さん(左から2人目)と及川さん(画面内)

移住コーディネーター新たに1人1団体 日々の暮らしをSNSで発信

委嘱状を手にする山口さん(左から2人目)とオンライン参加の及川さん(画面内)

委嘱状を手にする山口さん(左から2人目)とオンライン参加の及川さん(画面内)

 

 釜石市は8日、まちの魅力発信や移住希望者への情報提供などを行う移住コーディネーターに、山口孝太郎さん(30)=東京都世田谷区出身=と「釜石応援団あらまぎハート」(松田哲大代表)の1人1団体を委嘱した。委嘱状の交付は市役所で行われ、野田武則市長は「人口減少率が高い地域となっている現実を受け止め、対応していかなければ。さまざまなツールを使い、人の結び付き、輪を広げ、UIターン、定住を一歩でも前に進めてほしい」と協力を求めた。

 

 東日本大震災後に釜石に移住した山口さんは、昨年度まで市の任期付き職員として地域内外の人をつなぐ仕事に携わった。現在は市内の菓子製造販売・卸業小島製菓でマーケティングを担当する。「同年代の人に来てもらえるよう、経験で得られた生活の充実度を発信したい」と意気込んだ。

 

 首都圏在住の釜石出身有志らでつくる釜石応援団は、高台避難を啓発する「韋駄天(いだてん)競争」(仙寿院主催)や古里の復興にエールを送るサミットなどイベントの企画・運営を行う。オンライン出席した及川健智副代表(45)は「求められているのは人をつなげるハブの役割だと認識。釜石の情報発信、共有を手伝いたい」と力を込めた。

 

市関係者と懇談する山口さん(左から2人目)と及川さん(画面内)

市関係者と懇談する山口さん(左から2人目)と及川さん(画面内)

 

 同コーディネーターは2019年度に導入。今回の委嘱を含め5人1団体が活動する。副業というのが特徴で、個々の仕事や活動の合間に、▽会員制交流サイト(SNS)での暮らしの情報発信▽県内外の移住関連イベントでのPR▽移住検討者らの相談・助言―などを行う。国の特別交付税措置を活用し、月額2万円(月1回の活動報告が必要)の報酬を支払う。任期は来年3月末まで。

日本で初めて作られた近代海図「陸中国釜石港之図」を説明する第2管区海上保安本部の西村監理課長

海図の歴史から海を学ぶ 海保が150周年企画展 第1号「釜石港之図」展示 

日本で初めて作られた近代海図「陸中国釜石港之図」を説明する第2管区海上保安本部の西村監理課長

日本で初めて作られた近代海図「陸中国釜石港之図」を説明する第2管区海上保安本部の西村監理課長

 

 日本単独での海図製作などの水路業務が本格的に始まってから150年を迎えたことを記念し、釜石市鈴子町のシープラザ釜石2階イベントフロアでその歴史を紹介するパネル展が開かれている。東北地方を管轄する海上保安庁第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)が企画し、日本初の近代海図など計21点が並ぶ。10月26日まで。

 

 海図は、船が安全に航行できるよう、海岸の地形や水深、灯台などの目標物を分かりやすく示した地図。国内では1871(明治4)年、兵部省海軍部内に水路局を設け、勝海舟らとともに海軍伝習所でオランダ式の航海術・測量術を学んだ津の藩士、柳楢悦(やなぎ・ならよし)を起用して近代的水路業務を開始した。

 

 作成された海図の第1号は、72(同5)年に刊行された「陸中國釜石港之圖(りくちゅうのくにかまいしこうのず)」。当時の釜石は、東京―函館間航路の重要な補給地点だったことに加え、官営製鉄所が完成する直前だったこともあり、入港船舶の安全と利便性を確保するために作成された。

 

 海図の更新は現在も同庁海洋情報部によって行われており、パネル展では明治初期からの150年の歩み、軍事機密として厳重に管理され一般国民の目に触れることがなかった貴重な海図などの資料、音響や航空レーザーなど最新の調査技術を活用した海洋調査などを紹介。特殊メガネでのぞき込むと海底の起伏などが分かる「日本周辺3D海底地形図」、映像放映(15分)もある。

 

特殊メガネで「日本周辺3D海底地形図」をのぞき込む来場

特殊メガネで「日本周辺3D海底地形図」をのぞき込む来場

 

 同本部海洋情報部の西村一星監理課長は「日本人の手だけで作られた海図は釜石が発祥。海図を通し150年前に始まった歴史、進化を感じてほしい」と期待する。

広報かまいし2021年10月15日号(No.1770)

広報かまいし2021年10月15日号(No.1770)

広報かまいし2021年10月15日号(No.1770)

 

広報かまいし2021年10月15日号(No.1770)

広報かまいし2021年10月1日号(No.1770)

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【P1】
表紙

【P2-3】
衆議院総選挙のお知らせ

【P4-5】
期日前投票
いわて・かまいしラグビーメモリアルマッチ

【P6-7】
新型コロナワクチン接種
水産業関連施設用地の分譲 他

【P8-9】
税の納付方法

【P10-11】
こどもはぐくみ通信
すこやかアイドル 他

【P12-13】
まちの話題 他

【P14-17】
釜石の歴史 よもやま話
まちのお知らせ

【P18-19】
保健案内板

【P20】
行政連絡員の活動紹介 他

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釜石市

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簡単そうで難しい!?狙いを定めて輪を投げる参加者

釜石・西地区の公民館、スポーツで交流 お年寄りら和気あいあい

人工芝で伸び伸びとグラウンドゴルフを楽しむ参加者

人工芝で伸び伸びとグラウンドゴルフを楽しむ参加者

 

 釜石市の甲子・小佐野・中妻地区の公民館が主催する「西地区合同スポーツ交流大会」が7日、甲子町の市球技場で初めて開かれた。3地区から市民約70人が集い、グラウンドゴルフなど3種の競技に挑戦。公民館対抗というものの勝ち負けにこだわらず、和気あいあいと笑顔で触れ合いを楽しんだ。

 

スカットボールでは一打一打に拍手、ため息が混じった

スカットボールでは一打一打に拍手、ため息が混じった

 

簡単そうで難しい!?狙いを定めて輪を投げる参加者

簡単そうで難しい!?狙いを定めて輪を投げる参加者

 

 参加者は公民館ごとに5人一組でチームをつくり、10チームに分かれてグラウンドゴルフ、スカットボール、輪投げの3種競技に挑んだ。「おー、いい寄せだね」「あちゃー、思うようにいかない」。互いのプレーを褒め合い、励まし合いながら伸び伸びと体を動かしていた。

 

NO・1ポーズで優勝を喜ぶ中妻公民館チーム

NO・1ポーズで優勝を喜ぶ中妻公民館チーム

 

 各公民館の参加人数が異なるため、3種の平均得点で順位を決めた。優勝は2種目で1位となった中妻公民館(正木浩二館長)。最高齢参加者の似田貝五平さん(98)も活躍し、「楽しいね。元気でいるには何事も自分から進んでやらねば」と前向きな姿勢を見せた。

 

「次こそは」と上を目指すのは準優勝の甲子公民館チーム

「次こそは」と上を目指すのは準優勝の甲子公民館チーム

 

 甲子公民館(佐々木利光館長)は一歩及ばず準優勝。新型コロナウイルス感染症の影響で集まりを控えていた中の久しぶりの行事に、菅原武さん(77)は「今日はうまくいかなかった、中の上だな。外で発散できたし、初めて見る人もいて、いい交流になった」と喜んだ。

 

3位に終わったが、競技を存分に楽しんだ小佐野公民館チーム

3位に終わったが、競技を存分に楽しんだ小佐野公民館チーム

 

 全種目、得点が伸び悩んだ小佐野公民館(佐藤貴之館長)は3位に終わった。女性で最高齢参加となった菊池榮さん(94)は触れ合いが大好き。「年が年だから、追いつくのも大変。足手まといにならないよう頑張りたい」と言葉は控えめだが、足取りはしっかりと元気だった。

 

同級生3人がそろい大会が実現。左から正木館長、佐藤館長、佐々木館長

同級生3人がそろい大会が実現。左から正木館長、佐藤館長、佐々木館長

 

 同大会は3地区の地域会議と共催し、ニュースポーツを通じた住民の健康増進、他地区住民との交流促進を目的に開かれた。この春に3公民館で1969年生まれの同級生館長がそろい、「何か一緒にやろう」と思案。「エイヤ!」と開催を決めたという。3人の館長たちは「参加者が笑って楽しんでいる姿を見ることができたのが一番。面白かった―と反応が良かったのもうれしい」と手応えを実感。来年以降も継続し、回を重ねる恒例行事になるよう期待する。

「御日払所跡」に残る礎石配列。内側に居宅跡の礎石も確認された

橋野鉄鉱山高炉場「御日払所跡」を発掘調査 建物の痕跡を確認

国史跡「橋野高炉跡」発掘調査現地説明会=2日

国史跡「橋野高炉跡」発掘調査現地説明会=2日

 

 釜石市が7月から発掘調査を行う、世界遺産「橋野鉄鉱山」高炉場跡内の「御日払所跡」で2日、調査結果を報告する一般向けの現地説明会が開かれた。同調査は、市が2018年から進める「橋野高炉跡範囲内容確認調査」の一環。御日払所では労働者への賃金の支払い、採掘場から運ばれた鉄鉱石や生産された銑鉄の管理などが行われていた。今回の発掘調査では、建物の礎石や水路の痕跡を確認。出土した遺物は、同鉄鉱山インフォメーションセンターで公開されている。

 

 発掘調査は、江戸末期(1860年代前半)の高炉絵巻に描かれている「御日払所、板蔵(倉庫)、土蔵」の位置と各建物の規模を確認するために実施。説明会では、調査を担当する市世界遺産課の髙橋岳主査が成果などを示した。

 

「橋野鉄鉱山惣御山内略図」(絵巻)に描かれている御日払所など(図右上)

「橋野鉄鉱山惣御山内略図」(絵巻)に描かれている御日払所など(図右上)

 

 1892(明治25)、94(同27)年の建物記録に「平屋(御日払所)68坪、板蔵15坪、土蔵6坪」の記載があることから、推定される範囲を発掘。御日払所は礎石配列の痕跡が一部確認された。同所には昭和初期に地元住民が居宅を構えており、建物登記に27坪と記載がある。調査では、その礎石配列が多く遺存していることが分かった。明治期の御日払所の礎石の大半は、昭和期の居宅用に転用された可能性があるとみられる。建物の山際には水路跡が見られ、ため井のような円形石組みも確認された。

 

「御日払所跡」に残る礎石配列。内側に居宅跡の礎石も確認された

「御日払所跡」に残る礎石配列。内側に居宅跡の礎石も確認された

 

御日払所跡の山際に見られる水路跡。水をためるような円形の石組みも確認できる

御日払所跡の山際に見られる水路跡。水をためるような円形の石組みも確認できる

 

 板蔵は、御日払所の北側に位置。同様に礎石配列の痕跡が確認された。礎石と礎石の間の補強材、礎石の根石代替材として、れんがが利用されているのが特徴。れんがは高炉構築材の再利用と考えられる。

 

 御日払所、板蔵があった平場は石垣で囲まれ、その構築材には1871(明治4)年に操業をやめた二番高炉の石組みが再利用されている。明治の記録では板蔵が2階建てになっており、71年以降に平場石垣と建物が新築または改築された可能性が考えられるという。

 

御日払所跡の北側に位置する板蔵跡(約15坪)。所々にれんがが見られる

御日払所跡の北側に位置する板蔵跡(約15坪)。所々にれんがが見られる

 

御日払所、板蔵があった平場を囲む石垣。廃棄された二番高炉の石組みが再利用される

御日払所、板蔵があった平場を囲む石垣。廃棄された二番高炉の石組みが再利用される

 

 橋野高炉には1868(明治元)年に銭座が併設され、71年まで鋳銭が行われていた。御日払所では地元民が持ち込んでくる餅鉄を買い取っていたことも記録に残されている。今回の発掘調査でも、銭や銭ざお、餅鉄が出土。他に鉄製の平くぎ、舟くぎなどが見つかった。居宅跡周辺からは昭和初期の暮らしを物語る生活用品や薬瓶、一銭銅貨、五銭アルミ貨などの遺物が出ている。

 

出土した遺物は橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで公開中

出土した遺物は橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで公開中

 

銭と銭ざお(鋳型に流す湯道が冷えて固まった部分)。当時の鋳銭法を物語る

銭と銭ざお(鋳型に流す湯道が冷えて固まった部分)。当時の鋳銭法を物語る

 

 本年度は三番高炉跡周辺の試掘調査も実施。1956(昭和31)年に岩手大が主体となって行った発掘調査記録箇所の再確認と未調査箇所の地下遺構の有無を確認する試掘を行った。本格的な調査は来年度以降に行う予定。