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art at TETTO vol.7「スチームパンク釜石」illustrator 大野 晃平

art at TETTO vol.7「スチームパンク釜石」illustrator 大野 晃平
 
釜石のアーティストの展示会を開催します
art at TETTO vol.7はイラストレーターの大野晃平さん
 
art at TETTO vol.7「スチームパンク釜石」illustrator 大野 晃平

 

ワークショップ「デジタルイラストでポストカードを作ろう!」

【開催日】2月4日(土)、5日(日)、11日(土)
【午前】10:00~12:00【午後】13:30~15:30
【定員】各回1名 計6名
【参加費】1,000円
 
★注意事項★
・対象年齢:小学校高学年以上
・iPadを使って、デジタルイラストを作成します。
・釜石の名所やキャラクターの図案をご用意しますが、ご自分で自由に描いていただくことも可能です。
・作成したデータは当日、ポストカードにしたものは後日お渡しします。
・絵についてのお悩みなどお答えしますので、お気軽にお声がけください。

 
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message

子供の頃はよく友達に頼まれてキン肉マンやドラゴンボールのキャラクターを描いていました。友達の喜ぶ顔を見るとうれしくなり夢中になって描いていたのをよく覚えています。今も絵を描き続けられるのはその時の思い出があるからだと思います。
今回展示してある作品は東日本大震災の後に描いたもので、どうしても暗い色調のものが多くなっていました。ですが震災から10年以上過ぎて釜石の未来のポスターや観光マップを作らせてもらう中でたくさんの反響をいただき、やる気と昔の喜びを思い出すことができました。特に釜石を離れてしまった方からのメッセージはうれしかったです。
SNSやデジタルツールはあくまでも道具ですが、制作や発表が簡単にできます。
ワークショップではその楽しさを体感してただければと思います。

日時

2023年2月3日(金)〜 2月12日(日)
9:00 〜 21:00(最終日16:00まで)

会場

釜石市民ホールTETTO ギャラリー

料金

無料

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266

主催

釜石市民ホールTETTO

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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どれだけ知っている?「魚のまち釜石」 岩大生初企画の検定に市民が挑戦 成績優秀6人を表彰

「第1回釜石さかなと海の検定」の成績上位者ら

「第1回釜石さかなと海の検定」の成績上位者ら

 
 「鉄と魚とラグビーのまち」釜石に“新検定”登場! 釜石市で学ぶ岩手大農学部食料生産環境学科水産システム学コースの4年生有志5人は、地元の海に生息する魚や漁業にもっと関心を持ってもらおうと、「釜石さかなと海の検定」を初めて企画。昨年12月18日、小学1年生から80歳までの市民21人が挑戦した。難問ながら「楽しかった」と、新たな試みを喜ぶ挑戦者ら。今月15日には成績上位の6人が表彰された。
 
 検定は同市の学生活動支援事業補助金を活用して実施。小中学生、一般(高校生以上)の2部門で参加者を募集した。参加資格は市内に在住または勤務する人(小学生以上)。小中学生は40問、一般は70問の出題で、4つの選択肢から正解を選ぶ方式。制限時間は小中学生が30分、一般は60分に設定された。
 
 釜石独自の問題は学生自ら考えた。魚介類の名前、生態、魚へんの漢字の読み方、魚食、漁船、漁港に関することなど幅広い知識を試す内容。歴史や地理にまつわる問いも盛り込んだ。学生らは地元水産関係者の協力で、予備を含め約200問を作成。初回ということで、難易度の判断は手探りだったが、厳選した良問が出題された。
 
昨年12月に岩大釜石キャンパスで行われた検定試験(左下は一般の部)=写真:主催者撮影

昨年12月に岩大釜石キャンパスで行われた検定試験(左下は一般の部)=写真:主催者撮影

 
 検定試験は同市平田の岩手大釜石キャンパスで行われ、小中の部に9人、一般の部に12人が挑んだ。試験終了後には答え合わせ、問題解説の時間も。集めた解答用紙は学生が採点し、昨年中に結果を郵送した。年明けの今月、各部の成績上位3人を表彰する場が設けられた。対象者には表彰状と、副賞として活ホタテ(ヤマキイチ商店)や三陸海宝漬(中村家)が贈られた。
 
 小中の1位となった金野龍真君(双葉小4年)は、スーパーでチラシを見つけて応募。検定に向け、図書館から魚の本を借りたりして勉強したというが、「やったのは1問も出なかった…」とちょっぴり残念そう。それでも、普段から父と海釣りに出かけているというだけあって、「お父さんとおしゃべりした知識が生かされたのでは」と母が代弁。自身は「魚が好き。もっと勉強して2回目も絶対受ける」と意気込んだ。
 
小中学生の部1位の金野龍真君。副賞のホタテを贈られ笑顔!

小中学生の部1位の金野龍真君。副賞のホタテを贈られ笑顔!

 
表彰状を贈られる一般の部1位の佐々木昌貴さん(左)。正答率トップだった

表彰状を贈られる一般の部1位の佐々木昌貴さん(左)。正答率トップだった

 
 一般の1位は唐丹町の公務員佐々木昌貴さん(55)。子どものころから地元の海魚や漁に魅せられ、関連場所などを訪問。「いつか知識を試せる場があれば」と願っていた。今回は絶好の機会。1位という結果に「たまたま知っているのが出たから」と謙遜するが、正答率は参加者中最高の81%。「中身としては難しいが、バランス良く出題されていた。さらに学びを深めたい」と知る楽しさを実感。次回検定を心待ちにした。
 
 主催した学生のリーダー井田幸助さん(22)は「参加者が喜んでくれて何より。子どもたち向けにタッチプールもやったので、海の生物を身近に感じてもらえたのでは。こういう機会を通じて地元の海や魚に興味を持ち、知識を広げてほしい」と願った。
 
子どもたちは海の生き物と触れ合うタッチプールも体験=写真:主催者撮影

子どもたちは海の生き物と触れ合うタッチプールも体験=写真:主催者撮影

 
 同検定は現3年生が引き継ぎ、来年度も開催する方向。学生たちをサポートした同大三陸水産研究センター特任専門職員の齋藤孝信さん(61)は「初めてで、比較的ハードルの高い問題になってしまった。各設問の正答率などを分析し、次回の問題作成に生かしたい。検定が代々続いて、釜石市の水産振興にも役立てれば」と期待する。第1回検定の問題と解答は小佐野町の市立図書館に収蔵され、閲覧可能となっている。

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2月10日開催 県消防職員意見発表会に釜石大槌消防本部から菊地龍星さんを選出

s県消防職員意見発表会に釜石大槌地区消防本部代表で出場する菊地龍星さん(写真提供:同本部)

県消防職員意見発表会に釜石大槌地区消防本部代表で出場する菊地龍星さん(写真提供:同本部)

 
 第46回岩手県消防職員意見発表会(県消防長会主催)が2月10日に盛岡市で開かれる。県内12消防本部から選出された職員が業務に対する提言や課題などを発表する。釜石大槌地区行政事務組合消防本部(大丸広美消防長)からは釜石消防署に勤務する菊地龍星さん(28)が出場することになった。
 
 同発表会は若手消防職員が業務の諸課題解決へ意識を高め、一層の研さん、業務改善につなげるのが目的。毎年、各本部で選考会が行われ、代表者1人が出場する。釜石大槌地区消防本部では今年、釜石消防署勤務の職員2人が選考会(1月11日開催)に挑んだ。制限時間は5分。4人の審査員が内容(論旨の明確性・説得力、業務への問題意識・発展性)、発表力(態度、表現力)を採点した。
 
釜石大槌地区行政事務組合消防本部 意見発表選考会=11日(写真提供:同本部)

釜石大槌地区行政事務組合消防本部 意見発表選考会=11日(写真提供:同本部)

 
 菊地龍星さんは「私だから言えること」と題して発表。同じ消防士の妻が出産を控えているという菊地さんは、増加傾向にある女性消防士の職場環境に着目。24時間の隔日勤務、緊急招集のある職業柄、仕事と育児の両立への不安が大きいとし、職場内への託児所の設置を提言した。人材不足とされる保育士確保の難しさも考慮し、解決策として、近隣の消防本部や県立病院との合同設置のアイデアも示した。地域住民とともに自分の家族の安心安全を守っていける消防士でありたいとの願いを込めた。
 
 赤坂章也(ふみや)さん(26)は、消防業務を行う上での大前提となる「安全管理」について考えた。火災や自然災害に加え、山林などでの捜索・救助事案で消防団員と活動を共にする消防職員。団員の安全確保に費やすエネルギーは少なくないという。赤坂さんは双方の連携のとれた活動のために、捜索・救助の合同訓練を提言。訓練時には「安全管理隊」を配置し、活動隊員が行っている安全管理を評価シートで客観的に評価。見落としている危険の発見、管理の問題点把握につなげる必要性を訴えた。訓練により、団員の危険回避力向上も期待されるとした。
 
意見発表を行った菊地龍星さん(右)と赤坂章也さん(写真提供:同本部)

意見発表を行った菊地龍星さん(右)と赤坂章也さん(写真提供:同本部)

 
 審査長を務めた市教委の髙橋勝教育長は、消防職における女性の活躍を見据えた環境整備の必要性、現場活動にあたる消防団員、職員の安全管理能力向上への取り組み―と、それぞれの着眼点を評価。代表に選ばれた菊地さんに「さらに磨きをかけ、県大会でも代表となることを期待したい」、赤坂さんには「発表した内容を実現できるよう努力してほしい」とエールを送った。
 
 菊地さんは「出産後、職場復帰を望む女性が安心して働ける環境の整備は、消防職においても課題の一つ。女性消防職員だからこそ声を上げにくい内容もある。若い世代が直面する問題、女性職員の思いをしっかり代弁できれば」と来月の県発表会を見据える。大丸消防長は「自分が納得できる発表をし、成果が得られることを願う」と期待する。

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小山怜央さん、合格は持ち越し 将棋・棋士編入試験第3局で黒星 地元釜石で家族ら応援「次こそ」

小山怜央さんの地元釜石・中妻地区生活応援センターで開かれた大盤解説会

小山怜央さんの地元釜石・中妻地区生活応援センターで開かれた大盤解説会

 
 釜石市出身で将棋のアマチュア強豪、小山怜央さん(29)=横浜市、将棋講師=は20日、大阪市の関西将棋会館でプロ棋士編入試験5番勝負の第3局に臨み、狩山幹生四段(21)に165手までで敗れ、対戦成績は2勝1敗となった。初戦から連勝し合格にあと1勝としていたが、岩手県初のプロ棋士誕生は次戦以降に持ち越しとなった。地元釜石では家族らが戦況を見守り、「次こそは」と期待を残した。
 
 午前10時、小山さんの後手で対局が始まった。戦型は「相雁木(あいがんぎ)」。序盤戦はじっくりとした戦局が続いた。中盤戦以降は狩山四段がリードを広げる展開に。小山さんは最終盤、思い切った勝負手を繰り出したが冷静に対応され、粘りも及ばず押し切られた。
 
プロ棋士編入試験5番勝負第3局で小山さんの戦いぶりを見守る釜石市民

プロ棋士編入試験5番勝負第3局で小山さんの戦いぶりを見守る釜石市民

 
 釜石市上中島町の中妻地区生活応援センターでは釜石将棋教室による大盤解説会があり、日本将棋連盟釜石支部長の土橋吉孝さん(67)が指し手の意味や狙いを説明。小山さんの父敏昭さん(60)、母聖子さん(60)、将棋愛好者ら約20人が盤上に再現される対局の行方を見守った。
 
 「攻め合いですね」「厳しいな」「(リードされても)離されずついていけば、まだ楽しみはある。怜央は終盤に強い」「最後のギリギリまで勝ち筋を探す。諦めず頑張るのが昔から彼の良いところ」。同支部が開く将棋教室で少年期の小山さんを指導した土橋さんならではの視点を入れた解説が続いた。参加者らを交え、次の一手を予想しながら見守っていたが、午後4時45分ごろ、小山さんが投了すると会場にため息が漏れた。
 
小山さんが小学生の頃に将棋教室で指導した土橋吉孝さんが解説

小山さんが小学生の頃に将棋教室で指導した土橋吉孝さんが解説

 
目の前に盤を置いて一手ごと再現しながら解説を聞く人も

目の前に盤を置いて一手ごと再現しながら解説を聞く人も

 
 土橋さんは「相手の得意の戦型に持ち込まれ、序盤に時間を使いすぎたのが敗因かな。相手が一枚上手。(小山さんは)駒がのびのび前に行けなかった。終盤に力を出せる場面がなく、不完全燃焼だったろう」と振り返った。会場入りした映像で襟のボタンが外れているように見えたと言い、「いつもと違って緊張していたね。プレッシャーもあったのだろう」と推測。一方、「3連勝で試験を通過した人はいない」と強調し、「もう1回、多めに打てると思えばいい」と前向きに捉える。次戦に向けては「相手の得意な戦型を勉強し準備する。相手の土俵で戦わず、自分の持ち味を出してほしい」とエールを送った。
 
小山さんの挑戦を見守る敏昭さん(手前)、聖子さん(左奥)

小山さんの挑戦を見守る敏昭さん(手前)、聖子さん(左奥)

 
 聖子さんも小山さんの緊張を感じ取った様子で、「少し心配しながら見ていた。次はプレッシャーを感じずに集中して頑張ってほしい」と願った。敏昭さんは「次がある。切り替えて取り組んでほしい」と背中を押す。
 
2016年の第1回釜石市長杯争奪世代間交流将棋大会にチーム「小山家」で参加した小山さん(左)=復興釜石新聞アーカイブ

2016年の第1回釜石市長杯争奪世代間交流将棋大会にチーム「小山家」で参加した小山さん(左)=復興釜石新聞アーカイブ

  
 小山さんは鵜住居町出身。岩手県立大在学中の2014年に学生名人に輝いた。15年アマ名人戦優勝、16年アマ王将位優勝など6大アマタイトルのうち5つで優勝経験がある。卒業後、強豪のリコー将棋部に在籍したことも。現在は横浜市で将棋講師を務める。昨年秋、出場が認められている公式戦でプロを相手に10勝以上かつ6割5分以上の勝率という条件を満たし棋士編入試験資格を獲得、受験を希望した。
  
 試験は新人棋士5人と対戦して3勝で合格。昨年11月の第1局で徳田拳士四段(25)、同12月の第2局で岡部怜央四段(23)に勝利。あと1勝で、プロ棋士養成機関「奨励会」の在籍経験がないアマが初めて合格する。また本県のプロ第1号となる。
  
 第4局は2月の予定で、横山友紀四段(22)と対戦する。
 
注目を集める小山さんの挑戦。次戦、夢をかなえる大一番に市民は熱視線を送る

注目を集める小山さんの挑戦。次戦、夢をかなえる大一番に市民は熱視線を送る

 

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魅力いっぱい!大迫の宝を釜石市民に紹介 大迫高生が大償神楽と大型紙芝居を熱演

釜石市の鵜住居公民館で「大償神楽」を披露する大迫高の生徒

釜石市の鵜住居公民館で「大償神楽」を披露する大迫高の生徒

 
 花巻市大迫町の大迫高(三田正巳校長、生徒53人)の生徒16人が17日、釜石市を訪れ、地域の伝統芸能「大償(おおつぐない)神楽」や民話を題材にした大型紙芝居を披露した。生徒らが学校で取り組む伝承活動を地元以外で披露するのは初めて。会場となった鵜住居町の鵜住居公民館(松下隆一館長)には地域住民ら約60人が集まり、高校生の熱演に盛んな拍手を送った。
 
 同校の学芸部神楽班と図書委員会で活動する1~3年生が来釜。図書委員らは地元に伝わる約50の民話の中から「とのさまとごちそう」「キツネの念仏」の2話を大型紙芝居で披露した。図書ボランティアとして活動する地域住民から指導を受けた方言で物語を展開。紙芝居の前後には昔ながらの拍子木を打ち鳴らす演出で楽しませた。
 
大迫に伝わる民話「キツネの念仏」の大型紙芝居

大迫に伝わる民話「キツネの念仏」の大型紙芝居

 
 早池峰神楽の一つ「大償神楽」の伝承に取り組む神楽班は、6つある式舞の3番目の舞曲「三番叟(さんばそう)」を披露した。同神楽は早池峰山信仰に由来するとされ、500年以上の歴史を誇る。早池峰神楽(大償、岳)は1976年、国の重要無形民俗文化財に指定され、2009年にはユネスコの無形文化遺産に登録された。大迫高の生徒は地元保存会の指導を受け、弟子神楽として2017年から活動する。
 
式舞「三番叟」を軽やかに舞う高橋悠斗班長

式舞「三番叟」を軽やかに舞う高橋悠斗班長

 
見せ場では観客から拍手が湧き起こった

見せ場では観客から拍手が湧き起こった

 
 修験山伏の祈祷の舞が根源とも言われる同神楽。釜石では生で見る機会はほとんどないだけに、観客は舞い手の動きに目がくぎ付けとなった。鵜住居町の植田敬子さん(82)は「自分の出身地の川井村にも神楽があるが、こちらはまた全然違う。高校生、すごいですね。見ているとうきうきして、一緒になって踊りたくなるよう。心の洗濯もした気分」と大感激だった。
 
 10分以上の演目を1人で踊り切った神楽班班長の高橋悠斗さん(2年)は「年明け最初で、体力に自信がない中での舞だったが、自分の力を全部出し切れた」と充実の表情。外の人たちに初めて見てもらう不安もあったが、「大きな拍手やお褒めの言葉をいただき、自分たちのモチベーションも上がった」と今後につながる収穫を得た様子。
 
 同校で神楽をやるため、留学制度を利用して入学した北上市出身の阿部浬歩さん(3年)は今回が最後の舞台。笛で後輩たちの演舞を支え、「(後輩の)成長した姿が見られて良かった」と笑顔を見せた。3年間の活動を振り返り、「舞の習得など練習は大変だったが、神楽を通してあきらめない心が身に付いた。今後の人生にもきっと生かせると思う」と貴重な経験を胸に刻んだ。
 
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 紙芝居と神楽の合間には、藤原愛(まな)生徒会長(2年)による大迫町の魅力発信コーナーも。まちの活性化策として、同校が地元のコミュニティー振興会と取り組んだベンチのリニューアルプロジェクトを紹介し、同町への来訪を呼び掛けた。
 
 同校では昨年度から釜石高の生徒による防災出前授業が行われていて、両校の相互交流が進む。大迫高生の釜石訪問は、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年度はかなわず、今回が初。鵜住居公民館の後、釜石高に出向き、2年生の前で同様の披露を行った。両校の縁は2020年度に釜石高の副校長を務めた、大迫高の三田校長がつないだ。

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気軽に来て…地域のよりどころ「談話ルーム」 釜石・甲子公民館、毎月1回開設

「談話ルームかっし」を紹介する甲子公民館と市社協関係者

「談話ルームかっし」を紹介する甲子公民館と市社協関係者

 
 地域の人が気軽に話せる場をつくろうと、釜石市甲子町の甲子公民館(佐々木利光館長)は月に1回、「談話ルームかっし」を開設している。市社会福祉協議会と連携しており、個別対応も可能。支援が必要な場合は専門の機関・団体につないだり、各種サービスの情報を提供する。独り暮らしの高齢者や家に閉じこもりがちな人などの外出の機会につなげるのも狙い。孤立を防ぎ、不安や悩みを吐き出せる語り合いの場、新たな出会いの場を目指している。
 
 甲子町内には約6000人が暮らす。同館が地域課題について各町内会にアンケート調査を行ったところ、▽高齢者や独居世帯の増加▽高齢化による町内活動の担い手不足▽交通の不便-といった回答が多かった。特に高齢の独居者や家に閉じこもりがちな人らは外部とのつながりが薄くなり、「何か悩み事を抱えているかもしれないが、話を聞き取るのが難しい」など孤立の懸念を指摘する声もあった。
 
 こうした実態を踏まえた取り組みを地域内で検討し、「継続が大事になる。できることから始めよう」と共有。すでに行っている「普段からの緩やかな見守りと、さりげない声がけ」を維持しつつ、外に出るきっかけにしてもらえるよう「身近で気軽なおしゃべりの場」を設けることにした。
 
談話ルーム利用者(手前)の話に耳を傾ける甲子公民館職員ら

談話ルーム利用者(手前)の話に耳を傾ける甲子公民館職員ら

 
 談話ルームは毎月第2月曜日の午後1時半~4時半に開設。1階の図書室を利用する。同館や社協の職員らが来場者とおしゃべりを楽しんだり悩み事を聞いたりしながら、心身ともに健康な生活を送れるようサポートする。
 
 2回目となる1月は変則で、16日に開設。個別対応を希望する人らが足を運んだ。50代女性は「知っている人には話しにくいことがある。そういう人がいない場所で話せるのがありがたい。気になっていることを吐き出して、聞いてもらうと気持ちが軽くなる」と歓迎した。
 
 佐々木館長は「地域のよりどころとして、何か悩んでいたり、言いたいことがあっても誰に話せばいいか分からない人のお手伝いができれば。話すことで心と体の状況を良い方向に持っていってほしい」と見守る。来場者同士が会話を楽しみ、顔見知りになる―そんな新たな出会いの場にとの期待も。「相談ではなく、談話の場として気軽に来てみて」と呼び掛ける。
 
「毎月第2月曜日の午後は甲子公民館の図書館へ」と呼び掛ける

「毎月第2月曜日の午後は甲子公民館の図書館へ」と呼び掛ける

 
 次回は2月13日に開設。問い合わせは甲子公民館(甲子地区生活応援センター/電話0193・23・5524か、21・3151)へ
 

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釜石の消防団員ら 出初式で1年の活動へ意欲/SMC釜石工場が消防団協力事業所に

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新年を迎え、士気を高める団員ら=釜石市消防出初式、15日

 
 釜石市消防出初式(市、市消防団主催)は15日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。市消防団(川﨑喜久治団長、団員546人)から団員約200人、関係者含め約250人が出席。新年のスタートにあたり、消防防災活動への意欲を高めた。例年行う大町目抜き通りでの分列行進、まとい振りなどの街頭パレードは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止した。
 
 東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげた後、統監の野田武則市長が式辞。昨年発生した地震、台風などの自然災害、市内の火災状況などを示し、「消防団は火災のみならず、複雑、多様化する災害現場への対応など、期待される役割が大きくなっている。住民の生命、財産を守るため、引き続き尽力を」と呼び掛けた。
 
 長年にわたる消防防災への功績、職務精励などで団員79人を表彰。釜石市長表彰では、勤続30年の団員8人に「永年勤続功労章」を贈り、代表で第3分団第1部の伊藤福明班長が表彰状を受け取った。県消防協会遠野釜石地区支部表彰では、40年勤続で第6分団第1部の堀川正部長、第7分団第1部の栗澤茂行班長に「勤続章」を授与。同様に25年勤続で9人、15年勤続で29人、10年勤続で18人を表彰し、それぞれの代表が受領した。消防技能に熟達し、規律厳正、業務への精励などで他の模範となる団員13人には「精練章」が授与された。
 
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コロナ禍で昨年に続き、式典のみの開催となった市消防出初式

 
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40年勤続で県消防協会遠野釜石地区支部表彰を受ける堀川正さん(第6分団第1部部長)

 
 団員らは式典できびきびとした行動を見せ、今年1年の活動へ気を引き締めた。川﨑団長(73)は「豪雨による河川の増水、倒木、土石流などの危険が高まっている。昨年9月に県が出した新たな津波想定では市内でも浸水区域が拡大した。訓練を重ね、火災や災害被害ゼロを目標に防災力を高めていきたい」と意気込んだ。
 
 昨年は1月に南太平洋トンガ諸島の海底火山噴火で本県沿岸に津波警報が発表され、5月の宮城県沖地震では同市で震度5弱を観測。地震、津波対応は予断を許さない状況が続く。市内の昨年の火災発生は5件(建物2、その他3)。一昨年は4件で、2年連続1桁台となっている。
 
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 市では地域防災力強化のため、今後も消防団車両の更新、老朽化した消防屯所の建て替えなどを計画的に行い、年々減少している消防団員の確保にも力を入れていく方針。
 

SMC釜石工場が消防団協力事業所に 市内13社目の認定 相互連携で防災力向上へ

 
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SMC釜石工場への消防団協力事業所表示証交付式=19日

 
 釜石市は消防団員確保や災害時の協力体制構築を目的とした「消防団協力事業所」に、上中島町のSMC釜石工場(浦島勝樹工場長)を認定した(15日付)。市内13社目の認定。同工場では従業員約30人が同市消防団に加入。火災や自然災害時の出動のほか、自社消防訓練での消火栓運用などでも力を発揮している。本認定を機に新入団員募集への協力、消防機関と連携した地域防災力向上に貢献したいとしている。
 
 19日、野田武則市長、釜石消防署の駒林博之署長ら6人が同工場に出向き、協力事業所表示証の交付式が行われた。交付書と掲示用の表示証を浦島工場長に手渡した野田市長は「消防団員が安心して働き、災害時に迅速に行動できる体制の構築が必要。協力事業所の存在は非常にありがたい。今後も活動への協力を」と願った。
 
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野田武則市長がSMC浦島勝樹釜石工場長(右)に協力事業所の表示証を交付

 
 浦島工場長は「勤務中の出動要請への対応、団員募集ポスターの掲示、新入社員向け説明会などで消防団活動への協力ができれば。社内の消防訓練時には団員である従業員に先頭に立ってもらえると心強い。自社の防災意識も高めながら、地域貢献につなげていきたい」と今後を見据える。同社では大槌町、遠野市の団も合わせると約50人の従業員が団員として活躍しているという。
 
 釜石市の消防団員数は人口減に伴い、減少傾向が続く。近年は全体の約7割がサラリーマン団員で、地域防災力の維持には市内企業の理解と協力が不可欠。同市では団員の確保や活動環境の整備を目指し、2008年度から「消防団協力事業所表示制度」を導入。就業時間中の消防団活動への積極的な配慮、災害時の資器材提供などで協力する事業所を認定することで、新規入団の促進、地域連携による防災力強化につなげている。協力事業所は社屋への表示証の掲示、自社ホームページでの公表などにより、社会貢献企業としての認知を広めるメリットがある。
 
 同市がこれまでに認定した消防団協力事業所は次の通り。
菊池建設、山元、山長建設、新光建設、小澤組、及川工務店、東陸建設、山崎建設、小鯖船舶工業、八幡建設、坂本電気、釜石レミコン、SMC釜石工場
 
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「消防団協力事業所」表示証(右下)の交付を受け、市側と意見交換するSMC釜石工場幹部

 
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 同市の消防団員は本年1月1日現在で546人(正規469人、機能別77人)。駒林署長は「当市では団員の高齢化が顕著。若い世代の加入を増やしていかなければ、10年、20年後には一気に人数が減る。残る団員がほぼ40代以上となると非常に厳しい。ぜひ、多くの若者の入団をお願いしたい」と窮状を訴える。同市消防団員の20~30代の割合は2020年度時点で26・8%。市では25年度までに30%に持っていきたい考え。
 
 同市では引き続き、協力事業所の認定、団員募集の広報活動を行いながら、地域の消防防災体制の強化を図っていきたいとしている。なお、同市消防団の入団要件は18歳以上で、市内に居住または勤務する健康な人。団員には報酬、各種手当が支給される。

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出たぞ!「アイアンマスター」 釜石・第15回鉄の検定 成績上位者、知識の深化へ意欲

JR釜石駅前広場の大島高任像、鉄のモニュメント前で記念撮影する第15回「鉄の検定」の成績優秀者ら

JR釜石駅前広場の大島高任像、鉄のモニュメント前で記念撮影する第15回「鉄の検定」の成績優秀者ら

 
 12月1日の「鉄の記念日」に合わせ、近代製鉄発祥の地・釜石市で行われている「鉄の検定」。15回目の今回、満点者に贈られる「アイアンマスター」の称号を中学生が獲得した。14日に鈴子町のシープラザ釜石で表彰式があり、小学校、中学校、一般の3部門で上位に入り級認定を受けた12人とともに喜びを分かち合った。
 
アイアンマスターの川端さん(中)、認定を喜ぶ野田市長(左)と佐々木副会長

アイアンマスターの川端さん(中)、認定を喜ぶ野田市長(左)と佐々木副会長

 
 アイアンマスターの認定は2回目。第13回検定で中学生2人が獲得していた。今回、マスターの称号を得たのは釜石中3年の川端海惺さん。13回検定で満点をとった1人で、2回目の認定となった。「小中学生の問題に挑戦するのは最後だったので、どうしてもマスターをとりたかった。実現できて、素直にうれしい」と笑う。小学5年生の時から同検定に挑戦していているが、数問は「今まで出たことがない。新しい」と悩ませられるという。そこが鉄検の魅力と感じている。そして、早くも一般の部への挑戦を視野に入れていて、「難しいと聞くが、持っている知識でどこまでいけるか知りたい。学び続ける」と意欲を高めていた。
  
 表彰式で、同実行委会長の野田武則市長は「それぞれ素晴らしい成績を残した。アイアンマスターの認定者も出たが、市内ではいまだに2人しかいない。知識を深めた皆さんが活躍し、地域を活性化させてほしい」とあいさつ。佐々木伸一副会長も「鉄は釜石の宝。勉学に励んで得た知識を皆さんの財産として外に向けて発信してほしい」と期待した。
 
シープラザ釜石で行われた鉄検の表彰式

シープラザ釜石で行われた鉄検の表彰式

 
 鉄検は釜石の鉄の歴史を幅広い年代で共有し、ふるさと発信の契機とするのが狙い。鉄のふるさと創造事業実行委員会が主催する。江戸時代末期に大橋地区に建設された洋式高炉で、大島高任が鉄鉱石を原料とする製鉄(連続出銑)に初めて成功した「近代製鉄の発祥」にちなんで制定された鉄の記念日・週間に合わせて行われる。
  
 釜石の製鉄の歩みや関わった人物・施設の変遷だけでなく、世界の製鉄の歴史や地学、鉱物学など幅広い知識を問う。15回目には小学生5人、中学生109人、一般8人の計122人が参加。小中学生は共通の50問(解答時間30分)、一般は80問(同60分)に挑んだ。
  
 小中学生、一般とも80点以上を2級、90点以上は1級、満点をアイアンマスターに認定する。今回は1級が小学生3人、一般3人。2級は中学生が24人、一般2人だった。
 
小学生の部で同点1位になった金野君(右)

小学生の部で同点1位になった金野君(右)

  
 小学生の部の最高点は98点で、2人が獲得した。その一人、双葉小4年の金野龍真君は今回が初挑戦。過去問で対策を練ったといい、「次回はアイアンマスターになる」と意気込んだ。
  
 市郷土資料館に勤務し、釜石観光ガイド・ジオガイドとしても活動する川畑郁美さん(58)は8回目の挑戦。一般の部1位で1級に認定された。「資料館の来場者を案内したり解説したりする仕事柄、それに釜石人なら鉄を知らないと…。一つずつ知識が増えていくのが楽しい」と向上心を見せた。
 
一般の部1位の川畑さん(右から2人目)ら成績上位者

一般の部1位の川畑さん(右から2人目)ら成績上位者

  
 上位成績は次の通り。
【小学校の部】①川端俐湖(双葉5年)、金野龍真(同4年)③川端虹河(同)=いずれも1級
 【中学生の部】①川端海惺(釜石3年)=アイアンマスター②森美惠(同3年)=2級③菊地蓮、菊池明、黒澤菜々子(同1年)=同
 【一般の部】①川畑郁美②伊藤雅子③花坂保雄=いずれも1級▽2級=谷藤稔、金野義男

mizubetori8819

今年も見られた!オオハクチョウ、カワセミに歓声 鵜住居川周辺で水辺の鳥観察会

片岸公園の沼地を泳ぐ野鳥を観察する参加者

片岸公園の沼地を泳ぐ野鳥を観察する参加者

 
 釜石市の鵜住居川河口周辺で14日、市生活環境課主催の「水辺の鳥観察会」が開かれた。一帯は東日本大震災による津波被害から10年の時を経て復興を遂げ、新設された片岸公園を中心に多くの野鳥が生息する環境が戻ってきた。今冬もオオハクチョウの飛来が確認され、ガン、カモ、サギなどと一緒に水辺に憩う姿が、散歩に訪れる市民らの目を楽しませている。観察会では、鮮やかな体色で「飛ぶ宝石」と称されるカワセミも見ることができた。
 
 同観察会は1977年から続けられる冬の恒例行事。震災後は新しい防潮堤や水門の設置工事のため中止されてきたが、2020年度から再開されている。今回は市民らを中心に約20人が参加。釜石野鳥の会(臼澤良一会長、7人)の会員3人が案内役を務め、双眼鏡やフィールドスコープを使って多種多様な鳥を観察した。
 
 片岸公園(2021年完成)から観察をスタート。参加者を出迎えたのは、園内の沼地で羽を休めるオオハクチョウの群れ。灰色の幼鳥を含め20羽以上が確認された。同会会員によると、今冬も11月下旬に第一陣が飛来。観察会の日までに35羽が確認されている。昨季は内陸部で積雪が多く、餌をとれなくなったハクチョウが沿岸部に多く飛来し、鵜住居川周辺では最大で約200羽が確認されたという。
 
水面をゆっくり進むオオハクチョウ。見応え十分

水面をゆっくり進むオオハクチョウ。見応え十分

 
釜石野鳥の会の会員らが鳥の生態や生息環境について説明した

釜石野鳥の会の会員らが鳥の生態や生息環境について説明した

 
飛来したハクチョウの多くが片岸公園で見られ、周辺にはにぎやかな鳴き声も響く

飛来したハクチョウの多くが片岸公園で見られ、周辺にはにぎやかな鳴き声も響く

 
 同会事務局の菊地利明さん(57)は「子育て中のハクチョウは子どもを守ろうと攻撃的になることがある。近寄りすぎると危害を加えられる恐れもあるので、距離を保って観察を。野生の鳥なので、人間が餌をあげることは絶対にしないでほしい」と注意を促した。
 
 この後、鵜片橋に移動。水門近くの中州に目をやると、アオサギやマガモの群れが見られた。数羽のダイサギが羽を広げて飛ぶ優雅な光景も。背が高いサギ類は外敵が近づくといち早く察知し鳴き声を上げるので、周りにいるカモなども危険を知ることができるという。
 
鵜住居川の水門近くの中州で見られたアオサギの群れ(左下)と周辺を飛び交うダイサギ(白色)

鵜住居川の水門近くの中州で見られたアオサギの群れ(左下)と周辺を飛び交うダイサギ(白色)

 
 最後の観察ポイントは釜石鵜住居復興スタジアム前の鎧坂橋付辺。ここ数年、カワセミがよく見られる場所で、参加者の期待も高まった。川のほとりの草地に目を凝らすと、ひときわ目立つカラフルな姿が…。「あっ、いたいた!きれいだー」。頭から背中にかけての青色、腹部のオレンジ色が美しいカワセミが枝に止まっていた。くちばしの色から雄の個体。餌となる水中の小魚を狙っている様子で、少しすると水面に向かって飛び立った。
 
鮮やかな体色のカワセミ。冬枯れの景色の中ではひときわ目を引く

鮮やかな体色のカワセミ。冬枯れの景色の中ではひときわ目を引く

 
 約1時間の観察の後、見られた鳥の種類を一覧表でチェック。結果、昨年の観察会と同様、28種類の野鳥が確認された。ガン・カモ類が最も多く、ワシ・タカ類ではトビやノスリが見られた。個体数ではオオバンの数が際立った。
 
 鵜住居町の佐藤奏子さん(44)、一帆ちゃん(3)親子は昨年に続いての参加。「ハクチョウ、かっこ良かった。鳥さん大好き」と一帆ちゃん。奏子さんは「カワセミは昨年も同じ場所で見られ、変わらず生きているんだなと感動した。震災から復興した風景、年数を重ね再生してきた自然を目の当たりにし、生き物の生命力、共存の大切さをあらためて実感した」と話した。
 
多くの野鳥が集う片岸公園の沼地。周辺には遊歩道も整備されている

多くの野鳥が集う片岸公園の沼地。周辺には遊歩道も整備されている

 
観察会で見られたカワウ(左上)、ホオジロ(右上)。下段はマガモのつがい(左が雄、右が雌)

観察会で見られたカワウ(左上)、ホオジロ(右上)。下段はマガモのつがい(左が雄、右が雌)

 
 震災前、県内有数の「野鳥の宝庫」として知られた鵜住居川河口周辺。市の観察会では最多で57種が確認されたこともあった。臼澤会長(74)は「(鳥の隠れ家となる)ヨシ原など草地はだいぶ戻ってきたが、樹木はまだ少ない。木に営巣する鳥も多いので、生息環境のためには植樹を進めるのも有効。鳥の餌となる昆虫を含め、生き物全体のバランスが保たれるようなフィールドが必要」と話し、今後も注意深く環境を見守っていく重要性を示した。

kamaishieki

釜石の鉄道が熱い!受験応援「すべらない砂」、SL銀河・BRT紹介「駅カード」配布中

JR釜石駅で配布している「すべらない砂」と釜石・気仙沼エリアの「駅カード」

JR釜石駅で配布している「すべらない砂」と釜石・気仙沼エリアの「駅カード」

  
 JR東日本の釜石線、三陸鉄道のリアス線が乗り入れている釜石駅(釜石市鈴子町)。両路線の連携企画として、釜石・気仙沼エリアの魅力を発信しようと作成した「駅カード」を利用客に配布する。さらに、シーズン真っただ中の受験生を応援する合格祈願の「すべらない砂」を無料配布中。人を呼び込む仕掛けで新年を迎えた地域を熱くしている。
  

JR×三鉄コラボ企画 釜石-気仙沼エリア・4つの駅カードを集めよう

  
三陸鉄道とのコラボ企画で作成した駅カード4種と特製台紙をPRするJR釜石駅の髙橋恒平駅長

三陸鉄道とのコラボ企画で作成した駅カード4種と特製台紙をPRするJR釜石駅の髙橋恒平駅長

  
 駅カードはJR東・盛岡支社と三鉄がタッグを組み、釜石-気仙沼間を走る列車やバス高速輸送システム(BRT)などをデザインした4種を作成した。対象駅は釜石駅、盛駅(大船渡市)、陸前高田駅、気仙沼駅。表面にはSL銀河や三鉄、BRTの車両が景勝地とともにイラストで描かれ、裏面では各駅の開業日や番線数など基本情報を紹介している。同支社では盛岡駅や二戸駅、一ノ関駅などの駅カードを作成しているが、SL銀河やBRTが登場したのは今回が初めて。三鉄とのコラボも初となった。
   
 対象となる4駅が乗車区間に含まれるきっぷを駅係員に提示すると、カードがもらえる。当日有効で、フリーきっぷも対象。定期券や駅入場券は除く。各駅で窓口の営業時間に配布。全4駅分を集めた人には、特製台紙のプレゼントという特典も用意する。
  
車両と景勝地がデザインされた駅カード4種。裏面のイラストをつなげて交通網の連携を見ることもできる

車両と景勝地がデザインされた駅カード4種。裏面のイラストをつなげて交通網の連携を見ることもできる

  
 JR釜石駅の髙橋恒平駅長(42)は「鉄道路線、BRTを使って駅めぐりを楽しみ、南三陸エリアの風景や食を満喫しながら魅力を感じてもらえたら。駅カードのコレクションを旅行の楽しみの一つに、『また行きたいな』と思うきっかけにしてほしい」と期待。SL銀河は今春の運行後に終了することが決まっていて、「プレミアム感もある」と強調する。
  
 駅カードの配布は1日から始まり、同駅では4日までに三鉄と合わせて計約200枚を配布。気仙沼駅では初日に70枚ほどが配られ、人気をうかがわせる。準備枚数がなくなり次第終了する。
  

JR釜石駅の新春応援企画 合格祈願の砂「受験・就活の験担ぎに」

  
「すべらない砂」と釜石駅発の「合格駅」行き特急券

「すべらない砂」と釜石駅発の「合格駅」行き特急券

  
 同駅では受験シーズンに合わせて改札前に「合格祈願神社」を設け、「すべらない砂」も無料提供している。市内の八雲神社でおはらいした砂と、合格特急券「釜石駅から合格駅ゆき」と書かれた片道切符を袋に詰めて1000個を用意。3月中旬の県立高校入試まで配布する予定だ。
  
 列車が上り坂を走行する際、砂を車輪の空転防止に使うことにちなんだ験担ぎ。15年以上前から受験応援グッズとして配っている。この時期の恒例企画として定着し、リクエストの多い取り組み。今年は4日に配布を始め、「お守りに」「御利益がありますように」と砂をもらうため駅を訪れる人も多いという。
   
合格祈願神社、後方に配置された赤い獅子頭は全て駅関係者の手作り

合格祈願神社、後方に配置された赤い獅子頭は全て駅関係者の手作り

  
 駅を訪れる人たちが快適に、穏やかに過ごせるよう、季節に合わせた装飾に力を入れている同駅。新年を盛り上げるオブジェとして、赤い獅子頭がお目見えした。神社を模した配布コーナーや170センチほどの大鳥居も全て駅員と、清掃を担うグループ会社の職員が手作りした。
  
 受験や資格取得、就職活動がうまくいきますように―。「頑張る人にエールを送りたいと職員一人一人が思いを込めた。砂が少しでも皆さんの心の支え、後押し、お守りになれば」と髙橋駅長。卯(う)年は「飛躍の年」とも言われ、自身は「仕事でもプライベートでも挑戦する年に。自己成長につなげたい」と目標を掲げた。
 
 

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世代超えて対局 釜石・子ども将棋教室 プロ試験挑戦中!小山怜央さんの影響で高まる将棋熱

将棋盤を囲んで交流する正棋会の会員と子どもたち

将棋盤を囲んで交流する正棋会の会員と子どもたち

 
 釜石市小佐野公民館(佐藤貴之館長)主催の子ども将棋教室が6日、小佐野町の小佐野コミュニティ会館で開かれ、市内の小学生10人が地域の人から将棋の手ほどきを受けた。冬休み中の子どもの居場所、体験・学習活動の場を提供する「冬休み寺子屋事業」の一環で、市内の将棋愛好者らでつくる「正棋会」(西田晃代表、会員約20人)の協力で、合わせて3回実施。例年、参加者を募ると即埋まるという人気の教室で、新型コロナウイルス禍で約2年ぶりの開催となった今回も定員(先着8人)を上回る申し込みがあった。
 
冬休み中の子どもたちが集まる小佐野公民館の将棋教室

冬休み中の子どもたちが集まる小佐野公民館の将棋教室

 
 「お、しばらくだったね。元気だった?」。顔なじみの高学年児童に声をかけた西田さん(77)は早速駒を並べて対局した。低学年の子どもたちは初顔合わせで、会員が指導対局。「ほー、そこにいくか」「ちょっと、ゆるくない(釜石地域の方言できつい・大変の意味)よ」「悩ませるなー」。会員をうならせる一手を繰り出す子もいて、互いに刺激を受けながら交流を楽しんでいた。
 
低学年の児童の対局は会員が見守り、助言した

低学年の児童の対局は会員が見守り、助言した

 
 1年ほど前に将棋を始めた近藤一葵(いつき)君(小佐野小2年)は、父親以外の大人と将棋を指すのは初めてで、「ドキドキする。でも楽しい」とにっこり。ハンデをもらっても負けてしまうが、「もう一局、お願いします」と何度も勝負を挑んだ。分からない所を教えてもらい、うれしそうな様子で、「パチッという音が、かっこいい。強くなりたい」と意欲を見せた。
 
 平田の澤田秀人さん(81)は、ひ孫のような子どもたちの腕前に「まだまだ」と頬を緩めつつ、「これからが楽しみだ」と優しく見守った。
 
子どもも大人も盤上の攻防に夢中になった

子どもも大人も盤上の攻防に夢中になった

 
 佐藤館長によると、同教室の人気は藤井聡太五冠(20)=竜王・王位・叡王・王将・棋聖=の活躍が影響しているという。しかし最近、市内では別の理由で将棋熱の高まりを感じる場面が増えている。プロの将棋棋士を目指し、アマチュアから編入試験5番勝負に挑んでいる地元・鵜住居町出身の小山怜央さん(29)の存在だ。
 
 少年期、高校生時代の小山さんを知る西田さんは「より強くなっているようだ」と目を細める。編入試験の第3局は20日。小山さんは初戦から連勝しており、あと1勝で棋士養成機関の奨励会未経験のアマチュアとして初めて、かつ岩手県初の棋士となる。「実力を出し切って合格してほしい」。期待を込め、エールを送っている。
 
 西田さん自身は週6日、将棋ざんまい。週2回の正棋会のほか、他地区の集まりにも顔を出して腕を磨いていて、「子どもたちの進歩は早い。どんどん強くなり、大人になっても一緒に将棋を楽しんでもらえれば。われわれも負けずに指し続けたい」と盤面に向かった。
 
 

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釜石市「はたちのつどい」 成人年齢引き下げで式典名称変更 20歳の門出祝う

 「はたちのつどい」として開催された成人の日の記念式典=釜石市

「はたちのつどい」として開催された成人の日の記念式典=釜石市

 
 昨年4月に成人年齢が18歳に引き下げられ、初めて迎える「成人の日」。釜石市では、「成人のつどい」として開催してきた式典を「はたちのつどい」と改称し、これまで通り、本年度20歳を迎える人たちを祝う場が設けられた。8日、大町の市民ホールTETTOで開かれた式典には193人が出席。それぞれの道で精進を続ける若者らが人生の節目に誓いを立て、大人としての自覚を新たにした。
 
 式典であいさつした野田武則市長は、幾多の困難を乗り越えてきた釜石人の「不撓(ふとう)不屈の精神」、東日本大震災の教訓を心に刻み、今後の人生を切り開いていくことを期待。人口減少が進む同市に希望をもたらすため、「一人一人、何ができるか考えてほしい。釜石の将来を皆さんと一緒につくっていきたい」と呼び掛けた。
 
 式典運営には前回から、当事者らでつくる実行委が参画。今回は12人の委員が昨年6月から準備を進め、生まれた年から20年間の国内外、釜石の動きをまとめた映像、中高時代の恩師から集めたメッセージ動画を作成し上映した。恒例となった有志による郷土芸能の披露はこれまでの虎舞に加え、新たに神楽が登場した。
 
恩師のビデオメッセージを見ながら中高生時代を懐かしむ

恩師のビデオメッセージを見ながら中高生時代を懐かしむ

 
式典初となった神楽の演舞。東前太神楽の継承メンバーら8人が披露した

式典初となった神楽の演舞。東前太神楽の継承メンバーら8人が披露した

 
虎舞は有志15人で。威勢のいい掛け声と舞で20歳のパワー全開

虎舞は有志15人で。威勢のいい掛け声と舞で20歳のパワー全開

 
 東前太神楽の岩間雄史さん(19)は「20歳の節目に同級生みんなで踊りを披露でき、いい思い出になった」と感謝。現在、東北福祉大(宮城県)に在学中。「卒業したら地元に戻ってきて貢献したい。子どものころから親しんできた郷土芸能や祭りをしっかり引き継ぎ、さらに盛り上げて次世代につないでいけたら」と夢を描いた。
 
 抱負を発表したのは、甲子中出身で常葉大(静岡県)在学の金和樹さん(20)。サッカーで夢をかなえるため進んだ強豪・青森山田高での過酷な日々を振り返り、支えてくれた両親、地元の友人、地域の人たちへ感謝の気持ちを伝えた。プロ選手の目標を胸に抱き、「スポーツを通して釜石に貢献できるよう精進していく。新型コロナなど私たちをとりまく情勢は厳しいが、一人一人が困難に屈せず、たくましく前を向いて歩いていきたい」と決意を述べた。
 
出席者を代表し、抱負を発表した金和樹さん

出席者を代表し、抱負を発表した金和樹さん

 
 高校3年時に新型コロナの流行が始まり、この3年間、さまざまな制限の中で生活してきた若人ら。市外在住者は帰省も難しい状況が続いたため、式典での同級生との再会はいつも以上に大きな喜びに包まれた。フォトスポットでの記念撮影、近況報告や思い出話にたくさんの笑顔が広がった。
 
大平中、釜石中出身者らで記念写真におさまる男性グループ

大平中、釜石中出身者らで記念写真におさまる男性グループ

 
バルーンアートで彩られたフォトスポット。釜石商工会議所青年部が開設した

バルーンアートで彩られたフォトスポット。釜石商工会議所青年部が開設した
 
華やかな振り袖姿で笑顔を輝かせる女性グループ

華やかな振り袖姿で笑顔を輝かせる女性グループ

 
 帝京大(東京都)に通う川前優愛さん(20)は「一人暮らしもあって、自分でやらないといけないことが増えた。大人になっていくのを感じている」と自覚。小学2年時に震災の津波で大槌町の自宅を失い、釜石市に転居。コロナ禍の中、始まった慣れない都会での生活に寂しさを感じたこともあった。多くの苦難を経験し、将来に描く夢は「小学校教諭になる」こと。女手一つで育ててくれた母に深く感謝し、節目の年の新たな一歩を踏み出した。
 
 釜石東中出身の小笠原萌さん(20)は「全然会えていなかった中学の友だちに再会でき、記憶がよみがえってきた。みんな大人になっているのを見られてうれしい」と笑顔。大槌町で被災。家族は無事だったが、家など全て流された。今は尚絅学院大(宮城県)で勉学に励む。「帰るたび、まちも自分も少しずつ成長しているのを実感。震災で助け合いの大切さ、くじけない心を学んだ。乗り越えた自信を糧に、何事にも全力で取り組みたい」と誓った。                                                                                                 
 
 虎舞披露でメンバーを束ねた市内在住の鈴木佑太郎さん(20)は、久しぶりに顔を合わせた友人たちと会話を弾ませ、「何も変わっていない」と一言。式典前、「わくわくする。みんなで釜石を盛り上げたい」と心を躍らせた。2年目に入る建設業の仕事は「覚えることがいっぱい。怒られながら毎日頑張っている」と、一人前を目指して奮闘中。間もなく震災から12年を迎える古里に「人口が少ないので、自分たち若者が引っ張っていかねば」と意を強くした。
 
式典内容の企画などを行った、はたちのつどい実行委のメンバー

式典内容の企画などを行った、はたちのつどい実行委のメンバー

 
 同つどい実行委員の会田茉白さん(20)は上映した映像の編集に携わり、「頑張った結果が見られて良かった」と満足げ。今春、東京のダンスの専門学校を卒業予定。プロダンサーを目指して修行中で、「25歳までにディズニーとかの舞台に立ちたい。レッスンスタジオを持って教えられるようになるのも目標」と未来を見据える。愛娘の晴れ姿に母真里さん(49)は「3姉妹の末っ子。長かった子育ても卒業です」と感慨深げ。夢を追い求める茉白さんを応援し、「意志を貫き、好きな道を進んでいってほしい」と願った。
 
 今年の式典対象者は、2002年4月2日から03年4月1日までに生まれた同市出身者など268人。新型コロナウイルス感染症の影響による直前キャンセルなどもあり、出席者数は過去10年で初めて200人を下回った(オンライン開催の2021年を除く)。