タグ別アーカイブ: 地域

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釜石・和山高原 かつての絶景を再び 地元橋野町振興協がレンゲツツジ200本植樹

植樹作業にあたった橋野町振興協議会、栗橋地域振興社の会員ら

植樹作業にあたった橋野町振興協議会、栗橋地域振興社の会員ら

 
 釜石市の橋野町振興協議会(和田松男会長)は2日、地元の観光資源である和山高原長鼻地区にレンゲツツジ200本を植樹した。牧場用地を所有する一般社団法人栗橋地域振興社(旧・栗橋牧野農業協同組合、栗澤稔代表理事会長)の協力を得て実施。同地区には2013年以降、八重桜の植樹も行われており、今後、世界遺産「橋野鉄鉱山」と連動した地域の観光振興に期待が寄せられる。
 
 植樹が行われたのは、市指定文化財(天然記念物、1969年指定)の巨木「和山のシナの木」の東側に広がる平地。両団体から27人が作業にあたり、すでに植えられている八重桜とのバランスを考えながら、レンゲツツジの苗木を植えた。事業には県企業局と、健康食品の製造販売を行う毎日元気(本社札幌市、瀧澤潤賜社長)から計80万円の助成を受けた。
 
和山高原長鼻地区にレンゲツツジの苗木を植樹

和山高原長鼻地区にレンゲツツジの苗木を植樹

 
苗木の根元には元から自生する草を戻した

苗木の根元には元から自生する草を戻した

 
 和山高原は同市北西部に位置する標高約800メートル、広さ約1500ヘクタールの高原地帯。過去には、釜石製鉄所の合理化で落ち込む地域経済の活性化策として、1986年から6年間、和山フェスティバル(釜石青年会議所など主催)が開かれた経緯がある。その後は目立った観光振興策は行われずにきたが、2015年の「橋野鉄鉱山」世界遺産登録を契機に、市指定文化財のシナの木周辺を同振興社が整備。車両通行が可能な道路と駐車スペースを確保した。一帯にはこれまでに約300本の八重桜が植樹されており、大きいものでは高さ3メートルほどに育った木が花を咲かせ始めている。
 
レンゲツツジ(手前)と八重桜(後方)。色鮮やかな花が咲く春が楽しみ!

レンゲツツジ(手前)と八重桜(後方)。色鮮やかな花が咲く春が楽しみ!

 
苗木が元気に育つことを願って作業に汗を流す

苗木が元気に育つことを願って作業に汗を流す

 
 同振興協の和田会長は「元々ここはレンゲツツジが豊富な場所。30年以上前の景観を取り戻し、再び市民の憩いの場にできれば」と期待。山と海の環境の関連性にも着目し、「山で蓄えられた栄養が川から海に流れ込むことによって豊かな海産物が育つ。山が持つ本来の力をよみがえらせることで自然の好循環が生まれていけば」と、環境保全活動に意を強くする。
 
和山高原は「風車」のある景観も見どころの一つ

和山高原は「風車」のある景観も見どころの一つ
 
サクラとツツジが植えられた平原から望む風力発電用の風車

サクラとツツジが植えられた平原から望む風力発電用の風車

 
 和山高原を中心とした釜石、遠野、大槌3市町にまたがる丘陵地帯では、2004年から風力発電事業(ユーラス釜石広域ウインドファーム)が行われている。現在43基の風車が稼働するが、今後、既存設備を撤去し、新たな設備に建て替える事業が計画される。同振興協では「更新工事が完了する28年を見据え、長鼻地区の環境整備を続けていきたい。以前、可能だった太平洋を見下ろせる景観の復活も模索していければ」としている。
 
和山高原はススキが風に揺れ秋の装い。天然記念物のシナの木(左下写真)の紅葉も今後進む

和山高原はススキが風に揺れ秋の装い。天然記念物のシナの木(左下写真)の紅葉も今後進む

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赤い羽根募金に協力を 釜石市内でも街頭活動 ラグビー選手や高校生らが呼びかけ

イオンタウン釜石前で行われた共同募金の街頭活動では高校生らも呼びかけに協力した

イオンタウン釜石前で行われた共同募金の街頭活動では高校生らも呼びかけに協力した

 
 「じぶんの町を良くするしくみ」で知られる赤い羽根をシンボルとした共同募金運動が1日から全国で一斉にスタート。釜石市では行政連絡員、民生児童委員ら約50人が市内5カ所で街頭募金を行い、市民に協力を呼びかけた。運動は12月31日まで実施。本年度の目標額を447万円とする。
 
 港町のイオンタウン釜石前では野田武則市長、地元ラグビーチーム・釜石シーウェイブス(SW)RFCの村田オスカロイド選手、ダリエス・トマス選手、セルジオ・モレイラ選手も協力を呼びかけ。募金箱を首から下げ、善意を投じた買い物客らに赤い羽根を差し出し感謝を表した。
 
野田市長(中央)とともに街頭に立った人たちも互いに募金し合った

野田市長(中央)とともに街頭に立った人たちも互いに募金し合った

 
釜石SW選手の呼びかけに応じて募金する子ども

釜石SW選手の呼びかけに応じて募金する子ども

 
 釜石商工高ボランティア委員会の鈴木葵さん、田鎖夢生(めい)さん(ともに総合情報科2年)も街頭に立ち、「赤い羽根共同募金です。ご協力をお願いします」と声を上げた。「入れてくれた人の思いがまちのためになると思うとうれしい」。市内のどこかにいる誰かのために役立つ活動に携わり、やりがいを感じた2人は「高校生もできることがあるはず。いろんなことに積極的に挑戦、活動していきたい」とすがすがしい表情を見せた。
 
 共同募金は戦後間もない1947(昭和22)年に市民主体の民間運動として始まった。現在は誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する仕組みとなっている。
 
子どもから大人まで多くの市民らが善意を寄せた

子どもから大人まで多くの市民らが善意を寄せた

 
 釜石の活動は市共同募金委員会(会長・野田市長)と市社会福祉協議会(丸木久忠会長)が戸別、街頭、法人、学校、職場などで展開する。例年、寄せられた善意は福祉施設などの運営資金として活用。東日本震災後は、ボランティア活動の支援や地域コミュニティーの活性化事業などにも役立てられている。
 
 今年も昨年に続き新型コロナウイルスの感染を防ぐため、街頭で呼びかける人員を絞り、時間を短縮して実施した。各種イベントの中止などで募金を呼びかける機会が減り、目標額に達するのは厳しい状況だが、丸木会長は「社会や防災関係などに役立つ貴重な募金。震災後に増えた独居高齢者や困っている方の助けにもなる」と協力を求めている。

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世界をめぐる釜石の写真家・岩間幸司さん 郷愁を呼び起こす作品展「原点アジアの旅」

釜石市民ホールTETTOギャラリーで開催中の写真展「原点アジアの旅」

釜石市民ホールTETTOギャラリーで開催中の写真展「原点アジアの旅」

 
 釜石市中妻町のフォトグラファー岩間幸司さん(60)の作品展「原点アジアの旅」が、大町の市民ホールTETTOギャラリーで開かれている。「旅」をテーマに世界中をめぐってきた岩間さんが、ライフワークとして四半世紀、撮影を続ける東南アジアのインドシナ半島で生きる人々を独自の視点で切り取った作品約30点を展示。「どこか懐かしい風景の中に息づく人々の生活を感じてもらえたら」と来場を呼びかける。10日まで、入場無料。
 
 岩間さんは大学卒業後、写真事務所のアシスタントを経て20代後半に独立。フランス・パリを拠点に活動した。1995年に帰国。東京を拠点に欧州やアフリカなどを旅しながら撮影を続け、旅行誌や雑誌、広告などの仕事を請け負ってきた。東日本大震災を機に地元にUターン。写真家として活躍していたが、新型コロナウイルの流行で海外での撮影が難しくなり、現在は国内を中心に活動する。
 
「昔懐かしい原風景を思い出してもらえたら」と作品を紹介する岩間幸司さん

「昔懐かしい原風景を思い出してもらえたら」と作品を紹介する岩間幸司さん

 
 フォトグラファーとして「何か一つをテーマで撮りたい」と考えていた頃、インドシナのラオスが旅行者の受け入れを始め、「写真集も少なく、仕事のチャンスがある」と96年に撮影のため初めて訪れた。「生活感があふれ出す街々。妙に懐かしく、少年時代の記憶がよみがえってくるようで、五感がうずいた」。その後もインドシナ各国に通い続け、98年に東京で初個展。その時に展示した作品を今回、地元釜石で紹介した。
 
インドシナ半島で暮らす人々の生活を写した作品が並ぶ

インドシナ半島で暮らす人々の生活を写した作品が並ぶ

 
岩間さんは訪れた人に撮影時の裏話なども伝えたりした

岩間さんは訪れた人に撮影時の裏話なども伝えたりした

 
 当時主流だったフィルム写真をパネルにした作品が中心。ラオス、ベトナム、カンボジアで生活する人々の笑顔、雄大な自然風景が並ぶ。長屋のように連なる家々と干された洗濯物、路地でゴム跳びをする子どもたち、家族総出での豆腐作り、川で水浴びしたり洗濯したり…。自然の色をそのまま写し出すフィルム写真の持つ独特の風合いが、岩間さんがファインダー越しに感じた「ノスタルジー」を追体験させてくれる。
 
 デジタルに移行し、コロナ禍前に撮影した作品6点も展示。時の移ろいはあるが、変わらぬ信仰、郷愁を呼び起こすような風景が残る。山田町の50代女性は「子どものころの暮らしと似ているところがあり、懐かしい感じ。行ったことのない場所なのに」とじっくりと見入っていた。
 
コロナ禍前に訪ねたインドシナを写した作品も並んだ

コロナ禍前に訪ねたインドシナを写した作品も並んだ

 
 1日は、スマートフォンを使った写真教室を開催。スマホで写真を撮る時のこつ、無料の画像加工アプリ「Fotor(フォター)」の使い方などを伝えた。参加者はパンやカップ・ソーサーなどを題材に撮影と画像加工に挑戦。上中島町の美容師菊池りささん(50)は「インスタグラムで写真の投稿を始めたばかりで、魅力的な見せ方を覚えたい。少し手を加えると、写真の雰囲気が変わるのが分かった。知ったことを生かして、早速投稿したい」と喜んだ。
 
1日限定の写真教室ではスマートフォン撮影のこつを伝えた

1日限定の写真教室ではスマートフォン撮影のこつを伝えた

 
 「旅行が好き。写真は2番手」と岩間さん。写真は旅を楽しむ手段だが、カメラを持たずに旅することはできないという。これまでに100カ国余りを旅し、今はひと休み中。撮りためた写真を整理し、「1冊にまとめたい」と思い描く。そして、「写真を撮りたいと思える時に旅したい」とも。カメラを手に再び世界に飛び出す日を楽しみにする。
 
 釜石・大槌地域で活動する作家を紹介する同ホール自主事業「art at TETTO」の一環。午前9時から午後9時まで鑑賞できる。

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秋恒例の味覚フェス復活! 釜石絆の日イベントと同時開催で3年ぶりのにぎわい

釜石鵜住居復興スタジアムで開催された「釜石まんぷくフェス2022」=25日

釜石鵜住居復興スタジアムで開催された「釜石まんぷくフェス2022」=25日

 
 新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていた釜石市の味覚イベントが3年ぶりに復活―。釜石まんぷくフェス2022(釜石観光物産協会主催)は9月24、25の両日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれ、多くの来場者でにぎわった。同スタジアムでは、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催のレガシー(遺産)を継承する「釜石絆の日」イベントを同時開催。25日は秋晴れの下、食とラグビーを楽しむ人たちの笑顔があふれた。
 
 同イベントは「釜石まるごと味覚フェスティバル」として毎年秋に開催してきたが、新型コロナの影響による2年の中止を経た今年は、名称を「釜石まんぷくフェス」と改称。絆の日イベントとの共催により、初めて同スタジアムが会場となった。市内外の食に関わる業者を中心に22店が出店。各地の特産品やご当地自慢のソウルフードを求めて、多くの人たちが足を運んだ。
 
 地元の人気は「釜石ラーメン」。極細縮れ麺と琥珀色に透き通ったしょうゆ味スープが特徴のご当地ラーメンは近年、多くのメディアでも取り上げられ、同市を代表する名物に。同フェスの提供店にも続々と客が訪れた。地元海産物も好評で、ホタテやイカ焼きの香ばしい匂いが来場者の食欲をそそった。
 
大人気の“釜石ラーメン”を求める客が並んだ「川喜」のブース

大人気の“釜石ラーメン”を求める客が並んだ「川喜」のブース

 
焼きホタテやイカ焼きを提供した「松坂商店」

焼きホタテやイカ焼きを提供した「松坂商店」

 
釜石「Kojima Cafe」の巨大綿あめに子どもたちもびっくり!

釜石「Kojima Cafe」の巨大綿あめに子どもたちもびっくり!

 
 釜石市と交流のある県外各市区町からの出店も。同じ製鉄のまちで、東日本大震災以降、名物の焼うどん販売に訪れる福岡県北九州市のブースは今回も長蛇の列が続いた。復興支援で同市から釜石市に派遣された経験を持つ竹内邦彦さん(71)は「この味を求めて何度も足を運んでくれる方もいる」と感激。コロナ禍からの脱却の動きに「縮こまってばかりではいられない。こういうイベントで明かりをともし、まちの活性化につなげていければ」と期待を込めた。
 
北九州市は名物の焼きうどんを提供。大学生ボランティアも奮闘した

北九州市は名物の焼きうどんを提供。大学生ボランティアも奮闘した

 
北九州市のブースには常時、長い列ができた

北九州市のブースには常時、長い列ができた

 
 友好都市(1984年提携)の富山県朝日町も同フェスの常連。昆布かまぼこ、バタバタ茶、翡翠ようかんなど町の特産品を販売した。両市町の縁は、明治から昭和にかけ漁場開拓のため、同町出身者が釜石に移り住んだことが発端。会場では、朝日町出身者やルーツを持つ人たちが懐かしがる様子も見られたという。同町健康課の岩村耕二課長は「(物産交流などは)お互いにいい取り組みを勉強し合える機会。釜石とのご縁は大切にしていきたい」と願った。
 
富山県朝日町の職員らは自慢の特産品を販売。かまぼこの試食も

富山県朝日町の職員らは自慢の特産品を販売。かまぼこの試食も

 
 同フェス初出店となったのは北海道室蘭市。製鉄所、震災復興支援のつながりで、今年の同市市制施行100年、室蘭港開港150年を記念した港まつりに釜石市が出店した縁で実現した。カレーラーメン、豚肉とタマネギを使う“室蘭やきとり”のたれ、鐵(てつ)の素クッキーなどの名産品を販売。室蘭観光協会の矢元宗一郎業務係長は「スタジアムもすごくきれいで、イベント会場としてもいい。今後も物産交流を継続していきたい」と話した。
 
北海道室蘭市は初出店。観光関係者がさまざまな地元名産品をPR!

北海道室蘭市は初出店。観光関係者がさまざまな地元名産品をPR!

 
 紫波町から訪れた佐々木麻衣さん(35)は「テレビの宣伝を見て来た。沿岸部に足を延ばすのは久しぶり。釜石ラーメンは、あっさりスープがおいしくて全部いただいた」とイベントを満喫。長女ららさん(14)は2年前に小学校の修学旅行で訪れて以来の釜石。「海が近くて、おいしい海鮮物があるのが魅力。今日は家族と一緒で楽しい」とほほ笑んだ。
 
おいしいものを食べて笑顔いっぱいの子どもたち

おいしいものを食べて笑顔いっぱいの子どもたち

 
子どもも大人も興味津々!「働く自動車展」

子どもも大人も興味津々!「働く自動車展」

 
 会場では自衛隊、警察、消防の車両や、建設工事で使う重機などに試乗できる「働く自動車展」も開催。家族連れなどでにぎわい、絶好の写真スポットとなった。海上保安庁のヘリコプターはスタジアム上空を展示飛行し、来場者を楽しませた。特設ステージでは地元ゆかりの音楽アーティストによるライブも行われた。主催者によると、2日間の来場者は約4千人。

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広報かまいし2022年10月1日号(No.1793)

広報かまいし2022年10月1日号(No.1793)
 

広報かまいし2022年10月1日号(No.1793)

広報かまいし2022年10月1日号(No.1793)

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【P1-2】
釜石まつり開催

【P3】
幼稚園児募集 他

【P4-5】
元市職員の情報漏えいに関する市の対応

【P6-7】
新型コロナワクチン接種のお知らせ 他

【P8-11】
狂犬病予防接種
まちのお知らせ

【P12】
2022ラグビッグドリーム 開催

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022092900028/
釜石市

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ヒト・モノ・コト…いろんな「であい」を「つなぐ」 TETTOオープンフェスタ【釜石】

初開催の「きっとてっと」で買い物を楽しむ来場者

初開催の「きっとてっと」で買い物を楽しむ来場者

 
 釜石市大町の市民ホールTETTO(谷澤栄一館長)で23日、オープンフェスタ「きっとてっと」が初開催された。地域内のすてきな人、店、もの、体験などに「であう」「つながる」きっかけにしてもらおうと企画。音楽、食、ものづくり、ショッピング…多様な楽しみを味わえる催しが用意され、大人も子どもも幅広い年代が地域の魅力を再発見した。
 
 ロビーやギャラリー、屋根のある広場などホール1階を一体的に使用して開放。釜石市や大槌町を拠点に活動するアーティストと触れ合いながら芸術に親しむワークショップ、衣料品や日用品などを安価で販売するフリーマーケット、大ホールでのカラオケ体験、ベリーダンサーによる公演、ストリートピアノ演奏会といった多彩な催しが繰り広げられた。衣料・雑貨を取り扱う市内事業者、黒豚を使ったギョーザなど飲食のキッチンカーも出店。地元の駄菓子屋と谷澤館長がコラボした縁日は子どもたちに人気だった。
 
掘り出し物探しを楽しむフリーマーケット

掘り出し物探しを楽しむフリーマーケット

 
縁日遊びのコーナーは子どもたちに大人気

縁日遊びのコーナーは子どもたちに大人気

 
特設ステージではベリーダンスなどが披露された

特設ステージではベリーダンスなどが披露された

 
 大槌町の佐々木やよえさん(69)と千葉左登子さん(68)は以前から興味があった鹿皮のキーホルダー作りに挑戦。三つ編みの形が少しゆがんで手作り感たっぷりの出来栄えだったが、「夢中になった。機会があったら、またやりたい」と喜んだ。もう一つ楽しんだのが、フリーマーケットでのモノとの「出合い」。手作りアクセサリーやブランド品の服などに目を留め、「キラキラしたものが大好き。女の子だから」と笑顔を重ねた。
 
鹿皮で作ったキーホルダーの出来栄えに満足げな参加者

鹿皮で作ったキーホルダーの出来栄えに満足げな参加者

 
 人との「出会い」を楽しんだのは、フリマでハンドメイド作品を並べた鵜住居町の小林翔子さん(35)。対面販売は客の声を聞いたり、表情を見ることができ、作品作りのヒントになるという。釜石で実施されるイベントへの参加は今回が初めて。「『初めまして』の人が多く、作品を紹介する機会、情報交換の場になった」と手応えを得た。
 
 イラストレーター西川真央さん(26)=活動名・mao=はポストカードや粘土細工などを販売したほか、似顔絵を通じた交流を提供した。京都出身で、1年前に釜石に移住。観光地域づくり会社で働く傍ら、制作活動に取り組む。対面で似顔絵を描きながら会話を楽しみ、「ものづくりが人とのつながりを生み出す」と実感。同じ会場では日本独自の紡績技術「ガラ紡」で紡いだ糸を使った小物作り、ひも状にした粘土を積み重ねる土器作りも行われていて、親子で参加する姿に「クリエイティブなことに挑戦できて、いい街だな~」と目を細めた。
 
モデルと会話を弾ませながら似顔絵を描くmaoさん

モデルと会話を弾ませながら似顔絵を描くmaoさん

 
 同イベントには、同ホールの阿部美香子さん(43)の実体験が反映された。東日本大震災後にUターンした際、地域になじもうと参加したフリマでの出会いが今も続いていて、「そんな出会いを体験してほしい」と企画。「新しい店は気になるが入りづらい」との声を聞き、「店の人とのつながれば、店舗を訪れるきっかけになる」と催しに盛り込んだ。子育て世代へのリサーチも行い、「いろんな形の出合い」をひとまとめにして開催。多様な人が入り混じる様子を見つめ、「人と直接話しながら、目的外のものに出合う機会になったら、うれしい」と思いを明かした。

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喜寿、米寿をお祝い 「釜石市敬老会」3年ぶり開催 65歳以上は1万2千人

喜寿、米寿を迎える市民を郷土芸能などで祝った釜石市敬老会=17日

喜寿、米寿を迎える市民を郷土芸能などで祝った釜石市敬老会=17日

 
 釜石市敬老会(市、市社会福祉協議会主催)は17日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていたため、3年ぶりの開催。本年度、喜寿(77歳)、米寿(88歳)を迎える招待者637人のうち、108人が出席した。感染防止対策で規模を縮小しての開催となったが、地元芸能団体の踊りなどを楽しみ、節目の祝い事を心に刻んだ。
 
 式辞に立った野田武則市長は、戦後の激動の時代を生き、釜石発展に尽力してきたことへ敬意と感謝を表し、「人生100年時代は現実のものとなっている。健康や介護、家族の問題など、皆さんが抱える悩みや不安を少しでも解消できるよう相談の窓口を強化していきたい。豊かな人生に必要な人と人とのつながりを持ちながら、今後も社会の一員としてご活躍を」と願った。
 
108人が元気な顔をそろえ、敬老会を楽しんだ

108人が元気な顔をそろえ、敬老会を楽しんだ

 
 釜石芸能連合会から柳家細川流舞踊が祝いの舞を披露。鵜住居青年会は郷土芸能の虎舞、釜石中3年生は学校で取り組む釜中ソーランで長寿を祝った。コロナ禍で地域の芸能などを楽しむ機会が減っていた出席者らは、久しぶりの華やかなステージに笑みを広げ、心躍るひとときを満喫した。
 
柳家細川流舞踊は祝いの舞で敬老者の長寿を祝福

柳家細川流舞踊は祝いの舞で敬老者の長寿を祝福

 
釜石中3年生はソーランでパワーをプレゼント!

釜石中3年生はソーランでパワーをプレゼント!

 
 同市の敬老会は近年、喜寿、米寿、卒寿(90歳)の敬老者を対象とするが、今年は新型コロナの感染状況などを踏まえ、卒寿の招待を見送った。式典では、例年行う出席者代表への敬老祝い金贈呈を取りやめ、接触回避と時間短縮で感染リスク低減を図った。対象となる88歳の敬老者には振り込みで祝い金を贈った。出席者には記念写真のサービスが行われたほか、紅白まんじゅうや飲料水が贈られた。
 
 鵜住居町の川﨑ヨリ子さん(76)、川崎スメ子さん(76)はご近所同士、誘い合って会に出席。「開催してもらいありがたい。踊りなどもとても良かった」と顔をほころばせた。喜寿を迎えることにヨリ子さんは「気持ち的にはまだまだと思っているが、体はなかなかね。これ以上弱くならないよう頑張りたい」、スメ子さんは「離れて暮らす子どもたちにも元気な姿を見せられるよう長生きしたい」と健康長寿への思いを込めた。
 
敬老会に出席した中小川地区の皆さん。これからもお元気で!

敬老会に出席した中小川地区の皆さん。これからもお元気で!

 
 甲子町(中小川)の松本佳輝さん(87)は喜寿に続いての同会参加だが、「同級生の姿が少なくなり寂しい」とぽろり。若いころからスポーツに親しみ、年を取ってからはグラウンドゴルフやゲートボールを楽しむが、競技人口の減少やコロナ禍で大会がなくなり、出歩く機会が減ってしまった。今は「野球やラグビーなど球技の試合をテレビ観戦するのが専らの楽しみ」だという。「人生は泣き笑い。長生きすればいいこともある」と松本さん。
 
 同市の総人口約3万1千人のうち、65歳以上は約1万2千人。高齢化率は40・3%。100歳以上は女性29人で、市内最高齢者は106歳(9月1日現在)。

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砂防工事現場 釜石の中学生が見学 沿岸振興局、担い手不足解消へ建設業の魅力紹介

砂防工事の現場見学で建設業に理解を深めた生徒たち

砂防工事の現場見学で建設業に理解を深めた生徒たち

 
 釜石市平田尾崎白浜地区で進められている砂防堰堤(えんてい)の工事現場を14日、大平中(蛸島茂雄校長、101人)の2年生33人が見学した。岩手県沿岸広域振興局土木部が主催したもので、生徒たちは土砂災害を予防する砂防事業や建設業への理解を深めた。
  
 生徒たちは、2019年の台風19号豪雨で発生した土石流などの被害を受けて沿岸振興局が同地区で手掛ける事業の現場2カ所を見学。1年余りかけて今年6月に完成したばかりの砂防堰堤では、大雨時、大量に流れてくる土砂をため込み下流に流れ出るのを防いだり、勢いを弱めたりする機能について説明を受けた。
  
砂防工事の現場見学会に参加した大平中生

砂防工事の現場見学会に参加した大平中生

  
 来年3月中旬までの工期で整備が進む砂防堰堤(堤長64メートル、高さ9・5メートル)では、工事を担う及川工務店(新浜町)の現場責任者らが概要や進ちょく状況を説明。生徒らはショベルカーなど重機に試乗したり、現場で実際に使われている測量機器を使って測量を体験したりもした。
  
建設現場で活躍する重機の試乗体験を楽しむ生徒

建設現場で活躍する重機の試乗体験を楽しむ生徒

 
子どもたちは普段見慣れない測量機器に興味津々

子どもたちは普段見慣れない測量機器に興味津々

  
 学校に戻って座学。沿岸振興局土木部の職員が土砂災害の種類、全国・県内の発生状況、災害対策などを解説した。近年の発生件数は増加傾向にあり、梅雨や台風など雨が多い時期に発生確率が高くなっていて注意が必要とした上で、砂防堰堤などの構造物整備により被害を防いだ県内の事例を紹介。ただ、自然災害は人の想像を超えることがあり、身を守るためには▽家の周りや避難経路などにある危険な場所を事前に確認▽いざという時は、勇気を持って早めに避難する―ことが大切だと強調した。
  
砂防事業の出前講座に臨む大平中の2年生

砂防事業の出前講座に臨む大平中の2年生

  
 模型を使って、土石流が勢いよく家や橋を押し流す様子、流出する土砂の勢いを弱める堰堤の対策の効果も試した。阿部愛華(あゆは)さんは「工事現場を見学するのは初めて。被害が起きないよう高い費用を使っていたり、いろんな人が関わっていることが分かった。災害に対しての備えも大事だとあらためて感じた」と学びを深めた。
  
砂防堰堤の設置の効果を模型で試す実習もあった

砂防堰堤の設置の効果を模型で試す実習もあった

  
 工事現場の見学会は建設業の担い手不足解消に向けた取り組みの一環で、中学生に建設業へ興味を持ってもらうのが目的。道路や橋などの社会基盤をつくる「土木」、住宅など建物をつくる「建築」の2種類があり、構造物の維持・修繕や災害復旧など「みんなが安心して暮らせるよう地域を守る」という役割があると魅力、やりがいも伝えた。砂防工事の現場を通じ、土砂災害とその対処の方法を知ってもらう狙いもある。東日本大震災後、釜石・大槌地区では初めての実施。本年度は1校のみだが、次年度以降も継続していく予定だ。

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震災復興へ願い込め、グリーンベルトに桜植樹 釜石市民「かけがえのない故郷の風景を」

グリーンベルトに桜の苗木を植える地域住民

グリーンベルトに桜の苗木を植える地域住民

  
 東日本大震災の津波で被災した釜石市東部地区、釜石港周辺に築造された盛り土避難路(通称・グリーンベルト)に10日、桜の木が植えられた。市と釜石に桜を植える会(中川淳会長、会員17人)が植樹会を開き、市民ら約60人が参加。まちの復興と震災の風化防止を願い、「きれいに咲いた桜並木を歩く日」を想像しながら、協力し合って作業に励んだ。
  
 グリーンベルトは、港湾労働者や港周辺にいる人が津波発生時に、いち早く高台の避難場所まで安全に避難できるようにする堤状の盛り土緑地。普段は市民の散歩コースになるなど、憩いの場としても利用されている。
  
 セレモニーで、野田武則市長は「桜をめでながら散策を楽しんだり、地域の人に喜ばれる場に。いざという時に人と地域を守る場でもあることを忘れないでほしい」とあいさつ。代表者13人が、エドヒガンザクラを記念植樹した。
  
桜の苗木を記念植樹する野田武則市長ら

桜の苗木を記念植樹する野田武則市長ら

  
釜石に桜を植える会メンバーらも記念植樹

釜石に桜を植える会メンバーらも記念植樹

  
 その後、参加者は手分けして植樹。エドヒガンのほか、ジンダイアケボノ、ヤエザクラ、ヤエベニシダレザクラの4種計80本の苗木を植えた。枝には、参加者の名前を書いた木札を結び付けた。「桜もみんなも元気になりますように」「きれいな花を見せて。会いに来ます」。桜の成長に込めた思いや願いをつづった。
  
子どもも大人も協力し合って作業に励んだ

子どもも大人も協力し合って作業に励んだ

  
名前や願いをつづった木札を結びつけた

名前や願いをつづった木札を結びつけた

  
 丁寧に作業を進めていた野田町の佐々木ヨネ子さん(77)は「丈夫に育ってほしい。花が咲いた頃、歩くのが楽しみ」と期待。初対面の子どもたちとの交流も楽しんだ様子で、「みんなが笑顔で集える場になればいいね」と待ち望んでいた。
  
「未来の釜石を桜の里に」と願いを込めた植樹会の参加者

「未来の釜石を桜の里に」と願いを込めた植樹会の参加者

  
 釜石に桜を植える会は2013年に発足。復興のシンボルとして桜を植え、未来の遺産とすることを目的に活動してきた。全国から多くの苗木や支援金が寄せられ、これまでに市内の津波被災地区や老人福祉施設、公園などに1000本超を植えた。グリーンベルトには16年に70本余を植えたが、シカの食害で残ったのは数本。この植樹会を前に約40本を追加で植樹した。今回は、幹にテープを巻き付けるなど食害防止の対策も施した。
  
 古里を離れ北海道函館市で暮らす中川会長は「震災で色彩を失った故郷の懐かしい風景をよみがえらせたい。植えるのは始まり。手をかけ育ち、咲いた花を見て豊かな心をほころばせてほしい。この桜並木が、新しい時代を生きていく人々のかけがえのない故郷の風景になるだろう」とメッセージを寄せた。

 

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震災11年 トンボの“宝庫”再び 釜石・片岸公園一帯で約20種 愛好家を魅了

トンボの写真を撮影する菊地利明さん=片岸公園

トンボの写真を撮影する菊地利明さん=片岸公園

 
 かつて田畑や沼地が広がり、多くの生き物が見られた釜石市片岸町の防潮堤内側エリア。2011年の東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受け、その生息地が失われたが、環境整備が進んだ近年、さまざまな生き物が戻りつつある。昨年完成した沼地を有する片岸公園では今、多種多様なトンボが飛び交い、愛好家を魅了する。同市出身で、甲子町在住のアマチュアトンボ写真家、菊地利明さん(57)に案内してもらった。
 
 宝石のような目玉(複眼)など、その美しさや格好良さにひかれ、子どものころからトンボを追いかけてきた菊地さん。社会人になると写真撮影も始めた。仕事で一時、釜石を離れたが、その間もトンボの“宝庫”片岸町に継続的に足を運んできた。震災前、一帯では約30種のトンボが見られたという。
 
トンボを目で追い、シャッターチャンスを狙う

トンボを目で追い、シャッターチャンスを狙う

 
 震災の津波は一瞬にして生息環境を奪った。「もう元には戻らないかもしれない―」。堤防が決壊し、干潟のようになった同所を目の当たりにした菊地さんは、絶望的な状況に心を痛めた。その後、復興工事が進められ、震災から10年が経過した昨年、新しい防潮堤と水門の整備が完了。鵜住居川沿いの一角には、市民の憩いの場と減災機能を兼ね備えた「片岸公園」が整備された。
 
防潮堤、水門近くに整備された片岸公園。津波で堤防が決壊し、海水や砂が流れ込んだ状態(右下:11年4月撮影)からここまで復興を遂げた

防潮堤、水門近くに整備された片岸公園。津波で堤防が決壊し、海水や砂が流れ込んだ状態(右下:11年4月撮影)からここまで復興を遂げた

 
 トンボの幼虫(ヤゴ)は小魚やオタマジャクシなどの水生生物をえさとし、成虫はハエやカ、アブなどを食べる。生息のためには水辺と草地がある環境が必要。片岸公園はその両方を満たす生態園的役割も果たす。園内では今年、水辺の多様な植物が大きく成長。トンボの生息環境が整ってきたことで、多くの種類が目撃されている。
 
片岸公園で見られるトンボ(上段/左:シオカラトンボ、右:ショウジョウトンボ、下段/左:ノシメトンボ、右:ミヤマサナエ)

片岸公園で見られるトンボ(上段/左:シオカラトンボ、右:ショウジョウトンボ、下段/左:ノシメトンボ、右:ミヤマサナエ)
 
飛ぶ姿も魅力!飛翔能力が高い「ギンヤンマ」。右下は個体確認のため一時捕獲したオス

飛ぶ姿も魅力!飛翔能力が高い「ギンヤンマ」。右下は個体確認のため一時捕獲したオス

 
 ここでトンボが飛ぶ姿を見られるのは5~11月ごろ。種類によってピーク時期が異なり、今はギンヤンマ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、アキアカネ―などが見られる。菊地さん一番のお薦めは、複眼と腹部斑紋の青色が美しい「マダラヤンマ」(国の準絶滅危惧種、本県レッドデータブックBランク=絶滅の危機が増大している)。羽の付け根がオレンジ色の「ネキトンボ」は元々、東北以南に分布するが、「ここ数年で岩手県内でも見られるようになった。地球温暖化の影響なのか、北へ生息域を広げてきている」と注目する。
 
菊地さんイチオシ!「マダラヤンマ」。腹部の青色の繊細なまだら模様が目を引く

菊地さんイチオシ!「マダラヤンマ」。腹部の青色の繊細なまだら模様が目を引く

 
nekitonbo

羽の付け根のオレンジ色、腹部の赤が鮮やかな「ネキトンボ」

 
 今シーズン、菊地さんが同公園とその周辺で目撃しているトンボは約20種。大型種の「オオルリボシヤンマ」、震災前にも見たことがなかったという「チョウトンボ」「ミヤマサナエ」も見ることができた。トンボは水辺を求め遠くまで飛ぶこともあり、これまで見られなかった種を“飛来”という形で見ることもあるという。
 
上段/左:タイリクアカネ、右:ナツアカネ、下段/左:交尾するアジアイトトンボ(前がオス)、右:セスジイトトンボ

上段/左:タイリクアカネ、右:ナツアカネ、下段/左:交尾するアジアイトトンボ(前がオス)、右:セスジイトトンボ

 
遊歩道からトンボを探す菊地さん

遊歩道からトンボを探す菊地さん

 
震災から11年が経過し、トンボの生息に必要な環境がそろった

震災から11年が経過し、トンボの生息に必要な環境がそろった

 
 再び、この場所でトンボが見られるようになったことを喜ぶ菊地さん。「公園はできたばかり。さらに環境が安定していけば、他から飛んできたトンボがすみつく可能性もある。いろいろな種類が増えていけば」と期待。遊歩道が整備され、観察しやすい環境となったことも歓迎し、「よく見るときれいなトンボがたくさんいる。散歩がてらゆっくり観察してみては。トンボは益虫で昔から人間の役に立ってきた。“勝ち虫”といわれ、日本人の歴史とも関わりが深いトンボにぜひ親しんでほしい」と話す。
 
※記事中トンボ写真=菊地利明さん提供

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倒壊の恐れ 危険な「特定空き家」解体 所有者不存在、釜石市が初の略式代執行

略式代執行による解体作業が始まった建物

略式代執行による解体作業が始まった建物

  
 釜石市は13日、老朽化で倒壊の恐れがある甲子町大松地内にある空き家について、所有者が不存在のため行政が費用を負担して解体する「略式代執行」による除却(取り壊し)を始めた。2015年に全面施行された空家等対策の推進に関する特別措置法に基づくもの。同執行は市内で初めてとなる。
   
 対象となった空き家は木造平屋の母屋(床面積約76平方メートル)と倉庫(同約27平方メートル)で、1956年以前に建てられたとみられる。登記簿上で所有者となっているのは林業関連の法人だがすでに解散し、77年に清算も結了しているため、適正管理などを求める者が存在しない。貸家として利用された時期もあったとの情報もあるが、20年ほど前から人の出入りは確認されておらず、2016年4月に市民から釜石消防署を通じ「危険な空き家」として情報が寄せられた。
   
外壁や窓などが崩れ落ち、倒壊の危険性が高い対象空き家

外壁や窓などが崩れ落ち、倒壊の危険性が高い対象空き家

   
 市は実態調査で外壁や屋根、柱など建物全体が著しく腐朽しているのに加え、県道に接道していることから、倒壊した場合、通行車両に被害を及ぼす可能性があることを確認。21年8月には甲子地域会議からも撤去を求める要望があり、市は今年5月に放置すれば保安上の危険、景観や生活環境に悪影響を与えるとして、倒壊などの恐れがある「特定空き家」に認定した。同6月下旬~7月末に公告。情報を求めたが連絡はなく、市民の安全安心の確保を優先とし、「所有者不存在」として略式代執行による空き家の除却に踏み切った。
   
解体する空き家の前で略式代執行を宣言する野田市長

解体する空き家の前で略式代執行を宣言する野田市長

   
 この日は午前9時半、野田武則市長が特定空き家の前で代執行を宣言し、市内業者による解体工事が始まった。作業員らは重機で屋根や外壁を取り壊した。解体工事は9月下旬までに終える予定。工事費は121万円で、5分の2の約48万円は国庫補助金、残り72万円余りを市が負担する。
  
作業員はトタンや廃材などに分別しながら作業を進めた

作業員はトタンや廃材などに分別しながら作業を進めた

  
 市によると、市内には現在約980棟の空き家があり、うち約20棟は倒壊の恐れがある。人口減や高齢化に伴い、今後も空き家は増えるとの懸念も。今回の工事執行責任者、市の菊池公男市民生活部長は「危険な空き家をつくらないような対策が重要になる。空き家バンクの運用による利活用促進と合わせ、家屋の適切管理を所有者に周知する取り組みに力を入れたい。将来を考えた管理、きちんと相続手続きを行ってほしい」と呼び掛ける。
 

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広報かまいし2022年9月15日号(No.1792)

広報かまいし2022年9月15日号(No.1792)
 

広報かまいし2022年9月15日号(No.1792)

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【P1】
表紙

【P2-7】
防災特集

【P8-9】
情報漏えいに関する市の対応について
新型コロナワクチンに関する情報

【P10-11】
こどもはぐくみ通信
市民のひろば

【P12-13】
まちの話題

【P14】
助成金・支援金などのお知らせ

【P15-17】
まちのお知らせ

【P18-19】
保健案内板・保健だより

【P20】
イベント案内

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022091500021/
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