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「ラグビーの聖地」釜石で“不惑”仲間が交流試合 3回目のマスターズ大会

晴天の下、行われたラグビーマスターズ交流会=11日、根浜シーサイド

晴天の下、行われたラグビーマスターズ交流会=11日、根浜シーサイド

 
 不惑ラグビーの仲間が2年ぶりに釜石集結―。第3回KAMAISHIマスターズ交流会(実行委主催)は11、12の両日、釜石市鵜住居町の根浜シーサイド多目的グラウンドと釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。関東、関西エリアと地元岩手から計8チーム、約110人が参加。新日鉄釜石・日本一7連覇、ラグビーワールドカップ(W杯)開催のレガシー(遺産)が残る“聖地”で試合を楽しみ、ラグビー人の絆を深めた。
 
 同交流会はラグビーW杯日本大会が行われた2019年に、東北唯一の試合会場となった同市を盛り上げようと企画され、同年3月に初開催。翌20年11月に2回目が行われたが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止されていた。
 
2年ぶりの交流会開催を喜ぶ参加チームの選手ら

2年ぶりの交流会開催を喜ぶ参加チームの選手ら

 
 本大会には、各地で活動するマスターズチームや名門高校のOBチームなど多彩な顔ぶれがそろった。初日の交流戦は根浜シーサイドが会場。20分ゲームを9試合行った。メンバーが足りないチームは他チームからの助っ人もOK。40~60代の選手が入り乱れ、試合を楽しんだ。マスターズ現役の選手、久しぶりにプレーする選手…。試合中は真剣勝負ながら和気あいあい。好プレー、珍プレーも飛び出した。
 
 本県から唯一参加の岩手チームは、新日鉄釜石OB3人、釜石シーウェイブス(SW)OB6人を筆頭に、各地で活動する不惑仲間で構成。見事な連携プレーでトライを奪うなど地元の意地を見せた。
 
新日鉄釜石V7戦士の泉秀仁さん(白ジャージー中央)、釜石SWの主将を務めた篠原洋介さん(同右)

新日鉄釜石V7戦士の泉秀仁さん(白ジャージー中央)、釜石SWの主将を務めた篠原洋介さん(同右)

 
釜石SW元選手で、現アンバサダーの向井陽さんも気迫のプレー(白ジャージー中央)

釜石SW元選手で、現アンバサダーの向井陽さんも気迫のプレー(白ジャージー中央)

 
 新日鉄釜石時代、フランカーとして活躍した氏家靖男さん(66)=釜石市甲子町=は、今も不惑ラグビーでプレー。同交流会は19年以来の参加で、「体がなかなかついていけないが、若い人に紛れて何とかごまかしました(笑)」。前人未到の7連覇から37年―。「当時のことを覚えていて『釜石に来たかった』と言ってくれる人もいる。ありがたい」と感謝。「早くコロナがおさまって多くのラグビー仲間が来られるようになるといい。地域経済活性化にも貢献してもらえれば」と願った。
 
新日鉄釜石V7当時の主軸選手の一人、氏家靖男さん(手前中央)

新日鉄釜石V7当時の主軸選手の一人、氏家靖男さん(手前中央)

 
試合後は対戦チームで記念撮影(岩手チーム&惑惑クラブ)

試合後は対戦チームで記念撮影(岩手チーム&惑惑クラブ)

 
 奈良県の天理高OBチームは全日制、定時制両ラグビー部の同窓生で結成。関西、名古屋、東京などに散らばる13人が駆け付けた。山本寛さん(55)は「今回は40代半ばのメンバーが増え、世代間交流も図られている。大会は天理同窓生が集まる機会にもなる」と歓迎。他チームから入ってもらった助っ人には「天理のジャージーを着られて感慨深い」との声ももらった。「天理のラグビーに興味を持ってくださる方がいること、この釜石で全国の仲間とプレーできることが何よりうれしい」と山本さん。
 
シンボルの白ジャージーで戦う天理高OBチーム

シンボルの白ジャージーで戦う天理高OBチーム

 
 2日目は復興スタジアムでトーナメント戦が行われ、茗溪学園OBチーム(茨城県)が優勝した。

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「ブルーカーボン」活用で水産振興 海との関係性見直す 釜石市で勉強会

「ブルーカーボン」に関する勉強会。水産業振興に役立てる方策を考えた

「ブルーカーボン」に関する勉強会。水産業振興に役立てる方策を考えた

  
 脱炭素社会の実現に向けて世界が動き出す中、海域の生態系が吸収・貯留する二酸化炭素(CO2)「ブルーカーボン」が注目されている。森林が取り込むCO2「グリーンカーボン」の海洋版で、四方を海に囲まれた日本でも活用に向けた研究が進む。また近年、CO2削減量を認定した「カーボンオフセット・クレジット」を取引する取り組みが各地で進行。釜石市で10日に開かれた勉強会(岩手大三陸水産研究センターなど主催)ではブルーカーボンの働きやカーボンオフセット制度に着目し、水産業振興への活用策を考えた。
   
 ブルーカーボンは2009年、国連環境計画(UNEP)が提唱した。海は大気からCO2を吸収しており、アマモやコンブといった海草や藻類は海中でCO2を取り込む。吸収した後に地中の枝や葉、根で長期間貯留する機能も。森林から河川を通して海に流れ出たグリーンカーボンを藻場が吸収する働きもあり、CO2削減と気候変動の緩和に役立つとされる。
  
講師はリモート参加。児玉さんはブルーカーボンの働きなどを紹介した

講師はリモート参加。児玉さんはブルーカーボンの働きなどを紹介した

   
 平田の岩大釜石キャンパスで開かれた勉強会はオンライン配信を併用し、講師はリモートで参加した。国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所の研究開発コーディネーター児玉真史さんがブルーカーボンの働きや活用を探る世界の動きを紹介。国内でも▽生態系・地域別藻場のCO2吸収量・貯留量の評価モデル開発▽藻場の維持・拡大技術開発▽海藻養殖技術の高度化―などの研究が進められている。
   
 児玉さんは、海水温上昇による磯焼け、ウニ類や魚類による食害は世界中で生じている現象とした上で、「新しい藻場の維持、形成技術の開発が必須。海藻養殖は気候変動の緩和、適応策として貢献していける。先進国日本の対策技術に期待が寄せられている」と強調した。食用以外で産業として成り立つことが重要で、「海藻由来の製品開発といった工業的活用策を探り新しい産業を生み出す、イノベーションが求められる」と指摘。沿岸域の藻場を増やす必要もあり、「大規模というよりは大胆に考えてほしい」と助言した。
  
信時さんは「横浜ブルーカーボン事業」について解説した

信時さんは「横浜ブルーカーボン事業」について解説した

  
 神戸大産官学連携本部アドバイザリーフェローの信時正人さんは、ブルーカーボンの活用事例として横浜市の取り組みを紹介した。海洋を活用した地球温暖化対策から生み出されたCO2削減量の枠(クレジット)を購入することで、削減したとみなす「カーボンオフセット」という事業で、横浜市では仕組みを利用しトライアスロン大会を開催。地元企業や団体が行うワカメの地産地消活動で生み出されたクレジットを購入することで、大会運営でのエネルギー利用や参加者の会場までの移動で生じるCO2排出量を埋め合わせ(オフセット)した。大会が温暖化対策を間接的に支援するほか、地域振興にも役立っているという。
  
 コンブ養殖による新たな事業が展開され、飲食店などと連携したメニュー提供や加工品開発、「こんぶ湯」など環境への優しさ、SDGsに注目したイベントでブルーカーボンの可能性を探る動きが活発化している。「アプローチの仕方はさまざま。変化を都市づくりにつなげている」と信時さん。「目の前の海との付き合い方を考えていくことが重要。資源、エネルギー、食の関係性を意識し、見直すきっかけの一つがブルーカーボン」と伝えた。
  
講師に質問する参加者。「海の持つ可能性を知ることができた」との声もあった

講師に質問する参加者。「海の持つ可能性を知ることができた」との声もあった

  
 会場参加と合わせて約90人が聴講。ブルーカーボンのメリットと理解促進へのアピール方法、親しみやすい海づくりのポイントなど質問を投げかける時間もあり、関心の高さをうかがわせた。
 
 釜石東部漁業協同組合青年部長を務める両石町の漁師、久保宣利さん(49)は深刻な磯焼けの対策のヒントが見つかることを期待し参加。同漁協では漁場にコンブを投入する磯焼け対策の実証実験を始めたところで、「ブルーカーボン事業とうまく組み合わせると、資源の循環、持続可能な漁業につなげられると可能性を感じた。より学びを深めたい」と刺激を受けていた。

【ラグビー ウルグアイ代表 来日記念】復興釜石新聞 特別アーカイブを期間限定で配信します

【ラグビー ウルグアイ代表 来日記念】復興釜石新聞 特別アーカイブを期間限定で配信します

復興釜石新聞 特別アーカイブ

 

ラグビーのウルグアイ代表「ロス・テロス」が来日し、6月18日(土)、25(土)の両日に日本代表との強化試合「リポビタンDチャレンジカップ2022」が開催されます。

 

ウルグアイと言えば、ラグビーワールドカップ2019の際に釜石鵜住居復興スタジアムで結果的に唯一となった試合を行い、格上のフィジーを撃破する大金星で大会を、そして釜石を沸かせたチームで、釜石ラグビーの歴史においてウルグアイ代表は大きな縁をもつチームとなり、ウルグアイのラグビー史においてもきっと“KAMAISHI”の名は伝説的な意味を成しているのではないかと思います。

 

そんなロス・テロスの来日を歓迎し、釜石新聞NewSでは「復興釜石新聞 特別アーカイブ」として、『ラグビーワールドカップ2019 フィジー代表vsウルグアイ代表』に関する記事が掲載された2019年「9月26日発行号」「10月2日発行号」の実際の紙面を、日本代表との2戦目翌日となる6月26日(日)までの期間限定としてPDFで配信いたします。

 

日本代表とウルグアイ代表、両チームの熱い戦いにエールを送ります!
※PDFの公開は終了しました

 

復興釜石新聞 2019年9月28日号 1面

 

復興釜石新聞 2019年9月28日号 2面

 

復興釜石新聞 2019年10月2日号 1面

 

復興釜石新聞について
「復興釜石新聞」は、東日本大震災から3カ月後となる2011年6月11日に創刊された地域紙です。震災前までは日刊地域紙だった岩手東海新聞のスタッフらが中心となり、震災からの復旧復興の歩みを伝えてきましたが、2021年3月31日の発行号をもって廃刊となりました。「釜石新聞NewS」はWeb版釜石新聞として、復興釜石新聞の記者2名が取材・記事執筆を行っています。
「復興釜石新聞」からWeb 版「釜石新聞NewS」へ

 

リポビタンDチャレンジカップ2022 パブリックビューイングのご案内

リポビタンDチャレンジカップ2022が開催されます!!

 

釜石市内では、日本代表との両試合とも、パブリックビューイングが開催されます。
https://en-trance.jp/news/local/31069.html

 

日本代表 v ウルグアイ代表 1戦目
6月18日(土)15:00 キックオフ(開場14:30)
シープラザ釜石2階ラグビーカフェ情報発信コーナー

 

日本代表 v ウルグアイ代表 2戦目
6月25日(土)15:00 キックオフ(開場14:30)
釜石市民ホールTETTOホールB

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行方不明の高齢女性を保護 危険回避した2女性に釜石警察署長が感謝状

釜石警察署署長感謝状を受けた阿部静子さん(中左)と前川陽美さん(中右)

釜石警察署署長感謝状を受けた阿部静子さん(中左)と前川陽美さん(中右)

 
 釜石警察署(前川剛署長)は9日、行方不明になっていた釜石市甲子町の女性(82)を保護し、迅速な通報で命の危険を回避したとして、大槌町小鎚の保健師・阿部静子さん(40)と釜石市鵜住居町の看護師・前川陽美さん(22)に署長感謝状を贈った。保護された女性は認知症の症状があり、2人の的確な判断と処置がなければ生命に関わる事案となっていた可能性も。女性が無事に家族のもとに帰れたことに、2人は「安心しました。本当に良かった」と口をそろえた。
 
 同署署長室で贈呈式が行われ、前川署長が阿部さん、前川さんに感謝状を手渡した。前川署長は「お2人のやさしさ、親切心が高齢女性を救った。ご家族も大変感謝しておられた。高齢者が犯罪被害や交通事故に巻き込まれる事案が増えている。これからも地域の安全、安心のためにご協力を」と願った。
 
行方不明高齢者保護の功労で前川剛署長が感謝状を贈呈

行方不明高齢者保護の功労で前川剛署長が感謝状を贈呈

 
 釜石市内に職場がある2人は5月11日午後7時すぎ、車で帰宅途中、鵜住居町の国道45号恋の峠付近で、ガードレールにつかまりながら上り坂をとぼとぼ歩く高齢女性を目撃。阿部さんは近くの店舗駐車場からUターン。前川さんは一度自宅に戻ったものの、気になって父親と一緒に現場に引き返した。
 
 2人が声を掛けると、女性は「家に帰ろうとしている」というようなことを口にしたが、「目がとろんとして、少し疲れている様子だった」(前川さん)という。「声を掛けたらすぐに近寄ってきた。不安も大きかったのでは」と阿部さん。その後、阿部さんの車に女性を乗せて毛布やカイロで体を温めるなど介抱。前川さんが110番通報し、警察官が到着するまでの間、手掛かりを求めて2人で女性の話を聞いていた。
 
 女性が家にいないことに家族が気付いたのは午後6時ごろ。付近を捜したが見つからず、釜石署に届け出た。前川さんらと家族からの通報が重なり、早い段階での身元判明につながった。発見時、外傷などは見受けられなかったが、翌日の受診で軽度の足首の捻挫が判明した。
 
大きな事故につながらず、女性が家族のもとに戻れたことを喜ぶ阿部さん(右)と前川さん

大きな事故につながらず、女性が家族のもとに戻れたことを喜ぶ阿部さん(右)と前川さん

 
 5年前、福祉施設から抜け出した高齢男性を保護した経験がある阿部さんは、今回の発見場所から「もしかしたら…」と同様のケースを考え、すぐに行動を起こした。「まずは無事だったことが何より。(高齢化が進み)これから似たようなことが増えるだろう。この地域に住む人間として、気になる人がいたら積極的に声を掛けたい」。
 
 発見現場は街灯がなく、当時は薄暗かった。周辺では過去にクマの目撃例もある。地元住民でもある前川さんは「あの時間帯に散歩する人を見かけることはほぼ無い。後悔しない選択ができて良かった」。思いがけない感謝状を受け、「自分にとっても誇りになる」と話し、初めての経験を胸に刻んだ。

リポビタンDチャレンジカップ2022が開催されます!!

リポビタンDチャレンジカップ2022が開催されます!!

リポビタンDチャレンジカップ2022が開催されます!!
 

ラグビー日本代表が世界の強豪国と戦う「リポビタンDチャレンジカップ2022」が開催されます!

ラグビーワールドカップ2023フランス大会を見据えて日本代表戦が開催されます。
ラグビー日本代表は2019年7月27日に、ウルグアイ代表は2019年9月25日に、共に釜石鵜住居復興スタジアムで熱戦を繰り広げ、多くの市民へ勇気と希望を与えていただいた大切なチームです。 両チームをみんなで応援しましょう。

日程

6月18日(土)日本代表 対 ウルグアイ代表 15:00キックオフ 秩父宮ラグビー場
6月25日(土)日本代表 対 ウルグアイ代表 15:00キックオフ ミクニワールドスタジアム北九州
7月2日(土)日本代表 対 フランス代表   15:00キックオフ 豊田スタジアム
7月9日(土)日本代表 対 フランス代表   14:50キックオフ 国立競技場
 
チケット購入はこちらから

パブリックビューイングの開催

日本代表 対 ウルグアイ代表の試合に合わせてパブリックビューイングを開催します。
 
6月18日(土)15:00 キックオフ(開場14:30)
シープラザ釜石2階ラグビーカフェ情報発信コーナー
 
6月25日(土)15:00 キックオフ(開場14:30)
釜石市民ホールTETTOホールB
 
 

※日本代表は2019年7月27日に釜石鵜住居復興スタジアムで開催されたリポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンドでフィジー代表と対戦し、34対21で勝利しました!
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020040900014/
 
※ウルグアイ代表は2019年9月25日に釜石鵜住居復興スタジアムで開催されたラグビーワールドカップ2019日本大会でフィジー代表と対戦し30対27で勝利しました!
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020041000034/

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 文化スポーツ部 スポーツ推進課 ラグビーのまち推進係
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22番1号 シープラザ釜石2F
電話:0193-27-5712 / Fax 0193-31-1170 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022060700025/
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手を取り学び合う「茶の友に」 裏千家茶道こども教室・釜石 稽古スタート

裏千家茶道こども教室がスタート。お茶のいただき方を教わった

裏千家茶道こども教室がスタート。お茶のいただき方を教わった

  
 2022年度釜石市裏千家茶道こども教室(同実行委員会主催)は4日、始まった。初めて受講する2人を含む小、中、高校生19人が参加。来年1月まで16回にわたり、礼儀作法からお点前まで茶道の知識や技を学び合う。
  
 この日、稽古場となる中妻町の昭和園クラブハウスで開講式が行われた。同実行委の菊池宗英会長が「素直な気持ちで稽古に臨んでほしい。失敗を重ね、反復することで学びが深まっていく。手を取り合っていきましょう」とあいさつ。受講生と講師が全員で「利休道歌」と教室の「誓いのことば」を唱和した。
   
開講式で教室の進め方などの説明に耳を傾ける受講者ら

開講式で教室の進め方などの説明に耳を傾ける受講者ら

   
 式終了後、講師による呈茶、模範点前として「平点前」が披露された。「和敬清寂」としたためられた掛け軸、ニッコウキスゲやヤマボウシなど季節の花が生けられた茶席を用意。茶道具に用いられた茶しゃくの銘は「茶の友」で、「みんな、お友達になってほしい」という願いを込めた。
  
講師の模範手前に目を注ぎつつ、お菓子をいただく子どもたち

講師の模範手前に目を注ぎつつ、お菓子をいただく子どもたち

  
「お先にいただきます」。子どもたちは茶道を通じ心遣いも学ぶ

「お先にいただきます」。子どもたちは茶道を通じ心遣いも学ぶ

  
 講師にもてなされた受講生たちは緊張したり、恥ずかしそうな様子が見られた。教室に連続参加する子どもたちは模範手前を真剣なまなざしで見つめ、自分たちとの違いを確認。初参加の2人には講師が寄り添い、お菓子とお茶のいただき方を教えた。
  
 習い始めの菊池咲里(さり)さん、前田瑛里(えり)さん(ともに小佐野小1年)は少し緊張気味だったが、「こども園でやったことがある。もっと上手になりたい。お茶はおいしくて好き」と、はにかみながら顔を見合わせた。5年目の参加となる小笠原統哉君(鵜住居小5年)は「盆点前を習っている。少しずつできることが増えるのがうれしい。人前でしっかりできるよう作法を身に付けたい」と背筋を伸ばした。
   
初参加の子は少し緊張した様子。講師は優しい笑顔でもてなした

初参加の子は少し緊張した様子。講師は優しい笑顔でもてなした

   
 同教室は2004年度に始まった。裏千家又新会を母体に組織した実行委の講師12人が子どもたちの習熟度に合わせて指導。歩き方や座り方、立ち居振る舞いなどの礼儀、茶のたて方のほか、茶道の楽しさも伝える。7月は岩手支部のチャリティー茶会が釜石で予定されており、子どもたちも参加する。教室の開催にあたり、文化庁の伝統文化親子教室事業の助成を受けた。
  
 現在、受講生を募集中。受講料は1人2000円。問い合わせは事務局の戸村宗妙さん(電話0193・23・8348)へ。

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3年ぶり有観客開催~全国虎舞フェスティバル~市内外の9団体が躍動の演舞

観客を入れて行われた「第12回全国虎舞フェスティバル」

観客を入れて行われた「第12回全国虎舞フェスティバル」

 
 釜石市内外の虎舞伝承団体が集う第12回全国虎舞フェスティバル(釜石観光物産協会、市主催)が5日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一昨年は中止、昨年は映像配信となり、有観客開催は3年ぶり。参加9団体は久しぶりの大舞台に喜びを感じながら熱演。約400人の観客も胸を躍らせながら伝統の舞を堪能した。
 
 本フェスティバルは当初、2月に予定されていたが、新型コロナの感染状況から延期を決め、4カ月遅れの開催となった。開会にあたり野田武則釜石市長は「“全国”と銘打った虎舞フェスは釜石だけ。今年は寅年。あらためて目を向け、虎舞から元気をもらってほしい」とあいさつした。
 
 釜石市からは同市の無形文化財に指定されている錦町虎舞(1998年指定)、尾崎町虎舞(尾崎青友会、98年同)、鵜住居虎舞(鵜住居青年会、2012年同)など6団体と、市内7団体で組織する釜石虎舞保存連合会が出演。代表的な3演目(矢車、跳ね虎、笹喰み)や手踊りを披露し、観客を楽しませた。
 
平田虎舞(平田青虎会)のステージ。踊りは地元の舘山神社祭典で奉納される

平田虎舞(平田青虎会)のステージ。踊りは地元の舘山神社祭典で奉納される

 
市無形文化財5虎舞の一つ、尾崎町虎舞(尾崎青友会)。浜町2丁目(旧称・台村)に伝わる

市無形文化財5虎舞の一つ、尾崎町虎舞(尾崎青友会)。浜町2丁目(旧称・台村)に伝わる

 
各団体の演舞を楽しみ、大きな拍手を送る観客

各団体の演舞を楽しみ、大きな拍手を送る観客

 
 市外からは大槌町の陸中弁天虎舞、宮城県加美町の同消防団「中新田火伏せの虎舞保存会」が出演した。加美町の虎舞は室町時代から継承され、650年以上の歴史を誇る。毎年4月29日の初午(はつうま)祭りで踊りを奉納し、地域を練り歩いて家々の防火や家内安全を祈願する。同県の重要無形文化財。釜石での演舞は1992年、2014年、18年に続き4回目。今回は30~60代のメンバー20人が訪れた。
 
加美町消防団 中新田火伏せの虎舞保存会は防火祈願の舞を披露

加美町消防団 中新田火伏せの虎舞保存会は防火祈願の舞を披露

 
客席を回るのに替えて写真撮影タイム。独特の虎頭をパチリ!

客席を回るのに替えて写真撮影タイム。独特の虎頭をパチリ!

 
 同保存会の大杉義和会長(61)は「コロナ禍で地元の祭りもここ3年中止。今回、大きな舞台での発表機会をいただけたことは非常にうれしく、メンバーも達成感でいっぱい。伝統芸能継承のためにも、来年は何とか祭りができれば」と願った。
 
 釜石市内では各地で14の虎舞が保存、継承される。同フェスティバルは1992年に開かれた「三陸・海の博覧会」の釜石会場で初開催された後、2010年から年度事業として定着。11年の東日本大震災後も会場を転々としながら継続し、震災復興に向かう市民らに大きな力を与えてきた。
 
 中妻町の澤村幸治さん(74)は「被災前の市民文化会館での開催から見ている。近年はコロナ禍で地域の祭り行列がなくなっているので、虎舞を見られる貴重な機会。懐かしさと共に心が躍る」と話し、秋の釜石まつりの復活に期待を込めた。
 
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 本フェスティバルの模様は後日、ユーチューブチャンネル「かまいしの観光」で配信するほか、DVDの販売も予定する。

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広報かまいし2022年6月15日号(No.1786)

広報かまいし2022年6月15日号(No.1786)
 

広報かまいし2022年6月15日号(No.1786)

広報かまいし2022年6月15日号(No.1786)

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【P1】
表紙
【P2-5】
参議院選挙
【P6-8】
新型コロナワクチン接種のお知らせ
【P9】
個人情報の漏洩についてのお詫び
【P10-11】
健康診査・肺がん検診
【P12-13】
子どもはぐくみ通信
市民のひろば
【P14-15】
まちの話題
【P16-17】
防災行政無線
復興まちづくり協議会の開催 他
【P18-21】
まちのお知らせ
【P22-23】
保健案内板
保健だより
【P24】
市内で見られる夏鳥の紹介 他

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022060900074/
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みんなで守ろう!世界遺産 「橋野鉄鉱山」で環境美化活動&記念講演会

橋野鉄鉱山山神社エリアの環境美化活動=4日

橋野鉄鉱山山神社エリアの環境美化活動=4日

 
 釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」で4日、高炉跡周辺の環境美化活動が行われた。市が主催し、市民ら約20人が参加。老朽化のため新たな鳥居が設置された山神社エリアを中心に、見学者の安全な歩行環境を整えた。山神社の歴史にスポットをあてた記念講演もあり、参加者が遺跡の保護、継承へ理解を深めた。
 
 「みんなの橋野鉄鉱山」と題した同行事は、「橋野高炉跡国史跡指定60周年」となった2017年にスタート。史跡指定月日の6月3日にちなんで毎年同時期に開催される。今年の環境美化活動は、三番高炉の東側にある山神社跡周辺で行われた。参加者は沢水の流れを良くするための溝の清掃、山神社跡に向かう通路の整備、新設された鳥居周りの枯れ木の撤去のほか、大雨で土が流出した見学路の修繕などを行った。約1時間の作業で一帯は歩きやすい環境になった。
 
山神社跡に向かう石段などの堆積物も撤去した

山神社跡に向かう石段などの堆積物も撤去した

 
大雨で土が流出した通路に土砂を運び路面を補修

大雨で土が流出した通路に土砂を運び路面を補修

 
 この後、同鉄鉱山インフォメーションセンターで記念講演会が開かれた。市世界遺産課課長補佐の森一欽さんが講師を務め、同鉄鉱山山神社について解説した。
 
 盛岡藩士・大島高任が甲子村大橋で洋式高炉による連続出銑に成功した翌年、1858(安政5)年に操業を開始した橋野鉄鉱山。操業の安全などを祈願する山神社は、三番高炉東側の山の斜面、高炉建設に使う花こう岩を切り出した後の平場を利用し、60年ごろに建てられたと推測される。現在は礎石だけが残り、社の場所を物語る。
 
山の斜面の平場に礎石が残る山神社跡。右隣には「石割桜」が育つ

山の斜面の平場に礎石が残る山神社跡。右隣には「石割桜」が育つ

 
 山神社の御神体、扁額(ともに木製)、手水鉢(石製)は、同町中村の熊野神社に保管される。94(明治27)年に鉄鉱山が廃業した際、山神社の神主を兼務していた熊野神社が引き取ったものとみられる。手水鉢は64(元治元)年、扁額は69(明治2)年の作。山神社への登り口には69(明治2)年建立の「山神碑」と「牛馬観世音碑(供養碑)」が残る。
 
1869年建立の山神碑(左)と牛馬観世音碑

1869年建立の山神碑(左)と牛馬観世音碑

 
 市は2021年度事業で同神社の鳥居を建て替えた。変形し倒れかかっていた前の鳥居は、風化具合から1945(昭和20)年ごろの製作とみられ、世界遺産の対象となった時代からは外れるため、新設に至った。鳥居の下には、神社ができたころのものと思われる礎石(花こう岩)があり、これは「世界遺産の構成要素」となるため保全された。
 
以前と同じ形に再現された山神社の新しい鳥居

以前と同じ形に再現された山神社の新しい鳥居

 
 新しい鳥居は前の鳥居と同じ形に再現。地域の慣習にならい、地元産のクリの木で作った。形は代表的な2つの型(明神、神明)が交じったタイプ。解説した森さんは「高炉場の全景が描かれた絵図(巻)には鳥居が3つある。橋野鉄鉱山時代は朱塗りだった可能性も。今後の調査で他の鳥居の痕跡も見つかるかもしれない」と期待を示した。
 
橋野鉄鉱山山神社について解説する市世界遺産課の森一欽課長補佐

橋野鉄鉱山山神社について解説する市世界遺産課の森一欽課長補佐

 
記念講演に聞き入る参加者

記念講演に聞き入る参加者

 
 釜石観光ガイド会の新人ガイド、川崎通さん(66、栗林町)は昨年10月からの養成講座を修了し、同鉄鉱山などで実習を重ねてきた。この日の講演で、「山神社にもいろいろな歴史があることが分かった。ガイドの参考にしたい。ここを訪れる人は事前に勉強してくる人も多い印象。それに対応できるようさらに知識を深めたい」と意欲を見せた。
 
釜石観光ガイドの案内で山神社についても理解を深める見学者

釜石観光ガイドの案内で山神社についても理解を深める見学者

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ナツハゼ苗木、育成中 全国植樹祭へ 釜石・栗林小「大事にお世話」

全国植樹祭に向け苗木育成事業に取り組む栗林小児童、県職員ら

全国植樹祭に向け苗木育成事業に取り組む栗林小児童、県職員ら

  
 釜石市栗林町の栗林小(八木澤江利子校長、児童33人)は、来春本県で行われる第73回全国植樹祭(県など主催)に向けた苗木の育成事業に取り組んでいる。1、2年生8人がナツハゼの苗木10本を育成中。12月上旬まで世話をする予定で、「どんどん大きくなるよう、水やりを頑張る」と意欲を見せる。
   
 植樹祭で植栽する苗木を県内の小中学校の児童生徒に育ててもらう取り組み「苗木のスクールステイ」の一環。児童生徒に森林づくりの大切さを伝え、植樹祭成功の機運醸成を図ることを目的にする。本年度は県内54の学校や緑の少年団などが取り組んでおり、苗木計445本の育成を委託する予定。釜石・大槌地域では3校で実施している。
  
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「大事に育てるぞ」。県職員(右)からナツハゼの苗木を受け取る児童

   
 3日、県沿岸広域振興局農林部の職員3人が同校を訪問。育成を担当する児童らは緑の少年団「橋野森林愛護少年団」として、赤い帽子と緑のスカーフを身に付けて出迎えた。同部林業振興チームの主査林業普及指導員、新井隆介さんが子どもたちに苗木を引き渡した。
  
苗木に興味を示す子どもたち。水やりのタイミングを教わった

苗木に興味を示す子どもたち。水やりのタイミングを教わった

 
「大きくなって」と水やり。12月まで成長を見守る

「大きくなって」と水やり。12月まで成長を見守る

   
 受け取った子どもたちは、ナツハゼに興味津々。同部職員から、▽国内に自生するツツジ科の落葉低木で、黒い実を付けることから「和製ブルーベリー」とも呼ばれている▽夏にハゼノキのような紅葉を見せるのが名前の由来―などと特徴を聞き取った。「土を触ってみて、乾いていたら水をたっぷり上げてください。根元に優しくかけてあげて。花がいっぱい咲き、実がたくさん付くように大事に育ててほしい」と依頼を受けた児童は元気に「はーい」と応えた。
   
 佐々木貫汰君(2年)は「ナツハゼという植物を初めて知った。木が腐らないようにみんなと一緒に水やりを頑張る。葉っぱの色が変わったり、花が咲いたり、実がなるって聞いたから、変わるところを観察しながら育てたい」と胸を張った。
  
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森林づくりの大切さを伝える学習で自然への興味関心を高める子どもたち

   
新井さんによる森林環境学習も行われた。「いわて森林(もり)の恵みガイドブック」を使い、森林の働きや林業の仕事を解説。児童は、「県の木は?」というクイズに挑戦しながら、自然に対する理解や興味関心を高めていた。
   
 育てた苗木は12月に回収され、2023年春に陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園で開催が予定される全国植樹祭で植えられる。

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急げ!近くの避難場所へ 鵜住居小と釜石東中、下校時に合同訓練

大地震を告げる放送を聞き、近くの避難場所に向かう児童生徒ら

大地震を告げる放送を聞き、近くの避難場所に向かう児童生徒ら

  
 釜石市鵜住居町の鵜住居小(佐藤一成校長、児童140人)と釜石東中(佃拓生校長、生徒102人)は6月1日、下校時に地震と津波発生を想定した合同避難訓練を行った。「今いるところから一番近い避難場所は!」「とにかく高台に避難する」。学校での学びを生かし、東日本大震災時に生徒が児童の手を引き高台に避難した両校では、脈々とつないできた防災意識の深化に向け、自ら主体的に考え判断し行動する力を身に付けようと取り組みを進めている。
  
 三陸沖を震源とする震度6強の地震が発生し、高さ10メートル以上の津波が襲来するとの想定。帰宅途中に防災行政無線から大地震を告げる放送が流れると、児童生徒はその場にしゃがみ込み、持っていたかばんなどで頭を守った。「早く高台へ」「逃げろー、急げー」。揺れが落ち着いたことを確認し、近くの指定避難場所などに向かった。
   
警報が流れると、その場でしゃがみ込み荷物で頭を覆って身を守った

警報が流れると、その場でしゃがみ込み荷物で頭を覆って身を守った

  
最寄りの避難場所を目指し坂道を駆け上がる子どもたち

最寄りの避難場所を目指し坂道を駆け上がる子どもたち

  
 このうち日向・新川原地区を歩いていた子どもたちは、高さ19メートルの三陸沿岸道路釜石山田道路につながる「津波避難階段」に向かった。長内集会所に近い、鵜住居第2高架橋南側たもとにある階段は、上りきると鵜住居トンネル電気室前の広場に出る。そこを目指して約80段の階段を急ぎ足で上った。「気を付けて」。中学生や小学校高学年の児童は振り返って他の子に気を配って避難。より早く逃げられるよう、低学年児童の荷物を背負って逃げる生徒の姿も見られた。
  
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小学生のランドセルも背負って避難する中学生の姿があった

  
 主体的に行動することを目標に訓練に臨んだ高清水麻凜さん(釜石東中3年)は「普段は自分のことだけでいいが、今回は後輩のことを考えながら行動した。大きい声を出して誘導できた」と自己評価。川﨑拓真君(同)は「いざという時に備えて、防災に関する学びにしっかりと緊張感を持って取り組んでいく」と意識を高めた。
  
 震災から11年が経過。現在の小学生は当時0歳か1歳で、ほとんどは生まれていない。実際の記憶はなく、授業や教科書で「あの日」の出来事を学ぶ。岩鼻樹里さん(鵜住居小6年)は「サイレンが怖くてドキドキした。みんなと一緒にいて素早く行動できたけど、落ち着いて逃げることができなかった」と、ちょっと残念そうな表情を浮かべた。「知識はあっても、実感のない話」にしないよう真剣に参加していて、「本当の時は落ち着いて行動したい。自分の命を守ったら、低学年の子の命も守れるようになりたい」と上を向いた。
  
 鵜小・東中学区内の指定避難場所(津波災害緊急避難場所)は、両校の校庭を含め36カ所ある。今回の訓練で小学校は集団下校としたが、普段の下校時間はばらばら。登下校中に地震に遭遇したり、警報が鳴った時に周囲に頼ることのできる人がいない場合でも逃げられるよう各自が避難先を把握するのが訓練の目的。さらに、それぞれの状況に応じて考え、判断し、行動する力を鍛えてもらうのも狙いにする。
   
訓練終了後の反省会で、主体的に行動しようと思いを共有した

訓練終了後の反省会で、主体的に行動しようと思いを共有した

   
 訓練終了後、広場で反省会。地区住民20人ほども参加していて、新川原町内会の古川幹敏会長(69)が震災の経験談を交えながら、「大きな地震の時、みんなで一緒に行動できるとは限らない。大事なことは、どこにいても一人でも逃げることと、避難場所を考えておくこと。備えが必要。命を大切にする取り組みを一緒にやっていこう」と呼び掛けた。
  
 訓練の様子を見守った両校の教諭らは「中学生に頼らなくても逃げられる心構えを。どんな時でも自分の力で逃げられるよう努力してほしい」「訓練だからではなく、普段から本気で自分で考えて行動することが大事。夜中だったら…、自分ひとりかもしれない。いろんなパターンがあり、自主的に行動する姿勢を小学生につなげてほしい」と求めた。

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養殖サクラマス、評価上々「臭みなく食感よし」 釜石・魚河岸で事業者向け試食会  

養殖サクラマスの刺し身と塩焼きを味見する試食会参加者

養殖サクラマスの刺し身と塩焼きを味見する試食会参加者

  
 釜石湾内で海面養殖されているサクラマスの認知向上、需要拡大につなげようと、釜石市内の事業者向けの試食会が5月31日、魚河岸テラス内のヒカリ食堂で開かれた。飲食店や水産加工会社、行政関係者ら約30人が刺し身や塩焼きを味見。「臭みがない」「食感がいい」などと、6月の出荷を前に評価は上々だった。
  
 市と岩手大、釜石湾漁業協同組合、地元水産会社などで構成する釜石地域サクラマス海面養殖試験研究コンソーシアムが主催。参加者は、味や見た目、食感、脂の乗りを確かめながら味わった。上中島町にある鮎徳食堂の鮎田健さん(56)は「食感はすごくいい。身の色や味は思っていたより、あっさりした感じ。そこが良さなのかもしれないが、生食で活用するには工夫が必要になりそう。マリネのような料理で提供できたら」と考えを巡らせた。
  
ほんのり赤みがあり、脂が乗っているのに淡白、柔らかな食感が特徴

ほんのり赤みがあり、脂が乗っているのに淡白、柔らかな食感が特徴

  
参加者は味や見た目などを確かめ、活用策を探った

参加者は味や見た目などを確かめ、活用策を探った

  
 不漁が続く秋サケなどの主力魚種に代わる新たな水産資源として、サクラマスの海面養殖に関係者が寄せる期待は大きい。試験研究は2020年11月に開始し、1季目は約12トンを水揚げした。共同研究に参加する泉澤水産(両石町)の泉澤宏社長(60)は「養殖では寄生虫が付かず、刺し身で食べることができる」と強調。釜石地方で「ママス」としてなじみのあるサクラマスは日本の在来種でもあり、「釜石の春の魚として浸透し、応援してもらえるようにしたい」と熱い思いで取り組む。
   
 釜石流通団地水産加工業協同組合長で平田の水産加工業、リアス海藻店の平野嘉隆社長(50)は「小ぶりなので生食として需要があるのでは。加工原料とするには生産量をさらに増やす必要がある。サクラマスは市場での希少価値が高いはずなので、安定生産で量の確保を」と取り組みを見守る。
  
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釜石湾で試験養殖されているサクラマス

   
 2季目は昨年11月にスタート。静岡県産の300グラムほどの稚魚約2万1000匹をいけすに入れ、育てている。泉澤社長によると、今季は海水温が低めで成長に遅れがあったというが、5月に入り適水温になると餌をよく食べるようになり、順調に成育。中には2キロ越えのものも見られるという。6月中に水揚げを始め、計約24トンの出荷を目標にしている。
  
 海面での養殖飼育研究のほか、岩大が中心となって釜石地域の養殖環境に適した種苗研究も進められている。