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世界遺産「橋野鉄鉱山」で発掘調査 三番高炉の水車場、フイゴ座、鋳造場を確認

国史跡「橋野高炉跡」発掘調査現地説明会。水車場跡に見入る見学者

国史跡「橋野高炉跡」発掘調査現地説明会。水車場跡に見入る見学者

 
 釜石市が本年度、発掘調査を行った「橋野鉄鉱山」高炉場跡、三番高炉エリアで12日、調査結果を一般に公開する説明会が開かれた。同調査は市が2018年から進める「橋野高炉跡範囲内容確認調査」の一環。三番高炉跡は1956(昭和31)年に岩手大による発掘調査が行われ、その価値が認められ、翌57(同32)年に橋野高炉跡が国史跡に指定された経緯がある。今回はその調査記録の再確認などが行われた。結果、高炉覆屋建物の規模が実証され、水車場、フイゴ座、鋳造場の痕跡も確認できた。
 
 同調査は10~11月の期間で実施。岩手大の調査記録、1892(明治25)、94(同27)年の建物記録を参考に、規模の確認を主目的とした。高炉の西側には本線水路から水を引き稼働させた水車場の記録があり、今回の発掘でもその石組みを確認。下部構造や範囲が明らかになったほか、地中からは水車場か高炉上屋の廃材とみられる木材が見つかった。水車の直径は約2メートルと推定されるという。
 
水車場の下部構造(黄丸部分)が分かる石組み

水車場の下部構造(黄丸部分)が分かる石組み

 
水車場の中から見つかった廃材(黄丸部分)

水車場の中から見つかった廃材(黄丸部分)

 
 水車の軸とつながれたフイゴは高炉に風を送る装置で、高炉北側に位置していたことが記録に残る。水車の駆動で2基の箱型フイゴが稼働していたとみられ、地中にフイゴの土台を止めるための穴が見つかった。大島高任が日本で初めて連続出銑に成功した大橋高炉では当初、西洋式の丸型足踏みフイゴが採用された。翌年に操業した橋野高炉ではより効率的に風を送れるように改良した箱型フイゴが使われ、2基の稼働で順次、風を送れる仕組みが確立された。これが橋野高炉成功の理由の一つとされる。
 
三番高炉の北側に位置する「フイゴ座跡」(黄丸部分)

三番高炉の北側に位置する「フイゴ座跡」(黄丸部分)

 
水車とフイゴをつなぐ軸の推定位置を説明(奥が水車場、手前がフイゴ座)

水車とフイゴをつなぐ軸の推定位置を説明(奥が水車場、手前がフイゴ座)

 
 今回の調査では岩手大の調査記録では分からなかった鋳造場跡が確認された。高炉の南側エリアで鋳型の外側の部材が出土。関係する木枠、砂、焼けた土も確認された。高炉石組みのすぐそばには鋳造炉、鋳型場とみられる痕跡も。文献記録によると、同高炉の出銑は1894(明治27)年6月が最後とされ、終焉(えん)ごろは銑鉄の生産よりも鉄瓶や鍋釜の鋳造が中心だったとされる。
 
三番高炉南側エリアで確認された鋳造場跡(黄線囲み部分)。鋳型片などが見つかった(左下)

三番高炉南側エリアで確認された鋳造場跡(黄線囲み部分)。鋳型片などが見つかった(左下)

 
 この他、高炉東側に位置する出銑の砂場跡の範囲、岩大調査では検出されていなかった柱穴や土坑が確認された。これらの情報をもとに検討した結果、高炉覆屋建物の規模は約57坪(約188平方メートル)と推定され、明治の記録と合致した。出土した鋳型の一部、高炉底部のれんがを含む塊など遺物は、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターで12月8日まで公開されている。
 
高炉出銑口前の砂場範囲も確認された。左下は江戸末期の絵巻に描かれた出銑口前での作業風景

高炉出銑口前の砂場範囲も確認された。左下は江戸末期の絵巻に描かれた出銑口前での作業風景

 
インフォメーションセンターで公開されている出土品。右は耐火れんが積塊

インフォメーションセンターで公開されている出土品。右は耐火れんが積塊

 
 今回は昨年度の調査で確認できなかった土蔵跡の調査も行われた。江戸末期(1860年代前半)に描かれた高炉絵巻では御日払所の北側に板蔵、土蔵の順に並ぶ様子が見られるが、今回の調査で板蔵の東側に土蔵があったことが確認された。建物礎石が見つかり、明治の記録「6坪」と合致した。この場所には1967(昭和42)年に国史跡指定10周年を記念して日本鉄鋼連盟により東屋(休憩所)が建設されており、2018(平成30)年まで上屋が残っていた(老朽化で撤去)。
 
板蔵跡の東側で確認された土蔵跡。絵巻(左下)では板蔵の北側に描かれていた

板蔵跡の東側で確認された土蔵跡。絵巻(左下)では板蔵の北側に描かれていた

 
 調査を担当した市世界遺産課の髙橋岳主査は「水車場の石垣など遺構が良好な状態で残っていることをあらためて確認できた。この状態の良さがあったからこそ、昭和32年の国史跡指定にもつながったものと思われる。今回、鋳造の痕跡が見つかったのは新たな発見」と成果を示した。来年度は西側に位置する長屋跡の発掘調査が行われる予定。

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大学の知見をまちづくりに 「海と希望の学園祭」 釜石市・東京大連携協定記念で

「海と希望の学園祭」を太鼓演奏で盛り上げる重茂中(宮古市)の生徒

「海と希望の学園祭」を太鼓演奏で盛り上げる重茂中(宮古市)の生徒

 
 海と希望の学園祭(釜石市主催)は5、6の両日、同市大町の釜石PIT、市民ホールTETTOで開かれた。共同研究や技術開発、地域振興など各種分野で連携する同市と東京大3研究所の協定締結を記念し初めて開催。海洋研究や地域産業に関わる講演やパネル討論、楽しく海に親しむワークショップなど多彩な催しが行われ、幅広い年代が学びを深めた。
 
 同市と同大は2006年の同大社会科学研究所(社研)による「希望学」釜石調査を機につながり、東日本大震災後は「危機対応学」という新たな分野で研究連携を続けてきた。そうした実績を基に本年3月、社研、大槌町に研究施設を持つ同大大気海洋研究所、市の3者で「連携協力の推進に関する覚書」を締結。7月には、釜石港で実証試験が始まった波力発電の技術指導を行う同大先端科学技術研究センター(先端研)と市で「連携及び協力に関する協定」を締結した。
 
 記念の交流イベントとなった同祭。大気海洋研はヒトデやヤドカリ、ウニ、アメフラシなど海の生物に触れられるコーナーを開設し、来場者に生態などを教えた。中にはウニの一種ながら、硬貨のような平たい形状の「ハスノハカシパン」も。一般にはなじみのない生物で、来場者は興味深げに見入った。
 
海の生物に触れられるタッチプール。左下拡大は「ハスノハカシパン」

海の生物に触れられるタッチプール。左下拡大は「ハスノハカシパン」

 
 担当者の説明を熱心に聞いていた三浦海斗君(釜石中2年)は「いろいろな生物の特徴や生息場所を知れた。海には友だちとよく釣りに行く。今度行った時は、探してみたい」と貴重な学びを得た様子。「生き物に直接、触れられるのは面白い。これからもこういうイベントを続けてほしい」と望んだ。
 
 樹脂で作った海の生物フィギュアで注目を集めたのは大槌町のササキプラスチック(SASAMO)。魚やウニ、ホヤなどの身近な生物のほか、深海に生息する甲殻類の一種「オオグソクムシ」の大きなフィギュアがひときわ目を引いた。景品がもらえるキャスティングゲームもあり、釣りの楽しさも疑似体験できた。
 
ササキプラスチック製作海の生物フィギュアに目がくぎ付け。深海生物は重さもずっしり(右下)

ササキプラスチック製作海の生物フィギュアに目がくぎ付け。深海生物は重さもずっしり(右下)

 
 釜石海上保安部の海洋調査業務の展示、文京学院大の工作コーナー、海洋環境問題に関する映画上映も。大気海洋研との連携で「海と希望の学校」事業に取り組む重茂中(宮古市)の生徒35人は、学校で伝承する剣舞、鶏舞、魹埼太鼓を披露し、同祭を盛り上げた。
 
自分の船の位置を知るための角度測定に使う「六分儀」を体験する子ども=釜石海上保安部の展示

自分の船の位置を知るための角度測定に使う「六分儀」を体験する子ども=釜石海上保安部の展示

 
重茂中の生徒は郷土芸能「鶏舞」などを披露し、来場者を楽しませた

重茂中の生徒は郷土芸能「鶏舞」などを披露し、来場者を楽しませた

 
 講演やトークイベントは7プログラムを開催。3研究所の教授や准教授らが各種テーマで講演したほか、地元の観光や産業関係者を交えてのパネル討論などを行った。「海と希望のまち釜石~未来への船出~」をテーマとしたパネル討論には、教授3人と野田武則市長、かまいしDMCの河東英宜代表取締役が登壇。海洋環境、再生可能エネルギー、海を生かした観光、人材育成など多様な視点で意見を交わした。
 
 大気海洋研所長の河村知彦教授(海洋生態学、水産資源生物学)は海洋環境への関心喚起について「海の中は見えない。研究者が一般の人に伝え、みんなで共有していく必要がある。見えない部分に想像を働かせ、問題や可能性を見いだすことが大事」と述べた。先端研所長の杉山正和教授(再生可能エネルギーシステム)は地域におけるエネルギー政策について「資源はそれぞれ違う。画一的プランではなく、その地域ならではのロジック(論理、筋道)を作っていくことが重要。若い世代が自分たちの未来を考えるワークショップをしたり、地域の事情に合わせた展開が理想」とした。
 
5人が登壇した「海と希望のまち釜石」パネル討論。持続可能な未来へ意見を交わした

5人が登壇した「海と希望のまち釜石」パネル討論。持続可能な未来へ意見を交わした

 
パネル討論に聞き入る来場者

パネル討論に聞き入る来場者

 
 観光事業を行うDMCの河東代表取締役は「地域の魅力を生かしきれていない」との外部からの指摘に「増えている移住者の視点、地元住民の協力で魅力の掘り起こし、磨き上げ、発信に努めているところ。眠っている資源はまだまだある」と今後の可能性を示唆。野田市長は震災で発揮された防災教育の効果を例に挙げ、市民の学びの場の必要性に言及。「釜石は常に困難を乗り越えてきた歴史があるが、人口減もあり、次世代がその力を持ち続けられるかという不安もある。これからは多くの学びの中で気付きや感性を得て、課題解決に向かう力を養っていかなければならない」と話した。

suisha2848

紅葉の橋野に3年ぶりのにぎわい 「水車まつり」で祝う実りの秋 豚汁やそばに舌鼓

人気の餅まきでにぎわう「第16回水車まつり」

人気の餅まきでにぎわう「第16回水車まつり」

 
 農作物の収穫を祝う釜石市橋野町の「水車まつり」は6日、産地直売所・橋野どんぐり広場周辺で開かれた。橋野町振興協議会(和田松男会長)、栗橋地区まちづくり会議(洞口政伸議長)が共催。新型コロナウイルス感染症の影響で2年間の中止を経ての復活開催となり、待ちわびた約430人が餅まきや豚汁の振る舞いなどを楽しんだ。食、文化、自然と地域の魅力を堪能できるイベントは16回目を迎えた。
 
 青空に映える山々の紅葉に囲まれた会場。祭りは恒例の餅まきで幕を開けた。手作りの祝い餅約1千個を軽トラックの荷台から豪快にまいた。老若男女が「こっち、こっち」と手を伸ばし、久しぶりのにぎわい風景が広がった。
 
主催団体の代表らが紅白の祝い餅を豪快にまいた

主催団体の代表らが紅白の祝い餅を豪快にまいた

 
餅まきを楽しむ来場者。まつりを代表する光景

餅まきを楽しむ来場者。まつりを代表する光景

 
 野菜をふんだんに使った豚汁は約300食を用意し、無料で提供。手打ちそば、きびの焼き団子、雑穀おにぎりなどは約100~300食を各100円で販売した。野菜や穀物はいずれも地元産。良質食材と地域の食の技で生まれる味覚を求めて、長蛇の列ができた。2018年から同祭りに協力する鵜住居公民館の自主グループ「そばの三たて会」(奥山英喜会長)は、そば打ちで力を発揮。振興協女性部とともに前日から準備にあたった。全メニューは昼前に完売する盛況ぶりを見せた。
 
豚汁は無料でお振る舞い。この味を求めて多くのファンが訪れる

豚汁は無料でお振る舞い。この味を求めて多くのファンが訪れる

 
きびの焼き団子は炭火で香ばしさアップ。みそだれも食欲をそそる

きびの焼き団子は炭火で香ばしさアップ。みそだれも食欲をそそる

 
 川崎花音さん、心花さん姉妹(鵜住居小4年)は「栄養たっぷりの野菜が入った豚汁、みそだれがかかったきび団子がおいしかった」、いとこの川口梨沙さん(同)は「餅をいっぱい拾った」と笑顔満開。周辺の紅葉にも目を見張り、「赤、黄、オレンジといろいろな色が交ざってきれい。秋だなーって感じる。ずっと見ていたい」と口をそろえた。
 
 甲子町の佐藤高正さん(74)は市広報を見て妻らと初めて来場。「こんなに人出があるとは驚き。一通り食べたが、どれもおいしい。天気もいいし、川と水車、紅葉が織りなす景色は最高」と祭りを満喫。橋野に来る機会はあまりなく、「こういうイベントがあれば足が向く。長く続けてほしい」と望んだ。
 
橋野自慢の味に子どもたちもこの笑顔!箸が進む

橋野自慢の味に子どもたちもこの笑顔!箸が進む

 
赤ちゃんもおいしい豚汁をもぐもぐ。家族で橋野の味を堪能

赤ちゃんもおいしい豚汁をもぐもぐ。家族で橋野の味を堪能

 
 産直近くの親水公園内にある水車小屋では、きねでもみ米をつく実演も。これで精製した米は風味が違うという。この日は来場者が米を持ち込む姿もあった。大きな水車が回る農村風景は今ではなかなか見ることができない。水車の前では記念撮影を楽しむ家族連れらが目立った。水車小屋の裏手には「ママシタの滝」があり、こちらも撮影スポットとなった。
 
かやぶき屋根の水車小屋(左上写真)。来場者は水の力で回る大きな水車の迫力を楽しんだ

かやぶき屋根の水車小屋(左上写真)。来場者は水の力で回る大きな水車の迫力を楽しんだ

 
 水車まつりは、同町で年間を通して行われる「はしの四季まつり」の一つ。コロナ禍で20年からは全祭りの中止が続いていたが、本年は春の八重桜まつり、夏のラベンダーまつりを観賞会という名目で実施。今回の水車まつりは本格復活の第一歩となり、ほぼ例年規模での開催が実現した。
 
 同振興協の和田会長は「市内の感染状況も落ち着いており、『そろそろ動き出したい』との思いがあった。協議会内でも開催への前向きな意見が多く、みんなの強い気持ちが復活を後押しした」と説明。3年ぶりの活気に「よかったねぇ~。ほっとする光景」と目を細め、「来年はニジマス釣り大会を含め、全まつりができるようになれば」と心から願った。

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復興まちづくりや観光振興などで尽力 釜石市、市勢功労者を表彰 9人1団体

市勢功労者表彰の受賞者ら。まちの発展に尽くす気持ちを新たにした

市勢功労者表彰の受賞者ら。まちの発展に尽くす気持ちを新たにした

  
 釜石市の2022年度市勢功労者表彰式は1日、大町のホテルサンルート釜石で行われた。復興まちづくり、社会福祉、観光振興、消防防災などで市の発展、市民生活の向上に貢献した市勢功労者として8人1団体を表彰。特別功労者として、漁業の振興発展に尽くした1人をたたえた。
  
野田武則市長(右)から表彰される市勢功労者

野田武則市長(右)から表彰される市勢功労者

  
 野田武則市長は「行政だけでは力の及ばない課題が多く、市民の協力がなければ、まちの発展もない。培ってきた豊かな識見と経験のもと、なお一層の協力を」と式辞。受賞者を代表して渡辺幹男さん(80)が「市民や地域、市勢の振興などに少しでも貢献できたことはこの上ない喜び。この栄誉は周囲の支えや協力のおかげ。市民が安心して暮らし、より魅力的なまちになるよう一層努力したい」と謝辞で応えた。
  
受賞者を代表し渡辺幹男さん(手前)が謝辞を述べた

受賞者を代表し渡辺幹男さん(手前)が謝辞を述べた

  
 保健福祉の向上に力を尽くしているとして表彰されたのは、小佐野町の市立図書館を拠点に活動する「朗読奉仕・ハマナスの会」(藤原由香里会長)。視覚障害者向けに録音CDを制作し、希望者に毎月送っている。会員は50~80代の7人。今年、結成30年を迎えた。
  
 集まるのは月1回。会員それぞれがお気に入りの新聞記事を持ち寄って、録音活動にいそしんでいる。活動歴18年の藤原会長(55)は、会の中では最年少。「お姉さまたちの雰囲気がよく、気持ちが穏やかになる居場所。楽しく活動しながら人の役にも立てる。やりがいがある」と充実感をにじませる。気にかかるのは、会員の高齢化。「集まるのは日曜日。働いていてもできる。若い仲間が増えてくれたら」と望んだ。
  
朗読奉仕「ハマナスの会」の藤原会長(左)。活動継続へ意欲を高める

朗読奉仕「ハマナスの会」の藤原会長(左)。活動継続へ意欲を高める

  
功労者と功績は次の通り。
【自治功労表彰】
▽遠藤幸徳さん(74)=唐丹町 11年に市議に当選し、3期目。市勢発展に貢献
▽柏舘旨緒さん(72)=小佐野町 04~06年に市都市計画審議会委員、13~21年に被災市街地復興土地区画整理審議会委員を務め、都市計画の推進や復興まちづくりに貢献
▽川﨑孝晴さん(75)=栗林町 07~19年まで通算12年間、民生委員・児童委員を務め、社会福祉の増進に貢献
▽菊池秀明さん(75)=甲子町 11年に市議に当選し、3期目。市勢発展に貢献
▽木村琳藏さん(75)=唐丹町 11年に市議に当選し、3期目。市勢発展に貢献
▽澤田政男さん(74)=鈴子町 10~22年まで通算12年間、釜石観光物産協会長を務め、地域経済の発展と観光振興に貢献
▽鹿本勝政さん(71)=両石町 消防団員として45年間にわたり地域防災の任に当たるとともに、市消防団第6分団長の要職を務め、民生の安定に貢献
▽渡辺幹男さん(80)=新町 07~19年まで通算12年間、民生委員・児童委員を務め、社会福祉の増進に貢献
▽朗読奉仕「ハマナスの会」(1992年結成、藤原由香里会長)=小佐野町 結成以来30年にわたり視覚障害者への朗読奉仕を継続して行い、保健福祉の向上に貢献
  
【特別功労表彰】
▽小川原泉さん(71)=箱崎町 16年から6年間、市漁業協同組合連合会長を務め、漁業の振興発展に寄与

 

「第2回 かまいし百円市」の出店者を募集します

「第2回 かまいし百円市」の出店者を募集します

「第2回 かまいし百円市」の出店者を募集します
 
釜石まちづくり(株)では、2022年12月4日(日)に「第2回かまいし百円市」を開催します。販売商品を全て100円とするフリーマーケットやバザーのような形態で、“100円均一フリマ”と言ったイメージです。
 
例えばこのような商品の出品を想定しています・・・
リユース可能な子供用品、持て余してしまったお中元や引き出物の中身、まだまだ使えるおもちゃ、ダブったガチャガチャ、ちょっとしたコレクションアイテム、端数が残ってしまったパック商品、かつての趣味の名残、ハンドメイドグッズに変身する素材たち、野菜やお菓子・・
・・などなど、価格を100円として頂ければ、一部の取扱い禁止商品以外は何でもOKです。
 
全て100円ということで、出店される皆様にとっては大きな販売益には繋がりにくいかもしれませんが、以下のような点に意義を見出して下さる皆様のご出店を募集いたします。
・リユースの促進による社会活動的意義
・みんなで出店する楽しさ
・街の賑わいの場づくり など
 
初回はプレ開催のため、狭い範囲の口コミでの参加募集でしたが、2回目以降は広く参加を募集します(当面は、釜石市内にお住まいの方、及び釜石市内で活動する団体やグループに限定)。
各種サークル活動などのグループをはじめ、社会福祉法人やNPO等の社会活動団体、町内会やクラブ・少年団活動等の地域活動の一環として、学校や幼稚園・PTAや保護者会の催しとしてなど、皆様のご出店をお待ちしています。
 

開催概要

日 時: 2022年12月4日(日)10:30~14:00
場 所: 釜石市民ホールTETTO・ホール前広場
主 催: 釜石まちづくり(株)
キャッチコピー: 「100円握ってお宝さがし!」

出店の基本情報

◎全ての商品を100円(税込)で販売すること
※この基本ルールを遵守頂けない場合は当日でも出店中止となりますのでご注意下さい
◎ 50個以上の商品をご用意頂けること(多い分には大歓迎!)
◎ 開催日時点での新型コロナの状況に応じた対策にご協力頂けること
◎「出店について」の要件を遵守頂けること
・参加可能枠を超えるご応募があった際は抽選とさせて頂きます
・チャリティ活動(売上は○○へ寄付、○○を支援、教育や社会福祉活動資金に充当)が
伴う場合は、条件により別枠での出店が可能ですのでご相談下さい
・今後、「五百円市」や「千円市」の実施も検討しています(日時等は未定)

出店について

◆物品の販売以外のサービスを商品として提供することはできません
(マッサージ、ヘアカット、診断、占いなど ※縁日等に類するものや主催者が要請したものは除く)
◆出店料は1,000円となります
◆出店スペースの広さは、幅2~2.5m×奥行1.5~2mを目安に調整させて頂きます
また、販売台、シート、釣銭等は各自でご準備下さい(主催者による両替には限りがあります)
◆会場は屋外となりますので、各自で出店時の寒さ対策をお願いします
◆出店者には、釜石大町駐車場の24時間駐車券(通常800円)を500円にて斡旋いたします
(団体の場合は駐車台数分の購入OK)
◆ペット等を同伴しての出店は禁止です(介助犬等を除く)
◆火器の使用や発電機の持込みは禁止です

取扱い禁止商品

以下の商品の取扱い及び取引は禁止といたします
生鮮食品など衛生管理上好ましくない物、その場で調理提供する飲食品、ペット等の生き物、
偽造品や盗品など法律に抵触する商品、受発注や目録を介しての後日取引を前提とした商品、
取扱い資格の必要な危険物や薬品(有資格者でも不可)、公序良俗に反する物、大量の火薬類、
再販売やオークション等への出品を前提とした取引
※大量の酒類を取り扱う場合は事前にご相談ください
※この他、主催者が不適切と判断した商品については取扱いを中止頂く場合があります

新型コロナウイルス感染症対策について

出店及びご来場にあたり、手指の消毒・距離の確保・過度な密集の解消・状況に応じたマスク着用など、各開催日の時点で行政や各種機関が指示及び推奨する対策に準じて頂くほか、主催者や施設の判断による感染症予防策を要請する場合があります。

出店の申し込み方法

出店に関しての各種事項(開催概要、基本条件、出店について、取扱い禁止商品、コロナ対策)を必ずご確認・ご理解のうえ、下記の出店申込書を記入して釜石まちづくり(株)までお申込み下さい。
 
・釜石まちづくり(株)の社員によるご紹介やご案内による場合は直接担当社員まで
・それ以外の場合は、釜石まちづくり(株)FAX <0193-27-8331>
申込み締切 2022年11月18日(金)
 
問合せ等については、同様に担当社員にご連絡いただくか、
釜石まちづくり(株)TEL <0193-22-3607> までお願いします。

出店概要&申込書

PDF版(913KB)
「第2回 かまいし百円市」の出店概要&申込書
 
Word版(32KB)
「第2回 かまいし百円市」の出店概要&申込書

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育て!根浜由来の植物 釜石東中生7種を植栽 震災前の海岸風景復活へ活動5年目

釜石東中2年生による海浜植物の移植作業=根浜

釜石東中2年生による海浜植物の移植作業=根浜

 
 東日本大震災の津波で多くの海浜植物が失われた釜石市鵜住居町の根浜海岸。地域に親しまれたかつての風景を取り戻そうと、地元の釜石東中(佃拓生校長、生徒102人)は、同海岸由来の植物を種から育て現地に植え戻す活動を2018年から継続する。5年目を迎えた今年も、生徒たちが大切に育てた苗を移植。息の長い活動で根浜の原風景復活を目指す。
 
 同校は、震災後の海辺環境再生へ官民で取り組む根浜海岸林再生実行委(前川昭七会長)と連携し、総合的な学習の一環として同活動をスタートさせた。毎年春に同海岸について学ぶ座学、種まきから始め、夏に移植地の清掃など環境整備、秋には育てた苗の植栽を行っている。
 
 種まきと苗の育成、移植に取り組むのは2年生。今年は5月にハマヒルガオ、ハマエンドウ、ハマボウフウの種をまき、水やりや日光管理を行いながら成長を促してきた。移植は10月26日に実施。生徒26人が地元の協力者らと作業にあたった。移植場所は防潮堤沿いに連なるマツ林の海側スペース。同所には16年に県の事業で砂が投入されている。この日は、講師を務める県立大総合政策学部の島田直明教授(植生学、景観生態学)らが育てたケカモノハシ、コウボウムギなど4種も合わせて移植。生徒らは雑草を刈り取った後、地面に穴を掘り、計約250株を植え付けた。
 
生徒たちは移植場所の雑草取りから作業開始

生徒たちは移植場所の雑草取りから作業開始

 
苗を植えるための穴を掘る。力のいる作業

苗を植えるための穴を掘る。力のいる作業

 
育苗ポットから取り出した苗を砂地に移植

育苗ポットから取り出した苗を砂地に移植

 
 学級会長の小笠原颯真君は「学習を始める前は知らなかった珍しい植物ばかり。根浜の名物になるぐらい、たくさん生えて育ってほしい。ハマナスとかきれいな花も見られるので、もっとみんなに愛されるような海岸になったらうれしい」と未来の姿を思い描く。
 
 根浜海岸の砂浜とマツ林周辺には震災前、10数種の海浜植物が見られたが、津波で砂浜の半分以上が流失。マツ林は残ったが、植物の数は激減した。種を取り苗を育成して植え戻す活動は地元住民らが始め、支援者の協力で続けられてきた。この活動に中学生が加わり、学校ぐるみで取り組みが進むことについて、島田教授は「自分たちが住む地域への愛着にもつながるのでは。中学生の活動によって、地域の人たちが根浜海岸の希少価値を再認識し、大事にしたいと思ってくれたら」と期待を込める。
 
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 釜石東中生が植栽を続ける約100メートルの区間では、これまでに植えた苗が着実に根付いている。今後はさらに効率的に増やせるよう工夫しながら取り組んでいくという。

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ご褒美は太平洋を望む絶景 御箱崎「ゆったりウオーキング」 釜石・甲子公民館企画

箱崎半島を散策した「ゆったりウオーキング」の参加者ら

箱崎半島を散策した「ゆったりウオーキング」の参加者ら

 
 釜石市甲子町の甲子公民館(佐々木利光館長)が行う健康づくり事業「ゆったりウオーキング」が10月21日、同市北東部の箱崎半島で行われた。東北自然歩道「新・奥の細道」コースにもなっている散策路を50~80代の10人が歩き、太古の地球活動から生まれた大自然を堪能。健康で歩ける喜び、郷土が誇る景観の素晴らしさを体感し、思い出を心に刻んだ。
 
 同館が年6回シリーズで開催するウオーキング企画の本年度5回目。箱崎半島のコースは今回が初めての選定となった。箱崎町白浜地区集落を経て、スタート地点の大沢遺跡駐車場までは車両で移動。講師を務める蓮見純子さん(健康運動実践指導者)の案内で、午前9時55分、入り口の赤鳥居をくぐって出発した。目的地の半島突端、御箱崎灯台までは片道約3.9キロ。散策路はアップダウンが続く険しいコース。一行は樹木が生い茂る森の景色も楽しみながら、無理のない速度で歩みを進めた。
 
大沢遺跡駐車場から半島先端部を目指して出発

大沢遺跡駐車場から半島先端部を目指して出発

 
緑に囲まれた散策路をゆっくりと進む

緑に囲まれた散策路をゆっくりと進む

 
勾配のきつい坂道はトレッキングポールを利用して体への負担を軽減

勾配のきつい坂道はトレッキングポールを利用して体への負担を軽減

 
 半島の先端が近づいてくると、木々の間から右手に釜石湾、左手に大槌湾が見え隠れ。普段、見ることのない角度からの三陸の景色に参加者は感激の声を上げた。スタートから約1時間20分で、東屋とトイレがあるポイントに到着。休憩後、最終目的地を目指した。灯台までの道のりには、地元住民が漁業繁栄や家内安全を祈願する御箱崎神社があり、古い石碑群や複数の赤鳥居が地域信仰の奥深さを感じさせた。一行は鐘を鳴らして参拝した。
 
半島の北側は大槌湾から山田湾を眺望できる

半島の北側は大槌湾から山田湾を眺望できる

 
複数の赤い鳥居が目を引く御箱崎神社。参加者はほこらの前で参拝(左下写真)

複数の赤い鳥居が目を引く御箱崎神社。参加者はほこらの前で参拝(左下写真)

 
箱崎白浜出身の佐々木利光館長(左)からは地元住民ならではの話も聞けた

箱崎白浜出身の佐々木利光館長(左)からは地元住民ならではの話も聞けた

 
 灯台に到着すると、目の前には太平洋の絶景が広がった。リアス海岸の地形で陸地側に深く入り込んだ湾風景を見慣れている釜石市民にとって、視界いっぱいに広がる長大な水平線は新鮮な光景。沖を航行する船舶も見られ、参加者は盛んにスマホカメラのシャッターを切った。
 
半島の突端にそびえる御箱崎灯台。目の前には外洋の壮大な景色が広がる(左上写真)

半島の突端にそびえる御箱崎灯台。目の前には外洋の壮大な景色が広がる(左上写真)

 
水平線をバックに記念撮影。灯台までの完歩に参加者は充実の笑顔!

水平線をバックに記念撮影。灯台までの完歩に参加者は充実の笑顔!

 
 半島先端部南側には断崖を下った先に、同市が誇る景勝地「千畳敷」が広がる。約1億2千万年前、地中から上昇したマグマが冷え固まって花こう岩を形成。長い年月をかけて波の浸食を受け、現在のような荒々しい岩場が生み出されたとされる。同所は三陸ジオパークのジオサイトの一つにもなっている。散策路からは崖伝いに急峻、極狭の遊歩道があるが、下りるには十分な注意が必要。今回は参加者の安全を考慮して、上から眺める形にした。
 
巨大な岩、荒々しい岩肌が独特の景色を生み出している「千畳敷」

巨大な岩、荒々しい岩肌が独特の景色を生み出している「千畳敷」

 
長年の波の浸食で奇妙な形状に削られた花こう岩

長年の波の浸食で奇妙な形状に削られた花こう岩

 
天候によってさまざまな色合いを見せる千畳敷周辺の海

天候によってさまざまな色合いを見せる千畳敷周辺の海

 
 千畳敷から南東方向には、国の天然記念物に指定されている無人島「三貫島」が見える。市の鳥「オオミズナギドリ」の繁殖地で、市の木「タブノキ」に覆われる同市を象徴する島。参加者は見どころ満載の自然景観を存分に満喫し、昼食をはさんで往復約7.8キロを歩き抜いた。
 
千畳敷から望む「三貫島」(写真赤丸部分)

千畳敷から望む「三貫島」(写真赤丸部分)

 
 「誰かの力を借りないと来られない場所。すごく興味があり、一度来てみたかった」と谷藤敦子さん(79)。目の前に広がる大パノラマに、「おおらかな気持ちになり、思い切り空気を吸いたくなる。今日はばっちり見える眼鏡もかけてきた」と満面の笑み。土を踏みしめて歩くという街中ではできない体験も喜び、「これも健康だからできること。今、こうして歩けていることが一番の幸せ」とありがたさをかみしめた。
 
 今回の参加者の中で最高齢は永須由美子さん(83)。初めて訪れた箱崎半島に、「今まで歩いた中でもきついコース。距離も長いし。でも頑張って歩いた」と充実の表情。会話し、景色を見ながら歩くのが何よりの楽しみといい、同ウオーキング企画への参加を続ける。10年ほど前から意識的に歩くようになり、普段は自宅周辺を1時間ほど歩くのが日課。この日の帰路では他の参加者より一足早くゴールし、仲間を驚かせた。
 
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 講師の蓮見さんは市内3公民館で健康づくりのための体操指導などを行い、ウオーキングにも力を入れる。「歩かないと歩けなくなる。動かないと動けなくなる」をモットーに、認知症予防にもつながるウオーキングを高齢者らを中心に勧める。「箱崎半島にはいつかみんなを連れてきたいと思っていた。念願がかないうれしい。見どころいっぱいのコースはまだまだたくさんある。時には遠出しながら歩く楽しみ、脚を動かす大切さを伝えていければ」と話した。

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新園舎の完成祈願 小佐野保育園(釜石)で上棟式 祝いの風習・餅まきに園児ら大喜び

園の関係者と施工業者が屋根に上って餅まきし安全祈願

園の関係者と施工業者が屋根に上って餅まきし安全祈願

  
 園舎の新築建て替え工事を進めている釜石市小佐野町の小佐野保育園(小笠原真理子園長)で10月26日、上棟式があった。園児30人と園の職員、施工業者、地域住民らが集まり、工事の無事故と完成を祈願。祝いの風習だが、今では珍しくなった餅まきも行われ、子どもたちが夢中で記念の縁起物を拾い集めた。
   
 上棟式は建築儀礼の一つで、建物を新築する際に「完成後も建物が無事であるように」と願い、基本構造が完成して棟木を上げる時に行われるもの。酒や米などを飾った上で餅や硬貨をまくもので、これを拾うことで縁起が良いと言われている。
  
 時代の変化もあり、上棟式が行われることは珍しくなっており、施工を担当する山元(只越町)の現場代理人佐々木竜一さん(48)も「東日本大震災後は行っていないし、やる業者も少ないのでは」と話す。今回は「建物を建てる時の風習を子どもたちに教えたい」と企画。楽しい記憶として残してもらえるよう餅のほか、お菓子も用意した。
  
子どもたちは豪快にまかれた縁起物を夢中で拾い集めた

子どもたちは豪快にまかれた縁起物を夢中で拾い集めた

  
両手に抱えきれないほどの餅やお菓子に大満足の園児

両手に抱えきれないほどの餅やお菓子に大満足の園児

   
 上棟式の神事は、棟上げ後の建物の屋根上で執り行われ、園児らは園庭から見守った。伝統的な儀式の餅まきでは、同園を運営する社会福祉法人釜石愛育会(中妻町)の小野寺哲理事長らが餅や菓子を豪快にまき、園児らが歓声を上げながら受け取った。
  
 両手いっぱいに縁起物を抱えて大満足の子どもたちは、工事関係者に手作りのお礼状をプレゼント。「あたらしいほいくえんをつくってくれてありがとう!えんですごせるひをたのしみにしているよ」とわくわく感を伝えた。
  
たくさんの餅やお菓子を抱えて笑顔を見せる子どもたち 

たくさんの餅やお菓子を抱えて笑顔を見せる子どもたち

  
園児は工事関係者(中)にお礼状を贈って感謝を伝えた

園児は工事関係者(中)にお礼状を贈って感謝を伝えた

  
 工事は旧施設の老朽化解消や耐震化に対応した園舎整備のため、新しく建て替えるもの。木造一部2階建て、延べ床面積は約648平方メートル。7月に着工、来年1月下旬の完成予定で、同2月中の利用開始を目指している。子どもたちのたくさんの笑顔に触れた佐々木さんは「いいものをしっかり作りたい」と力をもらった。
  
新築建て替え工事が進む小佐野保育園。来年1月の完成を予定する

新築建て替え工事が進む小佐野保育園。来年1月の完成を予定する

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3年ぶり「釜石潮騒ウオーク」に121人 創立20年の釜石協会「息の長い活動を」

中心市街地に向かう「鉄と魚とラグビーのまち釜石潮騒ウオーク」の参加者=大渡橋

中心市街地に向かう「鉄と魚とラグビーのまち釜石潮騒ウオーク」の参加者=大渡橋

 
 岩手県ウオーキング協会(佐藤良介会長)主催の「第13回鉄と魚とラグビーのまち釜石潮騒ウオーク」は22日、釜石市東部地区を巡るコースで行われた。同協会が県内13コースで展開する「岩手路ウオークリーグ」の一環。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていたため、3年ぶりの開催となった。県内各地の協会員と一般参加者121人が集い、紅葉が始まった市内の景色を眺めながら元気に歩みを進めた。
 
 同大会は毎年秋に行われる。今回は発着点となる鈴子広場のリニューアル(本年4月)後、初めての開催。昨年、創立20周年を迎えた釜石市ウオーキング協会(桝井昇会長、会員54人)の節目を祝う記念大会として位置づけられた。出発式で県協会の佐藤会長は、ウオーキングの普及・発展に尽力してきた釜石協会の活動をたたえ、感謝の気持ちを表した。
 
 準備運動で体をほぐし、午前9時半に10キロ、5キロの各コースに分かれ、参加者がスタート。両コースとも大渡橋を渡り、最初の休憩地点・魚河岸テラスを目指して目抜き通りを進んだ。休憩後は、津波対策と市民の憩いの場を兼ねた盛り土避難路「グリーンベルト」へ向かった。2020年春に完成した歩道で、初めて大会コースに設定した。
 
午前9時半、5キロと10キロのグループに分かれ鈴子広場をスタート

午前9時半、5キロと10キロのグループに分かれ鈴子広場をスタート

 
震災から復興したまちの様子を見ながら歩みを進める。背後の建物は復興住宅=大町青葉通り

震災から復興したまちの様子を見ながら歩みを進める。背後の建物は復興住宅=大町青葉通り

 
港を一望できるグリーンベルトは普段から市民の散歩コースに。斜面には植樹された桜が育つ

港を一望できるグリーンベルトは普段から市民の散歩コースに。斜面には植樹された桜が育つ

 
 5キロコースは、港町のイオンタウン釜石前を通り、千年橋を渡って鈴子のゴールへ向かった。10キロコースは次の休憩地点・鉄の歴史館(大平町)を目指し、長い上り坂に挑んだ。釜石湾の美しい景色を横目に高台の同館へ。一息入れた後、湾を一望できる展望台“港の見える丘”に上った。帰りはカーブが連続する女坂(嬉石町)を下り、甲子川沿いの国道を通ってゴールした。
 
鉄の歴史館近くの展望台に向かう10キロコースの参加者。頂上まであと一息

鉄の歴史館近くの展望台に向かう10キロコースの参加者。頂上まであと一息

 
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待っていたのは釜石湾の絶景!思い出をスマホカメラに収めた

 
 花巻協会の橋本純子さん(63)は10キロに参加。「これだけの人数が集まる大会は久しぶり。コロナ下ではあるが外なので、あまり臆することなく歩いている。歩いて免疫力をつけることも大事」と3年ぶりの釜石路を満喫。東日本大震災後の同市にも思いを寄せ、「来るたびに街並みの変化を感じさせてもらう。来年で(発災から)12年になるが、コロナもあり復興は長い道のり。私たちも食事や買い物で応援を続けたい」と願った。
 
5キロコースの参加者も元気な足取りで進む

5キロコースの参加者も元気な足取りで進む

 
まだまだ余裕の表情!仲間との久しぶりのウオーキングを楽しむ

まだまだ余裕の表情!仲間との久しぶりのウオーキングを楽しむ

 
 釜石協会の小澤勲さん(79、栗林町)は「いつもは10キロだが、今回は知り合いと一緒に5キロで参加した。天気も良くて最高だね」と爽やかな表情。普段は趣味のアユ釣りの時期を除き、ほぼ毎日5~6キロ歩くといい、「習慣づけていないとだめ。歩くと体の調子も全然違う。家にこもってばかりでは老化に拍車がかかる」と気持ちを奮い立たせる。
 
 震災前まで釜石協会員だった菊池みさ子さん(84)は、市広報で参加者募集の告知を見て12年ぶりに参加。「思い切って申し込んで良かった。みんなに会えてうれしい」と声を弾ませた。震災で嬉石町の自宅が津波に襲われ、避難所、仮設住宅生活を経て只越町の復興住宅に入居した。「買い物に出かける時はできるだけ歩くようにしている。今日は力をもらった。これからまた頑張って暮らしていきたい」と菊池さん。
 
昨年、創立20周年を迎えた釜石市ウオーキング協会の会員。末永い活動を誓う

昨年、創立20周年を迎えた釜石市ウオーキング協会の会員。末永い活動を誓う

 
 釜石協会は2001年創立。毎月の例会ウオーキング、主催大会の運営、県協会行事への参加など精力的に活動を続けてきた。2代目の桝井会長(81)は「20年続いたのは、中心メンバーが会員を引っ張ってきてくれたおかげ」と感謝。釜石の大会には例年、多くの県内の仲間が集う。「他地域の大会にも積極的に出向き、交流を重ねてきた成果の表れ。今日もみんな知っている人ばかりで、涙がこぼれた」。会員の平均年齢は78歳。高齢化は進むが、「人とのつながりを大事にしながら、若い世代に引き継いでいきたい」と今後を見据える。
 
 同協会はコロナで1年延期していた20周年記念式典を11月13日に市内のホテルで開催する予定。

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60歳以上も生き生き就労 釜石市シルバー人材センター 奉仕活動で事業をアピール

清掃活動を行った釜石市シルバー人材センターの会員、職員ら=20日

清掃活動を行った釜石市シルバー人材センターの会員、職員ら=20日

 
 公益社団法人釜石市シルバー人材センター(前川公二理事長)は20日、港町のイオンタウン釜石周辺の歩道で清掃奉仕活動を行った。全国シルバー人材センター事業協会が定める10月の普及啓発促進月間にちなんだ活動。登録会員と職員約50人が参加し、縁石沿いや店舗前の植え込みに生える雑草を取り除いた。そろいの帽子とベスト姿で作業し、買い物客や道行く市民らにシルバーパワーをアピールした。
 
 活動は同センターの存在を広く知ってもらい、就労する会員や受託する仕事を増やすのが狙い。例年、中心市街地でごみ拾いなどの清掃活動を行っているが、今年は除草をメインにした。活動場所はイオン釜石の南側駐車場と店舗建物の間を走る市道沿い。会員らは作業を分担しながら、夏の間に伸びた雑草を鎌などを使って刈り、袋に詰めて回収した。来店や車両通行で人目につきやすい一帯は、約1時間半の作業ですっきりとした景観を取り戻した。
 
イオンタウン釜石前の道路沿いで行った除草作業

イオンタウン釜石前の道路沿いで行った除草作業

 
縁石周辺に生えた草を取り除き回収した

縁石周辺に生えた草を取り除き回収した

 
 同センターは60歳以上の人を対象に働く場を提供する。登録会員はセンターが自治体や企業、一般家庭などから受けた仕事を請け負う。派遣労働者としての就業も可能。仕事は草取り・刈り、植木のせん定、襖・障子張り、家事援助、施設管理、清掃、筆耕など多岐にわたる。
 
 会員の佐々木安美さん(69)は「社会とのつながりがほしい。頭の活性化にもなれば」と今年4月に入会。市内のコミュニティー施設で清掃業務に従事する。家族の介護でしばらく外での仕事から離れており、久しぶりの社会復帰。「生きがいを感じる。1日3時間と無理のない範囲でできるのもいい。やる気があれば年齢にかかわらず、いつからでも始められる」と就業の喜びを語る。
 
店舗前の植え込みの中の雑草も取り除いた

店舗前の植え込みの中の雑草も取り除いた

 
青空の下、奉仕活動に汗を流す会員ら

青空の下、奉仕活動に汗を流す会員ら

 
縁石周辺にたまった土も取り、見違えるほどきれいな環境に

縁石周辺にたまった土も取り、見違えるほどきれいな環境に

 
 同センターの登録会員数は332人(男266/女66、20日現在)。2000年代中ごろのピーク時には約580人が登録していたが、定年延長の広がりや東日本大震災後の人口減などで減少傾向が続く。前川英之事務局長は「高齢化の進展、定年延長で入会年齢が上がっており、管理的な仕事を求める人が増えている。肉体労働だけではなく幅広い業務を受けられるよう会員の増強、契約先の開拓を図り、双方の利益になる事業運営を目指していきたい」と話した。同センターの今年4~8月の受託額は約6300万円。前年同比5%増となっている。
 
 センターでは毎月第4木曜日午前10時から、浜町の事務所で入会説明会を開催。入会についての問い合わせや相談は随時、受け付けている。詳しくは同センター(電話0193・22・2182)へ。

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宇宙を旅した復興横断幕 いのちをつなぐ未来館(釜石・鵜住居町)で展示公開

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いのちをつなぐ未来館で展示中の「東北復興宇宙ミッション2021」横断幕

  
 東日本大震災発生から10年の節目に被災地の復興を発信する「東北復興宇宙ミッション2021」で、国際宇宙ステーション(ISS)から帰還した横断幕が、釜石市鵜住居町の「いのちをつなぐ未来館」で展示公開されている。同館を指定管理する「かまいしDMC」の社員有志でつくる天文部が市内各所で撮った星空の写真も紹介。「宇宙を身近に感じながら震災を考え、知るきっかけに」と期待する。11月4日までを予定する。
 
 宇宙ミッションは震災の記憶と教訓、復興支援への感謝を伝えるメッセージや写真、植物の種などを宇宙に送り、被災地の現状を発信するもの。一般財団法人ワンアース(茨城県龍ケ崎市)が企画し、東北被災3県の約50自治体が参加した。
 
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被災自治体が復興の姿や支援への感謝を伝える画像とメッセージを寄せた

 
 横断幕は2021年3月11日にISSで感謝のメッセージを読み上げた野口聡一宇宙飛行士のバックに掲示されていたもの。福島県川俣町特産の川俣シルクで制作され、ミッションに参画した各自治体が復興への思いなどを画像とともに記している。縦1・2メートル、横7メートル。同年2月20日にロケットで打ち上げられ、4カ月余り宇宙を〝旅〟し、7月10日に地球に帰還した。参加した各自治体で巡回展示されている。
 
 釜石が発信した画像は、市内小中学生が中心となって世界中に感謝を伝える活動「#Thank You From KAMAISHI 」を紹介。2019年に地元で開催されたラグビーワールドカップ(W杯)を盛り上げるための準備や試合会場での応援の様子、復活した三陸鉄道などを散りばめている。この横断幕のほか、市の花ハマユリの種もISSに〝滞在〟し、無事帰還した。
 
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釜石の子どもたちの笑顔で感謝を伝える。「ありがとう」

 
 同館職員の佐々学さん(43)は「宇宙を旅した特別な旗を見に来てほしい。震災を知らない子どもたちが増えているので、次世代への伝承にもつながれば」と期待する。
 
 天文部の活動で、市内の星空を収めた写真約20点も掲示。昨年の冬から今年の夏にかけて世界遺産・橋野鉄鉱山、根浜海岸などで見られたオリオン座や「天の川」を写した。「星」をテーマに、三陸ジオパークの箱崎半島を紹介するパンフレットも作成、同館で配布する。「釜石は星がきれい。そんな星空を楽しむことができる素晴らしい環境がある。宇宙を身近に感じることで地元の魅力を知ってほしい」と佐々さん。きらめく夜空を楽しみ続けるため環境を守っていこうと思いを強めている。
  
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宇宙ミッションのメッセージ集と星空ガイドブックを紹介する佐々さん

 
 

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釜石の秋味といえば? 甲子柿!出荷始まる 豊作傾向で色・形・味バランスよし

釜石の秋を象徴する甲子柿。目揃会で生産者らが出来を確かめた

釜石の秋を象徴する甲子柿。目揃会で生産者らが出来を確かめた

  
 釜石市の秋の味覚「甲子柿」の今季出荷が始まった。20日、甲子柿の里生産組合(佐々木裕一組合長、21人・5団体)は組合員が品質を確認する「目揃(めぞろえ)会」と、消費者目線で出来栄えを評価する審査会を開催。今年は病害や天候の影響が少なく豊作傾向で、生産者らは収穫・出荷作業と忙しい日々が続く。「色や形、つや、食味のバランスがいい」とのお墨付きをもらい、伝統の味を全国に届けようと一層作業に熱を込める。
  
 甲子柿は、渋柿の一種の小枝柿を「柿室(かきむろ)」と呼ばれる暗室に入れ1週間ほどいぶし、渋を抜く地域伝統の製法で作られる。完熟トマトのような色味とぷるんとした食感、凝縮された甘味が特長。近年は豊富な栄養素も注目され、2021年には国の2つの制度(地理的表示[GI]保護制度、機能性表示食品)で特性が認められた。
  
 目揃会は甲子町の洞関コミュニティ消防センターで開かれた。関係者ら約20人が参加。生産者8人が化粧箱に詰めた柿を持ち寄り、色つやや大きさなど仕上がりを確認した。今年は夏場に雨量が多く、気温も高めだったが、台風による被害がなく、順調に成育。落葉病など病害の影響も少なかったが、最近ちらほらと葉などに斑点ができる農家もあり、防除について情報共有した。
  
実を手に取って色つや、重さを確認

実を手に取って色つや、重さを確認

  
豊作に顔をほころばせる生産者ら

豊作に顔をほころばせる生産者ら

  
 同町洞泉地区で10年前から生産に励む菊池永人さん(47)は「実が採りきれないほど。これまでで最高になりそう。糖度が高くて、おいしさも期待できる」と手応えを実感。ブランド化を進める中で、摘果など栽培管理に力を入れる生産者が多いが、「うちはほとんど手入れをせず自然任せ。昔ながらの小ぶりな実で季節の味を届けたい」と意欲を見せる。
  

3年目の審査会 「いぶしの製法」継承を期待

  
出品された甲子柿の見た目を審査する委員

出品された甲子柿の見た目を審査する委員

  
 審査会は大町の市民ホールTETTOで開かれ、9人の組合員が出品した。食や農業に関わる企業や団体の関係者らが委員(12人)となり、消費者目線で▽見た目(色、つや、傷の多少)▽味(甘さ、いぶし風味の有無、脱渋具合)▽食感―を審査。結果、9品全てが地方発送や各種販売会への出荷に値する品質と判断された。
  
柿を食べ比べ、甘さや食感などを確かめた

柿を食べ比べ、甘さや食感などを確かめた

  
 市農政推進協議会長で県食の匠の佐々木かよさん(71)は「味、形、つやがそろっているし、甘くて甲乙つけがたい。優秀で立派なものばかり。釜石の特産品、秋の味を楽しんでもらえる」と高評価。審査委員長の黒田博幸さん(51)=麻生三陸釜石工場総料理長=も「バランスよし」と太鼓判を押し、「いぶすという独自の製法を守り、継承してほしい」と期待した。
  
柿室でいぶす伝統の製法で作られ、真っ赤に色づいた甲子柿

柿室でいぶす伝統の製法で作られ、真っ赤に色づいた甲子柿

  
 この審査会は甲子柿の品質向上と品質統一化に向けた取り組みで、3年目の実施。佐々木組合長(72)は「凶作の昨年に比べると出来が良く、豊作にほっとしている。みなさんの声を糧にさらに頑張っていく」と力をもらった。出荷作業は例年通り11月中旬ごろまで続く見込みで、「気温の寒暖差が大きく、天気予報とのにらみ合いは続く。柿室の温度や湿度管理に気を配り、ハイレベルな品質、収量を確保したい」と気を引き締めた。
  
 市内では道の駅釜石仙人峠(甲子町)や一部スーパーなどで販売中。市外への認知度向上、販路拡大に向け、▽らら・いわて盛岡店対面販売会(10月25日、11月4、5日)▽伊丹空港「空の市」(10月29、30日)▽仙台藤崎百貨店GI産品フェア(11月11、12日)―への参加を予定している。