子どもだけじゃない!? 大人だって楽しむ 釜石・栗林小PTA 川遊びで見せる本気


2023/08/16
釜石新聞NewS #地域

友達と川遊びを楽しんで夏休みの思い出をつくる栗林小の子どもたち

友達と川遊びを楽しんで夏休みの思い出をつくる栗林小の子どもたち

  
 釜石市の栗林小PTA(小笠原亮会長)の親子行事「川遊び」は5日、栗林町道々橋付近の鵜住居川河川敷で行われた。夏休みの恒例行事だが、新型コロナウイルス禍で開催できない状況が続いていた。夏空の下、集える喜びに子どもも大人も大はしゃぎ。ただ、近年は夏の暑さに気を配る必要もあり、子どもたちの笑顔を広げようと温かい思いを持つ親たちは熱中症対策にも大忙しだった。
   
 栗林小(八木澤江利子校長、児童32人)の児童とPTA、教職員ら約50人が参加。水着やウエットスーツ、ライフジャケットを身に着けた子どもたちは川で泳いだり水の中の生き物を探したり、びしょぬれになりながら思い思いに遊びを満喫した。
  
道々橋そばの河川敷は子どもたちの遊び場の一つ

道々橋そばの河川敷は子どもたちの遊び場の一つ

 
何がいるかな?小さない水中生物探しを楽しむ姿も

何がいるかな?小さない水中生物探しを楽しむ姿も

   
 この行事に欠かせないものが、父親らの手づくり「いかだ」。以前はタイヤのゴムチューブとすのこ板を組み合わせた形だったが、乗り降りの時にけがの心配もあったことから、今回は発泡スチロールとビニール、ロープを使った改良版を用意。ロープを大人がコントロールし、安全に川下りを楽しめる仕様。いかだに乗った子どもたちは足をばたつかせて水をかけ合ったり、河川敷で見守る母親らに手を振ったりしていた。
  
いかだはお父さんたちの手作り。乗り心地もよさそう

いかだはお父さんたちの手作り。乗り心地もよさそう

 
いかだをコントロールする大人たちの動力は子どもの笑顔

いかだをコントロールする大人たちの動力は子どもの笑顔

   
 5年の栗澤桂人君は「ボートが一番。滑ってきついけど楽しい。水も気持ちいい」と笑顔を弾けさせた。「小学校生活最後の夏だから、みんなと川遊びができて良かった」と頬を緩めたのは6年の佐々木さやかさん。カゲロウなど水中生物をつかまえて年下の子に見せたりしていて、「自然が豊かでいいところ」と地域への愛着を深めた。
   
 この日は岩手県内に熱中症警戒アラートが発令され、教員らが気温や湿度から算出する「暑さ指数」を測定、確認しつつ実施。県教委が部活動などを中止する基準とする31度を超えなかったため、予定時間いっぱい活動を続けることができた。合間には保護者らが買い出しに行き、涼を感じる状態のスポーツドリンクやアイスで水分補給。休憩時間も設けて予防対策には熱を込めた。
  
暑さ指数を確認するなど熱中症対策にも気を配った

暑さ指数を確認するなど熱中症対策にも気を配った

   
 「大人も本気で遊ぶのがこの行事の特徴」と小笠原会長(37)。自身は魚突きもりを手に水中探索に夢中で、「子どもの頃、夏休みの水遊びといえばこの川で、アユ釣りをしたり。自然相手に遊べる機会を残したいから、大人になっても懸命に遊ぶ姿を見せたい」とちゃめっ気たっぷりに笑った。この行事は昼食にバーベキューを味わうのが定番だが、今年は熱中症だけでなく、感染症予防もあって実施を見送った。
 
子どもに負けじと大人たちも笑顔を広げた川遊び

子どもに負けじと大人たちも笑顔を広げた川遊び

  
 八木澤校長は「子どもを思う心が根づく地域。自然に親しませてもらい、ふるさとを大事に思う気持ちが育っている」と感心する。夏は水にまつわる事故を耳にすることが多くなるが、川遊び行事は危険な場所などを知る機会にもなると指摘。大人たちがしっかり準備し見守ることで、「安全を実感できただろう」と目を細めた。
   
 次にPTAの親たちが本気を見せるのは秋に予定されている同校の学習発表会「栗っ子祭り」。自分たちも楽しむことで子どもたちの笑顔を広げようと意気込んでいる。
 
 

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