世界遺産登録を記念して釜石商議所が製作した「トレシー」

「橋野鉄鉱山」の案内図プリント、高性能クロストレシー販売開始〜世界遺産登録を記念、釜石の新たな土産物に

世界遺産登録を記念して釜石商議所が製作した「トレシー」

世界遺産登録を記念して釜石商議所が製作した「トレシー」

 

 釜石商工会議所は、世界遺産「橋野鉄鉱山」の案内図をプリントした高性能クリーニングクロス「トレシー」の販売を始めた。パッケージ入りで、価格は800円(税込み)。世界遺産登録を記念した製品で、地域の宝「橋野」を市内外に発信する釜石の新たな土産物としての需要に期待を寄せる。

 

 トレシーは、東レの高分子化学技術から生まれたもので、直径約2ミクロン(断面積比が髪の毛の1600分の1)というポリエステル100%の超極細繊維。細かい繊維でできており、汚れをかき取る性能が高いという。洗濯することで性能が回復する点もメリットの一つ。メガネ、カメラやスマートフォンなどの画面、時計、宝石など幅広く使うことができる。

 

 大きさは縦約15センチ、横約24センチ。1千個を製作し、シープラザ釜石内の釜石特産店、道の駅釜石仙人峠、橋野どんぐり広場で販売している。

 

 世界遺産登録後、観光客が増加しているが、「お土産が何もない」との声も多いことから、同所では今年に入り「土産物になり、地域振興の一助にもなれば」と記念品の制作を検討。「かさばらず軽い、残るもの」として記念品を完成させ、今後は宿泊施設などでの販売も視野に入れる。

 

 同商議所の山崎長也会頭は「釜石ならではのものができた。観光で来た方に喜んでもらえる」と太鼓判。総務・振興課の栗澤宏嘉担当課長は「手軽に持ち歩くことができるので、出張時に釜石を紹介する際の土産品としても活用してもらえれば」と期待する。

 

 問い合わせは釜石商議所(電話0193・22・2434)へ。

 

(復興釜石新聞 2016年8月24日発行 第514号より)

 

復興釜石新聞

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走って応援、間寛平さんら芸人 みにのくマラソン〜大助・花子さん、釜石でたすきリレー

天神町仮設団地で住民と触れ合った宮川大助・花子さん(中央)

天神町仮設団地で住民と触れ合った宮川大助・花子さん(中央)

 

 タレントの間寛平さん(67)ら吉本興業の芸人が東日本大震災の被災3県の沿岸部を駅伝形式で縦断する「RUN FORWARD KANPEI みちのくマラソン」が22日、釜石市に入り、仮設住宅の住民らとスイカ割りなどで触れ合った。

 

 同マラソンは、2012年から毎年行い、今年で5回目。今回は、前回までと走路を逆にした「北上コース」で、10日に福島県楢葉町を出発して約690キロでたすきをつなぎ、24日に宮古市の鍬ケ崎小仮設住宅でゴールする。

 

 スタートから12日目のこの日は、宮川大助・花子さんが第1走者として大船渡市を出発。釜石市役所で第7走者の大助・花子さんに再びたすきリレー、天神町仮設団地でゴールテープを切った。

 

 談話室前の広場で大助・花子さん、若手芸人がネタを披露。スイカ割りもあり、同団地はたくさんの笑顔と笑い声であふれていた。

 

 同団地で暮らす岡崎圭一さん(62)は「東前町に住宅を再建することにしているが、いつになるか分からない。団地の住民も減り、気持ちが沈みそうになる時に来てくれてうれしい。元気になる」と笑顔。近くの復興住宅に移った佐野みつ子さん(83)は「仮設生活でできた友達と楽しい時間を過ごせた。ありがたいです」とうれしそうだった。

 

 大助・花子さんは「おおふなと復興応援特別大使」を務めており、同マラソンにも毎年参加。「まちも人も明るくなっているのを感じられるのがうれしい。新しい生活に移っていく人たちの背中をそっと押せる活動を続けたい。がんばっぺし」とエールを送った。

 

 この日、間さんは仕事の都合で参加できなかったが、「東北の大地を走り、人と人とのつながりを届けたい。震災の記憶を風化させないよう、チームよしもと一丸で笑顔、勇気、元気を届けたい」との思いを込め、宮古市のゴールを目指して走り続ける。

 

(復興釜石新聞 2016年8月24日発行 第514号より)

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28日の切り替えに向け、鵜住居地区の新国道45号開通を祝うテープカット

被災の国道45号 鵜住居「復興見える」新道路 開通を祝う会〜28日から切り替え、長内橋で渡り初め

28日の切り替えに向け、鵜住居地区の新国道45号開通を祝うテープカット

28日の切り替えに向け、鵜住居地区の新国道45号開通を祝うテープカット

 

 東日本大震災の津波で被害を受けた釜石市鵜住居地区の国道45号が28日から盛り土した新道路に切り替えられるのを前に、21日、開通を祝う会が現地で開かれた。鵜住居地域会議(花輪孝吉議長)が主催。地域住民ら約300人が集まり、同地区復興の基軸となる道路整備の進展を喜ぶとともに、新たなまちづくりへ思いを強くした。

 

 花輪議長は「新国道の開通を機に、被災した全ての地域が発展していくことを願う」とあいさつ。野田武則市長は用地を提供した地権者へ感謝の気持ちを伝え、「新道路により、宅地のかさ上げ工事が一段と加速する。スケジュール通り工事が進むよう行政としても最大限努力したい」と述べた。

 

 国道の一部の新・長内橋のたもとで、関係者がテープカット。鵜住居町の岩﨑プロパン会長、岩﨑吉平さん(83)、サツさん(80)夫妻ら3代の家族を先頭に地域住民らが渡り初めを行った。餅まき、地元の外山鹿踊、鵜住居虎舞の演舞で開通を盛大に祝った。

 

吉平さん(右)を先頭に長内橋の渡り初めをする岩﨑さん一家

吉平さん(右)を先頭に長内橋の渡り初めをする岩﨑さん一家

 

 「想像した通りの姿。広くて良い」と、新国道を見回した小林誠一さん(71)。震災前、同町川原地区の国道沿いで理容店を営んでいたが、津波で店舗兼自宅を失い、家族8人は日向地区のアパートと仮設住宅に分かれて生活。プレハブの仮設店舗で営業を続けている。以前の場所に近い新国道沿いに再建を予定し、来年秋ごろの土地の引き渡しが見込まれるという。「(津波で)亡くなった人も多いし、この近辺に戻る人は非常に少ない。私らも商売だから人口がないと困る。何とか住民が増えてくれれば」と願いを込める。

 

 鵜住居地区の新しい国道45号(延長1・2キロ)の整備は、土地区画整理事業と一体となって進められ、2014年7月に着工。現国道から30メートルほど海側の2メートル前後盛り土した用地に建設された。道路幅は以前の12メートルから17メートルに拡幅。路肩も最大で1・5メートルまで広げた。震災前の鵜住居駅前、寺前の両交差点の急カーブを解消し、緩やかな線形に。歩道は3・5メートルと以前より大幅に広くなる。

 

餅まきに笑顔を広げ、新国道の開通を喜ぶ地域住民ら

餅まきに笑顔を広げ、新国道の開通を喜ぶ地域住民ら

 

 28日から供用開始となるのは1・1キロ区間の車道。既存住民のライフライン(電気・通信・水道)を確保しながらの工事で、電柱移設や埋設水道管撤去など多くの調整に時間を要したこと、用地の引き渡しの遅れなどで、当初の予定から約5カ月遅れの開通となった。今後、歩道整備など残りの工事を進め、来年夏ごろの完成を目指す。

 

 同地区では国道のほか、復興公営住宅(集合・戸建て)や小・中学校の整備も着々と進む。鵜住居地区復興まちづくり協議会の藤原博会長(80)は「これで復興が見えてきた。今後2年間で本当の鵜住居の基礎づくりをやっていこうと、地元の各団体と話し合ってきたところ。昔からの地域の流れを知る年配者と若い世代で基盤を固め、次世代につなげていきたい」と将来を見据えた。

 

(復興釜石新聞 2016年8月24日発行 第514号より)

 

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第5回 ケアカフェかまいし店in三陸鉄道

第5回 ケアカフェかまいし店 in 三陸鉄道

ケア☆カフェでは、ジャズの流れるカフェのような雰囲気の中、コーヒーなどを飲みながら、 4〜5人のグループに分かれてテーマに沿った会話を楽しみます。席替えをして話を深め、さらに内容を全員で共有し、いろいろな意見を持ち帰ることを目的にしています。最後は、自由に交流する時間も設けています。 日頃、ケアに携わるみなさまのご来店をお待ちしています。

 
 

第5回 ケアカフェかまいし店in三陸鉄道

 

8月7日(日)、「第5回 ケアカフェかまいし店in三陸鉄道」を開催しました。今回は初の三陸鉄道(列車)でおこないました。釜石駅⇒盛駅⇒釜石駅へ2時間の小旅行。三陸海岸や三陸の住まいを見ながら『住』のテーマで楽しいおしゃべりの場にできました。

 

第5回 ケアカフェかまいし店in三陸鉄道

 

初の列車での開催。
初の会費制。
初の祝日開催。
初の日中開催。

 

初づくし!!!

 

12時~12時30分 昼食
12時30分~40分 ケアカフェの説明 
12時40分~13時 チャット1(おしゃべり)
13時~13時10分 席チェンジでの共有
13時10分 記念撮影
13時15分~35分 チャット2 (おしゃべり)
13時35分~45分 共有
13時45分~14時 アンケート

 

 

〜店長より〜
たくさんの地域からの参加があり、多職種の交流の他に、地域交流の場にもなっていると実感しました。ご来店、ご支援ありがとうございました。これからケアカフェかまいし店in三陸鉄道のイベントが『私達の発進と私達からの発信の場へ』なって行けたらばと思います。

 

第5回 ケアカフェかまいし店in三陸鉄道

 

 

神事の後、救命艇を海に運ぶ関係者。開校式に続き、さっそくスクールの講習がスタートした

復興支援の救命艇 根浜で進水、スクール開校 水難救助技術向上へ〜便利なコンテナ格納型、英国人が中心となり開発

神事の後、救命艇を海に運ぶ関係者。開校式に続き、さっそくスクールの講習がスタートした

神事の後、救命艇を海に運ぶ関係者。開校式に続き、さっそくスクールの講習がスタートした

 

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた釜石市鵜住居町根浜で18日、新たに導入された救命艇による水難救助のスクールが開校した。コンテナ格納型の救命艇は、復興支援活動で釜石を訪れた英国・ウェールズのロビン・ジェンキンスさん(ロンドン芸術大講師)が中心となり開発。根浜での活用をモデルに、日本の水難救助技術向上の一翼として貢献したい考えだ。

 

 同スクールは、救命艇を贈られた一般社団法人根浜MIND(岩崎昭子理事長)とジェンキンスさんが代表を務めるNGO「アトランティック パシフィック レスキューボートプロジェクト」が主催。開校式には受講する県内外の大学生や地元関係者ら約30人が出席し、救命艇の安全を祈る神事や進水式が行われた。

 

 ジェンキンスさんは2013年12月、芸術文化による心の復興支援を行うフューチャーラボ東北実行委(東京都)の活動で来釜。根浜の惨状に心を痛め、自身がボランティアで取り組む水難救助活動を通じた支援を思い立った。地域奉仕の一環で海難救助員を養成するウェールズのアトランティックカレッジ(国際的高等教育機関)の教師、生徒らと2年をかけて救命艇を製作。今回のスクールには、製作に携わり訓練を積んでクルー資格を取得した5人も指導者として参加している。

 

ジェンキンスさん(後列右から3人目)ら開校式の出席者

ジェンキンスさん(後列右から3人目)ら開校式の出席者

 

 救命艇は、強固な素材を用いた全長4・8メートル、幅1・8メートルのゴムボート。動力付きでエンジン込みの全重量は230キロ、乗員3人での最高速度は26ノット。艇庫となるコンテナは長さ12・5メートル、高さ、幅ともに2・7メートル。内部には乗組員が装備を整えるスペースもある。コンテナは、フィッシャリーナの復興工事終了後、防潮堤に隣接して据え付けられる予定。

 

 根浜MINDの三浦勝理事(釜石ヨットクラブ会長)は「緊急時の救命活動はもちろん、トライアスロンやヨット大会での救助支援体制にも活用したい。根浜を先駆けに他の水域にも広げていければ」と将来を見据える。

 

 スクールの訓練は、150年の歴史を誇るイギリス王立救命艇協会の救助法を基に実施。19日まで初級・中級コースの指導が行われ、22~26日まで消防職員などを対象としたプロフェッショナルコースが開講する。

 

 ジェンキンスさんは「24時間対応できるアクティブなボートになることを願う。スクールの期間中、皆さんと話し合いを重ね、継続的な使われ方、訓練体制を模索していきたい」と話した。

 

(復興釜石新聞 2016年8月20日発行 第513号より)

 

復興釜石新聞

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釜石シーウェイブスRFC〜2016ホームゲーム 第二節

釜石シーウェイブスRFC〜2016ホームゲーム 第二節

釜石シーウェイブスRFC〜2016ホームゲーム 第二節

 

ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1 第二節

今年もラグビートップリーグ昇格への登竜門『ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1』が開幕します。釜石シーウェイブスの開幕戦と第二節はホームゲームでの開催。ぜひ、釜石市球技場をたくさんの市民や応援団で埋め、トップリーグ昇格を目指すシーウェイブスを応援しましょう!

日時

2016年9月18日(日) 14時キックオフ

場所

釜石市球技場(松倉グラウンド)
岩手県釜石市甲子町第10地割159

対戦相手

栗田工業ウォーターガッシュ

入場料

無料

 

ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1 2016ホームゲーム〜「疾風」バージョン

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ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1 2016ホームゲーム〜「怒涛」バージョン

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縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1 開幕戦

釜石シーウェイブスRFC〜2016ホームゲーム 開幕戦

ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1 開幕戦

 

ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1 開幕戦

今年もラグビートップリーグ昇格への登竜門『ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1』が開幕します。釜石シーウェイブスの開幕戦と第二節はホームゲームでの開催。ぜひ、釜石市球技場をたくさんの市民や応援団で埋め、トップリーグ昇格を目指すシーウェイブスを応援しましょう!

日時

2016年9月10日(土) 15時キックオフ

場所

釜石市球技場(松倉グラウンド)
岩手県釜石市甲子町第10地割159

対戦相手

秋田ノーザンブレッツRFC

入場料

無料

 

ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1 2016ホームゲーム〜「疾風」バージョン

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ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1 2016ホームゲーム〜「怒涛」バージョン

ジャパンラグビー トップイーストリーグ Div1 2016ホームゲーム〜「怒涛」バージョン

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青森青年会議所のメンバーらと共に、「ねぶた」の前で飛び跳ねる子どもら

支援の「青森ねぶた」出陣〜唐丹夢あかり、復興の願い込め花火も

青森青年会議所のメンバーらと共に、「ねぶた」の前で飛び跳ねる子どもら

青森青年会議所のメンバーらと共に、「ねぶた」の前で飛び跳ねる子どもら

 

 お盆を前に11日、釜石市唐丹町で「夢あかり」が開かれた。東日本大震災のあと昨年までは、「追悼」と「復興」の願いを込め被災地で一斉に花火を打ち上げる「ライトアップニッポン」に合わせて行っていたが、今年は地元の小白浜町内会や唐丹駐在所連絡協議会などが独自に実行委員会を立ち上げて開催。地元住民が繰り広げる盆踊りなどに合わせ、約700発の花火が夜空を彩った。青森市から支援の「ねぶた」も出陣。勇壮な山車が笛や太鼓の音に合わせて練り歩き、唐丹の復興にエールを送った。

 

 復旧した小白浜漁港の岸壁にメーン会場を設定。特設舞台では、釜石民謡クラブによる民謡、唐丹中生によるソーラン、花巻市東和町から駆け付けた津軽三味線グループの演奏などが繰り広げられた。花火が打ち上げられ、地元の桜舞太鼓も鳴り響いた。縁日広場も設けられ、子どもも大人も綿あめや焼きそばを味わい、輪投げやヨーヨーすくいなどの遊びを楽しんだ。

 

夜空を彩る花火を眺める家族連れ

夜空を彩る花火を眺める家族連れ

 

 青森ねぶたは2回にわたって出陣。鬼女を退治しようとする武将の勇壮な姿を表現した「紅葉狩り」の山車に灯がともされ、「らっせーらー」の掛け声に合わせて跳人(はねと)が飛び跳ねた。跳人に誘われた子どもらが飛び入りでパレードに加わり、「らっせーらー」と声を弾ませた。

 

 ねぶた師の内山龍星さんが2011年、ボランティアで釜石を訪れたのが、今回の出陣のきっかけ。東日本大震災復興支援事業に取り組む青森青年会議所(JC)などのメンバーが内山さんの思いに賛同し、青森ねぶた初の跳人団体「跳龍會」の面々と共にトラックに山車を積み約40人が駆け付けた。

 

 青森JC元理事長の佐藤一尚さん(41)は「内山先生の支援の思いが形になり、うれしい。わずかな力だが、青森ねぶたを通し、本当の意味で唐丹の復興につながれば」と期待する。

 

 唐丹夢あかりは震災のあった11年から毎年夏のこの時期に行われている。今回は地元企業や住民から資金を募って開催にこぎつけた。

 

(復興釜石新聞 2016年8月20日発行 第513号より)

 

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今後、本格的な盛り土工事が始まる浜町地区

盛り土本格化「早く戻りたい」思い募る〜東部地区高架橋東側、復興工事見学会

今後、本格的な盛り土工事が始まる浜町地区

今後、本格的な盛り土工事が始まる浜町地区

 

 釜石市が行う東部地区の震災復興事業のうち、国道45号高架橋東側の大規模造成工事区域(只越町の一部~東前町)で7日、地元住民や地権者らを対象とした現場見学会が開かれた。同エリアでは最大7メートル(標高8メートル)の盛り土造成を計画し、今後、市道浜町東前線(バス通り)から山側の宅地などの盛り土工事が本格化する。見学会の参加者は、先月示された工期の見直しを受け、これ以上の遅延が出ないよう要望。工事関係者は「連携して工程通り進めていきたい」と決意を新たにした。

 

 見学会には42人が参加。施工する熊谷組・小澤組特定建設工事共同企業体(安間正明所長)が説明にあたった。参加者は、現場代理人の石川晋さん(熊谷組)の案内で施工現場を見て回り、盛り土の高さを表示した大型看板などを見ながら造成地のイメージを膨らませた。

 

浜町の造成工事現場を見て回る参加者

浜町の造成工事現場を見て回る参加者

 

 国道45号東側の復興工事は2014年8月に着手。これまで、バス通りから海側の水産加工団地の造成や魚河岸線の道路整備などが進められてきた。今後、バス通りを含む山側の造成工事が本格化する。

 

 バス通りは現ルートに盛り土して新設する計画で、仮設道路の一部が先月から供用を開始。仮設道路は2期工事に入り、9月から新道の地盤改良、擁壁築造工事が始まる。魚河岸線は今年中にほぼ完成する見込みで、仮設道路と魚河岸線を利用しながらエリア内の通行を確保する。宅地などの造成は、9つのブロック単位で順次着工。年内に只越町(11月)、東前町(12月)エリアの工事に着手する。

 

 最大盛り土高7メートルは建物2階の高さに相当。盛り土容量は約26万立方メートル(25メートルプール540杯分)で、盛り土の側面はコンクリートブロックを積んで支える。

 

 造成地には自力再建(宅地、商業地、駐車場など)、公益施設用地196区画を整備。市の復興公営住宅(集合タイプ)1棟を浜町1丁目(市営ビル向かい)に建設する計画となっている。

 

 市が先月開いた東部地区復興まちづくり協議会では、同エリアの造成完了時期が工程の問題などで、昨年5月に示した時期より最大16カ月遅れることが説明された。工期の見直しで、自力再建用地の最も早い引き渡しは、来年6月(只越町)になる見通し。造成工事全体の完成は18年10月を予定する。

 

 被災した東前町で自宅の再建を計画する夫婦は、震災前、隣合わせで暮らしていた長男家族と一緒に住む家を建設予定。宅地の引き渡しが1年遅れると聞き、「高校生の孫を新しい家から送り出したかったが難しそう。着工の遅れで生じる問題も心配される。とにかく早く戻れるよう(造成工事を)進めてほしい」と願った。

 

 市は同エリアの工事の遅延理由として、水道管などのライフラインの切り回し作業やふくそうする埋設管(使用していない管)の撤去に時間を要していること、不発弾探査中の水道管破損事故による工程の変更、住民の生活道路確保のための施工計画の見直しなどを挙げている。

 

(復興釜石新聞 2016年8月13日発行 第512号より)

 

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スライド上映に合わせて展示されたチェーンソーアートの木工作品

山の日制定記念「五葉山フェア」山の魅力 写真や絵画で紹介〜「石楠花荘」早期改修もアピール

山の日制定を記念して開かれた「五葉山フェア」

山の日制定を記念して開かれた「五葉山フェア」

 

 県立自然公園指定50周年・山の日制定記念「五葉山フェア」は8日から11日までイオンタウン釜石で開かれた。五葉山石楠花荘改修促進協議会(会長=市川滋・釜石山岳協会顧問)が主催。五葉山をテーマとした写真や絵画、工芸作品などを展示したほか、山小屋の移り変わりなども写真で紹介。多くの市民に五葉山の魅力を伝えるとともに、老朽化が進む石楠花(しゃくなげ)荘改修の急務をアピールした。

 

 同協議会は釜石山岳協会、釜石勤労者山岳会、五葉山自然倶楽部で構成。同フェアは、自然公園指定50周年に加え、「山の日」(8月11日)が今年から休日になったことを記念して初めて企画し、イオンタウン釜石が会場を提供した。

 

 五葉山自然倶楽部は、これまで開催した「五葉山美術展」「五葉山昭和の記憶」に出品された写真や絵画を提供。チェーンソーアートの木工作品や加盟団体の活動記録を刻んだ記念誌も展示した。五葉山周辺の地図や山小屋の移り変わりも写真などで紹介し、石楠花荘改修の必要性を訴えた。

 

スライド上映に合わせて展示されたチェーンソーアートの木工作品

スライド上映に合わせて展示されたチェーンソーアートの木工作品

 

 11日は、四季それぞれにさまざまな表情を見せる五葉山の花々や動物の魅力を五葉山自然倶楽部がスライドで紹介。「山歩きの秘訣(ひけつ)」について、山のインストラクターによる講話もあった。

 

 会場では買い物客らが足を止め、自然豊かな五葉山の魅力を再認識。陸前高田市から訪れた会社員、石川真一さん(37)は「五葉山の美しい風景をあらためて知った。子どもが大きくなったらぜひ家族で登りたい」と話した。

 

 11日には同協議会のメンバー約40人が、初めて迎える「山の日」を記念して五葉山に登った。

 

 同協議会は今年4月に設立。建設から27年を経て老朽化し、倒壊の恐れもあるという石楠花荘の改修へ向け募金や署名活動を展開している。6月には、改修に役立ててもらおうと、五葉山周辺の3市町で構成する五葉山自然保護協議会(会長=野田武則釜石市長)に100万円を寄付した。

 

 この寄付金を含め募金はこれまでに160万円余りに上るという。市川会長は「五葉山は『花の百名山』の一つにも数えられ、最近では若い人たちの登山者も確実に増えている」とした上で、「27年前は石楠花荘の改築に約1500万円かかっており、今回は少なく見積もっても3~4千万円が必要。行政が(改修へ)動くまで募金活動を続けたい」と思いを込める。

 

(復興釜石新聞 2016年8月13日発行 第512号より)

 

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トークショーを行った布袋寅泰さんと布袋さんのメッセージ入りサインボールを掲げる野田武則市長

音楽で伝える”夢”のメッセージ、布袋寅泰さんトークショー〜ネバーギブアップ、ラグビーW杯釜石開催にエール

トークショーを行った布袋寅泰さんと布袋さんのメッセージ入りサインボールを掲げる野田武則市長

トークショーを行った布袋寅泰さんと布袋さんのメッセージ入りサインボールを掲げる野田武則市長

 

 一般社団法人チームスマイル(東京都渋谷区)の東日本大震災復興支援活動「”わたしの夢”応援プロジェクト」の第5弾として、ギタリストの布袋寅泰さんが7日、釜石市でトークショーを行った。布袋さんは釜石との縁や夢に向かいチャレンジする大切さを語り、2019年のラグビーW杯釜石開催に熱いエールを送った。

 

 会場のシープラザ釜石には、市内の小・中学生や抽選による一般観覧者50人が集まり、布袋さんを拍手と歓声で迎えた。布袋さんは少年時代、毎年夏休みに釜石の親戚の元を訪れており、いとこから聞かせてもらったビートルズに衝撃を受け、14歳でギターを始めたという。

 

 「釜石での音楽との出会いが人生を変えたのかも。父と母が出会ったのも釜石。ご縁があってつながっている」と明かした。震災では、甚大な被害を受けた釜石に心を痛め、音楽仲間と東北支援のコンサートを開催。2日間の東京ドーム公演で10万人を動員した。

 

 音楽で伝えたいメッセージを「”夢”の一言に尽きる。自分も夢があったからこそ努力し、前に進めた。これが生きる醍醐味(だいごみ)」と話し、4年前からロンドンに移り住み、夢だった世界への挑戦を始めたことを告白。一からのスタートに悔しい思いもするが、それが自分を奮い立たせる原動力になっていると強調した。

 

 布袋さんはショーの前に、鵜住居町のW杯スタジアム建設予定地も訪問。「この地に世界の目が注がれる。人の夢を何倍にも膨らませるチャンスが釜石に訪れようとしている。試合が歓声に包まれる瞬間を、僕も釜石の一員として楽しみたい」と期待を込めた。また、釜石の子どもたちへのメッセージとしてラグビーボールに「ネバーギブアップ」と記し、サインを添えて野田武則市長に手渡した。

 

 同じ中学の仲間とトークに聞き入った釜石東中吹奏楽部の小林暁さん(2年)は「布袋さんが釜石のことを大好きで、すごく思ってくれていて元気が出た。私も夢を持って音楽を続けたい」とパワーをもらっていた。

 

(復興釜石新聞 2016年8月10日発行 第511号より)

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そろいの浴衣姿であでやかな舞を披露し、夏の祭りを彩る「よいさ小町」

復活4年目 「よいさ」彩る釜石の夏、思い思いのスタイルで躍進〜オープンシティ目指し元気発信

間近に迫ったいわて国体をアピールする県沿岸振興局チーム

間近に迫ったいわて国体をアピールする県沿岸振興局チーム

 

 釜石の夏を彩る「釜石よいさ」(同実行委員会主催)は6日、大町から只越町の目抜き通りを特設会場に開かれた。東日本大震災による休止を経て復活してから4回目。通算では28回目となる今回は、市内外から36団体、約2千人が参加。最高気温が30度に迫る暑さの中、思い思いのスタイルで熱い群舞を繰り広げ、約7千人の観客が沿道からエールを送った。今回は、間近に迫った希望郷いわて国体の50日前を記念し、炬火(きょか)イベントも併せて行われた。

 

そろいの浴衣姿であでやかな舞を披露し、夏の祭りを彩る「よいさ小町」

そろいの浴衣姿であでやかな舞を披露し、夏の祭りを彩る「よいさ小町」

 

 大町・青葉通りに設置された特設舞台で開会セレモニー。君ケ洞剛一実行委員長(38)は「いい町には元気な祭りがある。明日の活力へ一緒に踊りを楽しもう」と宣言。野田武則市長は「釜石はオープンシティを目指す。”つながり人口”で、まちを元気にしたい。縁のある人はみんな祭りに参加して」と呼び掛けた。

 

威勢よく餅まきで28回目の「釜石よいさ」の幕開け。特設ステージの前に大勢の市民が群がった

威勢よく餅まきで28回目の「釜石よいさ」の幕開け。特設ステージの前に大勢の市民が群がった

 

 にぎやかに餅まきが行われたあと、錦町青年会が郷土芸能の虎舞を披露。続いて甲東、かまいし両こども園、正福寺幼稚園、上中島保育所の園児らが元気いっぱいの掛け声と踊りで「子供よいさ」を繰り広げた。目抜き通りの両側は、わが子の”晴れ姿”を追う家族らで埋まった。

 

「子供よいさ」で元気に行進する甲東こども園の園児ら。沿道では大勢の父母らが見守った

「子供よいさ」で元気に行進する甲東こども園の園児ら。沿道では大勢の父母らが見守った

 

 おはやし隊の太鼓や笛が鳴り響き、そろいの浴衣姿のよいさ小町があでやかに前ばやしを披露すると、いよいよ本番のスタート。そろいの浴衣や半てん、Tシャツなどに身を包んだ36団体の踊りの輪が回り始めた。

 

 横断幕を掲げ、手作りの山車を繰り出し、独自にアレンジした踊りでアピールするグループも。躍動する踊りを、沿道から市民や観光客らが拍手で盛り上げた。

 

 今回は、「釜石最後の芸者」といわれ今年1月に89歳で亡くなった伊藤艶子(藤間千雅乃)さんをしのび、伊藤さんが振り付けた「スタコラ音頭」も披露され、津波の教訓をアピールする場面もあった。

 

 釜石の地方創生を模索しようと活動する「釜石○○会議」から誕生したお祭り支援活動チーム「おまつり男塾」からは30人余りが参加。ドイツ人で3年前から市教委の外国語指導主事(ALT)として小中学生に英会話を教えるウェルカ・ミシエルさん(30)は自前の浴衣を着て加わり、「ドイツにこんな祭りはありません。かまいしサイコー」と声を弾ませた。

 

「ドイツにこんな祭りはありません」とミシエルさん。自前の浴衣がよく似合う

「ドイツにこんな祭りはありません」とミシエルさん。自前の浴衣がよく似合う

 

 法政大からはキャリアデザイン学部のゼミ生やOB13人が普段着で飛び入り。震災前からボランティア活動で釜石に足を運んでいるという会社員、広島愛子さん(29)=川崎市=は「釜石には魅力のある人がいっぱい。復興が体で感じられ、うれしい」と不慣れな踊りも楽しんだ。

 

人、人、人で埋まった露店。かつての釜石のにぎわいを思わせる

人、人、人で埋まった露店。かつての釜石のにぎわいを思わせる

 

 君ケ洞委員長は「天気にも恵まれ、震災後一番の祭りになった。みなさんが純粋に祭りを楽しむ表情を見て、本当の意味で釜石の夏の風物詩が戻ってきたと感じた。継続の難しさもあるが、さらに内容を充実させ、良い祭りにしたい」と思いを膨らませた。

 

(復興釜石新聞 2016年8月10日発行 第511号より)

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