晴天の下、行われたラグビーマスターズ交流会=11日、根浜シーサイド
不惑ラグビーの仲間が2年ぶりに釜石集結―。第3回KAMAISHIマスターズ交流会(実行委主催)は11、12の両日、釜石市鵜住居町の根浜シーサイド多目的グラウンドと釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。関東、関西エリアと地元岩手から計8チーム、約110人が参加。新日鉄釜石・日本一7連覇、ラグビーワールドカップ(W杯)開催のレガシー(遺産)が残る“聖地”で試合を楽しみ、ラグビー人の絆を深めた。
同交流会はラグビーW杯日本大会が行われた2019年に、東北唯一の試合会場となった同市を盛り上げようと企画され、同年3月に初開催。翌20年11月に2回目が行われたが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止されていた。
2年ぶりの交流会開催を喜ぶ参加チームの選手ら
本大会には、各地で活動するマスターズチームや名門高校のOBチームなど多彩な顔ぶれがそろった。初日の交流戦は根浜シーサイドが会場。20分ゲームを9試合行った。メンバーが足りないチームは他チームからの助っ人もOK。40~60代の選手が入り乱れ、試合を楽しんだ。マスターズ現役の選手、久しぶりにプレーする選手…。試合中は真剣勝負ながら和気あいあい。好プレー、珍プレーも飛び出した。
本県から唯一参加の岩手チームは、新日鉄釜石OB3人、釜石シーウェイブス(SW)OB6人を筆頭に、各地で活動する不惑仲間で構成。見事な連携プレーでトライを奪うなど地元の意地を見せた。
新日鉄釜石V7戦士の泉秀仁さん(白ジャージー中央)、釜石SWの主将を務めた篠原洋介さん(同右)
釜石SW元選手で、現アンバサダーの向井陽さんも気迫のプレー(白ジャージー中央)
新日鉄釜石時代、フランカーとして活躍した氏家靖男さん(66)=釜石市甲子町=は、今も不惑ラグビーでプレー。同交流会は19年以来の参加で、「体がなかなかついていけないが、若い人に紛れて何とかごまかしました(笑)」。前人未到の7連覇から37年―。「当時のことを覚えていて『釜石に来たかった』と言ってくれる人もいる。ありがたい」と感謝。「早くコロナがおさまって多くのラグビー仲間が来られるようになるといい。地域経済活性化にも貢献してもらえれば」と願った。
新日鉄釜石V7当時の主軸選手の一人、氏家靖男さん(手前中央)
試合後は対戦チームで記念撮影(岩手チーム&惑惑クラブ)
奈良県の天理高OBチームは全日制、定時制両ラグビー部の同窓生で結成。関西、名古屋、東京などに散らばる13人が駆け付けた。山本寛さん(55)は「今回は40代半ばのメンバーが増え、世代間交流も図られている。大会は天理同窓生が集まる機会にもなる」と歓迎。他チームから入ってもらった助っ人には「天理のジャージーを着られて感慨深い」との声ももらった。「天理のラグビーに興味を持ってくださる方がいること、この釜石で全国の仲間とプレーできることが何よりうれしい」と山本さん。
シンボルの白ジャージーで戦う天理高OBチーム
2日目は復興スタジアムでトーナメント戦が行われ、茗溪学園OBチーム(茨城県)が優勝した。