【インタビュー】独自ボランティア~いわて・かまいしラグビー応援団~

インタビュー2019/05/21

【インタビュー】独自ボランティア~いわて・かまいしラグビー応援団~

 

取材先:なごみ工房 徳増初子さん(RWC2019™釜石開催支援連絡会議メンバー、ラグビーカフェ釜石スタッフ)
インタビュー:2019年4月17日 / ラグビーカフェ釜石
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文・写真:市川香織(釜石まちづくり株式会社)

 

釜石駅から徒歩1分、シープラザ釜石の2階にある“ラグビーのまち釜石”をPRする「ラグビーカフェ釜石」。
そのテーブルの一つにミシン等を置き、毎日のように作業している女性がいます。
『なごみ工房』の徳増初子さんは、今秋開催されるラグビーワールドカップ(RWC)2019の釜石開催支援連絡会議のメンバーで、ラグビーカフェ釜石の運営スタッフでもあります。
実は、ここで作業しているのもRWCの“おもてなしボランティア活動”の一環だとか。どんな活動なのか詳しく聞いてきました。

 

釜石はラグビーでなきゃ、元気になんね!

 

徳増初子さん

 

ーーいつもここで何の作業をされているんですか?

 

今年の秋に、釜石でラグビーワールドカップの試合が2試合行われます。その試合観戦に来る方々に、「東日本大震災の際に頂いた支援への感謝」と「釜石へようこそ!」という気持ちを込めて、手作りのポケットティッシュケースをプレゼントしたいと思い制作しています。

 

ーー使われている材料は着物や浴衣生地ですか?色とりどりできれいですね!どうして、ポケットティッシュケースにしたんですか?

 

着物生地などの材料はもともと手元にあり、何を作ろうか?と仲間と話していたんですが、外国の方って着物の和柄が好きな方が多いし、日本のポケットティッシュはとても品質が良いって驚くでしょ? なので、ポケットティッシュケースに決めて3年くらい前から少しずつ作り初めました。

 

ポケットティッシュケース

 

ーー“ラグビーワールドカップ2019 釜石開催のおもてなし”という所に関わる様になったきっかけは?

 

ちょっと長くなるんだけど・・・
私の中で、高校の時(当時の釜石北高)からラグビーは身近なものでした。と言うのも、学校の先生に岩手県代表としてプレーしている先生が4,5人いたんです。授業中にふと窓の外を見ると、その先生たちが校庭でラグビーの練習をしていた光景が今でも思い浮かびます。
 
新日鐵釜石ラグビー部が全盛の頃には、私は子育ての真っ最中で試合観戦には行けなかったけど、1月15日だけはテレビの前にかじりついて応援していました。毎年楽しみでしたね。
高校卒業後から釜石を離れていたので、故郷の釜石が頑張っているという話題が出るとすごく嬉しくて。
そういう感じだから、新日鐵釜石ラグビー部の活躍で元気付けられている人たちは多かったんじゃないかなと思います。私を含めてね。

 
その後、「クラブチームになった」という話を聞いたので、すぐに調べて釜石シーウェイブスのサポーターになりました。地元に居た妹からも「釜石は廃れていくばかり・・・」みたいな話を聞いたりしていたけど、「いや、釜石はラグビーでなきゃ元気になんね!」っていう想いはどこかにあったの。

 

ーー釜石に戻って来たのは、東日本大震災の後からですか?

 

そうですね。東日本大震災がおきた時は静岡にいました。釜石には、震災の約1ヶ月後の4月17日に夜行バスで来て・・・。みぞれが降っていたのを覚えています。その時は、タクシーで避難所を回って家族や知り合いを探して、そしてまた夜行バスで戻りました。その後1年くらいは、自分の車に物資等を積んで月に一度くらい静岡と釜石を行き来しました。
 
そして、翌年くらいから「地域のおばちゃん達を元気にしなきゃ!」と思い、仮設住宅を訪問して「何か作ろう!」と声を掛けて回りました。80歳くらいの人たちと話す事も多かったんだけど、私が鵜住居の人間だから、昔の鵜住居のまちの話を共有出来るのが良かったみたい。5、60年前の話で盛り上がったりして。
そういう事があったので、私も「ここに通っていいんだ」と思う事が出来たんです。
 
そうして、釜石に戻って色々とやっているうちに、人との繋がりがまた繋がりを生んでという感じでした。
その中でも、津波で亡くなった私の妹の一番の親友の方と出会えた事がとても大きかったです。その方から、ラグビーのワールドカップ誘致活動が動き出すという話を教えてもらったんです。
 
私は鵜住居の出身だから、この地域の震災後の復興復旧の事を考えると、例えば、大会までに防潮堤や水門が完成していないと開催自体が出来ないわけだし、大会の誘致が地元に良い影響を与える事になると思って賛成しました。ラグビーも好きだったしね。そこから、ずっと活動に参加している感じです。

 

ポケットティッシュケース作りがボランティアになるんだ!

 

徳増初子さん

 

ーー3月には、色々と取材を受けていらっしゃいましたね。テレビ放送を拝見しました。反響はどうでしたか?

 

はい。放送後、全国の皆さんから「お手伝いしたいです!」とご連絡を頂きました。一番遠いのは広島ですね。その他に、姫路、大阪、名古屋、神奈川、千葉、埼玉の方も。
ここで作業している時に、「お手伝いに来ました!」と言って見ず知らずの方が訪ねて来てくださったり、鵜住居の人でも、これまであまり話をした事が無かった方から話しかけられるようになりました。

 

ーーお手伝いしたいという方は、どんな事を話されていますか?

 

「ポケットティッシュケースを作ってボランティアになるんだ!」って皆さん思ったみたい。
多分、これまでそれぞれ何かボランティアをしたいと思っていたんでしょうね。だけど、公式ボランティアは誰でも出来るわけではないし、実際に、ご連絡をくれた人の中に「公式ボランティアに落選した」っていう人もいましたから。今まで思いもよらなかった形で、「自分も参加する事が出来るんだ」って思ってくれたみたいです。

 

徳増初子さん

 

ーー活動への参加は、色々な形で出来そうですね。

 

そうですね。材料を送って下さる方もいるし、各作業工程の一部分を手伝うわという方もいるし。
遠方の方の場合は、こちらから材料を送る場合もありますけど、自分達で材料の調達から完成まで全部やります!という方々もいます。
また、活動に賛同して下さる市内の企業から、ケースの中に入れるポケットティッシュのご寄付を頂きました。本当にありがたいです。

 

観客3万2千人の人達に、釜石での思い出と共に持ち帰って欲しい

 

徳増初子さん

 

ーー観客の皆さんの手元に渡る時を想像すると、今はどんな想いですか?

 

もしかしたら、もらった時には特に嬉しいとか必要とか思わないかもしれないですね。だけど、試合を観戦している最中にティッシュペーパーが必要になる瞬間があると思うの。何か食べて手が汚れるとか、飲み物をこぼしたとか。そういう時に、「あ、さっきもらったよね」って使ってもらえればと思うし。
あと、「かまいし」の文字が入ったタグを付けたので、家に帰って「これ何だっけ?」って思った時に、それを見て「あー、釜石でもらったんだ!」って思い出してくれたらいいなと思います。
 
それから、この活動に参加してくれた皆さんには、自分が作った物が観客のどなたかの手に渡って、それぞれの国に思い出と共に持ち帰ってもらう、という事に想いを馳せて欲しいなと思います。
 
実際にどこで配布するかはまだ相談中なんですけど、私としては、やっぱり試合会場に来る観客の皆さんに配りたいと思っています。鵜住居でね。

 

ーー一緒に活動してくれる方はまだ募集中ですか?

 

はい、もちろんです。釜石の2試合の観客、3万2千人に配布したい!と、そこを目指して活動していますが、4/17日現在でまだ5000個くらいしか完成していないので・・・。
ですから、お気持ちがあれば、出来ると思うことでぜひ参加していただきたいですし、ケースの中に入れるポケットティッシュをご寄付して下さる企業様がいらっしゃったら、そちらのご協力もぜひお願いしたいです。
なごみ工房のFacebookページを作成しましたので、メッセージからご連絡いただければ、こちらからまたご連絡いたします。よろしくお願いします。
 
試合は観に行きますか?と尋ねたところ、「観たい気持ちももちろんあるんだけど、当日はこれを(ポケットティッシュケース)配布したり、出来れば折り紙の体験ブース等もやりたいと考えています。言葉が通じなくても、折り紙なら世界中の人たちとコミュニケーションを取れると思うから。」と話す徳増さんの笑顔はとても輝いていました。
「私にも何か出来る事があるかしら・・・?」 そう思ったことがある方がいたら、ぜひご連絡してみてはいかがでしょうか?

 

なごみ工房Facebook
https://www.facebook.com/kamaishi.nagomikoubou/
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縁とらんす編集部による記事です。

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