水中花火、スターマイン…釜石港に光の大輪 3千発の花火に市民、帰省客ら歓声


2023/08/18
釜石新聞NewS #地域

名物の水中花火などで楽しませた「釜石納涼花火2023」=11日、釜石港

名物の水中花火などで楽しませた「釜石納涼花火2023」=11日、釜石港

 
 釜石市の夏の夜を彩る納涼花火2023(市、釜石観光物産協会主催)は11日、釜石港で開催された。東日本大震災犠牲者の鎮魂、まちの活性化を願い、約3千発を打ち上げ。港周辺に設けられた4つの観覧場所で市民や帰省客、観光客らが夜空を焦がす光の競演に酔いしれた。主催者によると、4カ所の人出は計約1万3千人。昨年より約3千人増えた。
 
 花火の打ち上げは、震災復興支援で釜石市とつながる秋田県大仙市の大曲の花火協同組合(小松忠信代表理事=小松煙火工業代表取締役)が担当。職人16人が来釜し、午後7時過ぎから約1時間にわたって、43のプログラムで見物客を楽しませた。
 
 震災犠牲者にささげる鎮魂の花火「白菊」からスタート。4~8号玉、スターマインの打ち上げ花火のほか、小型船が移動しながら仕掛ける水中花火が次々に繰り出された。圧巻は海面上に半円形に広がる水中花火。岸壁に陣取った客はその大きさと音の迫力に歓声を上げた。観光物産協会は今年からホームページで、全プログラムと花火のタイトルを公開。発想力豊かなネーミングも目を引いた。
 
さまざまな色彩や形の花火が見物客を魅了した

さまざまな色彩や形の花火が見物客を魅了した

 
日本製鉄の桟橋クレーンと花火の競演は釜石の花火大会おなじみの光景

日本製鉄の桟橋クレーンと花火の競演は釜石の花火大会おなじみの光景

 
海面に映る光も美しい港ならではの花火大会=港町の観覧エリアから撮影

海面に映る光も美しい港ならではの花火大会=港町の観覧エリアから撮影

 
 神奈川県横浜市の矢吹春花さん(27)は釜石にある父親の実家に帰省中。おじ、おばらと魚市場会場で花火見物を楽しんだ。「釜石の花火はコロナ前以来。今年はぜひ見たいと思って」と前日に釜石入り。「水上花火が特に良かった。夏を満喫できた」と喜び、「コロナ禍も明けてみんなで楽しめるようになってうれしい。台風もあるので14日に戻る。新幹線が動きますように」と願った。
 
 釜石市松原町の大久保友結さん(11)は浴衣姿で花火見物。「小さいのも大きいのもあって、色がとてもきれい。また見たいと思った。今日のことは絵日記に書く」と夏の思い出を心に刻んだ。父幸徳さん(41)は「いつもイオン側から見ていたが、初めて魚市場側に足を運んだ。最高でしたね。子どもたちも喜んでくれた」と満面の笑顔。コロナ禍で中止になった2020、21年の2年間は「待ち遠しかった。夏はやっぱり花火がないとね」と、盆前恒例イベントの再開を歓迎した。
 
出店は昨年同様、魚市場と港町の2カ所に設置。夕方から大勢の人でにぎわった

出店は昨年同様、魚市場と港町の2カ所に設置。夕方から大勢の人でにぎわった

 
夏の夜空を色鮮やかに染める花火。見物客は目と耳で堪能

夏の夜空を色鮮やかに染める花火。見物客は目と耳で堪能

 
子どもも大人も花火に夢中。多くの人がスマホカメラ片手に見入った

子どもも大人も花火に夢中。多くの人がスマホカメラ片手に見入った

 
 同市の花火大会は震災後、安全上の観点から観覧場所を指定して行われる。2019年からは市魚市場(魚河岸)、港町岸壁、同グリーンベルト、イオンタウン釜石屋上(港町)の4カ所を指定。コロナ5類移行で各種規制が緩和された今夏は、マスクをはずして花火を楽しむ人たちが多かった。主催者は「事故なく、多くの皆さんに楽しんでいただけた」と協力に感謝。

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