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第32回釜石よいさ 開催御礼

9月23日(土)に開催されました「第32回釜石よいさ」は、おかげさまで盛況のうちに終了いたしました。秋晴れに恵まれ、「うのスタよいさ」も「アフターよいさ」も大きな事故やトラブルなく開催出来ましたこと、心よりお礼申し上げます。

 

東日本大震災による中断期間を超える3年間の休止を経ての復活開催に当たっては、時代の趨勢を見据えた新しい形へのチャレンジを決めた中で、賛否を含む様々なご意見や熱い想いをお寄せ頂き、時には不安に苛まれ、時には意欲をかき立てられながら準備に当たって参りました。

 

協賛のお願いに伺うことも憚られるような世情の不安定な折、スポンサー協賛やご寄付など多大なご厚意を頂きましたことは、開催資金としてはもとより、内容を充実させるための大きな推進力となりました。
特にも、子供たちが楽しめるコンテンツの充実は、たくさんのご協賛を頂けたことによるものです。多くのご厚意がたくさんの元気な笑顔に繋がったと思います。ありがとうございます。
 
3年の中断によって参加団体内での引継ぎも難しかったであろう中、待ってました!とご参加下さった馴染みの団体の皆様には、コロナ禍以前と同じように新しい釜石よいさも楽しんで頂けたようですと幸いです。
また、今年初めてご参加下さった皆様や、今回は体制が整わず参加を見送った団体の方々には、開催の形は未定ですが、次回再び参加をご検討頂けますことを願っております。
観に来て下さる方、イベントとして楽しんで下さる方々に喜んで頂きたいのももちろんですが、釜石よいさを誰よりも楽しんで頂きたいのは参加団体の皆様です。ぜひまたみんなで踊りましょう!

 

「4年ぶりのよいさの風景」と「新しいよいさの風景」が一つに重なり合い、“よいさ囃子に心を乗せて 三年溜めた笑顔を放て”のテーマ通り、子供からお年寄りまでたくさんの笑顔が溢れた一日となりました。
あらためまして、ご協賛・ご寄付を下さった皆様、参加団体や飛び入り参加で盛り上げて下さった皆様、会場や配信でご観覧下さった皆様、開催にご協力下さった各方面の皆様に、心より感謝申し上げます。

参加団体

正福寺幼稚園、甲東こども園、上中島こども園、かまいしこども園、五葉寮・三峯の杜・アミーガはまゆり合同有志、沿岸広域振興局チーム、釜石シーウェイブスRFC、かまっこよいさ!、鼓舞櫻会 桜舞颶美(ハナグミ)、(福)陽風会 仙人の里、(同)ZEN PROJECT、日本製鉄グループ、双葉小学校6年1組、釜石市役所有志、UBSグループ有志、救護介護スタッフチーム、ほか飛び入り参加の皆様

協力団体

釜石市、釜石商工会議所、(一社)釜石観光物産協会、岩手県交通(株)、三陸鉄道(株)、釜石市民ホールTETTO、(株)及川工務店

協賛(五十音順)

(株)青紀土木、イオンタウン釜石同友店会、(株)石井建設、(株)井戸商店、岩手缶詰(株)、(一社)岩手県建設業協会釜石支部、岩手ダイハツ販売(株)、(株)エイワ、SMC(株)釜石工場、オオバヤシマサヒデ 様、OZAWA GROUP、(株)かまいしDMC、(一社)釜石医師会、釜石瓦斯(株)、(一社)釜石観光物産協会、釜石鉱山(株)、釜石市役所五月会、釜石商工会議所、釜石まちづくり(株)、釜石旅館ホテル組合、釜石レミコン(株)、釜石ロータリークラブ、釜石ベイシティホテル、(株)木村架設工業、(株)Grafica、ケセン元気玉プロジェクト、(株)小鯖船舶工業、(株)近藤商店、サノヨリコ 様、産業振興(株)北日本事業所、三陸ブロードネット(株)、(宗)正福寺/正福寺幼稚園、セントラル釜石店、(福)陽風会 仙人の里、Senvan(同)、(同)ZEN PROJECT、(株)大同マネジメントサービス三陸支店、(有)ダイワ、(株)津田商店、テヅカサヤカ 様、(株)テツゲン東北支店、東陵総業(株)、中田薬局、(有)仲野石材店、日蓮宗 日高寺、日鉄興和不動産(株)、日鉄テックスエンジ(株)東北支店、日鉄物流釜石(株)、日東自動車工業(株)、日本製鉄グループ、濱幸水産(株)、(株)浜千鳥、東日本旅客鉄道(株)盛岡支社 釜石駅、(有)飛行船、ヒラマツフクヒサ 様、(有)藤倉建設、藤勇醸造(株)、(有)藤原土木、宝来館、北海道NSソリューションズ(株)、ホテルフォルクローロ三陸釜石、マエダツヨシ 様、養老乃瀧釜石店/つぼ八釜石店、三浦設備(株)、焼肉モランボン、(株)八幡建設、(有)ヤマキイチ商店、(株)山長建設、(株)山元、(株)ユアテック釜石営業所、(株)四ツ家建設、Raymond Wong 様

釜石よいさ実行委員会

釜石よいさ実行委員会

釜石よいさは釜石の夏の風物詩として市民から親しまれているお祭りです。

問い合わせ:080-1194-0413 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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笑顔生む「釜石よいさ」4年ぶり開催 街を活気づける新たな形 継承へ手応え

「よいさ!」。かけ声に合わせて舞うよいさ小町

「よいさ!」。かけ声に合わせて舞うよいさ小町

  
 第32回「釜石よいさ」(同実行委員会主催)は23日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続き、屋外での通常開催は4年ぶり。「笑顔を生み出す場」を心待ちにしていた15団体約550人が熱い群舞を繰り広げ、見守る市民らにも“はっちゃけた笑顔”が連鎖した。
   
 よいさは釜石製鉄所の高炉休止を受け、街に活気を取り戻そうと1987年に始まった。東日本大震災で中断したが、2013年に再開。コロナ禍で再び中止され、オンラインで踊りを発信するなど代替企画を催し伝統をつないできた。
  
 近年は経費や交通規制、運営人員不足など課題もあり、継続の形を模索。今回は、会場を市中心部から交通規制のない場所に移した。夏の風物詩として定着していたが、開催時期も猛暑を避けて8月から9月に変更。社会情勢の変化に対応すべく、新たな形を試験的に取り入れた。
  
多くの人でにぎわう釜石鵜住居復興スタジアム

多くの人でにぎわう釜石鵜住居復興スタジアム

  
 「さぁさ、よいやっさー」。午後1時、開会が宣言されると、おはやし隊の笛や太鼓に合わせ威勢のいいかけ声が響いた。13人の「よいさ小町」があでやかに前ばやしを披露し、本番がスタート。企業や団体、学校などが趣向を凝らしたスタイルで踊りの輪を広げた。
   
企業や学校、団体が笑顔を添えて踊りまくる

企業や学校、団体が笑顔を添えて踊りまくる

  
おはやし隊が威勢のいいかけ声と音色で盛り上げる

おはやし隊が威勢のいいかけ声と音色で盛り上げる

  
かわいらしい踊り手ばかりの「こどもよいさ」

かわいらしい踊り手ばかりの「こどもよいさ」 

   
 保育施設の子どもたちによる「こどもよいさ」は元気いっぱいにかわいらしい踊りを披露。双葉小6年生(29人)は保護者らを含め総勢約50人で輪に加わった。宮川友梨香さんは「ソーランの半被と鳴子の音を楽しんでもらえたらうれしい。踊るのはきついけど楽しい。いい思い出になる」とはにかんだ。
  
ソーランの半被、鳴子を手に元気に踊る双葉小6年生

ソーランの半被、鳴子を手に元気に踊る双葉小6年生

  
複数の団体が入り混じってパレードの輪をつくった

複数の団体が入り混じってパレードの輪をつくった

   
 特別養護老人ホーム仙人の里(甲子町)を利用する久保昭三さん(95)は「人がいっぱいでいい感じ。祭り、好きだ」とにこにこ顔。コロナ禍、施設では厳重な感染対策が求められ地域交流は難しかった。5類移行を受け、明るく頑張る姿を発信しようと初参加。生活相談員の佐藤啓祐さん(38)は「たまったものを発散できた。リフレッシュして、これからの力に」と表情は明るかった。
   
「明るく頑張ってます」。にぎやかな仙人の里チーム

「明るく頑張ってます」。にぎやかな仙人の里チーム

  
よいさの熱演に観客は拍手を送ったり、まねしたり

よいさの熱演に観客は拍手を送ったり、まねしたり

   
 山田町の石山健二さん(83)、三恵さん(78)夫妻は、小町として舞う孫3人の姿に「かわいかった。自慢だ」と目じりを下げた。よいさ観賞は初めてで、「踊りが流れているようで面白い。ゆっくり見ることができて良かった」と喜んだ。
   
市中心部に会場を移し行われた「アフターよいさ」

市中心部に会場を移し行われた「アフターよいさ」

   
 もう一つの試みが、大町の市民ホールTETTO前広場で行われた“アフターよいさ”。地元出身のフリーアナウンサー・民謡歌手の佐野よりこさんが「釜石小唄」を歌って盛り上げ、うのスタに行けなかった人らが踊りの輪をつくって楽しんだ。
  
 水産加工技能実習生のゴ・ティ・グェットさん(27)は「ベトナムにはないお祭り。みんなで一緒に踊って楽しい」とほほ笑んだ。コロナ禍前に参加したことのあるホアン・ティ・トゥイさん(26)は「待ってたー」と、うのスタもアフターも満喫。広く開放的なうのスタの印象もよく、「来年も踊りたい」と望んだ。
   
餅まきも大盛況。笑顔あふれる「よいさ」が復活

餅まきも大盛況。笑顔あふれる「よいさ」が復活

   
 実行委によると、うのスタとアフターを合わせた来場者は約4300人。実行委員長の一人、宍戸文彦さん(48)は多くの笑顔に触れ、「地域に祭りは必要だ」と実感した。会場の集約で救護や警備などに効率の良さも感じた様子で、「さらに手法を考え、改善していけば、もっと良くなる」と未来を見据えた。
   
 「はっちゃけた笑顔がたくさん。来年もよいさで会いましょう」

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4年ぶり サンマの塩焼きに長蛇の列 釜石まんぷくフェス 各地の“おいしいもの” 今年も一堂に

焼きたてのサンマを受け取り、笑みを広げる来場者=釜石まんぷくフェス2023

焼きたてのサンマを受け取り、笑みを広げる来場者=釜石まんぷくフェス2023

 
 釜石市内外の味覚を一堂に集めた「釜石まんぷくフェス2023」が16、17の両日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。釜石観光物産協会(新里進会長)が主催。17日は同スタジアムで、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を記念した「釜石絆の日」の交流試合も行われ、多くの来場者が食とラグビー観戦で初秋の休日を楽しんだ。
 
 市内外の食に関する業者など24店が出店。各地で親しまれる麺メニュー、揚げ物、串焼き、デザートなど多彩な味が並んだ。ピザやカレーの有名店のキッチンカーも。来場者は会場内を回りながら好みの商品を買い求め、その場で味わったり持ち帰り用に袋に入れてもらった。
 
 多くの来場者が楽しみにしていたのが、サンマの塩焼きのお振る舞い。新型コロナウイルス感染症の影響によるイベントの中止などがあったため4年ぶりの実施となり、1日500匹の提供に両日とも長蛇の列ができた。
 
午前11時からのお振る舞いを前にサンマ焼きに追われる市職員ら

午前11時からのお振る舞いを前にサンマ焼きに追われる市職員ら

 
ノンアル飲料で乾杯!青空の下で秋の味覚サンマを堪能する来場者

ノンアル飲料で乾杯!青空の下で秋の味覚サンマを堪能する来場者

 
 盛岡市の山崎勇さん(59)は「一番の目当てはサンマ」と妻、友人夫婦と来場。近年、記録的不漁で高値が続くサンマに「大好きなんだけど、もう庶民の食べ物じゃなくなりつつある…」と苦笑い。この日は青空の下で、秋の味覚を存分に堪能した。趣味のオートバイのツーリングで、釜石など沿岸部にはよく足を延ばす。「今日はホタテ焼きもいただいた。肉の無料試食も。いいイベントですね」と声を弾ませた。
 
大勢の人でにぎわうフェス会場=17日昼ごろ

大勢の人でにぎわうフェス会場=17日昼ごろ

 
シイタケ栽培を手がけるマルイ舗装はシイタケのアヒージョ(左下)なども販売

シイタケ栽培を手がけるマルイ舗装はシイタケのアヒージョ(左下)なども販売

 
 県産牛・豚肉の無料試食で人気を集めたのは県食肉事業協同組合連合会。食肉表示指導員の渡辺修司さん(73)は「おいしい国産牛肉、豚肉を知ってもらう機会。舌で覚えた味は忘れない。こういうイベントを機に、スーパーなどでもぜひ手に取ってほしい」とアピール。同連合会は東日本大震災後、同市青葉通り(大町)や魚市場などでお振る舞いを行い、被災者らを助けた。復興が進み、各種イベントを開催できるまでになった釜石に「すごくいいこと」と渡辺さん。
 
県産牛・豚肉を焼いて無料試食の場を提供した県食肉事業協同組合連合会

県産牛・豚肉を焼いて無料試食の場を提供した県食肉事業協同組合連合会

 
 釜石市と交流がある県外市区町からの出店もあった。釜石製鉄所の合理化で2千人以上が移住した愛知県東海市は官民の交流を背景に2007年、釜石市と姉妹都市提携。両市の産業、物産イベントには互いに出店し合っている。今回は東海商工会議所が同市の特産品を販売し、上々の売れ行きを見せた。
 
 同商議所中小企業相談所係長の秋元美穂さん(59)は、製鉄所で働く父の転勤で1970年に東海市に移住。古里釜石のイベント出店には9回同行し、両市の深いつながりを実感している。「釜石への出店希望者は多い。また、東海市に釜石の物産を持っていくと釜石出身者は『懐かしい』と喜んでくれる」。両市は災害時の相互応援協定(2003年)も結ぶ。「東海市もいつ大規模地震災害に見舞われるか分からない。平時からの助け合いは災害時にもきっと役立つと思う」と秋元さん。「定年後はプライベートで」と、引き続きの釜石訪問を望んだ。
 
えびせんべい、知多コーラ、ふところ餅…など東海市の名物を販売した東海商工会議所のブース

えびせんべい、知多コーラ、ふところ餅…など東海市の名物を販売した東海商工会議所のブース

 
たくさんのシャボン玉に子どもたちは大喜び!「うのスタメモリアルリバース」=16日

たくさんのシャボン玉に子どもたちは大喜び!「うのスタメモリアルリバース」=16日

 
 会場内では、農産物などを販売する「かまいし軽トラ市」も同時開催。自衛隊、警察、消防車両を展示公開する「働く自動車展」(17日開催)、シャボン玉マシンによる場所の記憶再生プロジェクト「うのスタメモリアルリバース」(16日同)も行われた。

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岩手が誇る3世界遺産を学ぶ 釜石・大平中1年生 県職員の出前授業で興味倍増

大平中1年生を対象に行われた県職員による世界遺産出前授業

大平中1年生を対象に行われた県職員による世界遺産出前授業

 
 釜石市の大平中(髙橋信昌校長、生徒80人)で13日、本県の世界遺産について学ぶ授業が行われた。県文化振興課が県内の小中高生を対象に開く出前授業で、同校では初開催。1年生19人が同市の「橋野鉄鉱山」を含む3遺産の概要や登録理由などを学び、その価値に理解を深めた。
 
 同課主任主査の濱守豊司さん(49)が講師を務め、クイズ的要素を交えながら楽しい授業を行った。本県の世界遺産は「平泉(の文化遺産)」(2011年登録)、「橋野鉄鉱山」(15年同)、「御所野遺跡」(21年同、一戸町)の3つ。橋野鉄鉱山は明治日本の産業革命遺産(8県11市23資産)、御所野遺跡は北海道・北東北の縄文遺跡群(4道県13市町17資産)の構成資産の一つとして登録された。いずれも世界文化遺産。
 
 濱守さんは「現在、登録されている世界遺産は1157件。日本では25件。世界遺産が3つあるのは岩手、鹿児島、奈良の3県だけで国内最多」と説明。本県の注目点として、時代が分かれている(御所野:約5000年前、平泉:約800年前、橋野:約160年前)ことを挙げた。3遺産の概要、登録理由についても解説した。
 
県文化振興課の濱守豊司さんが岩手の世界遺産について教えた

県文化振興課の濱守豊司さんが岩手の世界遺産について教えた

 
三択のクイズで正解と思うものに手をあげる生徒

三択のクイズで正解と思うものに手をあげる生徒

 
 「御所野遺跡」は縄文時代中期後半の集落跡とされ、竪穴住居跡などが残る遺跡。調査で土屋根だったことが証明されており、全国的にも珍しい形態だという。住居のそばにクリの木があり、実は食料に、木は家の柱に使うなど「自然の恵みを上手に活用して暮らしていたのが縄文人」と濱守さん。出土した土器も見せ、自然と共生した定住集落の構造がよく分かることを登録理由に挙げた。御所野を含む同遺跡群は国内最古の世界文化遺産。
 
 「平泉」は有名な中尊寺、毛越寺のほか無量光院跡など3資産を含む5つの構成資産から成る世界遺産。平安時代、奥州藤原氏4代にわたって造られた平泉は、初代清衡の「争いのない理想郷を」との願いから、仏教の「浄土」を参考に国づくりが進められていった。唯一現存する「中尊寺金色堂」、柱跡だけが残る「無量光院」は、当時の首都・京都から優秀な技術者を呼んで造らせたとされる。濱守さんは「当時の平泉はそのぐらい力があり、栄えていた土地だったことが分かる」と説明した。
 
 「橋野鉄鉱山」は国内で現存する最古の洋式高炉跡を有する場所。3基の高炉の石組みが残り、(鉄鉱石の)採掘場跡、運搬路跡とともに世界遺産になっている。「洋式高炉の稼働で、丈夫な鉄を一度にたくさん作れるようになった。今の豊かな生活があるのは、洋式高炉での製鉄に成功した釜石のおかげ」と、歴史的価値を示した。 
 
縄文土器、かわらけ(平安)など3遺産の時代の出土品にも触れた

縄文土器、かわらけ(平安)など3遺産の時代の出土品にも触れた

 
土器のかけらの手触りや重さを確かめる生徒

土器のかけらの手触りや重さを確かめる生徒

 
 生徒らは濱守さんの問いに積極的に受け答えしながら授業に臨み、本県が誇る世界遺産について理解を深めた。生徒らは8月末には、同市の製鉄の歴史を学ぶ一環で、手作りのミニ高炉での鉄づくりも体験している(市主催)。
 
 授業中、熱心にメモを取っていた照井心陽さんは、まだ行ったことがない御所野遺跡に興味を持った様子。「クリの木の近くに竪穴住居を作っていたのは初耳。よく考えて暮らしていたんだなと思った」。復元した土屋根の住居があると聞き、「中に入ってみたい。面白そう」と縄文文化の体験に期待を膨らませた。
 
 積極的に発言していた菊地優也さんは「平泉の金色堂が日本で最初に国宝(建物)に指定されたことや世界遺産が日本に25件しかないことなど、知らなかったことが知れた。岩手に3つも世界遺産があるのはすごい。他の遺跡のことも調べてみたい」と、知的好奇心をくすぐられていた。
  
生き生きとした表情で世界遺産授業に臨む生徒

生き生きとした表情で世界遺産授業に臨む生徒

 
生徒らは興味深げに濱守さんの話に聞き入った

生徒らは興味深げに濱守さんの話に聞き入った

 
 県による世界遺産出前授業は毎年、希望校が多い人気の講座。今年度は約120校から応募があり、うち30校で実施されている。

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釜石市議会、改選後初の臨時会 新人5人を含む全18議員 顔をそろえ、議長など選出

改選後初めて開かれた釜石市議会の臨時会

改選後初めて開かれた釜石市議会の臨時会

 
 任期満了に伴う釜石市議選(岩手県)は9月3日投開票され、定数18に対し21人が立候補、現職13人、新人5人が当選した。党派別では、公明2、共産1、無所属15で、女性は2人。改選後初となる釜石市議会の臨時会は15日に開かれ、正副議長選が行われた。投票の結果、議長に千葉栄氏(70)=21世紀の会=、副議長には佐々木聡氏(55)=令和クラブ=が選ばれた。既存の創政会、令和クラブ、21世紀の会、公明党に加え、新たに民政クラブが結成されるなど会派の再編も固まった。
  
 議長選には千葉氏と古川愛明氏(76)=創政会=が立候補。千葉氏は「議員活動の活性化、議会の監視機能や政策立案機能を充実、強化していく。市民のための議会として健全な運営に誠心誠意取り組む」と訴えた。一方、古川氏は「議会のワンチーム化」など4つの取り組みを挙げ、「市政課題について議員が徹底的に討議し、結論を導き出す環境を整える。市民に開かれた議会を目指す」と支持を呼びかけた。
 
 全議員18人が単記無記名式で投票。千葉氏が11票、古川氏が7票で、千葉氏が新議長に決まった。
 
 副議長選は佐々木氏がただ一人立候補。15票を獲得し、広く支持を得た。「議長を支え、議会の活性化や発展を着実に進めたい。市当局、市議会、市民の3つの連携、連動を重点に置いて頑張っていく」と所信を述べた。
 
議長の千葉栄氏(上)、副議長の佐々木聡氏

議長の千葉栄氏(上)、副議長の佐々木聡氏

  
 会派再編では、改選前と同数の5会派が結成を届け出た。既存の創政会(磯﨑翔太代表)と令和クラブ(菊池秀明代表)がそれぞれ4人、21世紀の会(佐々木義昭代表)は3人となった。公明党(山﨑長栄代表)は2人のまま。新会派の民政クラブ(三浦一泰代表)には3人が所属する。改選前は5人の最多会派があったが、今回は中小規模が横並びの状態となった。
 
 新人5人のうち、井筒健太郎氏(49)と菊地広隆氏(40)は創政会、工藤聡一郎氏(29)は令和クラブ、佐藤憲弘氏(50)は民政クラブに所属。村田信之氏(57)、2期目の深澤秋子氏(66)はそれぞれ単独で活動する。
 
 臨時会の合間には議員協議が行われ、総務、民生、経済の3常任委員会(各6人)、議会運営委員会(7人)の構成も決まった。
 
 釜石市議会の会派、委員会構成は次の通り。
 ◆会派構成(◎は代表者)
 ▽創政会(4人)◎磯﨑翔太、古川愛明、井筒健太郎、菊地広隆
 ▽令和クラブ(4人)◎菊池秀明、佐々木聡、高橋松一、工藤聡一郎
 ▽21世紀の会(3人)◎佐々木義昭、千葉栄、野田忠幸
 ▽民政クラブ(3人)◎三浦一泰、遠藤幸徳、佐藤憲弘
 ▽公明党(2人)◎山﨑長栄、細田孝子
 ◆委員会構成(◎は委員長、〇は副委員長)
 ▽総務常任委(6人)◎磯﨑翔太、〇深澤秋子、山﨑長栄、遠藤幸徳、井筒健太郎、千葉栄
 ▽民生常任委(6人)◎三浦一泰、〇工藤聡一郎、細田孝子、佐々木義昭、村田信之、佐々木聡
 ▽経済常任委(6人)◎野田忠幸、〇佐藤憲弘、菊池秀明、古川愛明、高橋松一、菊地広隆
 ▽議会運営委(7人)◎菊池秀明、〇古川愛明、細田孝子、遠藤幸徳、佐々木義昭、高橋松一、菊地広隆

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釜石-フランス架け橋に 中学生6人、出発前に結団式 姉妹都市交流・ラグビーW杯観戦にワクワク

フランスでの体験学習事業に参加する釜石市の中学生

フランスでの体験学習事業に参加する釜石市の中学生

  
 釜石市の中学生がフランスを訪問する海外体験学習事業の結団式が15日、市役所であり、4校から参加する1~3年生6人が決意を表明した。24日~10月1日の8日間の日程で、姉妹都市ディーニュ・レ・バン市の学校訪問やホームステイ、同時期に同国で開催される2つのワールドラグビーの試合観戦などを行いながら現地の人たちと交流し、友好を深める。
 
 同事業はオーストラリアを訪問先に行っていたが、ここ数年は新型コロナウイルスの影響で中断していた。本年度は、来年4月にディーニュ市との姉妹都市提携30周年を迎えることから、交流を深めるのが狙い。東日本大震災の復興支援として多くの後押しもあったことから、感謝を伝える機会にもする。
 
 釜石も舞台となった2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。今、同国で熱戦が繰り広げられているのに加え、初開催のワールドアマチュアラグビーフェスティバルに「いわて釜石チーム」も出場することから、2つの大会の観戦、応援を通して、2019W杯のレガシー(遺産)継承にもつなげる。
 
 一行は、25日にフランス入りし、ディーニュ市のホストファミリー先へ。27日まで滞在して現地の中学校で生徒との交流や市長表敬、施設見学を楽しむ。マノスク市にある化粧品メーカー「ロクシタン社」も訪問。震災で被災した大町の青葉ビル再建に向けた支援などへの感謝を伝える。28日は同フェスティバルの試合を観戦し、ラグビースクールの子どもたちと交流。トゥールーズ市に移動し、W杯の日本とサモアの戦いを見る。29日はリヨンに移動し、帰国の途に就く。
 
結団式で決意や抱負を語る中学生たち

結団式で決意や抱負を語る中学生たち

 
 結団式では参加メンバーが紹介され、それぞれ決意表明。佐々木渚央さん(釜石中3年)、佐藤威伸さん(大平中3年)、津田紗良さん(唐丹中2年)は異文化交流を楽しみに「積極的にコミュニケーションをとる」と意欲を見せ、前川航紳さん(釜石中3年)はフランスの文化や言語を学ぶ貴重な機会を得たと感謝した。
 
 ラグビー好きで経験もある三浦心友姫さん(甲子中3年)は「W杯を見てレガシーやラグビー意欲を高めたい。新しい考え方や視野を広げられたら」と期待。白石恋菜さん(同1年)は「選手たちが最高のパフォーマンスをできるよう精いっぱい応援してくる。たくさん学んで、吸収できるよう頑張る」と意気込んだ。
 
派遣中学生を市や学校の関係者が激励した

派遣中学生を市や学校の関係者が激励した

 
 野田武則市長は、▽復興応援の感謝を伝える▽2つの大会に関わる人や選手たちが持つ情熱に触れる―といった任務を示しながら、「フランス訪問というまたとないチャンス。自分たちの次なる活動につながるよう楽しみながら学んできてほしい」と激励。高橋勝教育長も、心を弾ませている6人に「もっとワクワクして。体験や学びを通していろんなことを考え、気づきを得てきてほしい」と期待した。派遣団フラッグ、同フェスティバルに関連した事業で同国の子どもたちと交流する平田小と鵜住居小の児童がメッセージを書き込んだペナントを渡して送り出した。
 
 6人は7月から事前研修(全9回)に取り組んできた。フランス出身者による語学講座のほか、ディーニュ市との姉妹都市交流のきっかけや経緯、釜石の復興の歩み、W杯釜石開催のレガシーを学習。その学びを生かし、現地の青少年との交流プログラムで感謝の気持ちや釜石の魅力をPRしてくる。
 
 

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震災復興支援に長期尽力「ボブさん、ありがとう」 被災者らが再来日歓迎のジャズコンサート

ボブ・ゲラステッドさんの来釜を歓迎するジャズコンサート=新生釜石教会

ボブ・ゲラステッドさんの来釜を歓迎するジャズコンサート=新生釜石教会

 
 東日本大震災後、釜石市に暮らしながら2019年まで被災者支援に尽力したボブ・ゲラステッドさん(67)=米フロリダ州在住=が10日、同市を訪問。大町の日本キリスト教団新生釜石教会(柳谷雄介牧師)で市民らの歓迎を受けた。仮設住宅入居時に支援を受けて以来、交流を続ける同市野田町の澤田和三さん(69)が、音楽仲間とゲラステッドさんが好きなジャズを演奏。野田武則市長も駆け付け、長きにわたる支援に対し感謝の気持ちを伝えた。
 
 ゲラステッドさんは今回、北海道への用事で来日。約7年半暮らした釜石市にも足を延ばした。同教会の日曜礼拝に出席。礼拝後、ピアノでバンド活動を続けてきた澤田さんが仲間2人と、ジャズのスタンダード「ムーンライト・セレナーデ」「スターダスト」など7曲を演奏。支援への感謝と再会の喜びを伝えた。
 
ピアノ、ベース、ボーカルの3人でジャズを演奏

ピアノ、ベース、ボーカルの3人でジャズを演奏

 
スマホカメラを向けながら演奏を楽しむボブ・ゲラステッドさん(左)

スマホカメラを向けながら演奏を楽しむボブ・ゲラステッドさん(左)

 
 ゲラステッドさんは1978年に初来日。日本語を勉強しながら神奈川県で2年ほど暮らした後、米国に戻り神学校に入った。牧師となり、91年に家族とともに再来日。日本バプテスト宣教団の協力牧師として京都府などで暮らしていた。2011年の東日本大震災発生後、同団が結成したボランティア組織「東北ケア」の一員として被災地で活動。釜石市には同年8月に入り、米国から届く支援物資を被災者に配布したり、仮設住宅で応援イベントを開くなど物心両面で支え続けた。12年3月、共に活動してきた妻グロリアさんと同市に移住。各種支援が減っていく中、生活困窮者に衣類や食料の支援を続け、釜石・大槌の各所でお茶っこの会を開くなど息の長い活動を行った。19年10月まで釜石にいたが、高齢の義母の世話のため母国に戻った。
 
2012年5月に平田第6仮設団地で開かれた東北ケアの支援イベント=写真提供:澤田和三さん

2012年5月に平田第6仮設団地で開かれた東北ケアの支援イベント=写真提供:澤田和三さん

 
支援活動を行うボブさん(左)、グロリアさん(右)夫妻=写真提供:澤田和三さん

支援活動を行うボブさん(左)、グロリアさん(右)夫妻=写真提供:澤田和三さん

 
子どもたちを楽しませる趣向も。仮設団地の広場で行われたレク活動=写真提供:澤田和三さん

子どもたちを楽しませる趣向も。仮設団地の広場で行われたレク活動=写真提供:澤田和三さん

 
 新型コロナウイルス禍でしばらく来日はかなわなかったが、今年4月に再来日。今回はジャズ演奏のサプライズも受け、心に残るひとときを市民らと楽しんだ。「今も毎日、釜石のことを思い祈り続けています」と話すゲラステッドさん。震災から12年を経て、まちの復興が進み、住民が明るさを取り戻してきたことに安堵(あんど)の表情を浮かべる。当時、釜石で耳にした「絆」という言葉―。大変な状況下で力を合わせて頑張っている姿が脳裏に深く刻まれている様子で、「ここで出会った人たちのことは決して忘れることはない。大切な友達。これからも良い将来があるよう祈っています」と願いを込めた。
 
さまざまな支援に感謝する野田武則市長(右)

さまざまな支援に感謝する野田武則市長(右)

 
 野田市長は「少しでも(被災者の)心が和むようにと、いろいろとご支援をいただいた。おかげさまでここまで復興を成し遂げることができた。改めてお礼を申し上げたい。次の世代にもこのことを伝えていかねば」と感謝の気持ちを伝えた。
 
 コンサートを企画した澤田さんは、震災の津波で大槌町の自宅を失った。釜石の友人宅での避難生活を経て、同市平田公園多目的グラウンドに開設された仮設住宅に入居。そこでゲラステッドさんと出会い、物資の提供を受けるなど大変世話になった。趣味の音楽でもつながり、澤田さんがバンド活動を再開すると、ゲラステッドさんはコンサートにも足を運んでくれた。「仮設に入ると支援物資が来なくなり、生活に困る人も出てきた。そんな時、ボブさん夫妻が手を差し伸べてくれた。冬服などもいただき本当にありがたかった」と振り返る。
 
ボブさん(右)に感謝し、ピアノを演奏する澤田和三さん(左)

ボブさん(右)に感謝し、ピアノを演奏する澤田和三さん(左)

 
 この日のコンサートで澤田さんは「ボブさんの気持ちに響けば…」と心を込めて演奏。今もフェイスブックで連絡を取り合う仲で、「無二の親友。これからもずっとつながりを持ち続けたい」と望んだ。コンサートは「ボブさんの功績を多くの人に知ってほしい」との思いもあり、関係者の協力を得て実現させた。

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4年ぶり「釜石よいさ」9/23うのスタで 存続への課題見据え、新たな形を模索

TETTO前広場で行われた釜石よいさの公開練習。お囃子隊、よいさ小町が参加

TETTO前広場で行われた釜石よいさの公開練習。お囃子隊、よいさ小町が参加

 
 新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていた釜石市の夏祭り「釜石よいさ」(同実行委主催)が4年ぶりに復活する。これまで市中心部の目抜き通りを会場に8月初旬に開催されてきたが、今年は9月23日に鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムの敷地内で行われる。実施にかかる各種課題の解決を図り、「未来に残せる新たな形」を目指すための試行的な取り組み。本番に向け、お囃子(はやし)隊と祭りの華「よいさ小町」の練習が大詰めを迎える。
 
 お囃子隊25人、よいさ小町14人は8月25日から練習を開始。今月6日は大町の市民ホールTETTOで公開練習を行った。学業や仕事を終えて夕方から集まったメンバー。太鼓や笛の音に合わせ、前囃子・本囃子の踊りを見学者の前で披露した。
 
前囃子を披露する「よいさ小町」。今年もしなやかな踊りで観客を魅了する

前囃子を披露する「よいさ小町」。今年もしなやかな踊りで観客を魅了する

 
お囃子の要「大太鼓」は男性陣が担う。勇壮な振り付けも見どころの一つ

お囃子の要「大太鼓」は男性陣が担う。勇壮な振り付けも見どころの一つ

 
祭り囃子に欠かせない笛を吹くメンバー(手前)

祭り囃子に欠かせない笛を吹くメンバー(手前)

 
小太鼓は中学生から社会人まで女性陣が担当

小太鼓は中学生から社会人まで女性陣が担当

 
 4年ぶりということもあり、お囃子、小町ともに初参加のメンバーが多い。大太鼓に挑戦する佐藤薫さん(35、秋田県出身)は、2020年に地域おこし協力隊として同市に移住後、起業。「地域の中でもっと楽しいことを」と祭り参加を決めた。「郷土芸能団体に所属していなくても参加できる祭りは貴重。よそ者(移住者)にも開かれた釜石ならでは。非常にありがたい」。初めての太鼓に難しさを感じつつも「みんなで盛り上がれるよう、精いっぱい頑張りたい」と意気込む。
 
よいさ小町に姉妹で参加する石山穂乃花さん(中左)、紗也花さん(中右)、友里花さん(右)とお囃子で参加する母秀子さん(左)

よいさ小町に姉妹で参加する石山穂乃花さん(中左)、紗也花さん(中右)、友里花さん(右)とお囃子で参加する母秀子さん(左)

 
 よいさ小町に3姉妹で初参加するのは、地元出身の石山穂乃花さん(24)、紗也花さん(22)、友里花さん(19)。釜石で働く姉2人に大学生の妹。「よいさを踊るのは幼稚園以来」という紗也花さんは「小町の踊りは日常にはない動き。いろいろな筋肉を使う」と笑い、「踊ることは好きなほう。みんなでそろえて、見ている人に驚きと感動を与えたい」と本番を楽しみにする。3姉妹の母秀子さん(52)は小太鼓で協力する。親子4人での祭り参加に「今はそれぞれが忙しい日々を送り、4人そろうこともなかなかない。いい思い出になりそう」。以前から「釜石を盛り上げたい」との思いがあり、「できることで元気を発信する一助になれれば」と期待を込める。
 
「よいさ!」の掛け声も元気に。笑顔で踊る石山友里花さん(中)

「よいさ!」の掛け声も元気に。笑顔で踊る石山友里花さん(中)

 
 32回目となる今回の祭りには15団体560人が参加を予定する。地元ラグビーチーム「釜石シーウェイブスRFC」、団体に所属しない子ども参加の受け皿となる「かまっこよいさ」など3団体が初参加。参加者数はコロナ前の約半分の規模となる見込み。当日は午後1時から午後4時まで同スタジアムのメイングラウンド外周通路で“うのスタよいさ”、午後6時15分から午後7時まで市民ホールTETTO前広場で“アフターよいさ”を開催。スタジアムではフードコーナー、おまつり広場も設ける。
 
今年の釜石よいさ会場となる釜石鵜住居復興スタジアム。グラウンド外周通路(舗装)で踊る

今年の釜石よいさ会場となる釜石鵜住居復興スタジアム。グラウンド外周通路(舗装)で踊る

 
 釜石よいさは1987年、釜石製鉄所の高炉休止で活気を失ったまちに元気を取り戻そうと地域の若者らによって始められた。2011年の東日本大震災でまちが甚大な被害を受け、2年間中断後、13年に復活。19年まで継続したが、コロナ禍で再び中止を余儀なくされた。本年の復活開催にあたり実行委は、コロナ禍前から課題となっていた経費や交通規制、運営人員不足などの問題解決へ抜本的改革が必要と考え、同スタジアムでの試験開催を決めた。実行委の下村達志事務局長(48)は「規模を縮小せざるをえない状況下で、いかに残していくか。コスト削減で行きついたのがうのスタ。一度やってみて、その結果を基に来年以降の形を検討していきたい」と話す。
 
踊りの振りや姿勢を互いにチェックし合う小町

踊りの振りや姿勢を互いにチェックし合う小町

 
公開練習後、当日着る衣装を確認。本番へ気持ちを高める

公開練習後、当日着る衣装を確認。本番へ気持ちを高める

 
 実行委員長(3人体制)の一人、佐久間定樹さん(41)は「いろいろな声はあるが、新しいチャレンジはよいさを未来につなげるため。普段、スタジアムに足を運ぶことがない人もぜひ飛び入りで参加して」と呼び掛ける。

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広報かまいし2023年9月15日号(No.1816)

広報かまいし2023年9月15日号(No.1816)
 

広報かまいし2023年9月15日号(No.1816)

広報かまいし2023年9月15日号(No.1816)

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【P1】
表紙

【P2-3】
第1回ワールドアマチュアラグビーフェスティバル フランス大会への道 Vol.4

【P4-5】
かまいし起業人
地域活性化起業人鈴木清志さん 活動紹介

【P6-7】
新型コロナワクチン接種のお知らせ

【P8-9】
釜石市消防団 団員募集中
動物愛護週間 他

【P10-11】
こどもはぐくみ通信
市民のひろば 他

【P12-13】
まちの話題

【P14】
結婚新生活補助金
釜石市長選挙 他

【P15-17】
まちのお知らせ

【P18-19】
保健案内板
保健だより

【P20】
釜石よいさ

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023091200041/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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きれいだから守りたい!子どもたちが見つめる「釜石の海」 絵画コンクールでイキイキと

イオンタウン釜石店で開催中の「海の日」絵画コンクール作品展

イオンタウン釜石店で開催中の「海の日」絵画コンクール作品展

  
 青い海と空が続く風景、海の中で暮らす多様な生き物、家族や友達の笑顔があふれる浜辺―。「釜石の海」をテーマに、色鮮やかに生き生きと表現した子どもたちの作品が、釜石市港町のイオンタウン釜石2階イベントスペースに並んでいる。釜石市「海の日」実行委員会(会長・野田武則市長)が募集した絵画コンクールの展示会。応募のあった全作品を18日まで鑑賞できる。9日には表彰式があり、入賞者に賞状や記念品が贈られた。
 
 コンクールは海の恩恵に感謝する「海の日」の普及が目的。市内のこども園や幼稚園、保育園など11施設から計137点が寄せられた。審査で金賞1点、銀賞1点、銅賞2点、特別賞として市長賞2点、釜石海上保安部長賞と釜石港湾振興協議会賞の各1点が選ばれた。
 
表彰状を手に笑顔を見せる入賞者、実行委関係者ら

表彰状を手に笑顔を見せる入賞者、実行委関係者ら

 
 表彰式で、野田市長は「震災直後の絵は真っ黒だったが、年々明るい色が多くなっている。海の中だけでなく、周りの環境にも目を向けた絵も出展されている。これからも素晴らしい海に興味や関心を持ちながら成長してほしい」と期待。釜石海保の虻川浩介部長が「生き物、家族、友達の笑顔いっぱいに楽しさを表現した作品ばかり。きれいな海を未来に残そうという希望を感じた」と講評した。
  
 金賞に輝いた甲東こども園の平野志凰(しおう)さん(6)の作品は「大観音が見守る海」。スマートフォンで写真を撮るのが好きで、「きれいだね~」と感じて写した風景を画用紙に描いた。表彰状を手に「うれしい。海、きれいだから守りたい」とはにかんだ。
 
入賞作品の前で記念にパチリ。うれしさを写真に残した

入賞作品の前で記念にパチリ。うれしさを写真に残した

 
 ほかの入賞者の作品タイトルは、▽およいでいるさかなたち▽ひきぶねまつり▽かぞくみんなでカニとり▽ゆうやけのうみ▽ワンピースかいぞくせん▽うみでおよいでいるよ▽かもつせん―。ここからも個性あふれる視点が感じられる。ほかにも、遠足や釣り、深海などをテーマに色彩豊かな作品が集合。市民や買い物客らに地域の海の良さを発信している。
 
青いキャンバスにイキイキと描かれた「釜石の海」がずらり

青いキャンバスにイキイキと描かれた「釜石の海」がずらり

 
運転手や歩行者に注意を促す交通安全ポスター展も実施中

運転手や歩行者に注意を促す交通安全ポスター展も実施中

 
 展示会場近くでは、釜石市交通安全ポスター展(市交通安全対策協議会主催)も開催中。市内の小中学生が制作した、飲酒運転追放や安全な道路横断、スマホを使いながらの車や自転車の「ながら運転」への警告、自転車に乗る際のヘルメット着用など交通ルールの順守を呼びかける作品約80点を掲示する。16日からは2階中央通路に移動し、最終日の18日まで見ることができる。

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県内外のクラフト作家 釜石・TETTOに大集合 対面販売、製作体験 新たな出会いの場創出

県内外からの出店があった釜石市民ホール主催イベント「きっとてっと」

県内外からの出店があった釜石市民ホール主催イベント「きっとてっと」

 
 釜石市大町の市民ホールTETTO(谷澤栄一館長)で3日、手作り品の販売やトーク、映画などを楽しめるイベント「きっとてっとwith釜石手仕事マルシェ」(同館主催)が開かれた。さまざまな“出会い”“つながり”の場にしてもらおうと企画。釜石青年会議所、かまいしDMC、釜石まちづくり会社が共催した。館内は一日を通して多くの来場者でにぎわい、たくさんの交流の輪が広がった。
 
 県内外から55店が出店した。ハンドメイドのアクセサリーや和洋の雑貨、木製品などの販売のほか、似顔絵、占い、アロマテラピーの提供も。ハーバリウム、点描アートの製作、多肉植物の寄せ植えを体験できるコーナー、各地で人気の軽食メニューの販売もあり、来場者は興味をそそられながら各ブースを回った。
 
美大出身の伊藤和香さん(盛岡市)の似顔絵コーナーに足を止める来場者

美大出身の伊藤和香さん(盛岡市)の似顔絵コーナーに足を止める来場者

 
フルーツピクルスのドリンクなどを販売した「ピクルスの森FUMOTO」(盛岡市)

フルーツピクルスのドリンクなどを販売した「ピクルスの森FUMOTO」(盛岡市)

 
「どれにしようかな?」かわいいアクセサリーに子どもも目がくぎ付け

「どれにしようかな?」かわいいアクセサリーに子どもも目がくぎ付け

 
 「かわいいものばかりで目移りしちゃって。あれもこれも…」。アクセサリーコーナーで声を弾ませた大槌町の越田歩夢さん(24)。「手作りで一点ものなのもいい」と魅了され、「とりあえず一通り回ってから決めようかな」とほほ笑んだ。最近、おしゃれに目覚めたという長女朝比ちゃん(3)は、歩夢さんに買ってもらったイヤリングをさっそく身に着けてにっこり。親子で女子ならではの楽しみを満喫した。
 
 プリザーブドフラワーやドライフラワーをガラス瓶に入れ、専用オイルで満たす人気のインテリア小物「ハーバリウム」の製作体験コーナー。市内の80代女性は「作業は大変だけどきれい」と完成品を手に大喜び。普段は趣味でアクセサリー作りを楽しみ、友人にもプレゼント。「ものづくりはできた時のうれしさが格別。失敗しながら何度も挑戦したりするとなおさら」と魅力を語った。
 
インテリア小物としても人気の「ハーバリウム」の製作体験。出来栄えを想像しながら作業に集中

インテリア小物としても人気の「ハーバリウム」の製作体験。出来栄えを想像しながら作業に集中

 
 ハーバリウム講師の千葉祐衣さん(37)=花と香りの雑貨Nine Horses=は一関市から出店。「開けた空間で人の出入りも多いイベント。長時間滞在し、ゆっくり過ごしている方も多いよう」と好印象。「沿岸にもすてきな作家さんが多い。こういう機会を通じてもっと輪が広がっていけば」と期待した。
 
 手仕事マルシェは昨年、釜石青年会議所が初開催。今年はTETTOのイベントと抱き合わせにすることで、さらなる誘客、交流の促進を狙った。多種多様な出店は、釜石市上中島町で革製品の製作販売を行う佐々木郁子さん(49)=Shifa=の声掛けによるところが大きいという。内陸部のイベントに出店する機会が多い佐々木さん。各地で知り合った作家仲間に参加を呼び掛けると、予想以上の反応があったという。「イベントは商品や顔を知ってもらう絶好の機会。地元釜石でも開催が増えていけば」と願った。
 
釜石市で革製品の製作販売を行う「Shifa」の佐々木郁子さん(中央)。「店に足を向けるきっかけにも」と地元でのイベント開催を喜ぶ

釜石市で革製品の製作販売を行う「Shifa」の佐々木郁子さん(中央)。「店に足を向けるきっかけにも」と地元でのイベント開催を喜ぶ

 
多肉植物の寄せ植え体験。会場内には「やってみたい!」をかなえるブースが複数並んだ

多肉植物の寄せ植え体験。会場内には「やってみたい!」をかなえるブースが複数並んだ

 
奥州市の伊藤えりかさん(flor de Luz)は点描アートを紹介。体験者も興味津々

奥州市の伊藤えりかさん(flor de Luz)は点描アートを紹介。体験者も興味津々

 
 人と人をつなぐ仕掛けは他にも。「自然と共に生きる―ここで暮らしていきたい理由(わけ)」と題したトークセッションでは、震災などを機に釜石、大槌に移り住んだ4人をゲストに迎え、普段の暮らしぶりについて話を聞いた。釜石市甲子町を拠点に林業や木製品の製作販売を行う石塚勇太さん=森結(もりむすび)=は本業のかたわら、自然観察や森林学習の講師、森での遊びイベントの企画を手がける。「森には子どもの創造性、発想性を広げる力がある。地域に開かれた自然の遊び場を作りたい」と、釜石発の“里山復活”への夢を語った。
 
自然との共生をテーマにしたトークセッション。ゲストの石塚勇太さん(中)=森結、兼澤幸男さん(右)=MOMIJI(大槌町)

自然との共生をテーマにしたトークセッション。ゲストの石塚勇太さん(中)=森結、兼澤幸男さん(右)=MOMIJI(大槌町)

 
 障害の有無、国籍、性別、年齢などにかかわらず、互いを認め共生する「インクルーシブ社会」実現への一助にと、バリアフリーを意識した映画上映会も開催。車いす、バギーのまま入場可能な平場のスペース、明るめの照明、控えめの音響…。誰もにやさしい鑑賞環境を整え、来場者を迎えた。
 
 イベントには市内外から1千人以上が足を運び、魅力的な人、物との出会いを楽しんだ。
 
終始、人の流れが続いた「きっとてっと」。来年の開催にも期待!

終始、人の流れが続いた「きっとてっと」。来年の開催にも期待!

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岩手のおいしい野菜、肉を食べて元気に 食の楽しみPR 上中島こども園に県食育キャラバン

「県食育普及啓発キャラバン」上中島こども園に来園=8月29日

「県食育普及啓発キャラバン」上中島こども園に来園=8月29日

 
 釜石市の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児50人)に8月29日、岩手県の食育普及啓発キャラバンが来園。園児らは紙芝居やクイズ、ダンスを通して、食べることの大切さ、食品ロス削減について学んだ。キャラバン隊の訪問は県内4カ所目。
 
 県職員や本県の農畜産物を全国にPRしているJA全農いわての「いわて純情むすめ」など8人が訪問。楽しく学べる教材で園児らに食育を行った。純情むすめの髙橋美有さん(24)、村中咲心さん(19)は本県のおいしい食べ物の紙芝居を披露。豊かな自然と畜産農家の愛情で育てられる「いわて牛」と「いわて純情豚」を紹介し、「おいしいお肉はパワーの源。しっかり食べて毎日を元気に過ごそうね」と呼び掛けた。
 
紙芝居を上演する「いわて純情むすめ」の髙橋美有さん(左)と村中咲心さん

紙芝居を上演する「いわて純情むすめ」の髙橋美有さん(左)と村中咲心さん

 
園児らは岩手のおいしいお肉についてお勉強

園児らは岩手のおいしいお肉についてお勉強

 
野菜の名前を当てるクイズは大盛り上がり!にぎやかな声が響いた

野菜の名前を当てるクイズは大盛り上がり!にぎやかな声が響いた

 
 野菜の絵を見せて名前を当てるクイズも実施。絵を見せると園児らはすぐに「ダイコン!」「タマネギ!」「キュウリ!」などと声を上げ、正解すると大喜び。純情むすめの2人は「お腹の調子を良くしてくれる」「血をサラサラにしてくれる」など、それぞれの野菜が体にもたらす効果も教えた。
 
 近年、問題になっている「食品ロス」を知ってもらおうと、消費者庁が作成した絵本「たべものかいじゅうあらわる!?」も読み聞かせた。採りすぎた野菜や果物、作りすぎた料理、食べ残しの山…。まだ食べられるものを捨ててしまうことにならないよう、日ごろから食べ物を大切にすることを教えた。最後は県3R(リデュース、リユース、リサイクル)推進キャラクター「エコロル」ちゃんが登場。みんなで食育ダンスを踊って楽しんだ。
 
食べ物にちなんだ振り付けで踊る食育ダンス。エコロルちゃんと一緒に!

食べ物にちなんだ振り付けで踊る食育ダンス。エコロルちゃんと一緒に!

 
振りをまねて食育ダンスを楽しむ園児

振りをまねて食育ダンスを楽しむ園児

 
 小笠原悠天君(5)は「食べ物のクイズが面白かった。好きな野菜はキュウリ。朝ごはんは毎日食べる。これからもいっぱい食べる」と話した。純情むすめの髙橋さんは「子どもたちのリアクションがすごくいい。食べ物を大事にするとともに食べること自体を楽しんでくれたら」。前日まで必死にダンスを練習していたと笑う村中さんは「子どもたちが笑顔で応えてくれてうれしかった。ピーマンやニンジンは子どもが嫌いなイメージがあったが、好きな野菜に挙げる子もいて驚いた」。2人は「岩手のおいしいものをいっぱい食べてすくすくと育ってほしい」と願った。
 
キャラバン隊から園児らに記念品の贈呈。園児からは感謝の気持ちを込めた手作りペンダントが贈られた(右下)

キャラバン隊から園児らに記念品の贈呈。園児からは感謝の気持ちを込めた手作りペンダントが贈られた(右下)

 
最後はクラスごとに記念撮影。思い出の一枚

最後はクラスごとに記念撮影。思い出の一枚

 
 県内の幼児施設を訪問する同キャラバンは新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いたが、昨年度から再開。今年度は上中島こども園を含め5カ所を訪問する予定。