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*春らんまん* 釜石市内各所で「桜」満開 今季運行終了のSL銀河とのコラボも

小川川沿いのソメイヨシノの並木=9日午前撮影

小川川沿いのソメイヨシノの並木=9日午前撮影

 
 釜石市内は先週末、各所の桜が満開となり、花見を楽しむ人たちが繰り出した。ほとんどの桜が例年より1週間以上早く開花。入園、入学式シーズンを彩った。青空が広がった9日日曜日は、家族連れなどが桜の名所に足を運び、花を愛(め)でたり記念撮影したりする姿が見られた。8、9の両日は、今季で運行を終了するSL銀河と桜を写真や映像に収めようという人たちが沿線各所でカメラを構えた。
 
 釜石駅近くの駐車場内にある線路沿いの桜並木。8日は、午後3時10分釜石着のSL銀河と桜を同時に撮影しようという人たちが市内外から集まった。蒸気や煙を棚引かせ、汽笛を鳴らしながら到着する列車を満開の桜がお出迎え。熱烈なSLファンや地元住民らが今年で最後となる光景をカメラに収めた。
 
満開の桜に迎えられ、釜石駅に到着するSL銀河=8日午後3時9分撮影

満開の桜に迎えられ、釜石駅に到着するSL銀河=8日午後3時9分撮影

 
線路沿いに連なる桜並木=鈴子町/到着後、転車台の前でカメラを向ける人たち(左上写真)

線路沿いに連なる桜並木=鈴子町/到着後、転車台の前でカメラを向ける人たち(左上写真)

 
 一関市から訪れた田辺毅さん(50)は「SL銀河と桜のコラボも今年で見納め。この季節ならではの写真を撮りたいと思って。うまく撮れているかは別ですけど」と笑い、カメラの画像をチェック。4月中に釜石―遠野間を2回乗車予定。「まさか(切符を)取れるとは思っていなくて。ほんと、運が良かった。恵まれています」と車窓からの景色も楽しみにした。
 
 運行開始当初からホームでの出迎え、見送りなどに協力してきた地元・鈴子町内会の女性陣。この日は桜の下で歓迎の手旗を振って出迎えた。夕向有子さん(77)は「今年は一気に咲いた。満開の桜とSL、こんな絵に描いたような光景はめったにない。時期を逃すまいと出てきました」と友人と声をそろえ、「何とも言えない幸せな気分」に浸った。
 
 9日の釜石発の上り運行でも、沿線の桜がある場所に多くのカメラマンが陣取った。桜木町の日本製鉄釜石山神社付近の線路沿いの桜並木。強風で散り始めた花びらが舞う中、SLが通過し、名残惜しい風景を見せた。
 
小川川の橋梁を通過するSL銀河(上り)=9日午前10時3分ごろ

小川川の橋梁を通過するSL銀河(上り)=9日午前10時3分ごろ

 
 小川川下流域沿いのソメイヨシノの並木は市内を代表する花見スポット。枝先が川面に垂れるような木もあり、清流と背後の山々と相まって独特の風情を生み出している。地元住民によると、最高気温が20度を超えた5、6日で一気に満開に。7日は雨に濡れたが花は持ち、天候が回復した9日は家族連れらが訪れ、桜をバックに記念写真を撮る姿が見られた。昨年の桜シーズンには同所で映画の撮影も行われており、さらに知名度もアップしている。
 
川側に張り出す枝ぶりが見事なソメイヨシノ=小川川下流

川側に張り出す枝ぶりが見事なソメイヨシノ=小川川下流

 
きれいな桜をバックに記念の一枚。春の思い出!

きれいな桜をバックに記念の一枚。春の思い出!

 
 市中心市街地を一望できる高台、大町の薬師公園も古くから親しまれる桜の名所。頂上広場のソメイヨシノのほか、坂道の遊歩道沿いでは濃桃色の花が目を引くシダレヒガンザクラなども咲き誇る。赤い花の椿も開花しており、9日は青空を背景に花色の競演が見られた。広場のベンチでは持参した団子などを味わいながら、花見を楽しむ人たちも。桜の合間からのぞく釜石湾、震災復興で形成された新たな街並みも春景色に彩りを添えた。
 
 大町の佐藤なつきさん(36)は「下からは結構見ているが、上まで上ってきたのは久しぶり。近場で桜を見られるのは魅力的。今日は青空に恵まれて最高の花見日和。きれいな花を見るとうれしくなる」と声を弾ませた。夫卓也さん(40)は「スマホやテレビで画面越しに見るのとは違って断然いい。気持ちが和み、すごく癒やされる。明日からまた頑張れそう」と活力をもらった様子。夫婦で春のひとときを楽しんだ。
 
薬師公園には9日、続々と花見客が訪れた/花色の異なる桜が出迎える遊歩道(左下写真)。夜には園内のちょうちんに明かりがともされる

薬師公園には9日、続々と花見客が訪れた/花色の異なる桜が出迎える遊歩道(左下写真)。夜には園内のちょうちんに明かりがともされる

 
薬師公園頂上広場のソメイヨシノはほぼ満開

薬師公園頂上広場のソメイヨシノはほぼ満開

 
園内からは釜石湾の青い海、市街地の街並みを眺望できる

園内からは釜石湾の青い海、市街地の街並みを眺望できる

 
 唐丹町本郷の桜並木は、1933(昭和8)年の三陸大津波からの復興を願って植樹されたもの。道路の両側に立ち並び、毎年見事な桜のトンネルを作り出している。休日の9日は見物に訪れる人たちの車の出入りが続いた。同所では3年に一度、天照御祖神社の式年大祭「大名行列」が行われるが、開催年にあたった2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止された。コロナ収束後の祭りの復活が待たれる。
 
唐丹町本郷の桜並木。目にも鮮やかな桜のトンネルが来訪者を迎える

唐丹町本郷の桜並木。目にも鮮やかな桜のトンネルが来訪者を迎える

 
美しく咲き誇る桜の下で多くの見物客が散策を楽しんだ=9日

美しく咲き誇る桜の下で多くの見物客が散策を楽しんだ=9日

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新年度、本格スタート 釜石市役所で市長訓示・辞令交付 街中では桜もほころぶ

向かって新しい一歩を踏み出した新人職員ら=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

目標に向かって新しい一歩を踏み出した新人職員ら=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

  
 3日の釜石市内は高気圧に覆われ、朝から晴れ間が広がった。風に冷たさは残るものの、暖かな日差しを感じる時間も多くなっていて、街中では桜がほころんでいる。そんな中、新年度が本格的にスタート。市役所では野田武則市長の訓示や辞令を受けた職員らが市政運営へ気持ちを新たにした。新採用職員の研修も開始。「ラグビーのまち」の理念を理解してもらおうと用意された体力勝負のメニューを体験しながら、チームワークの大切さを感じ取った。
  
咲きほころぶ一本桜。釜石風景を春色に染める=3日、大渡町橋詰広場

咲きほころぶ一本桜。釜石風景を春色に染める=3日、大渡町橋詰広場

  
釜石市の新職員を代表して宣誓書を読み上げる佐々木要さん=3日、釜石市役所議場

釜石市の新職員を代表して宣誓書を読み上げる佐々木要さん=3日、釜石市役所議場

  
 新型コロナウイルス禍で4度目の春。マスク着用などさまざまな制限が緩和される中、市役所では議場に一堂に会す例年のスタイルで辞令交付が行われた。新たに採用された16人はマスクを外して式に臨んだ。代表で財政課に配属される佐々木要さん(30)が「市民全体の奉仕者として、誠実、公正に職務を遂行する」と宣誓書を読み上げた。
  
 佐々木さんは浜町出身で、東日本大震災で自宅が全壊した。進学のため釜石を離れていたため津波の様子は目にしていないが、「災害での被害をなくしたい」と大学では津波のメカニズムなどを学んだ。金融機関に就職したが、古里への転勤を機に「防災、まちづくりに関わりたい」と公務員に転向。前職を生かした業務から新たな一歩を進め、将来は「若い人が戻って来たいと思うユニークなまちにしたい」と思い描く。
 
野田武則市長(右)の訓示に耳を傾ける市職員=3日、釜石市役所議場

野田武則市長(右)の訓示に耳を傾ける市職員=3日、釜石市役所議場

 
 野田市長は新職員に対し「先憂後楽」との言葉を贈り、「市民ファースト、市民と同じ立場で見て考える姿勢を大事にしてほしい」と激励。1日付で新たに就任した平松福寿副市長や各部長など約30人の職員に対しては、「人口減の中、市政運営は厳しい状況が続くだろう。市内企業の雇用拡大、専門学校の開校、インターンシップやスタディケーションといった動きを融合させ、新たな展開を模索していこう」と協力を求めた。
  
釜石市の新規採用職員はラグビー研修で親睦を深めた=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

釜石市の新規採用職員はラグビー研修で親睦を深めた=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 市の新人職員らを対象にしたラグビー研修は5日、鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。19年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石大会誘致の経緯や得たレガシー(遺産)を生かしたまちづくりを学んだ後、グラウンドへ。ゴールキック体験やパスをつないでトライまでの速さを競ったりしながら汗を流した。
  
「まちの魅力を伝えたい」。ゴールキックに挑む阿部帆歌さん=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

「まちの魅力を伝えたい」。ゴールキックに挑む阿部帆歌さん=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 市国際交流課に配属が決まっている阿部帆歌(ほのか)さん(18)は「やってみると難しさ、楽しさが分かる。結束力が大事で、仕事でも生かせる。困った時に相談したり、助け合ったりできる。スポーツを通してコミュニケーションも活発になる」と、さまざまなことを学び取った。市職員を選んだきっかけは、中学3年時にあったラグビーW杯。盛り上げ活動に取り組んだ経験を生かし、「釜石のよさを少しでも多く伝えたい」と意欲を高めていた。
 
 

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広報かまいし2023年4月1日号(No.1805)

広報かまいし2023年4月1日号(No.1805)
 

広報かまいし2023年4月1日号(No.1805)

広報かまいし2023年4月1日号(No.1805)

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【P1】
第2子以降の保育料を無償化します
第3子以降の学校給食費を無償化します

【P2-3】
市税の納付方法が 拡充されます

【P4-5】
4月1日~ 市の組織機構が変わります
市職員の給与などを公表します

【P6-7】
まちのお知らせ

【P8】
イベント案内

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023032800019/
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トルコ・シリア地震の救援に― 釜石市の小中学生が募金託す「東日本大震災支援の恩返しを」

トルコ・シリア地震の救援金を野田釜石市長に託す「かまいし絆会議」の中学生ら

トルコ・シリア地震の救援金を野田釜石市長に託す「かまいし絆会議」の中学生ら

 
 釜石市内14小中学校(小9・中5)の児童生徒らでつくる「かまいし絆会議」は3月22日、大地震で被害を受けたトルコ、シリアの救援に役立ててもらおうと、各校の募金活動で集まった38万9243円を日本赤十字社(日赤)に託した。2011年の東日本大震災で受けた支援への“恩返し”、一日も早い現地復興への願いを込め、自主的に行動した。
 
 中学校の代表6人(2年)が市役所を訪問。唐丹中生徒会長の香川彩夏さんが日赤県支部釜石市地区長を務める野田武則市長に目録を手渡した。香川さんは「東日本大震災で支援してくれた方々への恩返しの気持ちを込め、募金活動を実施した。少しでもトルコ、シリアの復興が進めばいい」と願った。一人一人思いを発表。釜石中の三浦海斗さんは「全校生徒が快く募金してくれた。困っている方にいち早く届けば」、甲子中の畠山偉利さんは「現地の状況が良くなり、健康に暮らせるようになればと思い活動した」と述べた。
 
救援金の目録を野田市長に手渡す唐丹中の香川彩夏さん(右)

救援金の目録を野田市長に手渡す唐丹中の香川彩夏さん(右)

 
各校の代表が募金活動に込めた思いを発表した

各校の代表が募金活動に込めた思いを発表した

 
 野田市長は「世界各国で災害が起きている。こうした募金活動が今、私たちにできる唯一のことではないか。皆さんが自ら考え、行動してくれたことは本当に頼もしく心強い」と感謝した。同席した髙橋勝教育長は「1校の力は小さくても市内全校の力を合わせれば、大きなこともできる。仲間意識を持ち、どんどんチャレンジしてほしい」と呼び掛けた。
 
大平中で行われた募金活動(写真提供:大平中)

大平中で行われた募金活動(写真提供:大平中)
 
呼び掛けに応え、募金に協力する生徒(写真提供:大平中)

呼び掛けに応え、募金に協力する生徒(写真提供:大平中)

 
 募金活動は2月下旬から3月初旬にかけて各校で実施。釜石東中では生徒会執行部が中心となり、募金箱を作って朝の昇降口で協力を呼び掛けた。同校は東日本大震災の津波で校舎が全壊した。久保朱璃さんは「東中は当時、たくさんの支援で助けてもらった。トルコ、シリアの状況は人ごとではない。しっかり恩返ししたいという気持ちで募金に取り組んだ」と話す。
 
 同市は市所管の施設に5月29日まで募金箱を設置し、トルコ・シリア地震救援金の協力を呼び掛けている。設置場所は▽市役所第一庁舎1階市民課窓口▽市保健福祉センター2階地域福祉課窓口▽シープラザ釜石2階国際交流課窓口▽市内8地区生活応援センター▽魚河岸テラス▽根浜シーサイド▽いのちをつなぐ未来館▽道の駅釜石仙人峠。寄せられた救援金は全額、日赤を通じて現地の救援・復興支援のために使われる。

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コロナ禍脱却へ「釜石の歴史を学ぶ会」活動再開 郷土資料館・津波企画展を見学

学習会を再開した「釜石の歴史を学ぶ会」の会員ら=18日、市郷土資料館

学習会を再開した「釜石の歴史を学ぶ会」の会員ら=18日、市郷土資料館

 
 市民活動グループ・釜石の歴史を学ぶ会(柴田渥代表、20人)が、新型コロナウイルス禍で休止していた活動を再開。18日、釜石市鈴子町の市郷土資料館(藤井充彦館長)で開催中の企画展「先人に学ぶ復興―昭和三陸地震津波から90年」を見学し、同市の津波災害と復興の歴史に理解を深めた。新年度から月1回の定例学習会を復活させる予定で、会員らは学びへの意欲を高めている。
 
 同会は2016年5月から活動。幅広い分野で郷土の歴史を学ぼうと月に1回集まり、郷土資料館での学習、市内の史跡見学、専門家の講話などで知識を深めてきた。コロナ禍で会員が集まっての学習を控えていたが、感染症も収束傾向にあることから活動再開を決めた。
 
市郷土資料館で開催中の企画展を見学する会員ら

市郷土資料館で開催中の企画展を見学する会員ら

 
 18日は12人が参加。郷土資料館の津波企画展を見学し、同館の佐々木寿館長補佐から話を聞いた。話題に上ったのは、釜石・大槌の津波記録文献の復刻を手掛け、防災教育にも取り組んだ故上飯坂哲さん(2009年逝去、享年71)の功績について。
 
 小学校教諭だった上飯坂さんは大槌町の吉里吉里小校長在職中に、1896(明治29)年の大津波について当時の校長が記した記録の存在を知り、子どもたちにも読ませたいと復刻に取り組んだ。退職後に務めた釜石市の鵜住居公民館長時代には、市内各地に残る津波資料の文献を次々に復刻。2005年に同公民館長を退任後、津波防災の重要性を伝えたいと、自身の考えをまとめた「津波てんでっこ考」を執筆、自費出版した。後に釜石東中から津波講話の依頼があり、これを機に子どもたちに教える活動も始めた。
 
上飯坂哲さんが書いた「津波てんでっこ考」を紹介する佐々木館長補佐(右)。企画展では上飯坂さんが復刻した複数の津波記録誌も展示(左)

上飯坂哲さんが書いた「津波てんでっこ考」を紹介する佐々木館長補佐(右)。企画展では上飯坂さんが復刻した複数の津波記録誌も展示(左)

 
 2011年の東日本大震災発生時には、釜石東中、鵜住居小の児童生徒が率先した避難行動で迫り来る大津波から逃れ、自らの命を守った。「上飯坂さんの活動は釜石の津波防災教育のはしり。残した功績は非常に大きい」と佐々木館長補佐。震災後、同著に関する問い合わせも多数あったという。市教委は14年に、上飯坂さんの家族の協力を得て同著の復刻版を発行している。
 
 学ぶ会の柴田代表(76)は「地元に住んでいてもまだまだ知らないことは多い」と実感。こうした学びの機会は新たな気付き、古里への興味を引き出すきっかけにもなるといい、「細く長く活動を続け、若い世代にも何か刺激を与えられたら」と生涯学習への意欲を示した。
 

昭和の三陸大津波から90年― 先人の復興を学ぶ 郷土資料館で5/7まで企画展

 
郷土資料館企画展「先人に学ぶ復興―昭和三陸地震津波から90年」

郷土資料館企画展「先人に学ぶ復興―昭和三陸地震津波から90年」

 
 昭和と平成の時代に三陸を襲った大津波はくしくも同じ3月の発生。市郷土資料館が毎年この時期に開催する津波に関する企画展では、さまざまな視点で同市が受けた津波災害の歴史を掘り下げている。今回は「先人に学ぶ復興」をテーマに、発生から90年となる昭和の津波の被害状況や復興の歩みにスポットを当てた。
 
 1933(昭和8)年3月3日午前2時31分に起こった昭和三陸地震津波。本県沖を震源とするマグニチュード8.1の大地震が発生し、その後の津波で3千人以上が犠牲となった。市内で被害が大きかったのは釜石町嬉石・松原、唐丹村本郷、鵜住居村両石(町村=当時)。ほとんどの家屋が流失し、本郷では人口の半分以上が犠牲となった。
 
被災の惨状をいち早く伝える当時の新聞=郷土資料館所蔵

被災の惨状をいち早く伝える当時の新聞=郷土資料館所蔵

 
 驚くのは当時の復興の速さ。1カ月後、中心市街地にはバラックの建物が建ち始め、漁港も応急修理が施された。翌34(昭9)年には釜石港が東北最初の国際港として開港し、税関支署などの諸官庁が設置されていった。釜石町は人口が4万人を超えた37(昭12)年、県内で2番目に市制を施行。釜石製鉄所繁栄の勢いがまちの復興を後押ししていったと考えられる。
 
昭和9年1月に開港した釜石港の1周年を記念して発行された絵はがき。復興した魚河岸付近を撮影した写真が印刷される

昭和9年1月に開港した釜石港の1周年を記念して発行された絵はがき。復興した魚河岸付近を撮影した写真が印刷される

 
 企画展では当時の小学校が中心となって残した記録集(故上飯坂哲さん復刻)を基に、各地の被害状況を写真やパネルで伝える。発災直後の新聞記事、唐丹村役場の救助者名簿、復興工事に関わる契約設計書も。港近くの復興後の街並み写真が印刷された釜石港開港記念の絵はがき、市制施行の稟議書や記念品なども並ぶ。企画展は5月7日まで(火曜日休館)。

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やりたいこと、実現!「かまっこまつり」準備中 釜石の子どもたち「来てー!」

手製のチラシを手に「かまっこまつり」をPRする子どもたち

手製のチラシを手に「かまっこまつり」をPRする子どもたち

 
 釜石市の子どもたちが中心となって企画する「かまっこまつり」が25日、大町の釜石PITで開かれる。自らアイデアを出し合い、準備から運営まで行う祭りは9回目。手作り雑貨や遊びの出店、ステージ発表などで市民をもてなす。今回は6歳~高校生約30人がスタッフに応募。昨年11月下旬から作戦会議、準備を重ねている。本番を1週間後に控えた18日に大町の青葉ビルで進められた作業をのぞいてみた。
 
 商品の袋詰めや店の看板づくり…。この日は、小中学生と保護者、大人スタッフら15人ほどが集まった。手製のスノードームなどを売り出す「なんか屋」チームの櫻井真衣さん(双葉小5年)は「ものづくりが好きだから楽しい」と手際よく作業。同級生の大井虹色(なな)さんは「春休みは暇だから。いつもと違ったことができるのかなと楽しみ。とにかく、買ってもらえたらよし!」と、せっせと手を動かしていた。
 
スノードームを作ったチーム。販売に向け袋詰めや飾り付けを進める

スノードームを作ったチーム。販売に向け袋詰めや飾り付けを進める

 
看板に描くイラストを考えたり、ダンスの振り付けを確かめたり…大忙し

看板に描くイラストを考えたり、ダンスの振り付けを確かめたり…大忙し

 
 他にもスライムづくりや宝探しゲーム、運動遊びコーナーなどが並ぶ予定。子どもたちは「ルールを考えるのが楽しい」「作り方を知りたいからやってみた」と生き生きした表情でもてなしの準備を進めている。チラシをつくって青葉ビル周辺の住民に配布。宣伝にも力を発揮する。
 
祭り限定の仮想通貨「かまっコイン」。みんなで丁寧に切り取り中

祭り限定の仮想通貨「かまっコイン」。みんなで丁寧に切り取り中

 
 そして祭りの特徴の一つが、限定の仮想通貨。今回の「かまっコイン」は、釜石の海と夕日がデザインされている。考えたのは松田桃さん(鵜住居小2年)。「きれいだと思ったから描いた。優しい気持ちで使ってほしい」とはにかんだ。来場者は受付で仮想通貨をもらって買い物や遊びを満喫。通貨を使い切ったら、各ブースで運営を手伝う“アルバイト”をして報酬の通貨を得る仕組みも楽しみどころだ。
  
「25日にやります。来てください」。チラシを配って呼びかけも

25日にやります。来てください」。チラシを配って呼びかけも

  
 釜石まちづくり株式会社が主催。祭りは東日本大震災後の子どもの居場所づくりを目的に「放課後子ども教室」を運営する市民団体が2013年に始めた。子どもたちのやりたいことを実現させ、地域の人たちとの出会いを促すのを目指し、本年度から同教室の運営を担う同社が取り組みを引き継いだ。
  
 これまで会場にしてきた鵜住居地区を飛び出し、市中心部に乗り込んで初開催。隣接する市民ホールTETTO前広場では、何でも100円で買えるフリーマーケット「かまいし百円市」(同社主催)も予定され、楽しさ倍増で街中ににぎわいを生み出す。同教室事業に長年携わる同社の岩城一哉さん(36)は「子どもたちが時間をかけて作り上げる成果を見てほしい。そして交流することで、互いに声がかけやすい関係づくり、発見や学び合うきっかけになれば」と来場を呼びかける。
 
 かまっこまつりは正午~午後3時まで。同時開催の百円市は同14時半まで楽しめる。
 

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古タオル→雑巾に…そして小学校へ 釜石・中田薬局、リユース活動 SDGs実践中

中田薬局が取り組むリユース活動「中たオルプロジェクト」

中田薬局が取り組むリユース活動「中たオルプロジェクト」

 
 釜石市の中田薬局(中田義仁代表取締役)は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の視点を取り入れ、タオルのリユース(再利用)活動に取り組んでいる。体操着リユースに続く第2弾となる取り組みの名は「中たオルプロジェクト」。使い古したタオルを集めて、シニア世代が雑巾(中たオル)に作り替え、小学校に届ける仕組みで、高齢者の居場所や世代間交流の機会づくりを地域の薬局として後押しする。
 
小学生に使ってもらおうと雑巾づくりに励む女性たち

小学生に使ってもらおうと雑巾づくりに励む女性たち

 
 14日は甲子町の甲子公民館で雑巾づくり。パッチワークを楽しむ女性8人が協力した。タオルには、市内にあった商店名が印刷されたりし「懐かしい」と会話を弾ませる女性たち。「手と口を同時に動かせるのよ」と楽しそうにミシンを動かし、1時間ほどで75枚を作り上げた。既に作った雑巾と合わせ250枚を15日に甲子小に届けた。
 
 定内町の高橋輝子さん(82)は「雑巾づくりなんて、何年ぶりかしら。娘が子どもの頃には作ったけど…懐かしいな。子どもたちに使ってもらい、学校がピカピカになったらうれしい。手仕事が好きだから、また機会があったらお手伝いしたい」と目を細めた。
 
手仕事の大ベテランたちは手も口も動かしながら楽しく作業

手仕事の大ベテランたちは手も口も動かしながら楽しく作業

 
 プロジェクトを手掛けるのは、同社でインターンシップ(就業体験)中の佐々木優奈さん(岩手大教育学部2年)と酒本野乃さん(中央大経済学部2年)。2人は2月上旬から釜石に滞在し、社員と同じ立場で企業に加わり、課題解決や新規事業の立ち上げなどに取り組んできた。同社から受けたミッションは「タオルリユースの仕組みづくり」。高齢化が進む地域で高齢者の居場所をつくり、子どもと結びつける取り組みについて知恵を絞った。
 
 タオル集めには、若者ならではの力を発揮。普段から親しむ会員制交流サイト(SNS)を活用しながらポスター、口コミで呼びかけ、800枚以上が寄せられた。雑巾製作に協力してくれる人集めについては、地域の薬局として関係を築いてきた人たちが紹介してくれた。
 
プロジェクトを担った佐々木優奈さん(右)と酒本野乃さん

プロジェクトを担った佐々木優奈さん(右)と酒本野乃さん

 
 タオル集め、製作協力者集めとプロジェクトの課題をクリアしていき、最後の関門、継続性について模索。地元甲子町出身の佐々木さんは母校の釜石高に目を付け、雑巾づくりや調整役を担ってもらう流れを見いだした。「今後は高校生や小学生にも参加してもらい地域ぐるみの活動にしたい」と見据えた。薬局でアルバイトをしていた酒本さん(鳥取市出身)は、薬局と地域の関わりや果たす役割を体験しようとインターンに挑戦。地域全体でSDGsへの理解を深め、実践しようとする取り組みを芽吹かせることができたと手応えを得た。
 
 2人は17日にインターン生活が終了。活動を見守った中田代表取締役は「若い人たちの感性と行動力で物事を進めてくれた。継続できるとの見通しもついた。短期間な上、さまざまな壁にぶち当たったと思うが、乗り越えている。失敗しても諦めず行動できることを証明した。これからの生活の力にしてほしい」と期待した。
  
中たオルプロジェクトの問い合わせは中田薬局松倉店(0193・23・1230)か、InstagramDM (@nakatapharmacy)へ。

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黒森神楽(宮古市)3年ぶり巡行で釜石の神楽宿・宝来館へ 震災高台移転の根浜集落にも門打ち

「黒森神楽」の釜石巡行。役舞「松迎」を披露する神楽衆=5日、宝来館

「黒森神楽」の釜石巡行。役舞「松迎」を披露する神楽衆=5日、宝来館

 
 国指定重要無形民俗文化財、宮古市の「黒森神楽」が5日、釜石市鵜住居町根浜の神楽宿・宝来館で舞を披露した。新型コロナウイルス感染症の影響で休止していた新春恒例の巡行を再開。来訪を心待ちにしていた約100人が、役舞や劇仕立ての演目を楽しみ、心豊かな時間を過ごした。神楽衆は東日本大震災の津波被災で高台移転した根浜集落も訪問。犠牲者を供養する神楽念仏、家々を回って家内安全などを祈願する門打ちを行った。
 
 黒森神楽保存会(松本文雄代表、15人)の10人が来演。宿での演舞を前に、高台住宅地の入り口にある津波記念碑と地蔵の前で「神楽念仏」を行った。黒森神社(宮古市山口)の神霊を移した「権現様(獅子頭)」の舞で震災犠牲者を供養。集まった住民らは権現様に頭や肩をかんでもらう“身固め”の儀式で、無病息災などの御加護を受けた。一行は3軒の門打ちもした。
 
海に向かい、津波犠牲者を供養する「神楽念仏」=根浜復興団地

海に向かい、津波犠牲者を供養する「神楽念仏」=根浜復興団地

 
「権現様」を携えて家々を回り1年の無事を祈願

「権現様」を携えて家々を回り1年の無事を祈願

 
 同地区には35世帯約90人が暮らす。根浜親交会の佐々木三男会長(61)は「神楽は縁起物。来てくれるのは大変うれしい」と笑顔。震災から12年となる地域について、「子どもから高齢者まで誰もが住みやすいまちを掲げる。大事に育てていきたい」と思いを込めた。
 
 宝来館では宿に入る前に、権現舞による「舞い込み」で悪魔払いや火伏せの祈祷(きとう)を行った。昼休憩をはさみ、大広間で幕神楽が開演。太鼓やかねの「打ち鳴らし」後、祈祷を司る役舞、天照大御神をテーマにした岩戸系演目など全8演目を披露した。役舞は天下泰平を祈願する二人舞「松迎」、農林漁業者の信仰対象である「山の神」舞など。大漁と海上安全を願う「恵比寿舞」では、鯛(たい)を釣り上げる場面に観客も参加し会場を沸かせた。狂言の一種「鍛冶屋」は、演者のやりとりが笑いを誘った。
 
役舞「山の神」の演舞では米をまいて五穀豊穣を祈願。山の神は安産の神としてもあがめられる

役舞「山の神」の演舞では米をまいて五穀豊穣を祈願。山の神は安産の神としてもあがめられる

 
観客を巻き込み、活きのいい鯛を釣り上げる様子を演じる「恵比寿舞」

観客を巻き込み、活きのいい鯛を釣り上げる様子を演じる「恵比寿舞」

 
ユーモアたっぷりの演技で楽しませた狂言「鍛冶屋」

ユーモアたっぷりの演技で楽しませた狂言「鍛冶屋」

 
 日本の伝統舞を子どもたちの教材とする「民俗舞踊教育研究会」(東京都)の山本良江さん(60)、古矢比佐子さん(69)は長年、同神楽巡行に足を運ぶ。「歴史の重みと大衆的な面の双方が相まってすごく魅力的」と山本さん。若いメンバーの成長を目の当たりにした古矢さんは「高校生だった子たちも磨かれてきて、次世代へ継承されているのを感じる」。震災を乗り越え、地域で神楽を楽しめる空間ができてきたことにも深い感慨を覚えた。
 
後継者として今後の活躍が期待される若手メンバー。技量を高めるべく精進を重ねる

後継者として今後の活躍が期待される若手メンバー。技量を高めるべく精進を重ねる

 
見応え十分の各演目に拍手を送る観客。最後は権現様に「身固め」をしてもらった(左下写真)

見応え十分の各演目に拍手を送る観客。最後は権現様に「身固め」をしてもらった(左下写真)

 
 黒森神楽は500年以上の歴史を誇る。毎年正月3日に同神社で「舞立ち」。久慈市までの「北回り」、釜石市までの「南回り」の巡行を交互に行っている。コロナ禍で北、南の巡行をそれぞれ1年休止し、今年3年ぶりに再開させた。松本代表(74)は「お客さんも楽しんでくれた。自分たちも相手の反響によって腕以上のものを出したりできるので、こういう場はやっぱり必要」と巡行のありがたみを実感。今は20~80代のメンバーが伝承活動に励む。「先人から引き継いだものを次の人たちに渡すのが自分たちの役目。年が離れていても、目標が同じだから一緒に頑張れる」と話した。

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艦砲射撃受けた釜石から非戦の願い発信 戦時下の女学生の姿を市民劇場で 心揺さぶる演技に涙

戦時下の女学生らの姿を描いた第36回釜石市民劇場=TETTO

戦時下の女学生らの姿を描いた第36回釜石市民劇場=TETTO

 
 第36回釜石市民劇場(同実行委主催)は2月26日、釜石市大町の市民ホールTETTOで上演された。77年前、厳しい戦時下をたくましく生き抜いた女学生や子どもにスポットを当てた物語で、元釜石高等女学校生の手記も朗読。太平洋戦争末期、米英軍による2度の艦砲射撃を受けた同市から、非戦の願いを強く発信した。会場では、ロシアによる軍事侵攻で苦しい環境下にあるウクライナへの支援募金も呼び掛けた。
 
 1945(昭和20)年春から夏の釜石が舞台。戦況の悪化で、遠野への集団疎開を余儀なくされた国民学校児童、勤労動員や軍事教練で学業もままならない高等女学生、敵に狙われた製鉄所で働く父を案じる家族-。それぞれの境遇の中、希望を見い出しながら懸命に生きる姿を描いた。構成詩、元釜女生4人の手記の朗読で、機銃掃射や艦砲射撃の恐ろしさも伝えた。手記は、2000年に釜石南高(現釜石高)教諭だった箱石邦夫さん(81)が生徒らと釜女卒業生に手紙を送り寄せてもらったもので、当時の文化祭で展示。16年、箱石さんにより証言書簡集「八月のあの日・乙女たちの仙人越え」としてまとめられた。貴重な証言は今回の劇の内容にも生かされている。
 
疎開先の遠野で農夫と交流する国民学校の子ども

疎開先の遠野で農夫と交流する国民学校の子ども

 
警備兵から竹やり訓練を命じられる高等女学校生

警備兵から竹やり訓練を命じられる高等女学校生

 
高射砲台に向かおうとする隊員(右)に複雑な思いがあふれる

高射砲台に向かおうとする隊員(右)に複雑な思いがあふれる

 
 キャスト18人、スタッフ約30人で作り上げた市民手作りの舞台劇。午前と午後の2回公演に計336人が足を運び、釜石が経験した戦争の歴史や後世に託す思いを劇を通して感じ取った。平田の水島寿人さん(55)は「艦砲射撃の激しさを改めて知る機会になった。こうした事実を次世代につないでいかなければ」と実感。キャストの素晴らしい演技も称賛した。
 
 会場には、朗読された手記をつづった元釜女生の佐野睦子さん(92)、書簡集を編さんした箱石さんの姿も。勤労動員で自宅のある大橋から嬉石の缶詰工場に通った佐野さんは、20数キロの暗い帰り道を幾度となく歩いた経験、決して忘れることのない戦争の苦しみを記している。「集団疎開を含む当時の釜女の話は埋もれてしまうところだったが、箱石先生が掘り起こし世に出してくれた。今回の劇でさらに日の目を見たことはとても感慨深い」と感謝の気持ちを口にした。
 
元釜石高等女学校生の手記の朗読。戦争の記憶は半世紀以上経過しても鮮明に残る…

元釜石高等女学校生の手記の朗読。戦争の記憶は半世紀以上経過しても鮮明に残る…

 
子どもキャストの熱演は観客の笑顔を誘う

子どもキャストの熱演は観客の笑顔を誘う

 
 昨年11月から稽古を続けてきたキャスト。役作りに励み、掛け合いや表現力に磨きをかけ本番を迎えた。姉はスタッフ、妹、弟、自身はキャストと4人で参加した青山凜々華さん(12)は昨年に続いての出演。「今年は大きい声でできたし、あまり緊張しなかった」と自己分析。劇で戦争体験者の悲しみを深く知り、「当時の子どもたちは厳しい中でも頑張っていてすごい」と実感を込めた。
 
 製鉄所工員役の伊藤詩恩さん(26)は演劇初挑戦。「最初は声も小さく棒読みだったが、周りが上手なので引き上げられた。本番では観客の反応も感じられてうれしかった」と演技の楽しさを味わった。地域おこし協力隊員として2020年に釜石に移住。回を重ねてきた市民劇について「まちが元気になる要素。今後も何らかの形で関われれば」と話した。
 
厳しい戦況について語る製鉄所の工員。いざこざもありながら、国のためにと任務遂行を誓う

厳しい戦況について語る製鉄所の工員。いざこざもありながら、国のためにと任務遂行を誓う

 
「戦争なんて大っ嫌い!」主人公・みよ(右から2人目)が思いの丈を叫ぶラストシーン

「戦争なんて大っ嫌い!」主人公・みよ(右から2人目)が思いの丈を叫ぶラストシーン

 
 戦争のない平和な世界を願う主人公「みよ」の独白で幕を閉じた同劇-。「ラストシーンにかけた」という矢浦望羽さん(17)は「うまくいった」と達成感をにじませた。8年目の出演で初の主人公役。「今までにない緊張感。舞台に立った時、圧倒される感じもあった」というが、緊張はすぐに解け、堂々の演技を見せた。涙する観客もいたことを後で聞き、「伝わったかな」と喜びの笑顔を輝かせた。
 
 釜石市民劇場は1986年に初演。郷土の先人や歴史をテーマに公演し、市民に愛されてきた。東日本大震災や新型コロナウイルス禍による休演もあったが、脈々と受け継がれている。
 
コロナ禍で中止していた観客のお見送りも復活。ウクライナ支援募金も呼び掛けた

コロナ禍で中止していた観客のお見送りも復活。ウクライナ支援募金も呼び掛けた

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広報かまいし2023年3月1日号(No.1803)

広報かまいし2023年3月1日号(No.1803)
 

広報かまいし2023年3月1日号(No.1803)

広報かまいし2023年3月1日号(No.1803)

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【P1】
ダンスイベント Mo′ Paradise Party SANRIKU 2023 案内

【P2-3】
東日本大震災 追悼行事案内 他

【P4-5】
釜石シーウェイブス 3月のホストゲーム

【P6-7】
まちのお知らせ

【P8】
イベント案内

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023022100013/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。

中田薬局『中たオルプロジェクト』不要タオル回収中!

中田薬局『中たオルプロジェクト』不要タオル回収中!
 
現在中田薬局で取り組んでいる「中たオルプロジェクト」をご紹介いたします!
中田薬局では「体操着リユース」に次いで「中たオルプロジェクト」を始動しました。
 
市内の様々な施設にチラシを掲載して頂いておりますので、お見かけの際は是非ご協力をお願いいたします。また各SNS(Facebook、Instagram)にて情報発信をしておりますので是非チェックをお願いします!

概要

市内の不要なタオルを回収

高齢者の方々に雑巾に作り替えて頂く

その雑巾を市内の小学校に寄付する
 
このプロジェクトは、次世代交流とSDGsに繋げる事を目的に行っております。

回収場所

中田薬局各店舗
・松倉店 TEL:0193-23-1230 キクコーストア松倉前店
・小佐野店 TEL:0193-21-3355 せいてつ記念病院前
・上中島店 TEL:0193-21-2050 サンデー上中島店付近
・ハロー薬局 TEL:0193-23-8455 岩手銀行中妻店前

お問い合わせ

お電話またはInstagramDMにて
中田薬局松倉店 TEL:0193-23-1230
Instagram:@nakatapharmacy
nakataphamarcy_qr

中田薬局

中田薬局

岩手県釜石市を中心に展開する調剤薬局です。地域社会への貢献を目指し様々な取り組みを行っています。公式サイト

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ローカル線の維持・存続を JR沿線の住民組織 釜石市に働きかけ要請

野田市長(左)に要請書を手渡す村上会長(左から2人目)ら

野田市長(左)に要請書を手渡す村上会長(左から2人目)ら

  
 釜石市や宮古市など岩手県沿岸の鉄道沿線4市町の住民でつくる「地方ローカル線を守る市町民の会」(村上幸三郎会長)は10日、釜石市役所の野田武則市長を訪ね、JR釜石線をはじめとする地方路線の維持・発展を要請した。JR東日本が本県を含む路線別収支状況を公表したことも踏まえ、存続に向けた環境整備など国、県への働きかけを求めた。
  
 村上会長、趣旨に賛同する連合岩手釜石・遠野地域協議会(小島安友議長)、県交通運輸産業労働組合協議会(山岸伸行議長)の関係者ら8人が訪問。村上会長は野田市長に要請書を手渡し、▽鉄道のあり方を国策として議論すること▽大規模工事を含めた鉄道網整備の検討-を市が各方面に働きかけることを訴えた。
  
 JR釜石線について、村上会長は「廃線ありきでの議論では地域の衰退につながる。鉄道の強みを生かしながら、存続に向けた検討を進めるべきだ」と重ねて強調。同席者らも「鉄道はなくてはならないもの」「三陸鉄道につながる路線でもあり、孤立させてはいけない」「マイレール意識を高める取り組みを」などの声が上がった。
  
懇談では鉄道の維持、存続の必要性を共有した

懇談では鉄道の維持、存続の必要性を共有した

  
 国土交通省の有識者検討会は昨年7月、地方鉄道の在り方に関する提言を公表。鉄道事業者や自治体の要請を基に、路線存続の協議会を国主導で設置する。またJR東日本は、利用者の少ない赤字路線の収支を初めて公表。本県関係では大船渡、釜石、北上、八戸、花輪、山田の6路線10区間が含まれている。経営状況の厳しさを示すデータを共有することで、バス高速輸送システム(BRT)への転換を含めた持続可能な交通のあり方を沿線自治体と協議したい意向。一方で自治体の多くは路線維持を求めており、議論は難航が予想される。
   
 野田市長は「廃止の議論が沸き上がり、唐突感が否めない。(要請と)全く同じ考えだ」との見解。路線の維持を守るとの思いを強め、「近隣の市町村と一致団結し、鉄道の利用促進にも目を向けながら積極的に対応したい」などと応じた。
  
沿岸と内陸を結ぶ足として欠かせないJR釜石線

沿岸と内陸を結ぶ足として欠かせないJR釜石線

  
 同会では昨年、県や宮古市に対し同様の要請を行っている。大槌町や山田町への要請も予定。村上会長は「通勤、通学、通院などの足を守り、使いやすい路線を維持しなければ。赤字への対処ではなく、未来志向で考えてほしい。ただ、ローカル線は老朽化も進んでいて、国策として改修を行って利便性を高めてほしい」と望んだ。