台湾代表 中華台北、被災地視察に釜石へ〜釜石シーウェイブスと合同練習、「今度はSWが台湾へ」と要請

台湾代表 中華台北、被災地視察に釜石へ〜釜石シーウェイブスと合同練習、「今度はSWが台湾へ」と要請

釜石市球技場で合同練習を行った中華台北と釜石SWのメンバー

釜石市球技場で合同練習を行った中華台北と釜石SWのメンバー

 

 12日に盛岡市で行われたIBC杯ラグビー招待試合で対戦した台湾代表の中華台北と釜石シーウェイブス(SW)RFCは14日、釜石市甲子町松倉の市球技場で合同練習を行った。台湾は東日本大震災の際、被災地に多額の支援金を贈るなど国ぐるみで後押ししている。花巻空港と定期便で結ばれるなど、岩手とのつながりも強まっている。今回は被災地の復興した姿を確かめたいと、釜石まで足を延ばした。

 

 釜石を訪れた中華台北のメンバーは選手やコーチ、スタッフ合わせて34人。チームの主力は大学生で、25人の選手のうち16人を占める。

 

 合同練習にはSWからほぼ全員のメンバーが参加。20分2本の練習試合をした後、FWとバックスに分かれてチームプレーの確認に取り組んだ。中華台北が課題とするスクラムやラインアウトの練習にはSWのキース・デイビスコーチが付き、丁寧に指導した。

 

 中華台北の黄鴻龍監督(49)は12日のSWとの対戦について「選手はとてもいい勉強になった。会場のたくさんのみなさんに応援していただき感謝している」と振り返る。合同練習については「スピード感あふれる攻撃、速い球出しなどが学べた」と収穫を挙げた。

 

 今回の遠征に同行した台湾ラグビー協会の黄漢滄理事長(69)は「被災地がここまで復興したことを、この目で確認できてうれしい。ラグビーだけではなく、文化的な面でも大いに交流できた」と喜んだ。その上で、「今度は釜石SWが台湾に来てほしい」と岩手県ラグビー協会の白根敬介会長を通して要請した。

 

 釜石SWの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(52)は「台湾と岩手の交流が深まる中で、こうした取り組みは意義がある。台湾遠征についてはこれから検討したい」と応えた。

 

チームマネージャー周さん、洞口さんを懐かしむ

 

「釜石は懐かしい」と周さん(左)

「釜石は懐かしい」と周さん(左)

 

 「懐かしいね」と、中華台北のチームマネジャー周天星さん(53)は市球技場を見回した。同球技場が「松倉グラウンド」だった時代に練習で何度か訪れたことがあるという。

 

 1998年に廃部となったトーヨコ建設ラグビー部で、新日鉄釜石日本一7連覇の主力だった洞口孝治さん(99年に他界)の指揮で10年近く戦った。

 

 現役時代はWTB、ナンバー8と幅広いポジションをこなした。2000年から5年間、中華台北の監督を務め、現在は日本国内の企業に勤めながら台湾ラグビーを支援する。

 

 「怒らない人。怒りは胸の内に押さえ、耐える人だった。すごい、いい人でしたね」。遠い目で、在りし日の洞口さんをしのんだ。

 

(復興釜石新聞 2019年5月18日発行 第791号より)

復興釜石新聞

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

1万人目の来館者となった瀬川さん(左から3人目)

いのちをつなぐ未来館 1万人達成、予想より早く〜授業の一環、視察も相次ぐ

1万人目の来館者となった瀬川さん(左から3人目)

1万人目の来館者となった瀬川さん(左から3人目)

 

 釜石市鵜住居町の津波伝承施設「いのちをつなぐ未来館」の来館者数が16日、1万人を達成した。セレモニーがあり、1万人目の来館者に指定管理者のかまいしDMC(社長・野田武則市長)から花束などの記念品が贈られた。オープンから2カ月足らずでの達成に、「予想以上の早さだ」と関係者。東日本大震災の惨禍と教訓を伝え続ける気持ちを新たにしている。

 

 1万人目となったのは、奥州市水沢の瀬川ハル子さん(73)。数日後に迎える誕生日のお祝いに、長女るみさん(50)と一泊旅行を楽しむ途中で同館に立ち寄った。

 

 瀬川さんは「思いがけないこと」と驚いた様子。鵜住居地区防災センター跡地に整備された追悼施設「釜石祈りのパーク」で、震災の津波で犠牲になった親族の名も確かめ、「忘れられない、忘れてはいけない場所だと感じた。また訪れたい」と言葉をかみしめた。

 

 未来館は、鵜住居駅前周辺に整備された公共施設(愛称=うのすまい・トモス)の一つで、3月23日にオープンした。震災の津波の痕跡が残る壁や津波来襲の時刻を示す壁時計などの遺物、釜石の防災教育と震災当時子どもたちがとった避難行動、生存者の証言など展示物で震災の教訓を伝える。最新技術のシステムで体を動かしながら津波の仕組みを学ぶこともできる。

 

 当初、年間1万6千人の来館者を目標に設定していた。かまいしDMCでは、津波から避難した経験を持つ運営スタッフの話をじかに聞いたり注目度の高さもあり、来館者数が伸びたと分析。県内の中高生が授業の一環で訪れたり、行政や企業の視察も相次ぐ。

 

 セレモニーに出席した野田市長は「祈りのパークと合わせ、この場所の存在、重さを痛感。忘れてはならない場、悲劇を繰り返さないため教訓を伝える施設であり、さらに多くの人に訪れてほしい。展示の内容も充実させたい」と述べた。

 

 同じ日にオープンした観光交流拠点施設「鵜の郷(うのさと)交流館」はすでに来館者1万人を達成。15日までで、2万6226人となっている。

 

(復興釜石新聞 2019年5月18日発行 第791号より)

 

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【インタビュー】独自ボランティア~いわて・かまいしラグビー応援団~

【インタビュー】独自ボランティア~いわて・かまいしラグビー応援団~

【インタビュー】独自ボランティア~いわて・かまいしラグビー応援団~

 

取材先:なごみ工房 徳増初子さん(RWC2019™釜石開催支援連絡会議メンバー、ラグビーカフェ釜石スタッフ)
インタビュー:2019年4月17日 / ラグビーカフェ釜石
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文・写真:市川香織(釜石まちづくり株式会社)

 

釜石駅から徒歩1分、シープラザ釜石の2階にある“ラグビーのまち釜石”をPRする「ラグビーカフェ釜石」。
そのテーブルの一つにミシン等を置き、毎日のように作業している女性がいます。
『なごみ工房』の徳増初子さんは、今秋開催されるラグビーワールドカップ(RWC)2019の釜石開催支援連絡会議のメンバーで、ラグビーカフェ釜石の運営スタッフでもあります。
実は、ここで作業しているのもRWCの“おもてなしボランティア活動”の一環だとか。どんな活動なのか詳しく聞いてきました。

 

釜石はラグビーでなきゃ、元気になんね!

 

徳増初子さん

 

ーーいつもここで何の作業をされているんですか?

 

今年の秋に、釜石でラグビーワールドカップの試合が2試合行われます。その試合観戦に来る方々に、「東日本大震災の際に頂いた支援への感謝」と「釜石へようこそ!」という気持ちを込めて、手作りのポケットティッシュケースをプレゼントしたいと思い制作しています。

 

ーー使われている材料は着物や浴衣生地ですか?色とりどりできれいですね!どうして、ポケットティッシュケースにしたんですか?

 

着物生地などの材料はもともと手元にあり、何を作ろうか?と仲間と話していたんですが、外国の方って着物の和柄が好きな方が多いし、日本のポケットティッシュはとても品質が良いって驚くでしょ? なので、ポケットティッシュケースに決めて3年くらい前から少しずつ作り初めました。

 

ポケットティッシュケース

 

ーー“ラグビーワールドカップ2019 釜石開催のおもてなし”という所に関わる様になったきっかけは?

 

ちょっと長くなるんだけど・・・
私の中で、高校の時(当時の釜石北高)からラグビーは身近なものでした。と言うのも、学校の先生に岩手県代表としてプレーしている先生が4,5人いたんです。授業中にふと窓の外を見ると、その先生たちが校庭でラグビーの練習をしていた光景が今でも思い浮かびます。
 
新日鐵釜石ラグビー部が全盛の頃には、私は子育ての真っ最中で試合観戦には行けなかったけど、1月15日だけはテレビの前にかじりついて応援していました。毎年楽しみでしたね。
高校卒業後から釜石を離れていたので、故郷の釜石が頑張っているという話題が出るとすごく嬉しくて。
そういう感じだから、新日鐵釜石ラグビー部の活躍で元気付けられている人たちは多かったんじゃないかなと思います。私を含めてね。

 
その後、「クラブチームになった」という話を聞いたので、すぐに調べて釜石シーウェイブスのサポーターになりました。地元に居た妹からも「釜石は廃れていくばかり・・・」みたいな話を聞いたりしていたけど、「いや、釜石はラグビーでなきゃ元気になんね!」っていう想いはどこかにあったの。

 

ーー釜石に戻って来たのは、東日本大震災の後からですか?

 

そうですね。東日本大震災がおきた時は静岡にいました。釜石には、震災の約1ヶ月後の4月17日に夜行バスで来て・・・。みぞれが降っていたのを覚えています。その時は、タクシーで避難所を回って家族や知り合いを探して、そしてまた夜行バスで戻りました。その後1年くらいは、自分の車に物資等を積んで月に一度くらい静岡と釜石を行き来しました。
 
そして、翌年くらいから「地域のおばちゃん達を元気にしなきゃ!」と思い、仮設住宅を訪問して「何か作ろう!」と声を掛けて回りました。80歳くらいの人たちと話す事も多かったんだけど、私が鵜住居の人間だから、昔の鵜住居のまちの話を共有出来るのが良かったみたい。5、60年前の話で盛り上がったりして。
そういう事があったので、私も「ここに通っていいんだ」と思う事が出来たんです。
 
そうして、釜石に戻って色々とやっているうちに、人との繋がりがまた繋がりを生んでという感じでした。
その中でも、津波で亡くなった私の妹の一番の親友の方と出会えた事がとても大きかったです。その方から、ラグビーのワールドカップ誘致活動が動き出すという話を教えてもらったんです。
 
私は鵜住居の出身だから、この地域の震災後の復興復旧の事を考えると、例えば、大会までに防潮堤や水門が完成していないと開催自体が出来ないわけだし、大会の誘致が地元に良い影響を与える事になると思って賛成しました。ラグビーも好きだったしね。そこから、ずっと活動に参加している感じです。

 

ポケットティッシュケース作りがボランティアになるんだ!

 

徳増初子さん

 

ーー3月には、色々と取材を受けていらっしゃいましたね。テレビ放送を拝見しました。反響はどうでしたか?

 

はい。放送後、全国の皆さんから「お手伝いしたいです!」とご連絡を頂きました。一番遠いのは広島ですね。その他に、姫路、大阪、名古屋、神奈川、千葉、埼玉の方も。
ここで作業している時に、「お手伝いに来ました!」と言って見ず知らずの方が訪ねて来てくださったり、鵜住居の人でも、これまであまり話をした事が無かった方から話しかけられるようになりました。

 

ーーお手伝いしたいという方は、どんな事を話されていますか?

 

「ポケットティッシュケースを作ってボランティアになるんだ!」って皆さん思ったみたい。
多分、これまでそれぞれ何かボランティアをしたいと思っていたんでしょうね。だけど、公式ボランティアは誰でも出来るわけではないし、実際に、ご連絡をくれた人の中に「公式ボランティアに落選した」っていう人もいましたから。今まで思いもよらなかった形で、「自分も参加する事が出来るんだ」って思ってくれたみたいです。

 

徳増初子さん

 

ーー活動への参加は、色々な形で出来そうですね。

 

そうですね。材料を送って下さる方もいるし、各作業工程の一部分を手伝うわという方もいるし。
遠方の方の場合は、こちらから材料を送る場合もありますけど、自分達で材料の調達から完成まで全部やります!という方々もいます。
また、活動に賛同して下さる市内の企業から、ケースの中に入れるポケットティッシュのご寄付を頂きました。本当にありがたいです。

 

観客3万2千人の人達に、釜石での思い出と共に持ち帰って欲しい

 

徳増初子さん

 

ーー観客の皆さんの手元に渡る時を想像すると、今はどんな想いですか?

 

もしかしたら、もらった時には特に嬉しいとか必要とか思わないかもしれないですね。だけど、試合を観戦している最中にティッシュペーパーが必要になる瞬間があると思うの。何か食べて手が汚れるとか、飲み物をこぼしたとか。そういう時に、「あ、さっきもらったよね」って使ってもらえればと思うし。
あと、「かまいし」の文字が入ったタグを付けたので、家に帰って「これ何だっけ?」って思った時に、それを見て「あー、釜石でもらったんだ!」って思い出してくれたらいいなと思います。
 
それから、この活動に参加してくれた皆さんには、自分が作った物が観客のどなたかの手に渡って、それぞれの国に思い出と共に持ち帰ってもらう、という事に想いを馳せて欲しいなと思います。
 
実際にどこで配布するかはまだ相談中なんですけど、私としては、やっぱり試合会場に来る観客の皆さんに配りたいと思っています。鵜住居でね。

 

ーー一緒に活動してくれる方はまだ募集中ですか?

 

はい、もちろんです。釜石の2試合の観客、3万2千人に配布したい!と、そこを目指して活動していますが、4/17日現在でまだ5000個くらいしか完成していないので・・・。
ですから、お気持ちがあれば、出来ると思うことでぜひ参加していただきたいですし、ケースの中に入れるポケットティッシュをご寄付して下さる企業様がいらっしゃったら、そちらのご協力もぜひお願いしたいです。
なごみ工房のFacebookページを作成しましたので、メッセージからご連絡いただければ、こちらからまたご連絡いたします。よろしくお願いします。
 
試合は観に行きますか?と尋ねたところ、「観たい気持ちももちろんあるんだけど、当日はこれを(ポケットティッシュケース)配布したり、出来れば折り紙の体験ブース等もやりたいと考えています。言葉が通じなくても、折り紙なら世界中の人たちとコミュニケーションを取れると思うから。」と話す徳増さんの笑顔はとても輝いていました。
「私にも何か出来る事があるかしら・・・?」 そう思ったことがある方がいたら、ぜひご連絡してみてはいかがでしょうか?

 

なごみ工房Facebook
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縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

日本代表VSフィジー代表

リポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンド「日本代表対フィジー代表」チケットの市民・県民向け優先販売の実施について

日本代表VSフィジー代表

 

ラグビーワールドカップ2019釜石開催実行委員会では、令和元年7月27日(土)14時50分キックオフのパシフィックネーションズ2019日本ラウンド「日本代表対フィジー代表」戦の入場チケットについて、チケットぴあ及び釜石まちづくり株式会社と連携し、釜石市民・県民向けの優先販売受付を下記のとおり実施しますので、お知らせします。

 

試合開催及びチケット販売につきましては、当サイトよりお問合せ等を頂きましても原則的に質問にはお応え出来ません。あらかじめご了承願います。
<問合せ先>
[開催概要]釜石市RWC2019推進本部事務局 電話:0193-27-8420
[チケット販売]釜石情報交流センター 電話:0193-27-8751

 

1. 販売取扱店舗

釜石情報交流センター(岩手県釜石市大町1-1-10 電話 0193-27-8751)

2. チケット関連業務対応時間

午前10時から午後7時まで
(センター開館中でもチケット業務はこの時間のみの対応。休館日:毎月第3木曜日)

3. 販売方法・スケジュール等

(1)【申込み(予約)】 5/25(土)~6/19(水) まで
所定の用紙(下記リンクからダウンロードのほか、釜石情報交流センターで配布)に必要事項を記入し、窓口に直接提出のうえ購入予約申込み。電話、FAXでの受付は不可。上記の時間のみ受付可能。
◆カテゴリー(1~4、車椅子エリア)ごとに、準備枚数に達し次第、順次受付を終了。
◆原則として受付した方は全員ご購入頂けますが、カテゴリーが振替となる場合があります。
 

リポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンド 市民・県民向けチケットお申し込み書

リポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンド 市民・県民向けチケットお申し込み書

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(2)【チケット発券】 6/1(土)~6/30(日) まで
窓口に申込用紙の控えを持参し、チケットを発券。現金引換え(支払は現金のみ)にて
チケットをお渡し。上記の時間のみ発券可能。
 
(3)6/21(木)以降は、チケットに余りがある場合に限り、その場で発券(現金引換え)も可

その他

6/1(土) 午前10時から、チケットの一般販売開始。チケットラグビー、チケットぴあのインターネット販売の他、全国のコンビニエンスストアなどでも購入できます。
なお、リポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンドの概要については、日本ラグビーフットボール協会HP(https://www.rugby-japan.jp/)を参照願います。

Q&A

◆市民・県民でないと購入出来ないの?
今回の販売は、市民・県民向けの優先販売です。
 
◆必ず買えるの?
予定枚数がなくならない限り、チケットは確保できます。総枚数はかなり多めに用意していますが、希望のカテゴリのチケットが売切れとなった場合、下のカテゴリに振替となる場合があります。
 
◆何枚購入できる?職場でのまとめ買いなども可能?
枚数の制限はありません。職場などでのまとめ買いもOK。ただし、空席を生むような購入(とりあえずたくさん買っておく等)はお控え下さい。また、営利目的での転売行為は法により禁じられています。特別販売の趣旨と目的をご理解頂き、確実に必要な枚数でのご購入をお願いします。
 
◆どうやって申し込む(購入する)の?
専用の申込用紙に記入し、釜石情報交流センターの受付カウンターにてお申込み下さい。それ以外の形(FAX・電話・メール等)では受付できません。「申込み受付」「発券(代金支払)」と、少なくとも2回お越し頂く必要があります。
①申込みを受付 → 窓口にて受付番号を発行
②(6月1日以降に)チケット受取り&代金支払いに来館 → チケットを発券し販売
 
◆申込用紙はどこで手に入れられる?
当ページ(上記リンク)からダウンロード可能なほか、釜石情報交流センターにて配布しています。その他公共施設等でも配布頂けるよう調整中。なお、こちらからの郵送やFAX送信などはいたしません。
 
◆チケット代金の支払いは?カード支払いや請求書払いも可能?
お支払いは現金引換えのみ。大口のまとめ買いの場合も同様の予定。
 
◆なるべく良い席が欲しい。まとまって見たい。
カテゴリは選べますが、座席は選べません。早ければ良い席という確約はなく、チケットぴあにて全てランダムに割り当てられます。同一申込みであれば、基本的に座席はなるべく固まって確保されます。
 
◆申込後に枚数やカテゴリを変更したい場合は?
先の申込みをキャンセルのうえ、再度お申込みを頂く形になります。
 
◆スタジアムへの交通について
当日は公共交通機関をご利用ください。
シャトルバス等の運行については、6/1(土)から特設HP「いわて・かまいしラグビー情報」に掲載される予定です。
https://www.rugby-iwate.kamaishi.pref.iwate.jp/

 

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

JFマリンバンクいわて釜石大槌支店の移転、開業を祝いテープカット

県信用漁連、魚河岸テラスに移転オープン〜釜石大槌支店 窓口業務開始

JFマリンバンクいわて釜石大槌支店の移転、開業を祝いテープカット

JFマリンバンクいわて釜石大槌支店の移転、開業を祝いテープカット

 

 県信用漁業協同組合連合会=JFマリンバンクいわて=(岩脇洋一会長)は13日、釜石市平田の釜石湾漁協事務所から同市魚河岸の釜石魚河岸にぎわい館(魚河岸テラス)に移転した釜石大槌支店(小林正人支店長、9人)のオープニングセレモニーを行い、窓口業務を開始した。今月中にATM(現金自動預払機)も設置する。

 

 県信漁連の細川道弥副会長(釜石湾漁協組合長)は「新店舗により管轄地域の信用サービスの向上に努めたい」とあいさつ。漁業団体役員、野田武則市長、平野公三大槌町長ら8人がテープカットし、新店舗での営業開始を祝った。

 

 新店舗は魚河岸テラスの1階にあり、床面積は約105平方メートル。

 

 県信漁連の今年3月末現在の預金残高は1487億円で、北海道に次ぎ全国2位。県内24漁協に対応し、13支店を展開する。釜石大槌支店は釜石東部営業店(釜石市箱崎町)、大槌出張店(大槌町吉里吉里)でも窓口業務を行っていたが、昨年12月で業務を停止、ATMだけのサービスに切り替えた。

 

 同支店によると、移転の告知以降、契約の見直しで顧客が減少したものの、預金残高の目立った変動はなかった。小林支店長は「顧客の大半が水産、漁業者だが、一般客の割合が高いのも当支店の特徴。利用者が増え、東部市街地の活性化につながれば」と期待する。

 

 同支店の窓口営業時間は平日の午前9時~午後3時。月末までに稼働開始を見込む支店のATMは、平田とともに年中無休(午前8時~午後9時)。釜石東部と大槌、唐丹町漁協3カ所のATMは従来どおり平日(午前8時半~午後5時)の運用となる。
 同支店の電話は0193・55・5316、FAX0193・55・5418。

 

(復興釜石新聞 2019年5月15日発行 第790号より)

 

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前半4分、敵陣深く攻め込むナンバー8中野裕太。ここからフッカー伊藤大輝(右)が先制トライを決める

釜石シーウェイブス、中華台北(台湾)に大勝〜今季初戦、課題も多く IBC杯 85―7

前半4分、敵陣深く攻め込むナンバー8中野裕太。ここからフッカー伊藤大輝(右)が先制トライを決める

前半4分、敵陣深く攻め込むナンバー8中野裕太。ここからフッカー伊藤大輝(右)が先制トライを決める

 

 第54回IBC杯ラグビー招待試合は12日、盛岡市のいわぎんスタジアムで行われ、釜石シーウェイブス(SW)RFCは台湾代表の中華台北に85―7(前半49―7)で大勝した。前半だけで7トライを奪い、後半も6トライを重ねて突き放した。オープン戦とはいえ、新チームになって初の試合を圧勝で飾った。課題も残したが、幸先良いスタートを切った。

 

 釜石SWは前半4分、ナンバー8中野裕太が敵陣深く攻め込み、フッカー伊藤大輝が右中間に先制トライ。7分には新加入のロック山田龍之介がWTB小野航大のキックパスをつなぎ、中央に回り込んでトライ。その後も守備の甘いアウトサイドを突き崩し、WTB関東申峻、CTB伊藤優駿、フランカー木村優太と立て続けにトライを重ねた。FBユーゲン・フィサーも7本のコンバージョンを全て決めた。

 

 後半も釜石の勢いは止まらない。交代でFBに入った星野将利のトライを皮切りに、一方的に6トライを重ね、登録25選手全員が出場する余裕の試合運びでノーサイド。大漁旗を振り、声援を送り続けた約2300人のファンに快勝で応えた。

 

 中華台北はIBC杯初の海外招待チームで情報は全くなかったが、釜石との力の差は歴然。小野主将は「スクラム、ラインアウトで圧倒できたし、アウトサイドのスペースをうまく使ってアタックできた」としながらも、「こちらもミスが多く、組織的に崩し切れていない。相手に合わせ、軽いプレーも目立った」と課題も指摘した。

 

 初采配を振るったスコット・ピアース新ヘッドコーチは「FW陣にけがが相次ぎ、満足な練習ができていない。多くの選手が経験を積めたのは今後のプラスになる」と収穫を挙げた。

 

新加入の山田 あいさつ代わりの初トライ

 

 長髪を振り乱しながら突進する新加入のロック山田龍之介(27)が一際、釜石ファンの目を引き付けた。前半7分には、あいさつ代わりの初トライも披露。「まだチームにフィットできていないが、一つ勝ったことでポジティブになれる」と意欲をみせた。

 

 立教大からトップリーグのNECに入り、5季プレー。「もっと自己表現したかった。もう少しチャレンジしてみたい」と釜石SWの門をたたいた。

 

前半7分、ファンの声援を背にトライを決める新加入ロック山田龍之介

前半7分、ファンの声援を背にトライを決める新加入ロック山田龍之介

 

 SWとは招待試合などで対戦したことがある。「ラグビーで地域の復興に貢献できる魅力的なチーム。釜石で一度やってみたかった」。しかし実際に来てみて感じたのは、「(被災地という)環境に甘えてはいないか」との自問。「持ち味のサポートプレーに徹し、勝利に貢献したい」と決意を新たにした。

(復興釜石新聞 2019年5月15日発行 第790号より)

 

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手をつないで避難する園児と児童

手を携え仲良く高台避難〜平田小と平田こども園、共助の心 訓練で養う

手をつないで避難する園児と児童

手をつないで避難する園児と児童

 

 平田小(中野順一校長、児童153人)と、隣接する平田こども園(小松美香園長、園児66人)は7日、合同で避難訓練をした。大きな地震の発生に伴い津波注意報が出されたとの想定。児童らは避難の流れや園児の避難支援の方法などを確認しながら共助の心を養った。

 

 合同訓練は、昨年開園したこども園が市立幼稚園として運営、園舎が建設された4年前から行っている。小学校とこども園は道路を挟んで約50メートルの距離にあり、低学年の児童の学習に園児が参加したりして交流している。

 

 午前9時45分、同時に訓練開始。小学校では児童が机の下に入って難を逃れた後、校庭に集まった。こども園の園児らは全員が園庭に待機。さらに、高台にある指定避難場所の君ケ洞広場を目指し、約300メートルの避難経路を歩いた。

 

 6年生30人が園児の手を取り誘導。園児が不安がらないよう「もう少しだよ、頑張れ」などと励ましたり、歩道側を歩かせたりして気を配った。1年生には5年生が付き添って移動。約10分で避難場所に到着した。

 

 反省会で、児童は「素早く安全に行動できた」などと感想を発表した。中野校長は「立派に避難できた。訓練は大事で、まずは自分の命を守ってほしい。注意報は災害のおそれがあるということ。少し時間がある場合は高学年が中心となり、こども園の友達と避難してほしい」と講評。小松園長は「小学生の格好いい姿を見習って、避難することを少しずつ覚えてほしい」と期待した。

 

 山崎陸翔君(6年)は、園児の手を引いて逃げるという体験に緊張したが、声掛けや歩く速さを園児に合わせるよう心掛けた。「責任を持ってできた」と充実した表情。しっかりと訓練に取り組み、有事の際の心構えや助け合いの意識を高めた。

 

 平田小では年6回の避難訓練を予定。火災、不審者対応訓練なども行う。

 

(復興釜石新聞 2019年5月11日発行 第789号より)

 

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さんりくるっと in 釜石2019

さんりくるっと in 釜石2019

さんりくるっと in 釜石2019

 

三陸の魅力をクルッとひとまとめ。家族みんなでたのしもう!釜石・大船渡・気仙沼の「おいしい」も大集合!

 

日時

2019年6月1日(土) 10:00〜16:30

場所

釜石市民ホールTETTO前広場
ステージ:釜石市大町広場
ストリートラグビー、ラグビー共和国:イオンタウン釜石前
出店エリア:釜石市民ホール前広場

スケジュール

10:00 開会セレモニー
11:00 それいけ!アンパンマン ショー ①
12:30 SCK GIRLS(気仙沼)
13:15 釜石シーウェイブスRFC(釜石)
14:00 LAWBLOW(大船渡)
15:00 それいけ!アンパンマン ショー ②
16:00 閉会セレモニー/フィナーレ「餅まき」
※時間は変更になる場合があります。

 

それいけ!アンパンマン ショー
①11:00〜 ②15:00〜

お相撲さんとの握手会
①10:30〜 ②14:30〜

ちびっこ相撲体験
①12:00〜 ②13:30〜 ※各回定員10名予定

ちゃんこお振舞(200食限定)
①10:30〜 ②14:30〜 ※各回無くなり次第終了

主催

さんりくるっと実行委員会
 
共催
三陸防災復興プロジェクト2019、ノース・リンク、(一社)ストリートラグビーアライアンス、RWC2019釜石開催支援連絡会
後援
釜石市、気仙沼市、大船渡市、陸前高田市、南三陸町、住田町、大槌町、釜石商工会議所、気仙沼商工会議所、大船渡商工会議所

さんりくるっと

さんりくるっと実行委員会

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未就学児のための「わんぱくひろば」

未就学児のための「わんぱくひろば」

未就学児のための「わんぱくひろば」

 

■□入場無料・申込不要□■
未就学児のための遊びの広場「わんぱくひろば」が開催されます。大型遊具やブロック、ボールプールなどを用意し、思い切り遊べる場を提供します。
わんぱくひろばチラシ(1,524 KB pdfファイル)

日時

令和元6月8日 土曜日 10時30分から12時/13時から14時30分

場所

中妻体育館(釜石市中妻町1-6-36 釜石中学校となり)

対象

0歳~小学校入学前のお子さまと保護者(必ず保護者同伴でご利用ください)

持ち物

体育館用シューズ(保護者の分もご準備ください)

注意事項

・体調の悪い方の入場はご遠慮願います。
・敷地内駐車場は利用できませんので、甲子川河川敷(五の橋たもと)をご利用ください。路上や私有地への駐車はなさいませんようお願いいたします。
・持ち込んだゴミはお持ち帰り願います
・メディアによる取材や、記録用写真の撮影をさせていただきます。予めご了承ください。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 保健福祉部 子ども課
〒026-0025 岩手県釜石市大渡町3丁目15番26号
電話 0193-22-5121 / FAX 0193-22-6375 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/hagukumu/jidofukushi/kosodateshien/detail/1193945_3290.html
釜石市

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釜石高ラグビー部員に模範プレーを示すウィルキンソンさん

ウィルキンソンさん(元イングランド代表)らレジェンド、W杯被災地開催にエール〜世界的スターの指導に興奮、ドキュメンタリー映像撮影で釜石に

釜石高ラグビー部員に模範プレーを示すウィルキンソンさん

釜石高ラグビー部員に模範プレーを示すウィルキンソンさん

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)の最多得点記録保持者、元イングランド代表のジョニー・ウィルキンソンさん(39)らが6日、釜石市を訪れ、W杯の会場となる釜石鵜住居復興スタジアムで地元の高校生らを指導。釜石シーウェイブスRFCジュニアの練習にも加わり、子どもらと交流を深めた。世界的なスター選手の華麗なパス回しや正確なキックに触れた高校生らは大興奮。子どもらと丁寧に、やさしく接し、アドバイスしたウィルキンソンさんは「これからも成長を見守っていく」と力強いメッセージを送った。

 

釜石シーウェイブスジュニアと交流するウィルキンソンさんら

釜石シーウェイブスジュニアと交流するウィルキンソンさんら

 

 ラグビーを30年にわたって支援するフランスの大手金融会社ソシエテジェネラルが企画した、W杯日本大会ドキュメンタリー映像の撮影の一環。ウィルキンソンさんのほか、オーストラリア代表のマット・ギタウ選手(36)、元フランス代表のクリスチャン・カリファノさん(46)とティエリー・デュソトワールさん(37)、元日本代表の広瀬俊朗さん(37)が訪れた。

 

 5人は釜石高、釜石商工高のラグビー部員30人にパスやキックなどの基本技術を指導。身ぶり手ぶりを交え、リラックスしてプレーすることの大切さを説いた。

 

 世界的な名選手のプレーに触れた釜石高ラグビー部の藤原常慈主将(3年)は「レジェンドのみなさんに、とても大切なことを教えてもらった。基本プレーの大切な部分を実戦で生かし、ラグビーで釜石を盛り上げたい」と決意を新たに。同部の及川総司監督(45)は「とんでもないレジェンドらに生徒が指導を受けることが信じられない。この経験は必ず今後の成長につながる」と期待した。

 

 「ラグビー界のベッカム」とも称されるウィルキンソンさんの釜石来訪に、多くの報道陣が取材に詰めかけた。記者会見でウィルキンソンさんは「想像を絶するダメージを受けたまちが復興を進め、W杯を誘致するに至ったエネルギーは計り知れない。釜石で開催されることで世界中の人がそのエネルギーを受け取ることになる」と、その意義を強調した。

 

「世界中の人が釜石からエネルギーを受け取る」とウィルキンソンさん

「世界中の人が釜石からエネルギーを受け取る」とウィルキンソンさん

 

 震災直後に釜石で支援活動に当たった経験のある広瀬さんは「つらい状況でも前に向かう姿勢はラグビー精神と共通している」と指摘。トップリーグのサントリーに所属するギタウ選手は、前回W杯で日本が南アフリカに勝利したことに触れ、「今大会での活躍も想像に難くない」と期待した。

 

 釜石で撮影した映像は8月下旬に世界100カ国に配信される。

 

(復興釜石新聞 2019年5月11日発行 第789号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

亡き母の思いかなえる「ちぎり絵展」、第二の古里 釜石で実現〜伊藤百代さん、新聞紙素材に独自の世界

亡き母の思いかなえる「ちぎり絵展」、第二の古里 釜石で実現〜伊藤百代さん、新聞紙素材に独自の世界

会場には伊藤さんの創作意欲がみなぎる作品が並んだ

会場には伊藤さんの創作意欲がみなぎる作品が並んだ

 

 第二の古里釜石で生きた証しを―。1992年まで31年間、釜石市で暮らし、今年1月20日に病で亡くなった伊藤百代さん(享年87)=東京都町田市=の新聞ちぎり絵展が、4月27~29日の3日間、釜石市民ホールTETTOで開かれた。80歳を過ぎてから独自の手法で芸術性の高い作品を生みだしてきた伊藤さん。昨年9月に釜石での個展開催を決め、準備を進めていたが、11月に病が見つかり帰らぬ人となった。「母の思いをかなえたい―」。長女の田中千賀子さん(60)ら家族が遺志を継ぎ、念願の“釜石展”を実現させた。

 

 会場には、伊藤さんが遺した新聞ちぎり絵や絵手紙、スケッチ画など100点以上が並んだ。絵手紙教室の教材で出会った新聞ちぎり絵に夢中になり、自分なりの創作法を確立した伊藤さんは、大小さまざまな作品を制作してきた。素材とするのは新聞紙の色刷り部分。描きたいものの写真などを見ながら、指でちぎった新聞紙を直接貼り付けて仕上げる。こだわりは、はさみやナイフを一切使わない、下書きはしない、着色はしないこと。一目では新聞紙をちぎったとは思えない油絵のような質感が見る人を驚かせる。

 

 伊藤さんが好んだモチーフは植物や風景。中には欧州各国などを旅した際の思い出の作品も。その国の新聞を使うのも“こだわり”だという。新聞ちぎり絵の絵手紙作品には、味わいのある言葉も添えられる。

 

生前の伊藤百代さん(右)と夫の孝さん

生前の伊藤百代さん(右)と夫の孝さん

 

 伊藤さんは静岡県湖西市出身。編み物師範として東京で働いていた時に釜石出身の伊藤孝さんと結婚し、61年、釜石に移り住む。2人の子どもを育てながら、大町商店街で事務員として働き、夜は編み物も教えた。81年、夫孝さん(当時46)が脳出血で倒れてからは、介護を続けながら生計を支えた。92年、伊藤さんが60歳の時に長女家族と同居するため、東京都町田市に移住。半身不随の夫の介護、孫の世話と忙しい日々を送った。

 

 孝さんが晩年大病を繰り返し、介護も大変になる中、精神的に落ち込む母を見かねた千賀子さんが「気晴らしに」と勧めたのがカルチャー教室。絵手紙が80歳の伊藤さんの支えになった。孝さんはその数カ月後、2013年3月に旅立った(享年78)。

 

 新聞ちぎり絵に生きがいを見いだしていた伊藤さん。釜石で個展を開こうとしたきっかけは、昨年9月に見た釜石特集のテレビ番組だった。震災を乗り越え前に進む市民の姿に涙し、「ぜひ釜石の皆さんに見てもらいたい」と、すぐに会場探しに着手。同月、元気に会場の下見にも訪れていたが、11月、腎臓がんが見つかり緊急入院した。

 

 「10月には食欲も落ちていたが、『心配しないで大丈夫』と言い続けていた。痛みもあっただろうが母は我慢強い人なので…」と千賀子さん。診断後、家族には命の危険も告げられていたが、病床では締め切りが迫った絵手紙展への応募を気にかけ、具合が悪いのを押して作品に筆を入れることも…。亡くなる3日前まで創作への情熱を燃やし、うわ言を口にしていた。

 

 <p class="cap">昨年10月に制作された新聞ちぎり絵の作品。釜石愛がにじむ</p>

昨年10月に制作された新聞ちぎり絵の作品。釜石愛がにじむ

 

 80歳からの挑戦。決してあきらめない姿勢。伊藤さんの生きざまが詰まった遺作展に、千賀子さんは「母の人生は苦労の連続。最後の最後に自分が打ち込めるものに出会い、こうして皆さんに褒めていただける花を開いた。母は愛情あふれる人だった。その愛を少しでも感じてもらえたなら」と思いを込めた。

 

 伊藤さんの個展は、17年に東京で初めて開催して以来2回目。

 

(復興釜石新聞 2019年5月8日発行 第788号より)

 

復興釜石新聞

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広報かまいし2019年5月15日号(No.1712)

広報かまいし2019年5月15日号(No.1712)

広報かまいし2019年5月15日号(No.1712)

 

本号の8ページに掲載しております記事に誤りがありましたので、訂正し、お詫びします。なお、ホームページには訂正済のものを掲載しております。
まちの話題の4月6日の記事につきまして、(誤)小井戸文哉 様 ⇒ (正)小井土文哉 様と訂正させていただきます。
関係者の皆様には、ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。

 

広報かまいし2019年5月15日号(No.1712)

広報かまいし2019年5月15日号(No.1712)

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【表紙】五葉山山開き
【P2〜3】民生委員・児童委員の日 活動強化週間/民生委員・児童委員名簿
【P4〜5】三陸防災復興プロジェクト2019開催
【P6〜7】6月1日から市内バス路線の運航方法が変わります/市職員を募集します
【P8〜9】まちの話題
【P10〜11】市民の広場/災害から身を守るために、緊急避難場所を確認しよう
【P12〜15】緊急避難場所/洪水・土砂災害時の避難行動の基準/避難場所・避難所の種類/甲子川、鵜住居川の洪水浸水想定区域指定に関する住民説明会を開催します/みんなの橋野鉄鉱山を開催します/工業統計調査を実施します
【P16〜19】まちのお知らせ/休日当番医・薬局・歯科医(6月)/各種相談
【P20〜21】保健案内板/保健だより/ワンポイントアドバイス
【P22〜23】復興情報
【P24】やっぺし!ラグビーワールドカップ2019推進本部通信/イベント民博家庭を募集します

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1228043_2596.html
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