中学生7人が自らの体験、考えを堂々発表 「わたしの主張」釜石地区大会 県大会へ代表決定


2023/09/06
釜石新聞NewS #地域

わたしの主張釜石地区大会の出場者(前列)と主催者ら

わたしの主張釜石地区大会の出場者(前列)と主催者ら

 
 2023年度わたしの主張釜石地区大会(同実行委主催)は8月28日、大槌町文化交流センターおしゃっちで開かれた。釜石市、大槌町の7中学校から代表弁士各1人が出場。学校生活や地域との関わりの中で感じたこと、より良い社会の実現への提言など自身の思い、考えを自分の言葉で発表した。最優秀賞を受賞した釜石中3年の大下桜雅さんが、9月13日に盛岡市で行われる県大会に出場する。
 
 大会は次代を担う中学生の健全育成などを目的に、防犯団体、教育機関などが実行委を組織して毎年開催。本年度は新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い有観客で行われ、出場者の家族や大槌学園8年(中2)の生徒らが耳を傾けた。
 
各弁士の発表に家族や仲間、関係者が耳を傾けた

各弁士の発表に家族や仲間、関係者が耳を傾けた

 
 弁士は1人5分の持ち時間で発表。部活動やボランティア活動、地域の人との出会いから学んだこと、病に苦しむ人を支えられる社会への提言など、それぞれの体験を基に率直な意見が述べられた。4人の審査委員が論旨、表現、態度の項目で採点。総合点で3賞の受賞者が決まった。
 
右:千葉雫さん(大平中)=私を変えてくれたもの 左:小笠原愛光さん(釜石東中)=みんなが前向きに明るく生きるために

右:千葉雫さん(大平中)=私を変えてくれたもの 左:小笠原愛光さん(釜石東中)=みんなが前向きに明るく生きるために

 
右:倉本華さん(吉里吉里中)=「出会い」は世界を変える 左:髙清水琳世さん(大槌学園)=言葉の影響力

右:倉本華さん(吉里吉里中)=「出会い」は世界を変える 左:髙清水琳世さん(大槌学園)=言葉の影響力

 
右:森真心さん(甲子中)=誰かの笑顔のために 左:香川彩夏さん(唐丹中)=負けから学ぶこと

右:森真心さん(甲子中)=誰かの笑顔のために 左:香川彩夏さん(唐丹中)=負けから学ぶこと

 
 最優秀賞を受賞したのは「誰かの笑顔のために」と題して発表した釜石中3年の大下桜雅さん。病気などで髪を失った人のウィッグを作るための「ヘアドネーション」に取り組む大下さんは、小学3年時にテレビ番組で見た髪を伸ばす男子高校生の姿に刺激を受け、「自分も誰かの助けになりたい」と髪を伸ばし始める。「女子みたい」とからかわれたり、手入れの苦労もあったが、「応援してくれる友達がいて頑張れた」という。弁論では、提供される毛髪がまだまだ少ないという実態も紹介。「(ヘアドネの活動は)自分1人の力で成り立つものではない。活動を理解し実行する人が増えることで、困っている多くの人を笑顔にすることができる」と訴えた。
 
最優秀賞を受賞した釜石中3年の大下桜雅さん。ヘアドネーションについて思いの丈を発表

最優秀賞を受賞した釜石中3年の大下桜雅さん。ヘアドネーションについて思いの丈を発表

 
 小学校卒業時に1回目の毛髪の寄付をし、現在2回目を目指し伸ばし続ける大下さん。願うは「男女隔てなく(ヘアドネを)できるような社会」の実現。今回の弁論も「みんなに知ってもらえる機会」と捉え、夏休み開始とともに練習を続けてきた。本番は「ちょっと早口になってしまったかも」と改善点を見いだし、「県大会では釜石地区代表として最優秀賞を狙って頑張りたい」と意気込んだ。
 
 優秀賞は中総体卓球競技での敗戦から学んだことを発表した唐丹中3年の香川彩夏さん、優良賞は老人福祉施設などでの歌のボランティア活動を題材にした森真心さんが受賞した。
 
(右から)優良賞の森真心さん、優秀賞の香川彩夏さん、最優秀賞の大下桜雅さん

(右から)優良賞の森真心さん、優秀賞の香川彩夏さん、最優秀賞の大下桜雅さん

 
実行委の岩渕善吉会長(釜石地区防犯協会連合会会長)から表彰状が手渡された

実行委の岩渕善吉会長(釜石地区防犯協会連合会会長)から表彰状が手渡された

 
 審査委員長を務めた大槌町教委の松橋文明教育長は「自分の体験に照らし合わせながら、さらには他の人にも共感を呼ぶような内容」と出場者をたたえ、各弁論について感想を述べた。出場者には主催者から図書カードや記念の楯が贈られた。

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