ウィルキンソンさん(元イングランド代表)らレジェンド、W杯被災地開催にエール〜世界的スターの指導に興奮、ドキュメンタリー映像撮影で釜石に
釜石高ラグビー部員に模範プレーを示すウィルキンソンさん
ラグビーワールドカップ(W杯)の最多得点記録保持者、元イングランド代表のジョニー・ウィルキンソンさん(39)らが6日、釜石市を訪れ、W杯の会場となる釜石鵜住居復興スタジアムで地元の高校生らを指導。釜石シーウェイブスRFCジュニアの練習にも加わり、子どもらと交流を深めた。世界的なスター選手の華麗なパス回しや正確なキックに触れた高校生らは大興奮。子どもらと丁寧に、やさしく接し、アドバイスしたウィルキンソンさんは「これからも成長を見守っていく」と力強いメッセージを送った。
釜石シーウェイブスジュニアと交流するウィルキンソンさんら
ラグビーを30年にわたって支援するフランスの大手金融会社ソシエテジェネラルが企画した、W杯日本大会ドキュメンタリー映像の撮影の一環。ウィルキンソンさんのほか、オーストラリア代表のマット・ギタウ選手(36)、元フランス代表のクリスチャン・カリファノさん(46)とティエリー・デュソトワールさん(37)、元日本代表の広瀬俊朗さん(37)が訪れた。
5人は釜石高、釜石商工高のラグビー部員30人にパスやキックなどの基本技術を指導。身ぶり手ぶりを交え、リラックスしてプレーすることの大切さを説いた。
世界的な名選手のプレーに触れた釜石高ラグビー部の藤原常慈主将(3年)は「レジェンドのみなさんに、とても大切なことを教えてもらった。基本プレーの大切な部分を実戦で生かし、ラグビーで釜石を盛り上げたい」と決意を新たに。同部の及川総司監督(45)は「とんでもないレジェンドらに生徒が指導を受けることが信じられない。この経験は必ず今後の成長につながる」と期待した。
「ラグビー界のベッカム」とも称されるウィルキンソンさんの釜石来訪に、多くの報道陣が取材に詰めかけた。記者会見でウィルキンソンさんは「想像を絶するダメージを受けたまちが復興を進め、W杯を誘致するに至ったエネルギーは計り知れない。釜石で開催されることで世界中の人がそのエネルギーを受け取ることになる」と、その意義を強調した。
「世界中の人が釜石からエネルギーを受け取る」とウィルキンソンさん
震災直後に釜石で支援活動に当たった経験のある広瀬さんは「つらい状況でも前に向かう姿勢はラグビー精神と共通している」と指摘。トップリーグのサントリーに所属するギタウ選手は、前回W杯で日本が南アフリカに勝利したことに触れ、「今大会での活躍も想像に難くない」と期待した。
釜石で撮影した映像は8月下旬に世界100カ国に配信される。
(復興釜石新聞 2019年5月11日発行 第789号より)
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