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【事業主のみなさまへ】かまいしエール券(プレミアム付飲食交通券・商品券)取扱店を募集します

【事業主のみなさまへ】かまいしエール券(プレミアム付飲食交通券・商品券)取扱店を募集します

新型コロナウイルス感染症拡大により甚大な影響を受けている市内飲食店、小売業者、タクシー事業者等を支援し、地域経済の活性化を図るために、市内各店舗で利用可能なプレミアム付き飲食交通券・商品券を発行します。
 
これに伴い市内事業者を対象に本飲食交通券・商品券を利用できる加盟店を下記のとおり募集しますので、多数ご参加下さいますようご案内します。

申込期限

令和4年4月28日(木)まで

かまいしエール券の加盟店登録ができる事業者

飲食業、小売業、タクシー業、運転代行業、宿泊業、その他新型コロナウイルス感染症の影響を受けている生活関連サービス業

商品券の利用対象にならないもの

  • 土地、家屋購入、家賃・地代駐車料(一時預りを除く)等の不動産に関わる支払い。
  • たばこ事業法(昭和59年8月10日法律第68号)第2条第1項第3号に規定する製造たばこの購入。
  • 有価証券、商品券、ビール券、図書券、切手、官製はがき、印紙、プリペイドカード等の換金性の高いものの購入。
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条(同条第1項第1号、第2号及び第3号を除く)に該当する営業に係る支払い。
  • 出資や債務の支払い(税金、振込手数料、電気・ガス・水道料金など。)
  • 医療保険や介護保険等の一部負担金(処方箋が必要な医薬品を含む。)
  • その他市長が不適当と認めるもの。

申し込み手続きについて

(一社)釜石観光物産協会にある申込書に必要事項を記入し、(一社)釜石観光物産協会に提出してください。なお、申込書は市ホームページのほか、(一社)釜石観光物産協会のホームページからもダウンロードできます。
 

換金について

  • 使用された商品券は、釜石観光総合案内所の窓口にて月曜日~日曜日の営業時間内に換金の受付を行います。
  • 受け付けた商品券に応じた金額を、翌週の水曜日にあらかじめ指定いただいた口座へ振り込みます。
  • 換金に係る経費はありません。

問合せ・提出先

 釜石市鈴子町22-1(シープラザ釜石1F)
 一般社団法人 釜石観光物産協会
 電話番号:0193-27-8172
 ホームページ:https://kamaishi-kankou.jp/

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 商工業支援係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022040700014/
釜石市

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食、遊びを楽しむ人でにぎわった「うのすまい・トモス」3周年記念イベント

街ににぎわいを!鵜住居・トモス3周年記念イベント 食、郷土芸能で人をつなぐ

食、遊びを楽しむ人でにぎわった「うのすまい・トモス」3周年記念イベント

食、遊びを楽しむ人でにぎわった「うのすまい・トモス」3周年記念イベント

 

 釜石市鵜住居町の「うのすまい・トモス」の3周年記念イベントが3月26日、開かれた。地元の海と山の恵み、市外のおいしいものを販売する店が集合。鵜住居虎舞の演舞、釜石シーウェイブス(SW)RFCによるラグビー体験もあり、家族連れらが食、郷土芸能、遊びを楽しんだ。

 

 指定管理者のかまいしDMCが主催。地元産の海産物や野菜、そば・うどん、から揚げ、パン、和菓子、ジェラートなど多彩なメニューを売る市内外の約20店が並んだ。この日の朝に水揚げしたホタテ焼きが人気で、調理に精を出した三浦紘子さん(77)は「浜のもののおいしさを分かってもらいたい。女性陣も水産業を支え、復興につなげていけたらいい」と思いを込めた。

 

人気のホタテ焼き。網焼き作業では浜の女性たちが力を発揮した

人気のホタテ焼き。網焼き作業では浜の女性たちが力を発揮した

 

 両手いっぱいに買い物袋を持つ小川町の中村友治さん(68)、洋子さん(74)夫妻は「いろんな店を見て、欲しいものを選べるのが楽しい」と喜んだ。そんな2人のお目当ては「釜石と言ったら、虎舞でしょ」。鵜住居虎舞の保存継承活動を続ける鵜住居青年会の勇ましい演舞と威勢のいい掛け声に大きな拍手を送っていた。

 

力強い虎舞を披露した鵜住居青年会。地域住民に元気を届けた

力強い虎舞を披露した鵜住居青年会。地域住民に元気を届けた

 

 野田結月さん(小佐野小6年)と宮川友梨香さん(双葉小4年)はラグビー体験に「楽しい」と声をそろえた。三陸鉄道を利用して来場。「震災で被害を受けた地域だけど、こういうイベントをやって頑張っているのがすごい」と、まちの熱気を感じ取った様子だった。

 

会場ではラグビー体験を楽しむ人の姿も見られた

会場ではラグビー体験を楽しむ人の姿も見られた

 

 イベントは新型コロナウイルス感染症の影響で客足、活動の場、外出の機会が減る飲食業や生産者、郷土芸能などの団体、地域住民をつなぎ、にぎわいを作るのが狙い。うのすまい・トモス事務局管理責任者の佐々学さん(42)は「コロナの収束が見通せず難しい時期だが、気を付けながらできることをやろうと考えた。人との触れ合い、新しいつながりが生まれ、根付き、釜石を好きになってくれる人が増えるといい」と期待した。

台風19号で崩落 釜石・市道箱崎半島線 排水機能強化し2年半ぶり復旧開通

台風19号で崩落 釜石・市道箱崎半島線 排水機能強化し2年半ぶり復旧開通

崩落箇所の復旧工事がほぼ終わり、3月31日午後5時に開通した市道箱崎半島線

崩落箇所の復旧工事がほぼ終わり、3月31日午後5時に開通した市道箱崎半島線

 

 2019年10月の台風19号豪雨で盛り土が崩壊、3人が死傷した釜石市鵜住居町の市道箱崎半島線の復旧工事がほぼ終了し、3月31日から通行可能となった。復旧にあたっては、災害発生要因となった地中浸透水の排水機能を強化する対策を講じたほか、異常をいち早く察知するために水圧や水位、流量などの計測機器を設置した。津波など災害発生時の半島集落孤立を防ぐ道路機能の復活に、住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。

 

 同路線は東日本大震災の被害を教訓に、箱崎半島部と鵜住居町を走る国道45号を高台通行で結ぶ道路として、山を切り開いて整備。2018年10月に全線開通した(総延長2・8キロ)。翌19年10月13日に発生した台風19号による豪雨被害で、路線の一部が長さ約20メートル、幅約12メートルにわたって崩落。通行中の車2台が転落し1人が死亡、2人がけがを負った。

 

台風19号の記録的豪雨で崩落した現場=2019年10月

台風19号の記録的豪雨で崩落した現場=2019年10月

 

 市は崩落原因の調査、検証を地盤工学の専門家に依頼。検証の結果、崩落は「路面下の盛り土に排水能力を超える多量の浸透水が流入し、限界状態に達した盛り土が崩壊したことによる」との結論が示された。流出した土砂は約2600立方メートルに及ぶ。

 

 検証結果を受け復旧工事では、山から盛り土内へ流入する水量を低減させるため、排水施設に集水井、集排水ボーリング工法を採用。盛り土内には最深部の基盤排水層のほか、2段の中間排水層を整備し、管や砕石で排水効果を高めた。盛り土自体の安定を図るため、地中に網状の補強材を5段にわたって設置した。この他、道路変状の確認や異常時の対応ができるよう水圧、水位計などを埋設。今後、地表に設置する雨量計、水路の流量監視カメラと合わせ、リアルタイムの監視による危険回避策も講じた。

 

山から流れ出る雨水や地中の水を集め、安全に流せるようにした排水施設

山から流れ出る雨水や地中の水を集め、安全に流せるようにした排水施設

 

排水機能を高めた盛り土から水を流すための水路などが敷設された道路脇斜面

排水機能を高めた盛り土から水を流すための水路などが敷設された道路脇斜面

 

4月中の復旧工事完了を目指す。右が鵜住居方面、左が箱崎半島方面

4月中の復旧工事完了を目指す。右が鵜住居方面、左が箱崎半島方面

 

 復旧工事は昨年7月に着工。工事区間55メートルを含め約2キロを通行止めとし、進められた。路盤の安定性を考慮し、路面の本舗装は4月下旬に行う予定。総工費は約2億8千万円。

 

 沿線の鵜住居町根浜地区に暮らす50代自営業男性は「高台の道路はまちの基本線。通ることができないなら意味がない。災害はいつ来るか分からず、避難するのに必要な道路は通すのが先決だと思っていた。通行再開で、ひとまず安心」と歓迎。

 

 箱崎町内会の高橋道夫事務局長(71)は「市中心市街地に出るには、この道路が便利。箱崎と鵜住居を結ぶにこにこバスも通行を再開した。箱崎町は東日本大震災で孤立したので、低地を通らず移動できる道路はありがたい。アップダウンがあるので、冬場の路面凍結への対策も必要」と話した。

SL銀河の前で記念撮影する子どもたち=3月26日、釜石駅

乗って楽しい!SL銀河 JR盛岡 感謝込め、沿線住民を招待

SL銀河の前で記念撮影する子どもたち=3月26日、釜石駅

SL銀河の前で記念撮影する子どもたち=3月26日、釜石駅

  

 JR東日本盛岡支社は3月26日、釜石線(花巻―釜石間)で運行している蒸気機関車「SL銀河」に、沿線市町に住む家族らを無料招待した。2014年度から運転する同列車を歓迎し、大漁旗を振った出迎えなどで盛り上げを後押ししている沿線の住民に感謝を示そうと企画。車内ではさまざまな催しがあり、多くの親子連れが〝のってたのしい列車〟の旅を楽しんだ。

 

 釜石、花巻、遠野、大槌、住田の5市町在住の小学生がいる家族を対象に募集し、約200人を招待。釜石からは約50人が乗車した。花巻駅を出発し、釜石駅に向かい走る車内ではSLクイズ、子ども用制服を着用して写真撮影などの催しを用意。道中の遠野駅ではヘッドマークとナンバープレートが展示された。釜石駅では、実際の運行に使われている石炭をプレゼント。趣向を凝らしたもてなしで乗客たちの笑顔を誘った。

 

多くの家族連れが蒸気機関車の走りを楽しんだ=3月26日、釜石駅

多くの家族連れが蒸気機関車の走りを楽しんだ=3月26日、釜石駅

 

 降車後に蒸気機関車の前で記念撮影を楽しんでいたのは、米澤心優(こころ)さん(甲子小6年)、悠真(ゆうしん)君(同4年)姉弟。「汽笛の音を汽車の中で聞いたら、響いていてすごかった」「初めて乗った。かっこいい」と目を輝かせた。父健人さん(42)、母美紀さん(45)は「2年以上旅行していない。久しぶりの旅が娘の卒業旅行、いい思い出になった」とにっこり。ステンドグラスやカーテンなどしゃれた内装の非日常空間、車窓から景色を眺めて過ごすゆったりとした時間を満喫し、「地元で楽しめるのが最高」と喜んだ。

 

 SL銀河は、東日本大震災からの復興支援や地域活性化を目的に運行。これまでに約5万7000人が乗車し、鉄道ファンに愛されているが、旅客車の老朽化などに伴い来年春の運行後に終了することが決まっている。

 

s煙を吐きながら鉄橋を進むSL銀河=3月27日午前10時3分、第三甲子川橋梁

煙を吐きながら鉄橋を進むSL銀河=3月27日午前10時3分、第三甲子川橋梁

 

 9年目となる今年上期は4月9日から9月25日まで、土日・祝日を中心に上下計52本の運行を予定。釜石駅の吉田正樹駅長(59)は「鉄道の旅の楽しさを広めてもらえたら。再度乗って、音、匂いを感じてほしい。コロナに負けないような元気、復興の力になる走りを届けたい」と意気込む。

広報かまいし2022年4月1日号(No.1781)

広報かまいし2022年4月1日号(No.1781)

広報かまいし2022年4月1日号(No.1781)

 

広報かまいし2022年3月15日号(No.1780)

広報かまいし2022年4月1日号(No.1781)

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【P1】
鈴子広場の整備完了
【P2-3】
機構改革
市職員の給与状況
【P4-5】
SDGsの取り組み
【P6-9】
【特集】高校卒業後の進路
【P10-11】
市道箱崎半島線の復旧
市民農園の使用者募集 他
【P12-13】
固定資産税のあらまし
【P14-15】
まちのお知らせ
【P16】
釜石シーウェイブスの試合情報 他

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〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
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地域づくりに力を注ぎ感謝状を贈られた澤田さん(右から2人目)

退任の地域会議議長に感謝状 釜石市、地域貢献ねぎらう

地域づくりに力を注ぎ感謝状を贈られた澤田さん(右から2人目)

地域づくりに力を注ぎ感謝状を贈られた澤田さん(右から2人目)

 

 釜石市は22日、地域会議議長退任者3人に感謝状を贈った。市役所で行われた贈呈式には、みなとかまいし地区会議長を2017年6月~21年6月まで、2期4年務めた鈴子町の澤田政男さん(73)が出席。野田武則市長は労をねぎらいつつ、「これまでの経験と知識を生かし、後継者の指導をお願いしたい」と期待した。欠席した鵜住居町の花輪孝吉さん、橋野町の和田松男さんには後日、市職員が訪問し感謝状を贈った。

 

 地域会議は、市民参加型のまちづくりを進めるために市内を8地域に分けて組織。それぞれの会議では構成員の地域住民らが地域の問題を考え、解決策を見いだし実践、意見や要望を行政施策に反映させている。

 

 みなとかまいし地区会議は市東部地区(鈴子町~嬉石町)の住民らで構成。東日本大震災の津波で被災した地域だが、市中心市街地でにぎわいの拠点でもあり、多くの復興公営住宅が建設された。既存町内会の住民と復興住宅入居者の関係づくりが課題となっていて、澤田さんは餅つきイベントやごみ拾いウオーキングなどを企画開催し住民の融合・交流促進を図った。

 

「住民の交流維持には地道な活動が必要」と振り返った澤田さん

「住民の交流維持には地道な活動が必要」と振り返った澤田さん

 

 澤田さんは「被災した地域と免れた地域が混在し、とまどいもあった。イベントの企画や運営は得意で、何とか交流するきっかけを作ろうと考えた。次の世代が続けられるよう見守っていきたい」と目を細めた。

 

 花輪さんは13年6月~21年5月まで、4期8年務めた。震災で被災した鵜住居地区の復興に向けて尽力し、郷土芸能による地域活性化の支援、中学3年生を対象にした学習サポート事業を展開。19年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催に向け、のぼり旗や看板の設置、おもてなしを学ぶタウンミーティングの実施など機運醸成にも力を尽くした。

 

 和田さんの在任期間は17年6月~21年7月までの2期4年。台風で被害を受けた栗橋地区の河川整備などの復旧活動、大雨・洪水対応の避難施設の設置に向けた提案、県道整備の要望活動などに力を注いだ。世界遺産「橋野鉄鉱山」関連施設の保存に向けた修繕なども実施。食の文化祭、四季まつりなど地域を活性化させる行事にも積極的に協力した。

表彰を受け笑顔を見せる菅原梨花さん(右から2人目)

今春開設、釜石の市民農園「甲子わくわく農園」命名者を表彰

表彰を受け笑顔を見せる菅原梨花さん(右から2人目)

表彰を受け笑顔を見せる菅原梨花さん(右から2人目)

 

 釜石市が今春の開園を予定し甲子町の道の駅釜石仙人峠近くで整備中の市民農園の名称は「甲子わくわく農園」に決まった。考案した甲子小4年の菅原梨花さんに15日、野田武則市長から表彰状と記念品が贈られた。「元気があふれた、楽しいことがたくさんできる場所になってほしい」という意味が込められているという。

 

 市民農園は、▽自然や農業に触れる機会の創出▽定年就農などの担い手対策▽心身の健康維持・増進▽景観維持▽遊休農地の解消-などを目的に設置。名称について、甲子小4年生46人にアイデアを募集した。

 

 市農政推進協議会(佐々木かよ会長)の委員ら十数名で審査。佐々木会長は「栽培、収穫、調理して味わう楽しさ、たくさんのワクワクを想像した。親しみやすく、すてきな名前だ」と評価した。

 

名前に込めた思いや農園への期待を話す菅原さん

名前に込めた思いや農園への期待を話す菅原さん

 

 表彰式は市役所で行われ、野田市長が賞状、佐々木会長は花をかたどった写真立てなどを菅原さんに手渡した。菅原さんは「考えた名前を表彰してくれてありがとうございます。みんなに親しまれて、農園が有名になればうれしい。好きな花や野菜をたくさん育ててほしい」とはにかんだ。

 

 市民農園のほか、国際姉妹都市フランスのディーニュ・レ・バン市で栽培が盛んなラベンダーの鑑賞を楽しめる観光農園の設置も予定する。野田市長は東日本大震災からの「心」の復興、新型コロナウイルスの流行で外出機会が減った市民の癒やしにつながることを期待。菅原さんに「甲子の一員として農園を盛り上げてほしい」と話し掛けた。

 

 2つの農園は道の駅そばを流れる甲子川を挟んだ向かい側、釜石自動車道沿いの面積1746平方メートルの土地を活用し整備。市民農園は全55区画(1区画9平方メートル)で、4月1日号の市広報誌や市ホームページで周知、利用希望者の公募を始める。開園は10日を予定する。観光農園は今夏に一部を開園し、3年後のフルオープンを目指す。

新しい集会所の完成を喜ぶ向定内町内会の住民ら

新集会所完成で開所式 釜石の向定内町内会、住民交流の促進期待

新しい集会所の完成を喜ぶ向定内町内会の住民ら

新しい集会所の完成を喜ぶ向定内町内会の住民ら

 

 釜石市が定内町に整備した向定内集会所が完成し12日、開所式が現地で開かれた。管理を担う向定内町内会(三浦一志会長)の役員や野田武則市長ら市関係者約20人が出席。新集会所が町内活動の核となり、地域の活性化につながることを願った。

 

 定内町2丁目で暮らす約220世帯、420人で構成する同町内会では、小佐野公民館向定内分館を町内活動の拠点として活用してきたが、築50年以上が経過し、雨漏りや床板の傷みなど老朽化が目立っていた。10年以上前から新しい集会施設の整備を市に要望。土地の確保や予算など、一つずつ問題を解決し、念願の新集会所が完成した。

 

 定内橋そばに建てられた新集会所は木造平屋で延べ床面積168・93平方メートル。ホール(約70平方メートル)や和室1室(12畳)、調理室、倉庫・納戸などを備えた。車いすでホールに入ることができるようスロープデッキを設置。建設地は山際で土砂災害などの危険性があり、擁壁を整備。建設費用は8536万円で、過疎債を活用した。

 

完成した集会所を見学する住民ら

完成した集会所を見学する住民ら

 

 開所式で、野田市長は「大いに活用し、互いに見守り合い、安心して暮らせる地域づくりに役立ててほしい」と期待。住民らは、日高寺(礼ケ口町)により営まれた神事で「あたたかな笑顔を発信できる、和合の象徴」となることを願った。

 

 同町内会では集会所を町内会の会合や、住民によるグループ活動、子ども会の集まり、高齢者の体操などに活用する方針。三浦会長(79)は「立派な集会所を大切に使い、地域の交流を図っていきたい」と意欲を見せた。

新しい消防ポンプ車の配備を喜ぶ第3分団3部団員

地域防災機能アップ 新消防ポンプ車配備、釜石・平田地区の第3分団3部

新しい消防ポンプ車の配備を喜ぶ第3分団3部団員

新しい消防ポンプ車の配備を喜ぶ第3分団3部団員

 

 釜石市消防団(川﨑喜久治団長、団員563人)の第3分団第3部(平田地区、川向真吾部長、11人)に、新しい消防ポンプ車1台が配備された。新車両の操作説明会が9日に鈴子町の釜石大槌地区行政事務組合消防本部庁舎で行われ、川向部長(52)ら4人が参加。納入業者から車両の付帯装置について説明を聞き、積載ポンプの放水能力を確認した。

 

 新車両は四輪駆動のオートマチック車で、毎分2000リットルの放水能力を持つポンプを搭載している。乗車定員5人。自動ブレーキシステム、電子サイレン、カーナビとバックモニター連動装置、ドライブレコーダーなど防火・広報活動に必要な最新機器を装備した。購入金額は2629万円。

 

 庁舎前で車両の運転特性や装備の操作など説明を受けた後、甲子川の対岸、千鳥町の河川敷に移動し、実際に放水能力を確認した。川向部長は「新しい車両に気持ちも引き締まる。操作に早く慣れるため、しっかりと訓練する必要がある。初心に帰り、みんなと協力しながら活動を頑張りたい」と力を込めた。

 

新車両の装備について説明を受ける団員ら

新車両の装備について説明を受ける団員ら

 

甲子川河川敷で新車両の放水能力を確認した

甲子川河川敷で新車両の放水能力を確認した

 

 旧車両は1998年に配備され、20年以上が経過した。この後廃車となる予定で、団員歴約30年の川向部長は「愛着があるから…寂しい」とぽつり。東日本大震災(2011年)時には車両で寝泊まりしながら地区の見守りをし、尾崎半島の大規模山林火災(17年)ではともに懸命に取り組んだ消火活動を振り返り、感慨深げな様子だった。

 

 2021年度の車両更新は今月中に資機材搬送車1台も見込む。

11年目の開催「とうほくのこよみのよぶね」

3・11津波犠牲者にささげる祈り 鵜住居地区に鎮魂、平和を願う人々集う

 東日本大震災から11年となった沿岸被災地―。多くの尊い命が失われたあの日を思い、今年の「3・11」も各地で犠牲者への祈りが続いた。釜石市内で最も多くの犠牲者が出た鵜住居地区。市内外の支援者らが設けた追悼の場に多くの人が足を運び、天に眠る御霊にそれぞれの思いを込めて手を合わせた。

竹灯籠に込める鎮魂の祈り 釜石仏教会 祈りのパークで慰霊行事

 

「釜石仏教会」竹灯籠による震災犠牲者慰霊行事

「釜石仏教会」竹灯籠による震災犠牲者慰霊行事

 

 鵜住居町の釜石祈りのパークには11日夕刻、約1260個の竹灯籠がともされた。市内の震災犠牲者の芳名板を設置する広場に「忘れない」の文字が浮かび上がり、遺族らが大切な人を思い、焼香して手を合わせた。

 

 釜石・大槌地区17寺院が宗派を超え組織する釜石仏教会(会長=大萱生修明・大念寺住職)による慰霊行事。竹灯籠は、協力を申し出た同市大只越町「仙寿院」の檀(だん)家川崎喜八さん(83、鵜住居町)から一昨年寄進された。以来、市内外から灯籠の持ち込みや送付があるという。灯籠には、訪れた人が故人を送る言葉などを記している。

 

 夕闇に灯籠の明かりが浮かび上がると、同会の僧侶らが読経。訪れた人たちが焼香し、犠牲者の冥福を祈った。同市の震災犠牲者は1064人(行方不明、関連死含む)。うち、同パークには1001人の芳名が掲げられる。

 

僧侶らが読経し、来訪者が焼香。犠牲者の御霊に手を合わせた

僧侶らが読経し、来訪者が焼香。犠牲者の御霊に手を合わせた

 

辺りが暗くなると、竹灯籠を並べて作った「忘れない」の文字が浮かび上がった

辺りが暗くなると、竹灯籠を並べて作った「忘れない」の文字が浮かび上がった

 

 鵜住居町で、妻ヨシエさん(当時46)、長男昭一さん(当時28)を亡くした小笠原克己さん(62)。温かな灯籠の明かりに包まれた同パークを長女咲さん(18)、次男大誠君(16)と訪れ、2人の芳名板の前で11年目の祈りをささげた。震災時、小学1年生だった咲さんは今春高校を卒業し、4月から進学で仙台市へ行く。「今日はその報告に…」と成長した愛娘を見つめた。

 

 同町に暮らしていた小笠原さん一家。地震発生時、大誠君を連れ車で仕事中だった克己さんは一度家に戻り、夜勤明けで寝ていた昭一さんに避難を呼びかけた後、咲さんが心配で鵜住居小へ。児童らは全校避難を開始しており、そのまま一緒に高台へ逃れた。「2人で何とか逃げていてくれ―」。まちが津波にのまれるのを見ながら、祈るしかなかった。ヨシエさんと昭一さんは避難が間に合わなかったものと見られる。

 

 あれから11年―。「何も考えず、残してくれた宝物(咲さん、大誠君)を一生懸命育てることしかなかった」。当時4歳だった大誠君は高校1年生に。今は甲子町に親子3人で暮らす。

 

 「震災の記憶は断片的」と話す咲さん。「急に3人になってすごく寂しかった。最初はずっとお通夜みたいな感じで…」。3人を再び笑顔にしたのは、震災前の家族の姿。「ママとお兄ちゃんいるころは常に笑っていたからな。暗いのは嫌いだったから」と克己さん。

 

 月命日、家族の誕生日には2人の墓参りを欠かさない。「とにかく3人で、いつもケラケラ笑いながら生きている」。天国で見守る2人に「心配しないで。大丈夫」と思いを伝えた。

 

鎮魂の花火「白菊」根浜の夜空で開花 犠牲者、遺族の安らぎに

 

震災犠牲者にささげる鎮魂の花火「白菊」=根浜

震災犠牲者にささげる鎮魂の花火「白菊」=根浜

 

 震災犠牲者を追悼する花火「白菊」が11日夜、鵜住居町根浜海岸で打ち上げられた。地元有志らでつくる、3・11祈りと絆「白菊」実行委員会(柏﨑未来委員長)が行う3年目の取り組み。花火玉には、地元の小中学生が寄せたメッセージが貼り付けられ、子どもたちの願いを天空に託した。

 

 メッセージを寄せたのは鵜住居小と釜石東中の児童生徒。震災犠牲者への思いのほか、ウクライナの戦禍、長引く新型コロナウイルス禍を受けて「戦争反対」「世界平和」、「コロナ消えろ」などの願いが54枚したためられた。打ち上げ前の日中、実行委メンバーや地元住民らが「白菊」の一尺玉に貼り付けた。

 

「白菊」の花火玉に小中学生のメッセージを貼る

「白菊」の花火玉に小中学生のメッセージを貼る

 

さまざまな願いが込められたメッセージ

さまざまな願いが込められたメッセージ

 

 協力する新潟県長岡市の花火業者「嘉瀬煙火工業」(嘉瀬晃社長)によると、「白菊」は、第2次大戦でソ連(当時)軍の捕虜となり、抑留生活で多くの戦友を亡くした嘉瀬社長の父が「仲間に手向けたい」と、1990年にロシア・ハバロフスクで打ち上げたのが始まり。鎮魂の花火は、震災で被災した本県陸前高田市で2013年から5年間打ち上げられた。釜石市では20年から毎年3月11日に根浜海岸で上げられている。

 

 「生きたくても生きられなかった―。戦争、震災犠牲者の思いは相通じるものがある。亡くなられた方、ご遺族の方双方が少しでも安らげるお手伝いができたなら」と嘉瀬社長(63)。父が残した「白菊」に魂を込める。

 

 地震発生時刻の午後2時46分。根浜の旅館「宝来館」と高台に整備された復興団地で、集まった人たちが海に向かって黙とう。震災犠牲者の冥福を祈るとともに、海底火山噴火で津波被害を受けたトンガの復興、ロシア軍の侵攻で戦禍にさらされるウクライナの終戦を願い、両国の国旗の色の風船を大空に放った。

 

全員で黙とう後、「思いは一つ」と4色の風船を空に放った

全員で黙とう後、「思いは一つ」と4色の風船を空に放った

 

 鎮魂の花火は午後7時、同海岸沖の台船から打ち上げ。「白菊」3発に続き、繁栄の象徴・金色を織り交ぜたスターマインが夜空を照らした。海岸から花火を眺める人たちは大切な人を思いながら、明日からの新たな一歩に力をもらった。

 

「震災前よりも良いまちに」と願うスターマイン

「震災前よりも良いまちに」と願うスターマイン

 

過去と未来つなぐ「とうほくのこよみのよぶね」 釜石市長が日比野克彦さんに感謝状

 

11年目の開催「とうほくのこよみのよぶね」

11年目の開催「とうほくのこよみのよぶね」

 

 根浜の海に「3・11」の舟形あんどんを浮かべ、鎮魂と未来への希望を明かりに託す「とうほくのこよみのよぶね」。例年は現地釜石市で、市民らが参加しあんどんを制作するが、今年は新型コロナウイルス禍で参集活動が困難なため、発案した岐阜県岐阜市の実行委が制作した小型あんどんを運び、宝来館の屋外ウッドデッキに設置した。

 

 同活動は国内外で活躍するアーティスト日比野克彦さん(岐阜県美術館館長)が、出身地岐阜市の仲間と企画。同市長良川で2006年から行う冬至行事を東北被災地の復興の力にと、震災の翌年12年から始めた。

 

 11日夕方の点灯に合わせ、野田武則釜石市長が宝来館を訪問。震災後、同活動のほか仮設の住宅や店舗の壁をカラフルなマグネットシートで彩る活動などを行い、市民の心の復興に貢献してきた日比野さんに感謝状を贈った。

 

野田市長が日比野克彦さんに感謝状を贈呈

野田市長が日比野克彦さんに感謝状を贈呈

 

 野田市長は、日比野さんや実行委メンバーらに「被災者、市民を代表し、心から感謝申し上げたい」と話し、差し入れを手渡した。日比野さんは「過去の記憶をとどめ、未来を見つめていくという『こよみのよぶね』のコンセプトを東北にも持っていければと始めた。地元の方々には大変お世話になっている」と深謝し、継続に意を強くした。

 

日比野さんら岐阜の実行委メンバー。野田市長と

日比野さんら岐阜の実行委メンバー。野田市長と

 

 震災直後の大型連休に、仕事先の秋田県から三陸沿岸に入った日比野さん。以来、被災地に寄り添い続け、釜石市民と心の絆を結ぶ。11年という時の流れは、被災地に暮らす人たちの気持ちの変化ももたらしていると感じる。「前はしのぶ気持ちのほうが強かったと思うが、10年を越すと未来を意識した言葉が出てくる」。3・11は「海と出会い、思いを共有できる日。次の世代につないでいく日であってほしい」と望んだ。

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広報かまいし2022年3月15日号(No.1780)

広報かまいし2022年3月15日号(No.1780)

 

広報かまいし2022年3月15日号(No.1780)

広報かまいし2022年3月15日号(No.1780)

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【P1】
表紙
【P2-3】
新型コロナワクチン接種3回目
【P4-5】
後期高齢者医療制度の窓口負担割合の変更
医療・福祉関係の学生向けの奨学金 他
【P6-7】
子どもはぐくみ通信
市民のひろば 他
【P8-9】
まちのお知らせ
【P10-11】
保健だより
【P12】
釜石の歴史よもやま話

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022031400015/
釜石市

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市追悼式では合唱協会メンバーが鎮魂と復興の願いを込め献唱=午後3時27分

震災11年、亡き人へ祈り 釜石市内各地で追悼-癒えぬ悲しみ、それでも前へ

市追悼式では合唱協会メンバーが鎮魂と復興の願いを込め献唱=午後3時27分

市追悼式では合唱協会メンバーが鎮魂と復興の願いを込め献唱=午後3時27分

 

 2011年3月11日、東日本大震災が発生。釜石市を襲った巨大津波は、関連死を含めて912人の命を奪い、152人の行方が分かっていない。暮らし、営み、日常が一瞬で奪われたあの日から11年となった11日、市内各地で追悼行事が行われた。「(あの人が)いないなんて、実感がない」「今年も帰ってこなかった」「平穏に暮らせるよう見守っていて」。それぞれの祈りをささげた人々は、悲しみや苦しみを残しながらも前向きに歩み続けていく。

 

釜石市追悼式 遺族「前向きに生きていく」

 

 市主催の追悼式は大町の市民ホールTETTOで開かれた。遺族ら約170人が参列し、震災が発生した午後2時46分に黙とう。野田武則市長は最終段階を迎えた復興状況、社会変化によって新たに見えた課題への対応が必要となった現状を踏まえ、「市民の協力、地域のつながりがより重要になる。真に復興を実感するまで寄り添い、夢と希望を持って生き生きと暮らせる持続可能なまちづくりに取り組んでいく」と誓った。

 

追悼の言葉を述べた沖健太郎さん=午後3時18分

追悼の言葉を述べた沖健太郎さん=午後3時18分

 

 津波で鵜住居町の自宅、次男英憲さん(当時22)を失った元市職員の沖健太郎さん(69)=中妻町=が遺族を代表して追悼の言葉。「町全体が一瞬にして何もかもなくなってしまいました。すべてが今もなお夢のようです」と心情を明かし、「1人で家にいて相談する相手もなく、どんなに心細かったか。津波が襲ってきた時はあまりにも突然で、おそらくビックリする暇もなかっただろう」と天に向かって語り掛けた。

 

 犠牲者に対する哀悼の念とともに込めたのは、震災当時の英憲さんの様子を知らせてくれた地域の人や見つけ出してくれた人たちへの感謝の気持ち。式を終えた沖さんは「一人の青年が生きていたこと、たくさんの命が奪われたことを忘れないでほしい。悔しさはいつまでも残る。それでも前向きに生きていく」と上を向いた。

 

亡き人に思いをはせ、手を合わせる遺族ら=午後3時50分

亡き人に思いをはせ、手を合わせる遺族ら=午後3時50分

 

 市合唱協会のメンバー15人が2曲を献唱。生田流正派箏成会が奏でる琴の音が響く中、参列者が次々と献花台に白菊を手向けた。

 

刻まれた名に手を伸ばし 祈りのパーク「あの人を思う」

 

芳名板にそっと手を伸ばす澤田實さん、陽子さん夫妻=午前10時28分

芳名板にそっと手を伸ばす澤田實さん、陽子さん夫妻=午前10時28分

 

 市内全域の震災犠牲者1064人のうち、1001人の芳名が掲げられる鵜住居町の追悼施設「釜石祈りのパーク」には朝から、さまざまな思いを込めた祈りが続いた。

 

 訪れた遺族や縁故者らは献花台に花を手向け、静かに手を合わせた。定内町の澤田陽子さん(70)は、津波で実妹木下典子さん(当時56)=鵜住居町根浜=ら親族4人を亡くした。「(妹は)いない。でも実感が湧かない」というが、「11年は長いようで、あっという間」と思いを巡らすと涙が頬をつたった。1年半前に夫實さん(72)と古里にUターン。「平穏に暮らせれば。見守ってほしい」と願った。

 

遺族らは犠牲になった人の名前に触れ、手を合わせた=午前10時35分

遺族らは犠牲になった人の名前に触れ、手を合わせた=午前10時35分

 

 刻まれた名にそっと手を伸ばし、「何でそんなところにいるんだよ」とつぶやいたのは栗林町の栗澤茂子さん(79)。長男健(たけし)さん(当時44)が勤務先の大渡町で津波の犠牲になった。双子で次男康(やすし)さん(55)=北上市=と訪れ、「健康で病気もなかったのに…。天国で安らかに暮らしているか。家族思いだから、向こうで案じているだろう。あと何年、来れるかな。康がずっと会いに来るから」と言葉を掛けた。

 

身元不明者を供養 物故者納骨堂「忘れない」

 

納骨堂の前で手を合わせる参列者=午前9時38分

納骨堂の前で手を合わせる参列者=午前9時38分

 

 身元不明遺骨を安置する平田の大平墓地公園内の大震災物故者納骨堂では、釜石仏教会(大萱生修明会長、14カ寺)による法要が営まれた。現在、全身遺骨5柱、部分骨4柱を安置。僧侶4人が読経し、参列者が焼香、手を合わせた。

 

 導師を務めた大只越町の仙寿院、芝崎惠應住職は「被災者らの本当の心、苦しい思いを理解し、未来の教訓となるよう伝え続けなければならない」と呼び掛けた。

 

 大平町の菅原美代子さん(68)、大船渡市立根町の藤原ツキ子さん(61)姉妹は行方不明の母浦島ミエ子さん(当時80)=箱崎町白浜=を思い、納骨堂が完成した18年以降、毎年訪れている。「わすれない」と記された銘板を見上げた2人は「面白い母ちゃんだった。11年になるけど、今年も帰ってこなかった」と寂しさをにじませた。

 

殉職消防団員を慰霊 鈴子広場「活動継承を誓う」

 

献花し仲間をしのぶ消防団員=午前11時43分

献花し仲間をしのぶ消防団員=午前11時43分

 

 震災で職務遂行中に命を落とした消防団員8人を慰霊する献花式は、鈴子町の鈴子広場にある「殉職消防団員顕彰碑」で営まれた。遺族、消防団員ら約30人が出席。市民の命と財産を守るために尽力した魂に「二度と犠牲者を出さない安全安心なまちづくり」を誓った。

 

 野田市長は「傷跡を残すような消防団活動を繰り返してはならない。風化させることなく伝えることが責務だ」と式辞。川﨑喜久治団長は「近年、災害は複雑化、多様化、大規模化し、避難行動の見直しが急務。団員の安全を確保しながら市民の生活を守る活動に力を尽くす。その思いは変わらない」と8人の霊前に誓った。

 

涙をこらえきれず手で顔を覆う遺族ら=午前11時41分

涙をこらえきれず手で顔を覆う遺族ら=午前11時41分

 

 殉職した当時の副団長福永勝雄さん(享年66)、第6分団本部長の佐々木金一郎さん(享年64)の遺族が参列。碑に刻まれた亡き夫の名を目にすると、押し隠していた思いがあふれ出し、手で顔を覆った。心の痛みは、今なお癒えず―。