出たぞ!「アイアンマスター」 釜石・第15回鉄の検定 成績上位者、知識の深化へ意欲


2023/01/23
釜石新聞NewS #産業・経済

JR釜石駅前広場の大島高任像、鉄のモニュメント前で記念撮影する第15回「鉄の検定」の成績優秀者ら

JR釜石駅前広場の大島高任像、鉄のモニュメント前で記念撮影する第15回「鉄の検定」の成績優秀者ら

 
 12月1日の「鉄の記念日」に合わせ、近代製鉄発祥の地・釜石市で行われている「鉄の検定」。15回目の今回、満点者に贈られる「アイアンマスター」の称号を中学生が獲得した。14日に鈴子町のシープラザ釜石で表彰式があり、小学校、中学校、一般の3部門で上位に入り級認定を受けた12人とともに喜びを分かち合った。
 
アイアンマスターの川端さん(中)、認定を喜ぶ野田市長(左)と佐々木副会長

アイアンマスターの川端さん(中)、認定を喜ぶ野田市長(左)と佐々木副会長

 
 アイアンマスターの認定は2回目。第13回検定で中学生2人が獲得していた。今回、マスターの称号を得たのは釜石中3年の川端海惺さん。13回検定で満点をとった1人で、2回目の認定となった。「小中学生の問題に挑戦するのは最後だったので、どうしてもマスターをとりたかった。実現できて、素直にうれしい」と笑う。小学5年生の時から同検定に挑戦していているが、数問は「今まで出たことがない。新しい」と悩ませられるという。そこが鉄検の魅力と感じている。そして、早くも一般の部への挑戦を視野に入れていて、「難しいと聞くが、持っている知識でどこまでいけるか知りたい。学び続ける」と意欲を高めていた。
  
 表彰式で、同実行委会長の野田武則市長は「それぞれ素晴らしい成績を残した。アイアンマスターの認定者も出たが、市内ではいまだに2人しかいない。知識を深めた皆さんが活躍し、地域を活性化させてほしい」とあいさつ。佐々木伸一副会長も「鉄は釜石の宝。勉学に励んで得た知識を皆さんの財産として外に向けて発信してほしい」と期待した。
 
シープラザ釜石で行われた鉄検の表彰式

シープラザ釜石で行われた鉄検の表彰式

 
 鉄検は釜石の鉄の歴史を幅広い年代で共有し、ふるさと発信の契機とするのが狙い。鉄のふるさと創造事業実行委員会が主催する。江戸時代末期に大橋地区に建設された洋式高炉で、大島高任が鉄鉱石を原料とする製鉄(連続出銑)に初めて成功した「近代製鉄の発祥」にちなんで制定された鉄の記念日・週間に合わせて行われる。
  
 釜石の製鉄の歩みや関わった人物・施設の変遷だけでなく、世界の製鉄の歴史や地学、鉱物学など幅広い知識を問う。15回目には小学生5人、中学生109人、一般8人の計122人が参加。小中学生は共通の50問(解答時間30分)、一般は80問(同60分)に挑んだ。
  
 小中学生、一般とも80点以上を2級、90点以上は1級、満点をアイアンマスターに認定する。今回は1級が小学生3人、一般3人。2級は中学生が24人、一般2人だった。
 
小学生の部で同点1位になった金野君(右)

小学生の部で同点1位になった金野君(右)

  
 小学生の部の最高点は98点で、2人が獲得した。その一人、双葉小4年の金野龍真君は今回が初挑戦。過去問で対策を練ったといい、「次回はアイアンマスターになる」と意気込んだ。
  
 市郷土資料館に勤務し、釜石観光ガイド・ジオガイドとしても活動する川畑郁美さん(58)は8回目の挑戦。一般の部1位で1級に認定された。「資料館の来場者を案内したり解説したりする仕事柄、それに釜石人なら鉄を知らないと…。一つずつ知識が増えていくのが楽しい」と向上心を見せた。
 
一般の部1位の川畑さん(右から2人目)ら成績上位者

一般の部1位の川畑さん(右から2人目)ら成績上位者

  
 上位成績は次の通り。
【小学校の部】①川端俐湖(双葉5年)、金野龍真(同4年)③川端虹河(同)=いずれも1級
 【中学生の部】①川端海惺(釜石3年)=アイアンマスター②森美惠(同3年)=2級③菊地蓮、菊池明、黒澤菜々子(同1年)=同
 【一般の部】①川畑郁美②伊藤雅子③花坂保雄=いずれも1級▽2級=谷藤稔、金野義男

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