打って、泳いで、走って栄誉つかむ スポーツで活躍!釜石市民 努力、健闘たたえる


2024/02/29
釜石新聞NewS #スポーツ #地域

釜石市民体育賞の受賞者、市体育協会関係者ら

釜石市民体育賞の受賞者、市体育協会関係者ら

 
 スポーツ界で活躍した人をたたえる釜石市体育協会(小泉嘉明会長)の2023年度市民体育賞表彰状授与式は23日、大町のホテルクラウンヒルズ釜石で開かれた。岩手県や東北大会の優勝者ら17人、3団体に「奨励賞」を贈呈。長年にわたり競技の普及、発展に貢献してきた2人には「功労賞」が贈られた。そして、釜石高ボクシング部で3年間部活動に励んだ3年生部員に贈られる「小泉賞」。市ボクシング協会(小泉会長)主催の贈呈式が26日に中妻町の昭和園クラブハウスであり、選手7人、マネジャー1人の計8人が努力の証しとなるトロフィーを手にした。
 

若手もベテランも輝く 市民体育賞

 
 今年度の体育賞受賞者は小学1年生~75歳までと幅広い顔ぶれ。あいさつに立った小泉会長は「小さい頃から本気になり、互いに鍛え合いながら目標に進む人たちのいい顔を見られてうれしい。元気に頑張れば、次の扉が開くはず。スポーツで前向きなまち釜石をつくっていこう」と期待した。
 
市民体育賞の表彰式。受賞者はさらなる飛躍を誓う

市民体育賞の表彰式。受賞者はさらなる飛躍を誓う

 
 奨励賞は空手道の活躍が目立つ。個人では藤原凪さん(鵜住居小3年)、川崎煌聖君(同5年)、木村元軌君(平田小1年)、照井陽己君(同)、三浦陽翔君(同)、阿部琉芯君(白山小4年)、佐野葵泰君(釜石中2年)、佐野泰盛君(甲子中3年)、小川結暖さん(同)、坂本嘉之さん(釜石高3年)。団体で釜石高の男子空手道部(松田郷佑主将)、女子空手道部(佐々木來愛主将)が受賞していて、層の厚さを感じさせた。
 
 水泳からは白岩優一朗君(甲子中3年)、ボクシングでは佐々木夏さんと菊池麗さん(いずれも釜石高3年)、陸上競技は小澤詩乃さん(釜石中2年)、未瑚さん(同1年)姉妹がそれぞれ選ばれた。若手が健闘を見せる中、ベテランで実力を発揮したのはバウンドテニスの田村彬紘さん(38)と阿部なみ子さん(75)。小泉会長は受賞者一人一人に声をかけながら賞状とトロフィーなどを贈った。
 
受賞者を代表して謝辞を述べる藤井豊さん

受賞者を代表して謝辞を述べる藤井豊さん

 
 陸上競技協会役員、駅伝部で選手兼監督として20年以上競技に打ち込む藤井豊さん(75)は功労賞を受賞。代表して謝辞に立ち、「自らの競技力の向上、選手の育成など仲間と取り組んできたことが評価された。今後も健康で丈夫な体と精神を鍛え、スポーツに親しみたい」と情熱は衰えない。同じく表彰された澤修一さん(66)は水泳協会理事として各種大会運営、若手育成などに40年近く携わり、競技の普及に尽力する。
 
 注目は、奨励賞を受けた釜石中特設ラグビーフットボール部。普段、別々のスポーツに取り組んでいる生徒有志23人が集まり、約4カ月という短期集中で練習に励み、県中総体で優勝した。主将の八幡玲翔君(3年)は陸上部で短距離を頑張ってきたが、実は地元ラグビーチーム日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)が小中学生を育成するアカデミーにも所属。団体競技の楽しさ、仲間を信じる大切さを教えてくれるラグビーに魅力を感じ、仙台市の高校へ進学後も続ける。夢は「SWで活躍すること」。スポーツで地域に恩返しする気持ちを強めていた。
 
奨励賞を受けた釜石中特設ラグビーフットボール部

奨励賞を受けた釜石中特設ラグビーフットボール部

 
 5年間、指導にあたった同校の梅津孝昭教諭は初優勝に感慨深げ。自身も高校、大学とラグビーに親しんだが、SWや地域の人の支えがあって成し遂げられたと感謝も忘れない。体協関係者も「ラグビーのまち釜石から素晴らしい成績が出た」と沸いた。
 
 今年度は各競技団体や学校から推薦された26件を審査。理事会の承認を得て受賞者を決定した。全国レベルの大会で優勝(または優勝に準ずる成績)した個人、団体に贈られる「栄光賞」は該当がなかった。式では、県体育協会功労賞を受けた市剣道協会の細川親雄会長に表彰の伝達もあった。
 

勉強も部活もやり切った高校生へ 小泉賞

 
 今年度、小泉賞を受けたのは8人。選手として活躍した平野優羽さん、今野拓翔さん、茂木大希さん、立花素生さん、東舘耀大さん、市民体育賞も受けた佐々木さん、菊池さんの7人と、マネジャーの藤井まどかさん。近年では仲間が多い学年で、「釜石に大きな波を起こそう」と鍛錬し合った。結果はそれぞれだったが楽しみながら、そして真剣に向き合って「悔いはない」と、多くの生徒が晴れやかな表情を見せた。
 
3年間努力し続けた釜石高ボクシング部の3年生、小泉会長(前列中)

3年間努力し続けた釜石高ボクシング部の3年生、小泉会長(前列中)

 
 県内外への進学が決まっている生徒たちに、小泉会長は「コロナというハードパンチをよけながら3年間頑張った。競技を通じて学んだことを思い出し、価値を高めながら生き、社会に出て活躍してほしい」とエールを送った。
 
学校生活の振り返りと進学先での抱負を伝える佐々木夏さん

学校生活の振り返りと進学先での抱負を伝える佐々木夏さん

 
 県、東北、全国大会で健闘した佐々木さんは、父でコーチの彰さん(50)と同じ専修大に進み、ボクシングを続ける。「学生日本一になる」。同様の目標を掲げる菊池さんは日本体育大に進学。彰さんとともにコーチを務めていた亡父・拓さん(享年49)が成し遂げられなかった夢をつかむために。父と同じ高校生チャンピオンになるという目標は達成できなかったが、「もっと強くなり、(父を)超えたい」と高みを目指す。
 
菊池麗さん(中列右から2人目)は仲間や後輩と記念にパチリ

菊池麗さん(中列右から2人目)は仲間や後輩と記念にパチリ

 
すがすがしい笑顔を見せる高校生、ボクシング協会関係者

すがすがしい笑顔を見せる高校生、ボクシング協会関係者

 
 同校ボクシング部は3年生が卒業した今春、部員9人(選手6、マネジャー3)でスタート。部員獲得に力を入れつつ、「先輩たちのかっこいい姿を追いかける」「練習につき合ってくれた成果を高総体で発揮したい」と伝統を受け継ぐ構えだ。

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