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トルコ・シリア地震の救援に― 釜石市の小中学生が募金託す「東日本大震災支援の恩返しを」

トルコ・シリア地震の救援金を野田釜石市長に託す「かまいし絆会議」の中学生ら

トルコ・シリア地震の救援金を野田釜石市長に託す「かまいし絆会議」の中学生ら

 
 釜石市内14小中学校(小9・中5)の児童生徒らでつくる「かまいし絆会議」は3月22日、大地震で被害を受けたトルコ、シリアの救援に役立ててもらおうと、各校の募金活動で集まった38万9243円を日本赤十字社(日赤)に託した。2011年の東日本大震災で受けた支援への“恩返し”、一日も早い現地復興への願いを込め、自主的に行動した。
 
 中学校の代表6人(2年)が市役所を訪問。唐丹中生徒会長の香川彩夏さんが日赤県支部釜石市地区長を務める野田武則市長に目録を手渡した。香川さんは「東日本大震災で支援してくれた方々への恩返しの気持ちを込め、募金活動を実施した。少しでもトルコ、シリアの復興が進めばいい」と願った。一人一人思いを発表。釜石中の三浦海斗さんは「全校生徒が快く募金してくれた。困っている方にいち早く届けば」、甲子中の畠山偉利さんは「現地の状況が良くなり、健康に暮らせるようになればと思い活動した」と述べた。
 
救援金の目録を野田市長に手渡す唐丹中の香川彩夏さん(右)

救援金の目録を野田市長に手渡す唐丹中の香川彩夏さん(右)

 
各校の代表が募金活動に込めた思いを発表した

各校の代表が募金活動に込めた思いを発表した

 
 野田市長は「世界各国で災害が起きている。こうした募金活動が今、私たちにできる唯一のことではないか。皆さんが自ら考え、行動してくれたことは本当に頼もしく心強い」と感謝した。同席した髙橋勝教育長は「1校の力は小さくても市内全校の力を合わせれば、大きなこともできる。仲間意識を持ち、どんどんチャレンジしてほしい」と呼び掛けた。
 
大平中で行われた募金活動(写真提供:大平中)

大平中で行われた募金活動(写真提供:大平中)
 
呼び掛けに応え、募金に協力する生徒(写真提供:大平中)

呼び掛けに応え、募金に協力する生徒(写真提供:大平中)

 
 募金活動は2月下旬から3月初旬にかけて各校で実施。釜石東中では生徒会執行部が中心となり、募金箱を作って朝の昇降口で協力を呼び掛けた。同校は東日本大震災の津波で校舎が全壊した。久保朱璃さんは「東中は当時、たくさんの支援で助けてもらった。トルコ、シリアの状況は人ごとではない。しっかり恩返ししたいという気持ちで募金に取り組んだ」と話す。
 
 同市は市所管の施設に5月29日まで募金箱を設置し、トルコ・シリア地震救援金の協力を呼び掛けている。設置場所は▽市役所第一庁舎1階市民課窓口▽市保健福祉センター2階地域福祉課窓口▽シープラザ釜石2階国際交流課窓口▽市内8地区生活応援センター▽魚河岸テラス▽根浜シーサイド▽いのちをつなぐ未来館▽道の駅釜石仙人峠。寄せられた救援金は全額、日赤を通じて現地の救援・復興支援のために使われる。

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コロナ禍脱却へ「釜石の歴史を学ぶ会」活動再開 郷土資料館・津波企画展を見学

学習会を再開した「釜石の歴史を学ぶ会」の会員ら=18日、市郷土資料館

学習会を再開した「釜石の歴史を学ぶ会」の会員ら=18日、市郷土資料館

 
 市民活動グループ・釜石の歴史を学ぶ会(柴田渥代表、20人)が、新型コロナウイルス禍で休止していた活動を再開。18日、釜石市鈴子町の市郷土資料館(藤井充彦館長)で開催中の企画展「先人に学ぶ復興―昭和三陸地震津波から90年」を見学し、同市の津波災害と復興の歴史に理解を深めた。新年度から月1回の定例学習会を復活させる予定で、会員らは学びへの意欲を高めている。
 
 同会は2016年5月から活動。幅広い分野で郷土の歴史を学ぼうと月に1回集まり、郷土資料館での学習、市内の史跡見学、専門家の講話などで知識を深めてきた。コロナ禍で会員が集まっての学習を控えていたが、感染症も収束傾向にあることから活動再開を決めた。
 
市郷土資料館で開催中の企画展を見学する会員ら

市郷土資料館で開催中の企画展を見学する会員ら

 
 18日は12人が参加。郷土資料館の津波企画展を見学し、同館の佐々木寿館長補佐から話を聞いた。話題に上ったのは、釜石・大槌の津波記録文献の復刻を手掛け、防災教育にも取り組んだ故上飯坂哲さん(2009年逝去、享年71)の功績について。
 
 小学校教諭だった上飯坂さんは大槌町の吉里吉里小校長在職中に、1896(明治29)年の大津波について当時の校長が記した記録の存在を知り、子どもたちにも読ませたいと復刻に取り組んだ。退職後に務めた釜石市の鵜住居公民館長時代には、市内各地に残る津波資料の文献を次々に復刻。2005年に同公民館長を退任後、津波防災の重要性を伝えたいと、自身の考えをまとめた「津波てんでっこ考」を執筆、自費出版した。後に釜石東中から津波講話の依頼があり、これを機に子どもたちに教える活動も始めた。
 
上飯坂哲さんが書いた「津波てんでっこ考」を紹介する佐々木館長補佐(右)。企画展では上飯坂さんが復刻した複数の津波記録誌も展示(左)

上飯坂哲さんが書いた「津波てんでっこ考」を紹介する佐々木館長補佐(右)。企画展では上飯坂さんが復刻した複数の津波記録誌も展示(左)

 
 2011年の東日本大震災発生時には、釜石東中、鵜住居小の児童生徒が率先した避難行動で迫り来る大津波から逃れ、自らの命を守った。「上飯坂さんの活動は釜石の津波防災教育のはしり。残した功績は非常に大きい」と佐々木館長補佐。震災後、同著に関する問い合わせも多数あったという。市教委は14年に、上飯坂さんの家族の協力を得て同著の復刻版を発行している。
 
 学ぶ会の柴田代表(76)は「地元に住んでいてもまだまだ知らないことは多い」と実感。こうした学びの機会は新たな気付き、古里への興味を引き出すきっかけにもなるといい、「細く長く活動を続け、若い世代にも何か刺激を与えられたら」と生涯学習への意欲を示した。
 

昭和の三陸大津波から90年― 先人の復興を学ぶ 郷土資料館で5/7まで企画展

 
郷土資料館企画展「先人に学ぶ復興―昭和三陸地震津波から90年」

郷土資料館企画展「先人に学ぶ復興―昭和三陸地震津波から90年」

 
 昭和と平成の時代に三陸を襲った大津波はくしくも同じ3月の発生。市郷土資料館が毎年この時期に開催する津波に関する企画展では、さまざまな視点で同市が受けた津波災害の歴史を掘り下げている。今回は「先人に学ぶ復興」をテーマに、発生から90年となる昭和の津波の被害状況や復興の歩みにスポットを当てた。
 
 1933(昭和8)年3月3日午前2時31分に起こった昭和三陸地震津波。本県沖を震源とするマグニチュード8.1の大地震が発生し、その後の津波で3千人以上が犠牲となった。市内で被害が大きかったのは釜石町嬉石・松原、唐丹村本郷、鵜住居村両石(町村=当時)。ほとんどの家屋が流失し、本郷では人口の半分以上が犠牲となった。
 
被災の惨状をいち早く伝える当時の新聞=郷土資料館所蔵

被災の惨状をいち早く伝える当時の新聞=郷土資料館所蔵

 
 驚くのは当時の復興の速さ。1カ月後、中心市街地にはバラックの建物が建ち始め、漁港も応急修理が施された。翌34(昭9)年には釜石港が東北最初の国際港として開港し、税関支署などの諸官庁が設置されていった。釜石町は人口が4万人を超えた37(昭12)年、県内で2番目に市制を施行。釜石製鉄所繁栄の勢いがまちの復興を後押ししていったと考えられる。
 
昭和9年1月に開港した釜石港の1周年を記念して発行された絵はがき。復興した魚河岸付近を撮影した写真が印刷される

昭和9年1月に開港した釜石港の1周年を記念して発行された絵はがき。復興した魚河岸付近を撮影した写真が印刷される

 
 企画展では当時の小学校が中心となって残した記録集(故上飯坂哲さん復刻)を基に、各地の被害状況を写真やパネルで伝える。発災直後の新聞記事、唐丹村役場の救助者名簿、復興工事に関わる契約設計書も。港近くの復興後の街並み写真が印刷された釜石港開港記念の絵はがき、市制施行の稟議書や記念品なども並ぶ。企画展は5月7日まで(火曜日休館)。

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やりたいこと、実現!「かまっこまつり」準備中 釜石の子どもたち「来てー!」

手製のチラシを手に「かまっこまつり」をPRする子どもたち

手製のチラシを手に「かまっこまつり」をPRする子どもたち

 
 釜石市の子どもたちが中心となって企画する「かまっこまつり」が25日、大町の釜石PITで開かれる。自らアイデアを出し合い、準備から運営まで行う祭りは9回目。手作り雑貨や遊びの出店、ステージ発表などで市民をもてなす。今回は6歳~高校生約30人がスタッフに応募。昨年11月下旬から作戦会議、準備を重ねている。本番を1週間後に控えた18日に大町の青葉ビルで進められた作業をのぞいてみた。
 
 商品の袋詰めや店の看板づくり…。この日は、小中学生と保護者、大人スタッフら15人ほどが集まった。手製のスノードームなどを売り出す「なんか屋」チームの櫻井真衣さん(双葉小5年)は「ものづくりが好きだから楽しい」と手際よく作業。同級生の大井虹色(なな)さんは「春休みは暇だから。いつもと違ったことができるのかなと楽しみ。とにかく、買ってもらえたらよし!」と、せっせと手を動かしていた。
 
スノードームを作ったチーム。販売に向け袋詰めや飾り付けを進める

スノードームを作ったチーム。販売に向け袋詰めや飾り付けを進める

 
看板に描くイラストを考えたり、ダンスの振り付けを確かめたり…大忙し

看板に描くイラストを考えたり、ダンスの振り付けを確かめたり…大忙し

 
 他にもスライムづくりや宝探しゲーム、運動遊びコーナーなどが並ぶ予定。子どもたちは「ルールを考えるのが楽しい」「作り方を知りたいからやってみた」と生き生きした表情でもてなしの準備を進めている。チラシをつくって青葉ビル周辺の住民に配布。宣伝にも力を発揮する。
 
祭り限定の仮想通貨「かまっコイン」。みんなで丁寧に切り取り中

祭り限定の仮想通貨「かまっコイン」。みんなで丁寧に切り取り中

 
 そして祭りの特徴の一つが、限定の仮想通貨。今回の「かまっコイン」は、釜石の海と夕日がデザインされている。考えたのは松田桃さん(鵜住居小2年)。「きれいだと思ったから描いた。優しい気持ちで使ってほしい」とはにかんだ。来場者は受付で仮想通貨をもらって買い物や遊びを満喫。通貨を使い切ったら、各ブースで運営を手伝う“アルバイト”をして報酬の通貨を得る仕組みも楽しみどころだ。
  
「25日にやります。来てください」。チラシを配って呼びかけも

25日にやります。来てください」。チラシを配って呼びかけも

  
 釜石まちづくり株式会社が主催。祭りは東日本大震災後の子どもの居場所づくりを目的に「放課後子ども教室」を運営する市民団体が2013年に始めた。子どもたちのやりたいことを実現させ、地域の人たちとの出会いを促すのを目指し、本年度から同教室の運営を担う同社が取り組みを引き継いだ。
  
 これまで会場にしてきた鵜住居地区を飛び出し、市中心部に乗り込んで初開催。隣接する市民ホールTETTO前広場では、何でも100円で買えるフリーマーケット「かまいし百円市」(同社主催)も予定され、楽しさ倍増で街中ににぎわいを生み出す。同教室事業に長年携わる同社の岩城一哉さん(36)は「子どもたちが時間をかけて作り上げる成果を見てほしい。そして交流することで、互いに声がかけやすい関係づくり、発見や学び合うきっかけになれば」と来場を呼びかける。
 
 かまっこまつりは正午~午後3時まで。同時開催の百円市は同14時半まで楽しめる。
 

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古タオル→雑巾に…そして小学校へ 釜石・中田薬局、リユース活動 SDGs実践中

中田薬局が取り組むリユース活動「中たオルプロジェクト」

中田薬局が取り組むリユース活動「中たオルプロジェクト」

 
 釜石市の中田薬局(中田義仁代表取締役)は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の視点を取り入れ、タオルのリユース(再利用)活動に取り組んでいる。体操着リユースに続く第2弾となる取り組みの名は「中たオルプロジェクト」。使い古したタオルを集めて、シニア世代が雑巾(中たオル)に作り替え、小学校に届ける仕組みで、高齢者の居場所や世代間交流の機会づくりを地域の薬局として後押しする。
 
小学生に使ってもらおうと雑巾づくりに励む女性たち

小学生に使ってもらおうと雑巾づくりに励む女性たち

 
 14日は甲子町の甲子公民館で雑巾づくり。パッチワークを楽しむ女性8人が協力した。タオルには、市内にあった商店名が印刷されたりし「懐かしい」と会話を弾ませる女性たち。「手と口を同時に動かせるのよ」と楽しそうにミシンを動かし、1時間ほどで75枚を作り上げた。既に作った雑巾と合わせ250枚を15日に甲子小に届けた。
 
 定内町の高橋輝子さん(82)は「雑巾づくりなんて、何年ぶりかしら。娘が子どもの頃には作ったけど…懐かしいな。子どもたちに使ってもらい、学校がピカピカになったらうれしい。手仕事が好きだから、また機会があったらお手伝いしたい」と目を細めた。
 
手仕事の大ベテランたちは手も口も動かしながら楽しく作業

手仕事の大ベテランたちは手も口も動かしながら楽しく作業

 
 プロジェクトを手掛けるのは、同社でインターンシップ(就業体験)中の佐々木優奈さん(岩手大教育学部2年)と酒本野乃さん(中央大経済学部2年)。2人は2月上旬から釜石に滞在し、社員と同じ立場で企業に加わり、課題解決や新規事業の立ち上げなどに取り組んできた。同社から受けたミッションは「タオルリユースの仕組みづくり」。高齢化が進む地域で高齢者の居場所をつくり、子どもと結びつける取り組みについて知恵を絞った。
 
 タオル集めには、若者ならではの力を発揮。普段から親しむ会員制交流サイト(SNS)を活用しながらポスター、口コミで呼びかけ、800枚以上が寄せられた。雑巾製作に協力してくれる人集めについては、地域の薬局として関係を築いてきた人たちが紹介してくれた。
 
プロジェクトを担った佐々木優奈さん(右)と酒本野乃さん

プロジェクトを担った佐々木優奈さん(右)と酒本野乃さん

 
 タオル集め、製作協力者集めとプロジェクトの課題をクリアしていき、最後の関門、継続性について模索。地元甲子町出身の佐々木さんは母校の釜石高に目を付け、雑巾づくりや調整役を担ってもらう流れを見いだした。「今後は高校生や小学生にも参加してもらい地域ぐるみの活動にしたい」と見据えた。薬局でアルバイトをしていた酒本さん(鳥取市出身)は、薬局と地域の関わりや果たす役割を体験しようとインターンに挑戦。地域全体でSDGsへの理解を深め、実践しようとする取り組みを芽吹かせることができたと手応えを得た。
 
 2人は17日にインターン生活が終了。活動を見守った中田代表取締役は「若い人たちの感性と行動力で物事を進めてくれた。継続できるとの見通しもついた。短期間な上、さまざまな壁にぶち当たったと思うが、乗り越えている。失敗しても諦めず行動できることを証明した。これからの生活の力にしてほしい」と期待した。
  
中たオルプロジェクトの問い合わせは中田薬局松倉店(0193・23・1230)か、InstagramDM (@nakatapharmacy)へ。

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黒森神楽(宮古市)3年ぶり巡行で釜石の神楽宿・宝来館へ 震災高台移転の根浜集落にも門打ち

「黒森神楽」の釜石巡行。役舞「松迎」を披露する神楽衆=5日、宝来館

「黒森神楽」の釜石巡行。役舞「松迎」を披露する神楽衆=5日、宝来館

 
 国指定重要無形民俗文化財、宮古市の「黒森神楽」が5日、釜石市鵜住居町根浜の神楽宿・宝来館で舞を披露した。新型コロナウイルス感染症の影響で休止していた新春恒例の巡行を再開。来訪を心待ちにしていた約100人が、役舞や劇仕立ての演目を楽しみ、心豊かな時間を過ごした。神楽衆は東日本大震災の津波被災で高台移転した根浜集落も訪問。犠牲者を供養する神楽念仏、家々を回って家内安全などを祈願する門打ちを行った。
 
 黒森神楽保存会(松本文雄代表、15人)の10人が来演。宿での演舞を前に、高台住宅地の入り口にある津波記念碑と地蔵の前で「神楽念仏」を行った。黒森神社(宮古市山口)の神霊を移した「権現様(獅子頭)」の舞で震災犠牲者を供養。集まった住民らは権現様に頭や肩をかんでもらう“身固め”の儀式で、無病息災などの御加護を受けた。一行は3軒の門打ちもした。
 
海に向かい、津波犠牲者を供養する「神楽念仏」=根浜復興団地

海に向かい、津波犠牲者を供養する「神楽念仏」=根浜復興団地

 
「権現様」を携えて家々を回り1年の無事を祈願

「権現様」を携えて家々を回り1年の無事を祈願

 
 同地区には35世帯約90人が暮らす。根浜親交会の佐々木三男会長(61)は「神楽は縁起物。来てくれるのは大変うれしい」と笑顔。震災から12年となる地域について、「子どもから高齢者まで誰もが住みやすいまちを掲げる。大事に育てていきたい」と思いを込めた。
 
 宝来館では宿に入る前に、権現舞による「舞い込み」で悪魔払いや火伏せの祈祷(きとう)を行った。昼休憩をはさみ、大広間で幕神楽が開演。太鼓やかねの「打ち鳴らし」後、祈祷を司る役舞、天照大御神をテーマにした岩戸系演目など全8演目を披露した。役舞は天下泰平を祈願する二人舞「松迎」、農林漁業者の信仰対象である「山の神」舞など。大漁と海上安全を願う「恵比寿舞」では、鯛(たい)を釣り上げる場面に観客も参加し会場を沸かせた。狂言の一種「鍛冶屋」は、演者のやりとりが笑いを誘った。
 
役舞「山の神」の演舞では米をまいて五穀豊穣を祈願。山の神は安産の神としてもあがめられる

役舞「山の神」の演舞では米をまいて五穀豊穣を祈願。山の神は安産の神としてもあがめられる

 
観客を巻き込み、活きのいい鯛を釣り上げる様子を演じる「恵比寿舞」

観客を巻き込み、活きのいい鯛を釣り上げる様子を演じる「恵比寿舞」

 
ユーモアたっぷりの演技で楽しませた狂言「鍛冶屋」

ユーモアたっぷりの演技で楽しませた狂言「鍛冶屋」

 
 日本の伝統舞を子どもたちの教材とする「民俗舞踊教育研究会」(東京都)の山本良江さん(60)、古矢比佐子さん(69)は長年、同神楽巡行に足を運ぶ。「歴史の重みと大衆的な面の双方が相まってすごく魅力的」と山本さん。若いメンバーの成長を目の当たりにした古矢さんは「高校生だった子たちも磨かれてきて、次世代へ継承されているのを感じる」。震災を乗り越え、地域で神楽を楽しめる空間ができてきたことにも深い感慨を覚えた。
 
後継者として今後の活躍が期待される若手メンバー。技量を高めるべく精進を重ねる

後継者として今後の活躍が期待される若手メンバー。技量を高めるべく精進を重ねる

 
見応え十分の各演目に拍手を送る観客。最後は権現様に「身固め」をしてもらった(左下写真)

見応え十分の各演目に拍手を送る観客。最後は権現様に「身固め」をしてもらった(左下写真)

 
 黒森神楽は500年以上の歴史を誇る。毎年正月3日に同神社で「舞立ち」。久慈市までの「北回り」、釜石市までの「南回り」の巡行を交互に行っている。コロナ禍で北、南の巡行をそれぞれ1年休止し、今年3年ぶりに再開させた。松本代表(74)は「お客さんも楽しんでくれた。自分たちも相手の反響によって腕以上のものを出したりできるので、こういう場はやっぱり必要」と巡行のありがたみを実感。今は20~80代のメンバーが伝承活動に励む。「先人から引き継いだものを次の人たちに渡すのが自分たちの役目。年が離れていても、目標が同じだから一緒に頑張れる」と話した。

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艦砲射撃受けた釜石から非戦の願い発信 戦時下の女学生の姿を市民劇場で 心揺さぶる演技に涙

戦時下の女学生らの姿を描いた第36回釜石市民劇場=TETTO

戦時下の女学生らの姿を描いた第36回釜石市民劇場=TETTO

 
 第36回釜石市民劇場(同実行委主催)は2月26日、釜石市大町の市民ホールTETTOで上演された。77年前、厳しい戦時下をたくましく生き抜いた女学生や子どもにスポットを当てた物語で、元釜石高等女学校生の手記も朗読。太平洋戦争末期、米英軍による2度の艦砲射撃を受けた同市から、非戦の願いを強く発信した。会場では、ロシアによる軍事侵攻で苦しい環境下にあるウクライナへの支援募金も呼び掛けた。
 
 1945(昭和20)年春から夏の釜石が舞台。戦況の悪化で、遠野への集団疎開を余儀なくされた国民学校児童、勤労動員や軍事教練で学業もままならない高等女学生、敵に狙われた製鉄所で働く父を案じる家族-。それぞれの境遇の中、希望を見い出しながら懸命に生きる姿を描いた。構成詩、元釜女生4人の手記の朗読で、機銃掃射や艦砲射撃の恐ろしさも伝えた。手記は、2000年に釜石南高(現釜石高)教諭だった箱石邦夫さん(81)が生徒らと釜女卒業生に手紙を送り寄せてもらったもので、当時の文化祭で展示。16年、箱石さんにより証言書簡集「八月のあの日・乙女たちの仙人越え」としてまとめられた。貴重な証言は今回の劇の内容にも生かされている。
 
疎開先の遠野で農夫と交流する国民学校の子ども

疎開先の遠野で農夫と交流する国民学校の子ども

 
警備兵から竹やり訓練を命じられる高等女学校生

警備兵から竹やり訓練を命じられる高等女学校生

 
高射砲台に向かおうとする隊員(右)に複雑な思いがあふれる

高射砲台に向かおうとする隊員(右)に複雑な思いがあふれる

 
 キャスト18人、スタッフ約30人で作り上げた市民手作りの舞台劇。午前と午後の2回公演に計336人が足を運び、釜石が経験した戦争の歴史や後世に託す思いを劇を通して感じ取った。平田の水島寿人さん(55)は「艦砲射撃の激しさを改めて知る機会になった。こうした事実を次世代につないでいかなければ」と実感。キャストの素晴らしい演技も称賛した。
 
 会場には、朗読された手記をつづった元釜女生の佐野睦子さん(92)、書簡集を編さんした箱石さんの姿も。勤労動員で自宅のある大橋から嬉石の缶詰工場に通った佐野さんは、20数キロの暗い帰り道を幾度となく歩いた経験、決して忘れることのない戦争の苦しみを記している。「集団疎開を含む当時の釜女の話は埋もれてしまうところだったが、箱石先生が掘り起こし世に出してくれた。今回の劇でさらに日の目を見たことはとても感慨深い」と感謝の気持ちを口にした。
 
元釜石高等女学校生の手記の朗読。戦争の記憶は半世紀以上経過しても鮮明に残る…

元釜石高等女学校生の手記の朗読。戦争の記憶は半世紀以上経過しても鮮明に残る…

 
子どもキャストの熱演は観客の笑顔を誘う

子どもキャストの熱演は観客の笑顔を誘う

 
 昨年11月から稽古を続けてきたキャスト。役作りに励み、掛け合いや表現力に磨きをかけ本番を迎えた。姉はスタッフ、妹、弟、自身はキャストと4人で参加した青山凜々華さん(12)は昨年に続いての出演。「今年は大きい声でできたし、あまり緊張しなかった」と自己分析。劇で戦争体験者の悲しみを深く知り、「当時の子どもたちは厳しい中でも頑張っていてすごい」と実感を込めた。
 
 製鉄所工員役の伊藤詩恩さん(26)は演劇初挑戦。「最初は声も小さく棒読みだったが、周りが上手なので引き上げられた。本番では観客の反応も感じられてうれしかった」と演技の楽しさを味わった。地域おこし協力隊員として2020年に釜石に移住。回を重ねてきた市民劇について「まちが元気になる要素。今後も何らかの形で関われれば」と話した。
 
厳しい戦況について語る製鉄所の工員。いざこざもありながら、国のためにと任務遂行を誓う

厳しい戦況について語る製鉄所の工員。いざこざもありながら、国のためにと任務遂行を誓う

 
「戦争なんて大っ嫌い!」主人公・みよ(右から2人目)が思いの丈を叫ぶラストシーン

「戦争なんて大っ嫌い!」主人公・みよ(右から2人目)が思いの丈を叫ぶラストシーン

 
 戦争のない平和な世界を願う主人公「みよ」の独白で幕を閉じた同劇-。「ラストシーンにかけた」という矢浦望羽さん(17)は「うまくいった」と達成感をにじませた。8年目の出演で初の主人公役。「今までにない緊張感。舞台に立った時、圧倒される感じもあった」というが、緊張はすぐに解け、堂々の演技を見せた。涙する観客もいたことを後で聞き、「伝わったかな」と喜びの笑顔を輝かせた。
 
 釜石市民劇場は1986年に初演。郷土の先人や歴史をテーマに公演し、市民に愛されてきた。東日本大震災や新型コロナウイルス禍による休演もあったが、脈々と受け継がれている。
 
コロナ禍で中止していた観客のお見送りも復活。ウクライナ支援募金も呼び掛けた

コロナ禍で中止していた観客のお見送りも復活。ウクライナ支援募金も呼び掛けた

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広報かまいし2023年3月1日号(No.1803)

広報かまいし2023年3月1日号(No.1803)
 

広報かまいし2023年3月1日号(No.1803)

広報かまいし2023年3月1日号(No.1803)

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【P1】
ダンスイベント Mo′ Paradise Party SANRIKU 2023 案内

【P2-3】
東日本大震災 追悼行事案内 他

【P4-5】
釜石シーウェイブス 3月のホストゲーム

【P6-7】
まちのお知らせ

【P8】
イベント案内

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023022100013/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。

中田薬局『中たオルプロジェクト』不要タオル回収中!

中田薬局『中たオルプロジェクト』不要タオル回収中!
 
現在中田薬局で取り組んでいる「中たオルプロジェクト」をご紹介いたします!
中田薬局では「体操着リユース」に次いで「中たオルプロジェクト」を始動しました。
 
市内の様々な施設にチラシを掲載して頂いておりますので、お見かけの際は是非ご協力をお願いいたします。また各SNS(Facebook、Instagram)にて情報発信をしておりますので是非チェックをお願いします!

概要

市内の不要なタオルを回収

高齢者の方々に雑巾に作り替えて頂く

その雑巾を市内の小学校に寄付する
 
このプロジェクトは、次世代交流とSDGsに繋げる事を目的に行っております。

回収場所

中田薬局各店舗
・松倉店 TEL:0193-23-1230 キクコーストア松倉前店
・小佐野店 TEL:0193-21-3355 せいてつ記念病院前
・上中島店 TEL:0193-21-2050 サンデー上中島店付近
・ハロー薬局 TEL:0193-23-8455 岩手銀行中妻店前

お問い合わせ

お電話またはInstagramDMにて
中田薬局松倉店 TEL:0193-23-1230
Instagram:@nakatapharmacy
nakataphamarcy_qr

中田薬局

中田薬局

岩手県釜石市を中心に展開する調剤薬局です。地域社会への貢献を目指し様々な取り組みを行っています。公式サイト

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ローカル線の維持・存続を JR沿線の住民組織 釜石市に働きかけ要請

野田市長(左)に要請書を手渡す村上会長(左から2人目)ら

野田市長(左)に要請書を手渡す村上会長(左から2人目)ら

  
 釜石市や宮古市など岩手県沿岸の鉄道沿線4市町の住民でつくる「地方ローカル線を守る市町民の会」(村上幸三郎会長)は10日、釜石市役所の野田武則市長を訪ね、JR釜石線をはじめとする地方路線の維持・発展を要請した。JR東日本が本県を含む路線別収支状況を公表したことも踏まえ、存続に向けた環境整備など国、県への働きかけを求めた。
  
 村上会長、趣旨に賛同する連合岩手釜石・遠野地域協議会(小島安友議長)、県交通運輸産業労働組合協議会(山岸伸行議長)の関係者ら8人が訪問。村上会長は野田市長に要請書を手渡し、▽鉄道のあり方を国策として議論すること▽大規模工事を含めた鉄道網整備の検討-を市が各方面に働きかけることを訴えた。
  
 JR釜石線について、村上会長は「廃線ありきでの議論では地域の衰退につながる。鉄道の強みを生かしながら、存続に向けた検討を進めるべきだ」と重ねて強調。同席者らも「鉄道はなくてはならないもの」「三陸鉄道につながる路線でもあり、孤立させてはいけない」「マイレール意識を高める取り組みを」などの声が上がった。
  
懇談では鉄道の維持、存続の必要性を共有した

懇談では鉄道の維持、存続の必要性を共有した

  
 国土交通省の有識者検討会は昨年7月、地方鉄道の在り方に関する提言を公表。鉄道事業者や自治体の要請を基に、路線存続の協議会を国主導で設置する。またJR東日本は、利用者の少ない赤字路線の収支を初めて公表。本県関係では大船渡、釜石、北上、八戸、花輪、山田の6路線10区間が含まれている。経営状況の厳しさを示すデータを共有することで、バス高速輸送システム(BRT)への転換を含めた持続可能な交通のあり方を沿線自治体と協議したい意向。一方で自治体の多くは路線維持を求めており、議論は難航が予想される。
   
 野田市長は「廃止の議論が沸き上がり、唐突感が否めない。(要請と)全く同じ考えだ」との見解。路線の維持を守るとの思いを強め、「近隣の市町村と一致団結し、鉄道の利用促進にも目を向けながら積極的に対応したい」などと応じた。
  
沿岸と内陸を結ぶ足として欠かせないJR釜石線

沿岸と内陸を結ぶ足として欠かせないJR釜石線

  
 同会では昨年、県や宮古市に対し同様の要請を行っている。大槌町や山田町への要請も予定。村上会長は「通勤、通学、通院などの足を守り、使いやすい路線を維持しなければ。赤字への対処ではなく、未来志向で考えてほしい。ただ、ローカル線は老朽化も進んでいて、国策として改修を行って利便性を高めてほしい」と望んだ。
 

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釜石小6年生 早採りワカメに舌鼓! 自分たちで種付け、2カ月余りの成長に驚き

自分たちで種付けし、成長したワカメをしゃぶしゃぶで味わう釜石小の6年生

自分たちで種付けし、成長したワカメをしゃぶしゃぶで味わう釜石小の6年生

 
 地元の海で行われるワカメ養殖について学んできた釜石小(及川靖浩校長、児童92人)の6年生は9日、最後の学習日を迎え、自分たちで種付けしたワカメを試食した。当日朝の刈り取り作業の様子を映像で見た児童らは、その成長ぶりにも驚き、海の恵みの素晴らしさを実感。地場産業への理解、郷土愛を深めた。
 
 同校は昨年度から海洋教育パイオニアスクールプログラム(笹川平和財団海洋政策研究所など主催)の採択を受け、6年生がワカメ学習に取り組む。岩手大が講師の派遣などで協力。本年度は児童16人が3回シリーズの授業に臨んだ。初回はワカメの一生(生育過程)を座学で学び、2回目は漁船に乗せてもらい、養殖用ロープに種付けする作業を体験した。
 
 学習最終日はワカメの刈り取り現場と学校の理科室をリモートでつなぎ、児童らに見てもらう予定だったが、午後からの授業時間帯に海上の強風予報が出ていたため、生中継は断念。児童らに種付け体験の場を提供した両石町の漁業者久保宣利さん(49)が朝方にワカメを刈る様子を、岩大三陸水産研究センターの齋藤孝信さん(61)が事前収録し、映像を見せながら直接、児童らに解説した。
 
 「早採りワカメ」の収穫作業を映像で見て学ぶ

「早採りワカメ」の収穫作業を映像で見て学ぶ

 
養殖ワカメの刈り取りについて解説する漁師の久保宣利さん(右上)

養殖ワカメの刈り取りについて解説する漁師の久保宣利さん(右上)

 
 久保さんは「今採っている“早採りワカメ”は生で、3月から本格的に採るものは湯通し、塩漬けし“塩蔵ワカメ”として出荷する。間引きを適切にやれば、太いきれいなワカメだけが成長。手をかければそれだけいいものができ、収入にも反映する」と説明。100メートルのロープから早採りは約300キロ、塩蔵用になると約1トンものワカメが収穫できるという。収穫作業は4月末まで続き、5月にはメカブの刈り取りも行う。
 
 児童らが昨年11月28日に種付けしたワカメは、この日まで約70日間で1メートルほどの長さに成長。塩蔵用の収穫期には最大で約3メートルになるといい、児童らを驚かせた。授業では塩蔵作業の様子も映像で見た。児童からはさまざまな質問が飛び出し、漁業や海への関心の高まりを感じさせた。
 
 最後は久保さんが朝採りしたワカメを試食。自分たちで食べやすい長さに切り分け、土鍋を囲んでしゃぶしゃぶで味わった。ドレッシングやしょうゆ、ごま油など複数のつけだれも用意され、さまざまな味わいを試した。
 
立派に成長したワカメを手に取り、笑顔を見せる児童ら

立派に成長したワカメを手に取り、笑顔を見せる児童ら

 
みんなで協力しながら、食べやすい大きさにワカメを切り分けた

みんなで協力しながら、食べやすい大きさにワカメを切り分けた

 
初めて食べる「早採りワカメ」のおいしさに感動

初めて食べる「早採りワカメ」のおいしさに感動

 
 早採りワカメは初めてという大野雫さんは「やわらかくておいしい」と箸が止まらない様子。「元々、ワカメは好き。麺つゆにつけて食べるのがお気に入り。家でもしゃぶしゃぶで食べてみたい」と笑顔満開。東方智紀君は「採れたては食感が良くて全然違う。かなり売れるんじゃないか」と予想。危険と隣り合わせで作業する漁業者の姿を目にし、「大変な仕事をしてくれる人たちがいるから、食卓で味わうことができる」と尊敬の念を抱いた。前川大有君は刈り取りに使う「間切りナイフ」に興味を持った。海に落としても浮くように柄の部分が空洞になっていることを聞き、「漁師さん専用のナイフがあるとは」とびっくり。初のワカメしゃぶしゃぶを「いろいろな“味変(あじへん)”もできて楽しい」と存分に味わった。
 
ワカメしゃぶしゃぶを楽しむ児童らを見守る岩手大の齋藤孝信さん(左)

ワカメしゃぶしゃぶを楽しむ児童らを見守る岩手大の齋藤孝信さん(左)

 
 一連の学習をサポートしてきた岩大の齋藤さんは「海の仕事は日常で目にする機会が少なく、どうしても距離感がある。こういう学習で海を身近に感じ、魚や漁業にもっと興味を持つことにつながれば。この中から水産関係の仕事を目指す子どもたちが出てくれればうれしい」と“魚のまち釜石”のDNAに期待した。
 
 海洋教育パイオニアスクールプログラムは、海に関する学習を行う学校などを支援する取り組み。市内では本年度、同プログラムを活用し、かまいしこども園がサケの学習、釜石高が深海魚の学習を行った。

「第3回 かまいし百円市」の出店者を募集します

「第3回 かまいし百円市」の出店者を募集します

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釜石まちづくり(株)では、2023年3月25日(土)に「第3回かまいし百円市」を開催します。販売商品を全て100円とするフリーマーケットやバザーのような形態で、“100円均一フリマ”と言ったイメージです。

 

例えばこのような商品の出品を想定しています・・・
リユース可能な子供用品、持て余してしまったお歳暮や引き出物の中身、まだまだ使えるおもちゃ、ダブったガチャガチャ、ちょっとしたコレクションアイテム、端数が残ってしまったパック商品、かつての趣味の名残、ハンドメイドグッズに変身する素材たち、野菜やお菓子・・
・・などなど、価格を100円として頂ければ、一部の取扱い禁止商品以外は何でもOKです。

 

全て100円ということで、出店される皆様にとっては大きな販売益には繋がりにくいかもしれませんが、以下のような点に意義を見出して下さる皆様のご出店を募集いたします。
・リユースの促進による社会活動的意義
・みんなで出店する楽しさ
・街の賑わいの場づくり  など

 

各種サークル活動などのグループをはじめ、社会福祉法人やNPO等の社会活動団体、町内会やクラブ・少年団活動等の地域活動の一環として、学校や幼稚園・PTAや保護者会の催しとしてなど、皆様のご出店をお待ちしています(個人での出店も可能です)。

開催概要

日時:2023年3月25日(土)12:00~14:30
場所:釜石市民ホールTETTO・ホール前広場
主催:釜石まちづくり(株)
キャッチコピー:「100円握ってお宝さがし!」

出店の基本情報

◎全ての商品を100円(税込)で販売すること
※この基本ルールを遵守頂けない場合は当日でも出店中止となりますのでご注意下さい
◎50個以上の商品をご用意頂けること(多い分には大歓迎!)
◎開催日時点での新型コロナの状況に応じた対策にご協力頂けること
◎出店について」の要件を遵守頂けること
・参加可能枠を超えるご応募があった際は抽選とさせて頂きます
・チャリティ活動(売上は○○へ寄付、○○を支援、教育や社会福祉活動資金に充当)が
伴う場合は、条件により別枠での出店が可能ですのでご相談下さい
・今後、「五百円市」や「千円市」の実施も検討しています(日時等は未定)

出店について

◆物品の販売以外のサービスを商品として提供することはできません
(マッサージ、ヘアカット、診断、占いなど ※縁日等に類するものや主催者が要請したものは除く)
◆出店料は1,000円となります
◆トルコ・シリア地震のチャリティを目的としたご出店に関しては、出店料(1,000円)は無料といたします
◆出店スペースの広さは、幅2~2.5m×奥行1.5~2mを目安に調整させて頂きます
また、販売台、シート、釣銭等は各自でご準備下さい(主催者による両替には限りがあります)
◆会場は屋外となりますので、各自で出店時の寒さ対策等をお願いします
◆出店者には、釜石大町駐車場の24時間駐車券(通常800円)を500円にて斡旋いたします
(団体の場合は駐車台数分の購入OK)
◆ペット等を同伴しての出店は禁止です(介助犬等を除く)
◆火器の使用や発電機の持込みは禁止です

取扱い禁止商品

以下の商品の取扱い及び取引は禁止といたします
 
生鮮食品など衛生管理上好ましくない物、その場で調理提供する飲食品、ペット等の生き物、偽造品や盗品など法律に抵触する商品、受発注や目録を介しての後日取引を前提とした商品、取扱い資格の必要な危険物や薬品(有資格者でも不可)、公序良俗に反する物、大量の火薬類、再販売やオークション等への出品を前提とした取引
 
※大量の酒類を取り扱う場合は事前にご相談ください
※この他、主催者が不適切と判断した商品については取扱いを中止頂く場合があります

新型コロナウイルス感染症対策について

出店及びご来場にあたり、手指の消毒・距離の確保・過度な密集の解消・状況に応じたマスク着用など、各開催日の時点で行政や各種機関が指示及び推奨する対策に準じて頂くほか、主催者や施設の判断による感染症予防策を要請する場合があります。

出店の申し込み方法

出店に関しての各種事項(開催概要、基本条件、出店について、取扱い禁止商品、コロナ対策)を必ずご確認・ご理解のうえ、下記の出店申込書を記入して釜石まちづくり(株)までお申込み下さい。
 
・釜石まちづくり(株)の社員によるご紹介やご案内による場合は直接担当社員まで
・それ以外の場合は、釜石まちづくり(株)FAX <0193-27-8331>
 
申込み締切 2023年3月14日(火)
 
問合せ等については、同様に担当社員にご連絡いただくか、
釜石まちづくり(株)TEL <0193-22-3607> までお願いします。

出店概要&申込書

PDF版(888KB)
「第3回 かまいし百円市」の出店概要&申込書
 
Word版(32KB)
「第3回 かまいし百円市」の出店概要&申込書

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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将棋・小山怜央さんプロに 棋士編入試験合格 地元歓喜「釜石の誇り」「勇気もらった」

小山怜央さんの勝利を祝って万歳!釜石に歓喜が広がった=13日

小山怜央さんの勝利を祝って万歳!釜石に歓喜が広がった=13日

 
 釜石市出身で将棋のアマチュア強豪、小山怜央さん(29)=横浜市=は13日、大阪市の関西将棋会館で行われたプロ棋士編入試験5番勝負の第4局に勝利し、通算成績を3勝1敗として合格を決めた。4月1日付でプロ棋士の四段になる。棋士養成機関「奨励会」の未経験者として初の試験合格者。岩手県出身者としても初の棋士となり、地元では歓喜の声が広がった。
  
 通常、プロ棋士となるには、26歳までに奨励会で四段に昇段する必要がある。編入試験は奨励会とは別にプロを目指す制度。アマ出場枠があるプロ公式戦で一定の成績を収めれば受験資格を得られる。試験は若手棋士5人と対戦し、3勝すれば合格。小山さんは昨年11月の第1局で徳田拳士四段(25)、12月の第2局で岡部怜央四段(23)を連続で破ったが、今年1月の第3局では狩山幹生四段(21)に敗れ、2勝1敗となっていた。
  
 この日は、振り飛車党の横山友紀四段(23)と対局。先手番の小山さんは、「四間飛車」と得意の戦型で構える横山四段に対抗すべく「居飛車穴熊」に駒を組み、戦機をつかんで序盤から優勢に進めた。中盤に形勢が接近した場面もあったが動揺せずに立て直し、粘る横山四段を133手で振り切った。
 
中妻地区生活応援センターで行われた大盤解説会=13日

中妻地区生活応援センターで行われた大盤解説会=13日

 
解説を聞きながら戦況を見つめる釜石市民ら=13日

解説を聞きながら戦況を見つめる釜石市民ら=13日

 
 「よし、やった」「強い」。午後3時半過ぎ、釜石市上中島町の中妻地区生活応援センターで大盤解説を聞きながら戦況を見守っていた小山さんの父・敏昭さん(60)、母・聖子さん(60)、将棋愛好者ら約25人から拍手と歓声が湧き起こった。幼少期の小山さんに将棋を教え、大盤解説を務めた日本将棋連盟釜石支部長の土橋吉孝さん(67)は「相手を研究した手順でうまく仕掛けた。横山さんが序盤で1時間半使ったところ、怜央は15分でとどめ、優位に立てた」と勝因を挙げた。
  
 小山さん優位で進んだ第4局だが、小山さんの〝意外な手〟で緊張感が走る展開に。土橋さんは「気分的には嫌なところ。震えかな。もっと良くしようと考えすぎ、うっかり見落としてしまった」と推測した。一時接戦になりながらも、冷静に指し回す小山さんの様子に「ミスをしても崩れない。気持ちを切り替え対局に臨んでいる。いける」と確信。「怜央は終盤に鮮やかな寄せを見せる。時間で差がついているので気持ちを切らずにつなげれば、楽しみはある」「攻めるは守りなり。息を吹き返した」「大丈夫ですよ」と解説を続けた。
  
タブレットを手に戦況を見守る小山さんの父敏昭さん(右)、母聖子さん=13日

タブレットを手に戦況を見守る小山さんの父敏昭さん(右)、母聖子さん=13日

 
勝利を信じ、祈るように解説に耳を傾ける人も=13日

勝利を信じ、祈るように解説に耳を傾ける人も=13日

  
 集まった人たちは硬い表情で祈るように盤面を見つめていたが、土橋さんの読み通りに〝勝ち〟が決まると、「おめでとう」「やったね」と祝福の言葉が飛んだ。聖子さんは「うれしい。ずっとハラハラ、心配で心配で仕方なかった。好きなことを仕事にして、今からまた頑張れるね。釜石に帰ってきたら、おいしいもの、好きなものを食べさせてあげたい」と目を赤くした。
 
快挙を喜ぶ(左から)聖子さん、土橋さん、敏昭さん=13日

快挙を喜ぶ(左から)聖子さん、土橋さん、敏昭さん=13日

 
「おめでとう」。勝利に拍手を送る将棋愛好者ら=13日

「おめでとう」。勝利に拍手を送る将棋愛好者ら=13日

 
 小学2年生の頃に将棋を始めた小山さん。高校2年生だった2011年3月、東日本大震災で鵜住居町の自宅を失い、避難所や仮設住宅での生活を余儀なくされたが将棋を続け、岩手県立大在学中の14年に学生名人に。その後は将棋講師をしながら「プロ棋士」という夢を胸に抱き続けてきた。敏昭さんは「避難所で弟と将棋を指している光景を思い出した。好きなことを諦めず頑張ってきた本人の努力と周囲の方のおかげ。よく頑張った。息子ながら褒めたい」と喜びをかみしめた。
 
 会場には野田武則市長も駆け付け、「岩手初のプロ棋士誕生は釜石の誇り」とたたえた。地元の愛好団体「正棋会」で将棋を楽しむ定内町の吉光島司さん(74)は「岩手の将棋界に一つの光を照らした。釜石は人口が減り寂しさを感じることもあるが、『ここでもやれるんだ』と勇気をもらった。小山君は粘りがすごいし、強い。負けていられない」と目を細めた。
  
大盤解説した土橋さん。「さらに上を目指し精進を」と激励=13日

大盤解説した土橋さん。「さらに上を目指し精進を」と激励=13日

 
 土橋さんは「彼は昔から本当に将棋が大好き。へこたれず努力してきた。報われて良かった」と感慨に浸った。さらに、「怜央は麦踏みのように太く丈夫に育った。底力、地力をつけ、はるかに強くなっている。行けるだけ上を目指し精進を」とエール。そして、これに続く釜石、岩手の子どもたちの成長にも期待し、「伝統文化をつなげる手伝いも一緒にしてほしい」と望んだ。
  
小山さんのプロ棋士編入試験合格を祝って釜石市役所に設置された懸垂幕=14日

小山さんのプロ棋士編入試験合格を祝って釜石市役所に設置された懸垂幕=14日

  
 「祝 岩手出身初!! 将棋プロ棋士誕生へ」。試験合格から一夜明けた14日には、快挙をたたえる懸垂幕が市役所第1庁舎(只越町)に掲げられた。庁舎を訪れた人たちが立ち止まって見上げ、祝福ムードを広げている。