トルコ・シリア地震の救援金を野田釜石市長に託す「かまいし絆会議」の中学生ら
釜石市内14小中学校(小9・中5)の児童生徒らでつくる「かまいし絆会議」は3月22日、大地震で被害を受けたトルコ、シリアの救援に役立ててもらおうと、各校の募金活動で集まった38万9243円を日本赤十字社(日赤)に託した。2011年の東日本大震災で受けた支援への“恩返し”、一日も早い現地復興への願いを込め、自主的に行動した。
中学校の代表6人(2年)が市役所を訪問。唐丹中生徒会長の香川彩夏さんが日赤県支部釜石市地区長を務める野田武則市長に目録を手渡した。香川さんは「東日本大震災で支援してくれた方々への恩返しの気持ちを込め、募金活動を実施した。少しでもトルコ、シリアの復興が進めばいい」と願った。一人一人思いを発表。釜石中の三浦海斗さんは「全校生徒が快く募金してくれた。困っている方にいち早く届けば」、甲子中の畠山偉利さんは「現地の状況が良くなり、健康に暮らせるようになればと思い活動した」と述べた。
救援金の目録を野田市長に手渡す唐丹中の香川彩夏さん(右)
各校の代表が募金活動に込めた思いを発表した
野田市長は「世界各国で災害が起きている。こうした募金活動が今、私たちにできる唯一のことではないか。皆さんが自ら考え、行動してくれたことは本当に頼もしく心強い」と感謝した。同席した髙橋勝教育長は「1校の力は小さくても市内全校の力を合わせれば、大きなこともできる。仲間意識を持ち、どんどんチャレンジしてほしい」と呼び掛けた。
大平中で行われた募金活動(写真提供:大平中)
呼び掛けに応え、募金に協力する生徒(写真提供:大平中)
募金活動は2月下旬から3月初旬にかけて各校で実施。釜石東中では生徒会執行部が中心となり、募金箱を作って朝の昇降口で協力を呼び掛けた。同校は東日本大震災の津波で校舎が全壊した。久保朱璃さんは「東中は当時、たくさんの支援で助けてもらった。トルコ、シリアの状況は人ごとではない。しっかり恩返ししたいという気持ちで募金に取り組んだ」と話す。
同市は市所管の施設に5月29日まで募金箱を設置し、トルコ・シリア地震救援金の協力を呼び掛けている。設置場所は▽市役所第一庁舎1階市民課窓口▽市保健福祉センター2階地域福祉課窓口▽シープラザ釜石2階国際交流課窓口▽市内8地区生活応援センター▽魚河岸テラス▽根浜シーサイド▽いのちをつなぐ未来館▽道の駅釜石仙人峠。寄せられた救援金は全額、日赤を通じて現地の救援・復興支援のために使われる。