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諦めず夢つかむ 将棋・小山怜央四段 古里釜石で講演 プロ棋士への歩み回想

将棋プロ棋士・小山怜央四段誕生の道のりを紹介する講演会

将棋プロ棋士・小山怜央四段誕生の道のりを紹介する講演会

 
 釜石市出身の将棋・プロ棋士、小山怜央四段(30)の講演が5日、同市大町の釜石PITであった。将棋との出合いやプロになるまでの道のりを紹介。プロ入り後の戦いぶりにも触れ、「対局で活躍し、いいニュースで恩返ししたい」と意気込みを語った。市の主催で、市民や将棋ファンら約70人が聴講。諦めずに夢をつかみ取った姿をじかに感じ、「応援するぞ」との思いを強めていた。
 
プロ棋士になるまでの道のりを語る小山四段

プロ棋士になるまでの道のりを語る小山四段

 
 岩手県初のプロ棋士でもある小山四段は、現行制度で棋士の養成機関である奨励会を経験せずに棋士編入試験を突破し、4月にプロ入りしたばかりだ。将棋との出合いは小学2年生のころ。携帯型ゲームのやりすぎで目まいを起こし、心配した両親に勧められたのが将棋だった。弟、母と一緒にルールを覚え、子ども大会への参加を重ね、「負けた悔しさ」でどんどん熱中。他にも習い事をやっていたというが、「家族で出かけていたのは将棋だけ。小山家にとって特別な存在だった」と回想した。
 
 釜石高2年の時に経験した東日本大震災にも触れた。鵜住居町にあった自宅を津波で失い、避難生活を送る中で、「心の支えは将棋だった。弟や部活の仲間と指している時は忘れられた」と小山四段。避難所には将棋関係者が慰問に来てくれたといい、「助け合える存在の大切さに気づかされた」としみじみと語った。
 
震災後の避難生活を写真で紹介。この時に心の支えになったのが将棋

震災後の避難生活を写真で紹介。この時に心の支えになったのが将棋

 
 プロになれるなら、なりたい―。奨励会に挑むチャンスは過去に2度あった。中学生、大学生の時に受験したが合格できず、気持ちを切り替え社会人に。仕事を中心に頑張る中、通勤時間を使って棋力を磨き続けていると、編入試験への挑戦が見えてきた。奥にしまい込んでいたプロへの気持ちがふつふつと沸き上がり、勤めていた会社を退職。その頃に始めたのがAI(人工知能)を用いた勉強法で、苦手だった序盤の研究に時間を費やした。
 
 昨年9月にようやく編入試験の受験資格を得た。試験は勢いのある新人棋士との5番勝負。プロ入りへあと1勝として臨んだ運命の第4局は「うまくいきすぎなくらい」思い通りの形で進んだ。中盤に形勢が接近した場面もあったが、「冷静になって指したら残せた。いろいろあったが棋士になれた」と振り返った。
 
 プロになってからは「2勝5敗で正直、不本意」と思いを吐露。静かな闘志を胸に秘めている様子で、「いつかは活躍するので応援をよろしくお願いします」とはにかんだ。5月下旬には宮古市で行われた将棋の8大タイトルの一つ叡王戦5番勝負の第4局で大盤解説を担当。中学生選抜大会の審判などもこなしていて、大好きな将棋に関わる日々に充実感をにじませた。郷里岩手からの熱い応援を感じており、「恩返ししたい。対局でいいニュースを届けたい」と力を込めた。
 
小山四段の話に聞き入った釜石市民や将棋ファン。活躍に期待を込め拍手を送る

小山四段の話に聞き入った釜石市民や将棋ファン。活躍に期待を込め拍手を送る

 
 講演では質疑応答の時間も。「勝負飯は?」との問いには「マーボー豆腐ですかね。のどを通りやすいから」と答えて会場を沸かせた。「最も心に残る一戦」として挙げたのは編入試験の第1局。勝率8割超だった徳田拳士四段との対局で、「研究通りにうまくいき、素直にうれしい勝ちだった」と晴れやかな表情を見せた。「言ってなかったんですが、実は…」。この対局の1週間前に体調を崩していたと明かし、体調管理の大事さを再認識した一戦でもあったという。
 
 プロ棋士誕生に大興奮の藤井尚美さん(47)は小山四段と同じ鵜住居町出身。「将棋はよく分からないけど、応援したい。家族のサポート力の強さを感じ、ほっこりした気持ちになった」と目を細めた。同僚の釜石高教諭、湊博之さん(52)は「挫折しながらも最後に夢をつかむ姿に感銘を受けた。諦めず続けたから、チャンスに巡り合うことができたのだろう」と推測。同校将棋部顧問の小澤光悦教諭(60)=北上市=は「今はフリークラスだが、名人への挑戦権を争う順位戦に出られたらいい。棋士として長く頑張ってもらいたい」と期待した。

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戦地からふるさとへ 出征兵士がつづったはがき 釜石・郷土資料館で公開 9/3まで戦災企画展

戦地から届いたはがきの拡大パネルなどを展示する企画展=釜石市郷土資料館

戦地から届いたはがきの拡大パネルなどを展示する企画展=釜石市郷土資料館

 
 今日8月9日は太平洋戦争で釜石市が2度目の艦砲射撃を受けた日。市内では戦没者を追悼し、平和を祈念する式典が開かれた。市民らが寄贈した戦争関連の資料を収蔵する市郷土資料館(佐々木豊館長)では今、戦災企画展を開催中。今年は軍事郵便にスポットをあて、出征兵士が家族や近親者に送ったとみられるはがきを中心に公開。戦地と内地をつなぐ郵便が果たした役割を伝える。
 
 同館企画展示室で、新たに寄贈された資料を含め119点を公開。戦地から送られた軍事郵便30点は一部を拡大パネルにして展示する。はがき表面の宛先には当時の上閉伊郡鵜住居村、同栗橋村、東浜町(現東前町)などとあり、各地から出征したとみられる兵士が所属部隊名とともに名前を記している。意外にも裏面はカラーの絵はがきになっているものが複数。文面から家族や近親者に宛てたものと分かる。
 
 表面に検閲印が見られるように、兵士が書いたはがきや手紙は所属する中隊ごとに検閲を受けなければならず、戦争を否定する文言や弱音はご法度。文面は「元気でご奉公している。安心してください」といった、家族らを心配させまいとする内容が多く、逆にふるさとで働く家族らの体を気遣う言葉がつづられる。
 
「検閲」の印が押された軍事郵便。文面は厳しくチェックされた

「検閲」の印が押された軍事郵便。文面は厳しくチェックされた

 
出征した兵士がふるさとに残る家族らを気遣う様子が文面から読み取れる

出征した兵士がふるさとに残る家族らを気遣う様子が文面から読み取れる

 
漫画のような絵が描かれたカラーのはがきも…

漫画のような絵が描かれたカラーのはがきも…

 
 軍事郵便は1894(明治27)年に軍事郵便取扱細則で定められたもので、戦地ではその取りまとめを行う野戦郵便局が各地に開設された。戦地から送る場合は無料。その費用を賄うため、有料だった内地からの手紙の送付が奨励された。戦時下で同郵便は戦地と内地をつなぐ唯一の手段で、生存確認の意味も持っていた。2度の艦砲射撃を受けた釜石は多くの軍事郵便も失われており、展示品は同市にとっても非常に貴重な資料となっている。
 
 戦地の兵士を励ますために内地からは「慰問袋」が送られた。家族のほか国防婦人会が衛生用品や薬品、たばこ、食料品などを袋詰めし、兵士を鼓舞、慰労する「慰問文」を添えて発送。企画展では送られた物品の一例などが紹介される。「私は慰問袋がなかったら生まれていませんでした」。同館を訪れた人が発した言葉―。その方の両親は慰問袋が縁で知り合い、結ばれたという。
 
戦地に送られた慰問袋と慰問文について解説する展示

戦地に送られた慰問袋と慰問文について解説する展示

 
 釜石が受けた2度の艦砲射撃では782人が犠牲になった(2023年度市調べ)。砲撃があったことは新聞やラジオで全国に報じられ、当時の小野寺有一市長の元には1回目の被災後、見舞いや激励のはがきが相次いだ。後に内閣総理大臣に就任する鳩山一郎氏(東京都)、本県出身の外交官・政治家の出淵勝次氏からのはがきもある。展示ではこれらのはがきに加え、戦後の復興にまい進した小野寺市長の日誌も公開される。
 
1回目の艦砲射撃の後、当時の釜石市長に届いたはがき。鳩山一郎氏からのはがきも(左上)

1回目の艦砲射撃の後、当時の釜石市長に届いたはがき。鳩山一郎氏からのはがきも(左上)

 
戦後の市民生活の安泰に力を尽くした小野寺有一市長についても紹介

戦後の市民生活の安泰に力を尽くした小野寺有一市長についても紹介

 
 同館職員の川畑郁美さんは「毎回テーマを替えて開催するが、いつも思うのは、どれだけ戦争が残酷で悲惨なものだったかということ。戦争を体験していなくても、私たちは後世に伝えていかねばならない。残された資料は未来につなぐ一助になるはず」と企画展開催の意義を示した。
 
出征兵士の無事を願う日章旗と千人針が施された衣類

出征兵士の無事を願う日章旗と千人針が施された衣類

 
 郷土資料館企画展「戦時下の便り-釜石(ふるさと)想う軍事郵便-」は9月3日まで開催。開館時間は午前9時半から午後4時半まで(最終入館:午後4時)。火曜休館(8月15日は臨時開館)。

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一緒に遊んで食べよう! こさのこども食堂 釜石・小佐野地区民児協、夏の居場所づくりに初企画

「いただきまーす」。こさのこども食堂で昼食を楽しむ参加者

「いただきまーす」。こさのこども食堂で昼食を楽しむ参加者

  
 釜石市の小佐野地区民生委員・児童委員協議会(伊東恵子会長)は7月30日、小佐野コミュニティ会館を主会場に子ども食堂を開いた。夏休み中の子どもたちに楽しんでもらおうと初企画。小佐野小児童約50人が集い、食事だけでなく、ニュースポーツを体験したり、ボランティアとして参加した釜石高生に勉強を教えてもらったりした。市内で子ども食堂の開設は初の試みでもあり、居場所や世代間交流の機会を提供することで、地域で子どもを見守る環境づくりにつなげていく。
   
 「こさのこども食堂、オープン!」献立はカレーライス。給食センターで腕を振るっていた元職員も加わった住民スタッフが手作りした。「夏バテをしないように」と少し多めに入れたショウガやニンニクが隠し味。夏休みで学校給食がなくなり消費が減少する牛乳、デザートにバナナも添えて、「いつもの給食」を再現。大人たちの思いを感じ取った子どもたちから「給食みたいでおいしい」と声が飛んだ。
   
献立はカレーライス。地域の大人との会話も食事のスパイスに

献立はカレーライス。地域の大人との会話も食事のスパイスに

  
おかわりにも対応。忙しく動く地域のお母さんたちはうれしそう

おかわりにも対応。忙しく動く地域のお母さんたちはうれしそう

   
 交流活動は遊びと勉強の時間が用意され、高校生ボランティア約20人がサポート。同会館内の和室では宿題を持ち込んだ児童が学習を進め、分からない部分があると高校生に助言をもらったりした。隣接する小佐野小体育館ではニュースポーツ体験があり、パラスポーツのボッチャやスカットボール、輪投げで汗を流した。
   
宿題に取り組む小佐野小児童。釜石高生(左)らに手伝ってもらったり

宿題に取り組む小佐野小児童。釜石高生(左)らに手伝ってもらったり

  
体を動かした後はしっかり水分補給。高校生らが見守った

体を動かした後はしっかり水分補給。高校生らが見守った

   
 食事と遊びを目当てに参加した及川紗良さん(6年)は、期待通りでうれしそう。特に友達や高校生、地域の人たちとの交流が夏休みの思い出になったといい、「楽しかったので続けてほしい。ボランティアにも興味を持った」と刺激を受けた。
   
 子どもたちを見守った釜高の生徒も学びを深める機会になった様子。人見知りをやわらげようと参加した芳賀結月さん(1年)は「子ども食堂は食事だけでなく、子どもたちの居場所にもなると感じた。年代別に固まっていて交流が少ない気がしたので、次回はもっと広く触れ合えるようにするといいかな。その中で、自分もコミュニケーション力を磨けたら」と期待した。
   
世代間交流を楽しみながら地域で子どもを見守る環境をつくる

世代間交流を楽しみながら地域で子どもを見守る環境をつくる

   
 市内陸部の小佐野地区は東日本大震災後、被災地域から人口が流入した。家族形態や生活スタイルが変わる中、地域の見守りなど子どもを取り巻く環境も変化。さらに、新型コロナウイルス禍で子ども会や地域活動が見送られたことで、子育て世帯を中心に住民同士の交流機会が減少し、関係性が希薄化していた。市によると、児童扶養手当の受給世帯数が比較的多いとのデータもあり、学校や家庭だけではない子どもの居場所づくりが必要とされていた。
  
「おいしい」。子どもたちの声に肩の力を緩めた伊東会長(中)

「おいしい」。子どもたちの声に肩の力を緩めた伊東会長(中)

  
 伊東会長(74)は初めての試みに不安がいっぱいだったというが、子どもたちの笑顔にホッと一息。「この触れ合いが声をかけ合える、顔見知りの関係づくりにつながると思う。これからの見守り活動に生かせる」と手応えを得る。
  
 今回は地域住民や地元企業などが米や菓子を提供し、予算面では県や市の赤い羽根共同募金の補助金を活用できたが、継続にはより多くの協力が必要と実感。開催曜日など検討した方がよさそうな点も見えてきたが、「みんなが楽しく過ごせる場にしたい」と気持ちを新たにする。来年1月にも開催を予定し、「また来てね。みんなで交流しましょう」と子どもたちに呼びかけていた。

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堤体内に踏み入り探検 日向ダムで湖畔の集い 役割学んだ後は…魚とって木に触れ自然満喫

日向ダムの堤体内でダムの話と涼を楽しむ参加者

日向ダムの堤体内でダムの話と涼を楽しむ参加者

 
 釜石市甲子町・小川川上流にある日向ダムで7月29日、「日向ダム湖畔の集い」が開かれた。「森と湖に親しむ旬間」(7月21~31日)にちなんだ恒例行事で、県や市、地元町内会などで組織する同旬間釜石地区分科会実行委員会が主催。家族連れらが足を運び、ダム施設の見学や木工教室、魚のつかみ取りといった催しを楽しんだ。
  
 ダム施設見学では、普段は入れない堤体内を職員が案内。約250段の階段を下り内部の通路を進んでいくと、ひんやりとした空間が広がった。気温13度ほどに保たれているという内部には、ダムにかかる水圧や堤体のたわみを計測する機器などが設置されていて、職員が計測方法を紹介。取水ゲート操作室や放流ゲート室・発電所にも入り、機材などを見て回った。
 
「わー、高い」「大きいね」。ダム周辺を散策する来場者

「わー、高い」「大きいね」。ダム周辺を散策する来場者

 
ダム施設の見学は階段を上ったり下ったり。合わせると約500段

ダム施設の見学は階段を上ったり下ったり。合わせると約500段

  
 管理棟2階の操作室では、ダムの監視カメラ映像や観測データの集計、管理システムを見学。データは県沿岸広域振興局(新町)にも送信されていることなど監視体制についても理解を深めた。
  
 家族3人で訪れた盛岡市の菊池悠理さん(岩手大付属中2年)は初めてのダム見学で、「いろんな災害に備えて設備を充実させていると知った」と学んだ様子。父信幸さん(61)は「面白かった。多くの人の力で造り上げられ、地域に役立っているとあらためて感じた。近頃は大雨などの災害も多く、こうした体験で子どもたちに分かってもらえるといい」とうなずいた。
  
ダムの頂上部や発電所などを歩き回って役割などに学んだ

ダムの頂上部や発電所などを歩き回って役割などに学んだ

 
管理棟操作室も見学。監視カメラを動かす体験もあった

管理棟操作室も見学。監視カメラを動かす体験もあった

  
 ダム湖の船着き場では特設水槽でニジマスのつかみ取りが行われた。約220匹が順次放たれ、子どもたちが歓声を上げながら素早く泳ぐ魚を追いかけた。取った魚はその場で塩焼きにして味わうことも。山元綾音さん(釜石小6年)は「暴れて逃げられたりしたけど、つかまえられた。楽しかったし、おいしい」と笑顔を見せ、弟の一成君(同2年)は「コツは素早くつかむことだよ」と胸を張った。母莉菜さん(36)は「夏休み中にいろいろな経験をさせたい」と優しく見守った。
  
「追いつめて、ぎゅっ」。ニジマスのつかみ取りを楽しむ子どもたち

「追いつめて、ぎゅっ」。ニジマスのつかみ取りを楽しむ子どもたち

 
ダム湖を望みながら記念にパチリ。緑豊かな自然環境を満喫した

ダム湖を望みながら記念にパチリ。緑豊かな自然環境を満喫した

  
 同旬間は豊かな自然空間で森林やダムへの理解を深めてもらうのが狙い。期間中、各地でさまざまなイベントが行われた。日向ダムは1997年に治水対策の目的で完成し、その年からイベントを実施。新型コロナウイルスの影響で2020年度から中止していたが、今年4年ぶりに開催。今回で22回目となった。

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4年ぶり!子どもたちの歓声響く 松倉町内会 甲子川で夏休み恒例「魚のつかみどり」

4年ぶりに行われた松倉町内会の魚のつかみどり

4年ぶりに行われた松倉町内会の魚のつかみどり

 
 釜石市甲子町の松倉町内会(佐野賢治会長、550世帯)は7月29日、地区内を流れる甲子川で魚のつかみどりを行った。夏恒例の町内会行事だが、新型コロナウイルス感染症の影響で3年間の中止を経ての開催。楽しみに待っていた親子連れら約80人が集まり、歓声と水しぶきを上げながら特設いけす内の魚を追った。
 
 同行事は地域が誇る川に親しみながら、子どもたちに夏休みの楽しい思い出を作ってもらおうと2006年にスタート。甲子小の松倉地区PTAが共催する。4年ぶり通算15回目となった今回は、赤い羽根共同募金の助成を受けて行われた。
 
 県立釜石高裏の松倉橋のそばに網で囲った特設いけすを用意。両石町の千丈ヶ滝養魚場から購入したヤマメ60匹、ニジマス200匹、イワナ140匹の計400匹を放した。幼児から始まり小学校低学年、中学年…と順につかみどりに挑戦。子どもたちは素早く泳ぎ回る魚に悪戦苦闘しながら、何とかつかまえようと懸命に手を伸ばした。1人3匹とれたら終了。つかまらない場合は町内会役員がたも網に魚を入れて、網からとってもらった。
 
幼児から順に年代別にいけすに入り、魚のつかみどりに挑戦!

幼児から順に年代別にいけすに入り、魚のつかみどりに挑戦!

 
目を凝らし魚の動きを追う。慎重に手を伸ばし…

目を凝らし魚の動きを追う。慎重に手を伸ばし…

 
「つかまえたぞ~!」しなる魚体をしっかりつかみ、この表情

「つかまえたぞ~!」しなる魚体をしっかりつかみ、この表情

 
 甲子小4年の女子3人は久しぶり、または初めてのつかみどりを楽しみ、満面の笑顔。小笠原伊織さんは「魚はすぐ逃げちゃって、なかなかつかまえられなかった。大人に手伝ってもらい3匹は手に入れた」、京野愛優花さんは「1匹は自力で、片手でつかまえた。魚はピチピチしてちょっと気持ち悪かった」、千葉優那さんは「全部、自力でつかまえた。お母さんに焼いてもらって食べたい」と夕ご飯を心待ちにした。
 
 「今年は何としてもやりたかった。まずは試運転」と佐野町内会長。春の松倉神社祭典通り行列に続く町内会行事の復活を心から喜ぶ。コロナ禍の3年、各種行事ができなかったことは、町内会にも少なからず影響を及ぼす。「住民同士の横のつながり、隣近所との関係が薄くなってきているのを感じる。みんなで集まって親しくなり、その輪を広げてもらえるような行事はやはり必要。中断したものを復活させるにはエネルギーがいるが、徐々にコロナ前の形に戻していければ」と話す。
 
手から擦り抜ける魚(左下)もつかみどりの面白さ。笑みがこぼれる

手から擦り抜ける魚(左下)もつかみどりの面白さ。笑みがこぼれる

 
コツをつかんだこちらの子は次々に魚をゲット!

コツをつかんだこちらの子は次々に魚をゲット!

 
生きのいい魚におっかなびっくりの女子児童。逃げられないようにつかんで袋を持つ保護者の元へ

生きのいい魚におっかなびっくりの女子児童。逃げられないようにつかんで袋を持つ保護者の元へ

 
 同行事では例年、サンマの炭火焼きのお振る舞いも行われるが、今年は見合わせた。町内会は8月16、17日には、同じく4年ぶりとなる盆踊り大会を開催予定。松倉地区のにぎやかな夏の光景が再び見られそうだ。
 
この日の釜石は最高気温33度。水辺環境が夏の暑さを幾分和らげる=松倉橋から臨む甲子川

この日の釜石は最高気温33度。水辺環境が夏の暑さを幾分和らげる=松倉橋から臨む甲子川

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探検気分で坑道巡る 釜石鉱山見学、新導入の電動カートで 鉄の歴史に理解 ひとときの涼も体感

釜石鉱山の坑道見学会。鉄鉱石の採掘跡で鉄の歴史に触れた

釜石鉱山の坑道見学会。鉄鉱石の採掘跡で鉄の歴史に触れた

 
 鉄のまち・釜石市の歴史に触れることができる釜石鉱山(甲子町)の坑道見学。新型コロナウイルスの影響などで中止されていたが、5類移行を受け、今年久しぶりに実施された。釜石ならではの体験プログラムを集めた「Meetup Kamaishi 2023」の一環で、計3回の実施を予定。初回の7月28日は、市内外から家族連れなど約20人が参加した。猛暑の中、気温10度ほどに保たれている坑内は別世界。歴史探検を楽しみつつ、ひとときの涼も味わえると好評だ。
  
 釜石鉱山は、この地の製鉄業繁栄を支えた鉄鉱山。1993年に大規模な採掘は終了しており、現在は坑道から湧き出てくるナチュラルミネラルウォーター「仙人秘水」の製造、販売を主力にしている。夏のこの時期に見学を受け入れていて、その際に活躍した電気トロッコ列車が役目を終えるのと同じ頃、コロナの影響が拡大。受け入れを中断している間に電動カートを導入するための改修を進めていた。
  
新たな移動手段として導入された電動カート(5人乗り)

新たな移動手段として導入された電動カート(5人乗り)

 
路面に設置された電磁誘導線上を自動走行。ぶつかりそうでぶつからない、ドキドキ感も

路面に設置された電磁誘導線上を自動走行。ぶつかりそうでぶつからない、ドキドキ感も

  
 新たに導入されたカートに乗り込んだ参加者は、坑口から約3000メートル入った地点に移動。同社総務課主任の千葉慎吾さん(40)らの案内で坑内を歩いた。大峰山(標高1147メートル)の地下600メートルに位置する仙人秘水の採水地で源水を試飲。長い期間じっくりと岩盤をつたってくるという湧き水の味わい、冷涼感に「おいしい」「飲みやすい」と声が響いた。
  
仙人秘水の採水地で湧き水を試飲。おいしさを実感した

仙人秘水の採水地で湧き水を試飲。おいしさを実感した

 
採掘場跡で当時使われていた機械や鉱石について話を聞いた

採掘場跡で当時使われていた機械や鉱石について話を聞いた

 
 鉱石採掘場では、搬送で使う専用の重機が紹介された。鉄鉱石だけでなく、石灰石やトルマリン、大理石なども採掘されていたといい、磁石を手に鉱石探しを体験。鉱石を効率よく搬出するため鉱石を投下したタテ坑なども見て回った。
 
 花こう岩でできた音響実験室「グラニットホール」も見学。操業当時は坑内事務所兼休憩所に充てられた場所で、鉱石の採掘を止めた後は、さまざまな音楽アーティストの録音も行われた。
  
グラニットホールでCDを聴いて音の響きを確かめた

グラニットホールでCDを聴いて音の響きを確かめた

  
 「探検気分で楽しかった」と喜ぶのは、宮城県大崎市の竹林公威(こうい)君(大崎市立古川第5小5年)、競(きそう)君(同2年)兄弟。石好きの公威君は「いろんな種類の石があってきれいだったし、性質を知れたのがよかった。水もおいしかった」と笑った。
  
 地元釜石に長く暮らす甲子町の佐々木拓治さん(73)も坑内に入るのは初めてで、案内役の同社社員に当時の採掘作業や現在の水質調査の方法など熱心に質問していた。石や化石に興味があり、成分分析などを趣味にしているといい、「参考になった」と刺激を受けた様子。妻の聖子さん(70)は仙人秘水の水源や音響施設が印象に残り、「地域を知るいい機会になった」と目を細めた。
  
探検気分を満喫しながら地域の歴史に理解を深めた参加者

探検気分を満喫しながら地域の歴史に理解を深めた参加者

  
 ミートアップ釜石2023事務局のかまいしDMCによると、坑道見学は各回定員15人で募集したところ、申し込みの受け付けの開始早々に定員に達する人気ぶりだった。このほかにも、▽海▽山▽自然と健康▽防災▽歴史▽天体観測―をテーマにした22の多彩なプログラムを用意。同社の菊池啓さん(55)は「釣り、パワースポット巡り、海浜植物の再生活動、星空観察など秋まで楽しめるラインナップをそろえた。ぜひ参加して、地域の良さを再認識してもらう機会に」と呼びかける。

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好きなことを自由に 写真と生け花が添う 大槌の村上民男さん、マサ子さん夫妻 釜石で二人展

釜石で二人展を開いた村上民男さん、マサ子さん夫妻

釜石で二人展を開いた村上民男さん、マサ子さん夫妻

  
 自由に好きなことを続けて50年。大槌町吉里々々(きりきり)のアマチュアカメラマン村上民男さん(75)と生け花の草月流1級師範マサ子さん(77)夫妻の二人展「華と写真」が7月21日~23日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。「持ちつ持たれつ」と尊重し合いつつ、それぞれの道で磨き上げてきた表現世界を紹介。来場者に心潤うひとときを届けた。
   
 二人展は東日本大震災後初めての開催で、通算5回目。夫婦ともに後期高齢者となり「きょうより若い日はない」と思い立ち、新型コロナウイルスの影響も落ち着いたことから「一つの節目に」と企画した。
   
生け花と写真。互いに支え合い、磨いてきた作品がずらりと並んだ

生け花と写真。互いに支え合い、磨いてきた作品がずらりと並んだ

   
 民男さんは県内外の風景や三陸鉄道、植物を捉えた20点ほどを並べた。遊び心を感じさせるタイトルも魅力で、釜石のオープンガーデンに咲き誇る4種のバラをまとめた作品は「私だけ見て」。古里・宮古市の臼木山に群生するカタクリの愛らしい姿を切り取った一枚には「初恋」と過ぎし日の思いを残した。
  
 本格的にカメラを手にしたのは結婚を機にした26歳の頃。元々昆虫好きで自然を追いかけているうちに写す楽しさに魅了された。働きながら、趣味として撮影を続け、地元の愛好グループで活動。震災後は自身が中心となって団体を立ち上げ、作品展を開いたりした。団体の合言葉は「自由に好きなように撮って楽しもう」。10年活動し団体は解散したが、その時のモットーは今なお変わらず、自身の生活スタイルそのものだ。
   
写真を通して出会った仲間たちと談笑する民男さん(中)

写真を通して出会った仲間たちと談笑する民男さん(中)
  
看板、作品タイトルの文字は絵やレタリングも学んだ民男さんが担当

看板、作品タイトルの文字は絵やレタリングも学んだ民男さんが担当

   
 展示会場でひときわ目に付いたのは、流木やナンテンなど実がなる植物、バラ柄の雨傘も添えた大作「流木と人」。22歳頃に生け花を始めたマサ子さんの集大成で、草月流の原点「花はいけたら、人になる」を体現した作品だ。
   
多くの人でにぎわった会場で存在感を放つ大作「流木と人」

多くの人でにぎわった会場で存在感を放つ大作「流木と人」

  
 マサ子さんは釜石・箱崎町出身。1960年のチリ地震津波で自宅が被災し、鵜住居町に移り住んだ。2011年、震災の津波は実家を襲い、母小川静子さん(当時91)、弟満さん(同62)を奪った。「だから、海が嫌い」。そんな妻を、海や山が好きな夫は「津波は津波、海は風景」と時折、誘い出す。大作の土台となる流木は箱崎町などで拾ったものを生かした。その流木に亡き人への思い、自身の生き方を重ねる。「長い間流されて丸くなり、おかに上がって拾われ、誰かのためになる。私たちも長い人生、さまざま経験して丸くなる」
  
大作を含め展示した約10点に込めた思いを明かすマサ子さん(右)

大作を含め展示した約10点に込めた思いを明かすマサ子さん(右)

  
東京から駆け付けた長女由香理さん(右)と記念にパチリ

東京から駆け付けた長女由香理さん(右)と記念にパチリ

  
 それぞれ自由に、のびやかに、豊かな感性を見せた二人展。3日間で400人超の目を楽しませた。「互いに好きなことをしている。持ちつ持たれつ、口を出さず応援」と民男さん。マサ子さんも「2人だったから、こんなに人生が彩り豊かなものに」と穏やかに笑う。会場のあちこちで作品を囲んで談笑する人たちの様子に、「人とのつながりを楽しめる場をつくれたかな」と満足げ。人や自然との出合いに支えられ、成長してきたと実感する2人は「趣味も人生も、体力が続く限り楽しむ」と笑顔を重ねた。

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見て触れて学ぶ 岩手の海 県水産技術センター(釜石) 公開デー 家族連れ、興味津々

岩手県水産技術センターの施設内探検ツアーを楽しむ参加者

岩手県水産技術センターの施設内探検ツアーを楽しむ参加者

  
 釜石市平田の岩手県水産技術センター(神康俊所長)で22日、公開デーとしてイベントが催され、家族連れらが施設見学や研究の紹介、体験活動を通して身近な海や水産について理解を深めた。
   
 公開デーは「海の日」に合わせて行ってきたが、ここ数年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止したり、入場などを制限する形の実施が続いた。制約のない開催は4年ぶり。同センターの研究に触れてもらう新企画を用意した。
  
 その一つが、探検ツアー。神所長らが環境化学実験室など普段は入ることができない施設内部を案内した。種苗棟ではアサリや海藻の養殖試験の様子を見学。地元企業などと協力し開発・商品化を進めた、ワカメを高速で塩漬けする機械「しおまる」について、神所長は「洗濯機に似ている。500キロを均質に効率よく作ることができる。三陸地域で約500台が使われ、広島や島根、北海道など全国で活躍している」と説明した。
  
 二枚貝や海藻類の養殖研究の様子を見学。施設内には震災の爪痕も残る(右下写真)

二枚貝や海藻類の養殖研究の様子を見学。施設内には震災の爪痕も残る(右下写真)

   
 この日くみ取った海水を顕微鏡で観察するコーナーも初企画。「アメフラシのたまご」などプランクトンが生息する小さな世界に大人も子どもも夢中になった。海の生き物に関するクイズを楽しむ、かるたも好評。「オタマジャクシじゃありません。口に4本のひげ。地震の前に暴れます」などと読み上げられると、子どもたちは元気よく「ナマズ」の絵札に手を伸ばした。
  
海のプランクトンを顕微鏡で観察。小さな世界に子どもたちは夢中

海のプランクトンを顕微鏡で観察。小さな世界に子どもたちは夢中

  
魚にまつわるクイズを解きながら挑むかるたも白熱した

魚にまつわるクイズを解きながら挑むかるたも白熱した

  
 ヒトデやウニなどの生き物に触れるタッチプール、塩蔵ワカメの芯抜き作業体験は恒例の催しながら、変わらず人気。60センチほどもあるタチウオの魚拓づくりに挑戦した大船渡市の中井幹太君(大船渡北小2年)は「うまくできた。うちに飾りたい。いろんな体験ができて楽しい」と満足げだった。
  
カラフルな魚拓づくりに挑んだ中井幹太君(左)。出来栄えに満足げ

カラフルな魚拓づくりに挑んだ中井幹太君(左)。出来栄えに満足げ

  
さまざまな海の生き物と触れ合えるタッチプールは子どもたちに人気

さまざまな海の生き物と触れ合えるタッチプールは子どもたちに人気

  
 漁業指導調査船・岩手丸(154トン)も公開。海洋の水温調査や底引き網漁での魚種調査などで使われる観測・漁労装置が並ぶ船内を興味深そうに巡った地元釜石の菊池結衣さん(甲子小2年)は夏休みに入ったばかりで、「船がかっこいい。絵日記に書ける」とにっこり。父・正利さん(53)も「こんな船は見る機会がないから楽しい。海が身近にある地域に住んでいるので、泳ぎに行ったり思い出をつくりたい」と目を細めた。
  
漁業指導調査船・岩手丸の船内巡りを楽しむ家族連れ

漁業指導調査船・岩手丸の船内巡りを楽しむ家族連れ

  
ずらりと並んだ調査用装置に大人も子どもも興味津々だった

ずらりと並んだ調査用装置に大人も子どもも興味津々だった

  
 海況変動に関する研究や貝毒に関する調査、県内水産物のブランド化を支える加工技術の開発など同センターの取り組みもパネルで紹介。神所長や研究員らは来場者と触れ合いながら、やりがいなども伝えていて、「何でもいいから興味を持ってもらえたら。そして将来、海や水産業に関わる人が増えたら」と期待した。

 

Meetup Kamaishi2023で釜石を堪能しませんか?

Meetup Kamaishi2023で釜石を堪能しませんか?

Meetup Kamaishi2023で釜石を堪能しませんか?

 

7月15日(土)から11月5日(日)までの期間、漁船クルーズやトレイルハイキング、坑道体験など、釜石ならではの体験が出来るMeetup Kamaishi2023を開催します。どなたでも参加することができます。ぜひ、釜石の大自然・歴史・文化・スポーツを全身で堪能してください。

 

プログラムや料金、申込等は こちらの特設ホームページ へどうぞ!定員が少ないプログラムもあるのでお早めにご応募ください。

お問い合わせ

株式会社かまいしDMC
TEL  0193-27-5455(根浜海岸レストハウス)
MAIL  contact@dmo-kamaishi.com

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 観光物産係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8421 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023062000038/
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溶融炉ごみ処理の設備に興味津々 岩手沿岸南部クリーンセンター4年ぶりに見学会

岩手沿岸南部クリーンセンターの設備を見学する家族=22日

岩手沿岸南部クリーンセンターの設備を見学する家族=22日

 
 釜石、大船渡、陸前高田、大槌、住田の5市町のごみ処理を担う、釜石市平田の岩手沿岸南部クリーンセンターは22日、コロナ禍で中止していた施設見学会を4年ぶりに開いた。工場棟などを見学した人たちは、施設の役割や環境への配慮に理解を深め、さらなるごみ減量化へ意識を高めた。
 
 見学者は施設紹介のDVDを見た後、職員の案内で工場棟へ向かった。コンピューターで全設備の運転を24時間管理する中央操作室、ごみを貯留し撹拌(かくはん)処理後、溶融炉に投入するごみピットなどを見学。家庭や事業所などから出るごみがどう処理されているかを学んだ。
 
中央操作室には安全運転を行うためのさまざまな機器が並ぶ

中央操作室には安全運転を行うためのさまざまな機器が並ぶ

 
ごみピット(左下)のクレーンの動きに子どもも大人も目がくぎ付け

ごみピット(左下)のクレーンの動きに子どもも大人も目がくぎ付け

 
ごみを撹拌処理した後、溶融炉上部に投入する

ごみを撹拌処理した後、溶融炉上部に投入する

 
 ごみや3R(リデュース、リユース、リサイクル)に関するクイズや家庭のエコチェック、発電体験、リサイクル工作などで環境への意識を高めるコーナーも設けられた。普段は平日(月~金曜・午前10時~午後4時)に無料で利用可能な余熱で沸かす風呂も開放された。
 
 宮城県仙台市の玉木格さん(31)は妻祐香さん(30)の釜石の実家に帰省中で、家族とともに足を運んだ。「ごみ処理というと焼却炉のイメージだったが、溶融炉がどう違うのかを知ることができた。排出されるのもクリーンなガスということで環境にもやさしい施設」と実感を込めた。
 
 大槌町の及川泰来君(8)は「ごみ収集車が好きで一度来てみたかった。ごみをクレーンでつり上げているのがすごかった」と目を奪われ、「夏休みの自由研究にしてみたい」と意欲を見せた。泰来君の母は「処理過程の蒸気を利用して発電したり、ごみがリサイクル素材(スラグ、メタル)に生まれ変わっていると聞き、勉強になった」。世界的にCO2の排出削減が課題となる中、「未来ある子どもたちのためにどうにかできないかという思いは日々ある。リサイクルできるものは分別し、家庭から出すごみをできるだけ減らしたい」と意識を高めた。
 
蒸気タービン発電機について学ぶ

蒸気タービン発電機について学ぶ

 
クイズや発電体験が行われた環境学習コーナー

クイズや発電体験が行われた環境学習コーナー

 
うちわをあおいでプロペラを回し風力発電を体感

うちわをあおいでプロペラを回し風力発電を体感

 
 同センターは沿岸南部の5市町が共同で建設。ガス化溶融炉2炉を有する。稼働開始の2011年4月を前に東日本大震災が発生。施設は津波による大きな被害は免れ、電気設備復旧後に本格稼働した。14年8月まで被災4市町の災害廃棄物処理も行い、3万トン余りを処理した。
 
 現在は1日あたり約100トンを処理。処理量は毎年2~3%ずつ減少している。人口減、資源物の分別が進んでいることが要因と見られ、コロナ禍のこの3年は事業者が出すごみの量がかなり減ったという。昨年度1年間の処理量は2万7125トン。
 
 センターを運営管理する岩手沿岸南部広域環境組合(管理者・野田武則釜石市長)の和賀利典事務局長は4年ぶりに実現した見学会について、「楽しみに待っていたという方も。普段何げなく出しているごみの処理過程を見てもらうことで、一人一人が意識して、できるだけごみを出さない取り組みをしていってもらえれば」と期待した。
 
 センターの風呂は仮設住宅などで暮らした震災被災者らに大変喜ばれた。コロナ禍で浴場の閉鎖や人数制限が行われてきたが、規制緩和で現在では週2回の利用が可能となっている(予約が必要)。組合では昨年度(1607人)の倍の利用を見込む。

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出遅れ感 希少性で知名度アップなるか!? 釜石はまゆりサクラマス 地元飲食店、加工業者ら活用法模索

釜石はまゆりサクラマスの活用を探るワークショップ

釜石はまゆりサクラマスの活用を探るワークショップ

 
 釜石湾で養殖する「釜石はまゆりサクラマス」の事業化に伴い、釜石市はプロモーション活動に力を入れる。18日、地元の味として定着させようと、飲食店や水産加工業者対象のワークショップを「魚河岸テラス」で開催。料理人ら約10人が刺し身、焼き物などで味わいを確かめ、新メニュー開発にアイデアを出した。
 
 岩手県内の沿岸部では、サケやサンマの記録的な不漁を背景にサーモン類の養殖が各地で展開されるが、サクラマス生産に取り組むのは釜石だけ。その希少性を強みとして「ご当地グルメ」に育てていくのが狙いで、6月に実施した先行事例を学ぶセミナーに続く取り組みだ。
 
 アイデア出しの前に、釜石地域の地魚の良さを発信する魚食普及コーディネーターの清原拓磨さん(25)=市地域おこし協力隊員=が、サクラマスの味の特徴を紹介。生食に注目されがちな養殖魚だが、釜石産は脂がのっているのにさっぱりとしていて、塩焼きがおすすめだといい、生食以外の活用を提案。魚を数日間寝かせ、本来の味に加えうまみや食感を向上させる「熟成」についても解説し、「釜石を誇れる魚の一つ。海の環境に配慮した給餌方法など努力していて、味も秀でている。貴重な食材としてアピールできるので、いろんな食べ方で喜ばせてほしい」と期待を込めた。
 
味の特徴など清原さん(右)の話に耳を傾ける参加者

味の特徴など清原さん(右)の話に耳を傾ける参加者

 
 この日、水揚げされたサクラマスを刺し身、塩焼きやあぶり、ソテーなど焼き方を工夫しながら調理した後、試食。「ただ火を通すより、油でソテーする方がいい」「とれたては焼くと油分が出てこず食感がパサパサ。さっと焼き上げるのがいい」「養殖独特のにおいがする」などと声が上がった。
 
焼き方などを工夫しながら手分けして調理する参加者

焼き方などを工夫しながら手分けして調理する参加者

 
参加者は試食しながら味や調理法など情報交換した

参加者は試食しながら味や調理法など情報交換した

 
 市では秋ごろに市内飲食店でのサクラマスフェアの開催を計画中で、「自分の店だったらどんな料理、加工品を提供したいか」と案を求めた。参加者はマリネや天ぷら、ムニエル、カルパッチョなどを提案。「サクラマスをメインにするのは意外に難しい。癖が少なく、どう宣伝していくか…」と思考する声もあった。市内への流通量の確保や保存の在り方など先行きが不透明なことも多く、思い悩む人も。「他のサーモンに比べると、認知されておらず売り出しづらい」「食の多様性から養殖に取り組むのはいいが、釜石は出遅れた」と厳しい意見も聞かれた。
 
 市内ですし店を営む男性も「サクラマスは後発組」と辛口だが、活用のアイデアはあり、今後の動きを注目していくという。魚河岸テラス内で営業する「ヒカリ食堂」では漬け丼など2種のメニューを提供中で、料理長の阿部香さん(45)は「今後も使うことになると思うので、新たな献立を考えていかなければ」と思案。ワークショップで、ほかの事業者から「燻製(くんせい)がいい」と新発想を得て、「調理法を組み合わせれば面白そう」と腕をまくった。
 
フェア開催に向け売り出し方などについて意見を出し合う

フェア開催に向け売り出し方などについて意見を出し合う

 
 市では今回出た事業者らの声を踏まえ、フェアに向け統一ルールなどを設定する考え。新メニュー開発も進めるほか、イベント開催を通じて、ご当地グルメとしての知名度向上を図る。

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「かまいしの第九」ファイナルへ― メンバー高齢化などで実行委苦渋の決断 45年の歴史に幕

2023「かまいし第九の会」発会式=22日

2023「かまいし第九の会」発会式=22日

 
 釜石の音楽文化の象徴、師走のベートーベン第九演奏会が本年の公演をもって終了する。1978(昭和53)年の初演から45年―。東日本大震災、新型コロナウイルス禍などさまざまな困難に直面しながらも歴史を重ねてきた同演奏会だが、主催する「かまいし第九」実行委員会(川向修一会長)はメンバーの高齢化などで事業継続が困難と判断。今年の演奏会で幕を閉じることを決めた。12月17日の最終公演に向け、7月22日、合唱メンバーの練習が始まった。
 
 中妻公民館で行われた今年の発会式には市内外から33人が集まった。川向会長(71)は「主力としてやってきたメンバーが減っていく中、この大きな事業を支えるだけの“体力”を維持できなくなった。今後10年、20年と続けていける展望が開けず、実行委としては今回で一旦区切りをつけるという判断に至った。最後の演奏会をいい形で締めくくりたい」と理解を求めた。
 
集まった合唱参加者を前に実行委の川向修一会長(右下)が公演の終了について説明した

集まった合唱参加者を前に実行委の川向修一会長(右下)が公演の終了について説明した

 
 この日は長年、継続参加するメンバーのほか、数年ぶりに参加を決めたメンバーも顔をそろえた。自己紹介後、合唱練習を開始。親と子の合唱団ノイホフ・クワィアーの指揮者などを務める小澤一郎さん(46)の指導で、ベートーベン交響曲第9番の13コーラスの前半部と、第1部で歌う「明日を」の練習に取り組んだ。
 
7カ月ぶりに歌声を響かせるソプラノメンバー

7カ月ぶりに歌声を響かせるソプラノメンバー

 
合唱指導者から注意点を教わりながら練習に励む

合唱指導者から注意点を教わりながら練習に励む

 
 平田の猪又春香さん(26)は高校2年時以来10年ぶり2回目の参加。昨年の演奏会を聞き、「もう一度自分も」と望んでいた矢先の“最後”の知らせ。 残念さをにじませつつも「記念の年になると思うので、できるだけ練習に参加し、最後にふさわしい盛大な舞台になるよう精いっぱい頑張りたい」と意欲を見せた。
 
 大槌町の菊池征毅さん(81)は釜石の第九演奏会を立ち上げた発足メンバー6人のひとり。釜石の“合唱の父”渡邊顕麿さん(故人)の提案、指導で始まった第九演奏に深い思い入れを持つ。当時、渡邊さんは「20年、30年後の子どもたちに伝わるような活動をしなければ」と話していたという。その言葉を胸に継続へ力を尽くしてきた菊池さん。「40年を越すことができた。今の状況を見れば(渡邊)先生も許してくれるだろう…」。第九は自身のライフワークだった。最後の公演に向け、「自分にとっても総まとめという気持ちで臨みたい」と気を引き締める。
 
自己紹介で釜石の第九演奏会への思いを述べる発足メンバーの菊池征毅さん

自己紹介で釜石の第九演奏会への思いを述べる発足メンバーの菊池征毅さん

 
小澤一郎さん(左)の熱心な指導で約2時間の練習が行われた

小澤一郎さん(左)の熱心な指導で約2時間の練習が行われた

 
 指導にあたる小澤さんは練習初日の歌声に、「みんな歌い込んでいるだけあってパワーが伝わってきた。最後の公演へ気合いが感じられる」。昨年はコロナ感染拡大防止を考慮し、合唱出演者は県内在住者に制限したが、今年は県外からの参加も広く呼び掛ける。「昨年よりも多くの参加を得て、より感動的な演奏会にできれば。ぜひ大勢の方々に聞いてほしい」と期待を込める。
 
 演奏会は2部構成。1部では、震災関連ソング「明日を」、「群青」の2曲を合唱。2部でベートーベン交響曲第9番(1~4楽章)を演奏する。指揮は釜石出身で、東京で音楽活動を続ける瓦田尚さん(40)=ムジカ・プロムナード主宰=が、昨年に続き務める。釜石市民ホールTETTOで、午後1時半の開演を予定する。
 
コロナ禍を経て3年ぶりに開かれた昨年の演奏会

コロナ禍を経て3年ぶりに開かれた昨年の演奏会

 
12月17日の本番に向けて今年も合唱練習が続く

12月17日の本番に向けて今年も合唱練習が続く

 
 実行委では8月26日まで合唱メンバーを募集する。対象は第九を歌った経験があり、練習(毎週土曜日午後3時半~午後5時半)に参加できる人。問い合わせ、申し込みは実行委(電話090・6780・0434、FAX0193・23・8344、E-mail:kamaishinodaiku@yahoo.co.jp)へ。