太公望 胸躍るシーズン到来! 釜石・甲子川で3日、待望のアユ釣り解禁
アユ釣りが解禁された釜石市の甲子川=3日午前
釜石市の甲子川で3日、今年のアユ釣りが解禁された。市内外から訪れた釣り人が日の出とともに竿(さお)を繰り出し、1年ぶりの“引き”の感触を堪能。これから本格化するシーズンに期待感を高めた。
例年、7月の第1日曜日が解禁日となる甲子川。今年は梅雨明けを待たずして、真夏を思わせる暑さが続く中で解禁日を迎えた。この日を待ちわびた愛好者らは思い思いのポイントに散らばり、早朝から釣り糸を垂れた。多くがアユの縄張り特性を利用した「友釣り」。川の形状を見極めながらおとりアユを泳がせ、野アユが掛かるとタイミングを見計らって一気に引き上げた。
各ポイントで竿を繰り出す釣り人ら
竿を持つ手の感触と釣り糸の変化を見極めながらアタリを待つ
友釣りで釣り上げたアユ。美しい魚体が光る
河川漁協のない甲子川では入漁料を徴収しないため、春先に行われる稚アユの放流は、資源保全の取り組みを行う甲子川鮎釣協力会(安久津吉延会長)に寄せられる協力金や市の助成金で実施。今年は5月12日に約300キロの稚魚を放流した。
解禁日に訪れた釣り人らによると、天然遡上(そじょう)のアユはまだ少なく、掛かったのはほとんどが放流アユ。釣果は場所によってばらつきがあったが、大きいものでは20センチほどに成長したアユも見られた。
解禁日にしてはまずまずの大きさに釣り人も笑顔
甲子町の県立釜石病院裏付近で仲間と釣りを楽しんだ遠野市の佐藤忠さん(76)は、午前9時ごろまでに15匹ほどを釣り上げた。「解禁日は毎年の楽しみ。いろいろな釣りをやるが、アユの引きの手応えは他にはかなわない。おとりアユとの駆け引きの面白さも魅力」と心を躍らせた。東日本大震災の津波で被災し、経営する会社再建のため釜石から遠野に移り住んだ佐藤さん。釜石市、鵜住居川漁協の組合員にもなっていて、「鵜住居川の解禁(10日)にも足を運びたい」と心待ちにした。
「昨年よりいいかも?」釣果を見せる佐藤忠さん
県内の主要河川のアユ釣りは1日から順次解禁。10日に解禁日を迎える鵜住居川で釣りをする際は、同河川漁協の組合員証か遊漁券が必要。遊漁券(日券、年券あり)は市内の釣具店や流域の小売店など赤いのぼり旗を掲げた販売所で購入できる。
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